この記事の要点
寿命の目安は、音楽CDなど市販のCDで50〜100年、一般的なDVD-R(銀合金の反射層)で10〜20年、BD-Rで5〜10年です(カナダ保存研究所の資料による平均)。
メーカーは数十年から100年以上とうたいますが、同じ種類でも製品の品質と、置き場所の温度・湿度・光で年数は大きく変わります。
劣化のサインは、読み込みが遅い、途中で止まる、ブロックノイズ、認識しない、記録面の変色やはがれ。まず汚れと機器を確かめ、それでも症状が残るなら複製します。
10年以上前のDVD-R・CD-Rに、そこにしかない映像や写真が入っているなら、読めるうちにパソコンや外付けHDD、クラウドへ複製し、2か所以上に置きます。
保管はケースに入れて立て、温度10〜25℃・湿度40〜60%(JIS Z 6017など)の暗い場所へ。夏の車のダッシュボードでは数日で読めなくなることがあります。
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CD・DVD・ブルーレイが何年もつかは、ディスクの種類で大きく違います。カナダ政府の保存研究機関であるカナダ保存研究所(CCI)の資料が示す平均の寿命は、音楽CDのような市販のCDで50〜100年、市販のDVDとブルーレイで10〜20年。自分で書き込むディスクでは、一般的なDVD-R(銀合金の反射層)が10〜20年、BD-Rはそれより短い5〜10年です。CD-Rは色素 と反射層の組み合わせで、20年から100年超まで開きがあります。
メーカーは、記録型ディスクに数十年から100年以上の寿命をうたってきました。数字に幅が出るのは、同じ種類でも製品ごとの品質の差が大きく、置き場所の温度・湿度・光でも寿命が変わるからです。国立国会図書館の調査でも、温度22℃・湿度55%の書庫で保管してきたDVD-Rに、新しいものから古いものまで劣化の進んだディスクが多数見つかりました。
押し入れから出てきた昔のDVD-RやCD-Rが、あと何年読めるかは、読めなくなるまで分かりません。10年以上前に焼いたディスクに、そこにしかない映像や写真が入っているなら、読めるうちに別の場所へ複製してください。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
CD・DVD・ブルーレイの寿命の目安|市販のプレス盤と記録型ディスク 「100年」と「10年」、寿命の数字が食い違うのはなぜか DVDの寿命と劣化|弱いのは記録層と貼り合わせ CDの寿命と劣化|記録層がレーベル面のすぐ下にある ブルーレイは劣化が早い?BD-Rの寿命の目安はDVD-Rより短い 劣化のサインと、ディスクか機器かの見分け方 読めなくなる前にやること|複製と、別の媒体への保存 長持ちさせる保管の条件(温度・湿度・光・置き方) 残りの4項目を見る DVDプレーヤーはなくなる?「読む側」の寿命 これから長く残すなら、ディスクの選び方と書き込み方 手元のディスクを守るために、今日からできる順番 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
CD・DVD・ブルーレイの寿命の目安|市販のプレス盤と記録型ディスク
寿命の考え方は、市販のソフトのように工場で型押しして作るプレス盤と、CD-RやDVD-Rのように自分で書き込む記録型ディスクで分かれます。プレス盤は、樹脂の円盤に型で細かな凹凸(ピット)を写し、アルミなどの反射膜を付けたものです。記録型は、色素や合金でできた記録層をレーザーで変化させて記録します。
次の2つの表は、CCIが2019年に改訂した資料に載っている平均の寿命です。温度と湿度の影響だけをもとにした比較の目安で、汚れた空気などの影響は含まれていません。CCIは、汚れた空気のある場所では、金の反射層でないディスクは表より低く見るべきだとしています。
プレス盤
寿命の目安
音楽CD・CD-ROM
