この記事の要点
- 誰が撮るか、生徒がスマホやタブレットを持って行けるか、撮った写真と動画をどう扱うか(SNSに載せてよいかなど)は、学校が決めることです。修学旅行・林間学校のムービーは、この決まりを確かめてから始めます。
- 撮る場面と撮る人は、旅程表から決めます。全員がそろう場面は先生や撮影係の生徒が撮り、班ごとに動く時間は、班に1台の端末と撮る係を置いて、撮ってほしい場面を紙で渡します。
- 写真と動画は、旅行中のその日の夜に集めます。「1日目_3班」のように日と班で名前をそろえ、ノートパソコンと外付けのドライブなど2か所に置きます。
- ムービーは時系列に沿って組み、班ごとの場面は同じ長さにそろえます。長さは上映できる時間から決め、「班の数×1班の秒数」のように逆に数えます。
- 上映と配布の前に、写る生徒の了解と曲の扱いを確かめます。曲は、会場で流すのと、ディスクにして配るのとで扱いが違います。DVDは1枚目を何台かの機器で試してから枚数をそろえ、元の動画は2か所に残します。
修学旅行や林間学校、自然学校のような宿泊行事には、何日にもわたって、班ごとに別の場所で過ごす時間があります。撮影係の生徒や引率の先生が1人で回っても、全部の班は撮れません。帰ってから「ムービーにして学年で見たい」「DVDにして配ってほしい」と頼まれても、素材が誰の端末にあるのかを探すところから始めることになります。
誰が撮るか、生徒がスマホやタブレットを持って行けるかは、学校が決めることです。ムービーを作るなら、まずこの決まりを確かめます。撮る場面と撮る人は、しおりの旅程表から拾って分担し、班ごとに動く時間は班の中に撮る係を置きます。写真と動画は、旅行中のその日の夜に集めます。
修学旅行・林間学校のムービーの作り方の流れ|日帰りの行事と違うところ
| 時期 |
すること |
| 出発の前 |
学校の決まりを 確かめる。撮る場面と 撮る人、班の係、 集め方を決める。 |
| 旅行中 |
決めた人が、 決めた場面を撮る。 その日の夜に集めて、 2か所に置く。 |
| 帰ってから |
時系列と班ごとの 場面でつなぐ。 写る生徒と曲の 扱いを確かめる。 |
| 上映の前 |
会場の機器で 最後まで流す。 |
| 配るとき |
1枚目を何台かの 機器で試してから 枚数をそろえる。 元の動画を残す。 |
運動会や文化祭のように1日で終わり、全員が同じ場所にいる行事なら、撮る人が会場を回れば、主な場面は押さえられます。宿泊行事では、次の点が違います。
- 班ごとに別の場所で動く時間があり、1人では全部の班を撮れない
- 引率の先生には、撮るより先に生徒の安全を見る役目がある
- 宿の部屋や夜の時間のように、撮ってよいかを先に決めておく場面がある
- 生徒がスマホやタブレットを持って行けるかが、学校ごとに違う
- 何日分もの素材が、何台もの端末に分かれてたまる
このため、宿泊行事のムービーは、撮り方より先に「誰が、どの端末で、何を撮り、いつ集めるか」を決めておくと進めやすくなります。
中学校の学習指導要領は、学校行事の一つに「旅行・集団宿泊的行事」を挙げています(小学校は「遠足・集団宿泊的行事」)。その解説は、修学旅行、移動教室、集団宿泊、野外活動などを例に、事前の学習や、事後のまとめや発表を工夫するよう書いています。学年で見返すムービーは、この事後のまとめの一つとして作ることもできます。
宿泊行事は1人で全部の班を撮れない。誰が何を撮るかを先に決める
まず学校の決まりを確かめる|撮る人・スマホやタブレットの持ち込み・SNS
誰が撮るか、生徒がスマホやタブレットを持って行けるか、どこで使ってよいか、撮った写真と動画をどう扱うかは、学校が決めることです。決まりは学校ごとに違い、前の年と同じとは限りません。しおりや持ち物の案内に目を通し、書かれていないことは学校に確かめます。
- 誰が撮るか。先生、撮影係の生徒、班の係、同行する写真業者
- 生徒のスマホやタブレットを持って行けるか。使ってよい時間と場所
- 学校のタブレットやデジタルカメラを、班に持たせられるか
- 撮らない場面。宿の部屋、入浴や着替えの前後、見学先で撮影が禁止されている場所
- 撮った写真と動画を、SNSや動画サイト、クラスのグループに載せてよいか
- ムービーを誰に見せ、誰に配るか。元の動画を誰が持つか
