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望遠が無いiPhone Duoで舞台は撮れるか|客席の距離別に18 Proと比べる

2026 10/11
望遠が無いiPhone Duoで舞台は撮れるか|客席の距離別に18 Proと比べる

この記事の要点

  • Duoの背面はメインと超広角の2つで望遠は無い。光学品質と書かれるのは2倍(52mm)まで、デジタルズームはビデオ6倍・写真10倍が上限
  • 計算上、子どもまで15mの席ならDuoの6倍で身長110cmの全身が画面の高さの半分あまりに入る。18 Proの8倍はその約1.3倍の大きさ
  • 計算上、同じ席から顔に使えるセンサーの画素は、18 Proの望遠(100mm)がDuoのメイン(26mm)の約3.8倍。遠い席ほど表情の差が開く
  • 計算上、Duoの6倍で使うセンサーの範囲は横約1,300画素。DVD(720×480)なら足り、ブルーレイ(1920×1080)では少し引き伸ばしになる
  • Duoで撮るなら、ズームより先に席を前寄りにし、三脚か体で支え、倍率は演目の前に決めて途中で動かさない

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子どものピアノやバレエの発表会、園の生活発表会、秋の運動会。毎年の行事をiPhoneで撮っていて、10月23日に発売予定のiPhone Duoへの買い替えを考えている。そこで引っかかるのが、iPhone 18 Proにある望遠カメラが、Duoには無いことです。抽選で決まった客席の中ほどや後ろの列から、舞台のわが子がどのくらいの大きさで写るのかは、カタログの倍率の数字だけでは見当がつきません。

Duoのズームは、光学品質が2倍まで、ビデオのデジタルズームが最大6倍です。計算上は、子どもまで15mほどの席なら、その6倍で身長110cmの子の全身が画面の高さの半分あまりに入ります。DVDにして見るなら、6倍の映像でも画素は足ります。差がはっきり出るのは、子どもまで25mを超える後方の席や2階席と、ブルーレイや4Kのテレビで表情まで見たいときです。18 Proの望遠は、同じ席から顔に使えるセンサーの画素がDuoの約3.8倍あります。

Duoで撮ると決めたら、いちばん取り戻しやすいのはズームの倍率より席の位置です。子どもまで25mの席から15mの席に移るだけで、写る大きさも顔に使える画素も約1.7倍になります。デジタルズームの倍率をいくら上げても顔に使える画素は増えないので、席の前後の差は倍率のボタンでは埋まりません。

この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります

  1. Duoの6倍ズームで足りる席と、18 Proの望遠で差が開く席
  2. ズームの仕様|光学品質はDuoが2倍まで、18 Proが8倍まで
  3. 写る広さと画素の数は、この前提で計算する
  4. 客席の距離ごとに、Duoと18 Proの写る大きさを比べる
  5. 体育館の発表会や卒業式は、距離より前の人の頭で困る
  6. 運動会の観覧席からDuoで撮るとき
  7. Duoのデジタルズームは、最後に見る画面で止めどころが決まる
  8. 席と位置取り。Duoで撮るなら前寄りの中央を選ぶ
残りの15項目を見る
  1. 6倍では、手の揺れも6倍に写る
  2. 演目ごとに倍率を決める。合唱、ピアノ、ダンス、劇
  3. 写真で残すなら、Duoは10倍、18 Proは40倍まで
  4. 18 Proの望遠で差がつく場面と、差がつきにくい場面
  5. 暗い舞台やスポットライトの下でズームするとき
  6. 当日に起きやすい失敗と、その場での直し方
  7. Duoの内側と外側の画面を、舞台の撮影でどう使うか
  8. 家族に18 Proがあるなら、Duoは引き、18 Proは寄りを受け持つ
  9. 前日と当日の朝に確かめること
  10. Duoか18 Proか。よく座る席の距離と、見る画面で決める
  11. Duoの映像を編集で寄せるときの決めごと
  12. DVDとブルーレイにしたとき、Duoの6倍の映像はどう見えるか
  13. 撮ってよいか、配ってよいかは、会場と主催の決まりで決まる
  14. 撮った発表会の映像を、ディスクにするまで
  15. よくある質問

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Duoの6倍ズームで足りる席と、18 Proの望遠で差が開く席

下の表は、発表会のホールを想定して、子どもまでの距離ごとにDuoの6倍と18 Proの8倍で写る大きさを計算したものです。「全身の割合」は、身長110cmの子が16:9の画面の高さのどれだけを占めるか。「顔に使える画素」は、顔の幅15cmの範囲にセンサーの画素が横にいくつ並ぶかで、表情がどこまで残るかの目安になります。

子どもまでの距離(席の例) Duo 6倍での全身の割合 18 Pro 8倍での全身の割合 顔に使える画素(Duo/18 Pro)
約5m(前列) 画面からはみ出す(2倍で約56%) 画面からはみ出す(2倍で約52%) 約170/約670
約15m(1階の中ほど) 約56% 約72% 約58/約220
約25m(1階の後方) 約34% 約43% 約35/約130
約35m(2階席・最後列) 約24% 約31% 約25/約95

前列の5mでは、どちらの機種でも困りません。望遠が役に立つのは顔だけを大きく撮りたいときで、全身を撮る記録ならDuoとの差はほとんど出ません。

中ほどの15mが、Duoで足りるかどうかの分かれ目です。6倍で全身が画面の高さの約56%に入るので、構図としては発表会の記録に十分な大きさになります。ただ、6倍の映像は、センサーの中央にある横約1,300画素の範囲を4Kの画面に引き伸ばしたものです。DVDの720×480には足り、ブルーレイの1920×1080で見ると少し甘くなる、というのが計算から出る見通しです。

後方の25mより遠くなると、Duoの6倍でも全身は画面の高さの3分の1以下になり、顔に使える画素は35を切ります。DVDの画面にしたときの顔の幅は20画素に届かず、表情は読み取りにくい大きさです。望遠のある18 Proは8倍のあとも24倍まで寄れて、DVDなら24倍でも画素が足ります。遠い席ほど、望遠の有無がそのまま写りの差になります。

ズームの仕様|光学品質はDuoが2倍まで、18 Proが8倍まで

この記事は2026年10月時点の情報です。Duoは発売前のため、仕様ページと発表資料から分かる範囲で書いています。Duoの背面は「48MP Dual Fusionカメラシステム」で、FusionメインとFusion超広角の2つです。18 Proの「48MP Pro Fusionカメラシステム」には、Fusionメイン、Fusion超広角、Fusion望遠の3つがあります。

項目 iPhone Duo iPhone 18 Pro/18 Pro Max
背面のカメラ メイン・超広角の2つ メイン・超広角・望遠の3つ
メインの焦点距離・絞り 26mm・ƒ/1.6 24mm・可変絞り(ƒ/1.48・ƒ/1.8・ƒ/2.8・ƒ/4.0)
2倍 12MPの光学品質2倍(52mm、メインで撮る) 12MPの光学品質2倍(48mm、メインで撮る)
望遠 なし 48MP Fusion望遠(100mm、4倍、ƒ/2.8、テトラプリズム)
8倍 なし 12MPの光学品質8倍(200mm、望遠で撮る)
光学品質ズームの表記 2倍のズームイン、4倍のズームレンジ 8倍のズームイン、16倍のズームレンジ
デジタルズームの上限 写真10倍、ビデオ6倍 写真40倍、ビデオ24倍
超広角 48MP、13mm、ƒ/2.2、120° 同じ
寄るときに使うカメラの手ぶれ補正 メイン: センサーシフト光学式 望遠: 3Dセンサーシフト光学式

18 Pro Maxのカメラは18 Proと同じで、違うのは画面の大きさや重さ、電池です。この記事で「18 Pro」と書いたところは、断りが無ければ18 Pro Maxにも当てはまります。主な違いだけを並べた下の図のとおり、差があるのは寄る側の段の数と上限で、引いて撮る超広角は同じです。

iPhone Duoと18 Proのズームの仕様を、背面のカメラ、望遠の有無、光学品質の上限、ビデオと写真のデジタルズームの上限、超広角の6項目で並べた表
差があるのは寄る側の段の数と上限で、超広角の仕様は同じ

Duoの「光学品質2倍」は、メインのセンサーの中央を使う

Duoの2倍は、望遠のカメラで撮っているわけではありません。仕様ページの表記は「12MPの光学品質2倍望遠での撮影時:52mm、ƒ/1.6絞り値」です。背面のカメラはメインと超広角の2つなので、メインのカメラで撮る2倍です。48MPのセンサーの中央部分を使って12MPの画にするので、画素を引き伸ばさずに2倍の大きさが得られます。計算上は、中央の縦横それぞれ半分、面積で4分の1にあたる範囲です。2倍を超えた先は、Appleもデジタルズームとして扱っています。

18 Proにも同じ仕組みの2倍(48mm)があり、さらに望遠のカメラ(100mm)で4倍、望遠のセンサーの中央部分で8倍(200mm)を作ります。光学品質の段は、Duoが0.5倍・1倍・2倍の3つ、18 Proが0.5倍・1倍・2倍・4倍・8倍の5つです。仕様ページの「光学品質ズームレンジ」は、いちばん広い0.5倍からいちばん寄った段までの幅で、Duoが4倍、18 Proが16倍になります。

倍率の数字は、それぞれの1倍が基準になっている

同じ「2倍」でも中身は違います。Duoは52mm、18 Proは48mmです。1倍にあたるメインの焦点距離が、Duoは26mm、18 Proは24mmと違うためです。焦点距離が長いほど写る範囲は狭くなるので、同じ倍率の表示ならDuoのほうが横幅で約8%狭く、被写体が少し大きく写ります(計算上)。Duoの6倍が何mm相当かを出すときも、この26mmを基準にします。26mmの6倍で156mm、写真の10倍なら260mmです。

18 Proの4倍と8倍は、正確には100mmと200mmで、24mmのそれぞれ約4.2倍・約8.3倍にあたり、Appleの表示では4倍・8倍に丸めています。以下では、18 Proの8倍を超える倍率を「200mmの画をさらに切り出したもの」として計算します。Appleは24倍や40倍の焦点距離を示していないので、ビデオの24倍は200mmの3倍で600mm相当、写真の40倍は200mmの5倍で1000mm相当、と計算上の値で置きます。

引いて撮る超広角は、どちらも同じ

超広角は、両機種とも48MP、13mm、ƒ/2.2、視野角120°で、Duoの発表文(英語版)には、iPhone 18 Proモデルと同じ超広角だと書かれています。舞台の全景や、運動会の団体演技を端から端まで入れるときの写り方には、仕様の上では差がありません。

写る広さと画素の数は、この前提で計算する

距離ごとの写り方は、焦点距離と距離から計算できます。式はかんたんですが、前提の置き方で数字が少し動きます。この記事の数字はどれも「計算上は」の値で、実際の映像は画像処理や会場の明るさで変わります。自分の会場の距離で計算し直すときも、同じ前提で考えてください。

