この記事の要点
「劣化コピー」は、辞書では元の作品より程度や品質の劣る模倣(できの悪い二番煎じ)のこと。そっくりそのまま模造する「デッドコピー」とは、向きが逆の言葉です。
デジタルの動画や写真は、ファイルやディスクの中身をそのまま写せば、何度写しても元と同じデータです。コピーしただけでは画質は落ちません。ビデオテープは繰り返しダビングすると画質が落ちましたが、デジタルは何度コピーしても落ちないと辞書も説明しています。
画質が落ちるのは、写す途中で圧縮し直す(再エンコード)、解像度やフレームレートを変える、送るサービスやアプリが縮める、画面録画やアナログの出力を通す、のどれかが起きたときです。
同じかどうかはハッシュ値で確かめられます。WindowsはGet-FileHash、Macはshasum -a 256で出した値が、元とコピーで一致すれば中身も同じです。
市販のDVD・ブルーレイは、コピーガードを外して複製すると、家族で見るためでも著作権法の私的使用の例外に入りません(第30条1項2号)。
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「劣化コピー」とは、小学館のデジタル大辞泉では「すでにある作品や表現などの、程度や品質が劣る模倣」、つまりできの悪い二番煎じのことです。そっくりそのまま模造する「デッドコピー」は、向きが逆の言葉です。「劣化コピー」を動画や音楽の話で使えば、字のとおり、元より質の落ちた写しと読めます。ビデオテープのダビングで起きていたのは、その意味での劣化でした。
スマホで撮った運動会の動画を、パソコンやUSBメモリに写したら画質は落ちるのか。ビデオテープの時代に、ダビングを重ねるたびに映像がぼやけていった覚えがあると、「コピー」と聞くだけで心配になります。
デジタルの動画は、ファイルやディスクの中身をそのまま写すかぎり、何度写しても元と同じデータです。画質が落ちるのは、写す途中で映像が作り直されたときで、場面は4つあります。
圧縮し直す(再エンコード)
解像度やフレームレートを変える
送るサービスやアプリが縮める
画面録画やアナログの出力を通す
写したものが元と同じかどうかは、ハッシュ値という値を比べれば確かめられます。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
「劣化コピー」とは?辞書にある意味と、ダビングとの関係 デジタルコピーは、何度写しても元と同じデータになる 画質が落ちるのは、写す途中で映像を作り直したとき 画質を落とさずに写す・送るには 同じデータか確かめる|ハッシュ値の出し方 写真(JPEGなど)と音楽も、コピーしただけなら劣化しない 市販のDVD・ブルーレイ、テレビの録画は、写してよいかが先 動画から作る映像のDVDは、元のファイルと同じではない 元の画質を残すために、先にしておくこと よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
「劣化コピー」とは?辞書にある意味と、ダビングとの関係
辞書に載っている「劣化コピー」は、たとえの言葉です。デジタル大辞泉は「すでにある作品や表現などの、程度や品質が劣る模倣のこと。できの悪い二番煎じ」と説明し、例に「ビートルズの劣化コピーに過ぎない」を挙げています。元になった作品があって、それをまねたものが元に及ばない、という使い方です。
言葉を分けて辞書を引くと、画質の話にもつながります。「劣化」は「性能・品質などが低下して以前より劣ってくること」で、例文は「画質が劣化する」。「コピー」には、写し取ること(複写)、コンピューターでデータを複製すること、物まね、といった意味があります(どちらもデジタル大辞泉)。ただ、たとえの意味がビデオのダビングから広まったのかといった言葉の由来は、辞書には書かれていません。
写すたびに質が落ちる写しは、ビデオテープの時代には身近なものでした。講談社のIT用語がわかる辞典は「コピーワンス」の項で、「ビデオテープに繰り返しダビングすると画質が落ちるが、デジタル方式では何度コピーしても画質が落ちない」と説明しています。そのため海賊版が出回りやすく、それを防ぐために、デジタル放送の番組にはコピーの回数を絞る仕組みが付きました。
小学館の日本大百科全書も同じ項で、デジタル放送はコピーしても品質劣化が生じないことを、この仕組みの理由に挙げています。回数を1回に絞ったコピーワンスは、一部の有料放送を除いて、2008年7月から、より緩やかなダビング10に移っています。
テープは写すたびに落ちたが、デジタルは中身が変わらなければ元と同じ
デッドコピーと劣化コピーの違い
