この記事の要点
棚卸しは本数ではなく収録時間 で数える。VHSのT-120は標準モードで2時間、3倍モードなら6時間入るため、本数だけでは費用も期間も見積もれない。
優先すべきは、式典で使う映像より失うと二度と手に入らない映像 。旧校舎や統廃合前の行事など、代替のないものから先に起こす。
カビの疑いがあるテープは再生しない 。国立国会図書館は湿度65%を超えるとカビの発生確率が高まるとしており、空調のない資料室は夏に容易に超える。
保存用はH.264をMP4に格納した形式 で残す。国立国会図書館が映像の長期保存用に採用しているフォーマットで、音声はリニアPCMのWAVEを採用している。
行事映像を記念品として配るDVDは著作権法35条の対象外 。市販音源がBGMに入っていれば、1枚だけの制作でも権利者の許諾が必要になる。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
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周年事業の担当になって資料室の奥を開けると、たいてい段ボールが出てきます。ラベルの文字が薄れたVHS、手のひらに収まる小さなカセット、誰がいつ撮ったのか分からないテープ。式典まで半年、予算は決まっていて、再生機は校内のどこにも見当たらない。
この状態でやってしまいがちなのが、いきなり全部を業者に送ることと、とりあえず1本を再生機に入れてみることです。前者は予算が足りなくなり、後者はテープと再生機の両方を壊すことがあります。
手順は、1日で終わる棚卸しから始めます。テープを数える単位は、本数ではなく収録時間です。全部は起こさず、失うと二度と手に入らない映像から先にデジタル化し、カビの疑いがあるテープは再生しません。受け取ったファイルは保存用(MP4・H.264)と利用用に分け、記念DVDとして配るならBGMの扱いを先に決めます。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
まず1日で終わる棚卸しから|テープは本数ではなく「収録時間」で数える 全部はやらず、「式典で流す10分」ではなく「代替のない1本」から優先する 種類はカセットの大きさで見分ける|VHS・VHS-C・8ミリ・miniDVで再生機が変わる カビと巻き乱れのテープは再生しない|1本のために再生機と残り全部を失う 保存用と利用用を分け、長期保存はH.264をMP4に格納した形を基準にする 記念DVDとして配る行為は著作権法35条の外|BGMの権利処理が必要になる 誰が管理するかを先に決め、担当者が異動しても残る形にする 来賓と同窓会に渡すなら、上映用の1本と配れるディスクは別に作る よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
まず1日で終わる棚卸しから|テープは本数ではなく「収録時間」で数える
最初にやるのは業者探しではなく、テープに番号を振ることです。表計算ソフトを1枚開いて、段ボールから1本ずつ出しながら記録していきます。数十本なら半日から1日で終わります。
ラベルに書かれた文字は、意味が分からなくても書かれたまま写します。「S60 運動会 ②」のような走り書きが、後で年度を特定する唯一の手がかりになることがあります。ラベルは剥がさず、貼り直しもしません。記録する項目は次のとおりです。
列
書く内容
記入例
通し番号
段ボール番号+連番
B03-014
ラベル記載
書かれた文字をそのまま
S60 運動会 ②
推定年度
分からなければ空欄
1985年度?