保護者の係やPTAがムービーを作る場合は、学校が撮った写真や動画を使ってよいか、どこまで使ってよいかも学校に確かめます。中学校の学習指導要領の解説は、旅行・集団宿泊的行事について、事前に保護者にも必要事項を知らせておくよう書いています。撮影と、ムービーを上映・配布する予定も、そのときの案内に入れて知らせておけば、写ることを避けたい事情のある家庭の意向を早めに聞けます。
撮る場面と撮る人の分担は、旅程表から決める
撮る場面は、しおりの旅程表から拾います。旅程の1行ごとに「何を撮るか」「誰が撮るか」を書き足すと、誰も撮っていない時間が見えてきます。分け方の一例です。
| 旅程 |
撮る場面と 撮る人の例 |
| 集合・出発 |
集まる様子と 出発式。 先生か記録係。 |
| 移動 |
乗り物の中の様子。 決まりの範囲で 班の係。 |
| 見学・体験 |
説明を聞く場面と、 体験している場面。 記録係。 |
| 班ごとの行動 |
班ごとの場面。 班の係が、 班に1台の端末で。 |
| 食事 |
全体の様子と、 班ごとの様子。 |
| 夜の活動 |
キャンプファイヤーや 学年の集会など。 先生か記録係。 |
| 宿の部屋 |
学校の決まりの 範囲だけ。 |
| 帰着・解散 |
解散式と、 帰りの様子。 |
班ごとに動く時間は、撮影係が1つの班にしか付いていけないので、班の中に撮る係を置きます。場面ごとに撮る人を1人に決めておくと、同じ場面ばかりが集まらず、帰ってから選ぶ手間も減ります。
引率の先生は、全員がそろう場面だけ撮る
引率の先生の役目は、撮るより先に、生徒の安全を見ることです。中学校の学習指導要領の解説も、旅行・集団宿泊的行事について、事故防止のための万全な配慮と、不測の事態に備えた学校との連絡体制を求めています。先生に頼むのは、出発式や全体の集合のように、全員がそろって動きの少ない数分間に絞ります。けがや体調を崩した生徒がいれば撮影はすぐにやめる、と最初に決めておきます。
同じ解説は、生徒の役割分担や、生徒どうしの協力の充実を図るようにも書いています。撮影係や班の係は、この役割の一つとして決められます。同行する写真業者がいるなら、業者と係で撮る場面を分けておきます。業者の写真をムービーに入れるなら、写真も著作物(著作権法第10条)なので、撮った側の利用の条件を確かめます。
見学先で撮ってよいかは、施設の公式の案内で確かめる
寺社や博物館、テーマパークで撮ってよいかは、施設ごとに決まっています。たとえば東京国立博物館の案内では、東博コレクション展(平常展)は個人利用にかぎって写真と動画を撮れますが、撮影禁止マークのついた作品は撮れず、特別展の会場は原則として撮影禁止です。フラッシュや三脚、自撮り棒は控えるよう求め、「営利目的での撮影および写真・動画の複製・配布は固くお断りいたします」とも書かれています。
東大寺の案内によれば、参拝経路での記念撮影は自由で、堂内で撮影できるのは大仏殿だけです。ほかの見学先の決まりは、行く先の公式の案内で確かめ、書かれていなければ施設に問い合わせます。撮ってよい場所で撮った映像でも、ムービーに入れて上映したり、DVDにして配ったりしてよいかは、別に確かめておきます。
班に1台、撮る係を置く|頼む場面と端末の準備
班ごとに動く時間は、班の中に撮る係を置き、班に1台の端末で撮ってもらいます。端末は、学校のタブレットやデジタルカメラか、学校の決まりで持ち込みが認められた生徒のスマホです。係を同じ生徒に任せきりにすると、その生徒がほとんど写らないので、日ごとに交代する方法もあります。
係には、撮ってほしい場面を紙1枚に書いて渡します。数を絞っておくと、係も迷わずに撮れます。
- 班の全員が写る場面を1つ
- 見学先の名前が分かる場面(撮ってよい場所で)
- 食事の様子
- 班で選んだ「今日の一場面」
撮り方は、次の3つだけ伝えます。
- スマホやタブレットは横に構える
- 1本を長く回さず、場面ごとに短く撮る
- 話している場面は、話の区切りまで撮る
縦に構えて撮った動画(9:16)を横長(16:9)の画面に形を崩さずに収めると、映像の幅は画面の約3分の1になり、左右は黒い帯になります(計算上)。
縦に撮ると、横長の画面では幅が約3分の1(計算上)。横に構えて撮る
充電と空き容量は、撮る長さから見積もる
