この記事の要点
ビットレートは、動画や音声が1秒あたりに使うデータの量です。単位はbps(ビット毎秒)で、動画はMbps、音声はkbpsで表すのが一般的です。
数字が大きいほど画質に余裕が出る一方、ファイルも大きくなります。8Mbpsなら1分で約60MB、1時間で約3.6GBです。
上限は、DVDが映像だけで約9.8Mbps、ブルーレイが映像だけで40Mbps。YouTubeのおすすめは、1080p・30fpsで8Mbpsです。
設定画面の「平均」はファイルの大きさを、「最大」は一瞬の上限を決めます。可変(VBR)は場面に合わせて量を配り、2パスは下見をしてから配ります。
同じビットレートでも、コーデックが違えば画質は変わります。ブルーレイの画質は、元の映像・解像度・コーデック・ビットレートの順に決まります。
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ビットレートとは、動画や音声が1秒あたりに使うデータの量のことです。単位はbps(ビット毎秒)で、動画では100万ビットを1とするMbps(メガビット毎秒)がよく使われます。8Mbpsなら1秒に800万ビット、バイトに直すと1MB。1分で約60MB、1時間で約3.6GBになります。数字が大きいほど1コマごとに使える情報が増え、細かな模様や動きの多い場面を崩さずに残せる一方、ファイルは大きくなります。
音声にもビットレートがあり、こちらは桁が小さいのでkbps(キロビット毎秒)で表します。YouTubeがアップロードにすすめる音声は、ステレオで384kbps。音楽CDの音(44.1kHz・16bit)をステレオのまま圧縮せずに流すと、計算上は1,411.2kbpsです。書き出しの設定画面やファイルの詳細に並ぶ「◯Mbps」「◯kbps」は、どれもこの1秒あたりの量を表しています。
ただ、ビットレートの数字だけで画質は決まりません。同じ8Mbpsでも、フルHDか4Kか、H.264かH.265か、元の映像がどれだけきれいかで仕上がりは変わります。DVDやブルーレイには、規格で決まった上限もあります(映像だけで、DVDは9.8Mbps、ブルーレイは40Mbps)。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
ビットレートとは?単位(bps・kbps・Mbps)と容量の計算 ビットレートを上げると、画質と容量はどう変わるか 平均・最大・CBR・VBR・2パス|設定画面の言葉の意味 ビットレートの目安|DVD・ブルーレイ・放送・YouTube・スマホ 同じビットレートでも、コーデックが違えば画質は変わる ブルーレイの画質を決める4つの要素と、ビットレートの位置づけ 動画のビットレートを確かめる方法 DVD・ブルーレイに焼くときのビットレートの決め方 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
ビットレートとは?単位(bps・kbps・Mbps)と容量の計算
ビットレートの「ビット」は、0か1かを表す、データのいちばん小さな単位です。8ビットで1バイトになり、ファイルの大きさはバイトで、ビットレートはビットで数えます。Mbpsの「b」はビット、MBの「B」はバイトなので、同じ8でも8Mb(メガビット)と8MB(メガバイト)は8倍違います。
単位は1,000ごとに上がり、1,000bpsが1kbps、1,000kbpsが1Mbps。HandBrake(Windows版)の「平均ビットレート (kbps)」のようにkbpsで入れる欄なら、8Mbpsは8000と入力します。
ビットレートと長さが分かれば、ファイルの大きさは掛け算で出せます。1分あたりのMBはビットレート(Mbps)×7.5、1時間あたりのGBはビットレート×0.45 。1秒分のビットを8で割ってバイトにし、秒数を掛けた値です。逆に、ファイルの大きさと長さからビットレートを出すなら、容量(GB)×8,000÷秒数で計算します。
ビットレート
1分/1時間の容量
1Mbps
約7.5MB/約0.45GB
5Mbps
約37.5MB/約2.3GB
8Mbps
約60MB/約3.6GB
17Mbps
約128MB/約7.7GB
24Mbps
約180MB/約10.8GB
40Mbps
約300MB/約18GB
