この記事の要点
- 29.97fpsは30を1.001で割った値で、カラー放送で色副搬送波と音声搬送波の干渉を避けるために0.1%だけ遅くした結果の数値です。
- DVD-Videoの規格が受け付ける表示フレームレートは29.97fpsと25fpsの2つだけで、24fps素材はプルダウンを介して収録されます。
- 30fpsのままオーサリングすると約33.4秒に1コマの間引き、または速度読み替えによる1時間あたり約3.6秒の音ズレが起こります。
- 確認はMediaInfoで素材のfpsとモードを見て、素材・タイムライン・書き出し設定の3か所を29.97fpsに揃えるのが早道です。
- スマホ撮影は可変フレームレートで記録されることがあり、編集前に固定フレームレートへ変換しておくと後半の音ズレを避けられます。
書き出し設定を開いて、フレームレートの欄に「29.97」と「30」が並んでいる。どちらを選んでも見た目は変わらないように思えるのに、片方を選ぶとDVDにしたときだけ音が微妙にずれる、テロップのタイミングが狂う、パンした場面で妙な引っかかりが出る。原因の説明を探しても「29.97はNTSCの規格です」で終わっていて、では自分の素材をどう直せばいいのかが書かれていない。
29.97という数値には、1950年代のカラー放送で起きた干渉問題という明確な出どころがあります。そしてDVD-Videoの規格は、この29.97fpsと25fpsの2つしか表示フレームレートを認めていません。つまり30fpsで書き出した素材は、ディスクにする過程でどこかが必ず調整されます。その調整が「コマを捨てる」なのか「速度を落とす」なのかで、出てくる症状が変わります。
この記事では、29.97が生まれた理由から始めて、30fpsのままDVDにしたときに実際に何が起きるか、編集ソフトのどこを見て直せばいいか、24fps素材を混ぜるときの落とし穴、スマホ特有の可変フレームレート問題までを順に扱います。最後に、書き出したファイルを入稿前に検算するチェック項目をまとめます。
29.97fpsが半端な数値になった理由|カラー放送の干渉を避けるため30を1.001で割った
フレームレートの選択肢に「29.97」という数値が並んでいるのを見て、なぜ30ではないのかと引っかかった経験は多いはずです。これは編集ソフトの都合ではなく、1950年代のアメリカでカラーテレビ放送を始めたときの事情がそのまま残っているものです。
白黒時代のNTSC方式は、1秒あたり30フレーム、水平走査15,750本/秒で動いていました。ここに色の情報を足すとき、技術者は既存の白黒テレビでも同じ電波を受信できる形を求められました。そこで輝度信号の隙間に色信号を差し込む方式が採られ、色副搬送波の周波数として315/88MHz、つまり3.579545MHzが選ばれます。
ところがこの色副搬送波は、同じチャンネル内で4.5MHzに置かれた音声搬送波と干渉し、画面に細かい模様が出ました。解決策として選ばれたのが、走査周波数全体をわずかに下げることでした。水平走査を15,750本/秒から15,734本/秒へ、フレームレートを30fpsから30÷1.001へ。この0.1%の減速で干渉が実用上問題にならない位置関係になり、同時に白黒テレビとの互換も保たれました。
30÷1.001を小数で書くと29.970029970…となり、割り切れません。編集ソフトが「29.97」と表示しているのは丸めた値で、内部では30000/1001という分数として扱われています。同じ理由で、24fpsに対応する数値は24000/1001=23.976…、60fpsに対応する数値は60000/1001=59.940…になります。設定画面に「23.98」「59.94」という中途半端な数字が並ぶのは、すべてこの1.001が出どころです。
この0.1%は、実時間との差として現れます。29.97fpsで1時間ぶん収録すると、30fps換算で数えた場合とのあいだに108フレーム、およそ3.6秒の差が生まれます。放送の尺管理でこれが困るため、タイムコードの数え方を実時間に合わせる「ドロップフレーム」が作られました。毎分の先頭で00と01という2つの番号を飛ばし、10の倍数の分だけは飛ばさない。これでちょうど1時間あたり108個の番号が消え、タイムコードが壁の時計と一致します。飛ばしているのは番号だけで、映像のコマは1枚も消えていません。ここを誤解して「ドロップフレームだと映像が欠ける」と心配する人がいますが、欠けるのはあくまで数字のほうです。
DVD-Videoの規格が受け付けるのは29.97fpsと25fpsだけ
DVD-Videoの規格は、収録できる映像の条件を細かく決めています。表示フレームレートについては、29.97fps(525本のNTSC互換/日本や北米で一般的)と25fps(625本のPAL・SECAM互換/欧州などで一般的)の2つだけです。インターレースでもプログレッシブでも構いませんが、この2つ以外の表示レートは規格の中に存在しません。