端末の空き容量は、撮る長さから見積もります。iPhoneの設定画面の目安では、1080p/30fpsの動画は1分あたり約65MB(「高効率」で「HDRビデオ」がオンのとき)、「互換性優先」なら約130MBです。1つの班が1日に10分撮るなら、1台で約650MB。8つの班が3日撮れば、計算上は合わせて約15.6GBになります。学校のタブレットやデジタルカメラは機種で違うので、その端末の説明書や設定の画面で確かめ、デジタルカメラは日付と時刻の設定も見ておきます。
iPhoneは、対応するモデルなら「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」の「手ぶれ補正(拡張)」が初めからオンです(Apple)。DVDにするつもりなら、同じ画面の「HDRビデオ」(モデルによっては「HDR」)をオフにして撮る方法もあります。DVDとふつうのブルーレイにはHDRを収める仕組みがなく、明るさや色の見え方が変わることがあるからです。スマホの撮り方と書き出しは、旅行動画の編集とまとめ方|スマホで短く作る手順と、テレビで見られる残し方にまとめました。
林間学校・宿泊行事の写真と動画は、その日の夜に集める
写真と動画を集めるのは、帰ってからではなく、旅行中のその日の夜です。何日分もの素材が何台もの端末に残ったまま帰ると、誰の端末にどの班のどの日の分があるかを、あとから一つずつ探すことになります。その日のうちに集めておけば、撮れていない場面に気づいて、翌日の係に頼み直すこともできます。
- 集める人と時間を決める(夕食のあとや、夜の集合の時間など)
- 集め方を1つに決める。学校のノートパソコンに取り込む、デジタルカメラのSDカードを預かる、学校が使っているクラウドに上げる、など。宿でインターネットを使えるかは、出発前に確かめておく
- 日と班でフォルダを分け、「1日目_3班」のように名前をそろえる
- 取り込んだら、外付けのドライブなど、もう1か所にも写す
- 2か所に写ったのを確かめてから、端末の空きを作る
- 撮れていない場面を書き留め、翌日の係に伝える
iPhoneから取り込むときは、元の画質のまま移せる方法を選びます。写真アプリで動画を選び、共有ボタン>「未編集のオリジナルを書き出す」とタップすれば、つないだUSBドライブや外付けのSSDに保存できます。AirDropで送るなら、「オプション」の「すべての写真データ」をオンにしてから送ると、元のフォーマットのまま届きます(Apple)。
並べる順は、ファイルの日付に頼りきらないほうが安全です。Google フォトからダウンロードした動画には、ダウンロードした時刻が新しい日時として付くことがある、とGoogleは説明しています。フォルダの名前で日と班を分けておけば、ファイルの日付がずれても並べ直せます。
日と班でフォルダを分けておけば、ファイルの日付がずれても並べ直せる
帰ってから生徒や保護者のスマホの分を集めるなら
学校の決まりで生徒のスマホを使った場合や、保護者が撮った分を集める場合は、記録用に出してよいものを本人に選んでもらい、元のファイルのまま届く方法で送ってもらいます。LINEのトークで受け取った動画は、元のファイルと同じとは限りません。メールには添付できる大きさに上限があり、個人のGmailでは25MBなので、動画はギガファイル便のような転送サービスのURLで受け取ります。
ギガファイル便の保持期限は、何も変えなければ5日で、アップロードしたあとでは延ばせません。締め切りの決め方は複数人から動画を集める方法|締切・形式・容量をそろえる進め方に、送り方はメールで動画が送れない原因と送る方法|Gmail・Outlook・iPhoneに書きました。
修学旅行の動画の編集|時系列に沿って組み、班ごとの場面は同じ長さで
構成は、旅の順(時系列)に沿って組むと、見る人に流れがそのまま伝わります。日ごとの並びを同じにしておけば、班によって素材の量が違っても組み立てやすくなります。
| 場面 |
入れるもの |
| オープニング |
学校名・学年・ 行事名と日付の題。 行き先の景色。 |
| 出発 |
集合と出発式、 移動の様子。 |
1日目から 最終日 |
日ごとに、全員が そろう場面、 班ごとの場面、 夜の活動の順。 |
