この記事の要点
広報動画をネットで見ない住民にも届けるには、まず誰に届けたいか(年代・世帯・言語・障害の有無)を決めます。総務省の令和7年の調査では、80歳以上でインターネットを使う人は37.1%です。
配信に加えて、DVDの配布や公民館・図書館での貸し出し、公民館や窓口での上映、広報紙からの案内を組み合わせます。
聞こえにくい人には字幕、手話を使う人には手話、見えにくい人には音声解説か書き起こし、外国語を話す人には言語ごとの版を用意し、見る手順も紙で案内します。
配るDVDの盤面とファイル名に題名・作った年月・版を入れて古い版と分け、元の動画はMP4にして、庁内の保存先とネットワークから切り離した控えの2か所に残します。
写る住民には撮る前に使い道を伝えて了解を得ておきます。曲や写真の権利と、委託の契約で使える範囲(配信・DVD・上映)も、作る前に確かめます。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
1枚から 作れます。 同じ 内容の 追加は 1枚1,000円 (税抜)です。
1枚1,500円(税抜)から・ 1枚から注文できます
制度の案内、防災、健康づくり、地域の行事。作った広報動画をホームページや動画サイトに載せても、インターネットを使わない住民には届きません。総務省の令和7年通信利用動向調査では、インターネットを使う人は60〜69歳で91.2%ですが、70〜79歳で71.9%、80歳以上では37.1%です。
ネットで見ない住民にも届けるには、配信に加えて、DVDの配布や貸し出し、公民館や窓口での上映、広報紙からの案内を組み合わせます。写る住民の了解と、曲や写真の権利は、作る前に確かめておきます。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
ネットだけでは届きにくい住民|年代別のインターネット利用率 配信・DVD・上映・広報紙を組み合わせて届ける 高齢の住民には、見る手順まで案内する 広報動画の字幕・手話・音声解説|法律と総務省のガイドライン 自治会・公民館・図書館を通してDVDを配る・貸し出す段取り 配るDVDの作り方|DVDとブルーレイ、1枚目の試し方 作る前に確かめる、写る住民の了解と曲・写真の権利 配る版に作った年月を入れ、元の動画は2か所に残す 完成した広報動画からDVDを作るとき よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
ネットだけでは届きにくい住民|年代別のインターネット利用率
総務省の通信利用動向調査は、世帯と企業の情報通信の使い方を毎年調べている国の統計です。いちばん新しい令和7年の調査(令和7年8月末時点・令和8年5月29日公表)から、年代ごとの数字を並べました。全体は6歳以上です。
年代
ネットを使う人
スマホを持つ人
全体
85.7%
78.9%
60〜69歳
91.2%
88.6%
70〜79歳
71.9%
68.1%
80歳以上
37.1%
33.0%
13歳から69歳までは、どの年代も9割を超える人がインターネットを使っていますが、70代で7割、80歳以上では4割に届きません。携帯電話もスマートフォンも持っていない人は、80歳以上で21.0%でした。インターネットやデジタル機器を使える人と使えない人の間に生まれる情報の差を、デジタルデバイド(情報格差)と呼びます。高齢の住民に向けた制度の案内を配信だけで届けようとすると、いちばん届けたい人に届かなくなってしまいます。
かといって、DVDなら誰にでも届くわけでもありません。同じ調査で、世帯のテレビの保有は90.1%です。令和2年から減り続けていて、スマートフォンの91.8%を下回りました。テレビやプレーヤーのない家もあるので、1つの方法に頼らず、いくつかを組み合わせます。同じ調査は都道府県別のインターネットの利用状況も載せているので、自分の地域の数字と、窓口に寄せられる問い合わせや住民への調査の結果を照らし合わせて、どの年代や地区に届きにくいかを考えます。
配信・DVD・上映・広報紙を組み合わせて届ける
届け方は、見る場所と機器で分けて考えます。スマートフォンやパソコンで見る人には配信、テレビで見る人にはDVD、機器を持たない人には上映。広報紙や回覧は、それぞれの見方を知らせる役目をします。
届け方
向く人と、気をつけること
ネットの配信
スマホやパソコンで見る人に、すぐ届く。字幕を付け、書き起こしか音声解説も用意する。
DVDの配布
テレビで見る人に。手元に残り、何度も見られる。配ったら集め直せない。
DVDの貸し出し
