この記事の要点
字幕の入れ方は焼き込み(ハードサブ)と選択式(ソフトサブ) の2つです。焼き込みは映像のピクセルに文字を描き込み、選択式は映像とは別のトラックとしてディスクに収めます。
DVD-Videoの字幕(副映像ストリーム)は最大32本 まで持てます。1画素2ビットのランレングス符号化ビットマップなので、同時に使える色は4色までという制約があります。
選択式は初期状態でオフになっている可能性を消せません 。高齢のご家族に配るなど操作を期待できない相手には、焼き込みのほうが確実に届きます。
字幕ファイルはSRTが太字・斜体・下線・文字色の4タグだけ、ASSはフォント・縁取り・影・表示位置まで 指定できます。装飾を付けたいなら、ASSか焼き込みになります。
日本語字幕は1行13文字・2行まで、1つの表示は5/6秒以上7秒以下 が目安です。上限どうしで割り算すると1秒あたり約3.7文字で、慣習的に言われる「1秒4文字」とほぼ一致します。
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聞き取りづらいインタビュー音声、方言の多い座談会、耳の遠くなったご家族に見せたい記録映像。字幕を付けたいと思ったとき、最初にぶつかるのが「これは後から消せるのか」という問題です。市販のDVDはリモコンのボタンで字幕をオン・オフできるのに、動画編集ソフトで字幕を付けた映像は消せない。同じ「字幕」という言葉なのに、まったく別の仕組みが同じ名前で呼ばれているからです。
ディスクに字幕を入れる方法は、大きく2つしかありません。映像のピクセルそのものに文字を描き込んでしまう「焼き込み(ハードサブ)」と、映像とは別の層としてディスクに収め、再生時に重ねて表示する「選択式(ソフトサブ)」です。焼き込みは消せませんが、どの再生環境でも表示されます。選択式は消せますが、初期状態でオフになっていて、字幕に気づかれないという失敗が起こります。どちらを選ぶかは、映像の中身ではなく「誰がどう再生するか」で決まります。
消せないが必ず出る焼き込みと、消せるが出ないこともある選択式
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
焼き込み字幕は映像そのものを書き換える。消せないが、再生機の設定に左右されない 選択式字幕の仕組み|最大32本の別トラック。DVDは同時4色、ブルーレイはPGS 焼き込みか選択式かは「渡す相手が字幕ボタンを押せるか」で決まる SRTとASSの違い|タグが4つだけのSRTと、縁取りや位置まで指定できるASS 選択式の字幕が出ない3つの原因|初期状態・トラック名・再生環境 テレビで読める字幕は、縁取りと下端マージンで決まる 1行13文字・2行まで、表示は5/6秒以上7秒以下|文字数と秒数の目安 制作に出すときに渡すものは、元動画・字幕ファイル・見本の3点 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
焼き込み字幕は映像そのものを書き換える。消せないが、再生機の設定に左右されない
焼き込み字幕では、映像の1コマ1コマに文字の絵を描き込みます。ハードサブ、ハードコードサブ、オープンキャプションなどとも呼ばれます。エンコードが終わった時点で、文字を構成するピクセルと背景の映像を構成するピクセルの間に区別はありません。あとから文字だけを取り除いて、元の映像に戻すことはできません。
この「消せない」性質が、そのまま最大の長所になります。再生する側に選ぶ操作が要らないので、リモコンの字幕ボタンを探す必要も、プレーヤーの設定メニューを開く必要もありません。映像が映れば文字も映ります。次のような、操作を期待できない場面では、焼き込みのほうが素直に目的を果たします。
法事や結婚式で、会場のプレーヤーにディスクを渡す
施設や学校で、誰が操作するか分からない
高齢のご家族に郵送して、電話でも操作を説明しきれない
焼き込みの短所は3つ
消せない。 字幕が不要な人にも表示されます。多言語を並べることもできません。日本語と英語を両方焼き込むと画面に2言語が同時に出続けます。
直せない。 誤字を1文字見つけたら、字幕を入れ直して映像全体を再エンコードし、ディスクを作り直すことになります。納品後に発覚すると痛手が大きいので、焼き込みを選んだ場合は書き出し前の校正に時間を取ってください。
