この記事の要点
引退式の日程は最後の大会の結果で決まるため、大会の前に写真集めと撮影だけ先に始めておく ことが、準備期間を確保するほぼ唯一の方法です。
3年間の写真は本人ではなく保護者・顧問・学校の広報担当・卒業した先輩 の4ルートに散らばっており、サプライズならこの4つから集めます。
後輩のメッセージは1人30秒・横向き・話し手から1メートル という3つを守るだけで、20人分でも10分に収まり音量と画角も揃います。
学校行事の記念にディスクを配ることは著作権法35条の例外に該当しない と JASRAC が明記しており、市販曲をBGMにするなら手続きが必要です。
当日の上映はパソコンとプロジェクターの直結 で行い、ディスクは配布専用と割り切ると、本番の再生トラブルをまとめて避けられます。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
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引退式で3年生に何か渡したい、という話が出るのはたいてい遅い時期です。しかも部活の引退は、最後の大会の結果が出るまで日程が確定しません。勝てば延び、負ければ翌週。準備する側からすると、いつから動けばいいのかが最後まで読めない企画です。
そのうえで卒部記念の動画は、作業量のほとんどが「編集」ではなく「素材集め」に寄っています。3年間の写真を誰が持っているのか、後輩全員のメッセージをいつ撮るのか、顧問にどう頼むのか。ここでつまずくと、編集にどれだけ時間をかけても間に合いません。
この記事では、引退式の日から逆算した6週間の段取り、写真の集め方、後輩と顧問の撮り方、全員が写る形にするための管理方法、BGMに市販曲を使うときに必要な手続き、そして引退する部員の人数分を同じ内容で用意する流れまでを、実際に手を動かせる粒度でまとめます。
準備期間が短くなる原因は日程未確定|大会の前に素材集めだけ始めれば6週間確保できる
卒部記念が間に合わなくなる理由ははっきりしています。引退式の日程が、最後の大会の結果で決まるからです。勝ち進めば引退は先に延び、初戦で敗退すればその翌週に引退式ということもあります。つまり「日程が決まってから動き出す」という進め方をしている限り、どのルートを通っても準備期間は1週間から2週間しか残りません。
ここを外す方法はひとつです。大会の結果を待たずに、素材集めと撮影だけを先に始めておく こと。写真の収集も後輩メッセージの撮影も、引退の日程が確定していなくても進められます。日程確定後に回すのは編集の仕上げと発注だけにすれば、実質の準備期間は6週間まで広がります。負けて翌週が引退式になっても、素材が手元にあれば形になります。
引退式の日を起点にした逆算の目安は次のとおりです。
時期
やること
止まりやすい点
6週間前
企画を決める・写真の収集ルートを確保する
誰に頼むかが決まらない
5〜4週間前
写真を集める・後輩のメッセージを撮る
部活の都合で全員が揃わない
3週間前
顧問・コーチの一言を撮る
顧問の空き時間が取れない
2週間前
編集・テロップ入れ・BGM決定
写真の抜けがここで発覚する
10日前
3年生以外のメンバーで通し確認
名前の誤字・出演の偏り
1週間前
書き出して入稿・発注
ファイルサイズと共有URLの設定
この表で一番重いのは編集ではなく素材集めです。後輩が20人いれば、部活の日程を縫って全員のメッセージを撮り終えるまでに2週間かかることは珍しくありません。テスト期間が挟まればさらに延びます。逆に編集そのものは、素材が揃っていれば2日から3日で形になります。時間を確保すべき場所を間違えないでください。
納期側にも余裕の作り方があります。ディスクメーカーの場合、通常便のほかに、お急ぎ(プラス1,500円・15時までの注文と入稿で翌々日までに発送)、特急(プラス3,000円・15時までの注文と入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(プラス3,500円・平日12時までの注文と入稿で、大阪市北区の店舗で受け取り)が選べます。ただしこれはいずれも編集が終わっている前提の話です。編集が終わっていなければどの納期オプションも使えません。納期の考え方はDVDを急いで作るときの締切と逆算 で整理しています。