100Mbps
約750MB/約45GB
17Mbpsは、ソニーのレコーダーが地上デジタル放送の録画時間を計算するときの値で、ビデオカメラのAVCHDのFHモード(平均約17Mbps)とも同じです。24MbpsはBSデジタル放送の値、40Mbpsはブルーレイの映像の上限にあたります。この計算を使った、DVDに何分・ブルーレイに何時間入るかの早見表はDVDに何分入る?ブルーレイに何時間入る?|容量・画質別の早見表と計算式 にまとめています。
ビットレートと解像度・フレームレートの違い
解像度は1枚の絵が持つ画素の数、フレームレートは1秒に見せる絵の枚数、ビットレートはその絵を1秒あたり何ビットで記録するかを表します。フルHD(1920×1080)は約207万画素、4K(3840×2160)はその4倍の約829万画素です。解像度が細かさの上限を決め、ビットレートはその細かさをどこまで再現できるかを決める、という関係になります。
4KはフルHDの4倍の画素。画素が増えるほど要るビットレートも増える
8Mbpsの動画を30fpsで記録すると、1コマに使えるのは平均で約26.7万ビット(約33KB)。同じ8Mbpsのまま4Kにすると1画素あたりの情報はフルHDの4分の1、60fpsにすると1コマあたりは半分です。Appleも、iPhoneのビデオについて「フレームレートが速くなり、解像度が高くなると、ビデオファイルのサイズが大きくなります」と説明しています。
YouTubeのおすすめの値も、1080pの30fpsで8Mbps、60fpsで12Mbps、4Kの30fpsで35〜45Mbpsと、解像度とフレームレートに合わせて上がっていきます。解像度だけを上げてビットレートが足りないときに起きるのが、細部のつぶれやブロック状のノイズです。
ビットレートを上げると、画質と容量はどう変わるか
足りないところからビットレートを上げれば、ノイズが減って画質は良くなります。反対に、十分なビットレートがあるところからさらに上げても、見た目の差は次第に小さくなり、ファイルだけが大きくなっていきます。
動画はそのままでは大きすぎるため、目立ちにくい情報を省いて小さくして(圧縮して)記録します。ビットレートは、この圧縮に使える1秒あたりのデータ量です。足りないと、省いた跡が見えてきます。差が出やすいのは、紙吹雪や水面のきらめき、群舞、スポーツのように画面全体が一斉に動く場面です。
パナソニックはレコーダーの録画モードについて、動きの速いスポーツ番組や、照明で明暗が激しく変わる音楽ライブ番組には、1.5倍録などの高画質のモードをすすめています。動きの少ないドラマなら、3倍録から8倍録で容量を気にせず録れるという案内です。同じ長さの番組でも、中身によって必要なビットレートが違うということです。
どこまで上げられるかは用途で決まり、DVDやブルーレイでは規格の上限を超えられません。YouTubeは、アップロードする動画について「ビットレートの上限はありません」としたうえで、おすすめの値を示しています。
もう一つ、一度省いた情報は戻りません。LINEで受け取った動画のように途中で圧縮された動画は、高いビットレートで書き出し直しても、ファイルが大きくなるだけです。音声でも同じで、ソニーはMP3のような圧縮について「失われた情報は取り戻せません」と説明しています。ディスクにするなら、撮ったままの元の動画を使うのが近道です。理由はLINEで動画の画質が落ちる?オリジナル画質と元の画質で渡す方法 で説明しています。
平均・最大・CBR・VBR・2パス|設定画面の言葉の意味
動画編集ソフトや変換ソフトの書き出し画面には、ビットレートの決め方を選ぶ欄があります。名前はソフトごとに違います。TMPGEnc Video Mastering Works 7の仕様では「CBR (固定ビットレート)」「VBR (2パス平均ビットレート)」「VBR (固定品質)」など。HandBrakeの日本語表示なら「固定品質」「平均ビットレート (kbps)」「複数パスエンコード」です。主な言葉の意味を表にしました。
画面の言葉
意味
平均 ビットレート
全体をならした値(ターゲット)。大きさはこれで決まる
最大 ビットレート
一瞬だけ使える上限。大きさにはほとんど影響しない
固定(CBR)
最初から最後まで同じ量で記録する
可変(VBR)
場面に合わせて量を増やしたり減らしたりする