| 班ごとの場面 |
班の数だけ、 同じ長さで並べる。 |
| 帰着 |
帰りの移動と 解散式。 |
| エンディング |
全体の集合写真と、 お世話になった方への お礼の文字。 |
長さに決まりはありません。学年集会などで流すなら、使える時間を先に確かめ、その中で決めます。長さが決まったら、班ごとの場面から逆に数えます。8つの班を1班30秒で見せるなら4分。全体を10分にするなら、残りの6分を日ごとの場面に割り、3日なら1日2分です。
長さは上映できる時間から決め、班ごとの場面を先に取って残りを日に割る
見る生徒は、まず自分の班と自分が写る場面を探します。班ごとの場面は同じ長さにそろえ、名簿の横に写った回数を書き込んでいくと、クラスや生徒ごとの偏りに気づけます。素材の少ない班は、記録係やほかの班が撮った全体の場面から、その班が写っているところを探して補います。
編集アプリと書き出し
編集は、手元のアプリで足ります。iPhoneは無料のiMovie、AndroidはGoogle フォトの「ハイライト動画」、Windows 11なら最初から入っているMicrosoftのClipchampで、何本もの動画をつなげます。Clipchampは、無料のアカウントでも1080pまで書き出せます。
上映にもDVDにも使うなら、1080pで書き出します。iPhoneのiMovieでは、HDRのビデオが入っていると書き出しの「HDR」が初めからオンになるので、オフにします(Apple)。書き出したら、編集の画面ではなく、書き出したファイルを最初から最後まで再生して、名前や日付の誤字、動画の向き、場面が変わるところの音の大きさを確かめます。
上映や配布の前に、写る生徒の了解と曲の扱いを確かめる
写る生徒の了解
生徒が写っていて誰か分かる写真や動画は、個人情報にあたります。個人情報保護委員会のガイドラインは、本人が判別できる映像を個人情報の例に挙げています。
委員会のQ&Aは、会社の行事で撮った写真を社内で展示する例について、プライバシーの権利や肖像権の侵害にあたる場合もあると注意しています。そのうえで望ましいとしているのが、展示の期間を限る、不特定多数に渡すときは本人の同意を得る、といった取り組みです。学年で上映するのか、家庭に配るのか、使い道と範囲を決めて知らせ、写っている家庭の了解を得ておくと安心です。
保護者の係やPTAが、学校が撮った写真や動画を借りて作るなら、渡してよいかを決めるのは学校です。委員会のQ&Aも、PTAが学校から生徒などの情報を受け取る場面について、学校が第三者に渡すことは個人情報保護法の決まりに沿って適正に扱うよう求めています。
中学生・高校生なら、写る本人の気持ちも聞きます。委員会のQ&Aは、親などの法定代理人から同意を得る必要がある子どもの年齢を、個人情報の項目や事業の性質で個別に判断するものとしています。そのうえで、一般的には「12歳から15歳までの年齢以下の子ども」としています。
写ることを避けたい事情のある生徒は学校を通して確かめ、事情は聞かずに希望だけを受け取って、撮る人と編集する人にだけ伝えます。観光地でほかの人の顔が大きく写った場面は、上映する版からも配る版からも外します。同意書の作り方と文例は、園向けの記事ですが園の動画・写真を配るときの同意書|作り方と、使い道ごとに選べる文例にまとめました。
事情は聞かずに希望だけを受け取り、撮る人と編集する人にだけ伝える
曲は、会場で流すのと、ディスクにして配るのとで扱いが違う
| 使い方 |
曲の扱い |
学年集会などで 上映する |
営利目的でなく、 入場料を取らず、 出演者に報酬が なければ許諾は 要らない(第38条)。 |
先生や生徒が 授業の中で 流すために作る |
授業の例外 (第35条)に 当たるかを、 学校に確かめる。 |
保護者の係や PTAが曲を 入れて作る |
複製にあたる。 授業の例外 (第35条)も、 当日の例外 (第38条)も 使えない。 |
DVDにして 配る |
作るのが学校でも 保護者の係でも 許諾が要る。 無料で配っても 要る。 |
当日の例外(第38条)が認めるのは上演・演奏・上映・口述だけで、文化庁の著作権テキストも、この例外に「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれないと書いています。曲を動画に入れるのは録音で、著作権法では複製にあたり、無償でも複製物を公衆に渡せば頒布です(第2条)。