再エンコードが1回挟まる。 すでに圧縮された動画にもう一度圧縮をかけるため、理屈のうえでは画質が一段落ちます。編集ソフトのタイムラインに字幕を載せて一度だけ書き出すなら、圧縮の回数は字幕なしの場合と変わりません。避けたいのは「完成した書き出し済みファイルに、別ソフトで字幕を焼いてもう一度書き出す」という二度手間です。
解像度をそろえないと文字がぼやける
焼き込みで見落とされやすいのが、作業した解像度と最終的にディスクに載る解像度のずれです。フルHD(1920×1080)のタイムラインで字幕を焼き、それをDVD-Videoにすると、映像はNTSCの720×480まで縮められます。画素数でいえば約207万画素から約35万画素へ、6分の1以下になる計算です。明朝体の細い横線や、句読点のような小さな要素は、この縮小で潰れます。
DVDにするつもりなら、DVDの解像度でプレビューして字幕サイズを決めてください。DVDとブルーレイの違い(画質・容量・互換性) を押さえておくと、どちらで作るかの判断も同時に付きます。
フルHDで焼いた字幕は、DVDでは約35万画素まで縮められる
選択式字幕の仕組み|最大32本の別トラック。DVDは同時4色、ブルーレイはPGS
選択式字幕(ソフトサブ)は、映像とは別のデータとしてディスクに収められています。再生機がそれを読み込み、映像の上にリアルタイムで重ねて描画します。そのためリモコンで切り替えられますし、複数の言語を入れておいて視聴者に選ばせることもできます。
ここで多くの人が誤解するのが、選択式字幕は「文字データ」だと思ってしまうことです。DVD-VideoもBlu-rayも、ディスク上の字幕は文字コードではなく画像 として持っています。フォントを再生機側で描くのではなく、あらかじめ文字を絵にしたものを、映像の上に重ねる仕組みです。
DVD-Videoの副映像ストリーム
DVD-Videoで字幕を担当するのは「副映像(サブピクチャ)ストリーム」です。規格上、ストリーム数は最大32本、符号化方式はランレングス符号化ビットマップで1画素あたり2ビット、1つの副映像データの最大サイズは52kBと定められています。音声ストリームは最大8本です。
実務でいちばん影響が大きいのが2ビット という数字です。2ビットは4通りしか表せないので、1枚の字幕画像で同時に使える色は4色までということになります。この4色は通常、背景(透明)・文字本体・縁取り・もう1段の縁取りやアンチエイリアス用に割り当てます。
つまりDVDの選択式字幕では、グラデーションのかかった文字も、ぼかした影も、半透明の帯を敷いた凝ったデザインも持てません。編集ソフトで作り込んだ装飾字幕をそのまま選択式にはできない、という制約はここから来ています。
ブルーレイのPGS
Blu-ray(BDMV)の字幕はPresentation Graphic Stream、通称PGSです。こちらもビットマップですが、DVDの副映像より色数と解像度の自由度が高く、1920×1080の画面に見合う品質で表示できます。字幕トラックは最大32本まで持てます。ファイルとして単体で扱うときは拡張子.supになります。
DVD-Video 副映像
Blu-ray PGS
データの正体
ランレングス符号化ビットマップ
ビットマップ(PGS)
階調
1画素2ビット(同時4色)
DVDより広い色数
トラック数の上限
32本
32本
想定される映像解像度
720×480(NTSC)
1920×1080
単体ファイルの例
—
.sup
この字幕トラックをディスクの中に組み立てる工程が、オーサリングです。動画ファイルをそのままディスクに書き込んでも家庭用プレーヤーで再生できないのと同じ理由で、字幕もオーサリングの段階で構造の中に置かないと、選択式にはなりません。DVDオーサリングとは何か(焼くだけでは再生できない理由) を先に読んでおくと、このあとの話が分かりやすくなります。
焼き込みか選択式かは「渡す相手が字幕ボタンを押せるか」で決まる
技術的な優劣で選ぶものではありません。判断の軸は1つで、その字幕を出すために誰かが操作をする必要があるか、その操作をその人ができるか です。
