この記事の要点
「PALフォーマットを表示」は、一覧に1080p・4Kの25fpsと、Pro系・iPhone Duoの4K 100fpsの行を出すだけの設定。オンにしただけでは動画は変わらない
PALはヨーロッパなどのテレビ方式で25fps。日本のテレビとDVDはNTSC(29.97fps)なので、国内で見せる動画を撮るならオフのままでよい
1分あたりの容量は高効率+HDRで1080p/25fpsが約65MB、4K/25fpsが約190MB、4K/100fpsが約700MB(設定画面の目安)。25fpsでも容量は減らない
25fpsの動画を日本向けのDVD(29.97fps)にすると、計算上は1秒あたり約5コマを繰り返す変換が入り、横に流れる場面でわずかな引っかかりが出ることがある
撮る前に画面の上のfpsを見る、撮ってしまったら入稿時に「25fps」と伝える。この2つで、PALの行を選んだ動画の困りごとはほぼ片づく
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「設定」の「カメラ」を眺めていて、「PALフォーマットを表示」というスイッチに目が止まる。オンにしてみると、「ビデオ撮影」の一覧に「1080p HD/25 fps(PAL TV)」という行が増える。何のための項目なのか、オンにしたまま撮ると何か変わるのか、そもそもPALとは何なのか。検索して来られた方の疑問は、たいていこの3つのどれかです。
答えを先に書きます。PALはヨーロッパなどで使われているテレビの方式で、この項目はPAL向けのフレームレート(1080pと4Kの25fps、Pro系とiPhone Duoでは4Kの100fps)を一覧に表示するための切り替えです。オンにしただけでは、撮れる動画は何も変わりません。増えた行を選んで撮ったときに、初めて25fpsや100fpsの動画になります。日本のテレビとDVDはNTSCという別の方式(29.97fps)なので、国内で見せる動画を撮るなら、オフのままで困ることはありません。
困るとすれば、気づかずに25fpsを選んで撮り、その動画をDVDにするときです。DVDの規格は29.97fpsを求めるので、計算上は1秒あたり約5コマを繰り返してコマ数をそろえる変換が入ります。止まった場面では分かりませんが、横に流れる場面でわずかな引っかかりが出ることがあります。この記事は、設定の意味から、機種ごとに選べる値、容量、25fpsで撮ってしまったときの見分け方と対処、当社へ入稿するときに伝えることまでを、この順で書いています。
本文は2026年9月時点の情報です。機種はiPhone 18 Pro・18 Pro Max・iPhone Duo(2026年10月23日(金)発売予定)と、iPhone 17・Air・17e、iPhone 16のシリーズを前提にしています。設定画面の文言と1分あたりの容量は、iOS 18.6の画面の文字列で確かめたもので、iOS 27の画面では未確認です。表記はバージョンで変わることがあります。
「PALフォーマットを表示」は、25fpsと100fpsの行を一覧に出すだけの設定
この項目は、カメラの動作を切り替えるスイッチではありません。オンにすると、「ビデオ撮影」の一覧に、それまで隠れていたPAL用のフレームレートの行が加わります。1080pと4Kの「25 fps(PAL TV)」、そしてPro系とiPhone Duoでは4Kの「100 fps(PAL TV、高解像度)」です。増えた行のどれかを選んで撮ったときに、動画のフレームレートが25や100になります。オンにしたまま、いつもの「1080p HD/30 fps」で撮り続けている限り、動画はいつもどおりです。
項目には、iOS 18.6の画面の文言で「PALは、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、南米の多くの国で使用されているテレビのビデオフォーマットです。」という説明が付いています。説明はこれだけで、日本で使うときにどうすべきかは書かれていません。だから、この画面を見ただけでは判断がつかないのです。
設定のどこにあるか(iOS 27の場合)
場所は「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」です。解像度とフレームレートの一覧の近くに「PALフォーマットを表示」のスイッチがあり、同じ画面に「1分間のビデオのサイズは、およそ以下の通りです:」という容量の目安が続きます。項目名や並び順はiOSのバージョンで変わることがあるので、見つからないときは「ビデオ撮影」の画面を下まで送ってみてください。
カメラアプリの側からも同じ設定に触れます。ビデオモードで画面の上に出ている解像度とフレームレートの数字をタップすると、値が切り替わります。ここに「25」が出ている状態で録画すれば、25fpsの動画になります。撮る前に画面の上の数字を見る。この習慣があれば、この記事で扱う失敗のほとんどは起きません。
iOS 27の場合の順路。項目名や並び順はバージョンで異なる
オンにして増える行と、増えない行
増えるのは、技術仕様のビデオ撮影欄に「25 fps」「100 fps」と書かれている組み合わせだけです。1080pと4Kには25fpsの行が加わりますが、720pには加わりません。720pは全機種とも30fpsだけです。100fpsは4Kにしかなく、しかもFusionメイン(背面の主カメラ)で撮るPro系とiPhone Duoに限られます。1080pの100fpsという行は、どの機種の仕様にもありません。
50fpsも出てきません。テレビのPAL方式は1秒に50回画面を描くので、50fpsの行があってもよさそうに思えますが、仕様ページの一覧は4Kが24・25・30・60・100・120、1080pが25・30・60・120で、50はどこにも無いのです。iPhoneでPAL向けの動画を撮るなら、通常の速さで25fps、高速のフレームレートが要るときは4Kの100fps、という2つの選択肢になります。
スローモーションの側はどうか。設定画面の文言として確認できているスローモーションの行は、1080pの120fpsと240fps、それにPro系とDuoの4Kの100fpsと120fpsです。この4Kの100fpsがPALのスイッチと連動して出る行なのかは、公式の案内では確かめられていません。1080pに25の倍数の行が足されるという記載も見つかっていません。PALをオンにしても、スローモーションの選び方が大きく変わるわけではない、と考えて差し支えありません。
シネマティック・タイムラプス・アクションモードの一覧には効かない
公式の案内で確かめられている範囲では、増えるのは「ビデオ撮影」の一覧の行です(Pro系とDuoの「スローモーション撮影」にある4K/100fpsがこのスイッチと連動するかは未確認です)。ほかのモードに効くという記載はありません。「シネマティック撮影」の選択肢は、初期設定の1080 HD(30 fps)と、4K(24 fps)・4K(30 fps)。iPhone 18 Proではこれに4K(60 fps)と1080 HD(60 fps)が加わります。25の付いた行があるという記載は、公式の案内に見当たりません。
アクションモードは最大2.8K・60fpsで、iPhone 17eと16eにはこのモード自体がありません。iPhone 18 Proで加わった「タイムラプス撮影」は最大4Kのドルビービジョンです。どちらも、PALのスイッチで選択肢が変わるという説明は見つかっていません。「シネマティックで25fpsは撮れるか」と聞かれたら、答えは「公式の案内では確認できない」です。海外向けの素材でシネマティックモードを使う予定があるなら、fpsの指定を受ける段階で、この点を先方に伝えておく方が安全です。
「PAL TV」「映画のスタイル」「領域節約」。一覧のカッコ書きが指しているもの
「ビデオ撮影」の一覧には、それぞれの行にカッコ書きが付いています。「1080p HD/25 fps(PAL TV)」の「PAL TV」がそれです。この記事の主役の行は、このカッコ書きで見分けます。ほかの行にも同じ形の注釈があり、意味を知っておくと、一覧の中で自分の行がどこにあるかがすぐ分かります。iOS 18.6の画面の文言で、iOS 27の画面では未確認です。
画面の表記
カッコ書きの意味
出る条件
720p HD/30 fps(領域節約)
容量を抑える行
全機種
1080p HD/25 fps(PAL TV)
PALのテレビ向け
PALをオン
1080p HD/30 fps(デフォルト)
初期設定の行
全機種
1080p HD/60 fps(よりスムーズ)
動きを滑らかに
全機種
4K/24 fps(映画のスタイル)
映画と同じコマ数
全機種
4K/25 fps(PAL TV)
PALのテレビ向け
PALをオン
4K/30 fps(高解像度)
4Kの基本の行
全機種
4K/60 fps(高解像度、よりスムーズ)
4Kで動きを滑らかに
全機種(高効率のみ)
4K/100 fps(PAL TV、高解像度)
PAL向けの高速撮影
Pro系・Duo、PALをオン
4K/120 fps(高解像度)
高速撮影
Pro系・Duo
カッコ書きは用途のヒントで、fpsの意味そのものではありません。「映画のスタイル」の24fpsは映画のフィルムと同じコマ数、「よりスムーズ」の60fpsは動きの速い場面向け、「領域節約」の720pは容量を抑える行、という読み方です。「デフォルト」は初期設定の行で、iOS 18.6の文言では1080p/30fpsに付いています。機種やiOSのバージョンで初期値が変わっているかは確かめられていません。Pro系とDuoにある1080pの120fpsの行に付くカッコ書きは、iOS 18.6の文字列では確認できていません。
読み方はひとつです。「PAL TV」と付いていればPAL向けの行。それ以外の行にPALの意味はありません。4K/100fpsだけは「PAL TV、高解像度」と2つ並んでいて、PAL向けの高速撮影で、かつ4Kである、という意味になります。「映画のスタイル」の24fpsはPALとは無関係ですが、DVDにするときにコマを足す変換が入る点では25fpsと似た立場にあり、これは後の節で触れます。
なぜ25と100なのか。テレビの方式が先にあって、fpsが後から決まった
