この記事の要点
朝礼で流す映像は1本3分以内 に収め、KYT4ラウンド法の第1Rの材料提示までを映像に担わせる。第2R以降は現場の人が自分の口で言う時間として残す。
再現映像は危険が顕在化する直前で止める 。事故の瞬間を演じさせない、撮影のために危険な状態を実際に作らない、の2点を撮影ルールとして先に決める。
撮影段階で顔・ヘルメットの記名・作業着の社名・車両番号の4点 を画面から外す。編集でのモザイクは工数も画質も損なうため、最後の手段として扱う。
教材は1本1テーマ・通し番号・台帳 の3点で管理する。末尾に危険のポイントと行動目標を書き込む静止画を3秒入れると、話し合いの着地点が固定される。
通信が届かない詰所や車内ではディスクが確実 。3分の教材ならDVDで容量は足り、メニューとチャプターで言語別・作業別に分岐させられる。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
1枚から 作れます。 同じ 内容の 追加は 1枚1,000円 (税抜)です。
1枚1,500円(税抜)から・ 1枚から注文できます
安全担当になって最初に手が止まるのが、KY活動のマンネリ化です。イラストシートは何年も同じもの、朝礼のKYミーティングは職長の読み上げで終わり、新人と外国人作業者は分かった顔でうなずいて現場に出ていく。映像教材を作ってみようと考えるのは自然な流れですが、いざ調べると「安全教育 動画」で出てくるのは市販DVDの販売ページばかりで、自分の現場の作業をどう教材にすればいいのかは書かれていません。
この記事は、自社の作業を自分たちで短尺の映像教材にするための手順をまとめたものです。朝礼に載る尺の割り方、再現映像をどこで止めるか、顔や記名をどう外すか、多言語を字幕で処理する理由、そして通信が届かない現場でどう再生するか。撮影から運用まで、実際に手を動かせる粒度で書いています。
法令上の位置づけにも触れます。労働安全衛生法第59条は雇入れ時と作業内容変更時の教育を事業者に義務づけており、その内容は労働安全衛生規則第35条に8項目として並んでいます。作った教材がどの項目に対応するのかを最初に決めておくと、教育記録との紐づけで後から困りません。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
朝礼で使える尺は3分以内|映像は第1Rの材料提示までに徹する 事例の再現か実映像か|危険が起きる直前で止める再現映像が話し合いを生む 個人が特定されない配慮|顔・記名・社名・車両番号の4点を撮影段階で外す 繰り返し使える形にする|1本1テーマ・通し番号・台帳の3点セット 多言語対応は音声ではなく字幕で|「音を消しても分かる画」が前提になる 現場での再生環境|電波が届かない詰所ではディスクが最も確実 更新は工程・災害・季節の3トリガー|年1回の棚卸しで使われない教材を捨てる よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
朝礼で使える尺は3分以内|映像は第1Rの材料提示までに徹する
朝礼に割けるのは、点呼と当日の連絡を終えたあとの数分です。そこに10分の教材を持ち込むと、二回目からは「今日は時間がないので飛ばします」に変わります。映像は1本3分以内、話し合いまで含めて全体で5分から7分に収まる前提で設計すると、毎日の朝礼に載り続けます。
尺を決める前に、KY活動のどこを映像に肩代わりさせるのかを切り分けます。中央労働災害防止協会が示す危険予知訓練(KYT)の基礎4ラウンド法は、第1R「現状把握(どんな危険がひそんでいるか)」、第2R「本質追究(これが危険のポイントだ)」、第3R「対策樹立(あなたならどうする)」、第4R「目標設定(私たちはこうする)」という順で進みます。映像が代われるのは、第1Rの材料を配るところまでです。第2R以降は、その場にいる人が自分の口で言わないと行動目標になりません。映像を長くするほど話し合いの時間が削られ、見ただけで終わる朝礼になります。