3年間の写真は本人以外の4ルートにある|サプライズなら保護者と顧問から集める
3年間分の写真を一番多く持っているのは、たいていの場合3年生本人です。ところが卒部記念をサプライズにするなら、本人に頼むという選択肢が最初から消えます。ここで手が止まる企画が多い。
本人以外に写真が残っているのは、おおむね次の4ルートです。
保護者 。大会や発表会の写真を最も多く撮っているのは保護者です。応援に来ている親ほど枚数を持っています。保護者会のグループがあるなら、そこに1本お願いを流すのが最短です。
顧問・コーチ 。合宿や遠征、練習風景など、保護者が入れない場面の写真を持っています。1年生の頃の写真はここにしか残っていないことが多いです。
学校の広報担当 。学校だより、ホームページ、部活紹介のために撮られた写真が保管されています。入部式や新歓の写真はここが強い。担当の先生に用途を伝えて相談してください。
卒業した先輩 。今の3年生が1年生だったとき、一緒に活動していたのは当時の3年生です。2年前の写真はこのルートが確実です。
集め方はGoogleドライブの共有フォルダに一本化する
写真の受け取り方で結果が変わります。LINEで送ってもらうと、送る側の画質の設定によっては画像が小さく縮められ、大きく表示したときに粗くなります。共有フォルダを1つ作り、そこに元データを直接置いてもらってください。Googleドライブなら、フォルダの共有設定を「リンクを知っている全員」かつ権限を「編集者」にすれば、リンクを渡すだけでアップロードしてもらえます。ただしアップロードする側にはGoogleアカウントが必要なので、保護者向けにはその一言を添えてください。
ファイル名は「日付_場面_提供者」の形にそろえてもらうと、あとで年代順に並べるのが一気に楽になります。たとえば「20240612_府大会_田中」。これをお願いするかしないかで、編集の初日が半日変わります。
締切は日付ではなく時刻まで書く
「今月中にお願いします」では集まりません。「9月20日の21時まで」と時刻まで指定し、締切の3日前に一度リマインドを送ってください。あわせて、集めたい場面を具体的に挙げておくと質が上がります。「大会の写真」だけを頼むとレギュラーの写真ばかりが集まります。練習中、移動中、食事、片付け、雨で中止になった日。こうした日常の写真が入ると、動画の印象が変わります。
後輩のメッセージは1人30秒・横向き・1メートル|20人でも10分に収まる
メッセージ動画で失敗する原因は、内容ではなく撮り方です。長さ、向き、距離。この3つを最初に決めておけば、編集の負担が半分になります。
1人30秒に区切る
後輩が20人いれば、1人30秒でも合計10分です。ここに写真のスライドショーと顧問の一言が加わると、全体は15分から20分になります。引退式の限られた時間で流すことを考えると、ここが上限だと考えてください。時間を決めずに撮ると1人2分になり、20人で40分の素材ができあがって、結局カットする作業が発生します。最初から30秒で切るほうが早い。
台本は3文で用意します。「〇〇先輩へ」という呼びかけ、具体的なエピソードを1つ、そしてこれからの一言。エピソードを1つ入れるよう指定するのが要点です。指定しないと全員が「3年間ありがとうございました」で終わり、20人分が同じ内容になります。
横向きで、話し手から1メートル
スマホを縦に構えて撮った動画は、テレビで再生すると左右に大きな黒帯が入ります。ディスクにする映像は16対9か4対3の横長なので、撮影時に横で構えてください。これは撮り直しがきかない部分です。
距離は1メートルから1.5メートル。スマホの内蔵マイクは離れるほど周囲の音を拾うので、3メートル離れて撮ると声が埋もれます。撮影場所は、屋外のグラウンドより部室や更衣室のような狭い部屋のほうが声がきれいに録れます。体育館は音が反響し、屋外は風切り音が入ります。窓を背にして撮ると顔が暗くなるので、窓は撮影者側に置いてください。
