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iPhoneの互換性優先は動画の容量が2倍になる|高効率との違いと、選ぶと使えなくなる設定

2026 9/24
iPhoneの互換性優先は動画の容量が2倍になる|高効率との違いと、選ぶと使えなくなる設定

この記事の要点

  • 「互換性優先」はH.264、「高効率」はHEVC。1080p/30fpsの1分あたりは高効率+HDRで約65MB、互換性優先で約130MBと、設定画面の目安でちょうど2倍になる
  • 互換性優先にしている間は、4K/60fps以上、HDRビデオ、1080p/240fpsのスローモーション、対応機のシネマティックモードが一覧から消える。写真もHEIFからJPEGに変わる
  • 2時間の行事を1080p/30fpsで撮ると、高効率+HDRで7.8GB、互換性優先で15.6GB。空き20GBで撮れる長さは約308分から約154分に縮む
  • 切り替える理由の大半は「Windowsで開けない」。HEVCの拡張機能、転送設定の「自動」、共有の「互換性優先」で、撮る設定を変えずに済む場合が多い
  • ディスクにするなら高効率のまま送る。当社は変換を含めて作るので、H.264にしてから送る必要はなく、容量も送る時間も半分で済む

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会社のWindowsで動画が開けないと言われて、iPhoneの「設定」から「カメラ」の「フォーマット」を「互換性優先」に変えた。それからひと月ほど、空き容量の減り方が目に見えて速くなった。写真アプリで動画の情報を開くと、同じ2分ほどの動画なのに、前に撮ったものは130MB前後、最近のものは260MB前後になっている。設定を戻せばよいのか、戻すと何が起きるのか、そこで手が止まる方が多いようです。

増え方は、iPhoneの設定画面に出ている目安のとおりです。驚く数字ではありません。1080p HD/30fpsの1分あたりは、高効率でHDRビデオがオンなら約65MB、互換性優先にすると約130MB。ちょうど2倍になります。容量だけの話ではなく、互換性優先にしている間は、4K/60fps以上、HDRビデオ、スローモーションの1080p/240fps、対応機ではシネマティックモードが一覧から消えます。高効率に戻せば、容量も選択肢も元に戻ります。

目安の出どころは、「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」の一覧の下に出る「1分間のビデオのサイズは、およそ以下の通りです:」という文言です。確かめたのはiOS 18.6の画面の文言で、iOS 27の画面では未確認です。本文は2026年9月時点の情報で、機種はiPhone 18 Pro・18 Pro Max・iPhone Duo(10月23日発売予定)と、iPhone 17・Air・17e、iPhone 16の各シリーズを前提にしています。当社は大阪・梅田でDVD・ブルーレイの書き込み代行をしている店で、iPhoneの動画をそのまま受け取ってディスクにする立場から、切り替えるかどうかの判断まで書きます。

1080p/30fpsが65MBから130MBへ。設定画面の目安で確かめる

先に数字を並べます。3列です。列は、高効率でHDRビデオがオンの状態、高効率でHDRビデオがオフの状態、互換性優先の3つです。行は「ビデオ撮影」の一覧に出る解像度とフレームレートで、画面の表記をそのまま載せました。Pro系とDuoにしか出ない行には、※で機種を添えています。右の列で「—」になっている行は、互換性優先にすると一覧に出てこない行です。

画面の表記 高効率+HDR 高効率(HDRなし) 互換性優先 互換性優先の倍率(HDRなし比)
720p HD/30 fps(領域節約) 45 MB 40 MB 60 MB 1.5倍
1080p HD/30 fps(デフォルト) 65 MB 60 MB 130 MB 約2.2倍
1080p HD/60 fps(よりスムーズ) 100 MB 90 MB 175 MB 約1.9倍
1080p HD/120 fps ※Pro系・Duo 190 MB 170 MB 340 MB 2.0倍
4K/24 fps(映画のスタイル) 150 MB 135 MB 270 MB 2.0倍
4K/30 fps(高解像度) 190 MB 170 MB 350 MB 約2.1倍
4K/60 fps(高解像度、よりスムーズ) 440 MB 400 MB —(選べない) —
4K/120 fps(高解像度)※Pro系・Duo 800 MB 740 MB —(選べない) —

「2倍」という言い方は、いちばん使われる1080p HD/30fpsの行から来ています。対応機で何も触っていない状態は高効率でHDRビデオがオンなので、65MBが130MBになる。倍率の列は、HDRを含まない高効率の数字と比べたもので、互換性優先にはHDRが無い以上、こちらが同じ条件どうしの比較です。そう見ても、1080pと4Kのほぼ全部の行で2倍前後になります。

裏付けもあります。利用者が設定画面を書き写した投稿です。Appleのコミュニティに2023年、「フォーマット:高効率」で65MB、「フォーマット:互換性優先」で130MB(どちらも1080p HD/30fps)と画面の文言を写した書き込みがあり、この表と一致します。目安の数字は長く変わっていない、と見てよさそうです。表の1080p/30fpsと4K/30fpsだけを棒の長さで並べると、圧縮の形式で横に伸びる幅が、HDRのオン・オフで変わる幅よりずっと大きいことが見えます。

1080p/30fpsと4K/30fpsについて、高効率+HDR、高効率のみ、互換性優先の3つの条件で1分あたりの容量を棒の長さで並べた図。互換性優先は約2倍で、HDRの有無の差は小さい
設定画面の目安(iOS 18.6の文言)。互換性優先はHDRを含まない

行によって倍率は1.5倍から2.2倍。720pだけ伸びが小さい

表を横に見ると、倍率が行でそろっていないことに気づきます。720p HD/30fpsは40MBが60MBで1.5倍。1080p HD/30fpsは60MBが130MBで約2.2倍。1080p HD/60fpsは90MBが175MBで約1.9倍。4K/30fpsは170MBが350MBで約2.1倍です。「PALフォーマットを表示」をオンにしたときに出る4K/25fpsは170MBが270MBで約1.6倍と、ここも小さめです。

この差の理由は、Appleの資料では確かめられていません。互換性優先の側にどれだけのデータを割り当てるかは、解像度とフレームレートごとにAppleが決めた値で、圧縮方式の性能差そのものを表す数字ではない、というところまでが言えることです。実務では、720pの領域節約で撮っている人は1.5倍、それ以外の人は2倍、と覚えておけば見積もりは外れません。4K/25fpsをわざわざ選ぶ人は日本ではまず居ないので、表の中の例外として頭の隅に置く程度で足ります。

HDRビデオの分は、互換性優先には含まれません。高効率+HDRの65MBと高効率のみの60MBの差、つまり1分あたり5MBがHDRの分で、互換性優先ではHDRそのものが撮れないので、この5MBが乗ることはありません。「互換性優先にしてHDRもオンだから、さらに増える」ということは起きない、と読んでください。

自分の画面で数字が入れ替わるのを見る

手元のiPhoneで、切り替えた瞬間に数字が変わるのを見られます。iOS 27の場合、「設定」を開いて「カメラ」>「ビデオ撮影」と進むと、一覧の下に「• 65 MB(1080p HD/30 fps、デフォルト)」のような行が並びます。いったん戻って「フォーマット」を開き、「互換性優先」を選んでから「ビデオ撮影」に入り直すと、同じ行が「• 130 MB」に変わり、4K/60fpsの行が一覧から消えています。表記はiOSのバージョンで異なるので、項目名が少し違っても、一覧の下の目安を探してください。

この確かめ方には、もう一つ意味があります。目安は「今の設定」に合わせて表示が入れ替わるので、家族のiPhoneや、中古で買ったiPhoneがどちらの設定になっているかを、動画を撮らずに読めます。65MBなら高効率でHDRオン、60MBなら高効率でHDRオフ、130MBなら互換性優先。この3つの数字を見分けるだけで、あとの節の判断がその場でできます。見終えたら、フォーマットを高効率に戻すのを忘れないでください。

「高効率」と「互換性優先」という名前の中身

フォーマットの画面には、説明文が出ています。「ファイルサイズを減らすため、写真とビデオを高効率のHEIF/HEVCフォーマットで撮影/録画します。“互換性優先”は常にJPEG/H.264を使用します。4K/60 fps、1080p/240 fps、およびHDRビデオを使用するには“高効率”が必要です。」という一文で、この記事で扱うことのほとんどが、ここに書かれています。

動画を小さく記録するための圧縮の方式が、高効率ではHEVC(H.265とも呼ばれます)、互換性優先ではH.264です。H.264は2000年代から広く使われてきた方式で、古いパソコンやテレビ、編集ソフトでもたいてい開けます。HEVCはそのあとに作られた方式で、同じ見た目の映像を、より少ないデータで記録できます。「互換性」という名前は、H.264のほうが開ける機器が多い、という意味で付いています。両者の仕組みの違いはH.264とH.265の違いで扱っているので、ここでは容量と設定に絞ります。

説明文の前半にあるとおり、この設定は動画だけのものではありません。写真も、高効率ではHEIF、互換性優先ではJPEGで記録されます。動画のために互換性優先へ切り替えると、それ以降に撮る写真もJPEGになり、写真の側の容量も変わります。写真の1枚あたりの数字はAppleの画面に出ないのでここでは書きませんが、「切り替えたら写真の形式も変わる」ことは、切り替える前に知っておく話です。

もう一つ、名前から誤解しやすい点があります。互換性優先の130MBは、高効率の65MBより「画質が2倍よい」わけではありません。同じくらいの見た目を保つために、H.264のほうが2倍のデータを必要とする、という数字です。逆に高効率が「半分の画質」でもありません。データの量と見た目のきれいさは別の物差しで、この記事の中で数字を比べるときは、いつもこの前提で読んでください。

