この記事の要点
- 園で撮った動画や写真を配る・載せるときは、撮ること・使い道・配る範囲を分けて聞き、家庭ごとに選べる同意書にします。
- 使い道は、記録のDVDでの配布、園内での上映、園だより、園のウェブサイト、SNSと1つずつ欄を分けます。誰でも見られるウェブサイトとSNSは、とくに分けて聞きます。
- 同意しない家庭の子は、写らない位置で撮るか、配る映像から切り取ります。着替えやおむつ替えの場面は撮らず、プール・水遊びは撮り方と見られる人の範囲を園の決まりで決め、ウェブサイトやSNSには載せません。
- 同意書は年度ごとに取り直します。途中で考えを変えるときの連絡先と、映像を保管する場所・期間も書いておきます。
- 誰か分かる写真や動画は個人情報で、公立の園と私立の園では当てはまる決まりが違います。文例は見本として、設置者の決まりに合わせて書き換えてください。
運動会の動画をDVDにして配る。園だよりに行事の写真を載せる。園のウェブサイトで、日々の様子を紹介する。どれも、ほかの家の子も写った写真や動画を、園の外へ出すことです。係や先生が最初に迷うのは、保護者の了解をどんな紙で、何を聞いてもらえばよいか、というところだと思います。
配り終えたディスクは集め直せず、ウェブサイトやSNSに載せた写真は、見た人が保存した分まで消すことはできません。だから、配る前に聞いておきます。園の動画や写真の同意書は、撮ること・使い道・配る範囲を分けて聞き、家庭ごとに選べる形にします。
個人情報保護法のどの決まりが当てはまるかは、園が公立か私立かで変わります。この記事の文例は形の見本なので、設置者の決まりや様式に合わせて書き換えてください。
同意書で分けて聞くのは、撮ること・使い道・配る範囲の3つ
分けて聞くのは3つです。園の記録として撮ってよいか、撮ったものを何に使ってよいか、配るものを誰まで渡してよいか。同意書を「撮影・配布・掲載に同意します/しません」の1行だけで聞くと、DVDで配るのはよいがウェブサイトに載るのは困る、という家庭は「しません」に◯を付けるしかありません。その子は、本当は写ってよかった記録のDVDからも外れてしまいます。
1行だけで聞くと、写ってよかった記録のDVDからも外れる子が出る
使い道の欄は、見られる人の広さの順に並べると、読む側が比べやすくなります。
| 使い道 |
見られる人と 残り方 |
記録の DVD・ ブルーレイ |
受け取った家庭。 手元に残り、 何度も見返せる。 |
園内での 上映・掲示 |
園に来た人が その場で見る。 保護者や職員など。 |
| 園だより |
配った先の家庭。 手元に残る。 |
園の ウェブサイト |
園の外の誰でも 見られる。 見た人が 保存もできる。 |
| SNS |
公開の設定なら、 園の外の誰でも 見られる。 共有の機能で さらに広がる。 |
同じ「載せる」でも、見る人の範囲がまるで違うので、欄を分けて聞きます。
同意書の文例(テンプレート)|撮影・使い道・配る範囲など6つの欄
園の動画・写真の同意書を、1枚にまとめた文例です。①撮影、②使い道ごとの選択、③配る範囲、④写らない配慮の希望、⑤撤回の方法と連絡先、⑥保管と期間、の6つの欄を入れました。◯◯の部分と、園で使わない使い道の欄は、書き換えたり消したりしてください。文例は形の見本で、これで法律の求めを満たすと約束するものではありません。設置者の決まりや様式があれば、そちらに合わせます。
どの欄も、選んだあとの扱いを保護者が思い浮かべられる書き方にする
【お子さまの写真・動画の撮影と使い道についての同意書(◯◯年度)】
◯◯園では、行事や園での生活の様子を、記録のために写真・動画で撮影しています。撮影したものをどこまで使ってよいかを、ご家庭ごとにお聞かせください。お答えは、◯◯年度(◯◯年4月1日から◯◯年3月31日まで)の撮影と使い道に当てはめます。
① 撮影
- 行事と園での生活の様子を、園の記録として撮影すること(同意する・同意しない)
「同意しない」の場合は、お子さまが写らない位置から撮影し、写った部分は記録から外します。
② 使い道(それぞれ、どちらかに◯を付けてください)
- ア 行事の記録をDVD・ブルーレイにして、③の範囲のご家庭にお配りすること(同意する・同意しない)
- イ 園内で上映・掲示すること(保護者会や行事の日の上映、園内の掲示)(同意する・同意しない)