画面の横幅は「距離×36÷焦点距離」

スマートフォンのカメラの焦点距離は、ほかのカメラと比べやすいように、35mm判(フィルムの横36mm×縦24mmの画面)に換算した値で示すのが一般的です。Appleの仕様ページには「換算」の語は見当たりませんが、ここでは26mmや100mmを35mm判に換算した値として読みます。この読み方なら、写る範囲の横幅は、被写体までの距離に36を掛けて焦点距離で割れば出ます。

たとえばDuoの1倍(26mm)で15m先を写すと、横幅は15×36÷26で約20.8mです。動画の画面は16:9なので、高さは横幅の16分の9、約0.56倍です。6倍(156mm)で15m先なら、横幅は約3.5m、画面の高さは約1.9mで、身長110cmの子が高さの半分あまりを占める計算です。

機種と倍率 計算に使う焦点距離 横幅の係数(距離に掛ける) 15m先の横幅 使うセンサーの横の画素(目安)
Duo 1倍 26mm 約1.38 約20.8m 約8,000
Duo 2倍 52mm 約0.69 約10.4m 約4,000
Duo 6倍(ビデオの上限) 156mm 約0.23 約3.5m 約1,300
18 Pro 1倍 24mm 1.5 22.5m 約8,000
18 Pro 2倍 48mm 0.75 約11.3m 約4,000
18 Pro 4倍(望遠) 100mm 0.36 5.4m 約8,000
18 Pro 8倍 200mm 0.18 2.7m 約4,000
18 Pro 24倍(ビデオの上限) 600mm 0.06 0.9m 約1,300

係数は、画面の縦横比をどう取るかでも少し変わります。対角線の長さで換算する考え方を16:9の画面に当てはめると係数は5%ほど大きく、センサーの4:3の画面に当てはめると4%ほど小さい値です。また、初期設定でオンになっている「手ぶれ補正(拡張)」は、Appleの説明では「わずかにズームインすることにより」揺れを補正するので、実際の画面はこの計算より少し狭くなります。どちらも結論を変えるほどの差ではないので、表の数字は目安として使ってください。

48MPのセンサーは、横におよそ8,000画素と置く

写る広さと並んで知りたいのは、その範囲にセンサーの画素がいくつ使われるかです。DuoのメインもFusion望遠(18 Pro)も48MP、つまり約4,800万画素です。写真と同じ縦横4:3の比で並んでいると仮定すると、横およそ8,000×縦6,000になります。光学品質2倍の12MPは、その中央の横4,000×縦3,000の範囲にあたります(計算上)。

2倍より先のデジタルズームは、この中央の範囲をさらに切り出して画面いっぱいに伸ばします。Duoの6倍は2倍のさらに3倍なので、使う範囲は横約1,300画素です。4Kの画面は一般に横3,840画素なので、6倍の映像は横1,300画素ほどの情報を約3倍に引き伸ばして作っていることになります。24倍の18 Proも、8倍(横4,000画素)のさらに3倍なので、使う範囲は同じく横約1,300画素です。

なお、仕様ページで「光学品質」の段が書かれているのは「カメラ」の欄で、「ビデオ撮影」の欄にはデジタルズームの上限だけがあります。ここでは、ビデオでも写真と同じカメラとセンサーの範囲を使うと置いて計算しています。

顔の幅15cm、身長110cmとして数える

表の「顔に使える画素」は、顔の幅を15cmとして数えたものです。Duoなら1倍の横幅に8,000画素が並ぶので、15m先では8,000×0.15÷20.8で約58画素になります。デジタルズームで画面を大きくしても、この数は増えません。望遠の100mmで同じ計算をすると、18 Proは15m先で約220画素です。

身長は110cmで計算しました。幼児から小学校の低学年くらいの子を想定した値で、高学年の子や大人の出演者なら、全身の割合は表より大きくなります。運動会の節では、小学生を想定して120cmで計算しています。顔の幅や身長を自分の子に合わせて置き換えれば、同じ式でそのまま計算し直せます。

計算に入っていないもの

この計算が示すのは、使える画素の数の上限です。1画素あたりの写りの良さを左右するセンサーの大きさは、両機種ともAppleが公表していません。画素の大きさも、18 Proにはメイン2.44µm、望遠1.4µm(どちらもクアッドピクセル)と記載がありますが、Duoには記載がありません。動画にするときの画像処理、HEVCでの圧縮、暗い会場でのざらつき、手の揺れも計算の外です。実際の映像は、計算の数字より粗く見えることがあります。

もう一つ、18 Proの望遠の画素とDuoのメインの画素を、同じ1画素として数えている点にも注意が要ります。18 Proの望遠の画素(個々のピクセルは0.7µm)は、同じ機種のメインより小さく作られています。計算で比べられるのは「どれだけの範囲を何画素で受けるか」までで、暗い舞台でどちらがきれいに写るかの結論は、仕様からは出せません。

客席の距離ごとに、Duoと18 Proの写る大きさを比べる

ホールの発表会を例に、子どもまでの距離を4つに分けて写り方を比べます。距離は席から舞台の上の子どもが立つ位置までで、舞台の前の端から席までの距離に、子どもが立つ位置までの奥行きを足した値です。同じ前から10列目でも会場の造りで距離は変わるので、自分の席の距離は、席と位置取りの節に書いた方法で見積もってください。

前列、子どもまで約5m

園のホールの前列や、小さな発表会場の最前列を、子どもまで5mと置きます。Duoの1倍では画面の横幅が約6.9mで、舞台のほぼ全体が入ります。2倍にすると横幅は約3.5m、画面の高さは約1.9mで、身長110cmの子の全身が高さの56%ほどを占めます。発表会の記録としては、この2倍がいちばん使いやすい大きさです。

この距離では、2倍のまま撮れば画素の心配もありません。2倍はセンサーの中央の横4,000画素を使うので、4Kの横3,840画素をほぼそのまま埋められます(計算上)。6倍まで上げると横幅は約1.2mになり、全身は入らず胸から上のアップです。顔に使える画素は約170あり、DVDにしたときの顔の幅は約94画素なので、表情まで十分に残る大きさです。

18 Proも、前列では2倍(48mm)で横幅約3.8m、全身が画面の高さの約52%と、Duoとほとんど同じ写り方になります。望遠の4倍にすると横幅約1.8mで全身が画面からはみ出し、8倍では顔と肩のアップです。前列で望遠を使うのは、ソロの演奏の手元や、歌っている顔だけを大きく撮りたい場面に限られます。

近い席には、近いなりの難しさもあります。舞台を見上げる角度になるので、子どもが舞台の前の端まで出てくると、2倍で全身を入れていても足元が画面の下で切れやすくなります。1倍と2倍のどちらで撮るかは、子どもが舞台のどこまで動くかで決めると失敗が減ります。立ち位置が決まっている合唱なら2倍、舞台いっぱいに動く劇やダンスなら1倍と2倍のあいだ、という分け方です。

中ほど、子どもまで約15m

市民ホールの1階中ほどの席を、子どもまで15mと置きます。Duoの2倍では横幅が約10.4mで、子どもの全身は画面の高さの約19%。舞台の上にいる数人のうちの一人として写り、わが子だと分かっても表情までは見えません。6倍まで上げると横幅約3.5m、全身が画面の高さの約56%になり、前列の2倍とほぼ同じ構図が作れます。

ただ、中身は同じではありません。前列の2倍はセンサーの横4,000画素を使っていましたが、15mからの6倍は横約1,300画素です。顔に使える画素は、前列の約170に対して約58。6倍の映像は、この58画素ぶんの情報を4Kの画面の約166画素の幅に引き伸ばして見せています。大きなテレビに近づいて見ると、輪郭の甘さとして目に付くことがあります。

DVDにすると、事情が変わります。DVDの画面は横720画素なので、顔の幅は約31画素になり、元の58画素を縮める形になります。引き伸ばしの甘さはDVDの粗い画素の中に隠れて、計算上は目立ちません。ブルーレイ(横1,920画素)では顔の幅が約83画素で、58画素からの引き伸ばしが約1.4倍残ります。

同じ席の18 Proは、望遠の4倍で横幅約5.4m、全身が画面の高さの約36%です。8倍にすると横幅約2.7m、全身が約72%で、Duoの6倍より約1.3倍大きく写ります。顔に使える画素は約220あり、8倍の映像は4Kの画面を引き伸ばさずに作れます(計算上)。DVDなら、見え方の差は小さくなります。

15mの席から各倍率で写る範囲を実寸の比で並べると、下の図になります。倍率の数字は6と8ですが、焦点距離で比べると156mmと200mmで、写る大きさの差は約1.3倍です。

子どもまで15mの席から写したときの画面の範囲を、Duoの2倍(横10.4m)、18 Proの4倍(5.4m)、Duoの6倍(3.5m)、18 Proの8倍(2.7m)の4つの長方形の実寸の比で重ねた図
計算上の値。Duoの6倍は18 Proの4倍と8倍のあいだの大きさになる

図にある4つの長方形のうち、Duoで作れるのは外側の2倍と、内側から2番目の6倍です。全身を画面の半分ほどに入れるという目的なら、Duoの6倍で届きます。届かないのは、顔をもっと大きく、細かく残したいときです。

後方、子どもまで約25m

大きなホールの1階後方や、体育館の後ろの壁ぎわの席を、子どもまで25mと置きます。6倍に上げても、Duoの横幅は約5.8mで、全身は画面の高さの約34%です。舞台の上で並んで立つ数人がまとめて入る大きさで、わが子を画面の中央に置けても、主役として見せるには小さく感じます。

顔に使える画素は約35まで減ります。DVDにすると顔の幅は約19画素で、画素は足りていても顔そのものが小さく、表情は読み取りにくい大きさです。ブルーレイでは約50画素、4Kのまま見れば約100画素になりますが、どちらも元の35画素を引き伸ばしたものです。計算の上でも、このあたりがDuoの6倍で撮れる距離の限度に近いところです。

望遠のある18 Proなら、8倍で横幅約4.5m、全身が約43%です。顔に使える画素が約130あるので、8倍より先に上げても、DVDやブルーレイの画素に届く余地が残っています。24倍まで上げれば横幅約1.5mで、上半身が画面いっぱいになり、DVDにしたときの顔の幅は約72画素。24倍は横約1,300画素の範囲を使う映像ですが、DVDの720画素よりは多いので、計算上はDVDで引き伸ばしになりません。

Duoでも、DVDにすると決めているならできることがあります。6倍で撮っておき、編集で画面をさらに1.7倍ほど切り出すと、10倍相当の大きさになり、全身が画面の高さの半分あまりに入ります。そのとき使っている範囲は横約800画素で、DVDの720画素をまだ上回ります(計算上)。DVDだけで残すなら、Duoの映像は約11倍相当まで寄せられる計算です。

