この記事の要点
- 読み込めないDVDは、原因しだいで復活します。汚れ、機器の不調、ファイナライズのし忘れ、録画の方式が原因なら、拭く、別の機器で試す、作った機器でファイナライズする、で読めるようになります。
- 記録層の劣化や、記録層まで届いた深い傷で、機器が直しきれなくなった部分は元に戻せません。読める部分を早く取り出して、別の場所に残します。
- 試す順番は、別の機器で試す→記録面を拭く→ファイナライズと録画の方式を確かめる→パソコンのドライブで読む→読めたデータを取り出す、の5つです。
- 「裏ワザ」のうち根拠があるのは、別の機器で試すことと正しく拭くことです。歯磨き粉で磨く方法は公的な手引きの注意に反し、冷凍庫で冷やす効果は確かめられていません。
- 割れたディスクは機器に入れないでください。そこにしかない映像で、自分では読めないときは、手を加える前にデータ復旧業者へ相談する方法があります。
押し入れから出てきた運動会のDVDをプレーヤーに入れたら、「ディスクを読み込めません」と出た。十数年前に焼いたDVD-Rが、パソコンに入れても回る音がするだけで開かない。調べると、読み取れないDVDの「裏ワザ」として、歯磨き粉で磨く、冷凍庫で冷やす、といった方法がいくつも見つかります。
読み込めないDVDは、原因しだいで復活します。記録面の汚れ、機器の不調、ファイナライズのし忘れ、録画の方式と機器の組み合わせが原因なら、拭く、別の機器で試す、作った機器でファイナライズする、で読めるようになります。一方、米国国立標準技術研究所(NIST)は、記録層の色素が劣化したり、深い傷が記録層まで届いたりして、機器の誤り訂正でも直しきれなくなった部分は元に戻せない、と書いています。それでも、読める部分を取り出して残すことはできます。
裏ワザのうち、公式の資料で裏づけがあるのは、別の機器で試すことと、記録面を正しく拭くことくらいです。歯磨き粉で磨く方法は、ディスクの表面に研磨性のものを使わないという、NISTの手引きの注意に反するので勧めません。冷凍庫で冷やす方法も、効くという根拠が見当たりません。
研磨や冷凍庫を試す前に、まず別のプレーヤーかドライブに入れてみてください。カナダ政府の保存研究機関であるカナダ保存研究所(CCI)も、1台で読めないディスクが別の機器では読めることがある、と書いています。
DVDが読み取れない原因と、自分でできること・できないこと
DVDが読めない原因は、ディスクの表面、ディスクの中の記録層、作り方、再生する機器の4つに分かれます。自分で手を打てるのは、表面の汚れと、作り方や機器の側の問題です。記録層そのものの傷みは、家庭では直せません。
傷ひとつないのに読めない、ということも起こります。ファイナライズをし忘れたとき、録画の方式に機器が対応していないとき、パソコンに再生ソフトがないときです。どれもディスク自体は無事です。
| 原因 |
自分でできること・できないこと |
| 汚れ・指紋 |
拭けば読めることが多い。 指の脂は、傷より 読み取りを乱しやすい (NIST) |
| 浅い傷 |
多くは読み取りに 響かないか、 機器の誤り訂正で読める。 別の機器でも試す。 記録層まで届いた 深い傷は直せない |
| 曇り |
表面の汚れや水滴なら、 拭く、部屋の温度に なじませる。 記録面の内側の くもりや変色は直せない |
| 劣化 |
直せない。 読める部分を早く 取り出して残す |
ファイナライズ 忘れ |
作った機器で ファイナライズすれば 読める。 その機器が手元に ないと難しい |
録画の方式・ CPRM |
ディスクは無事。 VR方式やCPRMに 対応した機器で再生する |
| 機器の側 |
レンズの汚れ、 機器の古さ、 対応していないディスク。 別の機器で読めれば ディスクは無事 |
| 割れ・ひび |
機器に入れない。 家庭では直せない |
DVDが読み込まないときに、まず試す5つの順番