- ウ 園だより(在園のご家庭にお配りするもの)に載せること。お名前は載せません(同意する・同意しない)
- エ 園のウェブサイト(◯◯のページ)に載せること。お名前は載せません。どなたでも見られます(同意する・同意しない)
- オ 園のSNS(◯◯の公開アカウント)に載せること。お名前は載せません。どなたでも見られます(同意する・同意しない)
③ 配る範囲(アで「同意する」の方は、お子さまが写ってよい範囲に1つ◯を付けてください)
- 同じクラスのご家庭まで
- 在園のすべてのご家庭と職員まで
- 在園のご家庭から、別に住む祖父母などご親族へのお渡しまで
お答えより広い範囲にお配りするものには、お子さまが写らないように編集します。受け取るご家庭には、SNS・動画サイト・ほかのグループに載せないようお願いしています。
④ 写らない配慮のご希望(あれば◯を付けてください)
- 顔が分かる形では写さないでほしい(後ろ姿や遠くからなら構わない)
- 名札・ゼッケン・字幕などでお名前を出さないでほしい
- そのほか( )
ご事情をお書きいただく必要はありません。この欄は、担任、園長、撮影と編集の担当者だけが見ます。
⑤ お答えを変えるとき
年度の途中でも変えられます。◯◯(担任、または園の事務室・電話◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯)までお知らせください。お知らせいただいた日より後に作るもの・載せるものから変更します。すでにお配りしたDVDや園だよりは、回収できません。ウェブサイト・SNSに載せたものは、お知らせから◯日以内に削除します。ただし、見た方が保存したものまでは削除できません。
⑥ 保管と期間
撮影した写真・動画は、◯◯(鍵のかかる保管庫、パスワードをかけた機器など)に保管し、見られる職員を限ります。保管は◯◯年3月31日まで(例:お子さまが卒園する年度の末まで)とし、そのあと消去します。DVDの作成などを外部の業者に頼むときは、その作業に要る分だけを渡します。
「同意しない」を選んでも、行事への参加や保育の内容は変わりません。お答えは、担任、園長、撮影と編集の担当者だけが確認します。
園児名( ) クラス( ) 保護者名( ) 記入日( 年 月 日)
使い道と配る範囲の欄は、1行に1つずつ聞く
文例の①〜③を園に合わせて書き換えるときは、どの欄も、答える保護者が、選んだあとの扱いを思い浮かべられる書き方にします。
①撮影の欄には、撮る場面と、同意しないときの扱いを書く
撮影の欄では、何のために、どんな場面を撮るかを書きます。行事だけを撮るのか、日々の生活も撮るのかで、答える側の考えは変わるからです。「同意しない」を選んだときにどうなるか(写らない位置から撮る、写った部分は記録から外す)も欄の下に書いておくと、選んだ結果を思い浮かべながら答えられます。
②使い道は、載せる場所の名前で書く
「広報活動に使います」「園の活動の紹介に使います」という書き方は、書く側には便利でも、読む側には何に使われるのかが分かりません。「園だより」「園のウェブサイトの行事紹介のページ」「園のSNS(アカウント名)」のように、載せる場所の名前で書きます。「園だより・ウェブサイトへの掲載」と2つを1行で聞くと、片方だけならよいという家庭が答えられないので、1行に1つにします。
欄は、園で実際に使う予定のものだけにします。念のためにと欄を増やすと、読む側はそのすべてに使われると受け取ります。SNSのアカウントがない園なら、SNSの欄は作らず、始めるときに改めて聞けば足ります。卒園アルバムで名簿を載せるページのように、顔と名前がそろう使い道があるなら、その分は欄を分けて聞いてください。
③配る範囲は、写ってよい範囲として選んでもらう
配る範囲は、「お子さまが写ったものを、誰まで渡してよいか」として選んでもらいます。クラスの家庭に配る分と、園全体に配る分で中身を分ければ、「同じクラスまで」と答えた家庭の子は、全体の分でだけ写らないように編集できます。別に住む祖父母へ渡してよいかも、ここで聞いておくと、配ったあとの行き違いを防げます。
写らない配慮・撤回・保管の欄に書くこと
④〜⑥は、同意したあとの扱いを約束する欄です。ここが空いていると、答える側は、写らないようにしてもらえるのか、あとで取り消せるのか、いつまで残るのかが分かりません。