先生や生徒が授業の中で流すためだけに曲を入れて作るなら、第35条(学校の授業の例外)が関わります。文化庁の学校向けの冊子は、学校行事を含む特別活動を「授業」の例に挙げています。JASRACも、卒業式で上映するために市販のCDから音楽を入れて動画を作ることを、手続きの要らない例にしています。修学旅行のムービーを学年で見返す場がこれに当たるかは、学校に確かめてください。
そのムービーをDVDにして配るのは、別の扱いです。文化庁の冊子は、記念品として配る目的で、著作物が含まれる特別活動の映像を保存する場合は、授業に当たらず、著作者や著作隣接権者などの許諾が必要だとしています。
市販のCDや音楽配信の曲には、作詞者・作曲者の著作権のほか、歌手や演奏家(実演家)とレコード製作者の権利も含まれます(JASRAC)。配るDVDに入れるなら、JASRACなどの管理団体への手続きとレコード会社などの許諾を、ディスクを作る前に済ませます。調べ方と申し込み方は、学校行事の録画・DVD配布と著作権|運動会・合唱・卒業式でよくある質問にまとめました。手続きをしないなら、配る版は次のどれかにします。
- 曲を入れずに作る
- 利用規約で動画に入れて配ることが認められた音源を使う
- 旅先で録った声や音を生かす
上映の前に、会場の機器で最後まで流す
上映する場所が体育館か、視聴覚室か、教室かで、使える機器が変わります。上映の日が決まったら、会場の機器を早めに確かめます。
- 映す機器。プロジェクターとスクリーンか、大きなテレビか
- 再生する機器。パソコンか、DVDプレーヤーか、ブルーレイの機器か
- つなぎ方。HDMIなどの端子と、ケーブルがあるか
- 音。パソコンやプレーヤーの音を、会場のスピーカーから出せるか
- 明るさ。カーテンや照明で、画面が見える暗さにできるか
DVDプレーヤーでは、ブルーレイは再生できません(ソニー)。会場の機器がDVDプレーヤーなら、上映用はDVDで用意します。当日は、パソコンで動画ファイルを流す方法と、同じ内容のDVDのように、再生の方法を2つ用意しておくと、1つが動かなくても上映できます。
試写は、本番と同じ機器、同じつなぎ方で最初から最後まで流し、次の点を見ます。
- 途中で止まらないか
- 音が後ろの席まで届くか
- 文字が読めるか
- 画面の端が切れていないか
会場での確かめ方は、卒団ムービーの作り方|選手紹介・構成・BGMの著作権・上映と配布の上映の節でも取り上げています。
修学旅行のDVDを配るなら|枚数と1枚目の試し方、元の動画の残し方
配るディスクは、多くの家で見られるDVDが基本です。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できませんが、ブルーレイのプレーヤーはDVDも再生できるものが多いからです(ソニー)。映像の細かさはDVDが720×480、ブルーレイが1920×1080なので、ブルーレイを再生できる機器があると分かっている家庭にだけ、希望を聞いてブルーレイも作る、という分け方ができます。
長さの心配は、あまり要りません。DVD-R(4.7GB)に無理なく入るのは、レコーダーのSPモード相当の画質(約5Mbps)で約2時間なので、数十分のムービーなら1枚に収まります。計算のしかたはDVDに何分入る?ブルーレイに何時間入る?|容量・画質別の早見表と計算式にあります。
ただし、MP4などの動画ファイルをそのままDVDに書き込んだものは、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生できません(パナソニック)。プレーヤーで見るには、動画をDVDビデオ(DVD-Video)の形に組み立ててから書き込みます。
枚数は、希望する家庭の分に、先生の分、学校で保管する分、割れた・なくしたときの予備を足して出し、DVDとブルーレイは分けて数えます。曲の手続きが要るなら、JASRACの使用料は作る枚数でも変わるので、申し込むのは予備を含めた枚数が決まってからです。
配布の希望の取り方と文例は、体育祭・運動会の映像をDVDで保護者に配布する方法|学校・PTAで決めることに載せました。配るときは、次のことを案内に書き添えます。