1パス・2パス(複数パス)
1回で変換するか下見をしてから変換するか
固定品質
画質の目標を決め 量は成り行きに任せる
平均ビットレート(ターゲットビットレート)とは
平均ビットレートは、動画全体をならしたビットレートです。設定の欄が「ターゲットビットレート」なら、この平均の目標値を入れる欄です。ファイルの大きさは平均×長さで決まるので、2時間を平均8Mbpsで書き出せば、場面ごとに上下していても約7.2GBに落ち着きます。ソニーのビデオカメラの説明書でも、AVCHDのFHモードの値は「平均約17Mbps」という書き方です。
最大ビットレートとは
最大ビットレートは、動きの多い場面などで一瞬だけ使ってよい上限です。ファイルの大きさはほぼ平均で決まり、最大は、量が一瞬だけ増えるときにどこまで増やしてよいかを決めます。ソニーのビデオカメラの説明書に並ぶ「PS:最大28Mbps」や、XAVC S 4Kの「最大100Mbps」は、この最大の値です。
DVDやブルーレイを作るときは、最大を規格の上限より下にしておきます。上限は、DVDが映像だけで9.8Mbps、ブルーレイが映像だけで40Mbps。ソフトの設定(プロファイルとレベル)によっては、もっと低い値までしか選べないこともあります。
固定(CBR)と可変(VBR)の違い
固定(CBR)は、静かな場面でも激しい場面でも同じ量を使い続ける方式です。流れる量がいつも一定なので、回線に合わせて送り続けるライブ配信に向き、YouTubeもライブ配信のエンコーダーの設定を「CBR」としています。
可変(VBR)は、ソニーがレコーダーの説明書で使う言葉を借りると「映像の情報量に合わせてデータの記録量を変化させる方式」。静かな場面で節約した分を、動きの多い場面に回せます。YouTubeにアップロードする動画も可変がおすすめの設定で、容量の決まったディスクに収めるときも、同じ容量で画質を保ちやすいのは可変のほうです。
2パス(複数パス)と固定品質
1パスは動画を頭から1回で変換し、2パスは1回目で映像全体の動きの多さを調べてから、2回目でその結果に沿ってビットレートを配り分けます。変換を2回するぶん時間はかかりますが、平均を守りながら、動きの多い場面に厚く配れるのが利点です。
固定品質は考え方が逆で、画質の目標を決め、ビットレート(ファイルの大きさ)は結果に任せます。HandBrakeは、初期設定と公式のプリセットの多くがこの固定品質です。仕上がりの大きさを前もって読めないので、容量に収めたいときは平均ビットレートで指定します。
ディスクに収めるなら、平均を決めた可変(VBR)が基本。選べるなら2パス
ビットレートの目安|DVD・ブルーレイ・放送・YouTube・スマホ
フルHD(1080p)のビットレートは、用途によって次のように違います。
YouTubeのおすすめとiPhoneの初期設定(H.265)が8Mbps前後
iPhoneの互換性優先(H.264)とビデオカメラのAVCHDが17〜28Mbps
テレビ放送は17〜24Mbps、ブルーレイの上限は40Mbps
同じフルHDでも5倍ほどの幅があり、差の一部は映像を圧縮する方式(コーデック)の違いから来ています。
同じフルHDでも5倍ほどの幅がある。差の一部はコーデックの違いから
よく出てくる数字を、用途ごとに公式の資料から集めました。ディスクと放送はオーサリングソフトの仕様書や機器の説明書、YouTubeはGoogleのヘルプの値です。iPhoneだけは、設定画面に出る1分あたりの容量から計算した値になります。
DVD・ブルーレイ・テレビ放送のビットレート
用途
ビットレート
DVDの上限
映像だけで9.8Mbps 映像と音声で9,848kbps
DVDに2時間(SP相当)
約5Mbps(計算)
ブルーレイの上限
映像だけで40Mbps 音声と字幕も含めて45Mbps
BSデジタル 放送
24Mbps
地上デジタル 放送
17Mbps
レコーダーのXR・SR(ソニー)
XR 16Mbps SR 8Mbps
DVDとブルーレイの上限は、オーサリングソフト(TMPGEnc Authoring Works 7)の仕様書にある値です。ブルーレイの映像の上限は、DVDの約4倍。放送の2つは、ソニーのレコーダーが録画時間を計算するときの値で、実際の量は番組によって変わります。パナソニックのDRモードのように、放送をそのままの画質でブルーレイに記録する録画モードもあります。