数字の出どころは、テレビの方式です。PALはヨーロッパを中心に使われてきた方式で、電源の周波数が50Hzの地域で育ちました。1秒に50回の走査で画面を描き、動画としては25コマ、と一般に説明されます。NTSCは日本と北米の方式で、60Hzの電源に合わせて1秒に約60回の走査、動画としては約30コマ(正確には29.97fps)です。iPhoneの普段の一覧のうち「30・60・120」はNTSC側の系統、「24」は映画の系統、そして「25・100」がPAL側の系統、と分けると見通しがよくなります。
100は25の4倍です。4コマに1コマを残せば、25fpsにぴったり収まります。120は25では割り切れません。120fpsの動画を25fpsで見せようとすると、コマの間引きが等間隔にならず、動きが不均一になります。PAL向けの高速撮影として120ではなく100が並んでいるのは、この割り算の都合と考えると腑に落ちます。30fpsに対する120fps、60fpsに対する240fpsと、同じ「4倍」の関係です。
日本のテレビ放送は、東日本の50Hz、西日本の60Hzという電源の違いにかかわらず、全国でNTSC系の方式が使われてきました。DVD-Videoの規格でも、日本向けはNTSCの720×480・29.97fpsです。当社で作るDVDもこの仕様で、映像はMPEG-2、音声はAC-3またはLPCMです。日本で見せる動画をiPhoneで撮るときに、25fpsを選ぶ積極的な理由がほとんど無いのは、この土台があるからです。
日本のテレビとDVDはNTSC。iPhoneの25・100fpsはPAL側の値
29.97という半端な数と、25という切りのよい数
NTSCの29.97fpsは、白黒放送からカラー放送に移るときに、音声と色の信号が干渉しないよう30fpsからわずかにずらした値だと説明されています。30との差は約0.1%(計算値)で、目で見て分かる差ではありません。iPhoneの30fpsの動画をDVDにするときも、この差を埋める処理は入りますが、見え方が変わるほどのものではありません。29.97と30の関係は29.97fpsと30fpsの違い にまとめています。
ところが25fpsは違います。29.97÷25は約1.2(計算値)で、コマの数をおよそ2割増やす変換になります。この記事の後半で扱う「DVDにしたときの見え方」の話は、すべてこの2割の差から来ています。30と29.97の差は無視できても、25と29.97の差は無視できない。ここが、PALの行を選んで撮った動画の扱いが普段の動画と違ってくる境目です。
早見表|PALをオンにしたとき、機種ごとに選べる解像度とfps
ここで扱う全機種が、1080pと4Kの両方に25fpsの行を持っています。差が出るのは100fpsだけで、Pro系(iPhone 16 Pro以降のPro・Pro Max)とiPhone Duoの4Kに限られます。iPhone 17・Air・17e・16・16eは、PALをオンにしても4Kの25fpsまでです。下の表は、技術仕様ページの「ドルビービジョン対応ビデオ撮影」欄の値から、PALの行だけを抜き出して並べたものです。
機種
4K 25fps
4K 100fps
1080p 25fps
普段の一覧(参考)
iPhone 18 Pro/18 Pro Max
○
○(Fusionメイン)
○
4K 24・30・60・120/1080p 30・60・120
iPhone Duo(10月23日発売予定)
○
○(Fusionメイン)
○
同上
iPhone 17 Pro/17 Pro Max
○
○(Fusionメイン)
○
同上
iPhone 16 Pro/16 Pro Max
○
○(Fusion)
○
同上
iPhone Air
○
—
○
4K 24・30・60/1080p 30・60
iPhone 17
○
—
○
同上
iPhone 17e
○
—
○
同上
iPhone 16/16 Plus
○
—
○
同上
iPhone 16e
○
—
○
同上
「—」は仕様ページのビデオ撮影欄に記載が無いという意味で、隠し設定があるという話ではありません。100fpsの行には「Fusionメイン」(16 Proは「Fusion」)と添えられていて、背面の主カメラで撮るときの値です。望遠や超広角に切り替えたときの扱いは、仕様ページの記載からは読み取れません。機種ごとの動画仕様の全体はiPhone動画の仕様一覧 に1枚でまとめてあるので、自分の機種の位置を確かめるときはそちらが早いです。
フロントカメラとProResの25fps
前面カメラにも25fpsがあります。18 Pro・17 Pro・Air・17・17e・16・16 Plus・16eの前面カメラは、4Kが24・25・30・60fps、1080pが25・30・60fpsで、背面と同じ位置に25fpsの行が並びます。iPhone Duoは外側の12MPセンターフレームカメラが同じ構成で、内側のアンダーディスプレイのFaceTimeカメラは1080pの30・60fpsだけです。自撮りの説明動画をPAL地域の相手に送るような場面でも、前面カメラで25fpsが選べる、ということです。
ProRes(Pro系だけの機能)にも25fpsがあります。Appleの案内では、1080pは128GBモデルで30・25fps、256GB以上のモデルで60・30・25fps、4Kは256GB以上で30・25・24fpsです。ProResは高効率の何倍もの容量になる形式で、設定画面には1分あたり1080p/30fpsで約1.7GB、4K/30fpsで約6GBと書かれています。ProResの25fpsの容量は公式の文言として確認できていないので、30fpsの値を目安に考えてください。PALの行はProResでも選べるが、容量の桁が違う。それだけ覚えておけば十分です。
スローモーションの側にも、Pro系とDuoには「4K/100 fps」の行があります。設定画面の容量の目安には、この行が高効率+HDRで700MB、HDRなしで630MBと書かれていて、通常のビデオの4K/100fpsと同じ数字です。スローモーションとして撮るか、通常のビデオとして撮るかで、ファイルの大きさは変わらないと読めます。変わるのは、写真アプリで再生したときにゆっくり動く区間があるかどうかです。
ProResの25fpsは本体に録れるが、5GBまでは数分
ProResで25fpsを選ぶ場合、4Kの25fpsまでは外部ストレージが要りません。外部ストレージに記録する条件が付くのは4Kの60fps以上で、25fpsは256GB以上のモデルなら本体に録れます(128GBのモデルは1080pの30・25fpsまで)。本体に録るときは空き容量が少なくとも10%必要で、撮影できる時間が5分を切るとカメラアプリが自動でストレージを解放することがあります。iPhone 18 Proでは、初めてProResをオンにするときに「設定」>「カメラ」>「フォーマット」>「Apple ProRes」から「プロビデオストレージを構成」で確保する容量を決める手順が加わりました。
容量の桁は、先に書いたとおりです。1080p/30fpsで1分約1.7GBという設定画面の値を25fpsの目安にすると、当社のエンコード手数料の境目である5GBには、計算上は3分ほどで届きます。4Kなら1分未満です。ProResはHEVCの最大30倍の大きさになる、とAppleは説明しています。日本向けのDVDにするなら、どの形式で撮ってもMPEG-2の720×480になるので、ProResで撮る利点はディスクには残りません。ProResの25fpsが要るのは、海外の制作側からProResと25pの両方の指定が来たときだけと考えて差し支えありません。
25fps・100fpsの1分あたりの容量と、5GB・25GBに届く長さ
「25fpsにすれば30fpsよりコマが少ないぶん、容量が減るのでは」と考える方がいます。減りません。設定画面の目安がそう示しています。1080pの25fpsと30fpsは、高効率+HDRでどちらも1分約65MB、HDRなしで約60MB、互換性優先で約130MBと、同じ数字が並んでいます。4Kも、25fpsと30fpsは高効率+HDRで約190MB、HDRなしで約170MBと同じです。1秒あたりのコマ数が2割減っても、1コマに使うデータが増えるだけで、ファイルは小さくなりません。
下の表は、「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」に出る「1分間のビデオのサイズは、およそ以下の通りです:」の目安から、PALの行と、比べるための30fps・120fpsの行を抜き出したものです。数字は設定で3通りに分かれます。左から、高効率(HEVC)でHDRビデオがオン、高効率でHDRビデオがオフ、互換性優先(H.264)の順です。カッコ内の「PAL TV」「デフォルト」「高解像度」は画面の表記です。右端のMbpsは、1分あたりのMBを8倍して60で割った計算値で、実際のファイルは場面の動きや明るさで上下します。
画面の表記
高効率+HDR
高効率(HDRなし)
互換性優先
計算上のビットレート(高効率+HDR)
1080p HD/25 fps(PAL TV)
65 MB
60 MB
130 MB
約8.7 Mbps
1080p HD/30 fps(デフォルト)
65 MB
60 MB
130 MB
約8.7 Mbps
4K/25 fps(PAL TV)
190 MB
170 MB
270 MB
約25.3 Mbps
4K/30 fps(高解像度)
190 MB
170 MB
350 MB
約25.3 Mbps
4K/100 fps(PAL TV、高解像度)
700 MB
630 MB
—(選べない)
約93.3 Mbps
4K/120 fps(高解像度)
800 MB
740 MB
—(選べない)
約106.7 Mbps
この目安はiOS 18.6の画面の文言で、iOS 27の画面では未確認です。設定ごとの全部の行と、1時間への換算、空き容量からの逆算はiPhone動画の1分あたり容量 に載せています。ここではPALの行に絞って、数字の読み方だけを書きます。
互換性優先では、4Kの25fpsだけ数字が小さい
表の中で1か所だけ、25fpsと30fpsの数字が違う場所があります。互換性優先(H.264)の4Kで、25fpsが270MB、30fpsが350MBです。高効率では同じ190MBなのに、互換性優先では2割以上の差が付いています。画面の目安がそう書いてある、という以上の理由は公式の資料に見当たりません。互換性優先で4Kを撮る人が25fpsを選ぶと、容量の面では少し軽くなる。そう読める、というところまでです。