選択式字幕には、仕組みの上で消せないリスクが1つあります。初期状態でオフになっていて、視聴者が字幕の存在に気づかないことです。オーサリング時に既定で表示する設定にはできますが、再生機側の字幕設定が優先される場面があり、こちらの意図どおりに出るとは限りません。字幕を付けた目的が「聞き取りづらいから」であるなら、字幕が出ない状態で見られてしまえば目的は達成されていません。
状況
向いている方式
理由
高齢のご家族に郵送して1人で見てもらう
焼き込み
リモコン操作の説明が電話では通りきらない
法事・式典の会場で会場側の機材にかける
焼き込み
当日誰が操作するか事前に分からない
聞き取りづらい音声の記録映像を関係者に配る
焼き込み
字幕が出ないと内容が伝わらない
作品として残す、鑑賞用に配る
選択式
字幕なしで見たい人の視聴体験を損なわない
日本語と英語など複数言語を入れたい
選択式
焼き込みでは同時表示になってしまう
あとで文言を直す可能性がある
選択式
字幕データの差し替えで済む
両立させる現実的な手
「消せるようにしたいが、出ないと困る」という要望は珍しくありません。実際に取れる手は2つあります。
1枚のディスクの中で分ける。 チャプターやタイトルを分け、字幕を焼き込んだ版と字幕なしの版を両方収録し、トップのメニュー画面から選ばせます。リモコンの字幕ボタンではなく、最初に表示されるメニューの大きなボタンで選ぶ形になるので、操作に慣れていない人でも迷いにくくなります。DVD1枚に収める場合は、同じ映像を2本分入れることになるので収録時間と画質のバランスに注意してください。
ディスクを2種類作る。 字幕入りと字幕なしを別々のディスクにして、盤面のレーベル印刷で「字幕あり」「字幕なし」と大きく刷り分けます。渡す相手によって配り分けられるので、いちばん誤解が起きません。1枚単位で注文できるサービスなら、必要な枚数だけを種類別に作れます。
当社では基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)からで1枚単位の注文に対応しており、盤面へのレーベル印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けも承っています。レーベル印刷は、「字幕あり」などの文字も入れた画像を入稿してもらい、その画像を印刷する形です。オーサリングは料金に含まれています。上の「メニューで選ばせる」構成や、字幕を切り替えられるディスク(字幕トラック)を当社に頼めるかは、注文の前に相談・問い合わせフォームで確かめてください。
SRTとASSの違い|タグが4つだけのSRTと、縁取りや位置まで指定できるASS
字幕を作る段階で扱うのは、ディスク上のビットマップではなく、テキストベースの字幕ファイルです。代表的なものを押さえておくと、制作会社とのやりとりが早くなります。
SRT(SubRip)
いちばん普及している形式です。中身はただのテキストファイルで、次の4つが1組になって並びます。
1から始まる連番
開始時刻と終了時刻を--> でつないだ行
字幕本文(1行または複数行)
次の字幕との区切りになる空行
タイムコードは時:分:秒,ミリ秒 の形式で、時分秒は2桁ゼロ詰め、ミリ秒は3桁ゼロ詰めです(00:00:00,000)。ここでよく間違いが起きます。秒とミリ秒の区切りはピリオドではなくカンマ と定められているので、表計算ソフトなどで自作した字幕ファイルがピリオド区切りになっていると、読み込みで失敗したり全行がずれたりします。
文字コードにも注意が必要です。SRTには公式な標準がなく、SubRipの既定の出力エンコーディングはWindows-1252です。日本語を扱うならUTF-8で保存してください。文字化けの原因の多くはここです。
使える装飾タグは、太字<b>、斜体<i>、下線<u>、文字色<font color="…"> の4つだけです。フォントの指定も、縁取りも、表示位置の指定もSRTにはありません。
ASS(Advanced SubStation Alpha)
SRTに足りないものが全部入っている形式で、指定できるのは次のようなものです。
フォント名(\fn)、サイズ(\fs)、縦横の拡大率、字間
縁取りの太さ、影の距離、ぼかし
文字色・縁色・影色それぞれの指定と、個別の透明度
絶対座標での表示位置(\pos)と、テンキー配置に対応した9分割の行揃え