④写らない配慮は、事情を聞かずに希望だけを聞く
写ることを避けたい事情は家庭によってさまざまで、中身を書いてもらう必要はありません。顔が分かる形で写さない、名前を出さない、といった希望だけを選べるようにします。欄を見る人を担任、園長、撮影と編集の担当者に限ると書いておけば、答える側も書きやすくなります。
⑤撤回の方法は、連絡先と「いつから変わるか」を書く
考えが変わったときに、誰に、どう伝えればよいかを書きます。担任に口で伝えるのか、連絡帳か、事務室の電話か。変更がいつ作るものから反映されるのかも書いておくと、行き違いが起きにくくなります。あわせて、すでに配ったディスクや印刷物は回収できないこと、ウェブサイトやSNSから消しても、見た人が保存したものまでは消せないことも、そのまま書いておきます。
⑥保管と期間は、場所と消す時期を園が決めて書く
個人情報保護委員会のQ&Aは、個人情報保護法には保存の期間や捨てる時期の定めがないと説明しています。そのうえで、民間の事業者は、個人データ(名簿のように特定の人を検索できる形に整理したもの)を使う必要がなくなったときは、遅滞なく消去するよう努めることになっています(第22条)。公立の園には、決めた利用目的に必要な範囲を超えて個人情報を保有しない、という決まりがあり(第61条)、記録の残し方は設置者の決まりにも従います。
いつまで置いて、いつ消すかは園が決めることなので、同意書に書いて知らせます。卒園する年度の末までとするのか、卒園アルバムや記念DVDに使った分は残すのか、といった分け方も書いておきます。
保管の場所は、見られる人を限れる所にします。委員会のガイドラインは、安全管理の例をいくつも挙げています。個人データを記録した媒体や書類は鍵のかかるキャビネットなどに保管する、持ち運ぶときはパスワードを設定する、捨てるときは元に戻せない方法で消す、といったものです。公立の園向けのガイドラインにも、見られる職員を必要な範囲に限る、保管する場所を決めて鍵をかける、という例があります。編集やディスクの作成を外部に頼むときも、渡す分と渡し方、作業が終わったあとの扱いを、頼む前に決めておきます。
誰か分かる写真や動画は個人情報|個人情報保護委員会のガイドラインとQ&A
園児が写っていて誰か分かる写真や動画は、個人情報にあたります。個人情報保護委員会のガイドラインは、本人が判別できる映像を個人情報の例に挙げ、顔の画像や、映像・音声による情報も、個人に関する情報に含めています。名札やゼッケン、字幕で名前が添えられていれば、誰の姿かはいっそうはっきりします。
委員会のQ&Aは、会社の行事で撮った写真を社内で展示する例について、プライバシーの権利や肖像権の侵害にあたる場合もあると注意しています。そのうえで、展示の期間を限る、不特定多数に渡すときは本人の同意を得る、といった取り組みを望ましいとしています。園の写真や動画も同じ考え方で、使い道と配る範囲を決め、写っている家庭の了解を得ておくと安心です。
保護者会に渡すかどうかは、園が決める
園が撮った写真や動画を、保護者会が借りてDVDにしたり配ったりするなら、渡してよいかどうかを決めるのは園です。委員会のQ&Aも、PTAが学校から子どもの情報を受け取る場面について、学校が第三者に渡すことを、個人情報保護法の決まりに沿って適正に扱うよう求めています。
保護者会が配る予定があるなら、同意書の使い道の欄に「保護者会がお配りします」と書いておくと、保護者にも園にも分かりやすくなります。卒園記念DVDのように係が写真を集めて作るときの段取りは、卒園記念DVDの作り方にまとめました。
園児の同意は、保護者からもらう
同意書に答えるのは保護者です。委員会のガイドラインは、同意したことで生じる結果を未成年者が判断できないような場合は、親権者などから同意を得る必要があるとしています。Q&Aでも、幼い子の個人情報を第三者に渡すための同意は、一般に親権者から得るものとされています。
同意の取り方の例として挙がっているのは、同意する旨を書いた書面を受け取ることや、確認の欄にチェックしてもらうことです。どの形でも、園が写真や動画をどう扱うかを示し、その扱いを承諾してもらうのが同意です。使い道を具体的に書くのは、保護者が判断できるようにするためです。