映像は第1Rの材料を配るまで。第2R以降はその場の人が話す時間に残す
3分をどう割るか
時間
映す内容
ねらい
0:00–0:15
作業名と場所をテロップで出す
今日はどの作業の話か、全員の前提を揃える
0:15–1:45
作業を頭から通しで見せる
第1Rの材料。危険はここでは指摘しない
1:45–2:00
危険が顕在化する直前で静止する
話し合いに入る合図
2:00–2:40
静止画のまま「どんな危険がひそんでいるか」を表示
発言を待つ間の画面
2:40–3:00
危険のポイントを1つだけ表示
第2Rの着地点を示す
この配分の要は1:45の静止です。ここで映像を止めずに答えまで流してしまうと、参加者は考える前に答えを受け取ってしまい、KY活動ではなく単なる注意喚起の放映になります。編集では静止フレームを実際に数秒差し込み、その場で一時停止ボタンを押す操作に頼らない作りにしておくと、誰が再生しても同じ進行になります。
台本は3行で書ける
凝った構成表は続きません。1本あたり、次の3行を紙に書いてから撮影に入ります。
作業:脚立に登って天井配管のバンドを締める
危険:開き止めを掛けずに登り、体をひねって手を伸ばした瞬間に脚立がずれる
止める位置:体をひねって手を伸ばした瞬間
この3行が書けない題材は、まだ映像にする段階ではありません。危険の中身が言葉になっていない状態で撮ると、「安全に気をつけましょう」という総論の映像になり、話し合いが起きなくなります。逆に3行が書けていれば、撮影は数十分で終わります。
なお1本の映像に危険を2つ以上詰め込まないでください。参加者が挙げた危険と映像が用意した危険がずれると進行が止まります。危険が2つあるなら、教材も2本に分けます。
事例の再現か実映像か|危険が起きる直前で止める再現映像が話し合いを生む
素材の作り方は大きく2つです。実際の作業をそのまま撮る実映像と、過去のヒヤリハットや災害事例を演じ直す再現映像。結論としては、平常作業の様子は実映像で撮り、危険が生まれる状況だけを再現で足すのが現実的です。
実映像は説得力が違います。自分の現場の通路、自分たちが使っている脚立や台車が映るので、「うちの話ではない」という受け止め方をされません。一方で、危険が顕在化する瞬間は実映像では撮れません。撮れてしまったとすれば、それは撮影者が災害の発生を止めなかったということです。ここは撮る側の原則として先に決めておきます。
再現映像の3つの禁じ手
事故の瞬間まで演じさせない。転倒、墜落、挟まれの瞬間は演技でも危険が伴います。手を伸ばした瞬間、体をひねった瞬間で止めます。
撮影のために危険な状態を実際に作らない。開き止めを外した脚立に本当に登る、養生を外して開口部を露出させる、といった撮り方は、教材のために現場の安全水準を下げる行為です。床に養生をした状態で高さの低い代替物を使う、開口部は撮影用の模擬枠を使うなど、撮影計画の段階で置き換えます。
保護具を外した状態を「見せ場」にしない。ヘルメットや墜落制止用器具を外して撮ると、その画がそのまま記憶に残ります。装着したうえで、器具の掛け位置や親綱の張り方が不適切、という粒度で撮ります。
ヒヤリハット報告を台本にする手順
題材はゼロから考えず、社内のヒヤリハット報告から拾います。報告書のうち、時刻・作業・きっかけ・結果が書かれているものを選び、次の順で映像に変換します。
報告の文章を時系列で3行に圧縮する(何をしていた/何が起きた/どうなりかけた)
3行それぞれに、撮るべきカットを1つずつ割り当てる(全体が分かる引き/手元の寄り/危険が生まれる位置関係が分かる角度)
3カット目の直前を静止位置に決める
撮影機材は現場のスマートフォンで足ります。押さえるのは、横向きで撮る、三脚や台に置いて固定する、逆光を避ける、作業音は現場音のまま録る、の4点です。手持ちの揺れた映像は、朝礼の小さなテレビで見ると何が起きているか読み取れません。ファイル形式は編集ソフトと再生機器の両方に素直なものを選んでおくと後工程で詰まりません。この点は動画ファイル形式の基礎(MP4・MOV・AVIの違い) にまとめがあります。撮影データは編集後も消さず、テロップだけ差し替えたい場合に備えて残しておきます。