回転やフェードといったアニメーション
ただし、ASSで作り込んだ装飾は、そのままDVDの選択式字幕にはなりません 。DVDの副映像は同時4色までなので、ぼかした影やグラデーションは載せられないからです。ASSの装飾を活かすなら、焼き込みにするのが現実的な選択になります。
形式
中身
できること
主な使いどころ
SRT
テキスト
太字・斜体・下線・文字色
入稿用の標準。汎用性が最も高い
ASS / SSA
テキスト
フォント・縁取り・影・位置・回転など
見た目を作り込んで焼き込む場合
SUP(PGS)
画像
ブルーレイの字幕トラックそのもの
BD用に完成した字幕データ
制作に出すときは、装飾の指定がなければSRTをUTF-8で、見た目まで指定したいならASSで渡すのが手戻りが少ない渡し方です。動画本体のほうも形式によって扱いが変わるので、動画ファイル形式の基礎(MP4・MOV・AVIの違い) とあわせて確認しておくと安心です。
選択式の字幕が出ない3つの原因|初期状態・トラック名・再生環境
「選択式にしたのに字幕が出ない」という相談は、たいてい次の3つのどれかです。
1. 初期状態がオフになっている
もっとも多い原因です。ディスク側で既定表示に設定していても、プレーヤー本体の字幕設定が優先される場合があります。視聴者はリモコンの「字幕」ボタンを押して切り替える必要がありますが、そのボタンの位置も名称も機種によって違います。「字幕」「Subtitle」「SUBTITLE」と書かれているもの、設定メニューの奥にしかないもの、リモコンにボタンがなくディスクのメニュー画面から選ぶしかないものがあります。
実務上の対策は単純で、ディスクのトップメニューに「字幕あり/字幕なし」の選択ボタンを置く ことです。リモコン操作に頼らず、ディスクを入れて最初に出る画面で選べるようにします。メニュー画面の作成に対応している制作会社なら、この構成を最初から相談できます。
2. 字幕トラックの名前が分かりにくい
字幕トラックには言語名を付けられますが、設定を省くと「字幕1」「Subtitle 1」といった無名称のまま出ることがあります。日本語字幕が1本だけでも「日本語」と名前を付けておくと、切り替え画面で迷いません。聞き取り補助が目的なら「日本語(字幕)」のように用途が分かる名前にしておくと、より親切です。
3. 再生環境そのものが対応していない
据置プレーヤーやレコーダーはDVD-Video・BDMVの規格に沿って作られているので、規格どおりに作った字幕トラックは基本的に扱えます。問題が起きやすいのは、それ以外の環境です。
パソコンの再生ソフト。 ソフトによって字幕の扱いが異なり、既定でオフのもの、メニューの階層が深いものがあります。
ポータブルDVDプレーヤーや車載機。 簡易な作りのものでは字幕切り替えの操作系が省かれている場合があります。
DVDレコーダーで作ったディスク。 機器の録画機能で作ったディスクは、そもそも副映像ストリームを持たない構成になっていることがあります。
なお、北米のDVDで使われるLine 21方式のクローズドキャプションと、DVDの副映像字幕は別の仕組みです。日本などリージョン2のDVDではLine 21キャプションは使われず、利用できる字幕言語をリスト表示する形が一般的とされています。テレビ放送の字幕(日本では文字多重放送)ともまた別の系統なので、「テレビの字幕ボタンで出る/出ない」はディスクの字幕の判断材料になりません。再生機ごとの相性については家庭用プレーヤーの互換性 にまとめています。
配る前に、実際に配る相手が使う機械と同じ種類の環境で1枚確認する のがいちばん確実です。ご家族に送るなら、まず1枚だけ作って自分の家のプレーヤーで通しで再生し、リモコンで字幕を切り替えてみる。ここで問題が出れば、残りの枚数を作る前に直せます。1枚単位で注文できるサービスなら、この「先に1枚」がそのまま注文できます。
相手と同じ種類の機器で1枚試せば、残りを作る前に直せる
テレビで読める字幕は、縁取りと下端マージンで決まる
パソコンのモニターで50cmの距離から見て読めた字幕が、リビングのテレビを2〜3m離れて見ると読めない。これは字幕制作でいちばん起きやすい失敗です。視距離が4倍になれば、同じ大きさの文字は見かけの大きさが4分の1になります。
