この記事の要点
レーベル面側から光を当てて透かす のが最初の確かめ方です。健全な盤は反射層で光が止まるので、記録面側から白い点が見えたら、その部分の反射層は失われています。
乾いた布で中心から外周へ直線に拭いて消えれば汚れ です。拭いても位置が動かず、光の角度を変えても同じ場所に見えるなら、ディスク内部の層で起きた変化です。
CDは記録層と反射層がレーベル面のすぐ下 にあります。そのため同じ変色でも、記録層が中央にあるDVDとは原因も深刻さも変わります。
アルミ反射層の酸化(ディスクロット)は元に戻りません 。ただし、酸化が進んで銀色がつや消しの灰色に近づくまでは読み出せることが多く、その間が複製の猶予です。
レーベル面が浮いた盤やシールを貼った盤は拭かない のが原則です。シールを剥がすと、回転バランスが崩れて読めなくなることがあります。
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棚の奥から出したDVDをケースから抜き、なにげなく蛍光灯にかざしたら、記録面の一部が薄く曇って見えた。前に再生したときはこんな色ではなかったはずだが、記憶違いかもしれない。こういう「たぶん気のせいだけど気になる」状態は、そのまま棚に戻されて数年経つことが多いものです。
やっかいなのは、色や透け方の変化に、拭けば消える汚れと、ディスクの内部で起きてしまって戻らない変化の両方があることです。見分け方は単純で、乾いた布で中心から外周へ直線に拭いて消えれば汚れ、拭いても位置が動かず、光の角度を変えても同じ場所に見えるなら内部の層の変化です。
二つは対処がほぼ逆で、内部の変化を「汚れだろう」と決めつけて強く拭くと、読めていたものが読めなくなります。逆に、汚れを劣化と思い込んで諦めてしまうのも、もったいない話です。内部の変化が見つかったら、拭いてきれいにするより先に、読めるうちに中身を取り出すのが最優先になります。数値や仕組みの部分は、米国のNIST(国立標準技術研究所)とCLIRが公開している光ディスク保存ガイド(Byers 2003)を根拠にしています。
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光にかざして見る劣化のサイン|点で透ける・縁の帯状のくもり・銀色のつや消し 汚れか劣化か。乾いた布で消えれば汚れ、位置が動かなければ層の変化 CDは記録層がレーベル面の直下、DVDは中央、ブルーレイはカバー層0.1mm ディスクロットとは何か。反射層のアルミが酸化し、銀色がつや消しの灰色になる 記録層の変化|CD-R・DVD-Rの色素は日光と熱で分解し、透明度が下がる 複製の優先順位は、劣化の度合いではなく「買い直せるかどうか」で決める 読めるうちにやる作業|吸い出し、2か所に保存、再生用の新しい盤の順 拭いてはいけない状態|レーベル面の浮き・縁の白化・シールを貼った盤 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
光にかざして見る劣化のサイン|点で透ける・縁の帯状のくもり・銀色のつや消し
まず、部屋の照明か窓のほうへ記録面(読み取り面)を向け、ディスクを少しずつ傾けながら全周を見ます。正面から止めて見るだけでは、単なる反射のムラと本当の変化を区別できません。10度ずつ角度を変えるつもりでゆっくり回すと、見え方が動くものと動かないものに分かれます。動かないほうが問題です。
次に「透かし」ます。スマートフォンのライトをレーベル面側から当て、記録面側から覗いてください。健全なディスクは反射層で光が止まるので、ほとんど透けません。光が抜けて見える箇所は、その部分の反射層が失われているか、きわめて薄くなっているということです。透かしは、暗い部屋でやると精度が上がります。
この二つの見方で拾えるサインは次のとおりです。
針で刺したような小さな点が光を通す。最初は数個で、時間とともに増えることがあります
外周から数ミリ内側にかけて、帯状にくもる。縁から進む変化の典型です