50〜100年
市販のDVD
10〜20年
市販のブルーレイ
10〜20年
記録型
寿命の目安
CD-R
20〜50年(色素と反射層しだいで50年〜100年超)
CD-RW
20〜50年
DVD-R
10〜20年(金の反射層なら50〜100年)
DVD+R
20〜50年
DVD+R DL
5〜10年
DVD-RW
5〜10年
DVD+RW
20〜50年
BD-R
5〜10年(色素を使わず 金の反射層なら10〜20年)
BD-RE
20〜50年
M-DISC
開発元の公称は1,000年以上(CCIの表には載っていない)
同じ種類でも、反射層が金か銀合金か、記録層にどの色素を使うかで年数が変わります。金は腐食しにくい金属です。一方、銀や銀合金は、湿気と一緒にしみこむ空気中の二酸化硫黄で腐食することがあります。米国国立標準技術研究所(NIST)が2003年にまとめた手引きによれば、出回っている記録型ディスクの多くは銀合金の反射層でした。
表の年数は、その年数がたつと一斉に読めなくなるという意味ではありません。同じ製品の中にも早く傷むものと長くもつものがあり、CCIは研究やメーカーの資料から、記録型ディスクの寿命を「2、3年から200年以上」と幅で紹介しています。
M-DISCは、有機色素を使わない記録層に書き込むディスクです。開発元は、自社で行ったISO/IEC 10995の試験などをもとに、1,000年以上もつとしています。この記事で確かめた公的機関の資料にはM-DISCの年数が載っていないため、表では開発元の説明として分けました。仕組みと使いどころは、M-DISCの解説 にまとめています。
「100年」と「10年」、寿命の数字が食い違うのはなぜか
ネットで見かける寿命の数字は、出どころによって大きく違います。出どころは、メーカーの説明、第三者の機関による試験、実際に保管してきたディスクの調査の3つです。
同じディスクでも、どの出どころの数字かで年数が大きく違う
メーカーは数十年から100年以上
NISTの手引きによると、試験をしたメーカーの間では、推奨の条件で保管すればCD-R・DVD-R・DVD+Rは100〜200年以上もつ、という見方で一致していました。書き換え型のCD-RW・DVD-RW ・DVD+RW・DVD-RAMは25年以上です。市販のCD-ROMやDVD-ROMは情報が少なく、見立ては20〜100年と幅がありました。
「CD-Rは100年もつ」という話は、こうしたメーカーの見立ての範囲に入る数字です。
いまのマクセルの説明はもう少し控えめです。DVDについては、自社で定めた環境試験で、よい記録状態なら一般的な環境で数十年の保存に耐える性能を確かめているとしています。ただ、永久ではなく、取り扱い で保存できる期間は大きく変わる、とも書いています。
第三者の試験は、もっと短い年数を示す
NISTの手引きは、第三者の研究機関による寿命の報告はほとんどないとしています。そのうえで、劣化を早めて寿命を推定するNIST自身の試験(加速劣化試験)の結果に触れています。業務用のDVD-R(オーサリング用)の1製品について、25℃・湿度50%で保管した場合の寿命を30年と見積もったもので、まだ予備的な段階の結果でした。
翌2004年のNISTの論文は、記録型ディスクの安定性はメーカーによって大きく違うことを示しました。最も安定したCD-RとDVD-Rなら数十年はデータを保てると見られる一方、消費者が安定した製品を見分けるのは難しい、とも書いています。
作られた時期による差もあります。CCIによると、発売から数年の間は、規格どおりに作られていない品質の悪いディスクが大きな問題でした。CCIは、CD-Rなら1995年、DVD-Rなら1999年、BD-Rなら2010年より後に作られたことを、品質のよいディスクを見分ける目安の一つに挙げています。
寿命の試験は温度と湿度だけを見ている