文字サイズは画面の高さを基準に考える
画面の高さの何パーセントか で考えると、DVDでもブルーレイでも使い回せます。ピクセル数で覚えると、DVDとブルーレイで解像度が違うので混乱します。目安として文字の高さが画面高の4〜5%程度あれば、離れたテレビでも読みやすくなります。1080pなら44〜54ピクセル前後、DVDの480ライン相当なら19〜24ピクセル前後という計算です。実際の見えやすさはテレビの大きさや視聴距離で変わるので、最終的には実機で確認してください。
縁取りは装飾ではなく可読性のための機能
映像は明るい場面と暗い場面が入れ替わります。白い文字だけを載せると、雪、白い壁、逆光、明るい空が背景に来た瞬間に文字が消えます。これを防ぐのが縁取り(アウトライン)です。白文字に黒の縁取りを付けておけば、背景が明るくても暗くても輪郭が残ります。
DVDの選択式字幕は同時4色までなので、色の配分は「透明・白(文字)・黒(縁)・もう1色」といった構成になります。凝ったことはできませんが、逆にいえば白文字+黒縁という組み合わせは規格の制約の中にきれいに収まる ということでもあります。焼き込みで自由に作れる場合も、まずこの組み合わせから始めるのが無難です。
半透明の黒帯を文字の下に敷く方法も読みやすいのですが、映像が隠れる面積が増えるので、話者の口元やテロップが下部にある映像では相性を見てください。
画面の端に置かない
テレビによっては映像の外周がわずかに画面の外にはみ出して表示されることがあります(オーバースキャン)。字幕を画面のいちばん下ぎりぎりに置くと、機種によって下側が切れる可能性があります。放送業界には安全に文字を置ける範囲を定めた勧告(EBU R95など)がありますが、実務的には画面の下端から画面高の10%程度は空ける と考えておけば大きく外しません。左右も同様に、端まで文字を伸ばさないでください。
フォントは太めのゴシック体
明朝体は縦線と横線の太さの差が大きく、細い横線が小さいサイズで消えます。DVDの解像度まで縮めるなら、この差は致命的になります。ゴシック体、それも中太〜太めのウェイトを選んでください。高齢の方に見せる前提なら、少し大きすぎるかなと思うくらいで調整して、実機で確認するのが早道です。
文字の大きさ・縁取り・余白・書体を決めたら、実機で確かめる
1行13文字・2行まで、表示は5/6秒以上7秒以下|文字数と秒数の目安
字幕は読めるスピードで出さないと意味がありません。ここは感覚ではなく数字で決められます。
1行の文字数と行数
日本語字幕は1行13文字で2行まで とされています。英語圏では1行35文字で2行という目安が使われますが、日本語は1文字あたりの情報量が多いぶん、文字数の上限が低く設定されています。2行を超えると画面下部を占領しすぎて映像が見えなくなり、視線の移動量も増えます。
1つの字幕を出しておく時間
配信向けの字幕制作ガイドラインでは、1つの字幕の表示時間について最短で1秒の6分の5(24fpsなら20フレーム)、最長で7秒 という基準が使われています。短すぎると読み終わる前に消え、長すぎると同じ文字を読み続けることになって画面がだれます。
この2つを掛け合わせると読み速度が出る
上限どうしを突き合わせてみます。13文字×2行=26文字を、上限の7秒で表示すると、1秒あたり約3.7文字です。日本語字幕の世界で慣習的に言われる「1秒4文字」という数字と、ほぼ一致します。つまり1秒あたり4文字弱を上限として、話した内容を要約する のが実務のラインになります。
項目
目安
1行の文字数
13文字
行数
2行まで
1つの字幕の最短表示
1秒の6分の5(24fpsで20フレーム)
1つの字幕の最長表示
7秒
読み速度(上記からの計算値)
1秒あたり約3.7文字
話した言葉をそのまま書かない
この数字が意味するのは、字幕は書き起こしではない ということです。人が普通に話すスピードは1秒4文字よりずっと速いので、そのまま文字にすると必ず入りきりません。実際の作業では次のように削ります。
「えー」「あのー」「まあ」といったフィラーは落とす
「〜だと思うんですけれども」→「〜だと思います」のように語尾を締める
敬語の重なりをほどく(「させていただきました」→「しました」)
言い直しは最終形だけを残す
助詞を省いて体言止めにする(ただし意味が変わらない範囲で)