ただし互換性優先には、別の制約があります。フォーマットの説明文に「4K/60 fps、1080p/240 fps、およびHDRビデオを使用するには“高効率”が必要です。」とあるとおり、4K/100fpsは互換性優先では選べません。HDRビデオも撮れなくなります。容量を少し減らすために互換性優先へ切り替えると、失うものの方が多い。互換性優先で何が使えなくなるかはiPhoneの互換性優先は動画の容量が2倍になる で整理しています。
5GB・25GBに届く長さ(計算値)
当社では、1つの内容のデータがDVDで5GB以上、Blu-rayで25GB以上のとき、エンコード手数料(大容量データ・内容1種類につき)3,000円(税抜)がかかります。この境目に25fpsの動画が届く長さは、1分あたりの目安から割り算で出せます。1GB=1,000MBで計算した値で、実際は場面で上下します。
設定(高効率+HDR)
10分
30分
60分
5GBに達する長さ
25GBに達する長さ
1080p/25fps(65MB)
0.65GB
1.95GB
3.9GB
約77分
約6.4時間
4K/25fps(190MB)
1.9GB
5.7GB
11.4GB
約26分
約2.2時間
4K/100fps(700MB)
7.0GB
21GB
42GB
約7分
約36分
4K/120fps(800MB)
8.0GB
24GB
48GB
約6分
約31分
1080pの25fpsなら、発表会を通しで77分撮ってようやく5GBです。4Kの25fpsは26分、4Kの100fpsは7分で届きます。100fpsで撮った運動会のリレーを何本もつなぐと、DVD1枚の内容が10分足らずで境目を越える計算です。100fpsが必要な場面は限られるので、PALをオンにしたPro系やDuoで4Kを選ぶときは、fpsの表示が100になっていないかを撮る前に見ておくと、容量の面でも安心です。
設定画面の目安(iOS 18.6の文言)。25fpsにしても30fpsと同じ大きさ
DVDに入る時間の側の話は別です。DVDは4.7GBの盤に720×480のMPEG-2で収めるので、元の動画が何GBあっても、収録時間で画質が決まります。元データが大きいほど当社の変換の手間が増える、という関係だけがここでの論点です。DVDの収録時間と画質の関係はDVDにすると画質が落ちるのはなぜかで書いています。
日本で暮らしていて、25fpsを選ぶ場面はあるのか
あります。ただし、どれも「渡す先」か「撮る場所」に理由があるもので、画質や容量の得を狙って選ぶものではありません。当てはまらない人は、オフのまま30fpsで撮るのが、後の手間がいちばん少ない選び方です。
渡す先がPALの地域にいる
ヨーロッパやオセアニア、アジアの一部など、PALが使われてきた地域の家族や友人に動画を渡す場合です。相手が手元のテレビとDVDプレーヤーで見るなら、そのプレーヤーが読める方式は相手側の事情で決まります。確かめる順番は、まず相手の再生機が何を読めるか、次に動画をどの形で渡すか、最後にiPhoneの設定をどうするか。iPhoneの設定はいちばん最後で、相手の再生環境が先です。
相手がパソコンやスマートフォンで見るなら、fpsは25でも30でも再生できるので、設定を変える必要はありません。相手がPAL方式のディスクを求めている場合だけ、25fpsで撮っておくと、ディスクにする段階でのコマ数の変換が要らなくなります。海外向けのディスクの方式とリージョンの話はNTSCとPALの違い|海外のDVDが映らない理由と、海外に送るときの確かめ方 にまとめています。
海外の制作会社や配信先から25fpsの指定がある
海外の会社の広告や、海外のテレビ向けの番組に素材として渡す場合、先方から「25p」「50i」といった指定が来ることがあります。この指定があるときは、指示どおり25fpsで撮ります。指定が「50i」だった場合、iPhoneには50fpsの行が無いので、25fpsで撮ってから先方の側で整えてもらう、という段取りになります。ここは受け取る側に確認してからで、iPhoneの設定だけで先回りして決めない方がよいところです。
50Hzの照明の下で、ちらつきを避けたい
もうひとつ、東日本に限って出てくる理由があります。東日本の電源は50Hzで、蛍光灯やLEDの一部は、この周波数に合わせて明るさが細かく変わっています。30fpsや60fpsで撮ると、この明滅と撮影のコマの周期が合わず、画面に横の縞や明るさのうねりが出ることがあります。撮影の一般的な知識として、照明の周波数と合う25fpsや50fpsを選ぶとこの縞が出にくい、と言われてきました。
iPhoneでそれがどの程度効くかは、Appleの資料で確認できていません。カメラの側で明滅を抑える処理が働いている可能性もあり、機種や照明で結果が違います。体育館の照明で縞が出て困ったことがある人が、次の行事の前に25fpsで試し撮りをしてみる、という使い方なら意味があります。ただ、その動画を日本のDVDにするときには、後で書く29.97fpsへの変換が入ります。縞を避けるために25fpsで撮って、変換で引っかかりが出る。どちらを取るかは、撮る場面の動きの量で決めることになります。
選ぶ理由が無いなら、オフのまま
上の3つに当てはまらないなら、この項目をオンにする理由はありません。オンにして困るのは、一覧に行が増えるぶん、選び間違える余地が増えることです。「1080p HD/25 fps(PAL TV)」は「1080p HD/30 fps(デフォルト)」のすぐ隣に並びます。カメラの画面の上でfpsをタップして切り替えるときも、25が候補に入っていれば、指が一つ余計に進むだけで25fpsになります。設定を触るのが好きな人ほど、この行を一度は選んでしまいます。
「はい」が一つも無ければ、スイッチはオフのままでよい
判断を表にすると、次のようになります。「はい」が一つも無ければ、オフのままです。
問い
はい
いいえ
動画を渡す相手は、PALの地域でテレビとディスクで見るか
相手の再生機を確かめてから25fpsを検討
次の問いへ
海外の制作側から25p・50iの指定があるか
指示どおり25fps
次の問いへ
50Hzの照明の下で縞が出て困ったことがあるか
試し撮りで比べる(DVDにするなら変換が入る)
オフのまま30fps
気づかずに25fpsで撮っていた、という失敗の型
PALの行に関係する困りごとで、いちばん多い型はこれです。設定を試したときにオンにしたまま、あるいは家族の誰かが触ったまま、25fpsで何か月も撮っていた。気づくのは、動画を編集ソフトに入れたときか、ディスクにした映像を見たときです。症状、原因の見分け方、直し方の順に書きます。
症状: 編集ソフトのタイムラインが25fpsになる。他の動画と混ぜるとカクつく
編集ソフトの多くは、最初に入れた動画のfpsでプロジェクトを作ります。最初に入れたのが25fpsの動画だと、プロジェクトが25fpsになり、あとから足した30fpsや60fpsの動画がそこに合わせて間引かれます。逆に30fpsのプロジェクトに25fpsの動画を足すと、その動画だけ一部のコマが繰り返されて、横に動く場面で小さな引っかかりが出ます。パソコンで1本ずつ再生しているだけでは分からず、混ぜて初めて気づく症状です。
もうひとつの症状は、動画のプロパティに「25」と出ていることです。Windowsならファイルを右クリックして「プロパティ」>「詳細」、MacならQuickTime Playerで開いて「ウインドウ」>「ムービーインスペクタを表示」で、フレームレートが見られます(表記はOSのバージョンで異なります)。ここに25.00と出ていれば、撮影時にPALの行を選んでいます。
確かめ方: iPhoneの中なら写真アプリの情報、確実なのは今の設定を見ること
iPhoneの中で確かめるなら、写真アプリで動画を開き、上にスワイプして「情報」を出します。撮影した機種、日時、レンズ、ファイルサイズなどが並びます。表示される項目は機種やiOSのバージョンで異なり、フレームレートが出ないこともあります。出ないときは、上で書いたパソコン側のプロパティか、動画を編集アプリに入れたときの表示で見ます。
いちばん確実なのは、今の設定を見ることです。「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」を開いて、チェックが付いている行を見る。「25 fps(PAL TV)」に付いていれば、それ以降に撮った動画は全部25fpsです。過去の動画を1本ずつ調べるより、設定を見て「いつからこの状態だったか」を思い出す方が早く済みます。行事の日付と照らし合わせれば、どの動画が25fpsかはだいたい絞れます。
直し方: これから撮る分と、撮ってしまった分を分けて考える
これから撮る分は、「ビデオ撮影」で30fpsの行を選び直すだけです。今後この行を使わないなら、「PALフォーマットを表示」をオフに戻して、一覧から消しておきます。カメラの画面の上の数字が「30」になっているかを、次に撮る前に一度見てください。
撮ってしまった分は、元の25fpsのファイルを残したまま、別の形を作ります。編集ソフトで30fpsに書き出す方法と、そのまま当社に渡してディスク化の工程でそろえる方法があり、どちらがよいかは本数と用途で決まります。この判断は、後の「25fpsで撮ってしまった動画を整える」の節で扱います。ここでは、25fpsの動画と30fpsの動画を無理に自分で混ぜないこと、混ぜるなら混在動画をまとめる手順に沿って先にfpsをそろえることだけ覚えておいてください。
FPS自動調整との関係
設定には「FPS自動調整」という別の項目もあります。説明文は「“FPS自動調整”は、低照度のビデオを見やすくするためにフレームレートを24 fpsに落とし、シーンの動きに基づいて60 fpsのビデオのフレームレートを最適化します。」で、選択肢は「オフ」「30 fpsを自動調整」「30 fpsと60 fpsを自動調整」です。説明に出てくる数字は24・30・60だけで、25fpsを選んだときにどう動くかは書かれていません。暗い場面で25fpsの動画が24fpsに落ちるのかは、公式の説明からは分からない、というのが正確なところです。
行事の撮影でフレームレートが途中で変わるのを避けたいなら、この項目をオフにしておく判断もあります。仕組みと判断の基準はiPhoneのFPS自動調整とはに書きました。PALの行とFPS自動調整は別の項目ですが、「撮った動画のfpsが思っていたのと違う」という症状は、どちらからも起きます。プロパティで25と出れば前者、24や場面によって変わる値なら後者、と切り分けられます。