どうしても撮れない状況、たとえば重機と作業員の接近や高所からの落下物は、静止画に矢印と囲みを重ねた図解で代用します。動きがない分だけ理解は落ちますが、危険な撮影を強行するよりはるかに健全です。
平常作業は実映像、危険が生まれる状況は再現、撮れないものは図解で補う
個人が特定されない配慮|顔・記名・社名・車両番号の4点を撮影段階で外す
映像教材で最も揉めるのが、映っている人の扱いです。ヒヤリハットの当事者が特定できる映像は、それ自体が犯人捜しの道具になり、翌月から報告が上がってこなくなります。教材の効果より先に、報告制度が壊れます。
対処は編集ではなく撮影段階で行います。編集でのモザイクは工数がかかるうえ、画質が落ちて何をしている場面か読み取れなくなります。カメラを構える前に、次の4点を画面から外します。
外すもの
現場での具体例
撮り方の置き換え
顔
正面からの上半身
後ろ姿、斜め後ろ、胸から下、手元の寄り
記名
ヘルメットの氏名シール、工具箱の名前
撮影前にシールを外す、または画角から外す
社名
作業着の刺繍、ヘルメットのステッカー、看板
無地のベストを重ねる、看板は画角外へ
番号
車両ナンバー、重機の機番、通行証
車両は正面を向けない、機番は撮らない
顔が判別できる映像は、その人が誰かを識別できる情報として扱われる可能性があると考えられます。法令上の位置づけを個別に判断するより、そもそも顔を映さない構図で撮るほうが早く、教材としての質も落ちません。KY活動で見てほしいのは表情ではなく、体の向き、手の位置、足場との距離だからです。
出演者は担当者側から出す
再現映像に出るのは、安全担当と職長、または撮影に同意した社員に限定します。ヒヤリハットを報告した本人を演者にするのは避けてください。本人が名乗り出た場合でも、映像が数年使われることを考えると、後から取り下げにくい状態を作ることになります。
出演してもらうときは、撮影前に口頭ではなく紙で次を確認しておくと後で困りません。使う目的(社内の安全教育に限る)、映る範囲(顔は映さない、など)、配布する範囲(自社の各作業所まで、協力会社に配るかどうか)、保管期間と廃棄のタイミング、退職した場合の扱い。この5項目を1枚にして、教材の台帳と一緒に保管します。
配布先を数えられる形にしておく
映像を各自のスマートフォンに配ると、退職時に回収できません。誰の手元に何があるか分からない状態は、個人が映っている教材では避けたいところです。詰所に置く1枚、車両に積む1枚、というように現物の枚数で管理できる形にしておくと、配布先を台帳で数えられます。私物端末に残らないという点は、通信環境のない現場向けの都合とも一致します。
繰り返し使える形にする|1本1テーマ・通し番号・台帳の3点セット
教材が増えると、どこに何があるか分からなくなります。フォルダに「KY動画_最新_修正2.mp4」が並び始めたら、その運用はすでに壊れています。最初の1本を作る前に、名前の付け方と台帳を決めておきます。
ファイル名は番号と作業名で固定する
推奨は「KY-2026-014_脚立_開き止め.mp4」のような形です。通し番号、対象作業、危険の中身の3つが入っていれば、口頭で「14番を流して」と指示できます。「最新」「修正」といった語はファイル名に入れません。差し替えたときは番号を変えず、台帳の更新日だけを書き換えます。
台帳は7列で足りる
列
内容
番号
KY-2026-014
テーマ
脚立作業/開き止め
尺
2分50秒
対象作業
天井配管の保全
対応する教育項目
安衛則第35条第1項第3号(作業手順)ほか
公開日/更新日
2026-04-10/2026-08-01
使用回数
朝礼で流した回数を正の字で
「対応する教育項目」の列を入れておくのが実務上の勘所です。労働安全衛生規則第35条第1項は、雇入れ時と作業内容変更時に教育すべき事項として、機械等・原材料等の危険性や有害性とその取扱い方法、安全装置や保護具の性能と取扱い方法、作業手順、作業開始時の点検、発生するおそれのある疾病の原因と予防、整理整頓と清潔の保持、事故時の応急措置と退避、その他必要な事項を挙げています。作った教材がこのどれに当たるのかを1列で持っておくと、新人が入ったときに「この作業なら3番と14番と22番」と束ねて出せます。