劣化コピーと並べて検索されることがある「デッドコピー」は、向きが逆の言葉です。劣化コピーが元に及ばないまねなら、デッドコピーは元と見分けがつかないほどのまねを指します。
言葉
辞書の意味
劣化コピー
すでにある作品や表現などの、程度や品質が劣る模倣。できの悪い二番煎じ
デッドコピー
そっくりそのまま模造すること。また、その模造品
デッドコピーは、法律の説明にも出てきます。不正競争防止法は、他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡したり輸入したりする行為などを、不正競争の一つにしています(第2条1項3号)。経済産業省は、この法律の解説の資料で、こうした模倣品を「デッドコピー商品」と呼んでいます。
「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すこと(第2条5項)。保護されるのは、日本国内で最初に販売された日から3年以内です(第19条1項6号イ)。商品の形をまねる話で、動画をコピーしたときの画質とは別の話です。
デジタルコピーは、何度写しても元と同じデータになる
デジタルの動画や写真、音楽は、中身が数値のデータです。ファイルをコピーするときは、その数値を別の場所へそのまま書き写します。書き写した数値が元と同じなら、画質も音も元と同じで、コピーのコピーを重ねても変わりません。日本大百科全書も「デジタルオーディオ」の項で、利点の一つに「複製(コピー)を繰り返しても、データが劣化することはない」ことを挙げています。
アメリカの国立標準技術研究所(NIST)が、図書館や公文書館の担当者に向けてまとめたCD・DVDの取り扱いの手引きも、同じ考え方です。デジタルの元データから作ったデジタルのコピーは、元の品質を保つとしています。ただし、ソフトや機器の働き、記録媒体の状態によって中身が変えられていなければ、という条件が付いています。読み取りの誤りなどで写す途中に中身が変われば、同じデータとは言えなくなります。
ビデオテープは事情が違いました。ダビングは、録画されたものを別のテープに録画し直して写す作業で、繰り返すと画質が落ちていったのは、辞書の説明にもあるとおりです。アナログの映像をデジタルに変えるときにも注意が要ります。NISTの手引きは、デジタルにした版は、サンプリングの細かさや圧縮の方式、変換するときの録画の質によって、元を正確には再現しないことがあるとしています。
写し方
画質
ファイルのコピー
変わらない
ギガファイル便
変わらない。加工も圧縮も しない(公式FAQ)
ISOにまとめて焼く
元と同じ中身の盤ができる
圧縮し直す
多くの場合、落ちる
解像度を縮める
落ちる。細かさは戻らない
コマ数を変える
コマを間引くか、同じコマを足して 合わせる
LINEなどで送る
元のままで届くとは限らない
画面録画
元と同じにならない。別の動画になる
アナログの出力を通す
元と同じにならない。取り込み直す ことになる
画質が落ちるのは、写す途中で映像を作り直したとき
コピーで画質が落ちるのは、写す途中で映像がいったん作り直された場合です。ファイルの形のまま写したのではなく、再生できる映像に戻してから、もう一度記録し直しています。
圧縮し直す(再エンコード)
動画のファイルは、映像を圧縮して記録しています。編集ソフトで書き出す、変換ソフトで圧縮の方式を変える、容量を減らすために小さくする。どれも、圧縮された映像をいったん元に戻し(デコード)、もう一度圧縮する(エンコード)作業で、これを再エンコード(トランスコード)と呼びます。変換ソフトFFmpegの説明書は、エンコードは多くの場合に画質を落とす(非可逆である)ので、必要なときだけにするよう書いています。
同じ「変換」でも、MOVからMP4のように入れ物(コンテナ)だけを替える作業なら、中身の映像には手を付けません。FFmpegの説明書も、デコードもエンコードもしない「ストリームコピー」には画質の低下がないとしています。変換が要るときは、元のファイルから1回だけにします。入れ物と中身の違いと、画質を落とさずに変換する設定はMOVとMP4の違い に、画質に関わるビットレートの読み方はビットレートとは にまとめました。
中身を圧縮し直すかどうかで、画質が落ちるかが決まる
解像度やフレームレートを変える
画面の大きさ(解像度)を縮めると、映像を描く点(画素)の数が減ります。DVDプレーヤーで見る国内向けの映像のDVDでは、画面の大きさがいちばん大きくて720×480です(オーサリングソフトの仕様)。フルHD(1920×1080)の動画をDVDにすると、画素の数は約6分の1になります。縮めるには映像を作り直すので、再エンコードも同時に起きます。記録されていない細かさを、あとから足すことはできません。DVDとブルーレイの解像度の違いは動画の推奨形式と解像度の選び方 で説明しています。
