この記事の要点
動画は明るさ(輝度Y)を全画素、色(Cb・Cr)を4分の1 しか記録していません。自然映像では見えないこの間引きが、1〜2ピクセル幅の境界でできているテロップだけを選択的に崩します。
4:2:0は色差の解像度が水平・垂直とも半分 で、1920×1080の映像でも色の設計図は960×540しかありません。1ピクセルで作った文字の縁は、色の側では必ず2ピクセル単位に丸められます。
赤が特に汚くなるのは、BT.709で赤の輝度寄与が0.2126しかない ためです。純赤の文字は形の情報の大半が最も粗いCrチャンネルに載るため、縁が真っ先に崩れます。
DVD-Videoもブルーレイも規格が8ビットYCbCr 4:2:0 で、4:2:2で焼く選択肢は存在しません。変えられるのは方式ではなく、4:2:0へ変換する回数のほうです。
対策は、中間ファイルをProRes 422以上の4:2:2で持ち、縁取りを色相ではなく明度で付ける ことです。文字の形を輝度チャンネルだけで判別できる状態にすれば、圧縮後も残ります。
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編集画面では綺麗に見えていたテロップが、書き出したファイルを再生した瞬間に縁がぼやける。白い文字はまだ崩れていないのに、赤や青の文字だけ輪郭がにじんで、拡大すると色がブロック状に染み出している。書き出し設定を何度も見直しても、ビットレートを上げても、そこだけ直らない。
これは設定ミスではありません。動画フォーマットが色の情報を意図的に間引いて記録している、その構造そのものが原因です。クロマサブサンプリングと呼ばれるこの仕組みは、風景や人物にはまず影響が出ない代わりに、テロップのような人工的な絵柄だけを崩します。
打てる手は二つあります。
中間ファイルをProRes 422以上の4:2:2で持ち、4:2:0への変換を最終エンコードの1回にまとめる
テロップの縁取りを色相ではなく明度で付け、文字の形を輝度で判別できる状態にする
DVDもブルーレイも規格が4:2:0なので、4:2:2のまま焼く選択肢は存在しません。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
「文字だけ汚い」は錯覚ではない|映像は明るさを全画素、色を4分の1しか記録していない 4:4:4・4:2:2・4:2:0の違いは、色を横だけ間引くか縦まで間引くか 赤は明るさの21%しか担っていないので、赤い文字が最初に崩れる 配布用のディスクは、DVDもブルーレイも規格が8ビットの4:2:0 中間ファイルは4:2:2以上で持ち、4:2:0への変換を最終エンコードの1回にまとめる テロップ側の設計で軽減する|形を輝度で作り、色差に形を預けない DVDでさらに厳しくなる点|色差の実サイズは360×240、しかも画素が正方形ではない 盤面やジャケットの文字は圧縮を受けないので、読ませたい情報は印刷側にも置く よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
「文字だけ汚い」は錯覚ではない|映像は明るさを全画素、色を4分の1しか記録していない
動画ファイルの中身は、編集画面で扱っているRGBのままでは保存されていません。ほとんどの動画コーデックは、映像をYCbCrという形式に変換してから記録します。Y′が輝度(明るさ)の情報、CbとCrが色差(色みのずれ)の情報です。
なぜわざわざ分けるのか。分けておくと、Yだけを全画素分そのまま持ち、CbとCrは間引いても人間には気づかれにくいからです。根拠は人間の視覚特性にあります。人間の視覚系が色情報(色相・彩度)を処理する空間解像度は、明暗の解像度のおよそ3分の1程度とされています。明るさの細かい変化には敏感でも、色の細かい変化には鈍い。この非対称性を利用してデータ量を削るのが、クロマサブサンプリングです。
風景や人物のような自然映像であれば、この間引きはまず見えません。肌の色も空の色も隣り合う画素との差がなだらかなので、色差を半分に間引いて引き伸ばしても、元とほとんど区別がつかないからです。
