この記事の要点
録画は「後から説明を求められるか」の一問で授業実施の証跡・教材の素・消してよい素材 の3つに分かれ、判断に3秒以上迷ったものは消してよい側へ置くと整理が止まりません。
個人アカウントが所有したままの録画は卒業や異動でアカウントごと失われる 設計が一般的なので、年度末を待たずに所有者を組織の共有ドライブへ移し替えておきます。
著作権法第35条が無許諾での利用を認めるのは「授業の過程における利用」に供する場合 で、運用指針では学校説明会の模擬授業や保護者会は「授業」に当たらないと整理されています。
授業録画に法定の保存期間は定められておらず 、学校教育法施行規則第28条の表簿5年・指導要録の学籍記録20年とは別枠なので、設置者の文書管理規程で年限を決めます。
オフラインで持つならディスク1枚=台帳1行 を守り、通し番号を盤面に印刷しておくと、数年後に「中身のわからない箱」にならずに済みます。
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年度が変わるたびに、クラウドの授業録画だけが増えていきます。誰も見返していないことは分かっている。それでも消せないのは、容量が足りないからではなく、消していい根拠を誰も持っていないからです。担当が代わればなおさら手が出せなくなり、フォルダは「触らないもの」になっていきます。
整理の基準は一つだけです。「後から説明を求められるか」で録画を分けると、授業実施の証跡・教材の素・消してよい素材の3つになります。授業録画の保存年限を直接定めた法令は見当たりません。年限は設置者の文書管理規程で決めます。
法令や制度に触れる部分は、e-Gov法令検索の条文と、授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)が公開している運用指針を確認したうえで書いています。確認できなかった数値は書いていません。
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溜まった録画は「証跡・教材の素・不要」の3つに分けると8割が手放せる 卒業・異動でアカウントが消えると録画も消えるので、個人所有のまま置かない クラウド容量の上限が来る前に、サイズ順に並べて上位1割から着手する 教材として残すなら撮り直しも選択肢|第35条は「授業の過程」の利用が前提 児童生徒が映る録画に法定の保存期間はなく、表簿の5年・20年とは別枠で決める オフラインで持つなら台帳が本体|ディスク1枚=1行、7列で足りる ディスクに書き込むときの実務|DVDは4.7GB、ブルーレイは25GBが1枚の目安 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
溜まった録画は「証跡・教材の素・不要」の3つに分けると8割が手放せる
フォルダを開いて全体を眺めるところから始めると、まず整理は進みません。一本ずつ開いて、聞くのは一問だけにします。「これを消したあとで、誰かから説明を求められる場面があるか」。この問いだけで、録画は次の3つに分かれます。
A 授業実施の証跡(残す・ただし年限を決める)
欠席者への補講に使った回、評価の根拠になる発表やプレゼンが映っている回、保護者や設置者から問い合わせが来る可能性がある回です。ここは「授業をやった証拠」として持ちます。中身の質は関係ありません。
B 教材の素(残す・ただし編集前提)
単元の導入説明、実験の手順、機器の操作デモなど、来年度も内容が変わらない部分です。通しの50分ではなく「使えるのは何分から何分まで」を控えておくと、後から役に立ちます。
C それ以外(消す)
接続テスト、録画開始を押し忘れて途中から始まっているもの、同じ内容を別クラス向けに撮った重複、音声が途切れている回。判断に3秒以上迷ったものも、ここに入れて構いません。迷ったという事実自体が「見返す動機がない」という証拠です。
1本ずつ問いにかけ、迷ったものは消す側へ寄せると整理が止まらない
作業手順としては、共有ドライブの直下に「01_証跡」「02_教材素材」「03_削除予定」の3フォルダを作り、移動させるだけです。いきなり消さずに03へ移し、フォルダ名に「2027年3月末に削除」と削除予定日を書き込んでおきます。関係者に「この中を1週間だけ確認してください」と一斉に流し、異議がなければ予定日に消します。この一週間の猶予があるだけで、削除への抵抗はかなり減ります。