距離ごとに、顔に使えるセンサーの画素を並べると下の図のとおりです。どの距離でも18 ProはDuoの約3.8倍で、この比は焦点距離の100mmと26mmの比と同じです。距離が倍なら、画素は半分です。席を前に移すことがDuoでいちばん効果の大きい対策になるのは、この関係があるからです。

顔の幅15cmに並ぶセンサーの横の画素を、子どもまで5m・15m・25m・35mの距離ごとに、Duoのメインと18 Proの望遠で比べた棒グラフ。どの距離でも18 Proが約3.8倍
計算上の値。デジタルズームの倍率を上げても、この数は増えない

2階席・最後列、子どもまで約35m

大ホールの2階席の前のほうや、1階の最後列を、子どもまで35mと置きます。2階席は舞台を見下ろす角度になりますが、距離は席から子どもまでの斜めの長さで考えれば足ります。ここまで離れると、Duoの6倍でも横幅は約8.1mあり、全身は画面の高さの約24%です。舞台の半分ほどが入る引いた画になります。

顔に使える画素は約25。6倍のままDVDにすると、顔の幅は約13画素です。編集で約11倍相当まで寄せると、全身が画面の高さの4割ほどになり、DVDの画素とほぼ同じ数で使えますが、これが計算上の限度です。ブルーレイで大きく見たい記録なら、この距離はDuoには遠すぎます。

一方、18 Proは8倍で全身が約31%、24倍で約93%と、全身から上半身まで選べます。顔に使える画素は約95あり、24倍をDVDにしたときの顔の幅は約51画素です。ブルーレイで24倍を見ると、横約1,300画素を1,920画素に引き伸ばすことになります。そのため、ブルーレイを前提にするなら16倍あたりで止めると引き伸ばしになりません(計算上)。16倍なら全身が画面の高さの約6割です。

この距離になると、18 Proでも手の揺れが問題になります。24倍では揺れも24倍の大きさで写るので、手持ちで画面を止めておくのは難しい倍率です。望遠があっても、遠い席では三脚か、膝や肘を使った支えが前提になります。2階席の手すりの前は人の通り道になることもあるので、支えに使えるかは会場の決まりと周りの様子で判断します。

体育館の発表会や卒業式は、距離より前の人の頭で困る

小学校の学習発表会や卒業式、入学式は体育館で行われることが多く、ホールと違って客席の床が平らです。後ろの席からステージを撮ると、前の人の頭や、撮影のために腕を上げた人の手が画面の下に入ります。Duoの6倍で寄ると画面の下の端に人の頭が入りやすく、望遠の有無より先に、この遮りで困ることになります。

距離の面では、体育館の後ろの保護者席からステージの子どもまでを20mとすると、Duoの6倍で横幅約4.6m、全身は画面の高さの約42%です(計算上)。合唱や合奏で一列に並んだ子どもなら、6倍で数人がまとまって入る大きさです。同じ席から18 Proの8倍で撮れば、横幅約3.6m、全身が約54%で、ホールの中ほどの席に近い写り方になります。

遮りを避けるには、撮る高さを上げるのがいちばん確かです。三脚を立ててよい場所が決められていれば、そこで頭の上から撮れます。決まりが無くても、後ろの人の視界をふさぐ高さまで上げるのは避け、学校から撮影場所の指定があればそれに従います。席に座ったまま撮るなら、通路側の席にすると、前の人の頭を横によけて撮れる角度が取れます。

卒業式の証書授与は、壇上で一人ずつ前を向く場面なので、顔を大きく撮りたい気持ちが強くなります。20mの席から上半身(高さ80cmほど)を画面の高さいっぱいに撮るには、計算上は約20倍が要ります。Duoの6倍では上半身が画面の高さの3分の1ほどにとどまり、18 Proなら24倍の範囲で届きます。Duoで撮るなら、6倍で全身を入れて撮っておき、DVDにする段階で上半身に寄せる段取りになります。

証書授与のように決まった位置に一人ずつ立つ場面は、倍率と向きを先に決めて待てるので、Duoの6倍でも揺れの少ない映像にしやすい場面です。壇上の立ち位置に画面を合わせ、名前が呼ばれる少し前から録画を始めておけば、歩いてくるところから戻るところまで、画面を動かさずに撮れます。

入場と退場は、倍率を戻して通路の先で待つ

体育館の式で、子どもが保護者席の横の通路を歩いて入場する場合は、その場面だけ距離が数mまで縮みます。Duoの1倍や2倍でも全身が十分な大きさに入り、ステージを撮るときの6倍のままでは、近づいてきた子が画面からはみ出します。入場の前に倍率を1倍か2倍に戻し、通路の先に画面を向けて待つと、歩いてくる姿を最後まで画面に収められます。

距離が近い場面では、望遠の有無はまったく関係がありません。困るのは、ステージ向けの倍率のまま入場を迎えてしまうことです。式の次第を見て、入場と退場の前には倍率を戻す、と決めておきます。通路に身を乗り出したり、立ち上がったりして撮るのは、式の進行や周りの人の妨げになるので控えてください。

2階のギャラリーから撮るなら、前の人の頭が入らない

体育館によっては、2階の壁ぎわにギャラリーがあり、そこから撮ってよいことがあります。床から数m高い場所なので、前の人の頭が画面に入らず、遮りの問題はほとんど起きません。距離は斜めに測ることになり、後ろの保護者席と同じくらいか、少し遠くなります。Duoの6倍で全身を画面の高さの4割前後に入れる撮り方は、保護者席と変わりません。

見下ろす角度になるので、子どもの顔は少し上から写り、帽子や前髪で目元が隠れることもあります。表情より、合奏や合唱の列全体を撮る場面に向いた場所です。ギャラリーの手すりに三脚を立てたり本体を載せたりできるかは、学校の決まりで確かめます。落としたら下の人に当たるおそれがあるので、手すりの上に本体を置いたまま手を離さないでください。

運動会の観覧席からDuoで撮るとき

運動会は屋外で明るく、写りの条件はホールより恵まれている一方で、子どもまでの距離が演目ごとに大きく変わります。観覧席からトラックの手前のレーンまでを15m、向こう側のレーンまでを40mと置き、身長120cmの小学生で計算すると、Duoの6倍の横幅は手前で約3.5m、向こう側で約9.2mです。手前を走る子なら全身が画面の高さの約6割に入り、向こう側では約2割になります。

18 Proの8倍なら、向こう側の40mでも横幅約7.2m、全身が約30%で、24倍まで上げれば約89%です。ゴールの手前で待ち構えて撮る、組体操やダンスの中のわが子を大きく撮る、といった遠い場面で、望遠の差が出ます。手前のレーンや、観覧席の前を通る入場行進なら、Duoの2〜6倍で困ることはあまりありません。

運動会の演目ごとに、iPhone Duoで使う倍率と撮り方を並べた表。団体演技は1〜2倍で全体の形、隊形の中の位置が同じ子は整列のときに2倍で確かめてから6倍で待つ、隊形が変わるなら2倍で全体、徒競走は4倍前後でゴールの手前、入場行進は2〜6倍
動く範囲の広い演目は引いて撮り、寄るときは倍率を決めて待つ

屋外での画面の見やすさには、仕様の上では差がありません。最大輝度は、両機種とも屋外のピークで3,000ニト、標準で1,000ニトと仕様ページに同じ値が書かれています。日なたで画面が見づらいときは、倍率を変える前に画面の中の子どもの位置を確かめ、迷ったら1段引いた倍率で撮っておくと、あとで編集で寄せる余地が残ります。

団体演技は引いて撮る

団体演技は、全体の形が見えることに意味がある演目です。校庭いっぱいに広がる隊形は、40m離れていれば1倍で横幅約55mまで入るので、Duoと18 Proで差はありません。わが子だけを追うなら6倍が欲しくなりますが、隊形が動くたびに画面から外れやすくなります。そのため、全体を撮る1〜2倍と決めて撮るか、家族の2台目に寄りを任せるほうが失敗しにくくなります。

隊形の中のわが子は、整列のときに位置を確かめる

ダンスや組体操のように隊形を作る演技では、わが子がどこにいるかを先に知っておくと、Duoでも寄りの画が撮れます。入場して最初に整列したところで、2倍で全体を写しながらわが子の位置を確かめます。隊形の中の位置が演技の間ずっと同じなら、その位置に向けて6倍で待てば、40m先でも全身が画面の高さの2割あまりで写ります(計算上)。

隊形が演技の途中で大きく変わるなら、寄りの画を狙うのは家族の2台目に任せ、Duoは2倍で全体を撮ります。全体の映像があれば、隊形のどこにわが子がいたかは、あとで見返したときに追えます。演技の前に配られるプログラムや、学校からのお便りに隊形の図があれば、それも位置の見当をつける手がかりになります。

徒競走は、ゴールの手前で倍率を決めて待つ

徒競走は、追いかけないのがこつです。走ってくる子を、倍率を上げたまま追いかけると、画面から外れやすくなります。倍率が高いほど、本体の向きが少しずれただけで子どもが画面の外に出るからです。ゴールの手前など、子どもが向かってくる位置にあらかじめ画面を向けておき、倍率を決めて待つほうが、追いかけるより確実です。Duoなら4倍前後で待ち、走り込んでくる数秒を撮る、という撮り方が合っています。

観覧席からゴールの手前までを20mとし、身長120cmの子を画面の高さの半分に入れたいとすると、画面の高さは2.4m、横幅は約4.3mです。Duoなら20×1.38÷4.3で約6.5倍、18 Proなら20×1.5÷4.3で約7倍になります。Duoは上限の6倍で全身が画面の高さの約46%、18 Proは8倍で約59%です。

走ってくる子は画面の奥から手前へ近づくので、距離が縮むほど画面の中で大きくなります。ゴールの10mほど手前で全身が収まる倍率にしておけば、走り込んでくるまでの数秒は画面から外れにくくなります。倍率を決めたら、走る組が変わるたびに画面の向きだけを直し、倍率には触らずに待ちます。

観覧の場所は、トラックとの距離で選ぶ

観覧の場所を選べるなら、トラックやゴールとの距離を縮めるのが、Duoで撮る人にとっていちばんの対策です。40mの位置から20mの位置に移れば、写る大きさも顔に使える画素も2倍になり、Duoの6倍で全身が画面の高さの4割あまりに入ります。学校によっては撮影の場所や時間を区切っていることがあるので、その決まりの中で、撮りたい種目に近い場所を選んでください。種目ごとの撮る場所や設定は運動会の撮影のコツにまとめています。

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運動会の撮影のコツ|ビデオ・スマホでわが子を撮る場所と設定、種目別の撮り方

Duoのデジタルズームは、最後に見る画面で止めどころが決まる

Duoのビデオは6倍まで上げられますが、画素の面では2倍を超えた時点で引き伸ばしが始まっています。どこまでを許すかは、最後にどの画面で見るかで決まります。計算上の目安は下の表のとおりで、DVD(720×480)なら、6倍の上限まで使っても引き伸ばしにはなりません。