撮影担当は1人に固定する
画角と距離と音量をそろえるために、撮る人を1人に決めます。全員が自分のスマホで撮ると、明るさも音量もばらばらになり、編集で1本ずつ調整する羽目になります。1台のスマホで全員分を撮れば、この作業がまるごと消えます。撮り直しは3回までと決めておくと、時間内に終わります。
iPhoneで撮る場合は、設定アプリのカメラからフォーマットを開き、「互換性優先」に切り替えておくと、記録形式がH.264になり編集ソフトで扱いやすくなります。撮影が始まってからでは変えられないので、初日の前に済ませてください。
顧問とコーチの一言は最後に撮る|後輩の映像を見せてから頼むと内容が変わる
顧問やコーチへの依頼は、後輩全員の撮影が終わってから最後に回してください。理由は単純で、後輩の映像を先に見せられるからです。「こういうものを作っています」と実際の素材を見せて頼むのと、企画段階で口頭で頼むのとでは、返ってくる言葉の密度が変わります。
依頼するときは、次の3点を先に伝えておくと当日が早く終わります。
長さは1分から2分であること
3年生の名前を全員呼んでほしい こと
撮影にかかる時間はセッティング込みで15分程度であること
名前を全員呼んでもらう依頼は、あとで効いてきます。後輩のメッセージはどうしても関わりの深い先輩に偏るので、顧問の言葉が全員の名前をカバーする保険になります。
全員が1回は名前か顔で出る形にする
卒部記念で最も気をつけるべきなのは、出演の偏りです。試合の写真を中心に構成すると、レギュラーばかりが映ります。マネージャー、途中でけがをして離脱した部員、途中入部した部員、大会に出られなかった部員。この人たちが1秒も映らない動画を引退式で流すと、その場の空気が重くなります。
防ぐ方法は、感覚に頼らず表で管理することです。3年生の名前を縦に並べ、横に「写真での登場回数」「メッセージで名前を呼ばれた回数」の2列を作ります。編集が終わった時点で通しで1回見ながらカウントし、ゼロの人がいないかを確認してください。手作業ですが、これが一番確実です。
それでも埋まらない場合の保険が2つあります。ひとつは、練習や日常の写真を意識的に増やすこと。試合以外の場面には全員が写っています。もうひとつは、最後に3年生全員の名前を五十音順でテロップで出すセクションを設けることです。名前の漢字は、部の名簿ではなく本人の記名があるものと突き合わせて確認してください。誤字は一度ディスクにすると直せません。
BGMに市販曲を使うなら手続きが要る|学校行事の記念ディスクは著作権法35条の対象外
ここは見落とされやすく、後から直せない部分なので先に書きます。
JASRACが学校向けに公表している資料には、学校行事の記念のために生徒などにCD・DVDを配布することは「授業の過程における使用ではないため、著作権法第35条の権利制限には該当しません」 と明記されています。つまり、授業で使うなら手続きが不要という35条の例外は、記念ディスクには使えません。同じ資料では、JASRACの管理作品を収録する場合、学校または制作事業者が許諾を得る必要があり、許諾を得ていない場合は学校側が法的責任を負うこともある、と注意が示されています。
あわせて、演奏そのものが無許諾で行える場合でも録画は別だという整理も示されています。JASRACの学校向けページでは、営利目的でなく入場料を取らず出演者に報酬を払わない催しでの演奏は著作権法38条により手続き不要とされる一方で、その演奏を録音・録画する場合は手続きが必要だと書かれています。文化祭の演奏がセーフでも、それをディスクに焼いて配る行為は別に扱われるということです。
さらに、市販のCDの音源をそのまま使う場合は、JASRACの許諾に加えてレコード会社などの著作隣接権の許諾が別途必要になります。JASRACの手続きだけでは足りません。
現実的な選択肢は3つ