ファイル名も同時に直します。20260512_2年3組_理科_光合成の導入.mp4 のように「日付_学級_教科_内容」で揃えておくと、名前順に並べるだけで年度と教科がまとまります。会議ツールが自動で付ける「〇〇のミーティング (3)」のままにしておくと、3年後に中身を判断する手段が再生しかなくなります。
卒業・異動でアカウントが消えると録画も消えるので、個人所有のまま置かない
クラウド上のファイルには所有者がいます。教員の個人アカウントで録画したファイルは、フォルダを共有していても所有者はその個人のままであることが多く、アカウントを削除すれば所有物として一緒に失われる設計が一般的です。3月末に卒業生と転出者のアカウントを一括で整理した結果、共有されていたはずの録画が同時に消える、ということがこの構造から起こります。
回避策は難しくありませんが、「共有し直す」では足りません。必要なのは所有者そのものの移動です。
組織が所有するドライブ(Google Workspaceの共有ドライブ、Microsoft 365のチームサイトのドキュメントライブラリなど)を先に用意する
個人領域にある録画を、そこへ「移動」する。ショートカットやリンクの作成では実体は移らない
移動後に、元の個人領域に残っていないかを確認する(コピーになっていることがある)
退職・異動したアカウントは即削除せず、1年間は停止状態で置くルールを文書化する
会議ツール側に置いたままのクラウド録画も同じ性質を持ちます。保存期間の上限や容量のポリシーは提供側の都合で改定されることがあり、学校側からは制御できません。授業録画を長期に持つつもりなら、ツールのクラウドを保管庫として扱わず、必要なものはダウンロードして組織のストレージへ移す運用にします。
そのうえで、証跡として持つと決めたものは、置き場所を1か所に依存させないほうが安全です。同じデータを2種類以上の媒体に持ち、うち1つは別の場所に置くという考え方は、クラウドと物理メディアを組み合わせた3-2-1バックアップ の基本形として整理されています。アカウント運用の都合とディスクの都合は別々に動くので、片方で起きたトラブルがもう片方に及びにくくなります。
クラウド容量の上限が来る前に、サイズ順に並べて上位1割から着手する
容量警告が出てから慌てると、判断が雑になって残すべきものまで消えます。着手の順番を先に決めておきます。
最初にやるのは、フォルダ全体をファイルサイズの降順で並べ替えることです。総容量の大部分は、たいてい上位1割のファイルが占めています。数の多い小さな録画を丁寧に消しても効果は薄く、大きい順に上から数十本を処理したほうが早く終わります。並べ替えたら、上位から順に「証跡・教材の素・不要」の3分類にかけていきます。
次にサイズそのものを下げます。同じ50分でも、スライドの画面共有が中心の映像と、教室にカメラを置いて撮った映像ではファイルサイズが大きく違います。自分の学校にある実際のファイルを見て、どちらが容量を多く使っているかを確かめてから手を付けてください。
教材として残す映像は、解像度やビットレートを下げて書き出し直すと容量は下がります。ただし元ファイルを消す前に、書き出したものを最後まで再生し、板書やスライドの文字が読めるかを目で確認します。文字が読めなければ教材としては使えないので、そのときは解像度を戻します。
形式もここで揃えておくと後が楽です。会議ツールや機材によってMP4、MOV、AVIなどが混在しがちで、混在したままだと再生できる端末とできない端末が出ます。MP4やMOVといった動画ファイル形式の違い を押さえたうえで、校内の保管形式を一つに決めておくと、数年後に開けないファイルが出る確率を下げられます。
最後に見落としがちな点として、削除したファイルがゴミ箱に入っている間は容量に算入されるサービスがあります。消したのに空き容量が増えないときは、ゴミ箱の中身を確認してください。ここを空にする前に、削除予定リストの猶予期間が終わっているかだけ見ておきます。
小さな録画を丁寧に消すより、大きい順に上から処理したほうが早く終わる
教材として残すなら撮り直しも選択肢|第35条は「授業の過程」の利用が前提
通しで録った授業は、そのままでは教材になりにくいものです。「先週の続きですが」「〇〇さん、聞こえてますか」といった、その回にしか意味のない発話が随所に入ります。翌年度に見せると、生徒は内容ではなく去年のクラスの様子を見ます。教材として使うなら、5分から10分の解説単位に切り出すか、台本を作って撮り直すほうが、結果的に手間が少なく済む場合が多いと考えられます。