DVDのビットレートの目安は、入れる長さで決まります。4.7GBのDVD-Rに2時間を入れると約5Mbpsで、レコーダーのSPモードと同じくらい。1時間ほどの映像なら上限近くまで使えます。2時間を超えると5Mbpsを下回り、動きの多い場面から粗さが目立ち始めます。
YouTubeのおすすめ(アップロードとライブ配信)
解像度
アップロード
ライブ配信
720p 30fps
5Mbps
4Mbps
720p 60fps
7.5Mbps
6Mbps
1080p 30fps
8Mbps
10Mbps
1080p 60fps
12Mbps
12Mbps
4K 30fps
35〜45Mbps
30Mbps
4K 60fps
53〜68Mbps
35Mbps
アップロードの値はSDR(HDRでない動画)の場合で、HDRの動画は1080pの30fpsで10Mbps、4Kの30fpsで44〜56Mbpsと高めです。アップロードは、おすすめより高い値でも受け付けられます(YouTubeは上限はないとしています)。ただ、ファイルが大きくなるぶん、アップロードに時間がかかります。
ライブ配信の値はH.264の場合で、H.265やAV1なら1080pの30fpsで3〜8Mbpsの範囲です。YouTubeは、ライブ配信のビットレートの方式(エンコード)をCBRとし、「お使いのインターネット接続でも安定して映像を転送できる品質を選んでください」と案内しています。OBSなどの配信ソフトで設定するときは、回線の上りの速さに余裕があるかを先に確かめ、この表の値に合わせます。
スマホ・ビデオカメラで撮った動画のビットレート
撮影設定
ビットレート
iPhone 1080p・30fps(初期設定)
約8.7Mbps(高効率+HDR)互換性優先は約17.3Mbps
iPhone 4K・30fps
約25.3Mbps(高効率+HDR)
iPhone 4K・60fps
約58.7Mbps(高効率+HDR)
ビデオカメラ AVCHD FH
平均約17Mbps(1920×1080)
ビデオカメラ AVCHD PS
最大28Mbps(1080/60p)
ビデオカメラ XAVC S HD
約50Mbps
ビデオカメラ XAVC S 4K
最大60Mbps または100Mbps
iPhoneの値は、「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」の画面に出る1分あたりの容量の目安(iOS 18.6の表示)から計算したものです。1080p・30fpsは「高効率」でHDRオンが約65MB、「互換性優先」が約130MBです。4Kは、30fpsが約190MB、60fpsが約440MBです。実際のファイルは、場面の動きや明るさで上下します。ビデオカメラはソニーのハンディカム(FDR-AX45など)の説明書の値で、「平均」と「最大」が書き分けられています。
配信(サブスク)とブルーレイの画質
1秒あたりに使えるデータには、ブルーレイのほうが余裕があります。Netflixの説明では、1時間あたりのデータ使用量は高画質(HD)で最大3GB、超高画質(UHD 4K)で最大7GBです。ビットレートに直すと、計算上はHDで約6.7Mbps、4Kでも約15.6Mbps。ブルーレイはフルHDの映像に最大40Mbpsまで使えます。
ただ、コーデックや元の映像が違えば同じ数字でも見え方は変わるので、ビットレートの大きさだけで画質の優劣は決まりません。Netflixの「自動」の設定では、インターネット接続の速さに応じて画質が選ばれる点も、ディスクとの違いです。
同じビットレートでも、コーデックが違えば画質は変わる
コーデックは、映像を圧縮する方式のことです。DVDの映像はMPEG-2で、ブルーレイはオーサリングソフトの仕様書ではMPEG-2かH.264(AVC)。iPhoneは「高効率」ならH.265(HEVC)、「互換性優先」ならH.264で記録します。H.265はH.264の次の世代にあたり、同じ画質をより少ないデータで表せるように作られています。