中心のクランプ部(ドライブが掴む輪の部分)の周りから曇りが広がる
銀色が鏡のような輝きを失い、つや消しの灰色に近づく
記録済みの領域と未記録領域の境目(データが終わる円)の輪郭がにじむ
見誤りやすい点が一つあります。レーベル面に光を当てたとき、印刷された文字やロゴの形どおりに光が透けて見えることがあります。これは劣化ではありません。文字部分をインクで刷るのではなく、反射層を抜いて文字を表現している盤があり、その場合は光にかざすと文字を通して向こうが見えます(Byers 2003)。文字の形どおりに透けるなら仕様、文字と無関係な位置に不定形の点や帯が出ているなら要注意 、と切り分けてください。
見え方
疑われる変化
元に戻るか
表面に付いた曇り・すじ・指の跡
皮脂、ほこり、水しみ
拭けば戻る
光を通す小さな点が散っている
反射層がその部分で失われている
戻らない
外周から帯状にくもる
縁からの水分侵入、貼り合わせの剥離
戻らない
銀色全体がつや消しの灰色になる
アルミ反射層の酸化
戻らない
記録面全体が白っぽく濁る
結露、カビ、樹脂のくもり
状態による
未記録部の色が薄い、片側だけ退色
色素層の分解(日光・熱)
戻らない
見つけた変化は、その場でスマートフォンで撮っておくと後で役に立ちます。半年後に同じ照明・同じ角度で撮り直すと、進行しているのか止まっているのかが判断できます。
汚れか劣化か。乾いた布で消えれば汚れ、位置が動かなければ層の変化
切り分けの手順は簡単です。清潔な木綿の布かセーム革で、中心から外周へ向かって直線に 、軽く一往復だけ拭きます。円周に沿って拭くのは避けてください。トラックと同じ方向の傷は、中心から外周へ向かう傷よりエラー訂正で直しにくいためです(Byers 2003)。
これで消えるなら汚れです。消えないなら、次の二点を確認します。ひとつは、ディスクを傾けて見たときに、その模様が「表面に貼り付いているように見えるか」「奥のほうにあるように見えるか」。奥に見えるなら層の変化です。もうひとつは、記録面側とレーベル面側の両方から見て、同じ位置に同じ形で見えるか。両側から同じに見えるものは、表面の汚れではありません。
動くか・文字の形か・拭いて消えるかの3つで切り分ける
汚れだと分かった場合でも、あわてて洗剤に手を伸ばす必要はありません。保存ガイドは「ディスクに定期的な清掃は不要、必要なときだけ」という立場で、拭くたびにポリカーボネート基板が傷むリスクがあると明記しています(Byers 2003)。まず浮いたほこりはブロアーで飛ばし、乾いた布で試し、それで落ちないときだけ水や光ディスク用の中性洗剤に進むのが順序です。
意外に思われるかもしれませんが、読み取りエラーを起こしやすいのは細かい傷より指紋や皮脂のほう です。傷はレーザーの焦点より手前にあるため、浅いものなら焦点が奥に合っていて、影響が出にくくなります。一方、指紋や皮脂は広い面積にわたって光の強度と焦点を乱すので、ドライブのエラー訂正能力を超えやすいのです(Byers 2003)。「傷はないから大丈夫」と判断せず、まず手の跡を落としてから再生を試すほうが早く解決します。
再生できない原因は劣化や汚れだけとは限らず、ファイナライズ漏れやプレーヤー側の相性、ディスクの種類の問題であることも珍しくありません。見た目に変化がないのに読めない場合は、読み込めないDVDを復活させる方法 のほうから当たったほうが早く原因にたどり着きます。
CDは記録層がレーベル面の直下、DVDは中央、ブルーレイはカバー層0.1mm
同じ「記録面の変色」でも、ディスクの種類によって意味が変わります。層の並び方が違うからです。
CDは、ポリカーボネートの上に記録層と反射層があり、その上を薄いラッカーが覆っているだけの構造です。つまり反射層はレーベル面のすぐ下に位置します 。ボールペンや細字のマーカーで書き込むと金属がへこんで穴が開き、その部分の反射が失われます。この損傷は修復できません(Byers 2003)。CDのレーベル面の傷は、記録面の傷よりずっと深刻です。