寿命の推定に使われるのは、国際規格の試験方法です。記録型DVDを対象にしたISO/IEC 10995と、CD・DVD・ブルーレイの記録型ディスクを対象にしたISO/IEC 16963があります。
試験では、ディスクを最高85℃・湿度80%ほどの環境に合計1,000〜4,000時間以上置いて劣化を早め、読み取りの誤りが規格の上限を超えるまでの時間を測ります。そこから、25℃・湿度50%(1日中エアコンの効いた部屋)や30℃・湿度80%(厳しい条件)で保管したときの年数を計算する仕組みです。
この試験が見ているのは温度と湿度の影響だけで、光や汚れた空気、取り扱いの傷は入っていません。規格自身も、そうした負担がかかったディスクや、もっと高い温度・湿度に置かれたディスクは寿命が短くなると書いています。結果は、半数が寿命に達する年数(B50)や、5%が達する年数(B5)で表すので、同じ製品でもどちらを見るかで数字が変わります。
そもそも、CD-Rが店頭に出たのは1991年、DVD-Rは1997年、BD-Rは2006年です(CCI)。100年という数字は、実際に100年置いて確かめたものではなく、試験からの推定です。
保管してきたディスクの調査
国立国会図書館が所蔵のCD296枚とDVD164枚の読み取りの誤りを測ったところ、「すぐに対策が必要」な水準だったのは、CDで14枚、DVDで44枚です。DVDには、ほかに「1年以内に対策が必要」なものが14枚ありました。
CDは、CD-ROMもCD-Rも、30年近くたつものでも誤りの少ないものが多く見られました。DVDではDVD-RとDVD-RWの方が、DVD-ROMより誤りの多いものの割合が高く、DVD-Rには新旧を問わず劣化の進んだものが多数見つかっています。報告書は、納本されるDVD-Rが長期保存用のディスクとは限らないことを、理由の一つに挙げました。
DVDの寿命と劣化|弱いのは記録層と貼り合わせ
DVD-Rの寿命は、一般的な銀合金の反射層のもので10〜20年がCCIの目安です。DVDは、厚さがCDの半分の円盤を2枚別々に作り、接着剤で貼り合わせた構造。記録層は厚さ1.2mmのちょうど真ん中(0.6mm)にあって、両側を樹脂にはさまれています。
記録層が内側にあるぶん、レーベル面の傷には強く、NISTの手引きも、片面のDVDではレーベル面の傷はまず問題にならないとしています。弱いのは、記録層そのものと、貼り合わせの部分です。
CDはレーベル面、ブルーレイは読み取り面のすぐ下に記録層がある。傷への強さと、記録層が何年もつかは別の話
DVD-Rが傷む3つの理由
1つ目は、記録層の有機色素です。DVD-Rは、色素の層にレーザーで印を付けて記録するディスク。NISTによると、この色素は時間とともにゆっくり分解し、高い温度と湿度で分解が速まります。日光などの紫外線に長く当たっても傷み、やがてデータが読めなくなるおそれがあります。
2つ目は反射層です。DVD-Rの反射層には、銀や銀合金、金が使われます。このうち銀系の反射層は、湿気と一緒に入り込む汚れた空気で腐食することがあります(NIST、CCI)。
3つ目が貼り合わせの接着剤。CCIは、接着剤がはがれてDVDが分かれた例や、接着剤との反応で反射層が腐食した例の報告があると書いています。高い温度と湿度での試験でも、その心配が見られたとしています。
DVDは、回転の釣り合いのずれにもCDより敏感です(NIST)。マクセルは、ラベルシールを貼ると、反りや重心のずれで「機器がディスクを認識できない」「ブロックノイズが入る」といった不具合が起きるおそれがあると案内しています。
DVD-RW・DVD+RWと、2層のDVD
DVD-RWやDVD+RWは、色素ではなく、熱で状態が変わる合金の膜(相変化膜)に記録します。何度も書き換えられる反面、NISTは、書き換えるたびに寿命が縮むことと、上書きや消去で中身が失われたり変わったりするおそれがあることから、長期保存には一般に使われないとしています。CCIの表では、DVD-RWが5〜10年、DVD+RWが20〜50年、2層のDVD+R DLが5〜10年です。