1秒あたりのコマ数(フレームレート)を変えるときは、コマの数を合わせる処理が入ります。AppleのFinal Cut Proの説明では、初期設定の「高速(フロア)」は、フレームを複製したり切り捨てたりして合わせる方式です。60fpsの動画を30fpsにすれば、1秒に60枚あったコマが30枚になる計算です。
送る途中で、サービスやアプリが作り直す
送る・預ける途中で、サービスやアプリの側が動画を作り直すことがあります。公式の説明で確かめられる例は、次のとおりです。
Googleフォトのバックアップを「保存容量の節約画質」にすると、1080pを超える動画は1080pにサイズ変更されます。「元の画質」なら、撮影時と同じ解像度で保存され、画質は変わりません
iPhoneのHEVCの動画をAirDrop・メッセージ・メールで送ると、受け取る機器によっては、H.264などの形式で自動的に共有されることがあります(Apple)
LINEの公式の説明には、トークで送った動画の画質がどう変わるかは書かれていません。アルバムについては、動画はオリジナル画質でアップロードできないとヘルプにあります
受け取った動画が元のままか分からないときは、元のファイルと大きさを比べるか、後の節のハッシュ値で確かめます。LINEで届く動画についてはLINEで動画の画質が落ちるとき に詳しく書きました。
画面録画やアナログの出力を通す
再生している画面を録画すると、手元に残るのは元のファイルではありません。画面に映った映像を記録し直した、別の動画です。記録するときにもう一度圧縮(エンコード)するので、元と同じにはなりません。再生画面をカメラで撮った場合も同じです。
プレーヤーの映像を、コンポジットやSビデオの端子の出力からキャプチャー機器で取り込むのも、作り直しの一つです。アイオーデータ(2026年7月にアイ・オー・データ機器から社名を変更)のGV-USB2を例にとります。入力はNTSCのアナログの映像で、録画ソフトのLightCaptureは720×480のMPEG-2で記録します。
元がハイビジョンでも、この経路を通れば720×480の映像になります。ビデオテープのように、もともとアナログの映像なら、この取り込みがデジタル化の最初の作業です。手順はビデオテープをデジタル化する方法|自分でやる手順と、業者に頼むときの確かめ方 にまとめています。
画質を落とさずに写す・送るには
画質を保ったまま写すには、ファイルやディスクの中身に手を付けない方法を選びます。どれを使うかは、写す先と相手しだいです。
手元で写すなら、ファイルのままのコピーで十分です。エクスプローラーやFinderでのコピー、USBメモリや外付けのHDD・SSDへのコピーは、データをそのまま書き写す操作です
人に送るなら、中身を加工しない転送サービスを使います。ギガファイル便は、ファイルを転送するだけでデータの加工や圧縮はしていない、と公式FAQで答えています
自分で作ったディスクを写すなら、中身をISOファイルにまとめてから焼きます。書き込みソフトBurnAwareの説明書は、こうして焼けば元のディスクと同じ中身の盤ができるとしています
ISOファイル(ISOイメージ)は、ディスクに書き込まれたすべての部分を、ファイルの仕組みごと1つのファイルに収めたものです。作り方はDVDをパソコンに取り込む方法 に書きました。使えるのは保護のかかっていない自作のディスクです。
受け取った側は、ダウンロードしたファイルで画質を確かめます。ダウンロード画面の「いますぐWebで中身を見る」(GIGAFILE FLY)で一覧できる画像は、公式FAQによれば、容量を軽くしたプレビュー版です。送り方と、元の画質で届いたかの確かめ方はギガファイル便で動画の画質は落ちるか にまとめました。
iPhoneからパソコンに読み込むときは、設定を一つ確かめておきます。Appleの説明では、USBでつないで読み込むと、HEVCの動画がH.264に変換される場合があるからです。変換させないなら、iPhoneの「設定」>「アプリ」>「写真」>「MacまたはPCに転送」で「元のフォーマットのまま」を選びます。
気をつけたいのは、写す前のファイルがすでに作り直されている場合です。LINEで受け取った動画や、節約画質で保存された動画をどれだけ丁寧にコピーしても、できるのはその版の写しで、撮ったときの画質には戻りません。元の画質で残したいなら、撮った人の手元にある元のファイルを写します。