25fpsの動画をDVDにすると何が起きるか|29.97fpsへ揃える変換が入る
当社のDVDは、720×480・NTSC 29.97fps・MPEG-2で作ります。日本の家庭用プレーヤーで再生できるDVD-Videoの規格がそう決まっているからで、25fpsの動画を25fpsのままDVDにする、という作り方は日本向けの規格にはありません。DVDになるまでに、25fpsの動画には、解像度を720×480へ縮める変換、HDRであればSDRへ戻す変換、そしてこの節で扱う、フレームレートを29.97fpsへそろえる変換が、順に入ります。
解像度の縮小は、30fpsの動画でも4Kの動画でも同じように起きるので、ここでは深入りしません。仕組みは先に挙げた「DVDにすると画質が落ちるのはなぜか」に書いています。HDRがSDRになる話は、Blu-rayの節でまとめて触れます。この節は、25fpsの動画だけに起きるフレームレートの変換に絞ります。
計算で見る「1秒に約5コマ」
元の動画は、1秒間に25枚の絵で動きを描いています。DVDは1秒間に29.97枚で描く決まりです。長さを変えずにこの差を埋めるには、1秒あたり29.97−25=約5枚(計算値)の絵を、どこかから持ってくる必要があります。もっとも単純なやり方は、25枚のうち約5枚を2回ずつ見せることです。5枚に1枚の割合で、同じ絵が2コマ続く。これが「コマの繰り返し」で、多くの変換ソフトがこの方法を基本にしています。
もう少し手の込んだやり方として、前後の絵を混ぜて中間の絵を作る方法(ブレンド)や、動きを解析して間の絵を推定する方法(補間)があります。ブレンドは動きの引っかかりが減るかわりに、動く物の輪郭が二重に見える場面が出ます。補間は自然に見える場面も多い一方、人が重なる場面や細かい柄で、絵が崩れることがあります。どの方法でも「無い絵を作る」ことに変わりはなく、元が25枚である以上、30枚ぶんの情報にはなりません。
数字で見ておくと、29.97÷25=約1.2(計算値)です。DVD上の6コマのうち、5コマは元の動画の絵、1コマは繰り返しか合成の絵、という配分です。30fpsの動画をDVDにするときの29.97との差は、30÷29.97=約1.001(計算値)で、およそ1,000コマに1コマ、時間にして33秒に1コマの調整で済みます。25fpsは6コマに1コマ。桁が2つ違います。
普段の一覧にある「4K/24 fps(映画のスタイル)」も、PALの行とは別に、DVDにするときにはコマを足す変換が入ります。29.97÷24=約1.25(計算値)で、4コマに1コマを足す割合です。映画のフィルムをテレビやDVDに収めるときに長く使われてきた変換で、2コマと3コマを交互に繰り返す決まった手順があります。25fpsの6コマに1コマより足す割合は多いのに目立ちにくいと言われるのは、この規則正しさと、映画の動きに人の目が慣れているためです。24fpsで撮った動画がDVDでどう見えるかも、25fpsの場合と同じく、横に流れる場面の量で決まります。
横に流れる場面で目立ち、止まった場面では分からない
繰り返しの絵が入ると、動きが一瞬止まって見えます。1秒に5回、およそ0.2秒ごとです。ただし、その一瞬が目に付くかどうかは、場面でまったく違います。演奏会で奏者が座って弾いている、先生が壇上で話している、子どもが正面を向いて歌っている。こうした場面では、絵と絵の間の動きが小さいので、同じ絵が2回続いてもほとんど分かりません。発表会を25fpsで撮ってDVDにしても、変換に気づかない人の方が多いのは、この理由です。
目立つのは、画面全体が横に流れる場面です。運動会でリレーの走者を追ってカメラを横に振る、体育館の客席を端から端まで見渡す、テロップやスタッフロールが横や縦にゆっくり流れる。画面の全部が一定の速さで動いているとき、5コマに1回の繰り返しは「引っかかり」としてはっきり見えます。特にスタッフロールのように、動きが一定で目が追いやすいものは、変換の跡がそのまま出ます。
もう一つ目立つのが、普通の速さで人や車が画面を横切る場面です。被写体は動き、背景は止まっているので、被写体だけが小刻みに止まって見えます。運動会、ダンスの発表会、部活の試合。こうした「動きを撮る」行事の動画は、25fpsのままDVDにすると変換の影響を受けやすい部類です。逆に、合唱や講演、インタビューは受けにくい部類です。
変換の影響を小さくする、撮る側の工夫
撮ってしまった動画をどう変換するかは工程の側の話ですが、これから撮る動画については、撮る側でできることがあります。第一に、日本向けのDVDにするなら、最初から30fpsで撮ること。これで変換そのものが無くなります。第二に、25fpsで撮る事情があるなら、カメラを横に振る動きをゆっくりにし、テロップを流す演出を避けること。編集でスタッフロールを入れるなら、流すのではなく1枚ずつ切り替える形にすると、繰り返しの影響を受けません。
第三に、25fpsの動画と30fpsの動画を同じディスクに混ぜないことです。混ぜること自体はでき、複数のファイルを1枚のDVDにまとめる注文は当社でも受けていますが、ディスクの中で「引っかかる章」と「引っかからない章」が生まれます。見る側は、引っかかる章だけが画質の悪い動画のように感じます。同じ行事の動画は同じfpsでそろえておく方が、ディスクにしたときの印象がそろいます。
30fpsとの差を、DVDにした後で見分けられるか
できあがったDVDを見て、「これは25fpsで撮った動画だ」と当てられる人は、映像の仕事をしている人でもそう多くありません。止まった場面が多い動画なら、まず分かりません。分かるのは、上で書いた横に流れる場面だけです。撮ってしまった25fpsの動画をDVDにするかどうかで悩んでいるなら、動画の中に「カメラを大きく振った場面」「流れるテロップ」「横切る動き」がどれだけあるかを数えてください。少なければ、そのままDVDにして問題になることはまずありません。
多い場合は、次の2つのどちらかです。自分で編集ソフトを使って30fpsに書き出してから入稿するか、そのまま入稿して変換の工程でそろえるか。書き出しで起きることは、上で書いた繰り返しや合成と同じなので、どちらを選んでも「無い絵を作る」点は変わりません。違うのは、書き出しの設定を自分で選べるかどうかと、手間がどちらに乗るか。この比べ方は「25fpsで撮ってしまった動画を整える」の節で書きます。
100fpsの動画は、ディスクでは3コマに1コマだけが残る
Pro系とiPhone Duoの4Kで、PALをオンにしたときに出る値が100fpsです。通常のビデオとして撮った場合と、スローモーションとして撮った場合で、ディスクにしたときの扱いが違うので分けて書きます。どちらも、1分あたり高効率+HDRで約700MBという大きさは共通です。
通常のビデオとして撮った100fps
通常のビデオとして100fpsで撮った動画は、普通の速さで再生される、1秒100コマの動画です。DVDにするときは、100コマを29.97コマに減らします。100÷29.97=約3.3(計算値)で、およそ3コマに1コマを残し、残りの7割を捨てる計算です。捨てるコマが多いぶん、25fpsの「足す」変換より動きは自然に見えやすい面があります。等間隔には選べないので、周期的なわずかな揺れは残ります。
問題は容量です。100fpsで撮ると、4K/30fpsの約3.7倍のデータ(700÷190、計算値)になります。DVDにすると、その7割のコマは捨てられます。捨てる絵のために空き容量を使い、入稿のアップロードに時間をかけ、5GBの境目にも早く届く。日本向けのDVDが目的なら、100fpsで撮る利点はありません。スローモーションに使う予定がないなら、4Kは30fpsか、多くても60fpsで撮るのが、ディスクにするまでの手間をいちばん軽くします。
スローモーションとして撮った100fps
スローモーションとして撮った100fpsは、写真アプリで再生すると、指定した区間がゆっくり動きます。どの区間をスローにするかは、撮った後に写真アプリで変えられます。ここまでは公式の案内にある動きです。その先、つまり写真アプリ以外のソフトや、書き出したファイルにこの区間の指定がどう反映されるかは、確認できていません。スローの区間を決めた状態で書き出したファイルが、そのままスローで再生されるとは限らない、ということです。
当社に入稿するときは、スローで見せたい区間があるなら、注文時のメモに書いておくと確認がスムーズです。「2本目の動画の1分10秒から1分25秒をスローで」のように、どのファイルのどの時間かが分かれば足ります。書き方はiPhone動画のディスク化で業者に伝えることにまとめました。メモが無いと、100fpsの動画はスローの指定が無い動画と区別がつきません。
4Kの120fpsと100fpsは、この点で同じ扱いです。違いは、120がNTSC側の系統でPALをオンにしなくても出てくること、100はPALをオンにしたときだけ出てくること、そして1分あたりの容量が800MBと700MBであること。120fpsの使いどころはiPhoneの4K 120fpsは何に使えるかに書いています。日本で使う限り、100fpsを選ぶ場面は120fpsよりさらに限られます。
1080pの120fpsと240fpsは、PALの影響を受けない
スローモーションの1080pの120fpsと240fpsは、PALをオンにしても変わらないはずです。仕様ページのスローモーション欄にも設定画面の文言にも、25の倍数の行は見つかっていません。1080pのスローモーションを使う人は、PALの設定を気にしなくてよい、ということです。240fpsは高効率でしか選べず、1分あたり約480MBと設定画面に書かれています。通常のビデオの100fpsの700MBに近い大きさなので、容量の考え方は同じです。
Blu-rayの場合|規格には25fps系の枠もあるが、渡す先の機器で決まる
Blu-rayは事情が少し違います。DVD-Videoの規格が日本向けにはNTSCの29.97fpsだけなのに対し、Blu-rayの映像の規格(BDMV)には、1920×1080の59.94i・50i(フレームに直すと29.97・25fps)と24p・23.976pが並んでいる、とされています。50iはPAL系の枠です。規格の二次資料による値で、規格書の原本までは確認できていませんが、25fps系の枠が規格上は用意されている、というところまでは言えます。