ディスクに手を加えない方法から、軽い順に試します。CCIの手引きも、まず清掃やほかの機器での読み取りといった負担の小さい方法を試し、研磨のような強い処置は、ほかの方法を尽くしてからにするよう書いています。
- 別のプレーヤーやドライブで試す
- 記録面を拭く
- レコーダーやビデオカメラで作ったDVDなら、ファイナライズと録画の方式を確かめる
- パソコンのドライブで読んでみる
- 読めたら、その場でデータを取り出す
1. 別のプレーヤーやドライブで試す
最初に、ディスクと機器のどちらに原因があるかを切り分けます。同じ機器で別のディスクを再生し、次に、読めないディスクを別の機器に入れます。
| 試した結果 |
見立て |
同じ機器で、 別のディスクも 読めない |
機器の側。 レンズの汚れや 故障 |
別の機器なら、 そのディスクが 読める |
ディスクは無事。 読めた機器で 中身を取り出す |
どの機器でも、 そのディスクだけ 読めない |
ディスクの側。 汚れ・傷・劣化 |
東芝は、複数のディスクが再生できないなら本体のトラブル、特定のディスクだけならディスクに要因がある可能性がある、と案内しています。ソニーも、パソコンやPlayStationなど、ほかの機器で再生できるかを試すよう書いています。トレイに裏返しや斜めに入れていないかも、一度見てください(ソニーの使いかたマニュアル)。
試す先は、家のレコーダー、実家のDVDプレーヤー、パソコンの内蔵ドライブや外付けドライブなど、手の届く範囲で構いません。ディスクドライブのあるPS5・PS4も、ビデオモードとVRモード(CPRM対応)のDVD-R・DVD-RWを再生できます。ただし、ファイナライズしていないDVDは再生できません(PlayStationの案内)。
CCIによると、機器ごとにディスクの扱い方が違うため、ほかの機器で読むだけで問題が消えることがあり、救出の時間を大きく省ける大事な手順だとされています。1台のプレーヤーで読めなかったことを、ディスクが壊れた証拠と受け取らないでください。
2. 記録面を拭く
汚れは、傷より読み取りの妨げになりやすいものです。NISTの手引き(2003年)によると、指紋や手の脂はレーザーの焦点をぼかして広い範囲の読み取りを乱し、傷よりも多くの誤りを生みやすいとされます。マクセルも、記録面の汚れはクリーニングすると認識できるようになる可能性が高い、と案内しています。
拭き方は、各社の案内でほぼ共通です。
- メガネ拭きのような柔らかい布で、ディスクの中心から外側へ、まっすぐ軽く拭く(ソニー・パナソニック・マクセル)
- 円を描くように拭かない。円周に沿って傷が入ると、データが失われるおそれがある(マクセル)
- 落ちにくい汚れは、水を含ませた柔らかい布で拭く(東芝・ソニー)。東芝は、そのあと乾いた布でからぶきするよう案内している
- ベンジンやシンナーなどの溶剤、静電気防止剤は使わない(ソニー・パナソニック)
拭くたびに表面を傷つけるおそれがあるため、NISTの勧めは、ほこりを先にブロアーで吹き飛ばし、まず乾いた布で試すこと。指紋の脂が水拭きで落ちないときは、台所用の洗剤を少量つけて濡らした柔らかい布でそっと拭き、蒸留水ですすいで、水滴の跡が残らないよう押さえるように乾かす方法をCCIが紹介しています。拭き残りやくもりを残さないように、というのはソニーの注意です。
拭くたびに傷のおそれがあるので、軽い方法から順に試す
カビが疑われるときの扱いは下の「よくある質問」に、拭いても取れない曇りの見分け方は「症状から見当をつける」に書いています。拭いたら、1で試した機器にもう一度入れてみてください。
3. レコーダーやビデオカメラで作ったDVDは、ファイナライズと録画の方式を確かめる
作った機器では映るのに、ほかの機器では読み込めないなら、傷や劣化より先にファイナライズを疑います。ファイナライズは、録画した機器以外のプレーヤーでも再生できるように、ディスクを仕上げる処理です(マクセル)。東芝は、ファイナライズされていないDVDは、ほとんどの場合ダビングした機器以外では再生できないとしています。