切る位置は文節の切れ目で
2行に分けるとき、また次の字幕に送るときは、文節の途中で切らないでください。「今日は天気が良かった\nので出かけました」は読みにくく、「今日は天気が良かったので\n出かけました」なら1回で頭に入ります。行末が数文字短くなっても、意味の切れ目を優先したほうが読み速度は上がります。
聞き取り補助が目的なら情報も足す
耳の遠いご家族に見せる目的であれば、話し言葉の書き起こしだけでは足りない場面があります。誰が話しているか分かりにくい場面では「(父)」「(司会)」のように話者を添える、音楽や拍手が状況の理解に必要なら「♪」や「(拍手)」を入れる。放送や配信の字幕で使われている書き方をそのまま借りると、見る側も戸惑いません。
制作に出すときに渡すものは、元動画・字幕ファイル・見本の3点
字幕入りのディスクを制作会社に頼むとき、渡すものが揃っていれば往復のやりとりが減ります。
1. 元の動画ファイル
編集済みの完成データを、なるべく高画質のまま渡してください。ディスク化の段階でどのみち圧縮がかかるので、こちらで先に圧縮しておく必要はありません。むしろ二重圧縮になって画質が落ちます。
2. 字幕データ
渡し方は3通りあり、どれを選ぶかで仕上がりが変わります。
字幕を焼き込んだ動画そのものを渡す。 見た目が確定しているので認識のずれが起きません。ただし後からの修正はできません。
字幕なしの動画+SRTまたはASSファイルを渡す。 焼き込みにも選択式にも回せます。UTF-8で保存してください。開始のタイムコードが動画の先頭と合っているかも確認しておくと確実です。
動画+台本や書き起こしテキストを渡す。 タイミングを含めて作ってもらう形になり、その分の作業が発生します。まずは範囲と費用を相談してください。
3. 仕上がりの見本
字幕の見た目は言葉で伝えると必ずずれます。「大きめで」「見やすく」は人によって意味が違います。希望する見た目に近い1コマのスクリーンショット を1枚添えるのが、いちばん速く正確です。手元に見本がなければ、字幕の付いた市販のディスクや配信作品を再生してスマートフォンで撮った写真でも役に立ちます。
入稿はギガファイル便のURLで
動画は容量が大きいので、メール添付は現実的ではありません。当社が受け付けるのは完成した動画のデータで、入稿は、ギガファイル便のURLを注文フォームに貼る形です。ギガファイル便、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなどが使えます。無料のファイル転送サービスには保存期限があるので、URLを貼る前に期限を確認してください。手順はギガファイル便での入稿ガイド にまとめています。
納期と費用の考え方
当社は基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)からで、1枚から注文できます。オーサリングは料金に含まれています。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも、オプションで対応しています。
納期は通常便のほか、お急ぎお届け(+1,500円/平日15時までの注文・入稿で翌々日までに発送)と特急お届け(+3,000円/平日15時までの注文・入稿で翌日発送)を選べます。当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までの注文・入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)もあります。
字幕は文言の確認に時間がかかりやすい部分です。急ぎの案件では、字幕の文言を先に固めてから入稿すると、納期の計算がしやすくなります。まず1枚だけ作って実際のテレビで確認し、問題がなければ残りの枚数を注文する、という進め方も1枚単位の注文なら取れます。
よくある質問
Q. DVDの字幕を後から消せるようにできますか? A. できます。字幕を映像に焼き込まず、DVD-Videoの副映像ストリームとして別トラックに収めれば、再生時にリモコンでオン・オフを切り替えられます。DVD-Videoの規格では副映像ストリームを最大32本まで持てます。ただし切り替えの操作はプレーヤーの機種によって異なり、初期状態でオフになっている場合もあります。確実に見せたい相手に渡すなら、焼き込みか、トップメニューで字幕あり・なしを選ばせる構成のほうが安全です。