ビットレートに直すと、約8.7Mbpsが約17.3Mbpsになる

1分あたりのMBを、1秒あたりのメガビット(Mbps)に直しておくと、あとでDVDやブルーレイの規格値と並べられます。式は、1分あたりのMB×8÷60。1MBを100万バイトとして計算します。1080p/30fpsの65MBなら約8.7Mbps、130MBなら約17.3Mbps。4K/30fpsの190MBなら約25.3Mbps、350MBなら約46.7Mbpsです。すべて目安からの計算値で、Appleがビットレートを公表しているわけではありません。

計算上の数字を並べると、互換性優先の1080p/30fps(約17.3Mbps)は、高効率の1080p/60fps(約13.3Mbps)より大きく、高効率の4K/24fps(約20.0Mbps)に近づきます。データの量だけ見れば、互換性優先のフルHDは、高効率の4Kの入り口あたりまで膨らんでいる、ということです。ただし前の段落のとおり、Mbpsが大きいほうがきれいという読み方はできません。圧縮の形式をまたいで数字を比べるのは、容量の見積もりのときだけにしてください。

互換性優先にすると、一覧から消える設定

失うものは、容量の余裕だけではありません。説明文の後半にある「4K/60 fps、1080p/240 fps、およびHDRビデオを使用するには“高効率”が必要です。」が、そのまま「消える設定」の一覧です。4K/120fps対応機では「4K/60 fps以上」、シネマティックモード対応機では「シネマティックビデオ」が先頭に加わります。次の表に、設定画面のどこで何が起きるかをまとめました。

設定の場所 高効率のとき 互換性優先のとき
ビデオ撮影 > 4K/60 fps 選べる(全機種) 一覧に出ない
ビデオ撮影 > 4K/100 fps・4K/120 fps 選べる(Pro系・Duo) 一覧に出ない
ビデオ撮影 > HDRビデオ オン・オフを選べる 項目名が「HDRビデオ(高効率)」になり、撮れない
スローモーション撮影 > 1080p HD/240 fps 選べる(背面の初期設定) 一覧に出ない。1080p HD/120 fpsまで
スローモーション撮影 > 4K/100・120 fps 選べる(Pro系・Duo) 一覧に出ない
シネマティックモード 使える(対応機) 説明文に「高効率が必要」とある機種では使えない
写真の形式 HEIF JPEG

行事の記録で困るのは、たいてい上から3つ目までです。運動会で4K/60fpsを使うつもりだった人は、当日カメラを構えてから60が無いことに気づきます。HDRビデオは対応機の初期設定がオンなので、切り替えたあと、いつの間にかSDRで撮っていたことになります。色の見え方が少し平たく感じられる、という声の原因が、実はフォーマットの切り替えだった、ということがあります。

スローモーションは、背面の初期設定が1080p HD/240fpsです。切り替えるとこの行が消え、1080p HD/120fpsまでになります。240fpsは撮った1秒を8秒に伸ばせる速さで、120fpsは4秒。かけっこや鉄棒の一瞬を伸ばしたい人には、ここが半分になるのは小さくない差です。240fpsの容量と設定の選び方はスローモーション240fpsの容量にまとめています。

4K/60fps、4K/120fps、HDRビデオ、スローモーション240fps、シネマティック、写真の形式、1080p/30fpsの1分あたり容量の7項目を、高効率と互換性優先の2列で比べた表
フォーマットの説明文にある「高効率が必要」な項目が右の列で消える

説明文は機種で3通りある

フォーマットの説明文は、機種によって少し違います。基本の文は「4K/60 fps、1080p/240 fps、およびHDRビデオを使用するには“高効率”が必要です。」。シネマティックモードに対応した機種では、先頭に「シネマティックビデオ、」が付きます。4K/120fpsまで撮れるPro系とiPhone Duoでは「シネマティックビデオ、4K/60 fps以上、およびHDRビデオを使用するには“高効率”が必要です。」となり、「以上」の2文字で4K/100fpsと4K/120fpsもまとめて示されます。

この3通りは、自分の機種で何が消えるかをその場で知る手がかりです。説明文に「シネマティックビデオ」が無い機種、たとえばiPhone Airや17e、16eでは、そもそもシネマティックモードが仕様に無いので、互換性優先で失うものは4K/60fps・240fps・HDRの3つです。iPhone 17や16では、そこにシネマティックが加わります。Pro系とDuoでは4Kの100fps・120fpsも加わります。機種ごとの一覧は、あとの節で表にします。

「HDRビデオ(高効率)」という表示の意味

互換性優先にすると、「ビデオ撮影」の中の「HDRビデオ」という項目が「HDRビデオ(高効率)」という名前に変わります。カッコの中は「この項目は高効率のときのもの」という注記で、互換性優先のままではオンにしても効きません。項目が残っているので「HDRで撮れている」と思い込みやすい場所です。HDRビデオの説明文は「ドルビービジョンを含む、10ビットのハイダイナミックレンジで最高60 fpsのビデオを撮影します。」で、この10ビットの情報はH.264の側には乗りません。

HDRをオフにしたいだけなら、互換性優先に切り替える必要はありません。高効率のまま「HDRビデオ」をオフにすれば、容量は1080p/30fpsで65MBから60MBに少し減り、4K/60fpsやスローモーションはそのまま使えます。ディスクにする前提でHDRを切るかどうかは、色の話としてHDRビデオをオフにすべきかの判断で扱っています。互換性優先とHDRオフは、結果が似ていても、失うものの範囲がまるで違います。

残る行。720pから4K/30fpsまでは互換性優先でも撮れる

消えるものばかり書きましたが、残る行も確かめておきます。切り替えたあとも、720p HD/30fps、1080p HD/25・30・60fps、4K/24・25・30fpsは撮れます。Pro系とDuoでは1080p HD/120fps(通常のビデオ)も残ります。スローモーションは1080p HD/120fpsまで。つまり、4Kは30fpsまで、フルHDは60fps(Pro系とDuoの通常のビデオは120fps)まで、というのが互換性優先の上限です。

Appleの資料には「解像度が1080p以下で、フレームレートが60 fps以下の場合は、古いデバイスにも幅広く対応できます」という一文があります。残る範囲は、この「幅広く対応できる」範囲とほぼ重なっています。ディスクにする素材として見ると、DVDは720×480・29.97fps、ブルーレイは1920×1080で作るので、互換性優先の上限である4K/30fps・1080p/60fpsで足りなくなることはありません。失うものが行事の記録に効くかどうかは、4K/60fps・HDR・240fpsのどれかを使う予定があるか、で決まります。

スローモーション・シネマティック・QuickTake。モードごとに起きること

「ビデオ」モード以外にも、フォーマットの切り替えが効くモードがあります。設定画面に1分あたりの目安が別に出るスローモーションと、説明文に名前が出るシネマティック、それに写真モードから長押しで撮るQuickTakeです。行事の日に「いつもと違う」と感じるのは、たいていこの3つのどれかです。

スローモーションは、「スローモーション撮影」の下に「1分間のスローモーションは、およそ以下の通りです:」として目安が出ます。1080p HD/120fpsは高効率で約170MB、互換性優先で約350MBと、ここも2倍です。背面の初期設定である1080p HD/240fps(高効率で約480MB)は、互換性優先では一覧に出ません。Pro系とDuoで選べる4K/120fpsのスローモーション(高効率+HDRで約800MB)も同じく消えます。切り替えたまま運動会に行くと、スローの設定が知らないうちに120fpsに落ちている、という順番で気づくことになります。

シネマティックモードは、説明文に「シネマティックビデオ」と書かれている機種では高効率が必要です。iPhone 17・16は最大4K・30fps、18 ProとDuoは最大4K・60fpsまで撮れるモードですが、互換性優先の間は使えません。機種ごとの上限と、互換性優先で消える理由はシネマティック4K60fpsの対応機種に分けて書きました。撮影後に写真アプリで背景のぼかしを変えられる便利なモードなので、子どもの発表会でこれを使う予定の人は、切り替える前にここを思い出してください。

QuickTakeは、写真モードでシャッターを長押ししたときに撮れる短い動画です。説明文は「QuickTakeビデオでは、HDRで最大4K 60 fpsまで現在のビデオ設定で撮影します。」で、「現在のビデオ設定」に従います。フォーマットを切り替えていれば、QuickTakeもH.264で、HDRなしで撮られます。古い機種では「QuickTakeビデオは常に1080p HD/30 fpsで撮影します。」という文言なので、設定にかかわらず1080p/30fpsの行の容量です。

空間ビデオ、タイムラプス、Pro系のProResについては、互換性優先にしたときの挙動を示す文言を確かめられていません。ここでは書きません。ProResはフォーマットの中の別のスイッチで、使うのは編集の仕事をする人に限られるので、行事の記録で気にする必要はまずありません。

「PALフォーマットを表示」をオンにしている人の場合

「ビデオ撮影」の中の「PALフォーマットを表示」をオンにすると、25fpsと100fpsの行が一覧に加わります。説明文は「PALは、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、南米の多くの国で使用されているテレビのビデオフォーマットです。」で、日本のテレビやDVDは29.97fpsが基準なので、ふだんは要りません。互換性優先との組み合わせでは、1080p HD/25fpsが約130MB、4K/25fpsが約270MBで、4K/100fpsは「4K/60fps以上」に含まれて一覧から消えます。25fpsのままディスクにすると29.97fpsへの変換が一段増えるので、フォーマットを見直すついでに、この項目もオフに戻しておくと、あとが楽です。

写真の側で起きること

短い節ですが、切り替えた人が忘れがちな点なので分けて書きます。フォーマットの設定は、「カメラ撮影」という見出しの下にあるとおり、写真と動画の両方に効きます。高効率では写真がHEIF、互換性優先ではJPEGです。動画のために互換性優先にした日から、写真もJPEGで記録され、戻した日からHEIFに戻ります。写真アプリの中では見分けが付かないので、パソコンに取り込んだときに拡張子が混ざっていて気づく、という順になります。