ファイナライズしていないディスクを、別の機器で読む方法はほぼありません。作った機器にディスクを戻して、ファイナライズを実行します。録画した機器が手元にないときの考え方と、メーカー別の手順はファイナライズとはにまとめました。
ファイナライズ済みなのに映らないときは、録画の方式と機器の組み合わせを確かめます。デジタル放送を録画したDVDは、VR方式などレコーダー向けの方式で記録され、CPRMという著作権保護がかかっています。再生する機器がその方式とCPRMの両方に対応していないと映りません(シャープ・ソニー)。
ソニーは、2004年以前に発売された機器ではデジタル放送を記録したDVDを再生できない可能性がある、としています。パソコンで見るなら、CPRMに対応したドライブと再生ソフトの両方が要ります(アイオーデータの案内。2026年7月にアイ・オー・データ機器から社名を変更)。
どちらの場合も、ディスクが傷んでいるわけではありません。研磨や復旧ソフトに進む前に、ここで片づくことがあります。
4. パソコンのドライブで読んでみる
パソコンでは、映像が再生できるかとは別に、ディスクの中のファイルが読めるかを確かめられます。WindowsならエクスプローラーでDVDドライブを開き、映像のDVDならVIDEO_TSというフォルダーが見えるかを見ます。中のファイルをコピーできれば、ディスクは読めています。
ファイルは見えるのに映像が再生できないときに疑うのは、ディスクより再生ソフトです。WindowsでDVDビデオを再生するには、DVDデコーダー(MPEG-2のデコーダー)が必要だとMicrosoftは説明しています。Macについては、アイオーデータのドライブの説明書に、DVDレコーダーで録画したディスクはmacOSでは再生できないとあります。ドライブのないパソコンでの見方と、再生ソフトの選び方はパソコンでDVDを見る方法に書きました。
逆に、パソコンでは開けるのにDVDプレーヤーで映らないなら、MP4などの動画ファイルをそのまま焼いた「データDVD」かもしれません。パナソニックも、パソコン内の動画をそのままDVDに書き込んでも、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生できないと説明しています。見分け方と作り直し方はデータDVDと映像DVDの違いへ。
5. 読めたら、その場でデータを取り出す
パソコンのドライブで読めたら、見て安心して棚に戻す前に、中身をパソコンへ写します。映像のDVDなら、VIDEO_TSフォルダーごとコピーすれば足ります。
コピーが途中のファイルで止まったら、そこで粘らずに、ほかのファイルを先に写します。CCIは、読めるファイルと読めないファイルが混じるときは、読めるファイルを先に新しい媒体へ写し、読めないファイルはそのあとで復旧ソフトを試す、という順番を示しています。復旧ソフトは、ドライブに読み直しを繰り返させたり、読めない箇所を飛ばしたりして、ふつうのコピーでは止まるファイルを救える場合があります。
ただしCCIは、光ディスクの救出の成否はソフトの違いよりドライブの違いに左右されやすい、と書いています。1枚に数時間かかることもあり、傷みが広すぎればソフトでは救えない、とも書いています。ソフトを替える、ドライブを替える、の両方を試してみてください。手順の細部と、業者に任せる境目は古いCD-R・DVD-Rが読めないときのデータ救出にまとめています。
DVDの「裏ワザ」は効くのか|歯磨き粉・冷凍庫・研磨・ソフトを根拠で分ける
裏ワザのうち、効き目に根拠があったのは、機器を替える、正しく拭く、という地味な方法です。「DVD 読み取れない 裏ワザ」で見かける方法を、機器やディスクのメーカー、保存機関の公式の情報と照らし合わせました。
| 方法 |
効き目と根拠 |
別のプレーヤー・ ドライブで試す |
効くことがある。 1台で読めない ディスクが別の機器で 読める例がある (CCI) |