種類
VHS/S-VHS/VHS-C/8ミリ/miniDV など
VHS
テープ表記
外箱やラベルの型番
T-120
外観の状態
カビ疑い・巻き乱れ・匂い
窓に白い斑点
優先度
A/B/C
B
備考
重複の有無、BGMの有無
同内容のダビング有
テープを数える単位を、本数ではなく収録時間にすることが大事です。VHSの標準的なカセットはT-120です。標準モードでの録画時間は2時間ですが、1979年に登場して幅広い機種に搭載された3倍モード(EP)で録画されていれば、同じテープに6時間入っています。テープ50本が100時間とは限らず、200時間を超えることもあります。
テープ50本が100時間とは限らない。本数ではなく収録時間で数える
デジタル化は基本的に再生しながら取り込む作業なので、収録時間がそのまま作業時間になります。見積もりも納期も、本数ではなく総時間で決まります。棚卸しの時点で正確な時間が分からなくても構いません。「T-120が30本、うち3倍録画の疑いが5本」と書いておけば、業者に相談したときの話が一気に具体的になります。
中身の確認は棚卸しではやりません。1本ずつ再生して確かめたくなりますが、再生機に入れる回数を減らすことが、この段階でいちばん効果のある保護策です。ラベルのないテープは「不明」のまま先へ進めます。
全部はやらず、「式典で流す10分」ではなく「代替のない1本」から優先する
周年事業には締切があります。締切から逆算すると、テープを3つに分けるのが最も無駄の少ないやり方になります。
Aランク|今回の式典や記念誌で実際に使う
上映用の10分に入る素材、記念誌に静止画として載せる場面。これは締切があるので誰かが動かします。分量としては全体のごく一部です。
Bランク|今回は使わないが、失うと二度と手に入らない
開校時の様子、建て替え前の校舎、統廃合前の他校との合同行事、いまは行われていない行事、退職された先生や物故者が映っているもの。写真は残っていても動く映像は1本しかない、という状況が起きやすいのがここです。
優先順位に迷ったら、Bを最優先にしてください。Aには締切という強制力がありますが、Bには何もありません。周年事業は、Bのテープに予算が付く数少ない機会です。次にまとまった予算が付くのは、多くの学校で10年後になります。
Cランク|同じ形式のものが何年分もある
毎年ほぼ同じ進行の運動会や卒業式が20年分ある、というケース。全部をデジタル化する必要は薄く、5年おきに1本だけ起こす、節目の年度だけにする、といった間引きが現実的です。
もうひとつ削れるのが重複です。同じ行事のマスターとダビングが両方ある場合、ダビングは画質が一段落ちているうえ、3倍モードで長時間に詰め込まれていることが多いので後回しにします。台帳の備考欄に「同内容あり」と書いておくと、後から判断できます。
締切のあるAより、代替のないBを先に。重複と同じ形式のものは間引く
予算の考え方はシンプルで、単価×総時間です。単価は依頼先を変えても大きくは動きませんが、総時間はこちらで決められます。テープ80本を全部出すのではなく、Bの12本とAの5本、合計17本から始める。残りは台帳に記録したうえで、環境を整えて保管しておく。これが周年事業のスケジュールに収まる進め方です。
種類はカセットの大きさで見分ける|VHS・VHS-C・8ミリ・miniDVで再生機が変わる
種類の判別は、カセットの大きさとラベルの表記でほぼ付きます。業者に相談する前に種類が分かっていると、やり取りが一往復で済みます。
種類
見た目の目安
時期
数値・補足
VHS
定番の大きなカセット
1976年〜
T-120は標準モードで2時間、3倍モードで6時間。水平解像度240本
S-VHS
VHSと同じ大きさ。ラベルにS-VHSの表記
1987年〜
水平解像度400本以上の高画質規格
VHS-C
VHSを小さくした形。専用アダプタに入れて使う
1980年代〜
家庭用ビデオカメラ向け
8ミリビデオ(Video8/Hi8/Digital8)
95×62.5×15mm
1984年4月〜、Hi8は1989年、Digital8は1999年
テープ幅8mm。Hi8には公称水平解像度440TV本の規格もある
miniDV
66×48×12mm。いちばん小さい
DV規格は1994年発表
SPで60分、LPで90分。映像は約25Mbpsのデジタル記録