そしてここに、著作権法上の線引きが重なります。著作権法第35条第1項は、営利を目的としない教育機関において教育を担任する者および授業を受ける者が、その授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度で公表された著作物を複製し、または公衆送信できると定めています。公衆送信を行う場合は、教育機関の設置者が相当な額の補償金を支払う必要があります(同条第2項)。
問題は「授業」の範囲です。SARTRASの運用指針では、授業とは、学校の責任において、その管理下で教育を担任する者が学習者に対して実施する教育活動を指すとされています。入学志願者に対する学校説明会やオープンキャンパスでの模擬授業、教職員会議、保護者会、PTA主催の親子向け講座などは、「授業」に該当しない例として挙げられています。つまり、授業中は第35条の範囲で使えた素材が入った録画を、学校説明会で流したりホームページに載せたりする場面は、同条の外に出ます。
録画の使い道
第35条の射程
実務上の扱い
欠席者への配信、履修者の復習
授業の過程に含まれる
補償金制度の範囲で扱う
教員が自らの記録として保存
運用指針で授業の過程での行為とされている
保存自体は可。ただし個人領域に置かない
学校説明会・オープンキャンパスでの上映
「授業」に該当しない例として挙げられている
他人の著作物が入る部分は差し替えるか許諾を取る
ホームページでの一般公開
授業の過程を外れる
権利処理を個別に行う
もう一点、実務で役に立つのが公衆送信の定義です。運用指針では、校内放送のように学校の同一敷地内に設置されている放送設備やサーバ(構外からアクセスできるものを除く)を用いて行われる校内での送信行為は、公衆送信には該当しないと整理されています。校内で完結する形で見せる方法を持っておくと、クラウドに上げる前提とは別の選択肢が取れます。教室のプレーヤーで再生するディスクに書き込むという判断が現実的になるのは、このためです。
教材として残すと決めた映像は、他人の著作物が大きく映り込んでいる部分を切るか、自作の図に差し替えておきます。この作業を今年度中にやっておかないと、来年度に使うたびに同じ判断を最初からやり直すことになります。
児童生徒が映る録画に法定の保存期間はなく、表簿の5年・20年とは別枠で決める
「授業録画は何年保存すればいいのか」という問いに、法律が直接答える条文は見当たりません。学校が備えなければならない表簿については、学校教育法施行規則第28条が指導要録、出席簿、健康診断に関する表簿などを列挙しています。第2項は、これらを5年間保存すること、指導要録およびその写しのうち入学・卒業等の学籍に関する記録については保存期間を20年とすることを定めています。授業の録画データはこの表簿に列挙されていないため、5年・20年という数字をそのまま当てはめる根拠にはなりません。
したがって年限は、学校の設置者が決めます。公立校であれば教育委員会の文書管理規程や個人情報保護に関する運用、私立校であれば法人の規程です。ICT担当が独断で年数を決めるのではなく、規程の担当部署に「授業録画をどの文書区分に位置づけるか」を確認するのが正しい順序です。その回答が出るまでは、削除ではなく「03_削除予定」フォルダに寄せて止めておきます。
現場で先に決めておけることもあります。
撮影・保存・利用範囲についての同意を年度当初にまとめて取り、同意書に「校内での授業利用に限る」「保存期間は〇年」と書いておく
同意の範囲を超える利用(研修での上映、外部への提供、公開)は、そのつど別に確認する
児童生徒の氏名が表示される参加者一覧やチャット欄が画面に残っている録画は、その部分を編集で落とせないなら教材化しない
削除したら台帳に削除日と担当者を書く。消した記録が残っていないと、後から「あるはずだ」と探す時間がかかる
録画に映る氏名、顔、発言、チャットの投稿はいずれも個人情報として扱われます。「見せる相手を絞れば安全」ではなく、「必要がなくなった時点で持たない」ほうが管理は軽くなります。残す理由を一行書けないものは、残さない側に寄せてください。
オフラインで持つなら台帳が本体|ディスク1枚=1行、7列で足りる
クラウドの外に出すと決めたら、先に台帳を作ります。ディスクを焼いてから台帳を作ろうとすると、まず作られません。スプレッドシート1枚で十分で、列は7つあれば足ります。
列
記入例
通し番号
2026-014
内容
2年理科 光合成 単元導入(4回分)