ただし、枠があることと、手元のプレーヤーで再生できることは別です。日本で売られているBlu-rayプレーヤーやレコーダーが50iのディスクをどう扱うかは機種ごとの仕様で、当社は確かめていません。当社のBlu-rayは1920×1080で作成し、音声はAC-3またはLPCMです。Blu-rayで25fpsの動画を扱うときのフレームレートは、動画の内容と渡す先で変わるので、注文の前に相談・問い合わせ から「25fpsの動画がある」と添えて聞いてください。DVDと違って選択肢があるぶん、先に相談してもらった方が望む形に近づきます。
HDRについては、DVDでもBlu-rayでも同じです。iPhoneのHDRビデオ(ドルビービジョン・10ビット)は高効率で撮ったときに付いてくるもので、DVD-Videoと通常のBlu-rayの規格にはHDRの枠がありません。HDRを扱う光ディスクの規格として挙がるのはUltra HD Blu-rayですが、書き込み型の規格が無いとされています。HDRで撮った25fpsの動画は、ディスクにする段階でフレームレートと同時に、SDRの映像にもなります。何が残って何が消えるかはiPhone動画をディスクにすると消えるもので扱っています。
音声は、コマの変換と別に扱われる
もう1つ、聞かれることの多い点です。「25fpsをDVDにすると音がずれるか」。ずれません。繰り返しやブレンドで足されるのは絵だけで、音の長さも高さも元のままです。動画全体の長さも変わりません。音が変わるのは、後の節で触れる「速度を変えてそろえる」方法を使ったときだけで、その方法は使わない前提です。
音の形式は別の工程で決まります。iPhone 16以降は初期設定が空間オーディオで、ステレオとモノも選べます。当社のディスクの音声はAC-3またはLPCMで、DVDでもBlu-rayでも同じです。空間オーディオで録った音がディスクでどう扱われるかは、fpsとは関係のない話なので、ここでは触れません。fpsの変換で音を心配する必要はない。それだけ覚えておけば足ります。
Blu-rayなら解像度は縮まない。縮まないぶん、fpsの差が見えやすい
1080pで撮った動画をBlu-rayにすると、1920×1080のまま入るので、解像度の面での劣化はありません。細部がそのまま残るぶん、コマの繰り返しや間引きによる動きの乱れは、DVDよりも目に付きやすくなります。DVDでは解像度の縮小で細部がぼやけ、動きの乱れも一緒にぼやけていた、と言ってもよいくらいです。画質を優先してBlu-rayを選ぶ人ほど、fpsをそろえて撮っておくことの効き目が大きい。きれいに残したいなら、撮る前の設定が、後の工程のどれよりも効きます。
パソコンやスマホで見るだけなら、25fpsで困ることはない
ここまで読んで、25fpsで撮った動画を全部作り直さなければ、と思った方に先に書いておきます。動画ファイルをそのまま再生する機器やアプリにとって、25fpsは30fpsと同じ、ただの動画です。iPhoneの写真アプリ、パソコンの再生ソフト、家族に送った先のスマートフォン。どれも、ファイルに書かれたfpsのとおりに再生します。25fpsだから再生できない、という機器は、動画ファイルを直接読むものの中にはまずありません。
fpsが問題になるのは、決まったコマ数で動く「器」に流し込むときだけです。DVD-Videoの29.97fps、Blu-rayの規格の枠、テレビ放送の方式。こうした器は、入れる動画の側を器に合わせて変換します。もうひとつが、fpsの違う動画どうしを1本の動画に編集でつなぐときです。器に合わせるか、他の動画に合わせるか。この2つの場面以外では、25fpsのままで支障はありません。
YouTubeなどの動画サイトも、一般に25fpsの動画をそのまま受け付けます。LINEやメッセージで送る場合は、送る側のアプリが動画を圧縮し直すことがあり、そのときにfpsがどう扱われるかまでは確認できていません。ただ、これも「見られるかどうか」の話ではなく、見られます。今すぐ困るのは、ディスクにするときと、編集で混ぜるとき。この2つに絞って考えれば、作り直す動画はほとんど残らないはずです。
テレビにつないで見る場合
iPhoneをUSB-Cでテレビにつないで見る場合、テレビに映るのはiPhoneの画面そのものです。動画ファイルをテレビが読むわけではないので、25fpsの動画も再生されます。動きの滑らかさがどう見えるかはテレビ側の表示の仕組みで変わり、確かめられていません。仕様ページで映像出力の記載があるのはPro系・iPhone Duo・iPhone 17・iPhone 16で、Air・17e・16eには記載がありません。ディスクにする前に「大きな画面でどう見えるか」を試したいなら、対応機種ではこの方法が手軽です。
送る・取り込む途中で、fpsは変わらない。変わりうるのは圧縮の形式と色
「AirDropで送ったら30fpsになるのか」「パソコンに取り込むと変わるのか」という疑問にも答えておきます。変わりません。AirDrop、USBケーブル、iCloud写真、共有URLへのアップロード。どの経路でも、動画のfpsは撮ったときのままです。fpsを変えるのは、編集ソフトで書き出すときと、ディスクにする工程の2つだけ。パソコンのプロパティで25と出たら、それは撮影のときに25fpsだった、という意味です。
途中で変わりうるのは、圧縮の形式です。「設定」>「アプリ」>「写真」>「MacまたはPCに転送」が「自動」になっていると、互換性のある形式に変換されて取り込まれることがあります。高効率(HEVC)で撮った動画がH.264になる、という変化です。「元のフォーマットのまま」にしておけば、互換性を調べずに元のファイルが転送されます。写真アプリの共有シートの「オプション」で「互換性優先」を選んだときも、MOVに変換される可能性があるとAppleは説明しています。どちらの変換でも、fpsが動くという記載はありません。
色も変わることがあります。HDRビデオは、iOS 13.4・macOS 10.15.4より前の機器へ共有すると、相手はSDR版を受け取ります。HDRで撮った25fpsの動画を古いパソコンに渡すと、fpsは25のまま、色だけがSDRになる。fpsと色は別々に扱われる、と覚えておくと混乱しません。
iCloudの共有アルバムだけは注意が要ります。iOS 27以降で作った共有アルバムはオリジナルの形式・フル解像度で配信されますが、iOS 26以前で作ったアルバムでは、ビデオは最長15分・最大720pに縮められます。縮められたときにfpsがどう扱われるかは確かめられていません。行事の動画を集めるのに共有アルバムを使うなら、iOS 27で作り直したアルバムにするか、共有URLかUSBメモリで元のファイルをやり取りする方が確実です。
入稿の前にもう1つ。iCloud写真で「ストレージを最適化」がオンだと、本体には省スペース版が残り、元のファイルはiCloudにあります。iOS 27の場合、「設定」>自分の名前>「iCloud」>「写真」>「iPhoneストレージ」で「オリジナルをダウンロード」に切り替えてから、共有URLへ上げてください。表記はバージョンで異なります。ギガファイル便を使うときは、保持期限の初期値が5日で、アップロードした後には延ばせません。長く置きたいなら、アップロードの前に3・5・7・14・30・60・100日から選びます。
海外の家族や会場に渡すディスクの考え方
スイッチをオンにする理由のうち、いちばん多いのが「海外の相手に渡す」でした。ここでは、その場合に何を確かめ、どの順で決めるかを書きます。前提として、当社で作るDVDはNTSC(720×480・29.97fps)です。PAL方式のDVDは720×576・25fpsの別の規格で、同じ「DVD」でも中身の作りが違います。
横幅は同じで、PALは縦が2割多い。当社のDVDはNTSCの720×480
PAL方式のDVDは、縦が576で、NTSCの480より2割多い画素で描かれます。fpsは25で、NTSCの29.97より少ない。1秒あたりの絵は少なく、1枚の絵は細かい。同じ「DVD」でも、この2つの規格は絵の数と大きさの配分が違うのです。25fpsで撮ったiPhoneの動画は、絵の数の面ではPALのDVDにそのまま収まる関係にあります。
相手の再生機が何を読めるかが、すべてに先立つ
ヨーロッパなどのPAL地域で売られているDVDプレーヤーが、NTSCのディスクを再生できるかは機種によります。どれくらいの機種が再生できるかを示す公式の資料は見当たらず、「たぶん見られる」とは言えません。相手のテレビが古い、プレーヤーが安価な機種、車載機で見る。こうした条件では、NTSCのディスクが映らない、色が付かない、画面が縦に流れるといった症状が出ることがあります。渡す前に、相手に「NTSCのディスクは再生できるか」「リージョンはいくつか」を聞いておく。これが最初の一歩です。
リージョンは方式とは別の仕組みです。市販のDVDにかかっている再生地域の制限で、自分で撮った動画を焼いたディスクには通常かかりません。方式(NTSC/PAL)とリージョンの2つを混同したまま調べると、話が噛み合わなくなります。相手に聞くときも、「方式」と「リージョン」を分けて聞いてください。
渡す形を3つから選ぶ
相手の環境が分かったら、渡す形を決めます。選択肢は3つです。1つ目は、NTSCのDVDをそのまま送る。相手のプレーヤーがNTSCを読めるなら、これがいちばん簡単で、iPhoneの設定は30fpsのままで構いません。2つ目は、動画ファイルを共有URLやUSBメモリで渡し、相手の側で見てもらう。ディスクの方式もリージョンも関係なくなり、25fpsか30fpsかも問われません。3つ目は、PAL方式のディスクを用意する。相手が「PALのディスクでないと見られない」と言っている場合だけの選択肢で、この場合は撮影の段階から25fpsにしておくと、コマ数の変換が要らなくなります。
相手の国での再生環境の確かめ方はNTSCとPALの違いと、海外に送るときの確かめ方 に書いています。方式の話に戻ると、迷ったら2つ目です。「ファイルで渡す」がいちばん確実で、失敗もありません。ディスクは、相手がディスクで見たいと言っているときに用意するもの、と考えておくと、25fpsか30fpsかで悩む場面が減ります。
逆の場合。海外の親族が撮った25fpsの動画を、日本のDVDにする