DVD-RかDVD-ROMかを見た目で見分ける
国立国会図書館の報告書によると、市販のDVD(DVD-ROM)は反射面にアルミを使うので、記録面が銀色です。DVD-Rは色素の色で紫がかって見えます。DVD-RWも銀色ですが、DVD-Rより暗めです。レーベル面に種類が印刷されたディスクもある一方、見た目だけでは判別できないディスクもあると報告書は注意しています。
市販のDVDの寿命は、CCIの表で10〜20年です。国立国会図書館の調査では、CD-ROMやDVD-ROMは、よい環境で適切に扱えば品質の劣化が進みにくいと見られています。基準を超えた誤りが出たものも、作られたときの品質や傷によるものと考えられています。
CDの寿命と劣化|記録層がレーベル面のすぐ下にある
音楽CDのような市販のCDの寿命は、CCIの表で50〜100年です。長くもちやすい一方で、CDには構造からくる弱点があります。
CDの記録層は、レーベル面から0.1mmほどの浅いところにあります(ソニー)。上を守っているのは薄い塗膜(ラッカー)の層だけです。ボールペンや鉛筆、先の細いペンでレーベル面に書くと、へこみや小さな穴から反射層が傷み、反対側から読めなくなります。NISTは、この傷は直せないとしています。
レーベル面に書くなら、先のやわらかい盤面用のペンを使います(先のやわらかいフェルトペンはマクセルの案内)。CCIは、データのない中心の透明な部分に書くよう案内しています。
市販のCDの反射層はアルミです。湿気と一緒に酸素がしみこむとアルミが酸化して鏡のような輝きを失い、レーザーの光を返せなくなります。NISTは、昔のCDには封じが甘く、ふちから湿気が入った例もあったと書いています。
CD-Rは色素と反射層で寿命が変わる
CD-Rの記録層の色素は主に3種類です。CCIによると、CD-Rの規格はもともと青系のシアニン色素を前提に作られ、1996年に濃い青のアゾ色素が加わりました。薄い緑のフタロシアニン色素は光・熱・湿気に強いものの、広く使われ始めたのは2002年ごろでした。
寿命の目安は、シアニンかアゾの色素と銀合金の反射層で20〜50年、フタロシアニン色素と銀合金で50〜100年、フタロシアニン色素と金で100年超です。CCIの見分け方の表では、記録面が金色に見えるのが、フタロシアニン色素と金の反射層の組み合わせとされています。ただ、下地の着色やレーベルで見え方が変わるので、色は目安にとどめます。
書き換えのできるCD-RWは相変化膜に記録するタイプで、CCIの表では20〜50年です。
ブルーレイは劣化が早い?BD-Rの寿命の目安はDVD-Rより短い
CCIの表では、BD-Rは色素を使うものも使わないものも、1層も2層も5〜10年で、一般的なDVD-Rの10〜20年より短い値でした。色素を使わず金の反射層を使うBD-Rは10〜20年です。CCIは、BD-Rは色素の有無にかかわらず、一部のCD-RやDVD-Rに比べて安定性が低めだったという2018年の研究を紹介しています。
ブルーレイの記録層は、レーザーが当たる読み取り面から0.1mmの浅いところにあります。記録層がレンズに近いほど、ディスクの傾きや反りで読み書きの誤りが出にくいからです(ソニー)。そのぶん読み取り面の守りが大事で、表面はハードコートで傷や指紋に強く作られています。マクセルは、ブルーレイディスクはすべてハードコートされていると案内しています。ただ、傷に強いことと、記録層が何年もつかは別の話です。
書き換えのできるBD-REは、CCIの表では20〜50年と、BD-Rより長い値です。市販のブルーレイ(BD-ROM)は、市販のDVDと同じ10〜20年でした。ブルーレイに入れたからといって、DVDより長く残るとは限りません。
BD-Rには色素を使うものと使わないものがある
