この記事の要点
暗い場所に関わる差は、メインの絞り(18 Proは可変のƒ/1.48〜ƒ/4.0、Duoはƒ/1.6固定)、画素の大きさの公表、手ぶれ補正の世代、望遠の有無の4つ
ƒ/1.48とƒ/1.6の差は絞り値だけなら計算上約0.2段。両機種ともセンサーの大きさを公表していないので、写りの明るさは仕様から決められない
18 Proは暗いところで絞りを自動で開ける。昼に手でƒ/4.0にして「設定を保持」の「レンズ絞り」をオンにしていると、夜もそのまま残る
寄って撮ると差が広がる。18 Proの4倍・8倍はƒ/2.8の望遠カメラで撮り、Duoは2倍を超えるとデジタルズーム(写真は最大10倍)になる
ナイトモード、Photonic Engine、スマートHDR 5、改良された低照度ビデオは共通。Duoは発売前なので、暗い場所の写りは発売後の作例で確かめる
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10月から11月にかけては、学芸会や音楽会、ピアノやバレエの発表会が続きます。体育館の暗幕が閉まり、照らされているのは舞台の上だけ。客席の後ろからiPhoneを構えると、画面の中の子どもの顔がざらついて見えたり、スポットライトを浴びた瞬間に白くなったりします。買い替えを考えているなら、9月に発売されたiPhone 18 Proと、10月23日に発売予定の折りたたみのiPhone Duoのどちらがこういう会場に向くのかは、気になるところです。
暗い場所に直接関わる部品の違いは四つあります。メインカメラの絞りは、18 Proがƒ/1.48・ƒ/1.8・ƒ/2.8・ƒ/4.0を切り替える可変絞りで、Duoはƒ/1.6の固定です。画素の大きさは18 Proだけが2.44µmと公表していて、Duoは数値を出していません。手ぶれ補正は18 Proが第2世代のセンサーシフト光学式、Duoがセンサーシフト光学式。そして18 Proには望遠カメラがあり、Duoにはありません。ナイトモードと、Photonic Engine・Deep Fusion・スマートHDR 5という写真の処理の仕組みは、両機種とも同じです。
絞り値の数字だけで比べると、ƒ/1.48とƒ/1.6の差は計算上約0.2段です。写真の明るさにすれば、小さな差です。しかも両機種ともセンサーの大きさを公表していないため、どちらが明るく写るかは仕様からは決められません。暗い会場ではっきり差になるのは、18 Proでは絞りを自分で決められることと、客席から寄って撮るときにどのカメラを使うことになるか、の二つです。
以下は2026年10月時点の情報です。Duoは発売前のため、仕様ページと発表資料から分かる範囲で書いています。写りの違いはどれも撮り比べた結果ではなく、仕様から見込める違いとして読んでください。動画のFPS自動調整や低照度ビデオの細かい話はそれぞれの記事に任せ、ここでは写真と、写真にも動画にも共通する部品の差を中心に扱います。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
先に答え|暗い場所で差が出るのは、絞り・画素・手ぶれ補正・望遠 ƒ/1.48とƒ/1.6は、数字ほどの差になるのか 画素の大きさは、18 Proだけが数字を出している 可変絞りは、暗い場所で何をしているのか 18 Proの絞りは、暗い会場では自動を基本にして例外を決めておく Duoは絞りを選べない。暗い会場で調整できるのは何か 手ぶれ補正の差と、暗い会場での持ち方 暗い場所のピント合わせは、仕様の言葉が違うだけで数字は無い 残りの15項目を見る 客席から寄ると、暗さの差が広がる 超広角は両機種で同じ。暗い会場では出番を選ぶ ナイトモードは共通。差がつくのはその手前 舞台照明とスポットライトの場面 体育館の場面 夜の室内の場面 逆光の場面では、絞りを開けても顔は明るくならない 動画で撮るときに、写真と違うところ 発売前のDuoを、暗い会場のために選ぶ前に確かめること 18 ProとDuoの2台で撮るなら、暗さで役割を分ける 本番までの段取り 失敗の型と、見分け方・直し方 撮った動画を家族に残す、ディスクにする 暗い会場のためにどちらを選ぶか、次に決めること よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
先に答え|暗い場所で差が出るのは、絞り・画素・手ぶれ補正・望遠