4Kのビデオを撮っている最中に、シャッターのボタンで8MPの静止画を撮れる機能は、現行の全機種の仕様に載っています。この静止画の形式についてはAppleの資料で確かめられていないので、ここでは触れません。写真の1枚あたりの容量も、動画の目安のようには設定画面に出ないため、数字は書きません。

写真にも、動画と同じ「相手に合わせて変換する」仕組みがあります。AirDropやケーブルでの取り込みで、受け手がHEIFを開けなければJPEGに変換されて渡る場合がある、というのがAppleの案内です。写真をWindowsで開くために互換性優先にする、という判断も、動画と同じ理由で急ぐ必要はありません。

切り替えた覚えがないのに、4K/60fpsが消えた・容量が増えた

「互換性優先にした覚えはないのに」という相談は、切り替えたことを忘れているか、別の人が切り替えたか、あるいは容量が増えた原因が別にあるか、の3つに分かれます。症状から順に切り分けます。順番が大事です。

症状の1つ目は、ビデオモードの画面上の表示をタップしても4Kの60が出てこない、または「ビデオ撮影」の一覧に4K/60fpsが無い、というものです。原因は9割方、フォーマットが互換性優先になっていることです。確かめ方は「設定」>「カメラ」>「フォーマット」を開くだけ。「互換性優先」に印が付いていたら、「高効率」に戻します。戻した直後に「ビデオ撮影」を開き直すと、4K/60fpsの行が戻り、目安の数字も65MBに戻っています。

2つ目は、「ビデオ撮影」の中の項目名が「HDRビデオ(高効率)」になっている、というものです。これも原因は同じで、直し方も同じです。項目名にカッコが付いたら互換性優先、と覚えておくと、一覧をスクロールしなくても分かります。

3つ目は、切り替えた覚えが本当に無い場合です。よくあるのが、Windowsのパソコンに取り込むときにAppleの案内に従って切り替えたのを忘れているケースです。AppleのWindows向けの案内には、Windowsと互換性のある形式で読み込むには「カメラ」>「フォーマット」>「互換性優先」にする、という手順があり、一度そのとおりにすると、以後の撮影が全部H.264になります。家族が同じ案内を見て設定を触った、修理や機種の入れ替えのときに設定を確かめなかった、という場合もここに入ります。

4つ目は、フォーマットは高効率のままなのに容量が増えた、というものです。この場合は原因が別にあります。ビデオモードの画面上の表示が「4K・60」に変わっていた、スローモーションのモードで撮っていた、Pro系でProResがオンのままだった、のどれかが多く、それぞれ1分あたり440MB、480MB、1.7GB以上と、互換性優先の130MBより大きくなります。フォーマットを見て高効率なら、次は画面上の解像度とfpsの表示、その次にモードの選択を疑ってください。

機種変更・修理・初期化のあとに、最初に見る場所

新しいiPhoneに乗り換えた日、修理から戻った日、初期化してやり直した日は、設定がどの状態で始まっているかを確かめる日でもあります。前の設定が引き継がれているかどうかを考えるより、「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」を開いて目安を読むほうが早い。65MBなら高効率でHDRオン、130MBなら互換性優先。ついでに「PALフォーマットを表示」がオフか、「HDRビデオ」の項目名にカッコが付いていないかも見ておきます。この3か所で1分もかかりません。行事の直前に気づくより、乗り換えた日に見ておくほうが、ずっと楽です。

写真アプリの「情報」から、どちらで撮ったかを割り出す

過去に撮った動画が高効率か互換性優先か、設定画面からは分かりません。撮った時点の設定が反映されているからです。代わりに、写真アプリで動画を開いて上にスワイプすると「情報」が出て、ファイルサイズと長さが読めます。ファイルサイズを長さの分数で割ると、1分あたりの数字が出ます。1080p/30fpsで撮った動画なら、60MBから70MBあたりなら高効率、120MBから140MBあたりなら互換性優先です。4K/30fpsなら、170MBから190MBが高効率、350MB前後が互換性優先。

実際のファイルは場面の動きや明るさで目安から上下するので、境目に近い数字が出たら、同じ日に撮った別の動画も数本見て、傾向で判断してください。本数が多いときは、パソコンに移してフォルダの合計を見るほうが速く、その調べ方は素材の合計容量の調べ方に書いています。この割り算は、行事のあとに「思ったより大きい」と感じたときに、原因が設定なのか場面なのかを切り分ける道具にもなります。

もう一つ、混同しやすいものがあります。写真アプリの共有ボタンから「オプション」を開くと、そこにも「互換性優先」という選択肢があります。これはカメラのフォーマットとは別物で、送るときにだけ、その相手向けに変換される可能性がある設定です。iPhoneの中の元の動画は変わらず、容量も減りません。「共有で互換性優先を選んだから本体の動画も小さくなったはず」という思い違いと、「カメラの設定は高効率なのに相手に届いたのはH.264だった」という戸惑いは、同じ言葉が2か所にあることから起きています。使い分けは共有オプションの違いにまとめました。

切り替えてよい場面と、切り替えないほうがよい場面

互換性優先にする理由は、突き詰めると一つです。撮った動画を、HEVCを開けない機器やソフトで、そのまま使う必要がある。それだけです。この条件に当てはまらないなら、切り替える理由はありません。当てはまるかどうかを、場面で見ていきます。

切り替えてよいのは、次のような場面です。会社や学校のWindowsで動画を開く必要があり、そのパソコンにHEVCの拡張機能を入れられない(管理者の許可が要る、ネットにつながっていない、など)。古い編集ソフトや、H.264しか読まない機器(テレビのUSB再生、古いレコーダー、社内の動画システムなど)に、撮ったその日に入れる。提出先から「H.264で」と形式を指定されていて、変換の手間を挟む余裕が無い。試合の直後にコーチのWindowsで見返す、といった、撮ってすぐ渡す用途もここに入ります。

切り替えないほうがよいのは、次の場面です。撮った動画をDVDやブルーレイにして配る(当社に頼む場合も、自分で焼く場合も、変換の工程で形式は組み直されるので、撮る時点でH.264にする意味がありません)。4K/60fps、HDR、240fpsのスローモーション、シネマティックのどれかを使う。空き容量に余裕が無い。見るのがiPhone・iPad・Mac・最近のWindows・テレビのアプリで、HEVCがそのまま開ける。こうした人が互換性優先にすると、容量が2倍になり、選択肢が減るだけで、得るものがありません。

ディスクにするか、4K60・HDR・240fpsを使うか、Appleの共有で渡すか、拡張機能や転送の自動で済むか、H.264で渡す用事が毎回あるか、の5つの問いに、はい・いいえで答えて設定を決める道すじの図
上の問いで「はい」が出たところで決まる。最後まで進む人だけが切り替える

図の道すじは、上から順に「はい」が出たところで決まるように組んであります。最初の問いでディスクにすると答えた人は、そこで高効率のままと決まり、下の問いを見る必要がありません。Windowsで開く必要がある人だけが最後の問いまで進み、そこでも「拡張機能や転送設定で済むか」を先に確かめてから、互換性優先を選ぶ順番です。

切り替えるとしても、その撮影の間だけにするのが基本です。提出用の1本を撮り終えたら高効率に戻す。切り替えたままにしておく理由は、常にWindowsに直接渡している人以外にはありません。戻し忘れを防ぐ手順は、あとの節で確認表にしました。

場面ごとに、切り替える前に確かめること

学校や園のパソコンに提出する場面。先生のパソコンがHEVCを開けるかは、先生も知らないことが多いので、10秒の動画を先に送って「開けますか」と聞くのが早道です。開けなければ、提出する1本だけ変換するか、次の撮影を互換性優先にします。開けたなら何もしなくてよい。この確認に要るのは、送る側の1分と、受け取る側の1分です。

会社の共有サーバーや動画システムに上げる場面。システムが受け付ける形式が決まっていることが多く、H.264と書かれていれば互換性優先が素直です。ただ、上げる動画が月に数本なら、Macや共有の「互換性優先」で変換するほうが、ふだんの動画の容量を守れます。毎日上げる人だけが、切り替えたままにする候補です。

コーチや指導者に試合の動画を渡す場面。相手のパソコンが古く、その場でUSBメモリから見る、という条件がそろって初めて、撮る前の切り替えが要ります。あとの節で、この日の段取りを前日から順に書きます。相手がスマホやタブレットで見るなら、AirDropや共有URLで足り、切り替えは要りません。

結婚式や発表会の映像を式場や業者に渡す場面。式場やムービー業者は、たいてい受け取れる形式を案内しています。案内にHEVCが無ければ、変換して渡すか、案内の形式で撮ります。当社に頼む場合は何もしなくてよい。渡す先が決まっているなら、撮る前にその先の案内を読むのが、結局いちばん手戻りの少ない順番です。

撮る前に決めるか、撮ったあとに変換するか

H.264が要る場面でも、撮る前に切り替える方法と、高効率で撮ってからH.264に変換する方法があります。前者は手間が無い代わりに、その間の動画がすべて2倍の容量になり、4K/60fpsなどが使えません。後者は変換の手間がかかる代わりに、元の動画は高効率のまま残り、必要な1本だけをH.264にできます。

変換の道具は、Macなら標準で足ります。QuickTime Playerで動画を開き、「ファイル」>「書き出す」で、形式のポップアップを「ファイルサイズ重視(HEVC)」から「互換性重視(H.264)」に変えて保存します。HEVCのチェックボックスが出る場合は外します。Finderで動画を選び、controlキーを押しながらクリックして「サービス」>「選択したビデオファイルをエンコード」で「H.264」を選ぶ方法もあり、複数のファイルをまとめて変換するときはこちらが楽です。どちらもAppleの案内にある手順です。