CCIによると、BD-Rには、色素で記録するタイプ(下地が黄色っぽい)と、色素を使わずケイ素と銅の合金で記録するタイプ(濃い灰色から灰色がかった茶色)があります。M-DISCの開発元も、ふつうの記録用ブルーレイには有機(色素)のものと無機のものがあると説明しています。「無機の記録層なら数十年もつ」と説明されることがありますが、CCIの表では、色素を使わないBD-Rも5〜10年の群に入っていました。
劣化のサインと、ディスクか機器かの見分け方
光ディスクには、読み取りの誤りを自動で直す仕組み(誤り訂正)があります。多少の傷みは機器が補って再生するので、初めのうちは劣化に気づきにくく、誤りが直しきれない量になったところで症状が出ます(NIST)。直しきれない誤りは、データなら読めない箇所に、映像ならブロックノイズなどの乱れになります(国立国会図書館)。
次のような症状が出たら、劣化を疑います。
読み込みやコピーに、以前より時間がかかる
再生が途中で止まる、映像が乱れる
四角いモザイクのようなブロックノイズが出る
ディスクを入れても、機器が認識しない
記録面の変色、くもり、まだら。DVDなら、ふちの貼り合わせのはがれ
ただ、同じ症状は、ディスクの汚れや機器のレンズの汚れ、ラベルシールでも起こります(マクセル)。劣化と決める前に、次の3つを確かめてください。
記録面の指紋やほこりを、やわらかい布で中心から外へまっすぐ拭く(円を描くようには拭かない)
別のプレーヤーやドライブで試す
ラベルシールを貼っていないか、はがれかけていないかを見る
CCIは、1台で読めないディスクが、別の機器では読めることがあると書いています。拭いても、別の機器でも同じ箇所で止まるなら、記録層の傷みを疑い、読めるところだけでもすぐに複製します。色素の層が傷んで直しきれない誤りが出た部分は、元に戻せません(NIST)。汚れの落とし方と症状ごとの対処は、読み込めないDVDを復活させる方法 にまとめています。
劣化と決める前に、汚れ・機器・シールの3つを確かめる
読めなくなる前にやること|複製と、別の媒体への保存
劣化は元に戻せないので、対策は、読めるうちに中身を別の場所へ移すことです。デジタルのデータは、そのままコピーすれば画質も音質も落ちません(NIST)。
そこにしかない映像や写真が入ったディスクを選び出す。元のデータがパソコンなどに残っていないかも確かめる
パソコンに中身をコピーする。映像のDVDなら、VIDEO_TSフォルダーごと
コピーを、外付けHDDやクラウドなど2か所以上に置く
新しいディスクにも残すなら2枚作り、1枚は実家など別の場所へ
日本の規格JIS Z 6017(電子化文書の長期保存方法)は、長期保存を「保存期間10〜30年程度」と定めています。それを超えて残すときは、別の媒体に移し替えて保存年限を延ばす、という決まりです(JIIMAのガイドラインより)。ディスク1枚に何十年も任せるのではなく、状態を確かめながら移し替えていく考え方です。
劣化は元に戻せない。読めるうちに複製して、置き場所を分ける
CCIは、情報を守るにはコピーが欠かせないとして、3つのコピーを少なくとも2種類の媒体に作り、1つは別の場所に置くよう勧めています。同じ種類の媒体を2つ使うなら、ブランドは変えておくのがCCIの勧めです。
外付けHDDやSSD、USBメモリにも、それぞれ寿命があります。媒体ごとの違いはHDD・SSD・USBメモリ・光ディスクの寿命比較 、クラウドとディスクの組み合わせ方は写真・動画の3-2-1バックアップ で説明しています。
映像のDVDを複製するとき
自分で撮った映像のDVD-Rなら、中身をパソコンにコピーしておけば、あとで新しいディスクに作り直せます。手順と注意点はDVDをパソコンに取り込む方法 に書きました。
市販やレンタルのソフト、テレビ番組を録画したディスクは、コピーガードの扱いが法律で決まっています。この記事の複製の話は、自分で撮影・制作した映像に限ったものです。詳しくはコピーガードとは|DVD・ブルーレイの見分け方と著作権法の決まり をご覧ください。