収録年度・日付
2026年度/2026-05-12〜06-02
元データの所在
共有ドライブ「授業アーカイブ/2026/理科」
保管場所
職員室 書庫3段目 アーカイブ箱A
廃棄予定年度
2031年度末
個人情報の有無
あり(生徒の顔・氏名)/なし
台帳とディスクをつなぐのは通し番号だけなので、盤面に印刷しておきます。ペンの手書きは擦れて読めなくなることがあり、市販のラベルシールは経年で端が浮いてドライブ内で引っかかる原因になります。盤面への直接印刷(レーベル印刷)にしておくと、この2つを避けられます。ケースの背表紙にも同じ番号を入れておくと、書庫に並べたまま背表紙だけで探せます。
保管は、直射日光と高温多湿を避け、立てて置くのが基本です。職員室の窓際や、夏場に締め切る倉庫は向きません。詳しくはDVD・CDの正しい保管方法 にまとめられている条件を、書庫の場所を決める前に確認しておくとよいでしょう。
そして年に1回、台帳から無作為に2〜3枚を選んで実際に再生します。読めるかどうかは、読んでみるまで分かりません。異常があればその時点で焼き直せますが、5年後にまとめて確認しようとすると、そのときには元データも消えている可能性があります。この年1回の点検を、年度末の他の定例作業と同じ日に固定してしまうのが続けるコツです。
台帳と盤面の番号でつなぎ、年に1回は実際に再生して確かめる
ディスクに書き込むときの実務|DVDは4.7GB、ブルーレイは25GBが1枚の目安
片面1層のDVDに入るのは約4.7GB、ブルーレイは1層で約25GB、2層で約50GBです。1年分の授業録画をまるごと1枚に、という考え方は現実的ではありません。ディスクに書き込むのは、「証跡」または「教材の素」として選び抜いた分だけです。逆に言えば、精選する作業が終わっていればディスクの枚数は自然に決まります。
次に決めるのは、データディスクにするか、プレーヤーで再生できる形にするかです。MP4のままディスクに書き込んだデータディスクは、パソコンで開く分には扱いやすい一方、教室のDVDプレーヤーに入れても再生されません。プレーヤーで流すには、映像を再生できる構造に組み立てる工程が要ります。この工程についてはオーサリングという工程 で詳しく説明されています。「焼いたのに再生されない」の大半はここが抜けています。
画質の判断もここで付けておきます。授業録画は板書やスライドの文字を読ませることが目的になりがちで、解像度が下がると最初に読めなくなるのが細い文字です。DVDとブルーレイの画質と容量の違い を踏まえ、文字を読ませる映像はブルーレイかデータディスク、雰囲気が伝わればよい記録映像はDVD、と用途で分けると迷いません。
作りとしては、1枚に複数コマを入れるならコマごとにチャプターを切り、メニュー画面に単元名を並べておくと、数年後の担当者でも目的の回にたどり着けます。
これを校内で内製すると、書き込み時間そのものより、焼いたディスクを1枚ずつ再生して確認する作業に手間取ります。枚数が少ないうちは手作業でも回りますが、年度末にまとめて処理するなら外に出す判断もあります。
当社では基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で注文できます。再生できる形式への組み立て(オーサリング)は料金に含まれます。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも、オプションで対応しています。盤面や背表紙の通し番号は、印刷する画像に入れて入稿していただく形です。
データディスクを頼めるかは、注文の前に相談・問い合わせフォームで確かめてください。入稿は、ギガファイル便のURLを注文フォームに貼る形です。ギガファイル便、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなどが使えるため、校内のクラウドからそのまま渡せます。
納期は、通常便なら受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。急ぐときは、次の3つから選べます。
お急ぎお届け(+1,500円、平日15時までの注文・入稿で翌々日までに発送)
特急お届け(+3,000円、平日15時までの注文・入稿で翌日発送)
当日店舗お渡し(+3,500円、平日12時までの注文・入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)