学校の資料室では、これらが同じ段ボールに混ざっていることがよくあります。その時期に事務室や視聴覚部が持っていたカメラの世代が、そのまま積み重なっているためです。1980年代のVHS、1990年代のVHS-Cや8ミリ、2000年前後のminiDVという具合です。
迷ったら、カセットを机に並べて上から1枚写真を撮り、依頼先に送るのが早いです。定規を一緒に写しておくと寸法が伝わります。
種類が分かると、作業の難易度も見えてきます。miniDVとDigital8は記録そのものがデジタルなので、テープと再生機が無事であればアナログ変換を挟まずにデータとして取り出せる場合があると考えられます。一方でVHS、8ミリ、Hi8はアナログ記録なので、再生してキャプチャする工程が入ります。
この工程で元の画質以上のものは出てこない、という点は関係者に最初に共有しておくと、後で期待とのずれが起きません。VHSの水平解像度は240本で、これは当時のアナログテレビ放送より低い値です。
S-VHSのラベルが貼られたテープには注意が必要です。S-VHSで記録されたテープは、S-VHSに対応した再生機でないと本来の画質では再生できません。台帳の種類欄を「VHS」でまとめず、S-VHSは分けて書いておいてください。
カビと巻き乱れのテープは再生しない|1本のために再生機と残り全部を失う
棚卸しで外観をチェックするのは、そのテープを再生してよいかを判断するためです。次のどれかに当てはまるテープは、その場で脇によけます。
カセットの窓から見えるテープの端面に、白い粉状のものや斑点がある
巻きの側面が段差になっている、たわんでいる、端が波打っている
ケースを開けたときに酸っぱい匂いや、かび臭さがある
テープが引き出されたまま止まっている、リールが指で動かない
カビの生えたテープを再生すると、胞子や汚れが再生機のヘッドとテープ走行系に移ります。その状態のまま次のテープを入れれば、無事だったテープにも移ります。1本を惜しんだ結果、再生機と残り全部を巻き込む形になりかねません。
疑わしいテープは1本ずつビニール袋に入れ、健全なテープとは別の箱に移します。市販のクリーナーで拭いたり、アルコールを吹いたりはしません。磁性体ごと剥がれてしまえば、そこに記録されていた映像は戻りません。写真を撮り、テープの復旧を扱う業者に状態を伝えるところまでが、学校側でやる作業だと考えてください。
そもそもカビが出る原因は保管環境です。国立国会図書館は資料の温湿度管理について、恒常的に湿度が65%を超えるようになるとカビが発生する確率が高まるとして、65%をひとつの目安に挙げています。同館の書庫では、2013年夏の実績として気温20度台半ば、湿度50〜60%RHが維持されたと記載されています。空調のない資料室や体育館の倉庫は、日本の夏にこの数字を簡単に超えます。
すぐにできる対策は、置き場所を変えることです。外壁に面した床置きから、空調の効く事務室のロッカーへ移すだけでも条件は変わります。テープは背表紙を上にして立てて並べ、平積みは避けます。DVD・CDの正しい保管方法 で書いている、直射日光・高温多湿・急激な温度変化を避けるという考え方は、磁気テープにもそのまま当てはまります。
1本を惜しんで再生すると、再生機と残りのテープまで巻き込む
保存用と利用用を分け、長期保存はH.264をMP4に格納した形を基準にする
デジタル化して受け取ったファイルを、そのまま担当者のパソコンに置くと、次の担当者に届きません。受け取った時点で、役割の違う2系統に分けます。
保存用マスター|納品されたまま、編集しない
納品されたファイルを、触らずに保管します。テロップも入れず、尺も詰めません。ファイル名は台帳の通し番号を先頭に付けて、半角英数字とアンダースコアだけで組みます。日本語や記号が入っていると、別の環境に移したときに文字化けします。
利用用|上映用・配布用・記念誌用に、そのつど書き出す
10分に編集した式典上映用、ディスクに収めるためにエンコードしたもの、静止画を抜いたもの。これらはすべてマスターから作ります。編集済みのファイルからさらに別の編集をすると、そのたびに再エンコードが重なり、画質が落ちていきます。
形式の選び方は、公的機関が何を採用しているかが参考になります。国立国会図書館は長期保存用のフォーマットとして、映像はMPEG-4 AVC/H.264方式のデータをMP4に格納した形、音声はリニアPCM方式のデータをWAVEに格納した形を採用しています。音声については、非可逆圧縮であるMP3は図書館・アーカイブ等のデジタル化で保存用データに採用される事例が少ない、とも記載されています。