長持ちさせる保管の条件(温度・湿度・光・置き方)
保管の条件は、国や機関によって少しずつ違います。JIS Z 6017などの規格が長期保存に適した環境として示すのは、温度10〜25℃・湿度40〜60%です(国立国会図書館の報告書)。日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)のブルーレイの指針も、長期保存の環境を同じ10〜25℃・40〜60%とし、結露しない暗い場所に置くとしています。
日本の規格は10〜25℃・40〜60%。海外の機関はもう少し涼しく乾いた条件を勧める
海外の機関は、もう少し涼しく乾いた条件を勧めます。NISTの手引きは20℃未満・湿度20〜50%で、18℃・40%を長期保存に向く条件として挙げました。CCIが紹介する国際規格ISO 18925は、長く保存するなら温度-10〜23℃(32℃を超えない)、湿度20〜50%(10%を下回らない)です。
項目
目安
温度
10〜25℃(JIS Z 6017など)急な変化を避ける
湿度
40〜60%(同)結露させない
光
直射日光や長い時間の室内灯に当てない
置き方
1枚ずつケースに入れ 本のように立てる
ケース
中の紙は外に出す ブルーレイは対応の不織布だけ
印
シールは貼らず 先のやわらかいペンで書く
点検
5年ほどごとに数枚を試し読み
NISTによると、寝かせたまま長く置くと、特に暖かい場所ではディスクが反ったままになり、データが無事でも機器がうまく読めなくなることがあります。
ケースの中の紙は、湿気を呼ぶおそれがあるので、長く保管するなら外に出すのがNISTの勧め。CCIも、中の紙などは出して保管するよう書いています。マクセルは、ブルーレイをDVDやCD用の不織布ケースに入れると記録面に異常が起きるおそれがあるとして、ブルーレイ対応の不織布を使うよう案内しています。
とりわけ避けたいのが、暑さです。NISTによると、夏の車のダッシュボードや窓際にある暖房のそばのように、直射日光で熱がこもる場所では、記録型ディスクが数日で使えなくなることがあります。熱で反ることもあります。ケースに入れていても熱は防げません。CCIは、こうした保管や扱いの注意を守らないと、2〜10年ほどで傷むこともあるとしています。
点検は5年ほどを目安に
国立国会図書館の報告書によると、JIS Z 6017などは、保存しているディスクを抜き取って定期的に読み取りの誤りを測り、その頻度は5年程度を目安としています。CCIが勧めるのは、よい条件で保管しているなら、5〜10年ごとに代表の数枚を試すことです。
家庭には誤りの数を測る機器がないので、古いものや大事なものから数枚を選び、最初から最後まで再生するか、パソコンにコピーしてみます。途中で止まる、コピーが極端に遅い、ブロックノイズが出る、といったサインがあれば、同じ時期に焼いたほかのディスクも確かめて、複製に回します。
DVDプレーヤーはなくなる?「読む側」の寿命
DVDプレーヤーがあと何年で手に入らなくなるかは、誰にも言えません。この記事でも予測はしません。ただ、ディスクが無事でも、読む機器がなければ中身は見られません。NISTの手引き(2003年)は、媒体の劣化より、技術が古くなって機器が使えなくなることの方が差し迫った問題になりうると書いています。
いま分かっているのは、次のようなことです。
ソニーは、記録用のブルーレイディスクの生産を2025年2月で終えると発表しています。2026年2月以降は、ブルーレイレコーダー全モデルの出荷も順次終えるとしています(どちらも後継機種はありません)
ディスクドライブのないパソコンでは、外付けのドライブと再生ソフトを用意しないとDVDを見られません(ドライブのないパソコンでDVDを見る方法 )