反対の流れもあります。海外に住む家族が、向こうで撮った動画を送ってきて、日本の祖父母のためにDVDにしたい、という場合です。海外で使われているカメラやスマートフォンで撮った動画は、25fpsのことがあります。この動画を日本のDVDにするときには、この記事で書いた29.97fpsへの変換が入ります。動画のプロパティで25と出たら、その前提で、横に流れる場面がどれだけあるかを見ておいてください。何本かある動画のうち、25fpsのものと30fpsのものが混ざっていることも多く、その場合は後の「混在」の節の考え方で分けます。
指定に出てくる「25p」「50i」の読み方
海外の相手や制作側から来る指定には、「25p」「50i」のように数字の後ろに文字が付きます。数字は1秒あたりのコマ数、文字は絵の描き方です。pはプログレッシブで、1コマを一度に描く方式。iはインターレースで、1コマを上下の半分ずつ2回に分けて描く方式です。50iは「半分の絵を1秒に50回」なので、コマに直すと25枚。25pと50iは、1秒あたりの絵の数としては同じ25で、描き方だけが違います。
一覧に並ぶのは「1080p」「720p」と、すべてpです。iの行はありません。DVD-Videoの規格では、NTSCは480i(インターレース)が標準とされています(規格の二次資料による値です)。プログレッシブで撮った動画をインターレースの器に入れる扱いは、変換ソフトやオーサリングの側の仕事で、撮る側が選ぶものではありません。「50iでください」と言われたときに、25fpsで撮ればコマ数は合っている、というところまで押さえておけば、先方とのやり取りは早く済みます。
撮る前に決める。場面別の設定の手順
ここまでの話を、撮る前の操作に落とします。どの場面でも、操作そのものは「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」で行を選ぶだけです。違うのは、どの行を選ぶかと、「PALフォーマットを表示」をオンにするかどうか。iOS 27の場合の項目名で書きます。表記はバージョンで変わります。
国内の行事を撮って、日本の家族に渡す・DVDにする
「PALフォーマットを表示」はオフ。「ビデオ撮影」は「1080p HD/30 fps」。これがいちばん手間の少ない組み合わせです。4Kで撮りたい場合も「4K/30 fps」で、fpsは30に置きます。60fpsは、スポーツなど動きの速い場面で滑らかさが欲しいときの選択肢ですが、DVDは29.97fpsなので、ディスクにする段階でコマ数はそこへ合わせて減らされます。DVDが目的なら30fps、Blu-rayや動画ファイルとして残すなら60fpsも候補、という分け方です。
撮る当日は、カメラアプリを開いて、画面の上の数字が「30」になっているかを見ます。「25」や「24」や「60」になっていたら、タップして「30」に戻します。この確認に5秒もかかりません。数か月前に触った設定を当日に思い出すのは無理なので、当日の目視で拾う、と決めておく方が確実です。
海外の相手にディスクで渡す
前の節で書いたとおり、まず相手の再生機を確かめます。NTSCのディスクを読めるなら、設定は国内向けと同じです。PAL方式のディスクが必要だと分かっている場合だけ、「PALフォーマットを表示」をオンにして「1080p HD/25 fps(PAL TV)」を選びます。撮り終えたら、次に国内向けを撮る前にオフへ戻します。戻し忘れが、この記事で扱った失敗の型のほとんどの入り口です。
海外の会社に素材として渡す
先方の指定に従います。「25p」なら25fps、「50i」なら25fpsで撮って先方で整えてもらう、と伝えます。指定が無ければ、聞いてから撮ります。撮り直しがきかない場面ほど、先に聞く価値があります。合わせて、ProResやLogといった形式の指定が来ることもあり、これはPro系だけの機能です。自分の機種で対応できるかは、機種別の仕様の一覧で確かめてください。
設定を保持したいとき
「設定」>「カメラ」>「設定を保持」には、「カメラモード」「アクションモード」「Apple ProRes」など、前回の状態を次回も引き継ぐ項目が並びます。行事の朝に設定が元に戻っていて困った経験がある人は、この画面を見ておくと、当日の確認が楽になります。何が保持され、何が保持されないかはiPhoneカメラの設定を保持とはに書きました。行の選択そのものが保持の対象になるかは、公式の案内で確かめられていないので、当日の目視は省かないでください。
複数人で撮る行事は、fpsの申し合わせを先にする
発表会や運動会を、保護者会の何人かで手分けして撮る。部活の試合を、部員の家族が持ち回りで撮る。この撮り方で集まった動画を1枚のDVDにすると、誰か1人のiPhoneだけが25fpsだった、ということが起きます。集めてから気づくと、その人の動画だけ変換の影響を受け、ディスクの中で章ごとに動きの印象が変わります。撮る前の申し合わせで防げる失敗です。
申し合わせの文面
撮影係に伝えることは4つで足ります。「PALフォーマットを表示」はオフ、「ビデオ撮影」は「1080p HD/30 fps」(4Kにするなら「4K/30 fps」)、「フォーマット」は「高効率」のまま、「FPS自動調整」は「オフ」。この4つを、LINEのグループなどに1度流しておきます。文面の例を挙げます。
撮影のお願いです。iPhoneの「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」を開いて、「1080p HD/30 fps」にチェックを付けてください。同じ画面の「PALフォーマットを表示」はオフ、「FPS自動調整」はオフでお願いします。当日はカメラを開いて、画面の上に「30」と出ていることを確かめてから撮ってください。
FPS自動調整をオフにする理由は、暗い体育館で24fpsに落ちるのを防ぐためで、PALの行とは別の話です。4つ目まで伝えると撮る側の負担は少し増えますが、集めた動画のfpsがそろう確率は上がります。Androidの人が混ざる場合は、その機種のカメラ設定でフレームレートを30に固定してもらいます。項目名は機種で違うので、「30fps(または30p)」と伝えれば足ります。
Androidの撮影係には、値だけを伝える
Androidの撮影係が混ざるときは、iPhoneの項目名をそのまま伝えても通じません。Pixelの公式ヘルプでは、フレームレートの選択肢は24・30・60の3つで、25はありません。「30を選んで」で足ります。Galaxyの日本のSIMフリー版の取扱説明書には「自動FPS」という項目があり、暗い場所でフレームレートを自動的に変える機能です。「FPS自動調整」に当たる項目で、行事の撮影ではオフにしてもらいます。通信会社の版では表記が違うことがあります。
伝える文面は短く、値だけにします。「動画は30fps(30p)に固定、自動で変わる設定は切る、1080pか4K」。この3つが伝われば、機種ごとの項目名は本人が探せます。Androidの機種によっては25や50のfpsが選べるものもあり、その名前や場所までは確かめていません。25や50という数字が画面に出ていたら選ばない、とだけ添えておきます。
期日から逆算した段取り
行事の2週間前に申し合わせを流し、1週間前に各自が設定を確かめ、前日に試し撮りを1本ずつ送ってもらい、当日は画面の上の数字を見る。集めた動画は、DVDにする前に1本ずつプロパティでfpsを見て、25や24のものが混ざっていないかを確かめます。混ざっていれば、その動画だけ先にfpsをそろえるか、混ざったまま入稿してその旨をメモに書くか、を決めます。
複数人で撮る行事は、fpsの申し合わせを先に済ませる
前日の試し撮りは、fpsの確認だけでなく、容量と明るさの確認にもなります。試し撮りの動画をパソコンでプロパティを見れば、fpsも解像度もそこで分かります。撮影係が多いほど、ここで1人の25fpsが見つかる確率は上がります。当日に見つけるより、前日に見つける方が、直すのは簡単です。
25fpsと30fpsが1枚のディスクに混ざる、3つの経路
fpsの混在は、1台のiPhoneで撮っているだけなら起きにくい失敗です。起きるのは、動画の出どころが複数あるときで、経路はだいたい3つに絞れます。どの経路で混ざったかが分かると、どこでそろえるかも決まります。
経路1: 家族の複数台のiPhone
父のiPhoneは30fps、母のiPhoneは以前に試したPALの設定が残っていて25fps、という型です。同じ行事を2台で撮って、後で1本にまとめようとしたときに気づきます。見分け方は、動画を機種ごとに分けてプロパティを見ること。1台ぶんが全部25fpsなら、この経路です。直し方は、これから撮る分はその1台の設定を戻すこと、撮ってしまった分は次の節の方法でそろえることです。
経路2: iPhoneとビデオカメラ、または海外向けのカメラ
ビデオカメラは、日本で売られている機種なら60iや30pで撮るものが多く、海外向けの機種やアクションカメラでは25pや50pの設定が選べるものがあります。iPhoneは30fps、ビデオカメラは25fpsで撮っていた、という混在は、機種をまたぐと起きやすくなります。見分け方は同じくプロパティですが、ビデオカメラの動画はMTSやMP4など形式も違うので、fps以外の差も一緒に確かめておきます。
経路3: 海外の親族や友人から届いた動画
前の節で書いた、海外から届く動画です。結婚式に来られなかった海外の友人からのビデオレター、留学中の家族の近況、海外挙式の映像。こうした動画は25fpsのことがあり、日本で撮った30fpsの動画と1枚のディスクにまとめる場面で混在になります。この経路は、そろえる作業が自分の手に無いことが多いので、受け取った動画のfpsを先に見て、混ざる前提で段取りを組みます。
混ざったまま入稿するか、そろえてから入稿するか
混在が分かったら、選択肢は2つです。1つは、fpsの違う動画をそのまま入稿し、ディスクにする工程でそれぞれ29.97fpsに合わせる方法。動画ごとに変換の有無が変わるので、ディスクの章ごとに動きの印象が変わることは受け入れます。もう1つは、編集ソフトで全部を1つのfpsにそろえた1本の動画にしてから入稿する方法。手間はかかりますが、ディスク全体の印象がそろいます。