最後に見る画面(横の画素) Duoで引き伸ばしにならない倍率 18 Proで引き伸ばしにならない倍率
4Kのまま(3,840) 2倍まで 約8倍まで
ブルーレイ(1,920) 約4倍まで 約16倍まで
DVD(720) 6倍の上限まで(編集で約11倍相当まで) 24倍の上限まで

表の倍率は、センサーで使う範囲の横の画素が、見る画面の横の画素を下回らないところまでを計算したものです。Duoは2倍で横4,000画素、そこから倍率を上げると反比例して減り、4倍で2,000画素、6倍で約1,300画素になります。18 Proは望遠の4倍で横8,000画素から始まるので、同じ減り方でも8倍で4,000画素、16倍で2,000画素と、Duoの4倍の倍率まで余裕があります。

6倍で使うセンサーの範囲(横約1,300×縦約750画素)を、4K・フルHD・DVDの画面の画素数と同じ比で並べたのが下の図です。4Kの画面の約3分の1の幅しか無いことも、図で比べると分かります。

4K(3840×2160)、フルHD(1920×1080)、Duoの6倍で使うセンサーの範囲(約1300×750)、DVD(720×480)の4つの長方形を、画素の数の比で重ねた図
6倍の範囲はフルHDより小さく、DVDより大きい(計算上)

余裕は思ったより小さいものです。図のとおり、6倍の範囲はDVDの画面より一回り大きいだけで、横で2倍もありません。DVDにする前提でも、撮影の段階で6倍を使い切り、さらに編集で大きく寄せると、計算上の限度に近いところまで使うことになります。編集で寄せるのは1.5倍程度までにとどめ、子どもが画面から外れないように少し広めに撮っておくほうが、仕上がりは安定します。

撮影中に6倍にするか、2倍で撮って編集で切り出すか

Duoで使える画素は2倍の時点で決まっているので、2倍で広めに撮っておいて編集で切り出しても、計算上は撮影中に6倍にしたのと同じ範囲の画素を使うことになります。切り出す方法の利点は、構図をあとから決め直せることです。子どもが舞台の端に動いても、画面に入ってさえいれば、編集で中心に寄せられます。

撮影中にズームした映像は、iPhoneの中で画像処理をしたうえで記録されます。あとから編集で拡大した映像とまったく同じ画になるとは限らず、どちらが細かく見えるかをAppleは説明していません。発売後に自分のDuoで、同じ場面を6倍と2倍の両方で撮って見比べると確かです。事前に決めておくなら、子どもが大きく動く演目は2倍で広く、立ち位置が決まっている演目は6倍で寄る、と分けるのが無理のない方法です。

編集で切り出すときは、元の4Kのファイルを残したまま、切り出した版を別に書き出します。切り出した版だけを残すと、あとで別の構図にしたくなったときに戻れません。編集ソフトでの切り出しの手順や、撮影中にズームするときの倍率の決め方は、iPhone 18 Proの動画ズームは何倍までで詳しく扱っています。考え方はDuoでも同じで、違うのは引き伸ばしの始まる倍率だけです。

4Kで撮るか、1080pで撮るか

あとで切り出すつもりなら、4Kで撮ります。2倍の4Kは横3,840画素に約4,000画素ぶんの情報が入っているので、3倍に切り出しても横1,280画素が残り、DVDの720画素より多く残ります。1080pで2倍を撮ると、記録の時点で横1,920画素に縮められるので、3倍に切り出すと640画素になり、DVDの画素を下回ります。

撮影中に6倍まで寄せて、その構図のまま使うなら、1080pでも情報はほとんど減りません。6倍で使うセンサーの範囲は横約1,300画素で、1080pの1,920画素に収まるからです。容量は、iPhoneの設定画面の目安で、「高効率」でHDRビデオがオンなら4K/30fpsが1分約190MB、1080p/30fpsが1分約65MB(iOS 18.6の画面の文言で、iOS 27の画面では未確認)。2時間の発表会を通して撮ると、計算上は4Kで約23GB、1080pで約7.8GBです。

4K 120fpsやシネマティックモードなど、Duoの動画機能の全体はiPhone Duoの動画性能に、設定ごとの1分あたりの容量はiPhone動画の1分あたり容量にまとめています。舞台の撮影で迷うのは画面の大きさ(4Kか1080pか)とフレームレートくらいなので、4K/30fpsを基本にして、容量が心配なら1080p/30fpsに下げる、という順で考えれば足ります。

席と位置取り。Duoで撮るなら前寄りの中央を選ぶ

席を選べるとき

自由席の発表会なら、Duoで撮る人にとって席選びがいちばん大きな設定です。25mの席から15mの席へ10m前に出るだけで、写る大きさと顔に使える画素は約1.7倍になります。Duoのデジタルズームを6倍から10倍に上げるのと同じくらいの大きさの変化ですが、画素は引き伸ばしたものでなく、センサーが受けた画素そのものです。前のほうの席が埋まっていても、中ほどの通路側に座れれば、左右に動く子どもを追うのも楽になります。

左右の位置は、舞台の中央に近いほうが撮りやすいものです。斜めの席からだと、舞台の奥と手前で距離が違い、端に立った子が手前の子の陰に入ることがあります。ピアノの発表会なら、弾く人の顔と手元のどちらがよく見えるかは楽器の向きで決まるので、開場したら座る前に舞台の配置を見ておくと迷いません。

撮影席が決められている会場では、その中でも前寄りで中央に近い場所を早めに取ることになります。撮影席が後方にまとめられている場合は、子どもまでの距離が25mを超えることも考えられます。Duoで撮るなら後方の席向けの撮り方に切り替え、DVDで残す前提で、編集で寄せる分を見込んでおきます。

席を選べないとき

抽選や指定席で後ろの席になったら、撮り方を後ろの席向けに切り替えます。全身を画面の3分の1ほどの大きさで撮ると決め、6倍で無理に寄せずに4〜6倍で画面を安定させます。DVDにする段階で寄せられる分を残しておき、望遠のある家族の機種やビデオカメラを借りられるなら、この距離から先はそちらに任せる、という線を引いておきます。

後方の席からスマートフォンで撮るときの機材の選び方は、後方席からスマホで舞台を撮るで、外付けの望遠レンズやビデオカメラを借りる場合まで詳しく扱っています。Duoは発売前で、外付けのレンズがDuoのカメラの位置や形に合うかどうかは、まだ分かりません。使うなら、発売後に製品の対応機種の表示を確かめてからにしてください。

席から子どもまでの距離を見積もる

距離は、1倍の画面から逆算できます。Duoの1倍の横幅は距離の約1.38倍なので、横幅12mの舞台が1倍の画面の横にちょうど収まるなら、距離は12÷1.38で約8.7mです。舞台が画面の横幅の半分しか占めないなら、その倍の約17mになります。舞台の幅は、会場の施設案内に寸法が載っていればそれを使い、無ければ舞台に並ぶ人の数や、譜面台・椅子の間隔から見当をつけます。

もう一つの方法は、開演前に舞台の上の大人を2倍で写し、画面の高さに対してどのくらいかを見ることです。背丈を170cmとして、2倍の画面の高さの半分を占めるなら、画面の高さは3.4m、横幅は約6.0mで、距離は6.0÷0.69で約8.7mと出ます。測るのが18 Proなら、1倍の係数1.5、2倍の係数0.75で同じ計算ができます。

距離から、要る倍率を出す

式は横幅の式を倍率について解いたもので、Duoなら「倍率=距離×1.38÷ほしい横幅」です。ほしい横幅は、写したいものを画面の高さの何割にするかで決めます。身長110cmの子を画面の高さの6割に入れたいなら、画面の高さは約1.8m、横幅はそれを16分の9で割って約3.3mです。

子どもまで18mなら、18×1.38÷3.3で約7.6倍になり、Duoのビデオの上限の6倍を超えます。6倍で撮れば全身は画面の高さの半分弱で、残りの1.3倍ほどはDVDにする前の編集で寄せることになります。係数1.5で同じ計算をすると、18 Proは約8.3倍で、望遠の8倍でほぼ届きます。答えが6倍を大きく超えるなら、その距離はDuoには遠い、と判断する目安になります。

席から子どもまでの距離と要る倍率を出す6つの手順。舞台の幅を調べ、1倍で写して画面に占める割合を見て、1倍の横幅を1.38で割って距離を出す。画面の高さに入れたい大きさからほしい横幅を出し、距離×1.38÷ほしい横幅で倍率を出して、6倍と比べる
係数はDuoが1.38、18 Proが1.5。どちらも計算上の目安

6倍では、手の揺れも6倍に写る

ズームで画面を大きくすると、手の揺れも同じ倍率で大きく写ります。1倍ではほとんど気にならない手の震えでも、6倍では6倍の大きさで画面が揺れます。Duoのメインにはセンサーシフト光学式手ぶれ補正があり、ビデオには「映画レベルのビデオ手ぶれ補正(4K、1080p、720p)」があります。それでも、補正には限度があります。2時間の発表会を6倍の手持ちで撮り続けるのは無理です。

18 Proの望遠には3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正があり、メインの補正は「第2世代のセンサーシフト光学式」と表記されています。寄って撮るときに使うカメラの補正の方式は、両機種で違います。ただ、18 Proは24倍まで寄れる分、揺れが大きく写る倍率を使う場面も多くなるので、支えが要ることは変わりません。補正の方式の違いがどれだけ揺れの差になるかを、Appleは数値で示していません。

三脚のホルダーは、閉じた幅84.1mmを挟めるか確かめる

三脚にスマートフォンを付けるホルダーは、挟める幅と厚さに範囲があります。Duoは閉じたときの幅が84.1mm、厚さが11.3mmで、18 Pro(幅71.9mm、厚さ8.75mm)より幅が約12mm広く、厚さも2.55mm厚くなります(計算上)。今使っているホルダーが18 Proくらいの幅までしか挟めない作りだと、Duoは入らないことがあります。発表会の前に、ホルダーの対応幅を確かめてください。

開いた状態のDuoは幅164.6mm、厚さ5.2mmで、閉じた状態とは大きさがまるで違います。内側の7.6インチの画面で確かめながら三脚で撮りたいなら、開いた幅を挟めるホルダーかどうかが要になります。発売前のいまは、どの道具が合うかの情報がまだ揃っていないので、発表会の前に一度、家でホルダーに付けて、傾かないか、レンズにかからないかを試しておくと安心です。

iPhone 18 Pro、閉じたDuo、開いたDuoの幅を横棒で比べた図。18 Proは幅71.9mm・厚さ8.75mm、閉じたDuoは幅84.1mm・厚さ11.3mm、開いたDuoは幅164.6mm・厚さ5.2mm
閉じたDuoは18 Proより幅が約12mm広い。開いて使うなら164.6mmを挟めるホルダーが要る