同じデータか確かめる|ハッシュ値の出し方
コピーしたファイルが元と同じかは、ハッシュ値で確かめられます。ハッシュ値は、ファイルの中身から計算する英数字の並びです。Microsoftの説明では、ファイルの名前や拡張子を変えても値は変わらず、中身を1文字でも変えると値が変わります。2つのファイルの値が同じなら、中身も同じです。
計算の方式にはいくつか種類があり、比べるときは同じ方式にそろえます。ここで使うのは、WindowsとMacのどちらでも出せるSHA-256です。NISTの規格(FIPS 180-4)は、SHA-256などについて、同じ値になる2つの違うデータを見つけることは計算の上で現実にはできない、と説明しています。データが少しでも変われば、ごく高い確率で値も変わるとしています。
見当をつけるだけなら、ファイルの大きさを比べるのが手軽です。大きさが違えば、別のファイルです。1バイトまで同じかを確かめたいときに、ハッシュ値を使います。
Windowsで確かめる(Get-FileHash・certutil)
[スタート]メニューを開き、「Windows PowerShell」と入力して開く
「Get-FileHash」、半角スペース、調べるファイルの場所を入力して、Enterキーを押す(例:USBメモリがDドライブなら Get-FileHash D:\undokai.mp4)
表示された「Hash」の64桁の英数字を、もう一方のファイルで出した値と比べる
Get-FileHashは、方式を指定しなければSHA256で計算します。Microsoftの例のように、最後に「 | Format-List」を付けると、結果が項目ごとの一覧になります。certutilというコマンドなら、「certutil -hashfile ファイルの場所 SHA256」と入力します。MD5やSHA1は、攻撃や改ざんから守る目的には使わず、単純な変更の確認だけに使うよう、Microsoftが注意している方式です。SHA256にそろえておけば、Macの値ともそのまま比べられます。
Macで確かめる(ターミナルのshasum)
Finderで「アプリケーション」>「ユーティリティ」フォルダを開き、「ターミナル」をダブルクリックする
「shasum -a 256」と半角スペースを入力し、調べるファイルをターミナルのウインドウへドラッグする(ファイルの場所が入る)
Returnキーを押し、表示された64桁の英数字を比べる
shasumは、「-a 256」を付けないとSHA-1で計算します(macOSに付属のマニュアル「man shasum」)。Windowsの値と比べるときは、SHA-256にそろえてください。Windowsは英字を大文字で、Macは小文字で表示することがありますが、大文字と小文字の違いは値の違いではありません。
方式をそろえて64桁を比べる。名前を変えても値は変わらない
写真(JPEGなど)と音楽も、コピーしただけなら劣化しない
写真も、ファイルのままコピーするなら中身は変わりません。変わるのは、サービスの側で作り直したときです。Googleフォトの「保存容量の節約画質」では、写真は容量を節約するために圧縮され、16MPを超える写真は16MPに縮小されます。.jpgなどの別の形式になる場合もある、とヘルプにあります。iPhoneの写真(HEIF)も、AirDropやメールで送ると、受け取る機器によってはJPEGなどで共有されることがあります(Apple)。
音楽でも、考え方は変わりません。音楽CDの音は圧縮しないデータで、同じデータを書けば、CD-Rでも記録される音は同じです。一方、MP3やAACは、日本オーディオ協会の用語集が「復元後は圧縮前のデータと同一になりません」と説明する非可逆の圧縮です。Appleは、MP3とAACの間のように圧縮した形式どうしで変換すると音質の変化が目立つことがあるとして、元のファイルから読み込み直すよう案内しています。CDの音の仕組みはCDの音質はどのくらい? に書きました。
市販のDVD・ブルーレイ、テレビの録画は、写してよいかが先
「画質を落とさずに写せるか」と「写してよいか」は、別の問いです。市販やレンタルのDVD・ブルーレイ、テレビ番組を録画したディスクには、コピーガードと呼ばれる保護がかかっていることが多く、写してよいかは著作権法で決まっています。
家庭内などで使うための「私的使用のための複製」は、著作権法第30条1項が認める例外です。ただし同じ項の第2号は、技術的保護手段を外すことでできるようになった複製を、そのことを知りながら行う場合を、この例外から除いています。