機器も古くなります。マクセルは、読み書きのトラブルの原因として、レンズに付いたほこりやたばこのヤニ、機器を使い始めてからの年数を挙げています
読み取りの誤りが少ないディスクほど、誤りを直す力の弱い機器でも再生できます。CCIは、使える機器が減っていくほど、この差が大事になると書いています。
備えは次の3つです。
ディスクの中身を、ファイルとしてもパソコンなどに残す
動くプレーヤーやドライブを1台、手元に置いておく
読めるうちに、そのときの主流の媒体へ移す
これから長く残すなら、ディスクの選び方と書き込み方
新しくディスクを作るときにも、寿命のためにできることがあります。CCIとNISTの資料から、家庭で取り入れやすいものを挙げます。
名の知れたブランドのディスクを選ぶ。CCIは、検査なしに品質を見分けるのは難しいが、名の通ったブランドは一般に品質がよいと考えてよいとしています
書き込みの速度を上げすぎない。CCIによると、16倍速のDVD-R・DVD+Rは4〜8倍速、6倍速を超える対応のBD-Rは4倍速で書き込むと誤りが少なくなります
未使用のディスクを買いだめしない。NISTによると、メーカーはCD-RやDVD-Rの記録前の保存寿命を5〜10年としています
書き込んだら実際の機器で最後まで再生して確かめ、同じものを2枚作って別の場所に置く
長く残すものは、書き換えのできないディスクに記録する
長期保存用として作られ、寿命推定の試験を受けた記録型ディスクもあります。JIIMAのガイドラインは、こうした長期保存用光ディスクを、適正なドライブでよい記録状態が得られれば、室温保存で30年以上の推定寿命をもつもの、と定めています。どのディスクを選んでも、保管と点検、移し替えが要ることは変わりません。DVDとブルーレイのどちらにするかは、見る機器と画質で決めるのが基本です(DVDとブルーレイの違い )。
手元のディスクを守るために、今日からできる順番
10年以上前に焼いたDVD-R・CD-R・BD-Rのうち、そこにしかない映像や写真が入ったものを選ぶ
数枚を最後まで再生するかコピーして、止まる・遅い・ノイズが出る、といったサインがないかを確かめる
読めるうちにパソコンへコピーし、外付けHDDやクラウドにも置く
残りのディスクはケースに入れて立て、涼しく暗い部屋の棚へ移す
5年ほどたったら、また数枚を試す
元の動画ファイルが手元にあれば、当社で新しいDVDやブルーレイに作り直すこともできます。動画を上げたギガファイル便のURLを注文フォームに貼っていただければ、プレーヤーで再生できる形に組み立てて書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送します。受け取りは、大阪・梅田の店舗でもかまいません。
注文は1枚からで、料金は基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円です。同じ内容の2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円なので、2枚作って別々の場所に置くこともできます。市販のソフトやテレビ番組の録画など、他人の著作物の複製はお引き受けしていません。
よくある質問
Q1. CDの寿命は何年ですか? 音楽CDなど市販のCDは、CCIの表で50〜100年が平均の目安です。自分で焼いたCD-Rは、色素と反射層の組み合わせで差があり、シアニンやアゾの色素と銀合金で20〜50年、フタロシアニン色素と金の反射層で100年超です。CDは記録層がレーベル面のすぐ下にあるので、レーベル面の傷や、先のとがったペンで読めなくなる点に気をつけます。
Q2. 「CD-Rは100年もつ」は本当ですか? メーカーの見立てとしては珍しくない数字です。NISTの手引き(2003年)は、試験をしたメーカーの間で、CD-Rなどは100〜200年以上とする見方で一致していたと紹介しています。CCIの表で100年を超えるのは、フタロシアニン色素と金の反射層を使うCD-Rです。どれも試験からの推定で、100年置いて確かめたものではありません。