公民館・図書館・窓口に置いて貸す。枚数を抑えられ、古い版を差し替えやすい。
上映
公民館や窓口、地域の集まりで流す。機器のない人にも届く。日時を知らせる。
広報紙・ 回覧の案内
見る方法を知らせる。URLと二次元コード、DVDの借り方、上映の日時を載せる。
どれを足すかは、届けたい相手から決めます。ひとり暮らしの高齢の住民に制度の手続きを知らせるならDVDの配布と窓口での上映、地区ごとの防災の説明なら自治会を通した貸し出しと集会での上映、というように、年代・世帯・言語・障害の有無ごとに、配信のほかに何を組み合わせるかを書き出します。
内容によっても向く形が変わります。期限のある手続きや急いで知らせたいお知らせは、配信と広報紙で早く届けます。繰り返し見てほしい制度の説明や体操の動画は、手元に残るDVDが向いています。配信とディスクの渡し方の違いは、園の例ですが園行事の動画はLINEとDVDのどちらで配る?|5つの方法と配る前に確かめること で比べました。
高齢の住民には、見る手順まで案内する
DVDを受け取っても、テレビの入力の切り替え方が分からなければ映りません。URLも、開き方が分からなければ届いたことになりません。配る物には、見る手順を書いた紙を添えます。
DVDに添える手順の紙
紙1枚に、大きな文字で次の順に書きます。
テレビと、DVDプレーヤーの電源を入れる(ブルーレイのレコーダーやゲーム機でも見られることが多い)
テレビのリモコンの「入力切換」などのボタンで、プレーヤーをつないだ入力に切り替える(ボタンの名前はテレビによって違う)
文字や絵が印刷された面を上にして、ディスクを入れる
始まらなければ、プレーヤーのリモコンの「再生」を押す
見たい場面へは、リモコンの「次へ」で飛べる(チャプターを付けた場合)
映らないときの問い合わせ先(課の名前と電話番号)
ケースにも、題名と作った年月、長さ、問い合わせ先を書いておくと、あとで見返すときに迷いません。
配信の動画は、URLと探し方を家族にも分かるように
広報紙やチラシには、URLと二次元コードのほか、動画サイトで探すときの言葉(自治体名と動画の題名)を載せます。総務省の同じ調査で、インターネットを使う人の相談相手は「家族・親戚」が77.8%でいちばん多く、「市役所などの行政機関」は0.9%でした。本人だけでなく、家族が読んでもすぐ開ける書き方にしておくと、家の中で見せてもらえるようになります。同じ紙に、DVDの借り方や上映の日時も並べれば、ネットを使わない人に知らせる役目にもなります。
相談相手は家族・親戚がいちばん多い。案内は家族が読んでも開ける書き方に
広報動画の字幕・手話・音声解説|法律と総務省のガイドライン
音が聞こえにくい人、画面が見えにくい人、手話を使う人、日本語が分かりにくい人。同じ動画でも、何を付けるかで届く人が変わります。
付けるもの
届く人と、DVDでの入れ方
字幕
聞こえにくい人に。映像に重ねて書き出す。
手話
手話を使う人に。通訳の姿を画面に入れる。
音声解説
見えにくい人に。場面の様子を声で説明する。
書き起こし
見えにくい人や、文字で読みたい人に。紙やページで渡す。
多言語
外国語を話す人に。言語ごとの版を作る。
国と地方公共団体には、障害のある人への情報の届け方について法律の決まりがあります。2022年5月に施行された障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法は、障害の種類や程度に応じた手段を選べること、障害者でない人と同じ内容の情報を同じ時点で得られることを基本理念に挙げています(第3条)。国と地方公共団体が障害者に情報を提供するときは、障害の種類と程度に応じて行うよう配慮し(第14条第2項)、防災や防犯の情報を迅速かつ確実に得られるよう必要な施策を講ずるとも定めています(第12条第1項)。
障害者差別解消法は、行政機関等に、障害のある人から社会的障壁を取り除いてほしいという意思の表明があったとき、負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な配慮をすることを義務づけています(第7条第2項)。字幕の付いた版がほしいという申し出を受けたときの窓口と応じ方も、決めておきます。求めがある前に多くの人に向けて整えておく「環境の整備」は努力義務で(第5条)、内閣府の基本方針はその例に情報アクセシビリティの向上を挙げています。字幕を初めから付けておくのは、この考え方に沿った備えです。
ウェブで公開する動画は、字幕と、書き起こしか音声解説