著作権フリーのBGMを使う 。手続きそのものが発生しません。利用規約で「商用利用の可否」「編集・改変の可否」「クレジット表記の要否」の3点を確認し、規約のページを保存しておいてください。無料配布のフリー素材でも、条件は素材ごとに違います。
手続きを踏む 。JASRACは作品検索のJ-WIDで管理状況を確認し、オンラインのJ-RAPPから申し込む流れを案内しています。書類での手続きは通知までに1週間以上かかるとされているので、日程が読めない引退式の準備とは相性がよくありません。
制作を依頼する事業者側の契約を確認する 。JASRACは、学校行事を収録して生徒に配布するディスクの製作について利用許諾契約を締結している事業者の一覧を公表しています。外部に依頼する場合は、依頼先が契約締結事業者かどうかを事前に確認してください。
もうひとつ。完成した動画をSNSや動画サイトに上げるのは、ディスクを配ることとはまた別の扱いになります。記念ディスクとして配る前提で作ったものを、そのままネットに公開しないでください。
DVDにするとテロップの高さは約44%になる|書き出しは1080pのMP4で
編集が終わったら書き出しです。制作を依頼する場合、渡すのは編集ソフトのプロジェクトファイルではなく、書き出した完成データ1本です。
設定の目安は、MP4形式、映像はH.264、解像度1920×1080、フレームレートは撮影時と同じ(30fpsで撮ったなら30fps)。この組み合わせが最も扱いやすく、ほとんどの編集ソフトで標準的に選べます。形式の違いについてはMP4・MOV・AVIの違いと選び方 にまとめがあります。
テロップは1080pの見た目より大きく作る
ここが実際に一番失敗する点です。DVD-Videoの解像度は720×480です。1080で作った映像をDVDにすると、縦方向は1080から480になります。480÷1080で約0.44、つまり文字の高さは約44%になる という計算です。編集画面で高さ40ピクセルに見えていた文字は、DVDでは18ピクセル相当まで縮みます。パソコンの画面ではきれいに読めていた名前のテロップが、テレビで再生すると潰れて読めない、という事故はここから起きます。
対策は2つ。文字サイズを1080pの画面上で画面の高さの4%以上(1080なら44ピクセル以上)を目安に取ること。そして、細い明朝体ではなく太めのゴシック体を使い、文字に縁取りか影を付けることです。背景が写真の場合、白文字だけでは背景に溶けます。
あわせて、テレビは画面の端が少し切れて表示されることがあります。テロップは画面の端から5%ほど内側に収めてください。ぎりぎりまで寄せた名前は、テレビでは切れます。
DVDにするかブルーレイにするかは配る相手で決める
画質だけを見ればブルーレイが上です。解像度は1920×1080なので約207万画素、DVDの720×480は約35万画素で、6倍近い差があります。DVDとブルーレイの違い で画質・容量・再生環境を比較しています。
ただし卒部記念で優先すべきは画質より「配る全員が再生できるか」です。3年生15人の家庭にブルーレイ対応の機器があるかどうかは、こちらでは分かりません。判断がつかない場合はDVDを選ぶか、部の記録保存用だけをブルーレイにして配布分はDVDにする、という分け方が現実的です。
尺は15分から20分に収めてください。引退式の進行時間に収まりますし、長すぎると受け取った側も最後まで見なくなります。
当日の上映と配布は分ける|上映はパソコン直結、ディスクは渡すだけにする
引退式の当日、配布用のディスクをその場で再生して上映しようとしないでください。ここで事故が起きます。
体育館や多目的室にあるプレーヤーは学校の備品で、いつから使われているか、どんな状態かが分かりません。リハーサルの時間もたいてい取れません。式が始まってから再生できないと分かっても、その場では何もできません。
確実なのは、上映はパソコンとプロジェクターをHDMIで直結して行い、ディスクは配布専用と割り切る やり方です。パソコンで動画ファイルを直接再生すれば、ディスクの読み込みという工程がまるごと消えます。念のため、同じ動画をUSBメモリにも入れて持っていってください。パソコンが起動しない場合の代替になります。