Q. 焼き込み字幕と選択式字幕、どちらを選べばいいですか? A. 渡す相手がリモコンの字幕ボタンを操作できるかで決めてください。高齢のご家族に郵送する、式典の会場で誰が操作するか分からない、聞き取りづらい音声で字幕がないと内容が伝わらない、といった場合は焼き込みが向いています。作品として鑑賞用に配る、複数言語を入れたい、あとで文言を直す可能性がある場合は選択式です。両方欲しいときは、字幕入りと字幕なしのディスクを2種類作って盤面に刷り分ける方法もあります。
Q. SRTファイルを渡せば選択式の字幕にしてもらえますか? A. SRTファイルは字幕データとして一般的な渡し方です。ディスク上の字幕は文字コードではなくビットマップ画像として収められるため、オーサリングの工程でSRTから字幕画像に変換する作業が入ります。渡すときはUTF-8で保存してください。SubRipの既定の出力エンコーディングはWindows-1252のため、そのままだと日本語が文字化けすることがあります。また秒とミリ秒の区切りはカンマと定められているので、ピリオドになっていないかも確認してください。選択式の字幕にする作業を当社に頼めるかは、相談・問い合わせフォームで確かめてください。
Q. 字幕の1行は何文字までにすべきですか? A. 日本語字幕は1行13文字、2行までが目安とされています。表示時間は1つの字幕につき最短で1秒の6分の5、最長で7秒という基準が配信向けのガイドラインで使われています。上限どうしを計算すると26文字を7秒で表示することになり、1秒あたり約3.7文字です。慣習的に言われる1秒4文字という数字とほぼ一致します。人が話すスピードはこれより速いので、フィラーを落とし語尾を締めて要約する作業が必要になります。
Q. DVDの字幕に凝ったデザインを付けられますか? A. 選択式の字幕トラックとしては、あまり凝ったことはできません。DVD-Videoの副映像は1画素あたり2ビットのランレングス符号化ビットマップで、同時に使える色は4色までだからです。グラデーション、ぼかした影、半透明の帯といった装飾は載せられません。白文字に黒の縁取りといった構成が基本になります。ASS形式で作り込んだ装飾を活かしたい場合は、映像に焼き込む方式を選ぶことになります。
Q. 選択式にしたのにテレビで字幕が出ません。原因は何ですか? A. 考えられる原因は3つあります。ひとつはプレーヤー側の字幕設定が初期状態でオフになっていること、ひとつは字幕トラックに名前が付いておらず切り替え画面で見つけにくいこと、ひとつは再生機がその字幕を扱えないことです。ポータブル機や車載機、パソコンの再生ソフトでは扱いが異なる場合があります。まず1枚だけ作り、実際に配る相手が使う環境と同じ種類の機器で再生してリモコン操作まで確認しておくと、残りを作る前に対処できます。
Q. テレビの字幕ボタンで出る放送の字幕と、DVDの字幕は同じものですか? A. 別の仕組みです。日本の地上波・BS放送で使われている字幕は文字多重放送という方式で、DVDの副映像字幕とは系統が異なります。また、北米のDVDで使われるLine 21方式のクローズドキャプションも別の仕組みです。日本などリージョン2のDVDではLine 21キャプションは使われず、利用できる字幕言語をリスト表示する形が一般的とされています。テレビ放送で字幕が出るかどうかは、ディスクの字幕が出るかどうかの判断材料にはなりません。
Q. 字幕付きのディスクは1枚だけでも作れますか? A. 当社では基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)からで1枚単位の注文に対応しており、オーサリングは料金に含まれています。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも、オプションで対応しています。当社が受け付けるのは完成した動画のデータで、字幕を焼き込んだ動画なら、そのまま入稿できます。字幕を切り替えられるディスク(字幕ファイルを別のトラックとして入れる形)を当社に頼めるかは、相談・問い合わせフォームで確かめてください。