三脚を立ててよい場所や、客席で周りの邪魔にならない高さは、会場ごとの決まりで変わります。最後列や通路の扱い、高さの決め方は発表会の三脚はどこに置くかにまとめているので、三脚を持って行く前に目を通しておくと、当日に断られて慌てることが減ります。

手持ちなら、閉じて構えるか、開いて構えるか

手持ちで撮るとき、閉じた状態のDuoは幅84.1mm×高さ117.8mmで、18 Proより背の低い板として構えることになります。横向きに構えると、両手で持つ幅は117.8mmです。開くと横164.6mmの大きな画面で子どもの表情やピントを確かめられますが、重さ254gの本体を広げた形で支えることになります。どちらで構えるかは、撮る長さと支え方で決めます。

画面の大きさが撮影にどう役立つかは折りたたみの画面と18 Proの画面の比較で、重さと持ちやすさはiPhone Duoと18 Proの大きさ・重さの比較で詳しく扱っています。重さは、18 Proの211gより43g、18 Pro Maxの249gより5g重い計算です。長い演目ほど、手持ちより三脚に任せたくなる重さです。

倍率を上げた撮影で揺れを抑えるには、両肘を体に付けて、本体を両手で挟むように持つのが基本です。座ったまま撮るなら、膝に肘を乗せると支えが一つ増えます。前の座席の背もたれに手を置くと、前の人に揺れが伝わるので避けてください。6倍の手持ちは1曲ごとの短い演目に限り、長い演目は三脚か、引いた倍率で撮るほうに回すと、あとで見て疲れない映像になります。

カメラコントロールで、倍率と露出を決めておく

Duoと18 Proには、どちらもカメラコントロールがあり、仕様ページに書かれた機能は「露出、被写界深度、ズーム、カメラ、スタイル、トーン」で同じです。画面を指で広げて倍率を変えると、そのたびに本体が揺れ、倍率も半端な値になりがちです。カメラコントロールでズームを選んで倍率を決めておけば、画面に触れずに調整できます。

舞台は、スポットライトの当たる明るい顔と暗い背景が同じ画面に入るので、iPhoneに露出を任せると、顔が白く明るすぎる映像になることがあります。カメラコントロールの「露出」で少し暗めに合わせておくと、顔の明るさが残りやすくなります。開演前の明るい舞台で決めた露出は、本番の照明では合わないことがあるので、最初の演目の冒頭で確かめ直してください。

演目ごとに倍率を決める。合唱、ピアノ、ダンス、劇

同じ席からでも、演目によって欲しい画面の大きさは変わります。ここでは、子どもまで15mの中ほどの席を例に、演目ごとの倍率を決めておきます。演目の前に倍率を決めて途中で動かさないことが、Duoの映像を見やすくするいちばんの方法です。

合唱・合奏は、並んだ列が入る倍率で止める

合唱や合奏は、横一列から数列に並んだ子どもを撮る演目です。わが子だけを大きく撮るより、隣の子や列の端まで入っているほうが、あとで見たときに場の様子が伝わります。15mの席なら、Duoの2倍の横幅約10.4mで舞台に並んだ列のほとんどが入り、4倍にすると横幅約5.2mで、わが子を中心に前後の数人が入る大きさです。

4倍なら、使うセンサーの範囲は横2,000画素で、ブルーレイの1,920画素もほぼ引き伸ばしなしでまかなえます(計算上)。合唱の間に子どもが立ち位置から動くことはほとんどないので、三脚が使えるなら4倍で固定し、録画を始めたら画面に触らないのがいちばんです。歌の途中で倍率を変えると、そのたびに画面の大きさが急に変わり、見ている人の目が疲れます。

ピアノや独奏は、表情と手元のどちらを撮るか先に決める

ピアノの発表会は、子どもが一人で舞台に出て、決まった場所で弾く演目です。動きが少ないので、Duoの6倍まで寄せても画面から外れにくく、15mの席なら横幅約3.5mで、楽器と弾く子がまとまって入ります。表情と手元の両方を入れたいなら、6倍で全体を入れて撮り、DVDにする段階で上半身に少し寄せる、という分け方ができます。15mからの6倍は顔に使える画素が約58あり、DVDで上半身に寄せても画素が足りる範囲です(計算上)。

ピアノは、お辞儀から演奏の終わりまで一人数分の短い時間なので、6倍の手持ちでも撮り切れる長さです。ただ、発表会全体ではこの短い演目が何人分も続くので、わが子の出番の前後だけを撮るのか、全員分を撮るのかで、三脚の要否と容量が変わります。全員分を撮るなら、引いた倍率で三脚に固定する撮り方に切り替えるほうが楽です。

ダンス・バレエは、動く範囲が入る倍率にする

ダンスやバレエは、舞台の上を大きく動く演目です。6倍の横幅3.5mでは、子どもが数歩動いただけで画面の端に寄り、隊形が変わると画面から外れます。動く範囲が舞台の半分ほどなら、Duoの2倍で横幅約10.4mを撮っておき、DVDにする段階で動きに合わせて寄せるほうが、撮影中に画面を追うより失敗が少なくなります。

ダンスの発表会は出演者が多く、わが子の立ち位置が曲ごとに変わることもあります。立ち位置が前もって分かるなら、その位置に合わせた倍率を決めておけます。分からないなら、Duoでは寄りを諦めて全体を撮ると割り切ったほうが、あとで見返したときに子どもが画面に入っています。家族に18 Proがあるなら、寄りは18 Proの4〜8倍に任せ、Duoは全体を受け持つ、という分担が向く演目です。

劇は、台詞の場面だけ倍率を上げない

劇は、台詞を言う子が入れ替わり、舞台の上の位置も場面ごとに変わります。わが子の台詞の場面だけ倍率を上げたくなりますが、撮影中に倍率を変えると、その前後がつながりにくい映像になります。Duoで撮るなら、舞台全体が入る1〜2倍で通して撮り、わが子の台詞の場面は編集で寄せる、という分け方のほうが、劇の流れが残ります。

劇は暗転や照明の切り替えが多く、明るさが場面ごとに大きく変わる演目でもあります。倍率を固定しておくと、撮っている間は明るさの変化にだけ気を配れます。暗い場面で倍率を上げると、ざらつきも一緒に引き伸ばされるので、劇では倍率を上げないほうが映像が落ち着きます。

写真で残すなら、Duoは10倍、18 Proは40倍まで

静止画のデジタルズームは、Duoが最大10倍、18 Proが最大40倍です。Duoの10倍は26mmの10倍で260mm相当、使うセンサーの範囲は横約800画素になります(計算上)。40倍まで上げる18 Proも、200mmの5倍なので同じく横約800画素です。

Duoの写真の初期設定は24MP(Appleの発表文の「デフォルトの24MP撮影」)ですが、10倍の写真は横約800画素の範囲から作られます(計算上)。横800画素は、18 Proの画面の横幅(1,206画素)にも満たない大きさで、どちらも上限まで上げた写真は、スマートフォンの画面いっぱいに表示しても引き伸ばしになります。

差が出るのは中間の倍率です。同じ10倍で比べると、18 Proは望遠の100mmの画を約2.5倍に切り出すので、使う範囲は横約3,200画素で、Duoの4倍の幅になります。25mの席から10倍で写すと、横幅は約3.5mで、写真の縦横比の4:3なら、子どもの全身は写真の高さの4割ほどです。アルバムに残す写真や、大きく印刷したい写真なら、この差はそのまま仕上がりの差になります。

写真のフォーマットにも違いがあり、18 ProはHEIF・JPEGに加えてDNG(ProRAW)で撮れますが、Duoの仕様ページの画像撮影フォーマットはHEIFとJPEGです。暗い舞台の写真をあとで明るく直したいなら、ProRAWのある18 Proのほうが直せる幅は広いと考えられます。可変絞りやセンサーの違いが写真の画質にどう出るかは、iPhone Duoと18 Proの写真の画質で比べています。

寄って撮るなら、動画の途中の静止画でも足りる

舞台を動画で撮りながら写真も欲しいとき、写真モードに切り替えるか、動画の撮影中に静止画を撮るかで迷います。両機種とも4Kビデオの撮影中に8MPの静止画を撮れて、その静止画は動画と同じ倍率の範囲から作られます。計算で見ると、Duoで6倍まで寄せた場面では、どちらも使うセンサーの範囲は同じ横約1,300画素です。写真モードの画素数の表示が大きくても、中身の情報は変わりません。寄った場面に限れば、動画を止めずに8MPの静止画を撮るほうが、演目を撮り逃さずに済みます。

差が出るのは、引いた倍率で撮るときです。2倍以下なら、写真モードはセンサーの広い範囲を使えるので、動画の途中の8MPより細かい写真を残せる余地があります。演目の前の整列や、終わったあとのお辞儀など、動きの止まる場面は写真モードで、演目の最中は動画の途中の静止画で、と分けると、どちらの良さも生かせます。

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iPhone 18 Proの動画ズームは何倍まで|光学品質8倍と24倍の境目、行事で寄る撮り方

18 Proの望遠で差がつく場面と、差がつきにくい場面

ここまでの計算を場面ごとに並べ直すと、18 Proの望遠が写りの差になるのは次のときです。

  • 20mを超える距離から、全身を大きく撮りたいとき
  • 15m前後から、顔や上半身のアップを撮りたいとき
  • ブルーレイや4Kで大きく見たいとき

どれも、Duoが2倍を超えて引き伸ばしに入る範囲で、18 Proは8倍まで引き伸ばしなしで寄れます。一方、差がつきにくいのは、前列の席、舞台の全体を撮る演目、DVDで見る記録です。全体を撮るなら、超広角は同じ仕様で、1倍もほぼ同じ広さです。発表会の記録をDVDで家族に配る使い方が中心なら、望遠の無さで困る場面は、思っているより少ないはずです。

4倍より手前では、18 Proも使う画素はDuoと同じ

望遠の差が出るのは、18 Proが望遠のカメラに切り替わる4倍からです。2倍と4倍のあいだ、たとえば3倍は光学品質の段ではないので、18 Proでも計算上はメインの2倍の範囲をさらに切り出して作ることになり、使う範囲は横約2,700画素でDuoの3倍と同じです。焦点距離で見ると、Duoの3倍は78mm、18 Proの3倍は72mmです。同じ「3倍」なら、Duoのほうがわずかに大きく写ります。

4倍を境に、差は一気に開きます。18 Proの4倍は望遠の48MPを丸ごと使うので横約8,000画素、Duoの4倍はメインの切り出しで横約2,000画素です。6倍でも、18 Proが横約5,300画素、Duoが約1,300画素で、開きは4倍のまま変わりません。倍率ごとの使う画素を並べると、下の図のようになります。

2倍・3倍・4倍・6倍のそれぞれで、Duoと18 Proが使うセンサーの範囲の横の画素を並べた棒グラフ。3倍までは同じで、4倍から18 ProがDuoの4倍になる
計算上の値。18 Proは4倍で望遠のカメラに切り替わる