Windowsだけの環境では、標準の道具で変換する手順をAppleは案内していません。無料の変換ソフトを使うことになり、ソフトの選び方と設定はMOVがWindowsで開けない・入稿できないときの判断に書いています。もう一つ、iPhoneの中だけで済ませる道として、共有の「オプション」で「互換性優先」を選んで送る方法があります。ユーザガイドには「互換性優先」をタップするとJPEGまたはMOVに変換される可能性がある、と書かれていて、相手の環境に合わせて送り分けたいときはこれで足りることがあります。

変換には一つだけ注意があります。高効率で撮ったものをH.264に変換すると、圧縮を一度ほどいて組み直すので、一般には元の動画より情報が少し減ります。互換性優先で最初から撮ったものと、高効率から変換したものは、同じ「H.264の動画」でも成り立ちが違います。提出先が画質の細部まで見る用途(映像の仕事の納品など)なら撮る前に決め、社内で内容を確かめる程度の用途なら撮ったあとの変換で足りる、という分け方が実務では落ち着きます。

2倍の差が効いてくる場面。空き容量・送る時間・5GBの境目

1分あたり65MBと130MBの差は、2分の動画では気になりません。効いてくるのは、行事を通しで撮ったとき、集めた動画を送るとき、当社のような業者に入稿するときです。長さごとに数字を並べます。1GB=1,000MBで計算した目安からの値で、実際のファイルは場面で上下します。

設定(1分あたり) 30分 60分 120分 空き20GBで撮れる長さ
1080p/30fps 高効率+HDR(65MB) 1.95GB 3.9GB 7.8GB 約308分
1080p/30fps 高効率・HDRなし(60MB) 1.8GB 3.6GB 7.2GB 約333分
1080p/30fps 互換性優先(130MB) 3.9GB 7.8GB 15.6GB 約154分
1080p/60fps 高効率+HDR(100MB) 3.0GB 6.0GB 12.0GB 200分
1080p/60fps 互換性優先(175MB) 5.25GB 10.5GB 21.0GB 約114分
4K/30fps 高効率+HDR(190MB) 5.7GB 11.4GB 22.8GB 約105分
4K/30fps 互換性優先(350MB) 10.5GB 21.0GB 42.0GB 約57分

発表会を2時間通しで撮ると、1080p/30fpsの高効率+HDRで7.8GB、互換性優先で15.6GBです。空き20GBのiPhoneなら、高効率では5時間あまり撮れるので2時間の演目に余裕がありますが、互換性優先では2時間半ほどで止まります。演目が押して3時間になった日に、後半の途中で「ストレージがいっぱいです」が出るのは、この数字の差です。4K/30fpsを互換性優先で撮っている人は、20GBでは1時間もちません。

送るときの時間も、容量に比例します。ギガファイル便やGoogle ドライブに上げる時間は、回線の速さで決まり、同じ回線なら2倍の容量は2倍の時間です。夜のうちに上げ終わるつもりが朝までかかった、という差になって表れます。回線速度と容量からの計算は動画のアップロードにかかる時間の目安にまとめています。

空き容量から逆算すると、撮れる長さが半分になる

空き容量のGBに1,000を掛けて、1分あたりのMBで割ると、撮れる分数です。1080p/30fpsで空き10GBなら、高効率+HDRで約154分、互換性優先で約77分。空き50GBなら約769分と約385分。同じ端末、同じ空きで、撮れる長さがきれいに半分になります。

いま販売されているiPhone 16は128GBだけです。標準構成では約12GBから24GBがすでに使われていると仕様ページの注記にあり、仮に100GBを動画に回せるとすると、1080p/30fpsの高効率+HDRで約1,538分、25時間を超えます。同じ100GBを互換性優先で使うと約769分、12時間台です。1年分の行事を撮りためて年末にディスクにする使い方なら、どちらでも足りる数字ですが、旅行の動画や子どもの日常が混じると、互換性優先の側は年の途中で空きを気にし始めることになります。

逆算の細かい表と、行事ごとの数え方はiPhone動画の1分あたり容量に譲ります。この記事で押さえるのは、互換性優先にした人は、あちらの表の互換性優先の列を見る、という一点です。列を間違えると見積もりが2倍ずれます。

iCloud写真を使っていれば、iCloudの容量にも2倍で効く

iCloud写真をオンにしている人は、撮った動画がオリジナルの形式のまま、フル解像度でiCloudにも保存されます。iPhoneの中で2倍になった容量は、そのままiCloudの使用量にも2倍で乗ります。1080p/30fpsで月に2時間撮る家なら、高効率+HDRで月7.8GB、互換性優先で月15.6GB。契約している容量に届く時期が、切り替えた月から半分に縮む計算です。「ストレージを最適化」で本体の空きを作っていても、iCloud側の使用量は減りません。

5GB・25GBの境目に届く長さ

当社では、1つの内容のデータがDVDで5GB以上、ブルーレイで25GB以上のときに、エンコード手数料が内容1種類につき3,000円(税抜)かかります。同じ内容の焼き増し分にはかかりません。この境目に届くまでの長さが、フォーマットで変わります。1080p/30fpsなら、高効率+HDRで約77分、HDRなしで約83分、互換性優先で約38分です。

1080p/30fps、1080p/60fps、4K/30fpsのそれぞれについて、高効率と互換性優先で5GBに達するまでの分数を棒の長さで並べた図。互換性優先はどれも半分前後の長さで届く
設定画面の目安からの計算値。1GB=1,000MBで数えた

図の6本を見ると、互換性優先の1080p/30fps(約38分)は、高効率の4K/30fps(約26分)と高効率の1080p/60fps(約50分)の間に来ます。フルHDの30fpsで撮っているつもりでも、データの量では4Kの手前まで来ている、ということです。25GBの側は、1080p/30fpsの高効率+HDRで約6.4時間、互換性優先で約3.2時間。1080p/60fpsの互換性優先なら約2.4時間、4K/30fpsの互換性優先なら約71分で届きます。

境目の手前に収めたいなら、撮る前に高効率にしておくのがいちばん簡単です。撮ったあとなら、撮り始めの手ぶれや幕間の待ち時間を切って短くする手があります。互換性優先で撮った2時間の発表会(15.6GB)は、DVDにするなら5GBを超えていますが、実際に残す演目が60分なら7.8GBまで減り、それでも5GBは超えます。高効率で撮っていれば60分で3.9GBで、境目の下です。同じ内容でも、フォーマット一つで手数料の有無が変わる場面です。

互換性優先で撮ると、画質は落ちるのか

容量が2倍で、画質は同じなのか、それとも。答えは2つあります。圧縮の方式による見た目の差は、目安の数字が示すとおり、同じくらいの見た目にそろえるために互換性優先の側に2倍のデータが割り当てられている、ということで、Appleの設計としては「見た目をそろえた」設定です。iPhoneの画面やテレビで見比べて、H.264だから粗い、と分かる場面はまず無いはずです。

差がはっきり出るのは、HDRの有無です。高効率でHDRビデオがオンなら、ドルビービジョンを含む10ビットの映像で記録され、対応するiPhoneやテレビで見ると、明るい空や照明の階調が残ります。H.264の側にはこの情報が記録されず、SDRの映像になります。対応する画面で見比べたときに「色が平たい」「明るい部分が飛んでいる」と感じるなら、それは圧縮方式の差ではなく、HDRが無い差です。

ディスクにする場面では、事情が逆になります。DVDの規格にも通常のブルーレイの規格にもHDRの取り決めが無く、当社でディスクにするときはSDRの映像に直します。互換性優先で撮った動画は最初からSDRなので、直す工程で色が変わる心配がありません。ただ、この利点は高効率のままHDRビデオをオフにしても同じように得られるので、互換性優先を選ぶ理由にはなりません。

DVDは720×480・29.97fpsのMPEG-2で、映像のデータ量は規格上、最大9.8Mbpsまでとされています。高効率の約8.7Mbpsも、互換性優先の約17.3Mbpsも、この枠に収め直します。ブルーレイは1920×1080で作り、iPhoneの動画はどちらの形式でもディスクの規格に合わせて変換する工程を通ります。撮ったときの圧縮方式の違いは、この工程でほどかれて、仕上がりにはほとんど出ません。工程の中身はエンコードとは何かで説明しています。

画質の面で覚えておくのは、次の1行で足ります。互換性優先にして得られるのは「開ける機器が多い」ことだけで、画質は上がらず、HDRの分は下がる。互換性優先にして失うのは、容量の余裕と、4K/60fps以上・HDR・240fps・シネマティックの選択肢。ここまでで判断が付かない人は、次の節のWindowsの話を読んでから決めてください。

Windowsで開けないときの、切り替え以外の直し方

切り替える理由の大半は「Windowsで開けない」です。ところが、その多くはWindows側かiPhone側の別の設定で解決し、撮る設定を変えずに済みます。順番に試すと手戻りが少ないので、効く順に並べます。

1つ目は、WindowsにHEVCの再生機能を足す方法です。Microsoft Storeに「HEVC ビデオ拡張機能」があり、Microsoftの説明文には「Windows 10 デバイスでは、どのようなビデオ アプリでも高効率ビデオ コーディング (HEVC) ビデオを再生できます」とあります。HEVC用のハードウェアが無い機種には、ソフトウェアでの再生が提供される、とも書かれています。ストアには、Microsoft自身が出している有料のものと、「デバイス製造元からの」と付いた無料表示のものが並んでいます(ストアの表示や価格は変わることがあります)。Microsoftの案内は、Storeのコーデック拡張機能でMPEG-2やHEVCなどの対応を足せる、無料をうたうコーデックパックには注意、という内容です。