問題はテロップです。テロップは、1〜2ピクセル幅の急峻な色の境界が画面じゅうに並んだ絵柄で、自然界にはまず存在しません。「隣の画素と色が似ている」という間引きの前提が、文字の縁のところだけ完全に崩れます。だから同じ1本の映像の中で、背景は破綻していないのにテロップだけが先に崩れる。「文字だけ汚い」という感覚は正しく、実際に文字だけが選択的に劣化しています。
編集ソフトのプレビューでこの崩れが見えないのは、多くの編集ソフトが内部処理をRGBまたは4:4:4相当で行っているためです。間引きは書き出しのときに初めて掛かるので、書き出して再生するまで問題が表に出てきません。
プレビューで綺麗でも、間引きは書き出しで初めて掛かる
4:4:4・4:2:2・4:2:0の違いは、色を横だけ間引くか縦まで間引くか
4:4:4はY・Cb・Crがすべて同じサンプルレートで、色の間引きが一切ありません。4:2:2は水平方向だけを半分にする方式で、非圧縮時のデータ量を約3分の1削減します。4:1:1は水平方向を4分の1にして、約半分に削減します。4:2:0は水平方向を半分にしたうえで、CbとCrを1ラインおきにしか持たないため、垂直方向も半分になります。結果として、色情報の画素数は輝度の4分の1です。
表記
色差の水平解像度
色差の垂直解像度
1920×1080での色差の実サイズ
4:4:4
等倍
等倍
1920×1080
4:2:2
2分の1
等倍
960×1080
4:2:0
2分の1
2分の1
960×540
4:1:1
4分の1
等倍
480×1080
表記のJ:a:bという3つの数字は、横J画素×縦2ラインの領域を基準に、そこで色差を何サンプル取るかを表しています。Jは通常4です。aが1行目で取る色差サンプル数、bが2行目で1行目から変化する色差サンプル数を示します。
実務でいちばん大事な点は、間引かれた色差が復元されず、隣から引き伸ばされることです。1920×1080の映像であっても、4:2:0では色の設計図が960×540しかありません。デコーダーはそれを2倍に拡大して各画素に色を配ります。つまり、1ピクセルの精度で作った文字の縁は、色の側では必ず2ピクセル単位に丸められる。この丸めは再生環境やビットレートで変わる話ではなく、フォーマットの定義そのものです。
色差サンプルの位置も規格ごとに違う
もうひとつ厄介なのが、色差サンプルが2×2ブロックのどこに位置しているか(siting)が、規格によって異なることです。色差サンプルは、JPEG/JFIF、H.261、MPEG-1では2×2の正方形の中心に、MPEG-2・MPEG-4・H.264/AVCでは2×2の左辺の中点に取られます。HEVCのBT.2020/BT.2100運用では、左上のY画素と同じ位置に取られます。
sitingの解釈が異なる規格をまたいで変換を重ねると、色が半画素ずれることがあります。細い文字ほど、左右で非対称なにじみとして現れやすいと考えられます。書き出しと読み込みを別のツールで往復させている場合は、この点も疑ってみる価値があります。
赤は明るさの21%しか担っていないので、赤い文字が最初に崩れる
「白は平気なのに赤だけ汚い」という現象には、はっきりした計算上の理由があります。Y′(輝度)はRGBの単純平均ではなく、重み付き和で作られるからです。
HD映像の標準であるITU-R BT.709では、係数はKR = 0.2126、KG = 0.7152、KB = 0.0722で、
Y′ = 0.2126 R′ + 0.7152 G′ + 0.0722 B′
SD映像の標準であるITU-R BT.601では、KR = 0.299、KG = 0.587、KB = 0.114で、
Y′ = 0.299 R′ + 0.587 G′ + 0.114 B′
つまり緑は輝度に7割前後を寄与するのに対し、赤は2〜3割、青は1割前後しか寄与しません。純粋な赤(R=255, G=0, B=0)の文字を暗い背景に置いた場合、輝度チャンネルの上ではその文字は「わずかに明るいだけの暗い塊」でしかありません。文字の形を決めている情報の大半が、Cr側に載ってしまいます。
赤と青は明るさをわずかしか担わず、文字の形が色差の側に寄る
ところがCrは、4:2:0では4分の1の解像度しかない。文字の形という最も繊細な情報を、いちばん粗いチャンネルに預けている状態です。これが「赤い文字だけ滲む」の原因です。
青文字はさらに寄与が小さく(BT.709で0.0722)、輝度チャンネル上ではほぼ真っ黒に近くなります。それでも赤ほど苦情になりにくいのは、人間の視覚が青の細部そのものに鈍いためと考えられますが、データ構造としては赤と同じかそれ以上に不利です。