当日までに確認しておくこと
プロジェクターと持ち込むパソコンの接続端子が合うか。最近のノートパソコンはHDMI端子がない機種があるので、変換アダプタの要否を先に確認してください。
音をどこから出すか。プロジェクター内蔵のスピーカーは体育館では聞こえません。外部スピーカーにパソコンのイヤホン端子から接続する構成を用意してください。
会場の明るさ。昼間の体育館は明るく、暗幕がないと画面がほぼ見えません。
同じ機材・同じ場所で、一度通しで再生しておくこと。音量の確認まで含めて15分あれば済みます。
配布したディスクが各家庭で再生できるかは、また別の話になります。ディスクの種類や記録形式によって再生できる機器が変わるので、家庭用プレーヤーの互換性 を渡す前に一度読んでおくと、後から質問が来たときに答えられます。
人数分を同じ内容で用意する|必要枚数は3年生+顧問+部の保管用+予備2枚
最後に発注です。卒部記念は、引退する部員の人数分を同じ内容で用意する場面です。ここで枚数を数え間違えると、当日に足りません。
枚数の内訳は、3年生の人数、顧問とコーチの人数、部の保管用1枚、予備2枚。3年生が15人で顧問1人・コーチ1人なら、15+2+1+2で20枚です。予備を入れておくのは、当日に渡し漏れが出たときと、後から「もう1枚ほしい」と言われたときのためです。追加で1枚だけ作り直すより、最初に足しておくほうが安く済みます。
内容は全員同じにする
「1人ずつメッセージを変えたい」という案は毎回出ますが、おすすめしません。15人分の別データを作ると、確認作業も15回になり、渡し間違いという新しい事故が生まれます。個別性はメッセージカードや寄せ書きで出して、ディスクの中身は全員同じにしてください。カードなら当日の朝でも書けます。
入稿は共有URLで渡す
書き出した動画ファイルは、メール添付では送れないサイズになります。ダウンロードできる共有URLを作って渡す形が基本です。ディスクメーカーの場合、ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorage など、ダウンロードできる共有URLであれば入稿に使えます。手順はギガファイル便での入稿ガイド にまとめてあります。アップロードしたら、保存期間を長めに設定し、自分の別の端末で一度ダウンロードできるか確かめてから連絡してください。リンクの共有設定が「自分だけ」になっていて開けない、という行き違いが一番多いパターンです。
盤面とケースまで含めて考える
ディスクメーカーでは、基本料金(DVD・1枚あたり)は1,500円(税抜)で、1枚から注文できます。再生できる形に組み立てるオーサリングは料金に含まれています。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも対応しています。
チャプターは「入部の頃」「日々の練習」「大会」「後輩から」「顧問から」といった区切りで切っておくと、受け取った側があとから見返しやすくなります。盤面には部活名と年度を入れておいてください。何年か経ってから棚で見つけたときに、何のディスクか分かります。
部費から出す場合は、領収書の宛名をどうするかを発注前に確認しておくと、後の会計処理でもめません。
よくある質問
Q. 卒部記念の動画は何分くらいがちょうどいいですか
A. 15分から20分を目安にしてください。後輩のメッセージを1人30秒で20人分入れると10分、これに3年間の写真のスライドショーと顧問の一言が加わると、ちょうどこの長さになります。引退式は進行が詰まっていることが多く、それ以上長いと上映枠に収まりません。また受け取った側も、30分を超えると最後まで見なくなります。素材が多すぎる場合は、映像を削るより1人あたりの秒数を25秒に詰めるほうがバランスが崩れません。
Q. 準備はいつから始めればいいですか