末尾に3秒の静止画を入れる
映像の最後に、危険のポイントを1行と、行動目標を書き込む空欄を配置した静止画を3秒入れます。第4Rの「私たちはこうする」を、その場でホワイトボードに書き写すための枠です。この3秒があるかないかで、話し合いが宙に浮くか着地するかが変わります。
1枚にまとめるならチャプターで区切る
教材が10本、20本と貯まってきたら、1本ずつのファイルではなく、作業別にまとめた1枚として持ったほうが現場では扱いやすくなります。ディスクにする場合は、動画ファイルをそのまま書き込むのではなく、再生機で頭出しできる形に組み立てる工程が必要です。この工程の意味はDVDオーサリングとは(焼くだけでは再生できない理由) で説明されています。テレビ画面にタイトル一覧が出て、リモコンで「脚立」「玉掛け」「熱中症」と選べる状態にしておくと、朝礼の担当が交代しても操作で詰まりません。
編集プロジェクトと元の撮影データは、完成した映像とは別に残します。テロップの文言だけ直したい、静止位置を1秒ずらしたいという修正は必ず出ます。元データがないと撮り直しになります。
多言語対応は音声ではなく字幕で|「音を消しても分かる画」が前提になる
日本語を母語としない作業者がいる現場では、多言語化が課題に上がります。ここで最初に決めるべきは、翻訳の言語数ではなく、音声で伝えるか字幕で伝えるかです。
実務では字幕を推します。理由は3つあります。第一に、現場の詰所は静かではありません。発電機やコンプレッサーの音がする場所では、日本語のナレーションすら聞き取れません。第二に、ナレーションは差し替えのたびに録り直しになります。作業手順が1つ変わっただけで、言語の数だけ録音をやり直すことになります。第三に、字幕なら翻訳を後から追加できます。ベトナム語の作業者が入ってから対応する、という順番が取れます。
音を消しても分かる画にする
字幕を前提にすると、映像そのものの作り方が変わります。ナレーションで補っていた説明を、画面上の情報に置き換える必要があります。
危険の位置を矢印と囲みで示す。言葉の説明より先に、どこを見るのかを画で指定する
数字は画面に出す。「約2メートル」ではなく寸法線と数字を重ねる
手順は番号を振る。1、2、3の数字は翻訳が要りません
正しい状態と危ない状態を左右に並べる。比較は言語に依存しない情報です
字幕の作り方の目安
1行あたり13〜14字程度、2行まで、1画面あたり2秒以上表示、を目安にすると読み切れます。話し言葉をそのまま文字にすると長くなるので、書き言葉に圧縮します。「脚立の開き止めを掛けていないと、体をひねったときに脚立がずれてしまうことがあります」は、「開き止めを掛けない=体をひねると脚立がずれる」で足ります。
用語は先に表を作って固定する
翻訳を外注する場合も社内で作る場合も、現場用語の訳を先に決めておかないと、教材ごとに違う語が当てられて混乱します。よく使う語だけで構いません。
日本語
やさしい日本語
備考
開口部
ゆかの あな
「開口」は通じにくい
親綱
いのちづな(ロープ)
現物を映して名前を出す
立入禁止
はいっては いけません
表示の実物と同じ語にする
合図者
あいずを する ひと
役割は人を映して示す
DVDやブルーレイの規格には字幕を切り替える仕組みが用意されていますが、現場で扱いやすいのは、言語ごとに字幕を焼き込んだ映像を別チャプターとして並べ、メニューから選ばせる方式です。リモコンの字幕ボタンを探させるより、タイトル画面で言語を選ぶほうが操作の説明が要りません。
最後に、理解できたかの確認を言語に頼らない方法で用意します。映像を止めた画面をそのまま出し、「どこが危ないか指で示してください」と伝えるだけで、通訳がいなくても理解度は見えます。教育を行った事実より、理解された事実のほうが災害を減らします。