- ほかの生徒も写っていること
- 家庭で見る範囲で使ってほしいこと
- SNSや動画サイト、ほかのグループに載せないでほしいこと
1枚目を何台かの機器で試してから、枚数をそろえる
全部を作る前に1枚を作り、何軒かの家の機器で最初から最後まで再生してもらいます。ソニーのレコーダーの説明書は、記録済みのDVD-Rなどは、傷や汚れのほか、記録状態や記録した機器・ソフトの特性などで再生できないことがあると書いています。
DVDだけのプレーヤー、ブルーレイのレコーダー、ゲーム機など、種類の違う機器で、次の点を見ます。
- 本編が始まるか
- 止まらずに流れるか
- 音が出るか
- 文字が欠けていないか
確かめ方と、映らない家があったときの調べ方は配るDVDを、どの家のプレーヤーでも見られるように作るには|形式・ディスク・確認に詳しく書きました。
元の動画は2か所に残し、卒業記念に引き継ぐ
上映と配布が終わっても、元の動画と使った素材の一式は消さずに残します。置き場所は、学校のパソコンと外付けのドライブ、学校が使っているクラウドなどの2か所にし、誰が持つかを学年で決めておきます。生徒の端末に残った分をどうするかも、学校の決まりに合わせます。日と班で分けたフォルダのまま残しておけば、卒業記念の映像を作るときの素材としても探せます。作り方は卒業記念DVDの作り方|係の段取り・写真の集め方・曲の手続き・配り方にまとめました。
編集を終えた動画を、当社でDVD・ブルーレイにするとき
当社(ディスクメーカー)は、大阪市北区・梅田にある、DVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店で、注文は1枚から受け付けています。撮影と編集は学校や係の側で済ませていただき、当社が受け付けるのは、完成した動画のデータです。
動画はギガファイル便にアップロードし、その共有URLを注文フォームに貼っていただければ、スマホからも入稿できます。ファイルが分かれているときは、ファイル名の頭に「01_」「02_」と付けて、収める順番を指定してください。
受け取った動画はプレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、店舗でお渡しします。仕上がりはDVDが720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイが1920×1080です。
料金は、1枚目が基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)、ブルーレイなら基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円です。DVDとブルーレイの両方を作るときや、生徒用と先生用のように内容が違うときは、それぞれ1枚目から数えます。同じ内容の2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。同じ内容のDVDを40枚作るなら、税抜で40,500円です。
盤面に学校名と行事名を入れるなら盤面レーベル印刷(1枚あたり)+1,000円を選び、開いた欄に画像をアップロードするか、ギガファイル便のURLを入れます。日ごとに頭出しできるようにするなら、チャプター分け(1枚あたり)+1,500円を選び、開いた「チャプター位置の指定」の欄に、2つ目以降の区切りの位置を時刻で入れてください。1つ目は動画の冒頭に自動で入り、最大50チャプターです。
通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。15時以降のご注文は翌営業日の受付で、発送までの日数は、土日祝・休業日を除いた営業日で数えます。上映や配る日が近いときは、特急お届け(平日15時までの注文・入稿で翌日発送)などの短納期のオプションも選べます。
配る日や、配る家庭の再生機器などの希望は、注文フォームの備考欄に書いてください。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
よくある質問
Q1. 修学旅行のムービーは、何分くらいにすればいいですか?