AppleのiPhone Duoと18 Proの技術仕様ページを並べ、暗い場所の写りに関わりそうな行だけを抜き出すと、違う行は意外に少なく、同じ行のほうが多いことに気づきます。チップはどちらもA20 Pro。メインカメラの画素数も、どちらも48MPです。超広角カメラは13mm・ƒ/2.2・120°の同じ部品で、Duoの発表文も、超広角は18 Proモデルと同じだと書いています。違いが集まっているのは、メインカメラの絞りと画素、手ぶれ補正の世代、望遠カメラの有無、そして手で調整できる項目の範囲です。
関係する行を、次の表にまとめました。右の列は、その違いが暗い会場でどう表れるかの見込みです。Duoの欄の「記載なし」は、仕様ページにその項目が書かれていないという意味で、できないと決めつける意味ではありません。
項目
iPhone 18 Pro/18 Pro Max
iPhone Duo
暗い場所での見込み
メインの絞り
可変絞り ƒ/1.48・ƒ/1.8・ƒ/2.8・ƒ/4.0(初期値はƒ/1.8)
ƒ/1.6(固定)
18 Proは暗いと自動で絞りを開ける。数字の差は計算上約0.2段
メインの画素の大きさ
2.44µmクアッドピクセル(個々のピクセルは1.22µm)
記載なし
Duoは比べる数字が無い
メインの手ぶれ補正
第2世代のセンサーシフト光学式
センサーシフト光学式
差の大きさは公表されていない
メインのピント合わせ
Focus Pixels(全画素を示す表記)
Hybrid Focus Pixels
暗い場所での差を示す数字は無い
望遠
100mm(4倍)・ƒ/2.8、8倍は200mm
なし(2倍はメインの52mm・ƒ/1.6)
寄るほど使うカメラの差が出る
手で決められる項目
レンズ絞り、シャッタースピード、ホワイトバランス、ヒストグラム表示など
記載なし
18 Proだけ数値で露出を組める
フラッシュ
アダプティブTrue Toneフラッシュ
True Toneフラッシュ
夜の室内で使うときの違い
写真の形式
HEIF、JPEG、DNG(ProRAW)
HEIF、JPEG
暗い写真を後で直す余地
超広角
13mm・ƒ/2.2・120°
同じ(発表文に18 Proモデルと同じとある)
この部分では差がつかない
共通の処理
ナイトモード、Photonic Engine、Deep Fusion、スマートHDR 5、改良された低照度ビデオ(1080p)
同じ
この部分では差がつかない
同じ内容を、暗い会場で迷ったときに見返せるよう図にしたのが次の比べ表です。18 Proの欄の値は、断りがなければ18 Pro Maxも同じです。18 ProとPro Maxはカメラの欄が共通で、違うのは画面の大きさと本体の寸法、重さ、電池の持ちだからです。
Duoの「記載なし」は仕様ページに項目が無いという意味。18 Pro Maxは18 Proと同じ
同じところが多いので、機種より設定で決まる部分が大きい
ナイトモードはどちらの背面カメラにもあります。書き方も同じです。写真の処理の名前も、改良された低照度ビデオの一行も同じで、暗い場所を明るく写すためのソフトウェアの仕組みに、仕様の上での差は見当たりません。発表会の写真がうまくいくかどうかは、どちらの機種を選ぶかより、露出をどこに合わせるか、手ぶれをどう抑えるか、どこまで寄るかで決まる部分のほうが大きいと考えておくと、期待と結果の差に戸惑わずに済みます。
違うところは、暗い会場では「選べる幅」の差として表れる
18 Proの可変絞りと手動の調整は、暗い場所で光を多く取り込むための部品であると同時に、撮る人が絞りやシャッタースピードを決められる仕組みでもあります。Duoは絞りが一つに決まっていて、仕様ページにはプロレベルのコントロールの記載がありません。望遠も同じで、18 Proは寄るために専用のカメラを持っていますが、そのカメラはメインより暗い絞り値です。選べる幅は、18 Proのほうが広いのです。そのぶん、選び方を間違えたときの損も大きくなります。画面や重さまで含めた全体の違いはiPhone Duoと18 Proの違いを全項目で比べた記事 にまとめています。
18 Pro Maxなら、暗い場所の写りは18 Proと同じ
大きい画面がほしくて18 Pro Maxを考えている人もいるはずです。カメラについては、18 Pro Maxは18 Proと同じで、背面も前面も仕様ページの欄が共通です。可変絞りも望遠も、手動の調整も変わりません。この記事で18 Proについて書いたことは、暗い場所の写りに関しては、そのまま18 Pro Maxにも当てはまります。