ではフィルム由来の24fps作品がDVDに入っているのはなぜか。あれは29.97fpsとして再生されるよう、プルダウンという仕組みでフィールドを繰り返しているからです。23.976fpsで符号化したうえで、MPEG-2のストリームに「このフレームのフィールドを繰り返せ」というフラグを入れておく。プレーヤーはそれを読んで29.97fps相当の映像を組み立てます。ディスクに入っているデータ自体は23.976fpsのままなので容量を節約でき、表示は規格どおり、という二段構えです。
DVD-Videoの主な収録条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表示フレームレート | 29.97fps または 25fps |
| 映像コーデック | MPEG-2(MPEG-1も規格上は可) |
| 最大解像度 | 720×480(NTSC)/720×576(PAL) |
| 音声 | リニアPCM・ドルビーデジタル(AC-3)などを48kHzで(PCMとDTSは96kHzも規定あり) |
| 映像ビットレート | おおむね9.8Mbit/s程度が上限(音声などと合わせた総量にも制約あり) |
Blu-rayはもう少し自由度があり、1920×1080では59.94i(インターレース)や23.976p、1280×720では59.94pなどが使えるとされています。ただし当初の規格に1920×1080の59.94p、いわゆる1080p60は含まれていません。「Blu-rayなら何でもそのまま入る」という前提で60fpsのフルHDを書き出すと、結局どこかで変換が入ることになります。
ここで押さえておきたいのは、規格に合わない素材が「入らない」のではなく「変換されて入る」という点です。変換自体はオーサリングツールが自動でやってくれます。問題は、その変換方法を編集した本人が選んでいないこと。次の章で、その自動変換が実際に何をしているかを見ます。
30fpsで書き出した素材をDVDにすると起きること|約33.4秒に1コマ、または1時間で3.6秒のズレ
30fpsのファイルを渡してDVDにすると、オーサリングの過程で29.97fpsへの帳尻合わせが起こります。やり方は大きく2通りで、どちらになるかはツールと設定によって変わります。
1. コマを間引いて尺を保つ
30fpsの1001コマぶんの時間は、29.97fpsでは1000コマぶんに相当します。つまり1001コマに1コマ、時間にして約33.4秒に1枚が捨てられます。全体の尺は変わりませんが、捨てられた瞬間に動きが一瞬止まります。人物のトーク中心の映像なら気づきにくく、横パン、流れるテロップ、ダンスや演奏のように一定速度で動き続ける絵では、規則的な引っかかりとして見えます。1時間の映像なら108回起きる計算です。
2. 速度を0.1%落として読み替える
コマを捨てず、全体をわずかに遅く再生する方法です。映像は滑らかなまま29.97fpsになりますが、尺が0.1%伸びます。1時間で約3.6秒。このとき音声も同じだけ引き伸ばされていれば同期は保たれますが、映像だけ読み替えて音声をそのまま流すと、後半にいくほど音が先行して聞こえます。曲に合わせて編集した発表会やライブ映像で「最初は合っているのに終盤だけ口と音が合わない」という症状は、多くがこれです。
もうひとつ見落とされやすいのが再エンコードの重ねがけです。DVDに収録される映像はMPEG-2なので変換自体は避けられませんが、そこにフレームレート変換が加わると、細かいディテールやグラデーションの粘りが落ちやすくなります。書き出しの時点で29.97fpsに合わせておけば、ディスク化の際の処理は実質「コーデックの載せ替え」だけで済みます。
もう一点。1フレーム単位で詰めたテロップの出入りや、拍に合わせたカット点も、フレームレート変換をまたぐと元の位置から動きます。数フレームの話なので気づかないこともありますが、カット点のタイミングにこだわった映像ほど、素材段階でfpsを揃えておく価値があります。編集ソフト上で完璧に見えていたものが、ディスクにすると微妙に間延びして見える、という違和感の正体はここにあると考えられます。
編集ソフトでのfps確認手順|素材・タイムライン・書き出し設定の3か所を見る
確認する場所は3つです。素材そのもののfps、タイムライン(シーケンス)のfps、書き出し設定のfps。このどれかがずれていると、書き出したファイルは狙った数値になりません。
1. 素材のfpsを調べる