H.265の規格をまとめたITU(国際電気通信連合)は、2013年1月の発表で、H.265は先代のH.264の半分のビットレートで済むとしています。Appleも、HEVC(H.265)はH.264より圧縮率が高く、容量を抑えながら同等の画質に仕上がると説明しています。iPhoneの設定画面の目安で比べると、1080p・30fps(HDRなし)の1分あたりは「高効率」が約60MB、「互換性優先」が約130MB。同じ解像度とフレームレートで、H.264は約2.2倍のデータを使う計算です。
YouTubeのライブ配信の推奨値も、1080p・30fpsでH.264は10Mbps、H.265やAV1は3〜8Mbpsの範囲です。「8Mbps」という数字だけで画質を比べられないのは、このためです。iPhoneが記録した約8.7Mbps(H.265)の動画を、H.264の同じ8.7Mbpsに変換すると、同じ画質は保ちにくくなります。
ディスクにするときは、この違いが関わってきます。ブルーレイを作るオーサリングソフトの映像の形式はMPEG-2かH.264なので、iPhoneの「高効率」の動画はH.264などに、DVDならMPEG-2に変換して収めます。元の画質を保つには、元のファイルより高いビットレートが要るということです。
とはいえブルーレイの上限は映像で40Mbpsあり、iPhoneの互換性優先(H.264)の約17.3Mbpsはその半分以下です。1080pの動画なら余裕をもって収まります。H.264とH.265の違いはH.264とH.265の違い に、iPhoneの動画をディスクにするときの注意はiPhoneで撮った動画をDVD・ブルーレイにする手順 にまとめています。
ブルーレイの画質を決める4つの要素と、ビットレートの位置づけ
ブルーレイの画質は、元の映像・解像度・コーデック・ビットレートの4つが、上から順に重なって決まります。上の段で失われたものは、下の段では取り戻せません。
要素
決まること
元の映像
画質の上限。撮影の設定や途中の圧縮で決まる
解像度
細かさの上限。ブルーレイは1920×1080まで
コーデック
同じデータ量で残せる絵の量。H.264かMPEG-2
ビットレート
上の3つを保ったまま収められるか。映像は最大 40Mbps
いちばん上は元の映像です。パナソニックは、4Kテレビが4Kに満たない映像を4K相当に変換する機能について、「オリジナル映像の解像度、画質によって」仕上がりに違いが出ると注記しています。ディスクも同じで、送る途中で小さく圧縮された動画は、ブルーレイに入れても細かさは戻りません。
次が解像度です。ふつうのブルーレイは1920×1080までなので、4Kで撮った動画はフルHDに縮めて収めます。当社のブルーレイも1920×1080で作ります。4Kの市販ソフトに使われるUltra HD ブルーレイは、別の規格です。4Kの動画をどう収めるかは4K動画をブルーレイにする方法|画質はどうなるか、1080に縮めるときの設定 に書きました。3番目はコーデックで、ブルーレイではH.264かMPEG-2を使います。
ビットレートは最後の段です。元の映像・解像度・コーデックで決まった画質を、どこまで保ったままディスクに収められるかを決めます。ここで関わってくるのが長さで、1枚に長く入れるほど、1秒あたりに使える量は減っていきます。容量(GB)×8,000÷秒数で出した、映像と音声を合わせた平均の上限は次のとおりです。
長さ
25GB
50GB
1時間
上限まで
上限まで
2時間
約27.8Mbps
上限まで
3時間
約18.5Mbps
約37.0Mbps
4時間
約13.9Mbps
約27.8Mbps
6時間
約9.3Mbps
約18.5Mbps
「上限まで」は、計算上の値が規格の上限(映像40Mbps、音声と映像あわせて48Mbps)を超えるので、上限いっぱいまで使えるという意味です。ここから音声の分(リニアPCMなら約1.5Mbps)を引いた残りが、映像に使える量になります。
2時間の結婚式や発表会なら、1層の25GBでもBS放送(24Mbps)を上回る量を使える計算です。3時間で地上デジタル放送(17Mbps)を少し上回るくらい、4時間ではレコーダーのXRモード(16Mbps)を下回ります。長い映像で画質を保ちたいときは、2層の50GBにするのが素直な方法です。DVDにするかブルーレイにするかは、DVDとブルーレイの違い で画質・容量・再生機器から比べています。
動画のビットレートを確かめる方法