ナレーションに頼らず、音を消しても分かる画と短い字幕で伝える
現場での再生環境|電波が届かない詰所ではディスクが最も確実
教材を作り終えてから詰まるのが、再生手段です。社内の動画共有サービスにアップロードしたものの、山間部の現場では電波が入らない、トンネル内は圏外、工場のクリーンエリアは私物スマートフォンの持ち込みが禁止、といった条件に後から気づきます。
現場側の実情を整理すると、こうなります。
通信が届かない、または不安定な場所がある(山間部、トンネル、地下、大型構造物の内部)
スマートフォンの持ち込みが制限されている区画がある
詰所にテレビはあるが、インターネットにはつながっていない
朝礼の担当が日替わりで、ログインやURLの共有が続かない
共有リンクに期限があり、数か月後に切れていることがある
この条件下では、詰所のテレビにプレーヤーをつないで再生ボタンを押すだけ、という形が最も確実です。電源が入れば再生でき、誰かがファイルを差し替えることもなく、同じ内容が同じ順番で流れます。現場に置いた1枚が何枚あるかを数えられるので、個人が映る教材の管理とも相性が良いという副次的な利点もあります。
DVDとブルーレイのどちらにするか
3分の教材を数十本まとめる程度なら、DVDで容量は足ります。画面のテロップが読めれば足りる用途で、詰所のテレビも大きくはありません。一方、精密な部品の寄りや、遠景で人と重機の位置関係を見せる映像が中心なら、解像度に余裕があるブルーレイを検討します。判断材料はDVDとブルーレイの違い(画質・容量・互換性) に整理されています。
もう一点、再生機器の側も確認しておきます。詰所の据置プレーヤー、車載機、ノートパソコンでは、読み込める記録面の種類が異なることがあります。事前に確認する観点は家庭用プレーヤーの互換性ガイド にまとめられています。現場に配る前に、実際に使う機器で1枚再生してみるのが確実です。
制作を外に出す場合の目安
撮影と編集は社内で行い、ディスクにする工程だけ外に出すという分担がよく取られます。当サイトを運営するディスクメーカーでは、動画データからのDVD・ブルーレイ制作を基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で承っています。再生できる形に組み立てるオーサリングは料金に含まれ、メニュー画面の作成、チャプター分け、盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷にも対応しています。教材のタイトルと番号を盤面に印刷しておくと、詰所で取り違えが起きません。
入稿はダウンロードできる共有URLで受け付けています。ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorage など、社内で使っているサービスのURLをそのまま送っていただく形です。納期は通常便のほか、お急ぎ(+1,500円、平日15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)、特急(+3,000円、平日15時までのご注文・ご入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(+3,500円、平日12時までのご注文・ご入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)をご用意しています。安全大会や新規入場者教育の日程が決まっている場合に選択肢になります。
納品後の置き場所にも一言だけ。詰所や車内は高温になり、粉じんも多い環境です。ケースに戻さず機器の上に置いたままにすると記録面が傷みます。扱い方はDVD・CDの正しい保管方法 を参考に、使用後はケースへ戻す運用を朝礼担当の手順に入れておいてください。
更新は工程・災害・季節の3トリガー|年1回の棚卸しで使われない教材を捨てる
映像教材は作った時点が完成ではなく、更新の仕組みを持たないと2年目から形骸化します。定期更新の日付を決めるより、更新する条件を決めるほうが機能します。