いちばん確実なのはMediaInfo(Windows/macOS、無料)です。ファイルをドラッグして「ツリー」表示にすると、Frame rate、Frame rate mode、Original frame rate といった項目が並びます。「29.970」と出れば29.97fps、「30.000」なら30fpsです。Windowsのエクスプローラのプロパティは値が丸められて「30」と表示されることがあるため、判断材料にはしないでください。macOSならQuickTime Playerの「ムービーインスペクタ」(command+I)でもFPSを確認できます。
2. タイムラインを合わせる
- Premiere Pro:シーケンス設定のタイムベースを29.97fpsに設定します。素材とシーケンスのfpsが違う場合は、プロジェクトパネルで素材を右クリック→変更→フッテージを変更、からクリップ側の解釈を変えられます。
- DaVinci Resolve:プロジェクト設定→マスター設定→タイムラインフレームレート。クリップを読み込んだ後は変更できなくなる場合があるため、新規プロジェクトを作った直後に設定しておくのが安全です。
- Final Cut Pro:ライブラリでプロジェクトを選び、インスペクタのビデオプロパティからレートを変更します。新規プロジェクト作成時に「カスタム設定」を開いて29.97を選んでも構いません。
3. 書き出し設定を確認する
書き出しダイアログのフレームレート欄で29.97を選びます。ここが「ソースに合わせる」のままだと、素材が30fpsのときそのまま30fpsで出力されます。タイムラインを29.97にしただけで安心していると、この一箇所で台無しになるので、書き出しのたびに目視してください。あわせて、映像はH.264(MP4)、音声は48kHz、可能であれば固定フレームレートを選びます。
最後に、書き出したファイルをもう一度MediaInfoに通します。Frame rate が 29.970、Frame rate mode が Constant、音声の Sampling rate が 48.0 kHz になっていれば、入稿データとして整った状態です。ここまでやっておくと、ディスク化の工程で加わる処理は最小限になります。
24fps素材を混ぜるときは23.976に読み替えてから並べる
映画的な質感を狙って24fpsで撮った素材と、29.97fpsで撮った素材を1本にまとめるケースはよくあります。ここで問題になるのは、24と23.976という0.1%違いの2つが世の中に併存していることです。
ミラーレスやシネマカメラの設定画面には「24p」と「23.98p」が別々に並んでいることがあります。前者はきっちり24.000fps、後者は24000/1001=23.976…fpsです。NTSC系の29.97fpsと混ぜる前提なら、撮影の時点で23.98p側を選んでおくと後工程が素直になります。
すでに24.000fpsで撮ってしまった素材は、編集ソフトで23.976fpsとして解釈し直す方法があります。Premiere Proなら「フッテージを変更」でフレームレートを23.976に、DaVinci Resolveならメディアプールでクリップ属性からビデオフレームレートを変更します。全体が0.1%だけゆっくりになりますが、映像の見た目で判別できる差ではありません。ただし同時録音した音声も同じだけ引き伸ばす処理が要るため、音を別レコーダーで録っている場合は音側の処理も忘れずに行ってください。
29.97fpsのタイムラインに置くとどう見えるか
23.976fpsの素材を29.97fpsで表示するには、4コマを5コマに増やす必要があります。これがいわゆる3:2プルダウンで、1枚目のフレームからフィールドを3枚、次のフレームから2枚、と交互に取り出して埋めていきます。結果としてコマごとの表示時間が均一でなくなり、横方向のパンで独特のカクつき(ジャダー)が出ます。これは変換の失敗ではなく原理的なもので、劇場映画をテレビで見たときの動きと同じ性質のものです。
気になる場合の現実的な回避策は2つです。24fps素材ではパンの速度を緩やかにしておくか、作品全体を29.97fpsで撮ってしまうか。編集ソフトのフレーム補間(Premiere Proのオプティカルフロー、Resolveのオプティカルフロー)で滑らかにする手もありますが、被写体の輪郭が溶けたりゴーストが出たりすることがあるので、短いカットで試してから全体に適用するのが安全です。
なお、作品全体が24fps由来であれば、DVDでは23.976fps+プルダウンフラグの形で収録できます。この場合ディスク上のデータは24コマ相当のまま保たれるので、無理にコマを増やして焼き込むよりも素性のよい状態になります。
スマホの可変フレームレートはfps以前の問題|編集前に固定フレームレートへ変換する
スマートフォンで撮った動画をタイムラインに載せると、最初は合っていた音が終盤で数秒ずれる。この症状はfpsの数値ではなく、フレームレートの「モード」が原因であることがほとんどです。