2つ目は、iPhoneからWindowsに取り込むときの設定です。「設定」>「アプリ」>「写真」に「MacまたはPCに転送」という項目があり、「自動」と「元のフォーマットのまま」を選べます。説明文は「自動的に写真とビデオを互換性のあるフォーマットで転送するか、または常に元のファイルを互換性をチェックせずに転送します。」で、「自動」にしてUSBケーブルで取り込むと、動画がH.264など互換性のある形式に変換されて渡る場合があります。Windows側にはMicrosoft Storeの「Appleデバイス」アプリを入れて接続し、「このコンピュータを信頼しますか?」で「信頼」を選びます。iCloud写真を使っている人は、取り込む前にオリジナルをiPhoneにダウンロードしておく必要がある、というのがAppleの案内です。

3つ目は、前の節で書いたMacでの書き出しと、共有の「オプション」の「互換性優先」です。相手が1人で、渡すのが数本なら、この2つのどちらかで足ります。4つ目に、変換そのものを業者に任せる道があります。ディスクにするなら当社が受け取ってから変換するので、送る側はHEVCのまま何もしなくてよい。この順に試して、それでも駄目なときに初めて、次の撮影だけ互換性優先にする、という順路です。

拡張機能を入れる、転送設定を自動にする、Macで書き出す、共有のオプションで互換性優先を選ぶ、業者に任せる、次の撮影だけ切り替える、の6つを効く順に矢印でつないだ図
上から順に試す。撮る設定を変えるのは最後

「元のフォーマットのまま」にしている人が、HEVCの壁に当たる

取り込みの設定を「元のフォーマットのまま」にしていると、HEVCの動画はHEVCのままWindowsに入ります。画質を落としたくない人がこの設定を選ぶのは正しい判断ですが、そのWindowsにHEVCの拡張機能が無いと、開けない。「iPhone側の設定を変えたら開けなくなった」という相談の中身は、たいていこれです。直し方は、拡張機能を入れるか、取り込みだけ「自動」に戻すか、の2択で、カメラのフォーマットを触る必要はありません。「元のフォーマットのまま」の意味と使いどころは「元のフォーマットのまま」とは何かで扱っています。

「自動」で変換されて渡ったとしても、iPhoneの中の動画は元のHEVCのまま変わりません。Windowsに入ったコピーがH.264になるだけです。iPhoneの容量が減ることもなく、あとでディスクにするときは、iPhone側の元の動画を送れば高効率の容量で済みます。取り込み時の変換でHDRの情報がどう扱われるかは、Appleの資料で確かめられていないので、HDRで撮った動画の色をWindowsで厳密に見たい人は、拡張機能を入れて元のまま取り込むほうが確かです。

会社のパソコンで拡張機能を入れられないとき

職場のパソコンは、Microsoft Storeが使えない、管理者の許可が要る、という環境が珍しくありません。この場合、Windows側での解決は難しく、iPhone側で手を打つことになります。取り込みの「自動」は、ケーブルでつなぐ取り込み方をしている人にだけ効きます。クラウド経由やメールで渡している人は、共有の「互換性優先」か、Macでの書き出しか、撮る前の切り替えのどれかです。

渡す本数が多く、毎回のことなら、その用途に使うiPhoneだけ互換性優先にしておく、という割り切りも成り立ちます。仕事用と私用でiPhoneを分けている人なら、仕事用を互換性優先、私用を高効率にしておけば、行事の動画で失うものはありません。1台で兼ねている人は、次の節の機種別の表と、そのあとの戻し忘れの確認表を見てから決めてください。

提出先に「MP4で」「H.264で」と言われたとき、何を確かめるか

学校や団体、取引先から「動画はMP4でお願いします」と言われて、互換性優先にすべきか迷う人がいます。先に切り分けておきたいのは、拡張子(MP4かMOVか)と、中の圧縮方式(H.264かHEVCか)は別の話だ、ということです。提出先が本当に困っているのは、たいてい後者です。拡張子がMP4でも中身がHEVCなら古いWindowsでは開けませんし、MOVでも中身がH.264なら開けることが多い。「MP4で」という指定の裏には「うちのパソコンで開ける形で」という意味が隠れています。

確かめる順番は3つです。1つ目、何が起きているかを聞く。「開けない」のか、「アップロードの画面で拡張子を弾かれる」のか、「編集ソフトに読み込めない」のか。原因が違えば直し方も違います。2つ目、本番の前に1本だけ試しに送る。10秒の動画で足りますし、これで開けば設定を触る必要が無いと分かります。3つ目、開かなかったときに初めて、撮る前に互換性優先にするか、撮ったあとにH.264へ変換するかを決めます。

提出先がWindowsで、HEVCの拡張機能を入れられる相手なら、そのことを伝えるだけで済むこともあります。相手が学校や自治体のパソコンで、ソフトを入れられない環境なら、こちらで合わせるしかありません。その場合も、撮る動画のすべてを互換性優先にする必要はなく、提出する1本だけをMacや共有の「互換性優先」で変換する道があるのは、前の節のとおりです。

「iPhoneの動画が開けない」と言われたときの切り分け

提出先から返ってくる言葉は「開けない」の一言でも、中身は何通りかあります。切り替えれば直るものと、切り替えても直らないものが混ざっているので、先に分けておきます。

相手の言葉 考えられる原因 直し方
再生できない、真っ黒、音だけ出る HEVCを開けない機器やソフト 拡張機能を入れる、H.264に変換する、次の撮影だけ互換性優先にする
再生できるが色が薄い、白っぽい HDRの動画をSDRの画面で見ている フォーマットの問題ではない。「HDRビデオ」をオフにして撮り直すか、そのまま渡す
アップロードの画面で弾かれる 拡張子や1ファイルの容量の上限 圧縮の方式は無関係。提出先の上限を聞き、容量なら短く切る
再生がカクつく、止まる 4K/60fpsなど重い設定と古いパソコンの組み合わせ 1080p/30fpsで撮る。互換性優先にしても軽くはならない

4つのうち、互換性優先への切り替えで直るのは1行目だけです。2行目はHDRの話で、高効率のまま「HDRビデオ」をオフにすれば足ります。3行目は形式ではなく大きさの話で、切り替えるとむしろ容量が2倍になって遠ざかります。4行目も同じで、H.264にしたところで4K/60fpsのデータが軽くなるわけではありません。「開けない」の一言で設定を変える前に、この表のどの行かを聞いてください。それだけで、切り替えなくてよい人が半分以上に減ります。

係として保護者から動画を集めるとき、設定を1行で指定する

逆の立場、つまり自分が係で、保護者や部員から動画を集める場合は、集める前に設定を指定しておくと、あとの手間が減ります。集めた動画を自分のWindowsで確かめるなら、自分のパソコンにHEVCの拡張機能を先に入れておくのが、いちばん確実で、撮る側に負担をかけません。それが無理なら、「フォーマットは互換性優先、ビデオ撮影は1080p HD/30fps」と1行で伝えます。H.264の側は容量が2倍になるので、集める合計も2倍で見積もっておきます。

集めた動画をそのまま当社に送ってディスクにするなら、指定は「高効率のまま、1080p HD/30fps」で足ります。当社は形式を問わず受け取り、変換して作るので、係が中身を開いて確かめる必要が無いなら、HEVCのままのほうが集める側も送る側も軽く済みます。10人が各10分を1080p/30fpsで撮ると、高効率+HDRで6.5GB、互換性優先で13GB。ギガファイル便に上げる時間も、当社に届いてからの5GBの境目も、この差で変わります。

集める段取りは、締切から逆に数えると組みやすくなります。提出先の環境を確かめるのが3週間前、設定を伝えるのが2週間前、1本試しに送ってもらうのが1週間前、その1本が開くかを確かめるのが3日前。ここまで済んでいれば、締切の日に届いた動画が開かない、という事故はほぼ起きません。締切・形式・容量をそろえる進め方の全体は複数人から動画を集める方法にまとめています。

3週間前の提出先の確認から、2週間前の設定の指定、1週間前の試し送り、3日前の再生確認、締切の集約、翌日の入稿までを、締切から逆に数えて並べた図
締切の日に「開かない」を起こさないよう、確認を前へ寄せる

切り替えなくても変換される場面。共有・転送で形式が変わる条件

互換性優先に切り替える前に知っておくとよいのは、iPhoneには「相手に合わせて変換して渡す」仕組みがいくつも用意されている、ということです。撮る設定を高効率のままにしていても、渡す場面ではすでに形式が変わっていることがあり、それを知らずに「念のため互換性優先に」としている人が少なくありません。

HDRビデオは、共有先の機器が対応していないと、SDR版で届きます。ユーザガイドには「HDRビデオは、iOS 13.4以降、iPadOS 13.4以降、またはmacOS 10.15.4以降を搭載したデバイスで共有され、それ以外のデバイスは同じビデオのSDRバージョンを受け取ります。」とあります。古いiPadを使う祖父母に送るとき、色がおとなしく見えるのはこの仕組みです。送る側は何もしなくて済み、撮る設定を変える必要もありません。

AirDropでHEVCの動画を送るときも、受け手が対応していなければ、JPEGやH.264など互換性の高い形式で送られる可能性がある、というのがAppleの案内です。元のまま送りたいときは、共有の「オプション」で「すべての写真データ」をオンにします。この項目はAirDropでだけ使えます。逆に言えば、AirDropで渡す相手が古い機器でも、送る側が互換性優先に切り替える理由はありません。

共有の「オプション」には「自動」「現在」「互換性優先」の3つの選び方もあります。「互換性優先」を選ぶと、その1回だけ、JPEGまたはMOVに変換される可能性があります。カメラの設定を変えずに、渡す相手ごとに形式を変えられる場所がここです。パソコンにケーブルで取り込むときの「MacまたはPCに転送」の「自動」も同じ考え方で、iPhoneの中の元の動画は高効率のまま、渡す先だけが互換性のある形式になります。

iCloudの共有アルバムは、少し事情が違います。iOS 26以前で作ったアルバムは、ビデオが最長15分・最大720pで配信されます。iOS 27以降で作ったアルバムはオリジナルの形式・フル解像度で、持ち主のiCloudストレージを消費します。どちらも、フォーマットが高効率か互換性優先かとは関係が無く、アルバムを作ったときのiOSで決まります。「共有アルバムに入れたら画質が落ちた」という話は、フォーマットの問題ではありません。