文化庁は、DVDのCSSやブルーレイのAACSがこの技術的保護手段に当たるとしています。そのうえで、私的使用の目的でも、こうした複製を行えば複製権の侵害になり、損害賠償などの民事上の責任を負うと説明しています。個人に刑事罰はありません。外すための装置やプログラムを人に配ることや、業として頼まれて外すことは、3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金、またはその両方の対象です(第120条の2)。
画質を落とさずに写す技術があっても、コピーガードを外して市販のディスクを写すことは、家族で見るためでも認められていません。 ディスクにコピーガードがかかっているかの見分け方と、仕組みの違いはコピーガードとは にまとめています。
テレビ番組の録画は、家で見るためにレコーダーのダビング機能を使い、決められた回数の範囲でDVDやブルーレイに写すのが、私的使用のための複製です。文化庁も、テレビ番組を録画して後日自分で見る場合を例に挙げています。ソニーのレコーダーの説明書では、2〜10の数字が付いた番組はその回数だけダビングでき、回数に達すると元の録画は消えます。DVDに保存したデジタル放送の番組からは、もうダビングできません。もう1枚要るときは、レコーダーに残っている録画から作ります。
作ったディスクを人に配る、売る、ネットに上げるのは、私的使用の範囲の外です。文化庁の説明では、基本的に「目的外使用」となり、著作権者の了解が要ります(第49条)。回数の数え方と手順はテレビ番組の録画とダビング10 で説明しました。当社も、市販のDVDやテレビ番組の録画など、他人の著作物の複製はお引き受けしていません。個別の事情で判断に迷うときは、弁護士などの専門家に確かめてください。
動画から作る映像のDVDは、元のファイルと同じではない
当社(ディスクメーカー)は、大阪・梅田でDVD・ブルーレイの書き込み代行をしている小さな店です。動画ファイルを受け取って、テレビのプレーヤーで見られる映像のDVD・ブルーレイを作っています。
当社のDVDは、720×480(NTSC 29.97fps)のMPEG-2で作ります。スマホやビデオカメラの動画は、この形に作り直して収めるので、できあがるDVDは、元の動画ファイルをそのまま写したものではありません。フルHDの動画なら、画素の数も約6分の1になります。ブルーレイは1920×1080で作るため、4Kの動画はフルHDになります。ディスクは見るための形と考え、元の動画ファイルは別に残しておいてください。
フルHDの動画をDVDにすると、画素の数は約6分の1になる
仕上がりのもとになるのは、送っていただくファイルです。LINEなどを通す前の、撮ったままのファイル(MP4・MOV・MTSなど)を、ギガファイル便の共有URLにして、注文フォームに貼ってください。スマホからも入稿できます。
当社はプレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、店舗でお渡しします。注文は1枚からで、お引き受けできるのは、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画です。
元の画質を残すために、先にしておくこと
劣化しないコピーがいちばん役に立つのは、元のファイルを守るときです。撮った動画を長く残すなら、次の順で進めます。
撮ったままの元のファイルを、パソコン、外付けのHDD・SSD、クラウドなど、2か所以上にコピーして置く
コピーしたら、ファイルの大きさか、ハッシュ値で元と同じかを確かめる
人に渡すときは、ギガファイル便のように中身を加工しない方法で、元のファイルを送る
形式や大きさを変えるときは、元のファイルから1回だけ変換し、変換したものを元のファイルの代わりにしない
DVD・ブルーレイは見るための形として作り、元のファイルは別に残す
写真や音楽のファイルも、同じ順で残せます。手元にあるのが送られてきた版だけなら、撮った人に元のファイルが残っているうちに、送り直してもらってください。
よくある質問
Q1. 劣化コピーとはどういう意味ですか? デジタル大辞泉では、すでにある作品や表現などの、程度や品質が劣る模倣のこと、つまりできの悪い二番煎じです。「劣化」は品質などが以前より劣ってくること、「コピー」は写し取ることやデータの複製を指すので、動画や音楽の話では、元より質の落ちた写しと読めます。ビデオテープに繰り返しダビングすると画質が落ちたのは、この意味での劣化です。