更新の3トリガー
工程が変わったとき。 労働安全衛生法第59条第2項は、労働者の作業内容を変更したときも雇入れ時と同様の教育を行うことを求めています。設備を入れ替えた、手順書を改訂した、動線を変えた。このタイミングで該当する教材を洗い出し、映っている作業が今の手順と違っていないかを確認します。古い手順の映像が流れ続けるのは、教育していないより悪い状態です。
災害やヒヤリハットが出たとき。 新しい報告が上がったら、それが既存教材のどれにも当てはまらない危険なら1本追加します。当てはまるものがあるのに再発したなら、その教材の止める位置か問いかけが効いていない可能性があります。尺を伸ばすのではなく、止める位置を変えてみてください。
季節が変わるとき。 暑熱、凍結、強風、日没時刻。季節性の危険は毎年同じ時期に戻ってきます。教材の台帳に「使う時期」の列を足しておき、その月の朝礼で回す順番をあらかじめ組んでおきます。
年1回の棚卸しで捨てる
台帳の「使用回数」を年に一度見て、1年間で一度も流されていない教材は廃止します。作った本人には惜しいものですが、選択肢が多すぎることが「結局いつもの1本」を招きます。同時に、リスクアセスメントの結果と突き合わせます。労働安全衛生法第28条の2は、設備や作業行動に起因する危険性・有害性の調査と、その結果に基づく措置を求めています。調査で上位に来ている危険に対応する教材が1本もないなら、そこが次に作るべき題材です。
更新の日付ではなく、工程・災害・使用回数を見て手を入れる
同じ映像を飽きさせずに回す
3回目の再生から、参加者は答えを覚えます。ここで映像を作り直す必要はありません。第3R「あなたならどうする」の問いのほうを変えます。前回は「作業者はどうすべきか」、今回は「一緒にいた同僚は何ができたか」「この作業を明日やるとしたら準備段階で何を変えるか」。映像は同じでも、立場を変えると出てくる対策が変わります。教材を増やす前に、問いを増やすほうが安上がりです。
教育記録との接続
朝礼のKY活動そのものは法定の教育ではありませんが、教材を新規入場者教育や職長教育の中で使うなら記録が関わってきます。職長等の教育は労働安全衛生法第60条に基づき、労働安全衛生規則第40条第2項で科目ごとの最低時間が定められています。作業手順の定め方と労働者の適正な配置の方法に2時間、指導及び教育の方法などに2.5時間、危険性又は有害性等の調査とその結果に基づく措置に4時間、異常時・災害発生時の措置に1.5時間、設備・作業場所の保守管理や労働災害防止への関心の保持などに2時間で、合計12時間です。この時間の中に自社の映像を組み込むと、汎用教材だけで進めるより現場の実態に近い議論ができます。また、特別教育を行った場合は、労働安全衛生規則第38条により受講者や科目等の記録を作成し3年間保存することが求められています。教材の番号を記録に残しておけば、何を見せたのかを後から特定できます。
差し替えは1本単位で
更新のたびに全教材を作り直す必要はありません。番号14の内容が古くなったなら、その1本だけ撮り直し、ディスクを刷り直すときも必要な枚数だけ手配します。ディスクメーカーは1枚から注文を受け付けているので、詰所が3か所なら3枚、車両にも積むなら5枚という単位で追加できます。教材の更新が止まる最大の理由は費用ではなく手間なので、1本ずつ動かせる運用にしておくことが、結果的に更新を続けるための条件になります。
よくある質問
Q. KY活動の動画教材は何分くらいが適切ですか? A. 朝礼で流すなら1本3分以内、話し合いを含めた全体で5分から7分が現実的です。KYT4ラウンド法のうち映像が担えるのは第1Rの材料提示までで、第2R以降は参加者が自分の言葉で話す時間として残す必要があります。映像を長くするほど話し合いの時間が削られ、見ただけで終わる朝礼になります。新規入場者教育など時間が確保できる場面で使う場合でも、1本を長くするより3分の教材を複数本つなげるほうが、途中で区切って議論を挟めます。