| 中心から外へ拭く |
汚れが原因なら効く。 指の脂は傷より 読み取りを乱しやすい (NIST) |
| 歯磨き粉で磨く |
勧めない。 ディスクの表面に 研磨性のものを 使わないよう 書かれている(NIST) |
市販の修復機で 研磨する |
表面の傷による 読み取りエラーなら 直ることがある。 深すぎる傷、 レーベル面の傷、 ブルーレイには 使えない (修復機メーカーの 注意書き) |
冷蔵庫や冷凍庫で 冷やす |
効くという根拠は 見当たらない。 凍らせた影響は 分かっておらず、 結露のおそれもある (NIST) |
読み込み速度を 落とす |
復旧ソフトの 「正確だが遅い」 読み方で試す 余地はある。 結果はドライブに 左右されやすい(CCI) |
リッピングや 復旧のソフト |
ふつうのコピーで 止まるファイルを 救える場合がある。 傷みが広いと 救えない(CCI) |
割れたディスクを 入れる |
やめる。 機器の故障の 原因になる (PlayStation) |
歯磨き粉で磨く・自分で研磨する
歯磨き粉で磨くのは、ディスクの表面を削って傷の段差をならそう、という考え方です。ただ、NISTの手引きは、ディスクの表面には研磨性のものを使わないよう書いています。手で円を描くように磨けば、円周に沿った細かい傷を増やすことにもなり、マクセルは円周方向の傷でデータが失われるおそれを指摘しています。
研磨で直せるのは、表面の保護層についた傷による読み取りエラーに限られます。サンワサプライの研磨式のディスク修復機は、傷のある保護層を削って平らにする仕組みです。注意書きには「ディスクのキズを消すものではありません」「データ面に研磨のキズ跡が残ります」とあります。深すぎる傷やレーベル面に傷があるディスク、ブルーレイには使えません。使ったことによるデータの損失には責任を負わない、とも明記されています。
CCIは、傷や反りのあるディスクを処置して、ふつうに読めるようになる場合があるとしています。ただし、傷の修理は、ほかの方法を尽くしたあとに回す強い処置に数えています。
記録層そのものの劣化は、表面を削っても戻りません。CDは記録層がレーベル面から約0.1mmのところにあり(ソニー)、レーベル面側の傷で傷んだ部分は直せないとNISTは書いています。そこにしかない映像なら、自分で削る前にデータ復旧業者に相談するほうが安全です。
冷蔵庫や冷凍庫で冷やす
冷やすと読めるようになる、という話は、この記事で確かめた公式の資料には見当たりませんでした。NISTの手引きは、光ディスクを凍らせたときの影響は、試験がされておらず分かっていないとしています。層ごとに伸び縮みの度合いが違うため、凍らせたり溶かしたりすると無理な力がかかる可能性にも触れています。
もう一つの問題が結露です。冷えたディスクを暖かい部屋に出すと、表面に水滴がつきます。NISTは、冷たい場所に置いていたディスクは、結露を防ぐため、少しずつ使う場所の温度になじませるよう書いています。水分も、レーザーの読み取りを妨げるものに挙げています。マクセルも、結露が生じるような温度差の激しい場所に置かないよう案内しています。
読み込み速度を落とす・リッピング系のソフトを使う
ソフトでできるのは、ドライブに読み直しをさせて、読めた分を拾い集めることです。CCIの資料によると、光ディスク向けの復旧ソフトには、次のようなことを設定できるものがあります。
- 読み直しの回数
- 読めない箇所を飛ばす量
- 正確だが遅い読み方と、速いが粗い読み方
「速度を落とす」は、このうちの正確な読み方を選ぶことに当たります。
記録層の劣化などで直しきれない誤りになった部分そのものは、元に戻せません(NIST)。CCIも、傷みが広すぎればソフトでは救えず、結果は全部か無かになりやすいと書いています。
市販やレンタルのDVDについては、マクセルが、コピープロテクトを除去してコピーすることは著作権法違反になると案内しています。この記事の取り出しの話は、自分で撮影・制作した映像のディスクに限ったものです。コピーガードの仕組みは、コピーガードとはの記事で説明しています。