Q2. デッドコピーと劣化コピーはどう違いますか? デッドコピーは、そっくりそのまま模造すること、またその模造品です(デジタル大辞泉)。元に及ばないまねが劣化コピーなら、元と見分けがつかないまねがデッドコピーです。経済産業省は、不正競争防止法が不正競争とする、他人の商品の形態を模倣した商品の提供(第2条1項3号)について、こうした模倣品を「デッドコピー商品」と呼んでいます。
Q3. 動画はコピーを繰り返すと画質が落ちますか? ファイルのままコピーするなら落ちません。デジタルのデータは、コピーのコピーを重ねても元と同じ数値のままで、NISTの手引きも、デジタルの元データから作ったコピーは元の品質を保つとしています。落ちるのは、書き出しや形式の変換で圧縮し直したとき、解像度を縮めたとき、送るサービスの側で縮められたときなど、途中で映像が作り直された場合です。
Q4. DVDをDVDにコピーすると画質は落ちますか? 自分で作った、保護のかかっていないDVDなら、中身をそのまま写す方法では落ちません。ディスクの中身をISOファイルにまとめて焼けば、元と同じ中身の盤ができます(BurnAwareの説明書)。映像をいったん取り込んで作り直すと、再エンコードが入るぶん、元と同じにはなりません。市販やレンタルのDVDは、コピーガードを外して複製すること自体が、著作権法の私的使用の例外に入りません。
Q5. MP4に変換すると画質は落ちますか? 入れ物(コンテナ)だけを替えるなら落ちません。変換ソフトFFmpegの説明書も、デコードもエンコードもしないストリームコピーには画質の低下がないとしています。中身の映像を圧縮し直す変換(再エンコード)は、多くの場合に画質が落ちます。変換が要るときは、元のファイルから1回だけにして、元のファイルは消さずに残してください。
Q6. USBメモリや外付けHDDに移すと、画質は落ちますか? 落ちません。ファイルのままのコピーは、データをそのまま書き写すだけです。気をつけたいのは、写す前のファイルの版です。iPhoneからUSBでパソコンに読み込むと、HEVCの動画はH.264に変換される場合があります。変換させないなら、「設定」>「アプリ」>「写真」>「MacまたはPCに転送」で「元のフォーマットのまま」を選びます(Apple)。写したあとは、大きさかハッシュ値で元と比べておくと確かです。
Q7. コピーした動画が元と同じか、確かめる方法はありますか? ハッシュ値を比べます。WindowsはPowerShellで「Get-FileHash ファイルの場所」、Macはターミナルで「shasum -a 256 ファイルの場所」と入力すると、64桁の英数字が出ます。元とコピーで同じなら、中身も同じです(Microsoftの説明)。WindowsとMacで比べるときは、どちらもSHA-256にそろえます。
Q8. LINEで受け取った動画をコピーし直せば、元の画質に戻りますか? 戻りません。コピーは手元のファイルをそのまま写すので、受け取った版より良くなることはありません。LINEの公式の説明には、トークで送った動画の画質がどう変わるかは書かれておらず、アルバムでは動画をオリジナル画質でアップロードできないとされています。元の画質が要るときは、撮った人から元のファイルを、ギガファイル便などで送ってもらいます。
Q9. 市販のDVDを、画質を落とさずにコピーしてもいいですか? コピーガード(CSSなど)を外して複製するなら、家族で見るためでも、著作権法の私的使用の例外に入りません(第30条1項2号)。文化庁は、こうした複製は複製権の侵害になり、損害賠償などの民事上の責任を負うと説明しています(個人に刑事罰はありません)。画質が落ちるかどうかとは別の決まりです。当社も、市販のDVDなど他人の著作物の複製はお引き受けしていません。
Q10. 動画をDVDにすると、画質は落ちますか? 国内向けの映像のDVDは、画面の大きさがいちばん大きくて720×480で、当社も720×480のMPEG-2で作ります。フルHDの動画なら画素の数は約6分の1になり、形も作り直すので、元のファイルと同じにはなりません。フルHDのまま残すならブルーレイ(1920×1080)ですが、4Kの動画はフルHDになります。どちらも見るための形と考え、元のファイルは別に残してください。
参考にした公式の情報
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言葉の意味は辞書の記載によります。法律の条文や、ソフト・サービスの画面と機能は、改正や更新で変わります。この記事は、2026年9月25日時点の各公式ページと辞書の記載をもとにしたものです。
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