A. 引退式の日程が決まるのを待たず、最後の大会の前から素材集めだけ始めてください。引退の日は大会の結果で決まるため、確定してから動くとどうしても1週間から2週間しか残りません。写真の収集と後輩メッセージの撮影は日程が未確定でも進められます。編集と発注だけを日程確定後に回せば、実質6週間の準備期間が取れます。逆算の目安は、6週間前に企画と収集ルートの確保、5週から4週間前に写真集めと撮影、3週間前に顧問の撮影、2週間前に編集、1週間前に入稿です。
Q. 市販のJ-POPをBGMに使ってもいいですか
A. 手続きが必要です。JASRACは学校向けの資料で、学校行事の記念のためにCD・DVDを生徒などに配布することは授業の過程における使用ではないため、著作権法35条の権利制限には該当しないと明記しています。演奏そのものが38条で手続き不要になる場合でも、録音・録画には別途手続きが必要とされています。さらに市販CDの音源をそのまま使う場合は、レコード会社などの著作隣接権の許諾も別に必要になります。日程が読めない引退式の準備では、著作権フリーのBGMを使うほうが現実的です。
Q. 3年生に内緒で写真を集めるにはどうすればいいですか
A. 本人以外の4ルートから集めます。保護者は大会や発表会の写真を最も多く持っています。顧問やコーチは合宿や練習など保護者が入れない場面の写真を持っています。学校の広報担当は学校だよりやホームページ用に撮った入部式や新歓の写真を保管しています。そして2年前の写真は、当時3年生だった卒業した先輩が持っています。Googleドライブの共有フォルダを1つ作り、リンクを知っている全員を編集者にして、そこへ元データを直接置いてもらう形にすると集まりやすくなります。
Q. スマホで撮った縦向きの動画はそのまま使えますか
A. 使えますが、テレビで再生すると左右に大きな黒帯が入ります。ディスクにする映像は16対9か4対3の横長が前提なので、縦で撮った映像は中央に細く表示されます。撮影の段階でスマホを横に構えてもらうのが最も確実です。すでに縦で撮ってしまった素材については、編集で背景をぼかして敷く、複数人の縦動画を横に2本並べる、といった処理で見栄えを整えられます。これから撮る分については、撮影担当を1人に固定して横向きで統一してください。
Q. DVDとブルーレイのどちらで作るべきですか
A. 配る全員が再生できるかで決めてください。画質はブルーレイが上で、1920×1080の約207万画素に対しDVDは720×480の約35万画素と6倍近い差があります。ただし卒部記念は人数分を配るものなので、受け取る家庭にブルーレイ対応の機器があるかどうかが判断の軸になります。分からない場合はDVDを選ぶか、部の記録保存用だけをブルーレイにして配布分はDVDにする分け方が現実的です。なおDVDにすると解像度が下がる分、テロップの文字は大きめに作ってください。
Q. 引退式の当日に上映と配布を両方やっても大丈夫ですか
A. 上映と配布は分けて考えてください。配布用のディスクをその場で再生して上映するのは避けたほうがよいです。会場のプレーヤーは学校の備品で状態が分からず、リハーサルの時間も取りにくいためです。上映はパソコンとプロジェクターをHDMIで直結し、動画ファイルを直接再生する形にすると、ディスクの読み込みという工程がなくなります。念のため同じ動画を入れたUSBメモリも用意してください。音はプロジェクター内蔵スピーカーでは体育館に届かないので、外部スピーカーを準備します。
Q. テロップの文字サイズはどれくらいにすればいいですか
A. 1920×1080の編集画面で、画面の高さの4%以上、つまり44ピクセル以上を目安にしてください。DVDの解像度は720×480なので、縦方向は1080から480に落ちます。480÷1080で約0.44、文字の高さはおよそ44%まで縮む計算です。編集画面で高さ40ピクセルに見えていた文字は、DVDでは18ピクセル相当になり読みにくくなります。細い明朝体ではなく太めのゴシック体を使い、縁取りか影を付けてください。またテレビは画面の端が切れることがあるので、テロップは端から5%ほど内側に収めます。