症状から見当をつける(曇り・途中で止まる・認識しない)
表面が曇って再生できない
記録面が曇って見えるときは、表面についたものか、内側の変化かを分けて考えます。指紋の脂やほこりによる曇りなら、2の拭き方で取れて、読めるようになることがあります。
寒い部屋や冬の車から持ち込んだ直後に曇ったなら、結露の水滴です。ケースに入れたまま、部屋の温度になじむまで待ってから入れ直します。NISTも、ケースに入れたままにしておけば、温度の変化にゆっくりなじませられると書いています。
拭いても取れない、記録面の内側のくもりや変色、まだらは、記録層や反射層が傷んでいるサインのことがあります。市販のディスクでは、反射層のアルミが酸素や、しみこんだ湿気で酸化すると、光を返す力が落ちてレーザーで読めなくなります(NIST)。家庭では直せないので、読める部分を早く取り出します。
途中で止まる・映像が乱れる
マクセルは、再生中に映像が乱れたり止まったりする原因として、記録面の傷や汚れ、機器のレンズの汚れ、ディスクに貼ったラベルや保護シートを挙げています。複数のディスクで同じことが起きるなら、機器の側を疑います(東芝)。
どの機器でも同じ場所で止まるなら、その場所の傷や劣化で、機器の誤り訂正が追いつかなくなっていると考えられます。NISTによると、中心から外へ向かう傷は誤り訂正で直りやすい一方、記録の並びに沿った円周方向の傷や、深い傷、集まった傷は、直しきれない誤りを生みやすくなります。
どの機器でも同じ場所で止まるなら、その部分は直せないことがある
止まる場所の手前や、チャプターを送った先の映像が見られるなら、その部分は読めています。止まった箇所にこだわらず、5の手順で読める部分から取り出してください。
ラベルを貼ったディスクは反りや重心のずれの原因になりますが(マクセル)、CDのラベルをはがそうとするのはやめてください。NISTは、CDではラベルをはがしたり貼り直したりしないよう書いています。
入れても認識しない
ディスクを入れても反応しないとき、マクセルが挙げる原因は次の4つです。
- 機器が対応していない規格のディスク
- 裏表を逆にしたセット
- 記録面の傷や汚れ
- 機器のレンズの汚れ
未使用のDVDが何枚も急に認識されなくなったなら、レンズの汚れの可能性が高いとのことです。
ソニーは、ディスクの内周と外周には中身の読み書きに大事な情報が記録されるとして、特にこの部分に汚れや傷がつかないよう注意しています。拭くときは、内周と外周の近くも忘れずに。DVDの機器では、ブルーレイは再生できません(東芝)。
新品や市販のDVDが映らない
買ったばかりの市販のDVDが映らないなら、ディスクの傷みより、再生できる地域(リージョン)と規格を疑います。海外で買ったディスクは、日本の機器では再生できない地域の設定になっていることがあります(東芝・ソニー)。仕組みはリージョンコードとはに書きました。ブルーレイのディスクを、DVDの機器に入れていないかも確かめます。
記録用の新しいディスクなら、機器がその種類に対応しているかを説明書で確かめます。書き換え型のDVD-RWなどは、機器が対応する書き込み速度より速いディスクを使えない場合があります(マクセル)。
割れ・ひび・反りがある
割れたりひびが入ったりしたディスクは、機器に入れないでください。PlayStationは、割れたり変形したりしたディスクや、修理したディスクは本体の故障の原因になるとして、使わないよう案内しています。接着剤やテープでつないでも、入れてよいディスクにはなりません。
ソニーは、傷や反りで記録状態が悪くなったディスクは再生できないとしています。割れたディスクを家庭で読む手段はないので、そこにしかない映像なら、この記事の後半にあるデータ復旧業者の目安と、ディスクの外に映像が残っていないかの確認に進みます。
複数のディスクが読めないなら、機器を疑う