Q. 危険予知訓練の映像は自社で撮っても大丈夫ですか。市販教材とどちらがいいですか? A. 自社の現場を撮った映像は、通路も工具も自分たちのものが映るため「うちの話ではない」と受け流されにくいという強みがあります。撮影はスマートフォンでも足り、横向きで固定し、逆光を避け、現場音をそのまま録るという最低限を押さえれば実用になります。一方、法令解説や災害の統計、他業種の事例など汎用性の高い内容は市販教材のほうが効率的です。実務では、共通知識は市販教材、自社の作業手順と現場固有の危険は自作、という使い分けが取りやすい形です。
Q. 再現映像で事故が起きる瞬間まで演じてもいいですか? A. 避けてください。転倒や墜落、挟まれの瞬間は演技であっても危険が伴い、教材制作中に実際の災害を起こしかねません。体をひねった瞬間、手を伸ばした瞬間など、危険が顕在化する直前で止めるのが原則です。また撮影のために開き止めを外した脚立に登る、養生を外して開口部を露出させるといった、現場の安全水準を一時的に下げる撮り方もしないでください。高さの低い代替物や撮影用の模擬枠に置き換え、撮れない状況は静止画に矢印を重ねた図解で代用します。
Q. 作業員の顔が映る映像を社内教育に使うとき、同意は必要ですか? A. 顔が判別できる映像はその人を識別できる情報として扱われる可能性があると考えられるため、そもそも顔を映さない構図で撮るのが実務的です。後ろ姿、斜め後ろ、手元の寄りで、KY活動に必要な体の向きや手の位置は十分伝わります。出演してもらう場合は、使用目的、映る範囲、配布範囲、保管期間と廃棄時期、退職後の扱いの5点を紙で確認し、教材の台帳と一緒に保管してください。ヘルメットの記名、作業着の社名、車両番号も撮影段階で画角から外します。
Q. 外国人技能実習生や特定技能の作業者向けに教材を多言語化するには? A. ナレーションではなく字幕で対応するのが実務的です。現場は騒音があって音声が聞き取りにくく、ナレーションは手順が変わるたびに言語の数だけ録り直しになります。字幕なら必要になった言語だけ後から追加できます。あわせて、危険の位置を矢印と囲みで示す、寸法は数字を画面に出す、手順に番号を振る、正しい状態と危ない状態を左右に並べるなど、音を消しても分かる画に作り替えます。現場用語の訳は先に一覧表で固定し、教材ごとに語が変わらないようにしてください。
Q. 通信環境がない現場ではどうやって動画を見せればいいですか? A. 詰所のテレビにプレーヤーをつなぎ、ディスクを入れて再生ボタンを押す形が確実です。山間部やトンネル、地下、大型構造物の内部では通信が不安定になり、私物スマートフォンの持ち込みが制限される区画もあります。共有リンクは期限切れやログインの引き継ぎで止まりがちで、朝礼の担当が日替わりの現場では続きません。ディスクなら電源が入れば再生でき、内容が入れ替わることもなく、現物の枚数で配布先を管理できます。3分の教材を数十本まとめる程度ならDVDで容量は足ります。
Q. 教材はどのくらいの頻度で更新すべきですか? A. 期日を決めるより条件を決めるほうが機能します。実務では、工程や設備が変わったとき、新しい災害やヒヤリハットが報告されたとき、季節性の危険が近づいたとき、の3つを更新のトリガーにします。労働安全衛生法第59条第2項は作業内容を変更したときにも教育を求めているため、手順を改訂したタイミングで該当教材の洗い出しをセットにすると漏れません。あわせて年に一度、1年間一度も流されていない教材を廃止すると、選択肢が多すぎて結局同じ1本しか使われない状態を防げます。
Q. 動画を見せるだけで安全衛生教育を実施したことになりますか? A. 映像の視聴だけで完結させるのは避けるべきです。労働安全衛生規則第35条第1項は、雇入れ時と作業内容変更時に教育すべき事項として、機械等の危険性、保護具の取扱い、作業手順、作業開始時の点検、応急措置と退避などを挙げています。教材がどの項目に対応するかを台帳で紐づけ、視聴後に質疑や実技を組み合わせる形にしてください。なお特別教育を行った場合は、労働安全衛生規則第38条により受講者や科目等の記録を作成し3年間保存することが求められています。