DVDは事情が違います。カバー層0.6mmの板を二枚貼り合わせた構造で、記録層はディスクのほぼ中央にあります。そのため、レーベル面の引っかき傷が記録層まで届くことはまずありません。代わりに固有の弱点があり、貼り合わせが剥がれると外周から帯状に曇って見える ようになります。DVDの縁が白っぽい、あるいは縁に沿って虹色の帯が出ているときは、この貼り合わせ層に水分が入っている可能性を考えます。
ブルーレイはカバー層が0.1mmしかありません。CDの1.2mm、DVDの0.6mmと比べて薄く、そのぶん読み取り面の傷に弱いため、規格の途中からハードコートを前提とした表面強度の規定が加わっています。裏を返せば、ハードコート付きのブルーレイは表面の擦り傷には強い一方、そこを突き破る深い傷や薬品には弱い ということです。研磨剤入りのクリーナーは使わないでください。
CDは反射層がレーベル面の直下。層の並びで原因と深刻さが変わる
三者の違いは、容量や画質だけでなく、経年で何が起きるかにも関わってきます。手元にあるディスクがどれなのか、どれに残すべきかで迷っている場合は、DVDとブルーレイの違い のほうで容量・画質・互換性の側から整理しています。
ディスクロットとは何か。反射層のアルミが酸化し、銀色がつや消しの灰色になる
反射層のアルミが酸化していく現象は、英語圏ではdisc rot(ディスクロット)と呼ばれます。ディスクの色の変化として最もよく知られているものです。CD-ROMやDVD-ROM、つまり工場でプレスされた市販ソフトの盤は反射層にアルミを使っており、環境由来の劣化としてはこれが主因です(Byers 2003)。
酸素や水分は、ポリカーボネート越しに、あるいはCDのレーベル面のラッカーや縁から入り込みます。とくに古いCDには縁までラッカーが回っていないものがあり、そこから水分が入って進行しました。表面の傷やひび、レーベルの剥離部分があると、そこから侵入しやすくなります。
見た目の変化は具体的で、銀色に光っていた反射層が、酸化して鈍くなり、アルミの脚立のような色になっていきます (Byers 2003の表現)。反射率が落ちればレーザーは信号を読めません。これは元に戻せない変化です。
一方、CD-RやDVD-Rなど記録用(R系)の盤は、アルミではなく金または銀合金を使います。金は腐食しません。銀は大気汚染物質の二酸化硫黄と反応して腐食しますが、高湿度によるアルミの酸化に比べれば起きにくいとされています。そのため、同じ棚に入っていても、市販のプレス盤のほうが先に色が変わることは十分ありえます 。
寿命の数字については注意が必要です。メーカー各社の加速試験にもとづく推定では、CD-R・DVD-R・DVD+Rが推奨される保管条件で100〜200年以上、CD-RWやDVD-RAMなどの書き換え型が25年以上とされています。一方、CD-ROM・DVD-ROMは独立機関の試験報告がほとんどなく、推定が20〜100年と大きくばらついています。
NISTの加速試験では、ある種類のDVD-Rについて25℃・相対湿度50%で30年という推定値も出ています(Byers 2003)。いずれも加速試験からの推定であって、実際の棚での実測ではありません 。保管環境しだいで大きく前後する数字として受け取ってください。前提の詳しい話はCD・DVD・ブルーレイの寿命 にまとめています。
記録層の変化|CD-R・DVD-Rの色素は日光と熱で分解し、透明度が下がる
反射層とは別に、記録層そのものが変わることもあります。CD-R・DVD-R・DVD+Rは有機色素に記録するため、未記録の部分に青緑や紫がかった色が見えます。この色素は、紫外線と熱で分解します。
分解が進むと色素の透明度が下がり、本来は記録されていない部分がレーザーからは「記録された印」に見えてしまい、エラーとして現れます (Byers 2003)。色ムラや退色が見た目に出ているなら、内部ではすでにこの状態が始まっていると考えられます。