総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」は、国や自治体のホームページを誰もが使えるようにするための手順書で、日本産業規格のJIS X 8341-3:2016に沿った取り組みを解説しています。動画については、レベルAを満たすには字幕を付け、同じ内容のページを用意するか音声解説を付けることを挙げています。公的機関が目標にする適合レベルAAでは、生中継の字幕と音声解説も加わります。外部の動画配信サービスで公開する場合も、対応が要るとされています。音声解説は、場面の状況や人の動きを声で説明するもので、主に見えにくい人のためのものです(同じガイドラインの用語の説明)。
手話を付けるかどうか
総務省のガイドラインが載せている達成基準の一覧では、収録済みの動画に手話を付けることは、目標のAAより上のAAAの項目です。一方、2025年6月に施行された手話に関する施策の推進に関する法律は、手話を使う人が災害などのときに必要な情報を迅速かつ確実に得られるよう、国と地方公共団体が手話による情報の提供などの施策を講ずるとしています(第10条第2項)。防災や避難の動画は、手話を付ける候補の先頭に置けます。
情報アクセシビリティの法律も、国と地方公共団体が施策を講ずるときは、障害者などの意見を聴くよう努めるとしています(第8条)。字幕の出し方や手話の通訳の見え方は、でき上がる前に手話を使う人や聞こえにくい人に見てもらうと、直す点が早く分かります。通訳の姿は、DVDの画面でも手の形と表情が見える大きさで入れます。
DVDで配る動画の字幕は、映像に重ねて書き出す
配るDVDにも字幕を入れたいときは、映像に字幕を重ねた状態で書き出した動画をディスクにすれば、プレーヤーでもそのまま字幕が映ります。気をつけたいのは文字の大きさです。DVDの映像は720×480なので、フルHD(1920×1080)で作った動画をDVDにすると、計算上、縦の画素は約0.44倍に減り、小さな文字は読み取れなくなることがあります。字幕は1行13〜14字・2行までを目安に大きめの文字にし、1枚目をテレビで見て読めるかを確かめます。入れ方は動画に字幕を入れる方法|聞き取りにくい音声を補う実務とDVDでの扱い で説明しています。
フルHDの動画をDVDにすると縦の画素は計算上約0.44倍。字幕は大きめの文字に
外国語を話す住民には、言語ごとの版を作る
多言語にするなら、字幕かナレーションを言語ごとに差し替えた版を、別々の動画として書き出します。DVDは言語ごとに分けるか、1枚に続けて入れて、言語の変わり目で頭出しできるようにします。盤面とケースには、その言語でも題名と言語名を書きます。訳した字幕は、その言語を話す人に一度見てもらい、意味が通るかを確かめます。見る手順の紙も、同じ言語で用意します。
自治会・公民館・図書館を通してDVDを配る・貸し出す段取り
自治会の回覧や、公民館・図書館の棚を通してDVDを届けるなら、配る分と貸す分を分けて考えます。配った分は手元に残って何度も見られる一方、集め直せません。貸す分は枚数を抑えられ、返ってきたときに新しい版へ差し替えられます。議会中継の録画では、仙台市議会が、せんだいメディアテークで議会中継のDVD(直近1年分)の視聴と貸し出しをしていると案内しています。
届けたい相手と地区を決め、自治会や施設ごとに、配る枚数と貸す枚数を決める
1枚目を作り、公民館や窓口のプレーヤーと家庭用の機器で、最初から最後まで再生して確かめる
残りを作り、盤面に題名・作った年月・版・問い合わせ先を入れ、ディスクに番号を付ける
自治会や施設の係に、枚数・版・返してもらう期限を書いた一覧と、見る手順の紙を添えて渡す
貸し出しの記録をつけ、返ってきたディスクは再生を確かめてから次に貸す
新しい版ができたら係に知らせ、古い版を棚から下げて回収する
先に決めておくこと
決めること
中身
担当
自治体の担当の課と、自治会や施設の係。問い合わせの電話。
渡す枚数
自治会や施設ごとの枚数と、配る分・ 貸す分の別。
貸し出しの記録
ディスクの番号と版、貸した日と返す日。
返してもらう期限
期限と、過ぎたときの連絡のしかた。
版
作った年月と版。新しい版が出たら、古い版を棚から下げる。
壊れた・ なくしたとき
連絡先と、作り直しの手順。
借りた人の名前や連絡先を書いてもらうなら、返してもらうための情報として扱い、自治体の決まりに沿って管理します。自治会の側で記録や名簿を扱うときの考え方は、自治会・町内会の記録の残し方と引き継ぎ|保存年限・写真と動画・祭りの記録 に書きました。
公民館や窓口で上映するとき
公民館の講座や地域の集まり、窓口の待合で流せば、機器を持たない人にも届きます。会場の機器で前もって流し、字幕が読める大きさで映るか、音が後ろの席まで届くかを確かめます。上映の日時と場所は、広報紙や回覧で知らせます。