手元の動画のビットレートは、容量と長さが分かれば計算で出せます。ビットレート(Mbps)=容量(GB)×8,000÷秒数。iPhoneで撮った10分の動画が650MB(0.65GB)なら、0.65×8,000÷600で約8.7Mbpsです。iPhoneの容量は、写真アプリで動画を開いて上にスワイプすると、ファイルサイズとして表示されます。パソコンなら、ファイルのプロパティや「情報を見る」で容量と長さが分かります。
もっと詳しく見るなら、MediaInfoというソフトがあります。Windows・Mac・スマホ向けの版があり、ファイル全体のビットレート(映像と音声の合計)のほか、映像だけのビットレート、コーデック、フレームレートなどを一覧で表示します。可変(VBR)の動画なら、表示される数字は全体をならした平均と考えてください。
DVD・ブルーレイに焼くときのビットレートの決め方
自分で書き出してディスクを作るなら、次の順に決めていくと迷いません。
見る機器で、DVDかブルーレイかを決める。DVDプレーヤーしかない相手ならDVDです
動画の合計の長さから、使える平均を出す。容量(GB)×8,000÷秒数に0.9を掛け(1割の余裕)、音声の分を引いた残りが映像の平均の目安です
最大は規格の上限より下にする。DVDは映像9.8Mbps、ブルーレイは映像40Mbpsまでです
選べるなら可変(VBR)の2パスにする。平均を守りながら、動きの多い場面に厚く配れます
元の動画は、撮ったままのファイルを使う。変換をくり返すと、そのたびに画質は少しずつ落ちます
たとえばブルーレイ(25GB)に2時間なら、25×8,000÷7,200で約27.8Mbps、1割を引いて約25Mbps。音声をリニアPCM(16bit・48kHzのステレオで1,536kbps)にするなら、映像の平均は約23.5Mbpsです。
容量と長さで割り、1割の余裕と音声の分を引くと映像の平均が出る
DVD(4.7GB)に2時間なら、同じ計算で約4.7Mbpsになります。音声をドルビーデジタル(192kbps)にすると映像は約4.5Mbps、リニアPCMにすると約3.2Mbpsまで下がります。DVDでは、音声の選び方も映像の画質に影響します。
編集ソフトごとの書き出しの設定はDVD・ブルーレイ用の動画書き出し設定 に、書き込みソフトとオーサリングソフトの選び方はブルーレイ書き込みソフト・オーサリングソフト比較 にまとめています。
当社に頼む場合は、ビットレートを計算していただく必要はありません。動画を上げたギガファイル便のURLを注文フォームに貼っていただくだけです。こちらで、プレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング )、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめます。仕上がったディスクはケースに入れて発送するか、大阪・梅田の店舗でお渡しします。
仕上がりはDVDが720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイが1920×1080で、音声はAC-3かリニアPCMです。長い映像には2層ディスクも用意しています。送っていただく動画は、撮ったままの元のファイルがいちばんです。
よくある質問
Q1. ビットレートとは、簡単に言うと何ですか? 動画や音声が1秒あたりに使うデータの量です。単位はbps(ビット毎秒)で、動画はMbps、音声はkbpsで表すことが多く、数字が大きいほど画質や音質に余裕が出ます。そのかわりファイルは大きくなり、8Mbpsなら1分で約60MB、1時間で約3.6GB。画質はビットレートのほかに、解像度やコーデック、元の映像でも変わります。
Q2. ビットレートは高いほど画質が良くなりますか? 足りないところから上げれば、ノイズが減って画質は良くなります。ただ、十分なところからさらに上げても見た目の差は小さくなり、ファイルだけが大きくなっていきます。DVDは映像だけで9.8Mbps、ブルーレイは映像だけで40Mbpsが上限で、それを超える値は使えません。一度圧縮で失われた細かさは、ビットレートを上げて書き出し直しても戻りません。