直射日光が有害な理由は二つあります。紫外線の光子が色素分子の光学特性を変える光化学反応を起こすこと、そして日光の赤外域がディスクに熱を溜めることです。窓ガラスは紫外線の多くを吸収しますが、赤外線は通します。
そのため窓際に置いた盤は、ガラス越しでも熱によるダメージを受けます 。ケースに入っていても、ケースごと日に当たっていれば熱は防げません。真夏の車のダッシュボードや、窓辺のヒーターの横に置かれたR系・RW系の盤は、数日で読めなくなることがあるとされています(Byers 2003)。
見分ける手がかりは、変化の分布です。酸化による反射層の変化は縁や点から不規則に広がるのに対し、光と熱による色素の変化は、日が当たっていた側だけ薄い、ケースの窓の形に色が抜けている、といった偏り方をします 。ディスクを回しながら、色の濃淡に方向性があるかを見てください。
不規則に広がるなら酸化、向きに偏りがあるなら光と熱を疑う
CD-RWやDVD-RW、DVD-RAMは色素ではなく相変化膜を使うため、光そのものにはほぼ影響されません。ただし膜は熱に弱く、もともとR系の色素より劣化が速いうえ、書き換え回数を重ねるほど寿命は短くなります(Byers 2003)。繰り返し録画に使ってきたRW盤に大事な記録が入っているなら、優先度は高く見積もったほうがいい ということです。
複製の優先順位は、劣化の度合いではなく「買い直せるかどうか」で決める
棚に何十枚もある状態で、全部を同時に処理するのは現実的ではありません。順番をつけます。このとき、劣化の見た目の派手さで並べたくなりますが、それでは基準として弱いのです。基準にすべきは「失ったときに取り返しがつくか」です。
市販のDVDソフトは、変色していても買い直せます。中古で手に入るなら数百円の話です。一方、結婚式の記録、子どもの発表会、法要の映像、廃業した会社の記録映像は、どこにも代わりがありません。代替不能なディスクは、見た目に変化がなくても最優先です。
そのうえで、三段階に分けると動きやすくなります。
見た目に変化があり、かつ再生時に止まる・ブロックノイズが出る・パソコンで一部のファイルが開けないなら、すぐに着手する。エラー訂正が追いつかなくなり始めている段階です
見た目に変化はあるが、再生は最後まで通るなら、数週間以内に取りかかる。ここが一番作業しやすい時期で、まだ完全な吸い出しができる可能性が高い
変化がなければ経過観察。ただし代替不能な内容なら、この分類でも複製の対象に入れる
再生できているうちは大丈夫、という感覚は捨ててください。CDもDVDも読み取り時にエラー訂正が働いており、ユーザーが異常に気づくのは、訂正しきれなくなってからです (Byers 2003)。つまり「まだ普通に見られる」段階でも、内部のエラーはすでに増えている可能性があります。見た目の変化は、その内部の進行を外から推し量る数少ない手がかりです。
見た目の派手さではなく、失ったときに取り返しがつくかで順番を決める
点検を習慣にするなら、年に一度、同じ照明・同じ角度で全周を撮って日付フォルダに入れておくのがおすすめです。人間の記憶は色の変化に鈍いので、写真同士を並べたときにはじめて「去年より縁の帯が太い」と分かります。
読めるうちにやる作業|吸い出し、2か所に保存、再生用の新しい盤の順
順序を間違えないでください。先にやるのはデータの確保で、きれいにするのはその後です。 拭いた結果、状態が悪化して読めなくなる可能性がある以上、まだ読めている今のうちに中身を取り出すのが最優先になります。
手順は次のとおりです。
1. パソコンで吸い出す 。DVD-Videoならディスク全体をイメージ(ISO)として、データディスクならフォルダごとコピーします
2. エラーが出たら別のドライブで試す 。読み取り性能はドライブごとに差があり、一台で失敗しても別の機械なら通ることがあります。外付けドライブと内蔵ドライブの両方を試す価値があります
3. 取り出したデータを2か所以上に置く 。パソコンの中だけ、外付けHDDだけ、という状態は保存とは呼べません
4. 再生用に新しいディスクを作る 。テレビのプレーヤーで見る用途なら、この段階が必要です