配るDVDの作り方|DVDとブルーレイ、1枚目の試し方
配るディスクは、動画をプレーヤーで再生できる映像のDVD(DVD-Video)の形に組み立ててから書き込みます。パソコンの動画をそのままDVDに書き込んでも、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生できません(パナソニック)。ディスクはDVD-Rの1層にします。カナダ保存研究所(CCI)は、DVD-RはDVD+Rより、とくに古い機器で互換性がよく、1層のディスクは2層より互換性がよいとしています。
DVDプレーヤーではブルーレイを再生できません(ソニー)。映像の細かさはDVDが720×480、ブルーレイが1920×1080と差がありますが、相手の機器が分からない住民に配るならDVDです。ブルーレイは、上映する会場の機器が対応していると分かっているときなどに使います。違いはDVDとブルーレイの違い|画質・容量・再生機器と、どっちがいいか で比べています。
何十枚も作る前に、まず1枚を作ります。記録済みのDVD-Rなどは、記録状態や記録した機器の特性などで再生できないことがあると、ソニーの説明書にも書かれています。DVDだけのプレーヤー、ブルーレイのレコーダー、公民館や窓口のプレーヤーなど、種類の違う何台かで最初から最後まで再生し、字幕が読めるか、通訳の手と表情が見えるか、音の大きさはどうかを見ます。形式とディスクの選び方は配るDVDを、どの家のプレーヤーでも見られるように作るには|形式・ディスク・確認 に詳しく書きました。
何十枚も作る前に1枚を作り、種類の違う機器で最後まで再生する
作る前に確かめる、写る住民の了解と曲・写真の権利
誰か分かるように住民が写っている動画は、個人情報にあたります。個人情報保護委員会のガイドラインは、本人が判別できる映像を個人情報の例に挙げています。自治体の機関(議会を除く)には個人情報保護法の「行政機関等」の決まりが当てはまり、2023年4月からは全国共通のルールになりました(委員会の行政機関等編のガイドライン)。決めた利用目的の外で使ったり外に渡したりするのは、法令に基づく場合を除いて原則できず、本人の同意があるときなどに限られます(第69条)。
撮る前に、配信、DVDの配布と貸し出し、上映、広報紙のどれに使うかを分けて伝え、了解を得ておきます。配ったディスクは集め直せず、ネットに載せた動画は、見た人が保存した分まで消せません。使い道ごとに欄を分けた同意書の作り方は、園向けですが園の動画・写真を配るときの同意書|作り方と、使い道ごとに選べる文例 にまとめました。
DVDの作成などで、住民が写った動画の扱いを外の業者に任せるなら、任された側にも自治体と同じ安全管理の義務がかかります(個人情報保護法第66条第2項)。受け取った動画をいつまで持ち、いつ消すかを、頼む前に確かめておきます。
曲や写真、イラストは、自治体が権利を持っているとは限りません。公民館で流すことは、営利を目的とせず、料金を取らず、出演者に報酬を払わない上映なら、著作権法第38条で許諾なしにできます。ただ、文化庁の著作権テキストによると、この例外に「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれません。DVDを作るのは複製で、無料で配るのも貸し出すのも「頒布」にあたります(第2条)。ネットでの配信も、この例外の外です。使い方ごとに手続きが要るかを、作る前に確かめます。
委託して作る動画は、契約で使える範囲を決める
委託して作った動画の著作者は、料金を払ったかどうかにかかわらず、実際に作った受注者の側です(文化庁の著作権テキスト)。あとで字幕を差し替えたり、言語ごとの版を作ったりするなら、第27条・第28条の権利も含めて譲渡すると契約に書くか(第61条第2項)、利用の許諾の範囲に、DVDの配布と貸し出し、上映、作り替えを入れておきます。職員が仕事として作り、自治体の名前で公表する動画は、自治体が著作者になることがあります(第15条)。仕様書の書き方と入札・検収は自治体の動画・ディスクの業務委託|仕様書に書く項目と、入札・検収・著作権の決め方 で説明しています。
上映だけなら許諾が要らないことがあっても、DVDの複製や配布、配信は別に確かめる
配る版に作った年月を入れ、元の動画は2か所に残す
DVD-Rは1回だけ記録できるディスクなので(マクセル)、配ったあとで中身を書き換えることはできません。制度や窓口が変わったら新しい版を作り、古い版と見分けられるようにしておきます。
版の分け方