迷ったらMP4(H.264)で受け取ると決めておけば、大きく外しません。それぞれの形式の性格は動画ファイル形式の基礎(MP4/MOV/AVI) にまとめています。
マスターには手を付けず、使う形はそのつどマスターから作る
同館はデジタル化の目的を、原本を利用に供することによる汚損・破損を避ける原本保護と、閲覧や検索の利便性を高める利用向上の2点として説明しています。学校の資料室でも構図は同じです。デジタル化したからテープを捨てる、ではなく、テープを触らずに済むようにする、と考えると保存用マスターの位置づけがはっきりします。テープ自体は、状態のよいものは残しておくのが無難です。
記念DVDとして配る行為は著作権法35条の外|BGMの権利処理が必要になる
周年式典の映像を編集し、来賓や卒業生に記念のDVDとして配る行為は、学校の授業に関する例外規定である著作権法第35条の範囲の外にあります。ここは見落とされやすいところです。
著作物の教育利用に関する関係者フォーラムが2021年11月9日に公表した「改正著作権法第35条運用指針(令和3年度版)特別活動追補版」に、根拠が書かれています。まず前提として、幼稚園・小学校・中学校・高等学校等で行われる入学式、卒業式、始業式、終業式、修学旅行、運動会、水泳大会、文化祭、合唱祭等の学校行事は、「特別活動」に位置づけられています。少なくとも教育課程上のこうした活動は、著作権法上の「授業」に含まれると考えられる、とされています。
そのうえで、同追補版はこう続けます。特別活動の実施後に児童生徒や保護者等に記念品等として配布する目的で、著作物が含まれる特別活動の映像・音声等をDVD等の記録メディアに保存(コピー)する場合は、著作権者や著作隣接権者等の許諾が必要である。このような場合は、DVDを1枚だけ制作した場合であっても、また、一旦保護者等に回覧・配布したDVD等を後から回収し廃棄したとしても、著作権法第35条の複製には当たらない、と明記されています。
実務で問題になりやすいのはBGMです。同追補版の注記では、市販CD音源をコピーして映像のBGMに利用する場合は、著作権者だけでなくレコード会社等の著作隣接権者の許諾も必要とされています。一方、教員や児童生徒による演奏・歌唱を録音・録画してBGMに使う場合は、著作権者のみの許諾で足りる、と区別されています。古い運動会のテープには、当時の流行曲が入場行進や演技の音として丸ごと入っていることがあります。
やることは3つです。
台帳に「BGMの有無」欄を足し、棚卸しの時点で聞き取れる範囲でメモしておく
会場で流すだけの上映と、ディスクにして配る行為を、企画書の段階から分けて扱う
配布用に回す映像は、権利処理をするか、該当区間を外すか、音を差し替えるかを事前に決める
あわせて、児童生徒が特定できる映像を同窓会や来賓、ウェブに出すときは、著作権とは別に個人情報と肖像権の問題があります。同追補版も、保護者等への説明と同意取得について、このことは個人情報の保護や肖像権の観点においても同様である、と述べています。撮影から数十年が経っている映像ほど、当時の同意の記録は残っていません。校内でどこまで出すかの線を先に引いておくのが現実的です。
誰が管理するかを先に決め、担当者が異動しても残る形にする
周年事業でよくある終わり方が、担当教員のノートパソコンにデータが入ったまま異動する、外付けHDDが1台だけ職員室の引き出しにある、次の周年で誰も場所を知らない、という3点セットです。デジタル化そのものより、その先の管理を決めていないことのほうが失敗の原因になります。
1. 保管の主体を、個人名ではなく組織で決める
学校の共有ストレージなのか、教育委員会なのか、同窓会事務局なのか。「周年事業実行委員会が持つ」だと、委員会が解散した時点で宙に浮きます。役職か常設の組織で決めてください。
2. コピーの数と置き場所
データを3つ持ち、2種類の媒体に分け、うち1つは別の場所に置く。バックアップの世界で3-2-1と呼ばれる考え方です。学校なら、校内サーバーに1つ、外付けHDDに1つ、ディスクにして別棟か教育委員会に1つ、という組み方ができます。具体的な組み方はクラウドとディスクを併用する3-2-1バックアップの実践 にまとめています。
3. 台帳の置き場所と、次に見直す時期
台帳が映像データと同じ場所にしかないと、そこが失われた時点で「何があったか」も分からなくなります。台帳は紙に印刷して引き継ぎ文書に綴じ、データとしても別の場所に置きます。