別のディスクも同じ機器で読めないなら、原因は機器の側です。ソニーも、すべてのDVDが再生できない場合は本機に不具合が生じている可能性があるとしています。
まず疑うのはレンズの汚れです。マクセルによると、ほこりやたばこの煙(ヤニ)をかぶったレンズではレーザー光が弱まり、読み込みや書き込みができなくなることがあります。汚れたディスクを回すと、ほこりがドライブの中に飛んで、レーザーの部分にたまることもあります(NIST)。
レンズの手入れの案内は、機器のメーカーで分かれます。パナソニックは、長く使うとレコーダーのレンズにほこりがつき、読み取りの力が落ちるとしています。そのため、6か月〜1年を目安に、同社のレンズクリーナーで汚れを取るよう勧めています。一方のソニーは、レンズ用のクリーニングディスクを、故障のおそれがあるとして使わないよう書いています。説明書とメーカーの案内に従い、分からなければメーカーに問い合わせてください。
機器そのものの古さも原因になります。マクセルによると、ブルーレイレコーダーを長く使ったり、たくさんのディスクにダビングしたりすると、ドライブの中の半導体レーザーが劣化し、出力が足りずにエラーが出やすくなります。
一時的な誤動作なら、電源を切って入れ直すリセットで直ることもあります(パナソニック・東芝・ソニー)。それでも直らなければ点検修理ですが、東芝は、製造打ち切りから8年が過ぎた製品の修理は受け付けないとしています。
複数のディスクが読めないなら原因は機器の側。まずレンズの汚れを疑う
古いDVDが読み込まないのは、劣化のサインか
何年もたったDVD-Rが読めなくなったなら、劣化の可能性があります。ただ、同じ症状は汚れや機器のレンズでも起きるので、拭く、別の機器で試す、を済ませてから判断します。
劣化は、ある日突然のように見えます。光ディスクには読み取りの誤りを自動で直す仕組み(誤り訂正)があり、傷みが軽いうちは機器が補ってしまうからです。誤りが直しきれない量になって、初めて症状が出ます(NIST)。CCIも、見た目や、再生できるかどうかでは、ディスクの本当の状態は分からないと書いています。
記録型のDVD-Rは、有機色素の層にレーザーで印をつけて記録します。色素は時間とともにゆっくり分解し、高い温度と湿度で分解が速まります(NIST)。
CCIの資料が示す平均の寿命は、一般的なDVD-R(銀合金の反射層)で10〜20年、BD-Rで5〜10年、市販のDVDとブルーレイで10〜20年です。国立国会図書館が所蔵のDVD164枚を調べた調査では、44枚が「すぐに対策が必要」な状態でした。
図書館で保管されてきたDVDでも、164枚のうち44枚がすぐ対策の要る状態だった
劣化で直しきれない誤りが出た部分は、元に戻せません(NIST)。止まる、乱れる、といった症状が一部に出た段階で、まだ読める部分を取り出しておく意味はそこにあります。寿命の目安の詳しい見方と、長持ちさせる保管の条件はCD・DVD・ブルーレイの寿命は何年かにまとめました。
読めたら、その日のうちにやること
読めたディスクが、次も読めるとは限りません。中身を取り出したら、その日のうちに次のところまで進めます。
- 中身をパソコンにコピーする。映像のDVDならVIDEO_TSフォルダーごと
- コピーした映像を、最初・途中・最後の3か所で再生して確かめる
- 外付けHDDやクラウドなど、2か所以上に置く
- 同じ時期に焼いたほかのディスクも試す
- 見るためのディスクが要るなら、新しく作り直す
ディスクを丸ごと1つのファイル(ISOイメージ)にして残す方法や、MP4に変換してスマホでも見られるようにする方法は、DVDをパソコンに取り込む方法に書きました。デジタルのデータは、コピーしても劣化しません(マクセル)。
置き場所についてCCIは、3つのコピーを少なくとも2種類の媒体に作り、1つは別の場所に置くよう勧めています。同じ種類の媒体を2つ使うなら、ブランドを変えておくのがCCIの勧めです。クラウドとディスクの組み合わせ方は写真・動画の3-2-1バックアップの組み方で説明しています。