決め手は、25fpsの動画に「横に流れる場面」がどれだけあるか、そして動画を1本にまとめる編集をそもそもするつもりがあるかの2つです。合唱や講演のように動きが少ない動画なら、混ざったまま入稿して困ることはまずありません。運動会やダンスなら、そろえてから入稿する価値があります。編集で1本にまとめるつもりなら、その編集の中でfpsをそろえるのが自然で、別の作業を足す必要はありません。混在の動画を1本にする具体的な手順は、先に挙げた「混在動画をまとめる手順」に譲ります。
25fpsで撮ってしまった動画を整える|自分で直す場合と、店に頼む場合の境目
撮ってしまった25fpsの動画をどうするか。選択肢は、編集ソフトで30fpsに書き出してから入稿する、そのまま入稿する、の2つです。どちらも「無い絵を作る」変換が入る点は同じで、違うのは、誰がどの設定で変換するかと、手間と時間がどこに乗るかです。境目を先に表にします。
条件
自分で30fpsに書き出す
そのまま入稿する
動画の本数
数本まで
本数が多い、または長い
横に流れる場面
多く、変換の方法を自分で選びたい
少ない
編集の予定
どのみち1本にまとめる編集をする
撮ったまま章に分けて入れる
パソコンと編集ソフト
手元にあり、書き出しの設定が分かる
無い、または設定に自信がない
期日
書き出しと確認の時間が取れる
入稿を急ぐ
自分で30fpsに書き出す場合の考え方
編集ソフトで書き出すときに決めることは3つです。プロジェクト(タイムライン)のfpsを30にすること、書き出しの設定でfpsを30(または29.97)にすること、書き出した動画のプロパティで30と出ているのを確かめること。ソフトによっては、プロジェクトのfpsを後から変えられないものがあり、その場合は30fpsのプロジェクトを新しく作って、25fpsの動画をそこに入れ直します。
変換の方法を選べるソフトでは、コマの繰り返し(フレームの複製)、ブレンド、動きの解析(オプティカルフローなど)の中から選びます。名前はソフトで違います。迷ったら、まず複製で書き出して横に流れる場面を見て、引っかかりが気になるなら動きの解析を試す、という順で足ります。解析は時間がかかり、人が重なる場面で絵が崩れることがあるので、書き出した後にその場面だけは見ておきます。
書き出しの解像度は、ディスクにするなら元のまま(1080pなら1080p)にします。ここで720×480に縮めてから渡す必要はありません。縮めるのはディスクにする工程の仕事で、先に縮めた動画を渡すと、変換が二重にかかります。fpsだけをそろえて、解像度と圧縮はできるだけ元のまま。それが、ディスクにする前の書き出しの基本です。ソフト別の書き出し設定はDVD・ブルーレイ用の書き出し設定 にまとめています。
iPhoneの中だけで済ませたいとき
パソコンを使わず、iPhoneの編集アプリだけで30fpsにそろえたい、という場合もあるでしょう。アプリによって、書き出しのfpsを選べるものと、選べないものがあります。選べるアプリなら、書き出しで「30」を選び、書き出した動画をパソコンのプロパティで確かめます。選べないアプリでは、プロジェクトのfpsが最初に入れた動画で決まることが多く、25fpsの動画を最初に入れると25fpsのまま書き出されます。その場合は、30fpsの短い動画を先に入れてから25fpsの動画を足す、という順番の工夫で回避できることがあります。表記も挙動もアプリとバージョンで違うので、書き出した後の確認は省かないでください。
速度を変えてそろえる方法は使わない
もうひとつ、25fpsを29.97fpsにそろえる方法として、動画の速度そのものを約1.2倍にする、というやり方があります。映画のフィルム(24fps)をPALのテレビ(25fps)で流すときに使われてきた考え方で、コマを足さずに、再生の速さを変えてコマ数を合わせます。25から29.97への差では、この方法は無理があります。速さが2割変わると、長さが2割近く短くなり、音の高さも上がります。演奏会の音程が変わり、話し声が早口になる。家庭の記録には向きません。編集ソフトの「速度」の項目でそろえようとしないでください。
そのまま入稿する場合
そのまま入稿する場合は、動画をそのまま共有URLで送り、注文時のメモに「25fpsで撮った動画がある」と書きます。どのファイルが25fpsかが分かっていれば、ファイル名の頭の番号と一緒に書きます。「03_と04_は25fps」のように。書かれていなくても動画を確かめれば分かることですが、先に書いてあれば行き違いが減ります。
当社の料金は、動画のfpsで変わりません。基本料金(DVD・1枚あたり)は1,500円で、オーサリングと書き込みとケース入れ込みを含みます。動画が25fpsだから追加でかかる、という項目はありません。かかるとすれば、1つの内容のデータがDVDで5GB以上になったときのエンコード手数料で、これはfpsではなく容量で決まります。4Kの100fpsで長く撮った動画は、この境目に届きやすいので、先の容量の表で確かめておいてください。
境目の判断: 損失で比べる
自分で書き出す場合の損失は、時間と、書き出しの設定を間違えたときのやり直しです。25fpsのまま書き出してしまった、解像度を落としてしまった、圧縮を強くかけすぎて画質が落ちた。こうした失敗は、書き出した動画をプロパティで確かめれば防げますが、確かめる習慣が無いと、そのまま入稿して、できあがったディスクで気づきます。そのまま入稿する場合の損失は、変換の方法を自分で選べないことと、章ごとの印象の差を受け入れること。この2つを天秤にかけて、本数が少なく、横に流れる場面が多く、パソコンが手元にあるなら自分で。それ以外は、そのまま入稿してメモに書く。行き違いが少ないのは後者です。
混同しやすい4つの項目。名前は似ていても役目が違う
「設定」>「カメラ」の中には、PALの行と一緒に語られやすい項目がいくつかあります。役目が違うので、分けて覚えておくと、症状が出たときに触る場所を間違えません。
ビデオフォーマットコントロール
「ビデオフォーマットコントロールを“カメラ”に表示します。」という説明の付いた項目です。Appleのユーザガイド(iOS 16版)では、iPhone X以前の機種で、カメラの画面に解像度とfpsの切り替えを出すための項目とされています。iPhone XS・XR以降では、設定を触らなくても、ビデオモードの画面の右上に解像度とfpsの数字が出ていて、タップで切り替えられます。この記事で何度も書いた「撮る前に画面の上の数字を見る」は、この項目に関係なくそのままできます。
FPS自動調整
暗い場面でフレームレートを24fpsに落とす、60fpsの動画を場面の動きに合わせて最適化する、という自動の調整です。PALの行が「どのfpsを選ぶか」の話なのに対し、こちらは「選んだfpsを場面に応じて下げるか」の話。撮った動画のfpsが24だった、途中で変わっていた、という症状はこちらが原因です。公式の説明に25fpsのときの動きが書かれていないのは、先に触れたとおりです。
HDRビデオ
ドルビービジョンを含む10ビットのHDRで撮るかどうかの項目で、対応機では初期設定がオンです。fpsとは無関係で、25fpsでも30fpsでもHDRで撮れます。ディスクにする段階でSDRになるのは、fpsに関係なく起きます。HDRのまま残したいなら動画ファイルとして保存し、ディスクはSDRになる前提で作る、という分け方になります。
フォーマット(高効率/互換性優先)
圧縮の形式を選ぶ項目で、HEVCかH.264かが決まります。PALの行との関係は、互換性優先では4Kの100fpsが選べないこと、そして4Kの25fpsの容量が互換性優先だけ小さめに表示されること。25fpsを選べるかどうかには影響しません。Windowsで動画が開けない、といった症状はフォーマットの項目の話で、fpsとは別です。
1本の発表会で数える。25fps・90分の動画がDVDになるまでの数字
ここまでの数字を、1つの例に当てはめてみます。1080p HD/25 fps、高効率、HDRビデオはオン。この設定で、90分の発表会を1本で撮ったとします。容量、変換、ディスクの側の計算を順に並べます。すべて計算値で、実際は場面で上下します。
容量は、1分約65MBの90分ぶんで、65×90=5,850MB、約5.9GBです。DVDのエンコード手数料の境目である5GBを超えます。同じ発表会を4K/25fpsで撮っていれば190×90=17,100MB、約17GBで、Blu-rayの境目である25GBには届きません。1080pの25fpsで90分、というのは、DVDの境目をちょうど越えるあたりの長さです。
フレームレートの変換は、1秒あたり約5コマの繰り返しが、90分=5,400秒ぶん続きます。5,400×5=27,000コマ(計算値)が、繰り返しか合成の絵になります。多いように見えますが、DVD全体のコマ数は29.97×5,400=約16万コマで、そのうちの約17%。6コマに1コマという割合は、長さが変わっても変わりません。
ディスクの側では、片面1層のDVD(4.7GB)に90分を収めるので、映像と音声を合わせて使えるデータ量は、4.7GB×8÷5,400秒=約7.0Mbps(計算値)です。DVD-Videoの映像の上限とされる9.8Mbpsより低く、元の動画の計算上のビットレート約8.7Mbpsよりも少し低い値になります。圧縮の方式が違うので、この大小がそのまま画質の差になるわけではありません。fpsが25であることは、ここには影響しません。90分という長さが、DVDの画質を決めます。
この例で25fpsが効いてくるのは「変換が入る」という1点だけで、容量と画質は、25fpsであるかどうかより、90分という長さで決まっています。25fpsに気づいて慌てる前に、長さと容量を先に数える。順番としてはそちらが先です。
「PALフォーマットを表示」をオフに戻すときに確かめること
使い終えたら、オフに戻します。戻すときに確かめることが2つあります。1つは、戻す前に「ビデオ撮影」で30fpsの行を選び直しておくこと。選択が25fpsのままスイッチをオフにしたとき、どの行に移るのかは、公式の案内で確かめられていません。先に30fpsを選び、それからスイッチをオフにすれば、この不確かさを避けられます。
もう1つは、オフにした後にカメラアプリを開いて、画面の上の数字が「30」になっているのを見ること。設定アプリの表示とカメラアプリの表示が、切り替えの直後に食い違って見えることがあれば、カメラアプリを一度閉じて開き直します。ここまでやって「30」が出ていれば、次に撮る動画は30fpsです。
過去に撮った動画は変わらない