この関係から、舞台を2〜3倍で撮ることが多いなら、18 Proに替えても画素の面での得はありません。ホールの中ほどから合唱の列を2倍で撮る、前列から全身を2倍で撮る、といった使い方なら、Duoで同じ写りになる計算です。18 Proを選ぶ理由になるのは、4倍以上で撮る場面がどれだけあるかです。

18 Proの望遠にも、使いにくい場面がある

同じ18 Proの中で比べると、望遠の絞り値ƒ/2.8は、メインの初期値ƒ/1.8より暗い値で、画素もメインより小さく作られています。暗い舞台では、望遠の画が先にざらつく可能性があります。望遠があるからといって、暗い場面でも寄れば寄るほどよい、とは限りません。

倍率によって使うカメラが変わる18 Proでは、録画の途中でカメラが切り替わることにも気を配ります。iPhoneの設定の「ビデオ撮影」にある「カメラをロック」は、録画中に自動でカメラを切り替えないための項目で、初期設定はオフです。望遠とメインを行き来する倍率で撮るなら、録画の途中で画の質感が変わるのを避けるために確かめておく設定です。

音の面では、どちらの機種でも、録れるのは席で聞こえる音です。仕様ページには両機種とも「オーディオズーム」の記載がありますが、遠い席では会場の響きや周りの物音も入ります。18 Proには「4つのスタジオ品質のマイク」の記載があり、Duoの仕様ページには無いという違いはあります。望遠で寄った映像に、舞台の近くで聞いたような音が付くわけではありません。

暗い舞台やスポットライトの下でズームするとき

暗い会場でデジタルズームを使うと、暗さによるざらつきも、ズームと同じ倍率で引き伸ばされます。Duoの6倍は横約1,300画素を約3倍に伸ばすので、暗い場面のざらつきも粒が大きく見えやすくなります。明るい屋外の運動会より、照明を暗くした発表会のほうが、同じ6倍でも粗さが目に付くと考えておいてください。

Duoのメインはƒ/1.6、18 Proの望遠はƒ/2.8ですが、センサーの大きさは両機種とも公表されていないので、絞り値だけでは暗い舞台でどちらが明るく写るかは決められません。仕様ページには両機種とも「改良された低照度ビデオ(1080p)」の記載があります。暗いホールや体育館での写りの比べ方は、暗いホールや体育館でのDuoと18 Proの比較で、絞りやフレームレートの話まで含めて扱っています。

スポットライトと暗転への備え

スポットライトが当たった子は、周りの暗い舞台よりずっと明るくなります。露出をiPhoneに任せたままだと、顔が白くなって目鼻立ちが分からなくなることがあり、6倍で寄って顔が画面の大きな部分を占めると、その白さも目立ちます。カメラコントロールの「露出」で少し暗めにしておくと、顔の明るさが残りやすくなります。

暗転から明るくなる瞬間は、ピントと明るさが合うまで少し時間がかかることがあります。演目の頭の数秒は使えないつもりで、幕が開く前から録画を始めておくと、大事な最初の場面を撮り逃しません。録画を止めるのは拍手が終わってからにすると、編集でつなぐときにも切れ目を選べます。

暗い場面では、フレームレートの設定も確かめておきます。iPhoneの「FPS自動調整」は暗い場面でフレームレートを24fpsに下げて見やすくする設定で、iOS 27のユーザガイドには、18 Proでは4Kの録画でも動作すると書かれています。Duoの4Kでどう動くかは、発売前の資料では確かめられません。2台の映像を編集で合わせるときや、動きの多いダンスを撮るときは、設定がどうなっているかを撮る前に見ておきます。

当日に起きやすい失敗と、その場での直し方

Duoで舞台を撮るときの失敗は、倍率を上げたことから来るものがほとんどです。症状から原因を見分けられれば、撮り直しのきかない本番の途中でも立て直せます。どれも、撮っている最中に画面の端や子どもの顔の明るさを見ていれば気づけるもので、気づいた時点で倍率か露出のどちらかを直せば、次の演目からは同じ失敗をせずに済みます。

6倍の映像が小刻みに揺れる

あとで見返すと画面が小刻みに揺れて、見ているうちに疲れる映像です。原因は倍率に比例して大きくなる手の揺れで、6倍なら揺れも6倍の大きさで写ります。撮っている最中に、画面の端にある柱や幕の縁、譜面台の線が揺れて見えたら、その揺れは記録にも残っています。その場でできる直し方は、倍率を4倍ほどに下げて肘を体に付けることです。DVDにするなら、下げた分は編集で寄せて取り戻せます。

子どもが画面の端に寄る、画面から外れる

6倍の横幅は15mの席で約3.5mしかなく、舞台の上で子どもが数歩動けば画面の端に寄ります。追いかけて本体を振ると揺れが大きくなり、振り遅れると画面から外れます。動く演目で子どもが何度も端に寄るなら、倍率が演目に合っていない合図です。2倍か4倍に下げ、子どもが動く範囲が画面に収まる大きさにしてから、本体を動かさずに撮ります。

倍率を変えたところで、画面の大きさが急に変わる

演目の途中で画面を指で広げると、そのたびに画面の大きさが急に変わり、指が画面に触れた揺れも入ります。倍率を変えたくなったら、曲の切れ目や拍手の間に、カメラコントロールでゆっくり変えます。変えた直後の数秒は編集で切る前提にしておくと、本番中に慌てずに済みます。18 Proでは倍率の境目で使うカメラが変わるので、設定の「カメラをロック」も合わせて確かめておきます。

スポットライトで顔が白くなる

スポットライトで顔だけが白く明るく写り、目や口の形が分からない症状です。原因は、暗い背景に合わせて全体を明るくしようとする露出で、寄るほど顔の白さが画面の多くを占めます。画面の中で顔の明るさを見て、頬の色が見えないほど白ければ、カメラコントロールの「露出」で少し暗くします。暗くしすぎると暗い場面で子どもまで見えにくくなるので、顔の色が戻るところで止めます。

Duoの内側と外側の画面を、舞台の撮影でどう使うか

2倍で広く撮っておき、あとで編集で寄せる撮り方では、画面の中の子どもは小さく写るので、Duoの大きな内側の画面のほうが、表情や立ち位置を確かめやすくなります。Duoには18 Proに無い形の違いがあり、開くと内側の7.6インチ(1,878×2,670、430ppi)の画面、閉じると外側の5.4インチ(460ppi)の画面を使えます。18 Proの画面は6.3インチ(460ppi)です。

暗い客席で大きな画面を開くと、周りの人の目に光が入りやすくなります。最小輝度は両機種とも1ニトで、画面をかなり暗くして撮れます。開演前に明るさを下げておき、撮っている間は必要なときだけ画面を見る、という使い方なら、大きな画面の利点を生かしながら周りへの影響を小さくできます。

外側の画面にライブプレビューを出す「Duo Preview」は、撮られる人がポーズや構図を確かめるための機能です。客席から舞台を撮るときには使う場面がないので、発売後に、外側の画面に何が表示されるかと、切り替え方を確かめておくと安心です。外側の画面が前を向いて光っていると、前の席の人の気が散ることも考えられます。

閉じたまま撮る場合は、外側の5.4インチの画面を見ながら撮ることになり、18 Proの6.3インチより画面は小さくなります。6倍で寄った場面で顔のピントが合っているかを確かめたいときは、開演前の明るい舞台で一度開いて、内側の大きな画面で映りを見ておくと安心です。本番中に開いたり閉じたりすると本体が揺れるので、撮り始めたらどちらかの形に決めておきます。

開いたときのヒンジは、製品発表の会場で実機に触れた記事では、途中の角度で止められるとされています(週刊アスキー、2026年9月11日)。Appleの資料には途中で止まるという記載は無く、開閉の耐久回数も書かれていません。半分開いて机に立てて撮る、といった使い方ができるかは、発売後に実機で確かめてから考えるのが確実です。

家族に18 Proがあるなら、Duoは引き、18 Proは寄りを受け持つ

家族で2台を持って行けるなら、Duoと18 Proは役割を分けると無駄がありません。Duoは1〜2倍で舞台の全体を止めたまま撮り、18 Proは8倍前後でわが子を追います。全体の映像があれば、寄りの映像で子どもを見失った場面もつなげられ、2台の映像を編集で切り替えれば1本の記録になります。

あとで1本にまとめるなら、2台のフレームレートをそろえておくと編集が楽になります。両機種とも4Kで24・25・30・60fpsを選べるので、30fpsにそろえるのが無理のない組み合わせです。HDRビデオのオンとオフもそろえておくと、2台の色の差が出にくくなります。録画は演目の前に2台とも始めておき、拍手や曲の頭など音のはっきりした瞬間を目印にすると、編集で2本の映像の時間を合わせやすくなります。

2台で撮るときの分担や、あとで1本にまとめる手順は、運動会を例にした運動会を2台で撮るにまとめています。発表会でも、席を離して座れるなら、1台は前寄りの席、もう1台は後ろで全体、と距離で分けることもできます。家族の席が並びなら、倍率で分けるほうが段取りは簡単です。

2台ともDuoの場合も、考え方は同じです。1台は2倍で舞台の全体を三脚に固定し、もう1台は6倍で寄りを受け持ちます。寄りの側は揺れが大きく写るので、手持ちにするなら、肘を体に付けやすい通路側の席の人が持つと安定します。どちらの映像も同じ機種なので、色や明るさの差が出にくく、編集で切り替えたときのつながりは2機種より自然になります。

前日と当日の朝に確かめること

Duoで舞台を撮る前に確かめることを、下の図に並べました。家で前日に試せることと、会場に着いてから確かめることが混ざっているので、上から順に済ませていけば、当日の朝に慌てることはありません。どれも発売後に自分のDuoで一度試しておくと、当日の迷いが減ります。

Duoで発表会の舞台を撮る前に確かめる8項目。距離の見積もり、演目ごとの倍率、三脚のホルダーの幅、4Kの設定、空き容量、電池、露出の操作、会場の決まり
前日に家で試せる項目と、会場で確かめる項目がある

なかでも前日に済ませたいのは、三脚のホルダーに付けて傾かないかの確認と、2倍・4倍・6倍での画面の見え方の確認です。家の端から端までの距離でも、6倍にしたときの揺れ方や、人がどれだけ動くと画面から外れるかは分かります。当日の朝は、空き容量と電池、ビデオの設定(4Kか1080pか、fps、HDRビデオ)を確かめてから家を出ます。

会場に着いたら、席に座ってから開演までの間に、1倍の画面で舞台の幅から距離を見積もり、演目ごとの倍率を決めます。開演前の舞台に人がいれば、その人を6倍で写して、画面の高さに対する大きさを見ておくと、本番で子どもが出てきたときに倍率を迷いません。最後に、会場の撮影の決まりと三脚の扱いを、配られたプログラムや掲示で確かめます。