元のディスクは捨てずに、ケースに入れて立て、直射日光や照明の光、温度と湿度の差が大きい場所を避けて保管します。平積みにすると反りやゆがみが出やすくなる、とソニーは注意しています。
見るためのディスクを作り直すなら、取り出した映像を、プレーヤーで再生できるDVDビデオの形に組み立て直す作業(オーサリング)が要ります。スマホやビデオカメラで撮った元の動画ファイル(MP4・MOV・MTSなど)が残っていれば、それを使って作り直せます。
データ復旧業者に頼む目安
家庭でできるのは、機器を替える、拭く、読めるファイルから写す、までです。次のような場合は、自分で手を加える前に、光ディスクを扱うデータ復旧業者に相談する方法があります。
- そこにしかない映像で、別の機器でも、拭いても、パソコンのドライブでも読めない
- 読めるファイルと読めないファイルが混じり、読めない方がどうしても要る
- 深い傷、割れ、ひびがある
- 研磨のような、元に戻せない処置を考えている
頼む前には、診断にかかる費用、取り出せなかったときの費用、かかる日数、預けたディスクと取り出したデータの扱いを確かめ、書面で受け取っておくと行き違いを防げます。家族の映像は、個人の情報でもあります。どの機器で何を試し、どこまで読めたかを書き出して渡すと、相談が早く進みます。
費用と扱いは書面で受け取る。試したことを書き出して渡すと話が早い
ディスクの外に映像が残っていないかも、並行して探します。
- 撮影した家族や友人
- 式場や制作会社
- 学校や園の係
- 自分のパソコン、スマホ
- ビデオカメラの本体やSDカード
- クラウド
元の動画ファイルが見つかれば、ディスクから救い出すより確実です。
当社は、動画データからDVDやブルーレイを作る書き込み代行の店で、受け付けるのは完成した動画のデータです。
手元の1枚を、今日どうするか
読めないDVDが1枚あるなら、今日のうちに、別の機器に入れ、中心から外へ拭き、録画したディスクならファイナライズを確かめ、パソコンでファイルが見えるかを見るところまで進められます。読めたら、その日のうちに2か所へ写します。割れていたら機器には入れず、ディスクの外に映像が残っていないかを探してください。
元の動画ファイルが見つかったら、当社で新しいDVDやブルーレイを1枚から作れます。動画を上げたギガファイル便のURLを注文フォームに貼っていただければ、プレーヤーで再生できる形に組み立てて書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送します。大阪・梅田の店舗でのお渡しもできます。
料金は、基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円です。家族の人数分を作るなら、同じ内容の2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。市販のソフトやテレビ番組の録画など、他人の著作物の複製はお引き受けしていません。
よくある質問
Q1. 読み込めなくなった・再生できなくなったDVDは、復活できますか?
原因しだいです。記録面の汚れ、機器の不調、ファイナライズのし忘れ、録画の方式と機器の組み合わせが原因なら、拭く、別の機器で試す、作った機器でファイナライズする、で読めるようになります。記録層の劣化や深い傷で直しきれない誤りが出た部分は元に戻せませんが、読める部分を取り出して残すことはできます。
Q2. DVDが読み取れないときの裏ワザで、効くものはありますか?
根拠があるのは、別のプレーヤーやドライブで試すことと、柔らかい布で中心から外へ拭くことです。歯磨き粉で磨く方法は、NISTがディスクの表面に研磨性のものを使わないよう書いており、勧めません。冷凍庫で冷やす方法は、効くという根拠が見当たらず、結露のおそれがあります。
Q3. 古いDVDが読み込まなくなったのは寿命ですか?