スイッチをオフにしても、すでに撮った25fpsの動画は25fpsのままです。設定は「これから撮る動画」にしか効きません。過去の動画をどうするかは、前の節の判断表で決めます。オフにしたあと、写真アプリで過去の動画を見ても、ファイルの中身は何も変わっていません。
スローモーションの4K/100fpsも見ておく
Pro系とDuoで、スローモーションに「4K/100 fps」を選んでいた場合、PALをオフにしたときにこの行がどうなるかは公式の案内で確かめられていません。スローモーションの設定が「1080p HD/240 fps」などに戻っているかを、「スローモーション撮影」の画面で見ておいてください。ここも、先に別の行を選んでからオフにする順番が確実です。
入稿前の確認と、当社に依頼するときの流れ
最後に、25fpsの動画を当社に入稿するときの流れを書きます。工程そのものは普段の注文と同じです。動画データを受け取り、プレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめ、ケースに入れて発送するか店舗でお渡しします。オーサリングの段階で、25fpsの動画は、解像度とフレームレートがDVD-Videoの規格に合わせられます。
入稿の前に、fpsとメモの2つだけは省かない
入稿の前に見ておくことを挙げます。動画のプロパティでfpsを見て、25や24が混ざっていないかを確かめる。25fpsの動画があれば、どのファイルかをメモに書く。横に流れる場面が多い25fpsの動画は、自分でそろえるか、そのまま出すかを決めておく。解像度は縮めずに元のまま送る。複数のファイルは、ファイル名の頭に「01_」「02_」を付けて収録順を指定する。4Kの100fpsで撮った動画があれば、5GBの境目に届いていないかを容量の表で見る。スローで見せたい区間があれば、ファイル名と時間で書く。
メモの書き方の例
iPhone 17で撮影。01_〜04_は1080p/30fps、05_と06_は1080p/25fps(PALの設定のまま撮ったもの)です。05_は客席を横に振る場面が多いので、動きが気になるようなら教えてください。HDRビデオはオンのまま撮っています。
このくらいで足ります。機種、設定、25fpsのファイルの番号、気にしている場面。この4つが書いてあれば、確認の往復が減ります。iPhoneの動画で伝えておくと役に立つ項目は、先に挙げた「iPhone動画のディスク化で業者に伝えること」に一覧があります。
注文の入口
DVDの注文はDVD注文のページ から、動画の共有URL(ギガファイル便、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなど)を注文フォームに貼って進めます。スマホからも入稿できます。通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。15時以降のご注文は翌営業日の受付になります。Blu-rayで25fpsの動画を扱う場合は、先に書いたとおり、注文の前に相談・問い合わせから聞いてもらう方が望む形に近づきます。
ここまでの内容を一言に縮めるなら、「撮る前に画面の上の数字を見る。撮ってしまったら、入稿のメモに25fpsと書く」です。設定の意味さえ分かっていれば、PALの行は困る項目ではありません。国内で見せる動画を撮る人はオフのままで、海外の相手に渡す人は相手の再生機を先に確かめてから。迷ったら、動画のfpsとメモを添えて注文してください。
よくある質問
Q. iPhoneの「PALフォーマットを表示」とは何か
A. 「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」にあるスイッチで、オンにすると一覧に1080pと4Kの「25 fps(PAL TV)」、Pro系とiPhone Duoでは4Kの「100 fps」の行が加わります。PALはヨーロッパなどのテレビの方式で、日本のテレビとDVDはNTSC(29.97fps)です。オンにしただけでは撮れる動画は変わらず、増えた行を選んで撮ったときに25fpsや100fpsになります。
Q. 日本で使うならPALフォーマットを表示はオンにするべきか
A. 国内で見せる動画を撮るなら、オフのままでよい設定です。日本のDVDはNTSCの29.97fpsなので、25fpsで撮ると変換が入ります。オンにする理由があるのは、PAL地域の相手にディスクで渡す、海外の制作側から25fpsの指定がある、50Hzの照明のちらつきを試したい、のどれかに当てはまるときだけです。
Q. iPhoneで25fpsを選ぶと動画の容量は減るか
A. 減りません。iPhoneの設定画面の目安では、1080pの25fpsと30fpsはどちらも高効率+HDRで1分約65MB、4Kの25fpsと30fpsはどちらも約190MBです。互換性優先の4Kだけ25fpsが270MB、30fpsが350MBと差がありますが、互換性優先ではHDRビデオや4K/60fps以上が使えなくなります。iOS 18.6の画面の文言で、iOS 27では未確認です。
Q. iPhoneの100fpsはどの機種で選べるか
A. 4Kの100fpsは、Pro系(iPhone 16 Pro以降のPro・Pro Max)とiPhone Duoのメインカメラ(Fusionメイン)だけです。「PALフォーマットを表示」をオンにしたときに出ます。iPhone 17・Air・17e・16・16eは、PALをオンにしても4Kの25fpsまでです。1080pの100fpsという設定は、どの機種の仕様にもありません。
Q. 25fpsで撮った動画をDVDにするとどうなるか
A. 当社のDVDは720×480・NTSC 29.97fpsで作るので、25fpsの動画は29.97fpsへそろえる変換が入ります。長さを変えずにコマを足す方法が一般的で、計算上は1秒あたり約5コマ、6コマに1コマが繰り返しか合成の絵になります。止まった場面ではまず分からず、カメラを横に振る場面や流れるテロップで小さな引っかかりが出ることがあります。
Q. 25fpsの動画はパソコンやスマホでそのまま見られるか
A. 見られます。動画ファイルをそのまま再生する機器やアプリは、25fpsも30fpsも同じように扱います。fpsが問題になるのは、DVDやBlu-rayのように決まったコマ数で動く器に入れるときと、fpsの違う動画どうしを編集でつなぐときの2つだけです。この2つに当てはまらないなら、25fpsのまま使って支障はありません。
Q. iPhoneに50fpsの設定が無いのはなぜか
A. 理由はAppleの資料に書かれていませんが、仕様ページの一覧は4Kが24・25・30・60・100・120fps、1080pが25・30・60・120fpsで、50はどこにもありません。PAL向けの高速の値としては100fpsが用意されていて、4コマに1コマを残すと25fpsにぴったり収まる関係です。海外の制作側から50iの指定が来た場合は、25fpsで撮って先方で整えてもらう段取りになります。
Q. 撮った動画が25fpsかどうかを確かめる方法は
A. いちばん確実なのは「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」でチェックの付いている行を見ることです。「25 fps(PAL TV)」に付いていれば、それ以降の動画は25fpsです。ファイル単位では、Windowsはプロパティの「詳細」、MacはQuickTime Playerのムービーインスペクタでフレームレートが見られます。写真アプリの「情報」は機種やバージョンで表示項目が違います。
Q. 25fpsの動画と30fpsの動画を1枚のDVDにできるか
A. できます。ファイル名の頭に「01_」「02_」と番号を付けて収録順を指定し、どのファイルが25fpsかをメモに書いて入稿してください。ディスクの中で、25fpsの章だけに変換が入るので、横に流れる場面が多い動画なら、先に編集ソフトで30fpsにそろえてから入稿する選択もあります。合唱や講演のように動きが少ない動画なら、混ざったままで困ることはまずありません。
Q. 海外に住む家族に渡すなら25fpsで撮るべきか
A. 先に相手の再生機を確かめてください。パソコンやスマホで見るなら設定を変える必要はなく、NTSCのディスクを読めるプレーヤーなら30fpsのままで構いません。相手がPAL方式のディスクでないと見られない場合だけ、25fpsで撮っておくとコマ数の変換が要らなくなります。迷ったら、共有URLやUSBメモリで動画ファイルを渡す方法がいちばん確実です。
Q. 4Kの100fpsで撮った動画は何分で5GBになるか
A. 高効率+HDRで1分約700MBなので、計算上は約7分で5GB、約36分で25GBに達します(1GB=1,000MBで計算)。当社では1つの内容のデータがDVDで5GB以上、Blu-rayで25GB以上のときにエンコード手数料がかかります。DVDにすると100コマのうち約7割は捨てられるので、日本向けのディスクが目的なら100fpsで撮る利点はありません。
Q. 25fpsの動画をDVDにすると料金は変わるか
A. 変わりません。基本料金(DVD・1枚あたり)は1,500円で、動画のfpsによる追加はありません。かかる可能性があるのは、1つの内容のデータがDVDで5GB以上になったときのエンコード手数料で、これはfpsではなく容量で決まります。1080p/25fpsは高効率+HDRで計算上約77分、4K/25fpsは約26分で5GBに届きます。
Q. PALフォーマットを表示をオフに戻すときの注意は
A. 先に「ビデオ撮影」で30fpsの行を選び直してから、スイッチをオフにしてください。25fpsを選んだままオフにしたとき、選択がどの行に移るかは公式の案内で確かめられていません。オフにした後はカメラアプリを開いて、画面の上の数字が「30」になっているのを見ます。すでに撮った25fpsの動画は、オフにしても25fpsのままです。
Q. iPhoneの4K 25fpsで1時間撮ると何GBになるか
A. 設定画面の目安(iOS 18.6の文言)では4K/25fpsは高効率+HDRで1分約190MBなので、計算上は1時間で約11.4GB、HDRなし(約170MB)で約10.2GB、互換性優先(約270MB)で約16.2GBです(1GB=1,000MBで計算)。当社ではDVDで5GB以上のときエンコード手数料がかかるので、4K/25fpsは約26分で境目に届きます。