盤面とケース、動画のファイル名に、題名・作った年月・版を同じ書き方で入れる(例:「2026-10_国保の手続き_v2」)
動画の最初と最後にも、作った年月と問い合わせ先を映す
配った先と枚数、版を一覧にしておき、貸し出した分は返ってきたときに新しい版へ差し替える
配信の動画は、題名か説明に作った年月を入れ、新しい版を出したら、古い版の公開をやめるか新しい版への案内を書く
配った分は集め直せないので、広報紙などで新しい版が出たことを知らせます。版の付け方は、講演会の例ですが講演会・セミナーの映像をDVDにして配る方法|講師の了解・資料の文字・教材の管理 でも説明しています。
元の動画の置き場所
DVDは720×480に作り直した見るための複製で、元の動画ファイルそのものではありません。作り直しや次の改訂に使う元の動画は、別に残します。長く残す動画は、内閣府の通知が挙げる標準的フォーマット(動画ではMPEG2・MPEG4)にそろえ、MP4にしておきます。置き場所は、庁内で管理する保存先と、ネットワークから切り離した控えの少なくとも2か所です。総務省のガイドラインは、バックアップを元のサーバと同じネットワークに置くと、サーバが暗号化されたときに一緒に暗号化されるおそれがあるとしています。国立公文書館のガイドブックは、データを3つ持ち、媒体を2種類に分け、1つを離れた場所に置く「3-2-1」を、広く知られた実践例として紹介しています。
何年残すかは、自治体の文書管理の規程で決まります。公文書管理法第34条は、自治体に、法の趣旨にのっとって文書の管理に必要な施策を定めて実施するよう努めることを求めています。委託先にしか元の動画がないなら、引き渡しの時期と形式を契約で決めておきます。点検と移し替えの手順は公文書・自治体の電子記録の長期保存|保存期間・形式・媒体と光ディスクの使い方 、議会中継の録画は議会中継・委員会の録画の保存と公開|会議録との違い・保存期間・情報公開の実務 にまとめました。
完成した広報動画からDVDを作るとき
当社(ディスクメーカー)は、大阪市北区・梅田にある、DVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店です。当社が受け付けるのは、編集を終えた完成した動画のデータです。動画をギガファイル便、Google ドライブ、OneDrive などにアップロードし、その共有URLを注文フォームに貼ってください。ギガファイル便でダウンロードのパスワードを付けたURLを貼ると「ダウンロードパスワード」の欄が開くので、そこにパスワードを入れます。プレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、店舗でお渡しします。DVDは720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)で作り、注文は1枚からです。
料金は、基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)で、オーサリングと書き込み、ケースに入れるところまでを含みます。同じ内容の2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。盤面に題名と作った年月、版を入れるなら、盤面レーベル印刷(1枚あたり)+1,000円を選び、開いた欄に画像をアップロードするか、ギガファイル便のURLを入れます。同じ内容のDVDを20枚、すべて盤面に印刷して作るなら、税抜で40,500円 です。
手続きごとに頭出しできるようにするなら、チャプター分け(1枚あたり)+1,500円を選ぶと開く「チャプター位置の指定」の欄に、2つ目以降の区切りの位置を時刻で入れます。1つ目は動画の冒頭00:00:00に自動で入り、1枚に最大50チャプターまでです。言語ごとの版のように複数の動画を1枚に入れるときは、ファイル名の頭に「01_」「02_」を付けて収録の順を決めます。配る相手の再生機器や配る日は、注文フォームの備考欄に書いてください。
通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です(営業日は土日祝・休業日を除いて数えます)。配る日から逆に数えて、1枚目を確かめる日も入れて頼んでください。1枚目を確かめてから残りを別の注文で頼むときは、その注文も1枚目から数えます。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
よくある質問