その可能性はあります。CCIの資料では、一般的なDVD-R(銀合金の反射層)の寿命の目安は10〜20年です。ただ、同じ症状は汚れや機器のレンズの汚れでも起きます。拭く、別の機器で試す、を先に済ませ、それでも読めなければ劣化を疑って、読める部分を早く取り出します。
Q4. DVDが途中で止まるのを直す方法はありますか?
記録面の汚れが原因なら、中心から外へ拭くと直ることがあります。複数のディスクで止まるなら、機器の側を疑います。どの機器でも同じ場所で止まるときは、その場所の傷や劣化で誤り訂正が追いつかない状態で、止まる部分そのものは直せないことがあります。前後の読める映像を先に取り出してください。
Q5. DVDの表面が曇って再生できないときは、どうすればいいですか?
指紋の脂やほこりの曇りなら、柔らかい布で中心から外へ拭くと取れることがあります。寒い場所から持ち込んだ直後の曇りは結露なので、ケースに入れたまま部屋の温度になじませてから試します。拭いても取れない内側のくもりや変色は、記録層などの傷みのことがあり、家庭では直せません。
Q6. 劣化したDVD-Rのデータは復元できますか?
劣化で直しきれない誤りが出た部分は元に戻せない、とNISTは書いています。できるのは、まだ読める部分を取り出すことです。別のドライブで試し、読めるファイルから先にコピーし、読めないファイルは読み取りを粘る復旧ソフトで試します。そこにしかない映像なら、データ復旧業者に相談する方法もあります。
Q7. 割れたDVDやCDは直せますか?
家庭では直せません。割れたり変形したりしたディスクや、修理したディスクは、機器の故障の原因になるので入れないでください(PlayStationの案内)。そこにしかない映像なら、手を加える前にデータ復旧業者に相談するか、撮影した人や式場など、ディスクの外に映像が残っていないかを探します。
Q8. 新品や買ったばかりの市販のDVDが読み込まないのはなぜですか?
海外で買ったディスクは、日本の機器では再生できない地域の設定になっていることがあります。DVDの機器では、ブルーレイは再生できません。未使用のDVDが何枚も急に認識されなくなったなら、機器のレンズの汚れの可能性が高いとマクセルは案内しています。記録用のディスクは、機器が対応する種類かも確かめます。
Q9. ブルーレイが読み込めないときも、同じ方法でいいですか?
別の機器で試す、中心から外へ拭く、という順番は同じです。ただ、ブルーレイは記録層が読み取り面から約0.1mmと浅く(ソニー)、研磨式のディスク修復機にはブルーレイに使えない製品があります。DVDにしか対応していない機器やドライブでは、ブルーレイは読めません。
Q10. DVDプレーヤーのレンズクリーナーは使ってもいいですか?
機器のメーカーで案内が違います。パナソニックは、レコーダーのレンズの汚れを6か月〜1年を目安にレンズクリーナーで取るよう勧めています。ソニーは、レンズ用のクリーニングディスクを故障のおそれがあるので使わないよう書いています。説明書とメーカーの案内に従い、分からなければメーカーに問い合わせます。
Q11. DVDにカビが生えたときは、どう拭けばいいですか?
光ディスクのカビの落とし方を示した公的な機関やメーカーの資料は、確かめた範囲では見当たりません。カビの出たディスクは、ほかのディスクと分けて置いてください。触るときは使い捨ての手袋とマスクをつけ、読めるなら拭く前に中身をパソコンへ写します。落とすときは、乾いた柔らかい布で中心から外へ、こすらず一方向に拭きます。置き場所の湿度の目安は60%未満です。手袋とマスク、こすらない拭き方、湿度の目安は、本などの資料にカビが出たときの国立国会図書館の手引きによります。
参考にした公式の情報
出典の一覧(30件)を開く
機器の操作や対応するディスク、修復機の仕様は、機種や発売時期で変わります。この記事は、2026年9月23日時点の各社・各機関の公式ページの記載をもとにしたものです。
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