iPhoneやAndroidのカメラアプリの多くは、可変フレームレート(VFR)で記録します。設定で30fpsを選んでいても、それは目標値であって、実際には場面の明るさや動きの量に応じてコマの間隔が変わります。暗い場所ではシャッターを長く開けるためにコマ数が落ちる、動きが少ない場面では間引く、といった具合です。一方で音声は一定のレートで記録され続けるため、映像と音の対応関係が時間とともに崩れていきます。
編集ソフトの多くは、読み込んだクリップを一定のfpsとみなして扱います。そこにVFRの素材を入れると、実際のコマの時刻と編集ソフトが想定する時刻が食い違い、後半になるほど差が広がります。音を後から手でずらして合わせても、ずれ幅が一定ではないので、どこかで合えばどこかで合わない状態になります。
確認と対処
MediaInfoでファイルを開き、Frame rate mode の欄を見てください。ここが Variable なら可変、Constant なら固定です。Variable だった場合は、編集を始める前に固定フレームレート(CFR)へ変換しておきます。編集を進めてから気づくと、タイムライン上の位置合わせをやり直すことになります。
- HandBrake(無料):Videoタブのフレームレート欄で29.97を選び、その下の「Constant Framerate」を選択して書き出します。
- ffmpeg(コマンドライン):
ffmpeg -i input.mov -fps_mode cfr -r 30000/1001 -c:v libx264 -crf 18 -c:a aac -b:a 192k output.mp4。古いバージョンでは-fps_modeの代わりに-vsync cfrを使います。 - 編集ソフト任せ:読み込み時に自動でCFR化するソフトもありますが、挙動はバージョンによって変わります。書き出し後にMediaInfoで検算するのが確実です。
PCやスマホの画面収録も、同じ理由でVFRになりやすい素材です。画面を撮った映像をDVDに入れる予定があるなら、編集前の段階で一度CFRに揃えておくと、後戻りが減ります。
入稿前に確認する6項目|MediaInfoを1回通せば4つは同じ画面で済む
ここまでの内容を、書き出したファイルに対する確認項目としてまとめます。上から4つはMediaInfoの同じ画面で確認できます。
| 確認項目 | 望ましい状態 | 見る場所 |
|---|---|---|
| フレームレート | 29.970(DVDの場合) | MediaInfo:Frame rate |
| フレームレートモード | Constant | MediaInfo:Frame rate mode |
| 音声サンプリング | 48.0 kHz | MediaInfo:Audio → Sampling rate |
| 解像度 | 撮影時の解像度のままで可(DVD化の際に720×480へ調整) | MediaInfo:Width × Height |
| 尺 | DVD1枚あたり2時間前後までが目安 | MediaInfo:Duration |
| 共有URL | 有効期限内で、ログインなしでダウンロードできる | 送信前に別ブラウザで開いて確認 |
尺が2時間を大きく超える場合は、画質を落として1枚に収めるか、ディスクを分けるかを先に決めておくと、制作側での判断待ちが発生しません。共有URLは、作成した本人のブラウザでは開けても、ログインしていない環境からは開けない設定になっていることがあります。シークレットウィンドウで一度開いてみるのが手早い確認方法です。
ディスクメーカーでは、こうした動画データをダウンロードできる共有URLの形でお預かりしています。ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorage などに対応しており、再生できる形へ組み立てるオーサリングは料金に含まれています。価格は1枚1,500円から、1枚からご注文いただけます。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも対応しています。
納期は通常便のほか、お急ぎ(+1,500円/15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)、特急(+3,000円/15時までのご注文・ご入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までのご注文・ご入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)をご用意しています。
フレームレートは、書き出しの直前に1か所直せば済むものが、ディスクになってから気づくと編集のやり直しに戻る種類の項目です。書き出しボタンを押す前の30秒で確認しておくのが、いちばん安く済みます。