公立の園と私立の園では、当てはまる決まりが違う
個人情報保護法の中でどの決まりが当てはまるかは、園を誰が設置しているかで分かれます。市区町村などが設置する公立の園では、市区町村長や教育委員会といった「地方公共団体の機関」の決まり(法律の第5章)が当てはまります。私立の園は、園児の名簿などを使って運営していれば、民間の事業者として「個人情報取扱事業者」の決まり(第4章)の対象です。委員会のガイドラインによれば、営利か非営利かは問いません。
市区町村などの個人情報の決まりは、以前はそれぞれの条例で定められていました。2023年4月からは、個人情報保護法にもとづく全国共通のルールになっています(委員会の行政機関等編のガイドライン)。
| 扱う側 |
個人情報保護法で 当てはまる決まり |
| 公立の園 |
地方公共団体の機関の 決まり(第5章)。 利用目的の外で 使うことも、 外に渡すことも 原則できない。 本人の同意が あるときなどは例外。 |
| 私立の園 |
個人情報取扱事業者の 決まり(第4章)。 利用目的を決めて 本人に知らせるか 公表する。 目的の外で使うには 原則として本人の 同意が要る。 名簿のような個人データを 外に渡すときも、 原則として同意が要る。 |
| 保護者会 |
名簿などを使って 活動していれば、 法人でなくても、 私立の園と同じ第4章の 決まりが当てはまる。 |
公立の園に当てはまる決まりのうち、利用目的の外で使うことや外に渡すことの制限(第69条)と、安全管理(第66条)の対象になるのは「保有個人情報」です。職員が仕事の中で作ったり取得したりし、組織として使うために保有している個人情報のうち、文書や図画、電磁的記録に記録されたものを指します(第60条)。
決めた利用目的の外で使ったり外に渡したりするのは、法令に基づく場合を除いて原則できず、本人の同意があるときなどに限って認められます。その場合でも、本人や第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあるときはできません(第69条)。
私立の園では、何に使うかをできる限り特定し(第17条)、本人に知らせるか公表します(第21条)。その目的の外で使うには、原則として、あらかじめ本人の同意が要ります(第18条)。名簿のように特定の人を検索できる形に整理した「個人データ」を外に渡すときも、原則として本人の同意が要ります(第27条)。
写真や動画は、少し事情が違います。委員会のQ&Aは、本人を判別できる写真の画像は一般に個人情報にはあたるものの、この個人データにはあたらないと解される、としています。そのうえで、写真を展示するときも利用目的を知らせるか公表することは必要とし、同意を得るなどの取り組みを望ましいとしています。
ビデオカメラなどで記録した映像も、特定の人の映像を検索できるように整理していない限り、名簿のような集まり(個人情報データベース等)にはあたらない、というのが委員会の説明です。園児の名前で写真や動画を探せるように整理している場合などは、扱いが変わることがあります。
市区町村の施設である園を、指定管理者として法人が運営しているなら、その法人には公立の側と同じ安全管理の決まり(第66条)が当てはまります。法人が個人情報取扱事業者にあたれば、民間の安全管理の決まり(第23条)も当てはまります(委員会の行政機関等編のガイドライン)。
どちらの園でも、同意書の様式や手続きの細かなところは、設置者(市区町村や法人)の決まりに従います。ここで書いたのは、決まりの大枠を委員会の資料と法律の条文で確かめた範囲です。迷うところは、公立の園なら所管の課に、私立の園なら設置する法人に確かめてください。
保護者会も、名簿を使っていれば決まりの対象になる
保護者会が映像を集めて配る場合も、個人情報の話の外ではありません。委員会のガイドラインは、法人格のない任意の団体でも、名簿などの個人情報のデータベースを事業に使っていれば個人情報取扱事業者にあたる、としています。Q&Aは、PTAなどが名簿を配る例として、使い道と渡す先を示し、同意のうえで所定の用紙に書いて出してもらう方法を挙げています。
保護者会が配るDVDも、使い道と渡す先を書いた紙で了解を取っておくと、あとで確かめられます。小学校から高校の体育祭をPTAで配る場合の段取りは、体育祭・運動会の映像をDVDで保護者に配布する方法で説明しています。