Q3. DVD-Rの寿命は何年ですか? 一般的な銀合金の反射層のDVD-Rは、CCIの表で10〜20年が平均の目安で、金の反射層の製品は50〜100年です。NISTは1製品のDVD-Rを25℃・湿度50%で30年と見積もり、マクセルは自社の試験で数十年の保存に耐えると説明しています。国立国会図書館の調査では劣化の進んだDVD-Rが多数見つかっているので、大事な映像は早めに複製します。
Q4. DVDとブルーレイは、どちらが長持ちしますか? 容量や傷への強さではブルーレイが有利ですが、記録層の寿命が長いとは限りません。CCIの表では、BD-Rは5〜10年(色素を使わず金の反射層のものは10〜20年)で、一般的なDVD-Rの10〜20年より短い値でした。市販のソフトは、DVDもブルーレイも10〜20年です。どちらでも元のデータを別に残し、涼しく暗い場所に保管します。
Q5. 市販の映画やアニメのDVD・ブルーレイも劣化しますか? 劣化します。市販のDVDとブルーレイは型押しで作る再生専用のディスクで、CCIの表では10〜20年が平均の目安です。NISTによると、市販のCDやDVDは反射層のアルミが湿気で酸化すると、レーザーの光を返せなくなります。買い直せない限定版などは、ケースに入れて立て、温度と湿度の安定した暗い場所に置きます。
Q6. 何も書き込んでいない未使用のDVD-Rにも寿命はありますか? あります。NISTの手引きによると、メーカーはCD-RやDVD-Rの記録前の保存寿命を5〜10年としていますが、パッケージに期限は書かれていません。必要な分だけ買い、書き込む直前に開封するのが安全です。買い置きの古いディスクに大事なものを焼いたときは、最後まで再生して確かめます。
Q7. 読めなくなったDVDから、データを取り出すことはできますか? 汚れや機器が原因なら、記録面を拭いたり、別のプレーヤーやドライブで試したりすると読めることがあります。1台で読めないディスクが別の機器で読める例は、CCIも紹介しているとおりです。一方、色素の層が傷んで直しきれない誤りが出た部分は、元に戻せないとNISTは書いています。読めるところだけでも、早く複製してください。
Q8. DVD-RWやBD-REに保存しても大丈夫ですか? CCIの表では、DVD-RWが5〜10年、DVD+RWとBD-REが20〜50年です。ただしNISTは、書き換えるたびに寿命が縮むことと、上書きや消去で中身が失われるおそれがあることから、書き換え型は長期保存に一般に使われないとしています。長く残すなら、1回だけ記録するディスクを選びます。BD-REの書き換えは、マクセルの設計で1,000回程度です。
Q9. 夏の車の中にディスクを置いたままにすると、どうなりますか? NISTによると、夏の車のダッシュボードのように直射日光で熱がこもる場所では、記録型ディスクの色素や相変化膜が急に傷み、数日で使えなくなることがあります。熱で反ることもあり、ケースに入れていても防げません。車で見るディスクはコピーを使い、元のディスクは家で保管します。
Q10. 冷蔵庫や冷凍庫で保管すると長持ちしますか? 家庭ではおすすめしません。NISTは、凍らせたり溶かしたりしたときの影響はまだ分かっていないとし、冷たい場所から出したディスクは、結露を防ぐために少しずつ使う場所の温度に慣らすよう書いています。マクセルとJIIMAも結露を避けるよう案内しています。温度と湿度の変化が小さい、居室の暗い棚の方が扱いやすい置き場所です。
参考にした公式の情報
出典の一覧(24件)を開く
寿命の年数は、2026年9月23日時点で各機関・各社の公式資料に載っている値です。個々のディスクがその年数もつことを約束するものではありません。
ディスクメーカーへのご依頼・お見積りは以下からどうぞ。