ここまでを踏まえると、互換性優先が本当に必要なのは、「iPhoneやAppleの仕組みを通さずに、HEVCを開けない機器へ、元のファイルをそのまま渡す」ときだけ、と絞られます。USBメモリに書き出して古いWindowsに差す、社内の動画システムに直接上げる、といった場面です。AppleのデバイスやAppleの共有機能を通す限り、変換は向こうがやってくれます。

高効率のまま渡せる相手と、渡せない相手の見分け方

切り替えるかどうかは、結局、動画を受け取る側が何で見るかで決まります。渡す相手ごとに、高効率(HEVC)のままで通るか、手を打つ必要があるかを表にしました。Appleの資料で確かめられる範囲と、一般的な傾向として書ける範囲を分けています。機器やソフトの対応はバージョンで変わるので、迷ったら10秒の動画を先に送って確かめるのがいちばん確かです。

渡す相手 高効率のままで通るか 手を打つなら
iPhone・iPad・Mac(iOS 13.4以降、macOS 10.15.4以降) 通る。HDRもそのまま届く 何もしない
それより古いiPhone・iPad・Mac 通る。HDRはSDR版で届く 何もしない
拡張機能を入れられるWindows 拡張機能を入れれば通る Microsoft Storeの「HEVC ビデオ拡張機能」
拡張機能を入れられないWindows 通らない 転送の「自動」、Macの書き出し、共有の「互換性優先」。毎回なら撮る前に切り替え
テレビのUSB端子・レコーダー・古い機器 機器による 取扱説明書の対応形式を見る。無ければH.264かディスクで
当社(ディスク化) 通る。HEVCでもH.264でも受け取る 何もしない

表の上2行は、Appleのユーザガイドの文言に基づいています。HDRビデオは対応する機器で共有され、それ以外はSDR版を受け取る。受け取る側が古いiPadでも、送る側は何もしなくてよい。設定画面の確認表示にある「4K 60 fpsのビデオは、macOS High Sierra(10.13)以降でのみ再生できます。」という文言も同じ趣旨で、古いMacに渡すなら、フォーマットではなく解像度とフレームレートの側を見ます。

Windowsの2行は、拡張機能を入れられるかどうかで分かれます。家のパソコンなら入れられることが多く、職場や学校のパソコンは入れられないことが多い。この違いが、この記事の「切り替えてよい場面」のほぼ全部を占めています。入れられないWindowsに渡す用事が毎回あるなら切り替える。たまになら、その1本を変換する。ここでも判断の軸は頻度です。

テレビのUSB端子やレコーダーに直接差して見る場合は、機器ごとに対応する形式が違い、Appleの資料では確かめられません。取扱説明書の「再生できるファイル形式」の欄に、HEVCやH.265の記載があるかを見ます。記載が無ければ、H.264で渡すか、ディスクにして再生機で見るほうが確実です。テレビの側の切り分けは、テレビのUSB再生を扱った別の記事に譲ります。

最後の行が当社です。当社はMP4・MOV・MTSなど一般的な動画ファイルを受け取り、HEVCでもH.264でも同じように扱います。渡す相手が当社なら、高効率のまま送ってください。送る前にH.264へ変換する時間があるなら、その時間で不要な部分を切って短くするほうが、仕上がりにも境目にも効きます。

機種によって、互換性優先で消える行が違う

失うものの一覧は、機種で少し変わります。もともと4K/120fpsが撮れない機種では「4K/60fps以上」のうち60fpsだけが対象で、シネマティックモードが仕様に無い機種ではシネマティックの行が最初から無いからです。現行の機種で並べると、次のようになります。「—」はAppleの技術仕様ページに記載が無いという意味で、できないと言い切るものではありません。

機種 互換性優先で消えるもの 互換性優先で残る上限
iPhone 18 Pro/18 Pro Max 4K/60・100・120fps、HDRビデオ、スローの1080p/240fpsと4K/120fps、シネマティック(最大4K・60fps) 4K/30fps、1080p/120fps、スロー1080p/120fps
iPhone Duo(10月23日発売予定・仕様ページの記載) 18 Proと同じ 18 Proと同じ
iPhone 17 Pro/17 Pro Max、16 Pro/16 Pro Max 4K/60・100・120fps、HDRビデオ、スローの1080p/240fpsと4K/120fps、シネマティック(最大4K・30fps) 4K/30fps、1080p/120fps、スロー1080p/120fps
iPhone 17、iPhone 16/16 Plus 4K/60fps、HDRビデオ、スローの1080p/240fps、シネマティック(最大4K・30fps) 4K/30fps、1080p/60fps、スロー1080p/120fps
iPhone Air、17e、16e 4K/60fps、HDRビデオ、スローの1080p/240fps 4K/30fps、1080p/60fps、スロー1080p/120fps

表の上に行くほど、失うものが増えます。Pro系とDuoは、Fusionメインカメラで撮る4K/100fps・120fpsと、4K/120fpsのスローモーションが売りの一つなので、互換性優先にした瞬間にその部分が丸ごと使えなくなります。18 ProとDuoで加わった4K・60fpsのシネマティックも同じです。一方で、Air・17e・16eは、失うのが4K/60fps・HDR・240fpsの3つで、1080p/30fpsで行事を撮る使い方なら、互換性優先にしても撮れる範囲はほとんど変わりません。変わるのは容量だけです。

同じ世代のProとPro Maxは、技術仕様ページのビデオ撮影の欄が同じ内容でした。16と16 Plusも同じです。iPhone Duoは未発売で、Appleの仕様ページに並ぶ行から読める範囲だけを表に入れています。実機の設定画面の文言は、発売後に確かめる必要があります。機種ごとの仕様を1枚で見比べたいときは、iPhone動画の仕様一覧にUSBの速度やProResの有無まで含めて並べています。

4K/60fpsとHDRが要らない人にとっての損得

表を見て「自分は1080p/30fpsしか使わないから、互換性優先にしても失うものが無い」と感じた人もいるはずです。そのとおりで、撮れる範囲の面では損はありません。残るのは容量の2倍と、写真がJPEGになること、それにHDRが無くなることの3つです。この3つを受け入れてでもH.264が要る場面が毎日あるなら、切り替えたままでよい。月に1回あるかどうかなら、その1回だけ切り替えるか変換で済ませる。判断の軸は「頻度」です。

もう一つ、機種を買い替えたときのことも書いておきます。フォーマットの設定は、新しい機種でも同じ場所にあります。買い替えた直後に「ビデオ撮影」の一覧の目安を見て、65MBか130MBかを確かめておくと、設定がどちらの状態で始まっているかがその場で分かります。前の機種で切り替えたことを忘れていても、この数字が教えてくれます。

ディスクにするなら、高効率のまま送る

当社に動画を送ってDVDやブルーレイにする場合、フォーマットを互換性優先にする必要はありません。当社が受け取っているのは、MP4・MOV・MTSなど一般的な動画ファイルで、中身がHEVCでもH.264でも、プレーヤーで再生できる形に組み立てる工程(オーサリング)の中で、DVDなら720×480・29.97fpsのMPEG-2に、ブルーレイなら1920×1080に変換します。送る側が先にH.264にしておいても、その工程が省けるわけではなく、容量と送る時間が2倍になるだけです。

むしろ高効率のままのほうが、送る側に都合がよいことが2つあります。1つは、5GB・25GBの境目です。1080p/30fpsの高効率+HDRなら約77分まで5GBの下に収まりますが、互換性優先では約38分で超えます。発表会の自分の子どもの出番と全体の演目を足して60分、という典型的な長さは、高効率なら境目の下、互換性優先なら上です。もう1つは、共有URLを作るまでの時間で、ギガファイル便に上げる時間が半分で済みます。

撮った形式とディスクの種類で、仕上がりと境目がどうなるかを表にします。仕上がりの列は、撮った形式の違いが最終的なディスクに出るかどうかで、どの組み合わせでもディスクの規格で決まる、というのが答えです。

撮った形式(1080p/30fps) DVDにする場合 ブルーレイにする場合
高効率+HDR(約65MB/分) 720×480に変換。HDRはSDRに直す。5GBの境目は約77分 1920×1080で作成。HDRはSDRに直す。25GBの境目は約6.4時間
高効率・HDRなし(約60MB/分) 720×480に変換。SDRへの変換が要らない。境目は約83分 1920×1080で作成。SDRへの変換が要らない。境目は約6.9時間
互換性優先(約130MB/分) 720×480に変換。SDRへの変換が要らない。境目は約38分 1920×1080で作成。SDRへの変換が要らない。境目は約3.2時間

表のとおり、ディスクの仕上がりに効くのは解像度と長さで、圧縮の方式ではありません。当社に送る前に「H.264に変換したほうがよいですか」と迷う必要は無く、撮ったままのファイルを送るのがいちばん軽く、いちばん確実です。自分で焼く場合は事情が変わり、HEVCとHDRの扱いでつまずきやすい工程があります。その手順はiPhoneの動画をDVD・ブルーレイにする手順にまとめています。

互換性優先で撮っても、ディスクに入る長さは変わらない

もう一つ、誤解しやすい点です。iPhoneの中で2倍になった容量は、ディスクに入る長さには関係しません。DVDやブルーレイに何分入るかは、盤の容量をディスク側のビットレートで割って決まり、iPhoneの1分あたりの容量からは出ません。互換性優先で撮った15.6GBの発表会も、高効率で撮った7.8GBの発表会も、DVDにするときは同じ2時間として扱われ、同じ枚数、同じ画質になります。