肖像権と、同意があっても撮らない場面
写真や動画には、個人情報とは別に、肖像権の話もあります。肖像権は、自分の肖像をみだりに他人に公開されない権利で、法律に定めはなく、判例によって確立されてきた権利です。文化庁は学校向けの冊子で、他人の肖像を使うときは、あとでトラブルにならないよう、事前に本人や保護者の承諾を得ておくよう勧めています。
どの写り方なら構わないかは、家庭によって受け止め方が違います。顔がはっきり写るのは困るが後ろ姿ならよい、名前が出なければよい、という希望もあるでしょう。こうした希望は、同意書の④の欄で聞き取ります。
着替え・おむつ替えは撮らず、プール・水遊びは見られる範囲を先に決める
こども家庭庁と文部科学省は、保育所や幼稚園などに向けた2024年5月の事務連絡で、こどもの性的な部位を含む画像を、不特定・多数の人が見られる状態にしないよう求めました。性的な部位として挙げているのは、性器・肛門やその周辺、臀部、胸部です。見られる人がその園の保護者に限られる場合も含めて、不適切な使い方をされないようにすること、とも書かれています。
事務連絡に添えられたこども家庭庁の2023年7月の通知は、保護者に子どもの生活の様子を伝えるために遊びの場面を撮ることなどは、一般には正当な理由があると考えられる、としています。そのうえで、正当な理由があって撮ったものでも、わいせつな目的で使われる場合があることに十分配慮し、撮り方や見られる人の範囲が適切になるよう特に慎重に検討する必要がある、としています。
着替えやおむつ替えの場面にはカメラを向けず、映り込んだ場面は、配る映像からも載せる写真からも外してください。プール・水遊びは、撮るかどうか、撮るなら写し方と見られる人の範囲を、園の決まりで先に決めておきます。ここは同意書で聞く項目ではなく、園が決めることです。同意の欄に◯が付いていても、ウェブサイトやSNSのように誰でも見られる場所には載せません。
お遊戯会の舞台袖や控え室での着替えについては、お遊戯会・生活発表会の記録DVDの作り方でも触れています。
同意しない家庭の子は、写らないように撮って編集する
同意しない家庭があっても、行事の記録や配布をやめなくて済みます。その子が写らないように撮り、写ったところを配る映像から外せば、ほかの家庭には同じように配れます。
誰が同意していないかは、撮る人と編集する人にだけ伝える
撮影の担当には、配慮の要る子がいることと、どの子かを伝えます。伝える相手は、撮る人と編集する人だけです。名前の入った一覧を広く回すと、それ自体が、その家庭の事情を知らせることになります。
写らない撮り方と、写ったときの編集
- 全体を引きで撮る場面では、その子の立ち位置を、担任と相談してカメラから遠い側にする
- 一人ずつ大きく映す場面では、その子の番にはカメラを向けない
- 写ってしまった場面は、配る映像から外す。外せないときは、顔の部分をぼかす
- クラスの分と全体の分など、配る範囲ごとに書き出す映像を分ける
- 園内で上映する映像と、配る映像を分ける(上映はよいが配るのは困る、という家庭に合わせる)
集合写真や全体の引きの映像で、小さく写り込む場面をどう扱うかは、先に決めておきます。④の欄で「遠くからなら構わない」を選んだ家庭の子は、全体の映像に残せます。顔が分かる形では困るという家庭の子は、集合写真を撮るときの並び方も担任と相談します。全員が写るように撮る位置とカメラの台数の決め方は、保育園・幼稚園の運動会をDVDにして配る方法で説明しています。
ほかの保護者に理由は説明しない
「◯◯ちゃんは同意していないので」と、ほかの保護者に説明することはしません。理由を話すこと自体が、その家庭の事情を広めることになるからです。尋ねられたら、編集の都合で入らなかった場面がある、とだけ伝えます。どの答えを選んでも行事での居心地が変わらないことが、同意書を回すうえでの目標です。
その子が写らないようにすれば、ほかの家庭には同じように配れる
同意書は年度ごとに取り直し、一覧は見られる人を限る