強い組み合わせと弱い組み合わせ
最も強いのは、黒背景の白文字と白背景の黒文字。色差がほぼゼロで、形の情報が100%輝度チャンネルに載る
強いのは、淡い黄色の文字+黒縁。黄はRとGの両方を持つため輝度寄与が大きい
弱いのは、純赤・純青の文字。形の情報の多くが4分の1解像度のCb・Crに載る
最も弱いのは、赤い文字にオレンジの縁のように、輝度がほぼ同じで色相だけが違う組み合わせ。輝度チャンネル上では文字と縁の区別がつかず、境界を色差だけが担うことになる
さらに、彩度の高い色と低い色(あるいは補色)が接する境界では、圧縮後に輝度そのものが落ちる現象も知られています。マゼンタと緑の境界などが典型例です。派手な色を隣り合わせにしたテロップほど、縁が暗く見えるのはこのためです。
配布用のディスクは、DVDもブルーレイも規格が8ビットの4:2:0
ここまで読むと「では4:2:2で書き出せばいい」と考えたくなりますが、最終的な配布メディアでは選択肢がありません。
DVD-Videoは、8ビットのYCbCrで4:2:0のクロマサブサンプリングを使うと規定されています。映像の上限は、H.262/MPEG-2 Part 2で9.8Mbit/sです。音声を含めた総ペイロードは、10.08Mbit/sが上限です。解像度はNTSCで720×480、PALで720×576が最大です。
ブルーレイも同じく、8ビットのYCbCrで4:2:0です。解像度は最大1920×1080で、コーデックはH.262/MPEG-2 Part 2、H.264/MPEG-4 AVC、SMPTE VC-1の3方式が必須とされています。両者の容量・画質・互換性の差については、DVDとブルーレイの違い で整理しています。
H.264側から見ても、結論は同じです。ブルーレイが必須としているのはHigh Profileですが、High Profileが扱えるのは4:2:0・8ビットのみです。
4:2:2を扱えるのは、High 4:2:2 Profile(4:2:0と4:2:2、8〜10ビット)です。4:4:4まで扱えるのは、High 4:4:4 Predictive Profile(4:4:4まで、8〜14ビット)です。ただし、どちらも配布用ディスクの規格の範囲外です。家庭用プレーヤーのデコーダーが解釈できない以上、「4:2:2で焼く」という選択肢は物理的に存在しません。
どちらも規格が8ビットの4:2:0。変えられるのは4:2:0へ変換する回数
変えられるのは方式ではなく、変換の回数
4:2:0への変換そのものは避けられません。ただし、何回変換を通すかは選べます。映像ファイルをディスクに載せる工程では、再生できる形式へ組み立てるオーサリング と、規格に合わせた再エンコードが必ず入ります。ここで1回だけ4:2:0になるのは、避けられない代償です。
問題は、書き出し→再編集→再書き出し、のように4:2:0を何度も通す運用です。1回目で2×2ブロックに丸められた色差を、2回目にさらにその上から丸めます。丸めの基準位置が毎回一致する保証はないので、縁のにじみは往復のたびに広がっていきます。
なお、すでにディスクになっている映像をそのまま複製する場合は、再エンコードが不要なので、この累積は起きません。画質を劣化させずにコピーする方法 と、動画データから作り直す場合とでは、劣化の考え方がまったく別になります。
中間ファイルは4:2:2以上で持ち、4:2:0への変換を最終エンコードの1回にまとめる
実務でできる最も効果の大きい対策は、テロップを合成したあとの中間ファイルを色差の落ちない形式で持ち、4:2:0への変換を最終エンコードの1回だけに集約することです。
4:2:0への変換を最終エンコードの1回にまとめると、にじみが積み上がらない
中間形式としてよく使われるApple ProResの場合、変種によって色差の扱いが異なります。
形式
色差
ビット深度
1920×1080 / 29.97fpsのデータレート
ProRes 422 Proxy
4:2:2
10ビット
38 Mbit/s
ProRes 422 LT
4:2:2
10ビット
85 Mbit/s
ProRes 422
4:2:2
10ビット
122 Mbit/s