決まりはなく、学年集会などで流せる時間から決めます。長さが決まったら、班ごとの場面から逆に数えます。8つの班を1班30秒で見せるなら4分で、全体を10分にするなら、残りの6分を日ごとの全員の場面に割ります。班ごとの長さは、そろえておきます。
Q2. 修学旅行や林間学校の撮影の係は、どう分担すればいいですか?
誰が撮るかは学校が決めます。分け方の一例は、全員がそろう場面を先生や撮影係の生徒が撮り、班ごとに動く時間は、班に1台の端末で班の中の係が撮る形です。引率の先生は生徒の安全を見るのが先なので、頼むのは動きの少ない数分間に絞ります。
Q3. 林間学校や宿泊行事の素材は、いつ、どうやって集めればいいですか?
旅行中のその日の夜に集めます。集める人と時間、集め方(学校のノートパソコンに取り込む、SDカードを預かる、学校のクラウドに上げるなど)を出発前に1つに決め、フォルダを「1日目_3班」のように日と班で分けます。取り込んだら外付けのドライブなどもう1か所に写し、2か所にあるのを確かめてから端末の空きを作ります。
Q4. 班に1台のカメラやタブレットで撮ってもらうとき、何を頼めばいいですか?
撮ってほしい場面を紙1枚に絞って渡します。たとえば、班の全員が写る場面、見学先の名前が分かる場面、食事の様子、班で選んだ今日の一場面です。撮り方は、横に構える、場面ごとに短く撮る、話は区切りまで撮る、の3つを伝えます。
Q5. 生徒が個人のスマホで撮影できないときは、どうやって素材を集めますか?
持ち込みと使い方は学校が決めることなので、その範囲で組み立てます。学校のタブレットやデジタルカメラを班に1台持たせられるなら、それで班ごとの場面を撮り、全員がそろう場面は先生や撮影係が撮ります。出発前に、充電と空き容量を確かめておきます。
Q6. 修学旅行のムービーに、市販の曲を使ってもいいですか?
使い方で扱いが変わります。営利目的でなく、入場料も出演者への報酬もない学年集会などで流すのは、第38条で許諾なしにできます。曲を動画に入れるのは複製で、先生や生徒が授業の中で流すためだけに作るなら第35条が関わるので、学校に確かめます。DVDにして配るなら、記念品として配る映像は授業に当たらず、許諾が要ると文化庁は説明しています。
Q7. 写っている生徒の了解は、どこまで取ればいいですか?
学校の決まりに沿って、上映するか、家庭に配るかという使い道と範囲を先に知らせ、写っている家庭の了解を得ておきます。誰か分かる映像は個人情報にあたります(個人情報保護委員会)。中学生・高校生なら本人の気持ちも聞き、写ることを避けたい事情のある生徒は、学校を通して希望だけを受け取って、撮る人と編集する人にだけ伝えます。
Q8. 見学先の寺社や博物館で、撮影してもいいですか?
施設ごとに決まっているので、行く先の公式の案内で確かめます。たとえば東京国立博物館は、平常展は個人利用にかぎって撮影でき、撮影禁止マークの作品と特別展の会場(原則)は撮れないとしています。東大寺は、堂内で撮影できるのは大仏殿だけとしています。配るムービーに入れてよいかも、案内で確かめます。
Q9. 修学旅行のムービーをDVDにして配るには、どうすればいいですか?
1080pで書き出した動画を、DVDビデオの形に組み立ててから書き込みます。MP4をそのまま書き込んだDVDは、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生できません(パナソニック)。曲の手続きが要るなら作る前に済ませ、1枚目を何軒かの家の機器で試してから枚数をそろえます。
参考にした公式の情報
出典の一覧(34件)を開く
アプリの画面、法律の運用、各施設の案内は変わることがあります。この記事は、2026年9月27日までに確かめた法令と各公式ページの記載、iPhoneの設定画面に出る容量の目安(iOS 18.6)をもとにしています。
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