同意書は、年度の初めに配って取り直します。委員会のQ&Aは、個人データを外に渡すときの同意について、渡すたびに取らなくてもよく、取得のときに、その時点で予測できる提供をまとめて聞いておくこともできる、としています。ただし、同意は渡す前までに得ておく必要があります。クラスや担任、撮る行事、園のSNSがあるかどうかは年度で変わるので、年度の初めに、その年の予定に合わせて聞き直すと、答える側も判断しやすくなります。
年度の途中で、いつもと違う使い道が出てきたら、その分だけ別に聞きます。テレビや新聞の取材で園の様子が映る、コンクールに映像を出す、といった場面です。きょうだいで在園していても、同意は園児ごとに1枚ずつ取ります。
配ってから一覧にするまでの段取り
- たたき台を作る。文例の使い道の欄を、園で実際に使うものだけにし、保管の場所と期間を書き入れる
- 園の中で読み合わせる。撮る人、編集する人、園だよりやウェブサイトの担当者が、欄の意味と一覧の置き場所を知っておく
- 保護者に配る。分けて聞く理由を1行添え、年度初めの保護者会などがあれば、その場で説明する
- 回収する。締め切りを決め、出ていない家庭には、分からないところがないかを尋ねる形で声をかける
- 一覧にする。園児ごとに、欄ごとの答えを1つの表にまとめ、見られる人と置き場所を決める
- 行事のたびに確かめる。撮影の計画を立てるとき、編集するとき、載せる前に一覧を見る
同意の一覧は、扱いに気をつける名簿として持つ
誰がどの欄に同意していないかの一覧は、それ自体が、扱いに気をつける名簿です。見られるのは担任と撮影・編集の担当者など使う人だけにし、紙なら鍵のかかる所に、データならパスワードをかけて置きます。年度が終わったら、次の年度に引き継ぐのか、消すのかを決めておきます。
同意書は年度ごとに取り直し、一覧は扱いに気をつける名簿として持つ
配り方を決めて、受け取る家庭へのお願いを添える
同じ「配る」でも、方法によって、配ったあとの広がり方が違います。LINEやURLで送った動画は、受け取った人が転送すれば広がります。DVDやブルーレイは手元に物として残り、URLのように転送では広がりません。すぐ見てほしい分はLINEで、残す分はディスクで、と分ける配り方もあります。方法ごとの違いは、園行事の動画はLINEとDVDのどちらで配る?で比べました。
どの方法でも、受け取る家庭へのお願いを添えます。ほかの家の子も写っていること、家庭で見る範囲で使ってほしいこと、SNSや動画サイト、ほかのグループに載せないでほしいこと。この3つを配るときの案内に書き、ディスクなら盤面やケースにも一文入れておくと、何年かあとに見返すときにも目に入ります。
【お配りする映像について】
この映像には、ほかのお子さまも写っています。ご家庭でご覧になる範囲でお使いいただき、SNS・動画サイト・ほかのグループには載せないでください。
ディスクにして配るとき
当社(ディスクメーカー)は、大阪・梅田にあるDVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店で、受け付けるのは完成した動画のデータです。撮影と編集は園や撮影業者、保護者会の側で済ませ、同意書の答えに合わせて編集を終えた動画ファイルをお送りください。ギガファイル便のURLを注文フォームに貼って入稿できます。そのデータを、プレーヤーで再生できる形に組み立てて書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか店舗でお渡しします。
1枚から注文でき、お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。盤面にお願いの一文を入れるなら、盤面レーベル印刷を選ぶと開く欄に、一文を入れた画像をアップロードするか、ギガファイル便のURLを入れます。注文の流れは、動画をDVD・ブルーレイにする注文の手順にまとめています。
よくある質問
Q1. 園の行事の動画を保護者に配るのに、同意書は必ず要りますか?
法律がどこまで同意を求めるかは、園が公立か私立か、映像をどう整理しているかで変わり、この記事では決められません。それでも、個人情報保護委員会は写真の展示の例で、不特定多数に渡すときは本人の同意を得るのが望ましいとしています。文化庁も、他人の肖像を使うときは事前に本人や保護者の承諾を得ておくよう勧めています。配ったディスクは集め直せないので、配る前に書面で聞いておくのが確かです。
Q2. 同意書は毎年取り直すものですか?