ProRes 422 HQ
4:2:2
10ビット
184 Mbit/s
ProRes 4444
4:4:4
10または12ビット(アルファ可)
275 Mbit/s
ProRes 4444 XQ
4:4:4
10または12ビット(アルファ可)
415 Mbit/s
テロップを別レイヤーのまま渡したい場合は、アルファチャンネルを含められる4444が使えます。
実際の手順
編集ソフトからの中間書き出しは、ProRes 422以上など色差を保つ形式にする。H.264やH.265で中間ファイルを作らない。配布用コーデックを作業用に使うのが、劣化累積のいちばん多い原因です
テロップは可能なかぎり中間ファイルに焼き込まず、プロジェクトのまま最終出力まで持っていく。素材の再エンコードとテロップの再エンコードを1回にまとめる
修正が入りそうな案件ほど、中間を4:2:2以上にしておく。H.264で往復するたびに縁のにじみが積み上がる
最終納品がディスクなら、渡すのは高ビットレートのマスターにして、規格への変換はエンコード側で1回だけ行ってもらう
どの形式で渡すべきか判断に迷う場合は、コンテナ(MP4/MOV/AVI)とコーデックの関係を整理したMOVとMP4の違い|動画ファイル形式の種類(AVI・MKVほか)と使い分け を先に押さえておくと、拡張子だけで判断してしまう失敗を防げます。拡張子が同じMOVでも、中身がProRes 422かH.264かで、この記事で扱っている劣化の量はまるで変わります。
テロップ側の設計で軽減する|形を輝度で作り、色差に形を預けない
納品先からH.264を指定されている、SNS配信が前提など、フォーマットを変えられない場面もあります。その場合でも、テロップのデザイン側でかなり戻せます。原則はひとつだけで、文字の形を輝度チャンネルだけで判別できる状態にする ことです。
縁取りは色相ではなく明度で付ける。赤い文字なら縁は黒か白にする。オレンジや濃い赤の縁は輝度差が小さいため、4:2:0を通すと境界そのものが消えます
純色を避ける。R=255, G=0, B=0ではなく、GとBを少しだけ持ち上げた赤にすると、輝度側にも形の情報が乗ります。見た目の赤みはほとんど変わらないのに、圧縮後の縁の残り方が変わります
縁取りは出力解像度基準で2ピクセル以上。色差が2ピクセル単位に丸められる以上、1ピクセルの縁は原理的に守れません
細いウェイトのフォントを避ける。特にセリフ体のヘアライン部分は、SD解像度に下げると線として残りません
ドロップシャドウには少量のぼかしを入れる。硬いエッジの影が色差ブロックの境界に乗ると、階段状のギザギザとして目立ちます
アニメーションを1ピクセル単位で動かさない。色差の丸め位置がフレームごとに変わり、縁がちらついて見えます
書き出す前に確認する方法
編集ソフトでCr(またはR-Y)チャンネルだけを単独表示すると、そのテロップがどれだけ色差に依存しているかが一目で分かります。Crだけで文字がくっきり読めてしまう場合、その文字は4:2:0で崩れます。逆にY単独で文字がはっきり読めるなら、圧縮後もほぼそのまま残ると考えられます。この2枚を見比べるだけで、書き出し前に判断できます。
最終確認は必ず、書き出したファイルを等倍(100%)で再生して行ってください。編集ソフトのプレビューは内部処理の状態を表示しているため、圧縮後の見え方を反映していないことがあります。プレビューで問題がないことは、書き出し結果の保証になりません。
DVDでさらに厳しくなる点|色差の実サイズは360×240、しかも画素が正方形ではない
DVDに載せる場合、ここまでの話がさらに何段か厳しくなります。
ブルーレイの1920×1080は2,073,600画素、DVDのNTSC 720×480は345,600画素です。おおよそ6倍の差があります。そのうえで4:2:0が掛かるので、DVDにおける色差の実サイズは360×240、サンプル数にして86,400。1920×1080の輝度と比べると24分の1です。HD前提で作った1080のテロップをDVDに載せると、文字は縦横それぞれ半分以下に縮小されたうえで、色の設計図はさらにその4分の1になります。
DVDの色の設計図は360×240。HDで作った細い文字ほど崩れやすい
画素が正方形ではないという事情