容量と電池は、前の晩に確かめる

2時間の発表会を4K/30fpsで通して撮ると、計算上は約23GBです。256GBのモデルでも、写真や動画がたまっていれば足りなくなることがあり、標準の構成でも約12〜24GBはiOSなどがすでに使っています。前の晩に空き容量を確かめ、撮る予定の量より余裕をもって空けておいてください。電池は、長い発表会ならモバイルバッテリーとUSB-Cケーブルを用意し、休憩の間に足しておくと安心です。

発売後、最初の行事の前に、計算の係数を確かめる

この記事の数字は、焦点距離を35mm判に換算した値として読んだ計算です。手ぶれ補正(拡張)のわずかなズームや、画面の縦横比の取り方で、実際の画面の広さは少し変わります。Duoが手元に届いたら、最初の行事の前に一度、自分のDuoで係数を確かめておくと、当日の見積もりの精度が上がります。

やり方は簡単です。広い公園や校庭で、壁や塀から10m離れて立ち、ビデオの1倍で画面の左端と右端に写る壁の位置に目印を置いて、そのあいだの長さを測ります。10m離れて横幅が約13.8mなら、計算どおりの係数1.38です。横幅が12.5mなら係数は1.25で、計算より1割ほど狭く写っていることになります。そのときは、この記事の「横幅」の数字を1割ほど小さく、「全身の割合」を1割ほど大きく読み替えます。

あわせて読みたい

暗いホールや体育館で撮るなら|iPhone Duoと18 Proの暗所性能

Duoか18 Proか。よく座る席の距離と、見る画面で決める

行事の撮影を軸に機種を選ぶなら、判断の材料は、よく座る席から子どもまでの距離と、撮った映像を最後にどの画面で見るかの2つです。子どもまで15m以内の席が多く、DVDで残すならDuoで足ります。25mを超える席が多い、またはブルーレイや4Kのテレビで表情まで見たいなら、望遠のある18 Proのほうが目的に合います。

下の図は、その判断を質問の順に並べたものです。最初の質問が「いいえ」でも、DVDで見るなら、Duoで撮って編集で寄せる方法が残ります。表情まで大きく残したいかどうかは、家族がその映像をどう見るか、居間の大きなテレビで見返すのか、祖父母に配って見てもらうのかで決めてください。

子どもまで15m以内の席が多いか、映像をDVDで見るか、表情まで大きく残したいかの3つの質問に順に答えて、Duoで足りるか18 Proの望遠が合うかを決める図
計算上の目安。距離は席から舞台の上の子どもまで

撮影以外の比べ方、たとえば折りたためる画面の使い道や重さ、電池の持ちまで含めた判断はiPhone Duoと18 Pro、どっちを選ぶの判断表で扱っています。画質・カメラ・画面・本体の違いの全体はiPhone Duoと18 Proの違いに、iPhone各機種の動画の仕様はiPhone動画の仕様一覧に1枚の表でまとめました。

Duoを選んだうえで、遠い席の行事だけは大きく撮りたい、という場合もあります。年に一度の発表会のために機種を決めるより、その日だけ望遠のある機種やビデオカメラを家族に借りる、レンタルを使う、といった方法のほうが、全体の負担は小さく済むことがあります。借りた機材は前日までに一度試し撮りをして、操作に慣れておくことが前提です。

18 Pro Maxにしても、ズームの写り方は変わらない

18 Pro Maxのカメラは18 Proと同じなので、この記事の計算はそのまま当てはまります。違うのは画面が6.9インチと大きく、重さが249gになることです。重さはDuoの254gより5g軽いだけなので、画面の大きさで選ぶなら、Duoの内側の7.6インチと比べることになります。望遠と大きな画面の両方が欲しいなら18 Pro Max、折りたためる形と大きな画面を選んで望遠は諦めるならDuo、という分かれ方です。

Duoの映像を編集で寄せるときの決めごと

Duoで遠い席から撮った映像は、編集で寄せることを前提にすると使い道が広がります。寄せる作業そのものは、多くの編集ソフトにある拡大や切り抜きの機能でできます。機能の名前はソフトによって違い、「拡大」「クロップ」「ズーム」などと表示されます。

寄せる大きさは、撮ったときの倍率と最後に見る画面で決める

DVDにするなら、Duoで撮った4Kの映像は、次の大きさまで寄せても、使う範囲の横の画素がDVDの720画素を下回りません(計算上)。

  • 6倍で撮ったときは約1.8倍まで
  • 4倍で撮ったときは約2.8倍まで
  • 2倍で撮ったときは約5倍まで

どの倍率から寄せても、行き着く上限は撮影時の倍率と掛け合わせておおむね10〜11倍相当です。ブルーレイにするなら、2倍で撮った4Kの映像から約2倍までが目安です。6倍で撮った映像は、ブルーレイの画面ではすでに引き伸ばしになっているので、それ以上寄せると甘さがはっきりしてきます。寄せたい演目があるなら、その演目はDVDで残すか、撮影の段階で2倍にとどめて広く撮っておくか、どちらかに決めておくと迷いません。

画面の縦横は16:9のまま寄せる

寄せるときは、画面の縦横の比を16:9のまま保ちます。縦横の比を変えて切り抜くと、ディスクにしたときに上下や左右に黒い帯が付いたり、人の形が縦や横に伸びて見えたりします。ソフトの切り抜きで比を選べるなら16:9を選び、拡大の機能を使うなら、縦と横を同じ割合で拡大します。

動く子に合わせるなら、寄せる位置はゆっくり動かす

舞台の上を動く子に合わせて寄せる位置を変えるなら、変える回数を少なく、動きをゆっくりにします。編集ソフトの多くには、時刻ごとに拡大の位置を決めて、そのあいだをなめらかにつなぐ機能があります。位置を細かく何度も変えると、撮影中に本体を振ったのと同じような揺れになり、手持ちの揺れより見づらい映像にもなりかねません。子どもの立ち位置が大きく変わったところでだけ動かすくらいが、見やすい映像になります。

書き出したら、寄せた場面を通して見る

寄せた映像は、ディスクにする画面の大きさより小さくしないで書き出します。DVDにするなら1080pか4K、ブルーレイにするなら1080p以上で書き出しておけば、当社でDVDは720×480に、ブルーレイは1920×1080に作ります。書き出したら、寄せた場面を最初から最後まで一度見て、子どもが画面の外に出ていないか、寄せる位置を動かしたところで揺れていないかを確かめます。

書き出すときにHDRのまま残っていると、ディスクにしたときに色の印象が変わることがあるので、書き出しの段階でSDRにして色を確かめます。寄せる前の元のファイルは、書き出しが終わってからも消さずに残しておいてください。

DVDとブルーレイにしたとき、Duoの6倍の映像はどう見えるか

Duoの6倍で撮った映像でも、DVDの画面では引き伸ばしの甘さが出にくく、写る大きさ、つまり構図のほうが仕上がりを決めます。DVDで見る家族が多いなら、Duoの映像はDVDに向いた素材です。ブルーレイにするなら、Duoで4倍を超えた場面は、テレビに近づいて見ると輪郭の甘さが分かることがあります。ブルーレイを前提にするなら、撮影の段階で4倍までにとどめ、足りない大きさは席で取り戻すのが確実です。

当社で作るDVDは720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイは1920×1080です。4Kで撮った映像は、どちらに入れるときも、その画面の大きさに縮めて作ります。Duoの6倍で使うセンサーの範囲は横約1,300画素なので、DVDなら縮める側、ブルーレイなら少し伸ばす側に入ります。

iPhoneのHDRビデオ(ドルビービジョン)は、DVDにもブルーレイにもそのままは入りません。ディスクにする段階でSDRの映像になるので、書き出しの段階でSDRにして、色を確かめてから渡すと、ディスクになったときの色の変わり方に慌てずに済みます。HDRや4K、120fpsがディスクでどうなるかはiPhone動画をディスクにすると消えるもので詳しく扱っています。

テレビで見て、6倍の場面を確かめる

撮り終えたら、ディスクにする前に、6倍で撮った場面が大きな画面でどう見えるかを確かめます。iPhoneの小さな画面では、引き伸ばしの甘さや細かい揺れが分かりにくいからです。DuoのUSB-CはDisplayPortの映像出力に対応していて、仕様ページの注には「標準ダイナミックレンジのビデオコンテンツのみ」とあります。Appleのサポートページでは、18 Proは外付けディスプレイにつなげる機種に挙がっていますが、Duoは発売前でその一覧にまだ載っていません。

見るときは、テレビからふだん座る距離で、6倍の場面と2倍の場面を見比べます。6倍の場面で顔の輪郭が甘く見えても、ふだんの距離で気にならなければ、ブルーレイにしても困らない映像です。気になるなら、その演目はDVDで残すほうを選びます。揺れが目立つ場面は、編集ソフトの手ぶれ補正で直せることもありますが、補正のために画面の周りが切られ、そのぶん画面がさらに拡大されます。

確かめながら、演目ごとの始まりの時刻を控えておくと、ディスクにするときのチャプターの位置にそのまま使えます。発表会の映像は、わが子の出番だけを見返すことが多いので、演目の頭に飛べるようにしておくと、祖父母がリモコンで操作するときにも探しやすくなります。

DVDで見る家族と、ブルーレイで見る家族がいるとき

祖父母の家にはDVDプレーヤーしか無く、自分の家ではブルーレイで見たい、という場合は、同じ映像からDVDとブルーレイを1枚ずつ作れます。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できないので、配る相手の機器に合わせて分けます。DVDなら、DVDプレーヤーでもブルーレイの機器でも見られることが多いので、相手の機器が分からないときはDVDにしておくと迷いが減ります。

ブルーレイは、2倍以下で撮った場面のように細かさが残っている場面ほど、DVDとの差が出ます。前列から2倍で撮った演目はブルーレイで、後方から6倍で撮った演目はDVDで、と演目ごとに向き不向きがあることも、どちらで作るかを決めるときの材料になります。

チャプターは、演目の頭に付ける

当社でチャプターを付けるときは、注文フォームで「チャプター分け」を選ぶと開く「チャプター位置の指定」の欄に、演目の始まりの時刻を入れます。1つ目は動画の冒頭(00:00:00)に自動で入るので、2つ目からを00:00:01以降の時刻で指定します。上限は最大50チャプターです。テレビで確かめながら控えた時刻を、そのまま書き写せば済みます。

時刻は、ディスクにする動画の時刻で指定します。編集で前後を切ったり、寄せた版に差し替えたりしたあとの動画なら、撮ったときのファイルの時刻とずれるので、書き出した動画を再生して時刻を取り直します。わが子の出番が何番目かが分かるように、演目の順番を書いた紙をディスクと一緒に家族に渡すと、リモコンで探すときに迷いません。