2倍の容量が効くのは、送る時間と、5GB・25GBの境目、それにiPhoneの空きの3つだけです。ディスクの側では、解像度が720×480か1920×1080か、長さが何分かで決まります。「容量が大きいから画質のよいディスクになる」ということも、「大きいから入りきらない」ということも起きません。

高効率と互換性優先の動画が混ざっていても、そのまま送ってよい

行事の途中で設定を変えた、家族のiPhoneと自分のiPhoneで設定が違った、という理由で、HEVCとH.264のファイルが混ざることがあります。混ざったまま送って構いません。当社では、受け取ったファイルをディスクの規格に合わせて変換してから1枚に組むので、元の形式がそろっている必要は無く、収録順だけ分かれば足ります。ファイル名の頭に「01_」「02_」と番号を付けて、順番を指定してください。

混ざったときに気をつけるのは、形式ではなく、HDRのオン・オフと解像度のばらつきです。同じ演目の前半がHDR、後半がSDRだと、ディスクにしたときに前半と後半で色の印象が変わることがあります。4Kと1080pが混ざる分には、どちらもディスクの規格に縮めるので目立ちません。ばらつきがあるときは、注文の備考に「前半は別のiPhoneで撮影」などと一言添えてもらえると、当社側で前後の差を把握したうえで作業できます。

入稿メモに書くと当社が助かること

注文フォームの備考に、撮った機種と設定を一言書いてもらえると、当社の作業が確実になります。書くのは「iPhone 17、1080p/30fps、互換性優先」「iPhone 18 Pro、4K/60fps、HDRオン」といった程度で足ります。互換性優先で撮った動画はHDRが無いので、SDRへの変換が要らないことが先に分かりますし、4K/60fpsの動画は5GB・25GBの境目に関わるので、枚数や分け方の相談が早く進みます。書き方の型はiPhone動画のディスク化で業者に伝えることにまとめました。

備考に書く内容が分からないときは、設定画面の「ビデオ撮影」の目安の数字を書くだけでも通じます。「1分65MBと出ています」なら高効率+HDR、「130MB」なら互換性優先。当社側で、その数字から形式と条件を読み取れます。

すでに互換性優先で撮ってしまった動画の扱い

設定を高効率に戻しても、それまでに撮った動画はH.264のまま、2倍の容量のまま残ります。この動画をどうするかで、迷う人が多い。答えは「そのまま置く」です。H.264の動画をHEVCに変換し直して容量を半分にする、という作業は、圧縮を一度ほどいて組み直すので、一般には元より情報が減ります。空きを作るための変換は、画質を削って容量を買う取引で、大切な行事の動画でやることではありません。

空きが要るなら、変換ではなく、外に移します。写真アプリで動画を選び、共有ボタンから「未編集のオリジナルを書き出す」を選ぶと、USBメモリやSSDなど外部ストレージに元の画質のまま書き出せます。編集していても未編集のオリジナルが書き出されます。パソコンにケーブルで取り込むなら、「MacまたはPCに転送」を「元のフォーマットのまま」にしておくと、H.264の動画はH.264のまま、HEVCの動画はHEVCのまま入ります。移し終えて、移した先で再生できるのを確かめてから、iPhone側を消します。この順番だけは守ってください。

iCloud写真の「ストレージを最適化」をオンにしても、動画そのものは小さくなりません。本体に省スペース版が置かれ、オリジナルはiCloudに残るので、iPhoneの空きは増えますが、あとでディスクにするために元の画質で送るときは、オリジナルをダウンロードし直す時間と、そのための空きが要ります。2倍の容量になった動画は、この「ダウンロードし直す」ときにも2倍の時間がかかる、と覚えておいてください。

ディスクにするのも、置き場を作る一つの方法です。互換性優先で撮った2時間の発表会は15.6GBで、DVDにするなら5GBの境目を超えますが、ブルーレイなら25GBの下に収まります。ディスクにしたあと、iPhoneからその動画を消して空きを作る、という順番が自然です。消す前に、届いたディスクを実際のプレーヤーで再生して、最後まで映ることを確かめてからにしてください。

H.264とHEVCが混ざった1年分を、年末に1枚にする流れ

途中で切り替えた年は、1年分の動画にH.264とHEVCが混ざります。混ざったままで構わないことは前に書きました。流れは4つです。写真アプリで期間を絞って、残す動画を選ぶ。選んだ動画の合計を見る。5GB・25GBの境目と比べる。番号を付けて送る。合計を見る段で、互換性優先で撮った月だけ数字が大きいことに気づくはずで、その月の動画から不要な部分を切ると、境目の下に収まることがあります。

年の途中の動画だけ2倍になっているのは、設定の履歴そのものです。どの月に切り替えて、どの月に戻したかが、容量の並びで読めます。ディスクにするときに困ることはありませんが、来年は同じことが起きないよう、この記事の確認表を1度だけ見ておいてください。それで済みます。

互換性優先で撮る日の段取り。試合をその場でWindowsに渡す例

切り替えが本当に要る場面の例として、部活の試合を撮って、その日のうちにコーチの古いWindowsで見返す、という日を段取りに直してみます。そのWindowsには拡張機能を入れられず、渡し方はUSBメモリ。ここまで条件がそろって、初めて互換性優先の出番です。

前日にやることは3つです。まず空き容量。1080p/30fpsを互換性優先で撮ると1分約130MBなので、試合90分で11.7GB。実際のファイルは場面で上下し、試合は動きが多くて目安より大きくなりがちなので、2倍の24GB前後を空けておきます。60fpsで撮るなら1分約175MBで、90分で15.75GB、空けるのは32GB前後です。次に設定。「設定」>「カメラ」>「フォーマット」で「互換性優先」を選び、「ビデオ撮影」に戻って目安が130MBになっていること、「HDRビデオ」の項目名にカッコが付いたことを見ます。最後に、USBメモリの準備です。

USBメモリは、iPhoneから直接書き出せるものを用意します。iPhoneが扱える外部ストレージは、データパーティションが1つで、APFS、macOS拡張、exFAT、FAT32、FATのいずれかでフォーマットされたもの、というのがユーザガイドの条件です。Windowsで読むならexFATかFAT32で、FAT32は1ファイル4GBまでという制限があるので、90分で11.7GBになる試合の動画はexFATにしておきます。USB-Cにそのまま差せるメモリなら、変換アダプタも要りません。

当日は、ビデオモードの画面上の表示が「HD・30」になっているのを見てから撮り始めます。撮り終えたら、写真アプリで動画を選び、共有ボタンから「未編集のオリジナルを書き出す」を選んで、「場所」でUSBメモリを指定して「保存」。この手順は編集していても未編集のオリジナルが書き出されるので、トリムした動画を渡したいときは、トリム後の動画を別に書き出す必要があります。書き出しの時間は容量に比例し、互換性優先で2倍になった分だけ長くかかります。

翌日、フォーマットを高効率に戻します。「ビデオ撮影」の目安が65MBに戻り、4K/60fpsの行が戻っていれば完了です。この日に撮った試合の動画は、iPhoneの中にH.264のまま残ります。あとでディスクにするなら、そのまま当社に送れば足ります。スローモーションで一部を撮った場合は、120fpsで1分約350MBだったことを思い出して、合計を見直してください。

ケーブルで直接つないで渡せないか、先に考える

USBメモリを介さず、iPhoneをコーチのWindowsにケーブルでつなぎ、「MacまたはPCに転送」を「自動」にして取り込んでもらう道もあります。この道なら、撮る設定を切り替えなくても、互換性のある形式に変換されて渡る場合があります。ただし、WindowsでiPhoneから取り込むには、Microsoft Storeの「Appleデバイス」アプリを入れて接続し、「このコンピュータを信頼しますか?」で「信頼」を選ぶ必要があります。拡張機能を入れられない環境では、このアプリも入れられないことが多く、その場合はUSBメモリの道に戻ります。相手のWindowsで何が入れられるかを、前日までに一度聞いておくと、当日の段取りが1つに絞れます。

同じ日に発表会もある、というときの優先順位

午前に試合、午後に発表会、という日もあります。発表会をHDRやシネマティックで撮りたいなら、試合が終わった時点で高効率に戻すのが正解で、戻すのに要するのは設定画面を2回開く時間だけです。忘れそうなら、発表会は高効率、試合はコーチのWindowsで見るだけ、と割り切って、試合のほうを高効率で撮ってからMacや共有の「互換性優先」で変換する道もあります。どちらを選んでも、失うものが少ないほうを先に決めておくと、当日に迷いません。

切り替える手順と、戻し忘れを防ぐ確認

手順は短い。iOS 27の場合で書きます。「設定」を開き、「カメラ」>「フォーマット」と進むと、「カメラ撮影」の見出しの下に「高効率」と「互換性優先」が並んでいます。「互換性優先」を選ぶと、その場で切り替わります。表記はiOSのバージョンで異なるので、項目名が少し違っても、フォーマットの画面の中で2つが並んでいる場所を探してください。

この設定は、「設定を保持」の項目とは別のものです。「設定を保持」に並ぶのは「カメラモード」「アクションモード」「Apple ProRes」、18 Proでは「レンズ絞り」など、カメラアプリを閉じると元に戻る種類の設定を、次回も保つためのスイッチです。フォーマットはそこに含まれず、一度変えたら、変え直すまでずっと効きます。「保持をオフにしていたから戻ったはず」ということは起きません。戻すのは自分の手だけです。

高効率に戻すときには、機種によって確認の表示が出ます。「4K 60 fpsのビデオは、macOS High Sierra(10.13)以降でのみ再生できます。」「HDRビデオにはmacOS Catalina(10.15)以降が必要です。」という文言で、古いMacで再生するときの条件を知らせるものです。iPhoneやテレビで見る分には関係が無く、切り替えを止める表示でもありません。読んで、そのまま進んで構いません。