DVDにはもうひとつ、画素が正方形でないという厄介さがあります。Rec.601に基づく画素アスペクト比(PAR)は、NTSC 720×480の4:3で10:11(約0.90)、16:9で40:33(約1.21)です。PAL 720×576では、4:3で16:15(約1.06)、16:9で64:45(約1.42)です。
1080の正方画素で作ったテロップは、DVD化の過程で必ず水平方向にリサンプルされます。縦線の縁は、このリサンプルでもう一度ぼけます。つまりDVDでは、縮小・色差の間引き・非正方画素へのリサンプルという3段の処理を通ることになります。
インターレースでは細い横線が震える
DVDのNTSCは29.97fpsで、インターレース運用が基本です。1フレームが2つのフィールドに分かれているため、1ライン幅の細い横線は片方のフィールドにしか存在しません。再生時には、その線が上下に震えて見えます。テロップの横棒、下線、囲み枠の水平部分は、2ライン以上の太さを確保しておくのが安全です。
DVDに載せる前提のテロップは、HD納品用より一段太く、一段大きく、一段コントラストを強く作っておくと破綻が減ります。同じ素材からDVDとブルーレイの両方を制作する場合は、テロップだけ作り分けるという判断も現実的です。ブルーレイなら1920×1080がそのまま使えるので、細い書体や小さい文字を残したい作品では、そもそもの媒体選択から見直す価値があります。
盤面やジャケットの文字は圧縮を受けないので、読ませたい情報は印刷側にも置く
ここまで説明した劣化は、すべて映像を動画コーデックに載せた結果として起きるものです。同じ「文字」でも、盤面へのレーベル印刷やケースの背表紙に入る文字には、クロマサブサンプリングは一切かかりません。印刷は入稿データをそのまま版として使うので、細い線も小さい文字もそのまま出ます。
この差は、制作の設計判断に使えます。作品名・撮影日・団体名・面数といった「確実に読ませたい情報」は、映像内のテロップだけに頼らず、盤面と背表紙の印刷側にも置いておく。映像内のテロップは演出として、印刷は索引として役割を分けるという考え方です。特に何十枚も棚に並ぶ配布物では、背表紙の可読性のほうが実用的な価値が高い場面が多くあります。入稿データの作り方は、DVD・CDのレーベルとジャケットの入稿データの作り方 にまとめています。
当社では、完成した動画のデータからDVD・ブルーレイを作る注文を、基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で承っています。再生できる形式へ組み立てるオーサリングは、料金に含まれています。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも、オプションで対応しています。盤面とケースの印刷は、作品名などの文字も入れた画像を入稿してもらう形です。
入稿は、ギガファイル便のURLで受け付けています。テロップの縁取りや色は、書き出しの段階で整えてから入稿します。テロップの見え方が気になる素材は、中間ファイルを4:2:2以上の高ビットレートでお渡しいただくと、こちらでの再エンコードが1回で済みます。
納期は、通常便なら受付から5営業日で発送です。急ぐときは、次の三つをご用意しています。
お急ぎお届け(+1,500円/平日15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)
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大阪市北区の店舗で受け取る当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までのご注文・ご入稿)
よくある質問
Q. テロップの縁が滲むのは書き出し設定が悪いからですか? A. ビットレート不足が重なっている場合もありますが、根本原因は設定ではなくフォーマットの構造です。H.264やMPEG-2の一般的な運用である4:2:0では、色差情報の解像度が水平・垂直とも輝度の半分しかありません。1920×1080の映像でも色の設計図は960×540で、文字の縁は色の側で必ず2ピクセル単位に丸められます。ビットレートを上げてもこの間引きは戻りません。効果があるのは、中間ファイルを4:2:2以上で持って4:2:0への変換回数を減らすことと、テロップの縁取りを明度差で作ることです。