保存年限をどう決めるかは、学校にすでにある基準を借りると話が早く進みます。学校教育法施行規則第28条第2項は、学校が備えなければならない表簿について原則5年間の保存とし、指導要録およびその写しのうち入学・卒業等の学籍に関する記録は20年間としています。行事映像はこの表簿そのものではありませんが、20年という数字は校内の合意を取りやすい目安になると考えられます。少なくとも「次の周年まで」と決めて書いておけば、引き継ぎ文書として成立します。
国立国会図書館は電子情報の長期保存の課題として、記録媒体の寿命は著しく短いと述べています。いま選んだ媒体が20年後に読めるかは分かりません。だからこそ、何年後に状態を確認して新しい媒体に移すかを、いまの担当者が日付で書き残しておく価値があります。引き継ぎ用の紙は1枚で足ります。「何が」「どこに」「誰が管理し」「次はいつ見直すか」の4項目です。
失敗の原因はデジタル化より、その先の管理を決めていないこと
来賓と同窓会に渡すなら、上映用の1本と配れるディスクは別に作る
最後に、外に出す形を作ります。式典で流す1本と、人に渡すディスクは、作り方も気を付ける点も別々です。
上映用|会場の機材に合わせ、系統を二重にする
体育館のプロジェクターや再生機の仕様は、事前に確認しておきます。当日はディスク1枚だけに頼らず、ノートパソコンからのファイル再生も用意しておくと、片方が読めなかったときに進行が止まりません。リハーサルは本番と同じ機材で通します。
配布用|相手側の環境で再生できる形にする
同窓会の年配の会員や、地域の来賓に渡す場面では、USBメモリや共有URLよりディスクのほうが渡しやすいことがあります。相手側の機器やネット環境に左右されにくいためです。
ここで注意したいのは、編集した動画ファイルをそのままディスクに書き込んでも、家庭用のプレーヤーでは再生できないことです。DVD-Video形式に組み立てる工程(オーサリング)が必要で、この工程を通さずに作ったディスクはパソコンでしか開けません。理由はDVDオーサリングとは(焼くだけでは再生できない理由) で詳しく書いています。
DVDとブルーレイのどちらにするかは、元の素材で決まります。DVD-VideoはNTSCで720×480・29.97fpsのMPEG-2、ディスクは片面1層4.7GB、片面2層8.54GB。ブルーレイは1層25GB、2層50GBで、1080i/1080pの映像に対応します。
ただし元がVHS(水平解像度240本)であれば、ブルーレイに入れても記録されている情報が増えるわけではありません。比較的新しい8ミリやminiDVの素材、あるいは長時間を1枚にまとめたい場合にブルーレイ(2時間を超えるなら2層)の利点が出ます。判断材料はDVDとブルーレイの違い(画質・容量・互換性) に整理しています。
枚数は、来賓に20枚、同窓会役員に10枚、各学年の代表に数枚、といった単位になることが多いはずです。数百枚単位のプレスとは頼み方が変わるので、少部数を受けている先を探すことになります。
当社では基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で注文を受けています。当社が受け付けるのは、完成した動画のデータです。再生できる形式への組み立て(オーサリング)は料金に含まれ、盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも対応しています。
周年事業の映像なら、1965年の開校式、1988年の新校舎落成、2003年の創立記念式典のように年代でチャプターを切っておくと、見たい年代からすぐ再生できます。チャプターの位置は、「チャプター分け」を選ぶと開く「チャプター位置の指定」の欄に時刻で入れます。
入稿はギガファイル便のURLで受け付けています。ギガファイル便、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorage などが使えるので、学校のネットワーク環境で送れるものを選んでください。
納期は通常便のほか、次の3つから選べます。
お急ぎお届け(+1,500円/平日15時までの注文・入稿で翌々日までに発送)
特急お届け(+3,000円/平日15時までの注文・入稿で翌日発送)
当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までの注文・入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)