年度末は校務が重なるので、締切から逆算して通常便で出せる日程を先に押さえておくのが無難です。
よくある質問
Q. オンライン授業の録画は何年保存すればいいですか? A. 授業録画そのものの保存年限を定めた法令は見当たりません。学校教育法施行規則第28条は指導要録や出席簿などの表簿について5年間の保存、指導要録のうち学籍に関する記録について20年の保存を定めていますが、授業録画はこの表簿に列挙されていないため、その数字を根拠にはできません。年限は設置者の文書管理規程で決めるものなので、教育委員会や法人の担当部署に「授業録画をどの文書区分に置くか」を確認してください。回答が出るまでは削除せず、削除予定フォルダに寄せて止めておくのが安全です。
Q. 卒業した生徒が映っている録画は消さないといけませんか? A. 一律に消す義務を定めた規定は確認できませんでした。判断の順序としては、まず設置者の規程で定めた保存年限を確認し、次に撮影時に取った同意の範囲を確認します。同意書に「校内での授業利用に限る」「保存は〇年」と書いてあるなら、その範囲を超えた時点が手放すタイミングです。残す場合も、参加者一覧やチャット欄に氏名が表示されたままの映像は、その部分を編集で落とせないなら教材化しない、といった線を引いておくと管理が軽くなります。消したときは台帳に削除日と担当者を記録してください。
Q. 会議ツールのクラウド録画は、そのまま置いておけばいいですか? A. 長期の保管庫として使うことはおすすめしません。保存期間の上限や容量のポリシーは提供側の都合で改定されることがあり、学校側から制御できないためです。証跡や教材として残すと決めたものは、ダウンロードして組織が所有するストレージへ移し、そのうえで別媒体にも持っておくのが確実です。移すときは共有し直すのではなく、所有者そのものを組織側に移してください。個人アカウントが所有したままだと、異動や卒業でアカウントを削除した際に一緒に失われる可能性があります。
Q. 授業の録画を学校のホームページで公開してもいいですか? A. 著作権法第35条が無許諾での複製や公衆送信を認めているのは、授業の過程における利用に供する目的の場合です。SARTRASの運用指針では、入学志願者向けの学校説明会やオープンキャンパスでの模擬授業、保護者会などは「授業」に該当しない例として挙げられています。ホームページでの一般公開はさらに授業の範囲を外れるため、映り込んでいる他人の著作物については個別に権利処理が必要になります。加えて、映っている児童生徒本人と保護者の同意が公開まで及んでいるかも別途確認してください。
Q. 去年の授業録画を、今年のクラスにそのまま流してもいいですか? A. 運用上は、内容面と権利面の両方を見ます。内容面では、通し録画には「先週の続きですが」といったその回にしか意味のない発話が入るため、必要な解説部分だけを切り出すか撮り直したほうが教材として使えます。権利面では、第35条の適用は個々の授業の実態に応じて判断するものとされており、教科書のページを大写しにした場面などは、別の年度の別の履修者に見せる前提で改めて検討する必要があります。他人の著作物が大きく映る部分は、あらかじめ切るか自作の図に差し替えておくと運用が楽になります。
Q. 録画をDVDに焼くとき、1枚に何コマ入りますか? A. 片面1層のDVDの容量は約4.7GB、ブルーレイは1層で約25GB、2層で約50GBです。何コマ入るかは録画の解像度やビットレートによって大きく変わるため、まずご自分の環境の実ファイルのサイズを確認してください。板書やスライドの文字を読ませたい映像は、容量を下げるほど細い文字から読めなくなっていきます。文字を読ませることが目的ならブルーレイかデータディスク、雰囲気が伝わればよい記録映像ならDVD、と用途で分けるのが実務的です。1枚に複数コマ入れる場合はコマごとにチャプターを切っておくと探しやすくなります。
Q. ディスクにした授業録画の台帳には何を書けばいいですか? A. スプレッドシート1枚で足ります。列は、通し番号、内容、収録年度と日付、元データの所在、保管場所、廃棄予定年度、個人情報の有無の7つです。ディスク1枚につき1行と決め、通し番号を盤面に印刷しておくと台帳とディスクが確実に結びつきます。手書きは擦れ、ラベルシールは経年で端が浮くことがあるため、盤面への直接印刷が向いています。ケースの背表紙にも同じ番号を入れておくと、書庫に立てたまま探せます。年に1回、無作為に2〜3枚を実際に再生して読めるか点検してください。