Q3. 平均ビットレートと最大ビットレートの違いは何ですか? 平均は動画全体をならした値で、ファイルの大きさは平均×長さで決まります。最大は、動きの多い場面などで一瞬だけ使ってよい上限で、大きさにはほとんど影響しません。可変(VBR)で書き出すときは両方を入れ、ディスク用なら最大を規格の上限(DVDは映像9.8Mbps、ブルーレイは映像40Mbps)より下にします。ソニーのビデオカメラの説明書も「平均約17Mbps」「最大28Mbps」と書き分けています。
Q4. ターゲットビットレートの目安はどのくらいですか? ターゲットは平均の目標値なので、用途から決めます。YouTubeに上げるなら、Googleのおすすめは1080p・30fpsで8Mbps、60fpsで12Mbpsです。ディスクに収めるなら、容量(GB)×8,000÷秒数に0.9を掛け、音声の分を引いた値が目安です。ブルーレイ(25GB)に2時間なら、映像は約23.5Mbps(音声がリニアPCMの場合)になります。DVDに2時間なら、約4.5Mbps(ドルビーデジタル192kbpsの場合)になります。
Q5. CBRとVBRはどちらを選べばよいですか? 撮った動画を書き出してディスクやファイルにするなら、場面に合わせて量を配れる可変(VBR)が向いています。YouTubeもアップロードには可変をすすめています。ライブ配信は回線に一定の量を流し続けるので固定(CBR)で、YouTubeのライブ配信の設定もCBRです。可変で2パスが選べるなら、時間はかかっても2パスにすると配分が整います。
Q6. フルHD(1080p)のビットレートの目安はどのくらいですか? YouTubeのおすすめは30fpsで8Mbps、60fpsで12Mbpsです。iPhoneの初期設定(1080p・30fps・高効率)は計算上約8.7Mbps、互換性優先(H.264)は約17.3Mbps。ビデオカメラのAVCHDは平均約17Mbps〜最大28Mbps、テレビ放送は地上デジタルが17Mbps、BSが24Mbps(レコーダーが計算に使う値)で、ブルーレイの上限は映像40Mbpsです。コーデックが違えば、同じ数字でも画質は変わります。
Q7. DVDのビットレートの目安はどのくらいですか? 上限は映像だけで9.8Mbps、映像と音声を合わせて9,848kbpsです(オーサリングソフトの仕様書)。4.7GBのDVD-Rに2時間を入れると約5Mbpsで、レコーダーのSPモードと同じくらい。1時間ほどなら上限近くまで使え、2時間を超えると5Mbpsを下回って、動きの多い場面から粗くなっていきます。
Q8. ブルーレイのビットレートの上限はいくつですか? オーサリングソフト(TMPGEnc Authoring Works 7)の仕様書では、映像だけで最大40Mbps、映像・音声・字幕の合計で45Mbpsです。DVDの約4倍にあたります。ソフトの設定(プロファイルとレベル)によっては、もっと低い値までしか選べません。25GBに2時間を入れると、平均は映像と音声を合わせて約27.8Mbpsになります。
Q9. 配信(サブスク)とブルーレイでは、どちらが高画質ですか? 1秒あたりに使えるデータは、ブルーレイのほうが多くなります。ブルーレイはフルHDの映像に最大40Mbpsまで使えます。Netflixの説明では、1時間あたりのデータ量は高画質(HD)で最大3GB、4Kでも最大7GBで、計算上は約6.7Mbpsと約15.6Mbpsです。ただ、コーデックや元の映像が違えば同じ数字でも見え方は変わるので、数字だけで画質の優劣は決まりません。
Q10. 音声のビットレートはどのくらいですか? YouTubeがアップロードにすすめる音声は、ステレオで384kbps、5.1chで512kbpsです。DVDのドルビーデジタルはステレオで128〜448kbps、圧縮しないリニアPCM(16bit・48kHzのステレオ)は1,536kbps。音楽CD(44.1kHz・16bit)はステレオで計算上1,411.2kbpsです。当社のディスクは、音声をAC-3(ドルビーデジタル)かリニアPCMで収録します。
参考にした公式の情報
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機器やソフト、サービスの仕様は版によって変わります。この記事は、2026年9月24日時点の各社の公式ページの記載をもとにしたものです。
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