式典の直前に「あと5枚ほしい」が出るのは珍しくないので、追加注文のときの条件を先に確認しておくと慌てません。
よくある質問
Q. 学校にあるVHSは自分たちでデジタル化できますか? A. 再生機とキャプチャ機器があれば校内でも可能です。ただし取り込みは再生しながら行うため、テープの収録時間がそのまま作業時間になります。50本で100時間を超えることも珍しくありません。またカビや巻き乱れのあるテープを再生すると、汚れが再生機のヘッドに移り、次に入れた健全なテープにも広がります。状態のよい数本で試したうえで、量が多い場合や状態が悪い場合は外部に出す、という切り分けが現実的です。
Q. VHSテープはあと何年もちますか? A. 何年ともつと言い切れる数字はありません。保管環境で大きく変わるためです。国立国会図書館は電子情報の保存について記録媒体の寿命は著しく短いとしており、温湿度管理の解説では恒常的に湿度が65%を超えるとカビの発生確率が高まるとしています。年数を待つより、窓から見える端面の白い斑点、巻きの乱れ、酸っぱい匂いといった症状の有無で判断し、症状が出ているものから先に手を付けるほうが確実です。
Q. 校内にVHSデッキがありません。どうすればいいですか? A. 家庭用のVHSビデオデッキは、新品の入手が難しくなっています。中古機は動作状態が読めないため、貴重なテープをいきなり入れるのは避けたほうがよいです。地域の視聴覚センターや教育委員会に機材が残っていることがあるのでまず確認し、無ければ変換を扱う業者に相談する流れになります。
Q. 運動会や卒業式の映像をDVDにして配るのに、著作権の許諾は必要ですか? A. BGMなどの著作物が入っている場合は必要になります。改正著作権法第35条運用指針の特別活動追補版は、運動会や卒業式などの学校行事を、著作権法上の「授業」に含まれると考えられるとしています。そのうえで、実施後に記念品等として配布する目的でDVD等の記録メディアに保存(コピー)する場合は、著作権者や著作隣接権者等の許諾が必要であり、1枚だけ制作した場合や、後から回収・廃棄した場合でも、第35条の複製には当たらない、と明記されています。
Q. デジタル化したファイルはどの形式で残せばよいですか? A. 国立国会図書館は長期保存用として、映像はMPEG-4 AVC/H.264方式のデータをMP4に格納した形、音声はリニアPCM方式のデータをWAVEに格納した形を採用しています。公的機関の基準に合わせるなら、納品はMP4(H.264)で受け取るのが無難です。そのうえで、納品されたファイルを編集せず保存用マスターとして置き、上映用や配布用はそこから毎回書き出す形にすると、再エンコードの積み重ねによる劣化を避けられます。
Q. 保存はDVDとブルーレイのどちらがよいですか? A. 元の素材で決まります。VHSの水平解像度は240本なので、VHSから起こした映像をブルーレイに入れても記録されている情報が増えるわけではありません。一方でブルーレイは1層25GB・2層50GBと容量が大きく、長時間を1枚にまとめたい場合や、miniDVなど比較的新しい素材では利点が出ます。なお光ディスクは置き場所のひとつにすぎないので、ハードディスクやクラウドと組み合わせて複数箇所に持つ前提で考えてください。
Q. 予算が限られています。どのテープから優先すべきですか? A. 式典で使う映像より、失うと二度と手に入らない映像を先にしてください。旧校舎、統廃合前の合同行事、いまは行われていない行事、物故者が映っているものなどです。式典で使う分は締切があるので誰かが動かしますが、代替のない映像には締切がありません。周年事業は、この種のテープに予算が付く数少ない機会です。毎年同じ形式の運動会が20年分あるようなものは、節目の年度だけに間引きます。
Q. 何本くらいから業者に頼むべきですか? A. 本数ではなく総収録時間で考えます。VHSのT-120は標準モードで2時間、3倍モードなら6時間入るため、同じ本数でも作業量は3倍変わります。校内での取り込みは実時間かかるので、総時間が十数時間を超えるあたりから、担当者の負担と機材の確保が現実的でなくなります。加えて、カビや巻き乱れがある、S-VHSや8ミリ・miniDVが混ざっていて再生機がそろわない、という場合は本数にかかわらず外部に相談したほうが安全です。