戻したあとに確かめる場所は3か所です。「ビデオ撮影」の一覧の下の目安が「65 MB(1080p HD/30 fps、デフォルト)」に戻っているか。一覧に4K/60fpsの行があるか。「HDRビデオ」の項目名からカッコが消えているか。3つのうち1つでも違えば、まだ互換性優先のままです。表示を見る癖を付ける場所として、この3つを覚えておくと、行事の朝に設定画面を開いたときに10秒で済みます。

互換性優先に切り替える前に見る5項目と、高効率に戻したあとに見る3項目を、上から順に並べた確認表
上の5つで切り替えてよいか決め、下の3つで戻せたかを確かめる

家族のiPhoneで撮ってもらうときの伝え方

行事を家族に撮ってもらうとき、伝えるのは2つで足ります。「フォーマットは高効率のまま」と「ビデオ撮影は1080p HD/30fps」。相手が設定に慣れていなければ、「設定のカメラで、ビデオ撮影の下に65MBと出ていればそのままでいい」と、数字で伝えるほうが早いこともあります。130MBと出たら互換性優先なので、「フォーマットを高効率にして」と一言。60MBならHDRがオフで、行事の記録なら問題ありません。

撮ってもらった動画を受け取るときは、AirDropなら「すべての写真データ」をオンにしてもらうと元のまま届きます。共有URLで受け取るなら、送ってもらう前に相手のiPhoneで容量を見て、合計が読めるようにしておきます。受け取った動画は、自分の分と一緒に「01_」「02_」の番号を付けて、当社に送るときの収録順にそろえます。

カメラの画面の右上で確かめる

カメラアプリのビデオモードでは、画面の右上に解像度とフレームレートの値が出ていて、タップして切り替えられます。iPhone XS・XR以降の機種なら、この表示を出すための設定は要りません。フォーマットが切り替わったままだと、ここをタップしても4Kの60が出てこないので、撮る直前にフォーマットの異変に気づける場所でもあります。目安の数字までは出ないので、容量が要るときは設定アプリに戻ります。

戻し忘れに気づく仕組みを作る

戻し忘れは、気づく仕組みが無いと何か月も続きます。効くのは、撮ったあとに「情報」を見る癖です。写真アプリで動画を開いて上にスワイプし、ファイルサイズを長さで割る。1080p/30fpsで1分130MB前後なら、まだ互換性優先です。数字を見るのに10秒しかかかりません。月に1度、ストレージの減り方を見るのも手で、写真とビデオの使用量が前の月の2倍近く増えていたら、フォーマットを疑います。「設定を保持」に頼れないことは前に書いたとおりで、フォーマットを戻す動作は自分の指でしか起きません。

もう一つは、行事の前に「ビデオ撮影」の一覧を開く習慣です。目安が65MBか130MBか。4K/60fpsの行があるか。この2つを見るだけで、当日にHDRやシネマティックが使えない、という事故は防げます。家族で1台を使い回している家では、行事の前日に誰かが確かめる、と決めておくと迷いません。

今の設定を見て、高効率に戻し、撮ったまま送る

行動に直すと3つです。今すぐ「設定」>「カメラ」>「フォーマット」を開いて、どちらに印が付いているかを見る。互換性優先になっていて、H.264を毎回必要とする用事が無いなら、高効率に戻す。H.264が要る用事は、拡張機能、転送の「自動」、Macの書き出し、共有の「互換性優先」の順に試し、それでも駄目なときだけ、その撮影の間、切り替える。この順番なら、容量が2倍になる期間はいちばん短く、4K/60fpsやHDRを失う日もいちばん少なくなります。

ディスクにするなら、撮ったままのファイルを送ってください。高効率でも互換性優先でも、混ざっていても、当社が受け取ってから、DVDなら720×480に、ブルーレイなら1920×1080に変換して組み立て、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから発送します。送る側でH.264にしておく必要はありません。共有URLをDVD注文のページのフォームに貼るだけで、スマホからも入稿できます。

料金は、DVDもブルーレイも基本料金が1枚あたり1,500円で、オーサリング・書き込み・ケース入れ込みまで含みます。同じ内容の2枚目からは追加コピーとして1枚あたり1,000円です。1つの内容がDVDで5GB以上、ブルーレイで25GB以上のときは、前に書いたエンコード手数料が内容1種類につきかかるので、互換性優先で撮った長い動画は、この境目を先に見てください。注文の備考に、機種と設定(「iPhone 17、1080p/30fps、互換性優先」など)を一言添えてもらえると、枚数や分け方の相談がその場で進みます。

よくある質問

Q. iPhoneの互換性優先にすると動画の容量はどれくらい増えますか
A. 1080p/30fpsで、高効率+HDRの1分約65MBが約130MBになり、ちょうど2倍です。1080p/60fpsは約100MBが約175MB、4K/30fpsは約190MBが約350MB。720pだけは1.5倍と伸びが小さめです。iPhoneの設定画面に出る目安(iOS 18.6の文言)で、実際のファイルは場面の動きや明るさで上下します。

Q. 互換性優先にすると4K 60fpsが選べなくなるのはなぜですか
A. 互換性優先はH.264で記録する設定で、フォーマットの説明文に「4K/60 fps、1080p/240 fps、およびHDRビデオを使用するには“高効率”が必要です。」とあるからです。4K/120fps対応機では「4K/60 fps以上」と書かれ、100fps・120fpsも含まれます。高効率に戻すと、一覧に4K/60fpsの行が戻ります。

Q. 互換性優先でHDRビデオは撮れますか
A. 撮れません。互換性優先にすると「ビデオ撮影」の「HDRビデオ」が「HDRビデオ(高効率)」という項目名に変わり、オンにしても効きません。HDRを切りたいだけなら、高効率のまま「HDRビデオ」をオフにすれば、容量は1分5MBほど減り、4K/60fpsやスローモーションはそのまま使えます。

Q. スローモーションの240fpsは互換性優先で撮れますか
A. 撮れません。背面の初期設定である1080p HD/240fpsは高効率が必要で、互換性優先では1080p HD/120fpsまでになります。120fpsの1分あたりは高効率で約170MB、互換性優先で約350MBです。Pro系とiPhone Duoで選べる4K/120fpsのスローモーションも、互換性優先では一覧に出ません。

Q. 互換性優先にすると画質は落ちますか
A. 圧縮方式の差で見た目が粗くなることはまずありません。同じくらいの見た目にそろえるために、互換性優先の側に2倍のデータが割り当てられているからです。はっきり変わるのはHDRの有無で、互換性優先では10ビットのドルビービジョンが記録されず、SDRの映像になります。空や照明の階調で差が出ます。

Q. Windowsで開くには互換性優先にする必要がありますか
A. 必要とは限りません。Microsoft Storeの「HEVC ビデオ拡張機能」を入れると、Windowsのビデオアプリで高効率の動画を再生できます。ケーブルで取り込むなら「設定」>「アプリ」>「写真」>「MacまたはPCに転送」を「自動」にすると、互換性のある形式に変換されて渡る場合があります。撮る設定を変えるのは、これらが使えないときです。

Q. 互換性優先にすると写真も変わりますか
A. 変わります。フォーマットの設定は写真と動画の両方に効き、高効率では写真がHEIF、互換性優先ではJPEGで記録されます。説明文にも「“互換性優先”は常にJPEG/H.264を使用します。」とあります。動画のために切り替えると、それ以降の写真もJPEGになる点は、切り替える前に知っておく話です。

Q. 高効率で撮った動画をあとからH.264にできますか
A. できます。MacならQuickTime Playerで「ファイル」>「書き出す」を開き、「ファイルサイズ重視(HEVC)」を「互換性重視(H.264)」に変えて保存します。iPhoneだけなら、写真の共有画面の「オプション」で「互換性優先」を選ぶと、その1回だけ変換される可能性があります。変換は圧縮を組み直すので、情報は一般に少し減ります。

Q. DVDにするなら互換性優先と高効率のどちらで撮ればよいですか
A. 高効率のままで構いません。当社はHEVCでもH.264でも受け取り、DVDなら720×480・29.97fpsのMPEG-2に、ブルーレイなら1920×1080に変換して作るので、先にH.264にしておく意味がありません。高効率なら容量も送る時間も半分で、1080p/30fpsで約77分まで5GBの下に収まります(互換性優先は約38分)。

Q. 互換性優先の1080p動画は何分で5GBになりますか
A. 1080p/30fpsで約38分、1080p/60fpsで約29分です。高効率+HDRなら同じ1080p/30fpsで約77分まで持ちます。25GBの側は、互換性優先の1080p/30fpsで約3.2時間、高効率+HDRで約6.4時間です。当社では1つの内容がDVDで5GB以上、ブルーレイで25GB以上のときにエンコード手数料がかかります。

Q. 共有画面の「互換性優先」とカメラの「互換性優先」は同じですか
A. 別物です。カメラの「フォーマット」の互換性優先は、撮る時点でH.264で記録する設定で、iPhoneの中の動画の容量が2倍になります。写真アプリの共有画面の「オプション」にある互換性優先は、送るときにその1回だけ変換される可能性がある設定で、iPhoneの中の元の動画は変わりません。

Q. 互換性優先に切り替えたら空き容量はどれくらい要りますか
A. 1080p/30fpsで1分約130MBなので、2時間の行事で15.6GB、余裕を見て目安の2倍なら約31GBを空けておきます。空き20GBで撮れるのは約154分で、高効率+HDRの約308分の半分です。4K/30fpsの互換性優先は1分約350MBで、20GBでは約57分しか撮れません。

Q. 互換性優先にした覚えがないのに4K 60fpsが消えました
A. 「設定」>「カメラ」>「フォーマット」を開き、「互換性優先」に印が付いていないか確かめてください。Windowsに取り込むときにAppleの案内どおり切り替えたのを忘れている例や、家族が設定を触った例が多いです。フォーマットが高効率なら、画面上の解像度とfpsの表示か、スローモーションなどモードの選択を疑います。

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