撮ってよいか、配ってよいかは、会場と主催の決まりで決まる

発表会や運動会では、会場や主催者が撮影そのものを禁止していたり、三脚や撮る場所を決めていたりします。望遠の有無を考える前に、撮ってよい範囲を確かめます。撮影が禁止され、業者が撮影したDVDだけが買える発表会もあります。決まりがあるときは、どの機種で撮るかより、その決まりの中で何が残せるかを考えることになります。

撮った映像には、ほかの子どもや先生も写ります。家族で見るためのディスクでも、SNSに載せたり、ほかの家庭に配ったりするときは、写っている人や主催者の考えを確かめてからにします。肖像や個人情報の扱いは一律に決まっているものではないので、迷ったら園や学校、主催者に確かめてください。

音楽やダンスの発表会の映像には、市販の曲や他人の振付が入っていることがあります。家庭内など限られた範囲で、使う本人が複製するのは私的使用(著作権法第30条)の範囲ですが、店にディスクの作成を頼むと、複製するのが使う本人ではなくなるため、私的使用の例外にはあたりません。当社がお引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。判断に迷うときは、主催者や専門家に確かめてください。

撮った発表会の映像を、ディスクにするまで

当社が受け付けるのは完成した動画のデータです。この記事で書いた「DVDにする段階で寄せる」作業は、編集ソフトで自分で済ませ、書き出したファイルを入稿してください。寄せずにそのまま残す演目は、撮ったままのファイルで構いません。当社に頼む場合の流れは次のとおりです。

  1. iPhoneから元のファイル、または編集して書き出したファイルを取り出す
  2. 演目ごとにファイルを分けるなら、ファイル名の頭に「01_」「02_」と付けて収録の順番を決める
  3. ギガファイル便やGoogle ドライブなどに上げて共有URLを作る(ギガファイル便の保持期限の初期値は5日で、アップロードの後に延ばせない)
  4. 注文ページでDVDかブルーレイかと枚数を選び、共有URLを貼る
  5. 演目ごとの頭出しが要るなら「チャプター分け」を選び、開く「チャプター位置の指定」の欄に時刻を入れる
  6. 配る相手の再生機器などの希望は、注文フォームの備考欄に書く

入稿の前に確かめること

入稿の前に、書き出したファイルを一度最後まで再生して、演目が抜けていないか、寄せた場面で子どもが画面から外れていないかを確かめます。ファイル名の頭の番号が演目の順番どおりになっているかも、ここで見ておきます。HDRで撮った映像は、書き出しの段階でSDRにしてあるかを確かめます。

ギガファイル便で共有URLを作るなら、保持期限はアップロードの前に選んでください。初期値の5日のままだと、注文の手続きが遅れたときに期限が切れることがあります。ファイルの大きさが、DVDで5GB以上、ブルーレイで25GB以上かどうかも、料金にかかわるので見ておきます。

1枚目の料金は、基本料金(DVD・1枚あたり)が1,500円(税抜)、ブルーレイは基本料金(Blu-ray・1枚あたり)の1,500円で、オーサリングと書き込み、ケースへの入れ込みまで含みます。内容の違うディスクや、DVDとブルーレイの組み合わせは、それぞれ1枚目から数えます。

同じ内容を祖父母の分も作るなら、2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)の1,000円です。演目ごとの頭出しを付けるチャプター分け(1枚あたり)は+1,500円で、最大50チャプターまでです。2時間の発表会を4K/30fpsで通して撮ったデータは、計算上約23GBです。DVDにするなら、エンコード手数料(大容量データ・内容1種類につき)の3,000円がかかります(1つの内容のデータがDVDで5GB以上、ブルーレイで25GB以上のとき)。

受け付けてから5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。行事のあとに家族へ渡す日が決まっているなら、その日から逆に数えて、編集と入稿の日を決めておきます。DVDの注文はDVDの書き込みの注文ページから、ブルーレイはブルーレイの注文ページから、同じ流れで進められます。Duoが手元に届いたら、まずは次の行事の席から子どもまでの距離を見積もり、何倍で撮るかを計算しておくことが、いちばん先に取りかかれる準備です。

よくある質問

Q. iPhone Duoには望遠カメラが付いているか?

A. 付いていません。Duoの背面は「48MP Dual Fusionカメラシステム」で、Fusionメイン(26mm)とFusion超広角(13mm)の2つです。2倍は「12MPの光学品質2倍望遠」と表記されていますが、メインのカメラで撮る2倍で、独立した望遠のレンズではありません。2倍より先はデジタルズームの扱いです。

Q. iPhone Duoのビデオは何倍までズームできるか?

A. ビデオのデジタルズームは最大6倍、写真は最大10倍です。Appleが光学品質とするのは2倍(52mm)までで、そこから先は画面の一部を切り出して引き伸ばしています。計算上、6倍で使うセンサーの範囲は横約1,300画素で、4Kの画面の約3分の1の幅です。18 Proはビデオ24倍、写真40倍まで上げられます。

Q. Duoの6倍と18 Proの8倍はどれくらい写りが違うか?

A. 焦点距離で156mmと200mmなので、写る大きさは18 Proの8倍が約1.3倍大きくなります(計算上)。差が大きいのは中身で、18 Proの8倍は横約4,000画素の範囲を使って4Kを引き伸ばさずに作れますが、Duoの6倍は横約1,300画素の範囲を引き伸ばしています。DVDで見るなら差は小さくなります。

Q. 発表会の中ほどの席からDuoで子どもの全身は撮れるか?

A. 子どもまで15mほどなら、計算上は6倍で画面の横幅が約3.5mになり、身長110cmの子の全身が画面の高さの約56%に入ります。構図としては十分な大きさです。ただ顔に使えるセンサーの画素は約58で、ブルーレイや4Kで大きく見ると輪郭が甘く見えることがあります。DVDならその甘さは目立ちにくい計算です。

Q. 後ろの席からDuoで子どもの表情まで撮れるか?

A. 子どもまで25mを超えると難しくなります。計算上、25mの席からDuoの6倍では全身が画面の高さの約34%、顔に使える画素は約35で、DVDにしたときの顔の幅は約19画素です。表情を大きく残したいなら、席を前に移すか、18 Proの望遠やビデオカメラを使う方法を考えます。

Q. DVDにするならDuoのデジタルズームでも画素は足りるか?

A. 計算上は足ります。Duoの6倍で使うセンサーの範囲は横約1,300画素で、DVDの横720画素を上回るので、DVDの画面では引き伸ばしになりません。編集でさらに寄せても、約11倍相当までは720画素を下回りません。画像処理や暗さによるざらつきは計算に入っていないので、実際の映像でも確かめてください。

Q. ブルーレイにするとDuoの6倍の映像はどう見えるか?

A. ブルーレイの画面は横1,920画素なので、Duoの6倍(横約1,300画素の範囲)は約1.4倍に引き伸ばされます(計算上)。大きなテレビに近づいて見ると、輪郭の甘さとして分かることがあります。ブルーレイを前提にするなら、Duoでは約4倍までにとどめると、引き伸ばしにならない計算です。

Q. Duoで舞台を撮るとき4Kと1080pのどちらにするか?

A. あとで編集で切り出すつもりなら4Kです。2倍の4Kを3倍に切り出しても横1,280画素が残りますが、1080pでは640画素になりDVDの画素を下回ります。6倍で寄せてそのまま使うなら1080pでも情報はほとんど減りません。容量は高効率・HDRオンの目安で、4K/30fpsが1分約190MB、1080p/30fpsが約65MBです。

Q. 運動会の観覧席からDuoで徒競走は撮れるか?

A. 手前のレーンなら撮れます。観覧席から15mなら、Duoの6倍で身長120cmの子の全身が画面の高さの約6割に入ります(計算上)。向こう側の40mでは約2割になり、18 Proの8倍(約3割)や24倍との差が出ます。倍率を上げたまま追いかけず、ゴールの手前など子どもが向かってくる位置に画面を向けて待つと撮りやすくなります。

Q. Duoを三脚に付けるときに気をつけることは何か?

A. 閉じたときの幅84.1mm・厚さ11.3mmを、ホルダーが挟めるかを確かめます。18 Pro(幅71.9mm)くらいの幅までの作りだと入らないことがあります。開いた状態は幅164.6mm・厚さ5.2mmで大きさがまるで違うので、開いて使うならその幅に合う道具が要ります。発売前の機種なので、本番の前に家で付けて傾かないかを試してください。

Q. Duoに外付けの望遠レンズは付けられるか?

A. Duoは発売前で、外付けのレンズがDuoのカメラの位置や形に合うかは、まだ分かりません。使うなら、発売後に製品の対応機種の表示を確かめてからにしてください。外付けのレンズは三脚での固定やピントの確認にも手間がかかるので、遠い席が多いなら、望遠のある機種やビデオカメラを借りる方法と比べて決めます。

Q. 18 Proの24倍で撮った映像はDVDでどう見えるか?

A. 24倍は8倍の範囲をさらに3倍に切り出すので、使うセンサーの範囲は横約1,300画素です(計算上)。DVDの横720画素より多いので、DVDの画面では引き伸ばしになりません。ブルーレイ(1,920画素)では引き伸ばしになるので、ブルーレイを前提にするなら16倍あたりで止めます。24倍の手持ちは揺れやすいので支えが要ります。

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この記事の目次

  1. Duoの6倍ズームで足りる席と、18 Proの望遠で差が開く席
  2. ズームの仕様|光学品質はDuoが2倍まで、18 Proが8倍まで
  3. 写る広さと画素の数は、この前提で計算する
  4. 客席の距離ごとに、Duoと18 Proの写る大きさを比べる
  5. 体育館の発表会や卒業式は、距離より前の人の頭で困る
  6. 運動会の観覧席からDuoで撮るとき
  7. Duoのデジタルズームは、最後に見る画面で止めどころが決まる
  8. 席と位置取り。Duoで撮るなら前寄りの中央を選ぶ
  9. 6倍では、手の揺れも6倍に写る
  10. 演目ごとに倍率を決める。合唱、ピアノ、ダンス、劇
  11. 写真で残すなら、Duoは10倍、18 Proは40倍まで
  12. 18 Proの望遠で差がつく場面と、差がつきにくい場面
  13. 暗い舞台やスポットライトの下でズームするとき
  14. 当日に起きやすい失敗と、その場での直し方
  15. Duoの内側と外側の画面を、舞台の撮影でどう使うか
  16. 家族に18 Proがあるなら、Duoは引き、18 Proは寄りを受け持つ
  17. 前日と当日の朝に確かめること
  18. Duoか18 Proか。よく座る席の距離と、見る画面で決める
  19. Duoの映像を編集で寄せるときの決めごと
  20. DVDとブルーレイにしたとき、Duoの6倍の映像はどう見えるか
  21. 撮ってよいか、配ってよいかは、会場と主催の決まりで決まる
  22. 撮った発表会の映像を、ディスクにするまで
  23. よくある質問

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