5. 元のディスクは捨てない 。あとで別の方法で読み直せる可能性が残ります
4の複製について、よく心配されるのが画質です。ディスクからディスクへの複製はデジタルデータのコピーなので、再エンコードをはさまなければ画質は落ちません。落ちるのは、途中で変換をかけたときです。条件の詳しい話は画質が劣化しないコピー で整理しています。
吸い出したデータをディスクに戻す作業まで手が回らない場合は、代行という選択肢があります。当社では基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で受け付けています 。ファイルを再生できる形に組み立てるオーサリングは料金に含まれるため、動画ファイルさえあれば別途の作業は不要です。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも、オプションで対応しています。
入稿は、ギガファイル便のURLで受け付けています。手元にドライブがない場合や、ディスクから吸い出したファイルをそのまま入稿したい場合に当社に頼めるかは、注文の前に相談・問い合わせフォームで確かめてください。
拭いてはいけない状態|レーベル面の浮き・縁の白化・シールを貼った盤
最後に、触らないほうがいい状態を挙げます。拭いたり剥がしたりすると、読めていたものが読めなくなります。
レーベル面の印刷やコーティングが浮いている、剥がれかけている 。拭くと剥ぎ取ってしまいます。CDの場合、その下はもう反射層です
シールを貼ってあるディスク 。剥がそうとしないでください。CDではラッカーと反射層まで持っていかれることがあり、DVDでも一部が剥がれると回転バランスが崩れて読めなくなります。DVDのほうが微小なアンバランスに敏感です(Byers 2003)。シール付きの盤に大事なデータがあるなら、剥がすのではなく、シールのないディスクに中身を移すのが正解です
縁が白く粉を吹いている 。ラッカーが剥離している状態です。外周に触れない持ち方(中心の穴と縁の一点だけ)で扱ってください
カビが根を張っている 。乾いた布で引きずると、菌糸を全周に伸ばしながら傷をつけます。まずブロアーで浮いたものを飛ばし、それでも残る部分だけを湿らせた布で軽く当てます
使ってはいけないものもはっきりしています。アセトンやベンジンといった強い有機溶剤はポリカーボネートを溶かし、修復できない損傷を与えます。ティッシュやレンズペーパーを含む紙製品、研磨剤入りのクリーナーも避けてください。拭く方向も重要で、円周に沿って拭くのは避けます 。
使ってよいものは、乾いた木綿の布かセーム革、水、光ディスク用に作られた中性洗剤、イソプロピルアルコールかメタノールです。イソプロピルアルコールとメタノールはすぐ蒸発してポリカーボネートを溶かしませんが、レーベル面のコーティングやラベルを傷めることがあるので、記録面だけに使ってください。
データの確保が先。触ってはいけない状態と道具を先に確かめる
そして、変化が見つかったディスクを元の場所に戻すのは避けましょう。同じ棚に入っていた他の盤も、同じ環境にあったということです。
保存に向くのは、20℃未満・4℃以上、相対湿度20〜50%の範囲で、長期保管には18℃・湿度40%程度が適するとされています(Byers 2003)。ケースに入れて本のように立てて並べ、水平に積み上げたまま何年も置かないこと。具体的な置き場所の作り方はDVD・CDの正しい保管方法 にまとめています。
よくある質問
Q. DVDの記録面が虹色に光るのですが、これは劣化ですか? A. 角度を変えたときに虹色の位置が動くなら、通常の反射で、劣化ではありません。ディスクの記録面には細かい溝が並んでいて、光を分けて見せるためです。判断すべきは、傾けても位置も形も変わらない曇りや帯があるかどうか。とくに外周から数ミリ内側に、動かない帯状の虹色や白い濁りが出ている場合は、貼り合わせ層への水分侵入を疑う場面です。写真に撮って半年後に比べると、進行しているかが分かります。