よくある質問
Q. 29.97fpsと30fpsは見た目で違いが分かりますか?
A. 滑らかさの差は0.1%なので、並べて見比べても人の目では判別できません。問題になるのは見た目ではなく、変換が入るタイミングです。30fpsの素材を29.97fpsに合わせる過程で、約33.4秒に1コマが間引かれたり、尺が0.1%伸びて音がずれたりします。「違いが見えるかどうか」ではなく「変換が入るかどうか」で選んでください。DVDやテレビ放送向けなら29.97fps、Web配信だけなら30fpsでも構いません。
Q. YouTube用に30fpsで書き出した動画をそのままDVDにできますか?
A. データとしてはお預かりできますが、DVDにする過程で29.97fpsへ変換されます。変換の仕方によって、コマが規則的に間引かれるか、全体が0.1%遅くなるかのどちらかが起こります。元の編集データが手元にあるなら、書き出し設定のフレームレートを29.97に変えてもう一度書き出したファイルをお渡しいただくほうが、意図した動きとタイミングが保たれます。書き出し直せない場合でも制作は可能です。
Q. 29.97fpsは正確には何fpsですか?
A. 30000÷1001で、小数にすると29.970029970…と循環し、割り切れません。編集ソフトの「29.97」は表示上の丸め値で、内部ではこの分数として扱われています。同じ1.001の関係から、24fps系は24000÷1001=23.976…、60fps系は60000÷1001=59.940…になります。設定画面に「23.98」「59.94」という数字が並ぶのも、すべて同じ理由です。
Q. DVDに60fpsの映像は入れられますか?
A. DVD-Videoの規格が認めている表示フレームレートは29.97fpsと25fpsだけなので、60fpsの素材は29.97fpsに変換して収録されます。コマ数が半分になるため、撮影時の滑らかさはそのままには残りません。滑らかさを重視するならBlu-rayが選択肢になりますが、当初のBlu-ray規格には1920×1080の59.94p(1080p60)が含まれておらず、1280×720であれば59.94pが使えるとされています。
Q. ドロップフレームとノンドロップフレームはどちらを選べばいいですか?
A. どちらを選んでも記録される映像のコマ数は同じです。違うのはタイムコードの数え方だけで、ドロップフレームは番号を毎分2つ飛ばして実時間と一致させる方式です。放送納品のように尺を実時間で厳密に管理する必要がなければ、どちらでも仕上がりは変わりません。DVD制作に出す場合も、ディスク上の映像には影響しないので、編集しやすいほうで進めて問題ありません。
Q. 24fpsで撮った映像をDVDにするとカクつくのはなぜですか?
A. 24fps系の素材を29.97fpsで表示するには4コマを5コマに増やす必要があり、3:2プルダウンという方式でフィールドを3枚・2枚と交互に使って埋めます。この結果コマごとの表示時間が均一でなくなり、横パンで独特のカクつきが出ます。変換の失敗ではなく原理的なもので、劇場映画をテレビで見たときと同じ性質です。気になる場合はパンを緩やかにするか、作品全体を29.97fpsで撮る方法があります。
Q. iPhoneで撮った動画を編集したら後半だけ音がずれます。どうすればいいですか?
A. スマホのカメラは可変フレームレート(VFR)で記録することが多く、設定で30fpsを選んでいても実際のコマ間隔は場面によって変わります。音声は一定レートで記録されるため、時間が進むほど差が広がります。MediaInfoでFrame rate modeがVariableになっていないか確認し、HandBrakeの「Constant Framerate」やffmpegの-fps_mode cfrで固定フレームレートに変換してから編集を始めてください。
Q. 編集ソフトのタイムラインを29.97fpsにすれば、書き出しも29.97fpsになりますか?
A. そうとは限りません。書き出しプリセットのフレームレート欄が「ソースに合わせる」になっていると、素材側の値がそのまま出力されることがあります。タイムライン設定と書き出し設定は別物なので、書き出しダイアログのフレームレート欄を毎回目視してください。書き出した後にMediaInfoでFrame rateが29.970、Frame rate modeがConstantになっているかを確認すれば、取り違えを防げます。