年度の初めに取り直すと、その年のクラスや行事、使い道に合わせて聞き直せます。委員会のQ&Aは、個人データを外に渡すときの同意について、渡すたびでなく、その時点で予測できる分をまとめて得ておくこともできるとしています。ただ、担任や撮る行事、園のSNSの有無は年度で変わります。取材やコンクールなど、いつもと違う使い道が年度の途中で出てきたら、その分は別に聞きます。
Q3. 同意しない家庭があったら、行事のDVDは配れませんか?
配れます。その子が写らない位置で撮るか、写った場面を配る映像から外し、外せないところは顔をぼかします。誰が同意していないかは撮る人と編集する人だけで共有し、ほかの保護者には理由を説明しません。園内での上映はよいが配るのは困る、という家庭がいれば、上映用と配布用で映像を分けます。
Q4. 集合写真や、遠くに小さく写っている子も、同意の対象ですか?
目安は、誰か分かるかどうかです。委員会のガイドラインは、本人が判別できる映像を個人情報の例に挙げています。小さくても顔や名札で分かるなら、写っているものとして扱うほうが安全です。どこまで構わないかは家庭によって違うので、同意書の④の欄で「遠くからなら構わない」などの希望を聞き、集合写真の並び方も担任と相談して決めます。
Q5. 保護者が撮った動画を集めて配るときも、同意書は要りますか?
園の同意書は、園が撮った写真や動画の使い道を聞くものです。保護者会が保護者の動画を集めて配るなら、その使い道も同意書の欄に入れるか、別に聞いておきます。配るには、園の了解と写っている家庭の了解が要り、曲が入っていればその手続きも要ります。撮った保護者にも、配る映像に使ってよいかを確かめてください。
Q6. 卒園した子の写真を、翌年の園の案内に使ってもいいですか?
在園中に聞いた使い道に入っていなければ、改めて保護者に確かめます。私立の園では、決めた利用目的の外で個人情報を使うには、原則として、あらかじめ本人の同意が要ります(個人情報保護法第18条)。公立の園でも、利用目的の外で使うことは原則としてできません(第69条)。卒園のときに、そのあとの使い道だけを聞く短い同意書を渡す方法もあります。
Q7. 園のウェブサイトやSNSに写真を載せるときは、何に気をつければいいですか?
誰でも見られる場所なので、同意書では園だよりや園内の掲示と欄を分け、「どなたでも見られます」と書き添えます。名前は載せず、着替えやプール・水遊びの場面は、同意があっても載せません。こども家庭庁と文部科学省も、こどもの性的な部位を含む画像を不特定・多数が見られる状態にしないよう求めています。削除の依頼にすぐ応じられるようにしておき、見た人が保存した分までは消せないことも先に伝えます。
Q8. 行事のDVDに曲が入っているときは、同意書のほかに何が要りますか?
曲の著作権の手続きが別に要ります。当日に曲を流して踊るのは条件がそろえば許諾なしにできても、録画して配る映像に曲が入っていれば、原則として手続きが要ります。文化庁も、記念品として配る目的で行事の映像を保存する場合は授業に当たらず、著作者などの許諾が必要だと説明しています。調べ方と申し込み方は、学校行事の録画・DVD配布と著作権にまとめました。
Q9. きょうだいで在園している場合、同意書は1枚でいいですか?
園児ごとに1枚ずつ取ります。上の子と下の子では、クラスの顔ぶれも使い道の予定も違い、答えが分かれることがあるからです。一覧も園児ごとに作っておくと、家族単位でまとめたときの取り違えを防げます。年度の初めに配るときも、在園している子の数だけ用紙を渡してください。
Q10. ディスクメーカーに、園の行事の撮影も頼めますか?
当社は撮影をしていません。撮影と編集は園や撮影業者、保護者会の側で済ませ、同意書の答えに合わせて編集を終えた動画ファイルをお送りください。ギガファイル便のURLを注文フォームに貼って入稿でき、DVD・ブルーレイに組み立てて、実際のプレーヤーで再生を確かめてから発送するか、店舗でお渡しします。
参考にした公式の情報
出典の一覧(8件)を開く
個人情報保護法の決まりの考え方は、個人情報保護委員会の「個人情報保護法相談ダイヤル」に電話で尋ねることもできます。ガイドラインやQ&Aに基づいて答える窓口で、適法かどうかの判断を求める相談には応じていません。園ごとの扱いは、設置者に確かめてください。この記事は、2026年9月26日時点の公式の資料をもとにしたものです。
ディスクメーカーへのご依頼・お見積りは以下からどうぞ。