Q. レーベル面に光を当てると文字の部分が透けて見えます。異常でしょうか? A. 文字やロゴの形どおりに透けるなら、多くの場合は仕様です。ディスクには、インクで文字を刷るのではなく、反射層を文字の形に抜いて表現しているものがあり、その部分は光にかざすと向こうが見えます。異常を疑うのは、文字と無関係な位置に、不定形の点や帯が透けて見えるときです。針で刺したような小さな点が散っている場合は、その部分の反射層が失われている可能性が高く、元には戻りません。
Q. 記録面に白い点がいくつも見えます。何が起きていますか? A. 光を通す小さな点は、その位置の反射層が失われているサインです。レーザーは反射で信号を読むため、反射が失われた部分のデータは読めません。原因は、酸素や水分が入り込んでアルミが酸化する、いわゆるディスクロットのほか、レーベル面をボールペンや細字ペンで押して金属をへこませたことによる穴もあります。とくにCDは反射層がレーベル面のすぐ下にあるため、後者が起きやすい構造です。どちらも修復はできません。
Q. 変色したディスクは元に戻せますか? A. 原因によります。表面の汚れや水しみは拭けば消えますし、湿気の多い場所から乾いた涼しい場所に移せば、吸った水分が抜けて元どおり再生できるようになることがあります。NISTの試験では、24時間水没させたCDが、室温で24時間乾かした後に正常に再生できたと報告されています。一方、アルミ反射層の酸化と、日光や熱による色素層の分解は、化学的に進んでしまった変化なので戻せません。この二つは「読めるうちに複製する」しか手がありません。
Q. 見た目は変わったけれど再生はできています。放置していいですか? A. 放置はおすすめしません。CDもDVDも読み取り時にエラー訂正が働いていて、利用者が異常に気づくのは訂正が追いつかなくなった後です。つまり「まだ普通に見られる」段階でも、内部のエラーはすでに増えている可能性があります。むしろ、最後まで再生できている今が、中身をまるごと取り出せる最後のタイミングかもしれません。まずパソコンで吸い出し、取り出したデータを2か所以上に置いてください。
Q. 市販のDVDソフトも劣化しますか? A. します。工場でプレスされたDVD-VideoやCD-ROMは反射層にアルミを使っており、酸素と水分によるアルミの酸化が、環境由来の劣化としては主な原因です。むしろ、記録用のDVD-Rなどが金や銀合金を使うのに対し、プレス盤のアルミは高湿度に弱いため、同じ棚に並べていてもプレス盤のほうが先に変色することはありえます。寿命の推定値は20〜100年と幅が大きく、独立機関の試験報告もほとんどないため、環境しだいと考えたほうが実際的です。
Q. どのくらいの周期で点検すればいいですか? A. 代替のきかない内容が入った盤なら、年に一度で十分です。頻度より、条件をそろえることが大事です。同じ照明・同じ角度で全周を撮影し、日付をつけたフォルダに入れておきます。人の目は緩やかな色の変化に鈍いため、写真を並べてはじめて「去年より縁の帯が太い」と気づけます。あわせて、保管場所の温度と湿度も見てください。20℃未満・湿度20〜50%が目安で、長期保管なら18℃・湿度40%程度が適するとされています。
Q. 劣化が進んでいるようで急いで複製したいのですが、どのくらいで届きますか? A. 当社には通常便のほか、お急ぎお届け(+1,500円/平日15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)、特急お届け(+3,000円/平日15時までのご注文・ご入稿で翌日発送)があります。大阪市北区の店舗で受け取れる当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までのご注文・ご入稿)もご利用いただけます。ご入稿はギガファイル便のURLを注文フォームに貼る形で、ギガファイル便が使えます。吸い出したファイルをそのまま入稿できるかは、注文の前に相談・問い合わせフォームで確かめてください。