Q. 4:2:2で書き出せばDVDやブルーレイでも綺麗になりますか? A. 配布用ディスクではできません。DVD-Videoもブルーレイも、規格として8ビットのYCbCr 4:2:0が定められています。ブルーレイが必須としているH.264のHigh Profileは、4:2:0・8ビットしか扱えません。4:2:2にはHigh 4:2:2 Profile、4:4:4にはHigh 4:4:4 Predictive Profileが必要ですが、いずれもディスク規格の範囲外で、家庭用プレーヤーが解釈できません。4:2:2が意味を持つのは編集途中の中間ファイルまでで、最終的には必ず4:2:0に変換されます。
Q. 赤いテロップだけ特に汚く見えるのはなぜですか? A. 輝度Y′がRGBの重み付き和で作られていて、赤の重みが小さいためです。HD標準のBT.709ではY′ = 0.2126R′ + 0.7152G′ + 0.0722B′で、赤の寄与は約21%しかありません。純赤の文字は輝度チャンネル上では暗い塊にしか見えず、文字の形を決める情報の大半が色差Crに載ります。そのCrは4:2:0では4分の1の解像度しかないため、形の情報を最も粗いチャンネルに預けた状態になります。赤にわずかに緑と青を混ぜて明度差を作るだけでも改善します。
Q. 4:2:0と4:2:2では実際どれくらい違いますか? A. 色差の情報量が倍違います。4:2:2は水平方向だけを半分にする方式で、非圧縮時のデータ量を約3分の1削減します。4:2:0はこれに加えて色差を1ラインおきにしか持たないため、垂直方向も半分になり、色情報の画素数は輝度の4分の1になります。1920×1080なら4:2:2の色差は960×1080、4:2:0では960×540です。横方向の縁の甘さは両者で同程度ですが、横線や斜め線の縁は4:2:0のほうが明確に崩れます。
Q. 配信サイトにアップした動画のテロップが元より汚くなるのはなぜですか? A. 多くの配信サービスはアップロードされたファイルをそのまま配信せず、自社の配信用設定で再エンコードします。手元のファイルが4:2:0で書き出されていれば、そこからさらにもう一度4:2:0の丸めが掛かることになり、縁のにじみが累積すると考えられます。対策としては、サービスが受け付ける範囲でできるだけ高ビットレート・高品質のファイルをアップすること、そしてテロップ自体を明度差で作って輝度チャンネルに形の情報を載せておくことです。
Q. テロップの縁取りは何ピクセルにすればいいですか? A. 最低でも出力解像度基準で2ピクセル以上を確保してください。4:2:0では色差が2ピクセル単位に丸められるため、1ピクセルの縁は原理的に守れないからです。DVDに載せる場合はさらに条件が厳しく、720×480の色差は実質360×240しかないうえ、インターレース運用では1ライン幅の横線が片方のフィールドにしか存在せず震えて見えます。DVD前提なら、横方向の線は2ライン以上の太さを確保しておくのが安全です。
Q. DVDとブルーレイでテロップの見え方はどれくらい変わりますか? A. 画素数で約6倍の差があります。DVDのNTSCは720×480で345,600画素、ブルーレイは最大1920×1080で2,073,600画素です。さらにDVDには非正方画素という事情があり、Rec.601基準の画素アスペクト比はNTSC 4:3で10:11、16:9で40:33です。1080の正方画素で作ったテロップは水平方向にリサンプルされるので、縦線の縁がもう一段ぼけます。細い書体や小さい文字を残したい作品では、媒体をブルーレイにする判断が有効です。
Q. 制作会社に渡す中間ファイルは何形式がいいですか? A. 色差を保つ形式を選んでください。Apple ProResなら422系がすべて4:2:2の10ビット、4444系が4:4:4の10または12ビットです。1920×1080 / 29.97fpsのデータレートはProRes 422で122Mbit/s、422 HQで184Mbit/s、4444で275Mbit/sが目安です。H.264やH.265は配布用のコーデックなので、作業用の中間ファイルには使わないでください。拡張子がMOVでも中身がH.264なら4:2:0で、そこから作り直すと劣化が二重に掛かります。