Q1. 自治体の広報動画を、ネットを使わない高齢の住民に届けるには? 配信に加えて、DVDの配布や公民館・図書館での貸し出し、公民館や窓口での上映を組み合わせ、広報紙で見る方法を知らせます。総務省の令和7年の調査では、80歳以上でインターネットを使う人は37.1%です。DVDには、テレビの入力の切り替えから再生までを大きな文字で書いた手順の紙と、問い合わせ先を添えます。
Q2. 広報動画のDVDは、配るのと貸し出すのとどちらがいいですか? 手元に置いて何度も見てほしい内容なら配り、枚数を抑えたいときや内容が変わりやすいときは貸し出しにします。配ったディスクは集め直せませんが、貸した分は返ってきたときに新しい版へ差し替えられます。貸すなら、担当、貸し出しの記録、返してもらう期限、版を先に決め、自治会や施設の係と一覧で共有します。
Q3. 自治体がホームページで公開する動画に、字幕は必要ですか? 総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」は、JIS X 8341-3:2016のレベルAを満たすには、動画に字幕を付け、同じ内容のページを用意するか音声解説を付けるとしています。公的機関が目標にするAAでは、生中継の字幕と音声解説も加わります。外部の動画配信サービスで公開する場合も、対応が要るとされています。
Q4. 広報動画に手話を付けたほうがいいですか? 総務省のガイドラインが載せる達成基準の一覧では、収録済みの動画の手話は、目標のAAより上のAAAの項目です。一方、2025年6月に施行された手話に関する施策の推進に関する法律は、災害などのときに必要な情報を得られるよう、国と地方公共団体が手話による情報の提供などの施策を講ずるとしています(第10条第2項)。防災の動画から考えます。
Q5. 住民が写っている広報動画を、DVDにして配ってもいいですか? 誰か分かるように写っていれば個人情報で、自治体の機関には個人情報保護法の「行政機関等」の決まりが当てはまります。決めた利用目的の外で使ったり外に渡したりするのは原則できず、本人の同意があるときなどに限られます(第69条)。撮る前に、配信・DVD・上映のどれに使うかを伝えて了解を得ておきます。配ったディスクは集め直せません。
Q6. 委託して作った広報動画を、DVDにして配ったり貸し出したりしてもいいですか? 契約で決めた範囲によります。委託して作った動画の著作者は、料金を払ったかどうかにかかわらず、実際に作った受注者の側です(文化庁の著作権テキスト)。著作権を譲り受ける契約か、利用の許諾の範囲に、DVDの配布と貸し出しや上映が入っているかを確かめます。動画の中の曲や写真は、それとは別に手続きが要るかを確かめます。
Q7. 制度が変わって内容が古くなったDVDは、どうすればいいですか? DVD-Rは配ったあとで書き換えられないので、新しい版を作り、盤面とケース、ファイル名に作った年月と版を入れて古い版と見分けられるようにします。貸し出していた分は返ってきたときに差し替え、配った分は広報紙などで新しい版が出たことを知らせます。配った先・枚数・版の一覧があれば、差し替える範囲が分かります。
Q8. 住民に配るのは、DVDとブルーレイのどちらがいいですか? 相手の機器が分からないならDVDです。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できませんが(ソニー)、ブルーレイのプレーヤーやレコーダーの多くはDVDも再生できます。ディスクはDVD-Rの1層を選び、配る前に1枚を作って、種類の違う何台かの機器で最初から最後まで再生して確かめます。
Q9. 公民館で広報動画を上映するのに、曲の手続きは要りますか? 営利を目的とせず、料金を取らず、出演者に報酬を払わない上映なら、動画に入った曲も著作権法第38条で許諾なしに流せます。文化庁の著作権テキストは、例に「公民館での上映会」を挙げています。ただ、この例外は上映までで、「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれません。上映のためにディスクを作る段階や、配る・貸す・配信するときの扱いは別に確かめます。
参考にした公式の情報
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法令や各機関の資料は、改正や更新で変わります。この記事は、2026年9月27日時点の各機関の公式の情報をもとにしたものです。自治体ごとの規則や具体的な判断は、所属する自治体の担当の課や専門家に確かめてください。
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