違うのは本体です。18 Pro Maxは6.9インチの画面で、重さは249g。Duoの254gとは5gしか違わず、18 Proより38g重くなります。ビデオ再生の時間は、仕様ページの値で18 Proの最大36時間に対して最大45時間です。暗い客席で長い発表会を通して撮るなら、電池の余裕は助けになりますが、大きい画面はそのぶん周りの席にも明るく見えます。Duoとの選び方は画面の大きさが中心の話になるので、ここでは写りが同じことだけ押さえておけば足ります。
ƒ/1.48とƒ/1.6は、数字ほどの差になるのか
仕様ページを見比べて最初に目に入るのが、メインカメラの絞り値です。18 Proの最も明るい絞りはƒ/1.48、Duoはƒ/1.6。数字が小さいほど明るいレンズなので、18 Proのほうが暗い場所に強いと読めます。ただ、この0.12の差は、どれほどの光の差になるのでしょうか。計算すると分かります。
絞り値は、レンズが通す光の量を表す数字
絞り値(ƒ値)は、一般に、レンズの焦点距離を、光を通す穴の直径で割った数です。数字が小さいほど穴が大きく、センサーの同じ面積に届く光が多くなります。届く光の量は絞り値の2乗に反比例するので、絞り値が約1.4倍(2の平方根)になるごとに、光は半分になります。この「半分」または「2倍」の幅を、写真では1段と呼びます。
この関係を使うと、18 Proの4つの絞りの差は計算できます。ƒ/1.48からƒ/1.8に絞ると計算上は約0.6段、ƒ/1.8からƒ/2.8では約1.3段、ƒ/2.8からƒ/4.0では約1段で、ƒ/1.48からƒ/4.0まで絞ると合わせて約2.9段、光が減ります。光の量に直すと、ƒ/4.0はƒ/1.48の7分の1ほどです。同じ場面を同じ明るさに写そうとすれば、カメラはシャッタースピードを長くするか、感度を上げてその分を補うことになります。
計算上は約0.2段。18 Proの初期値ƒ/1.8と比べると逆になる
同じ計算をƒ/1.48とƒ/1.6に当てはめると、(1.6÷1.48)の2乗で約1.17倍です。段に直すと約0.2段。センサーの同じ面積に届く光は、計算上、ƒ/1.48のほうが2割弱多い、ということになります。写真を見比べて、明るさの違いに気づくかどうかの小さな差です。
見落としやすいのは、18 Proの絞りの初期値がƒ/1.8であることです。英語版の製品ページは「ƒ/1.8 Default」と表記しています。ƒ/1.8とƒ/1.6で同じ計算をすると、今度はDuoの数字のほうが約0.3段明るくなります。ただし18 Proは、Appleの説明では暗いところで絞りを自動で調整して光を多く取り込み、暗い場面ではƒ/1.48を使います。自動のまま撮るなら、暗い会場では18 Proがƒ/1.48に開き、絞り値の数字の上では18 Proが約0.2段明るい側に立つ、という見込みになります。
絞り値ごとに、センサーの同じ面積に届く光をƒ/1.48を100として計算したのが次の図です。Duoのƒ/1.6、超広角のƒ/2.2、望遠のƒ/2.8も並べていますが、これは絞り値だけで計算した値で、カメラが違えば写りの明るさの比較にはならないことに気をつけてください。
センサーの同じ面積に届く光を絞り値だけで計算した値。機種が違えば写りの明るさの比較にはならない
1段の差は、シャッタースピードか感度で払う
段の差が写真にどう表れるかを、具体的な数字で考えてみます。ある暗い舞台で、18 Proがƒ/1.48・シャッタースピード1/60秒でちょうどよい明るさに撮れたとします。同じ明るさのままƒ/4.0に絞ると、光は約2.9段減るので、シャッタースピードを計算上は約7倍の長さ、1/8秒ほどにしなければなりません。1/8秒では、舞台の上の子どもが少し動いただけで流れて写ります。
シャッタースピードを1/60秒のままにするなら、感度を約7倍に上げることになります。こちらはぶれない代わりに、ざらつきが増えます。どちらを選んでも、2.9段の差はどこかで支払うことになります。一方、ƒ/1.48とƒ/1.6の約0.2段なら、シャッタースピードに直して1/60秒と1/50秒ほどの違いです。この程度の差なら、手ぶれの抑え方や露出の合わせ方のほうが、写りへの影響は大きくなります。
センサーの大きさが分からないと、写りの明るさは比べられない
絞り値が決めるのは、センサーの同じ面積あたりに届く光の量です。センサー全体が受け取る光の量は、その面積を掛けたものになります。同じƒ/1.6でも、センサーが大きければ全体で受け取る光は多くなり、一般に暗い場所のざらつきは少なくなります。つまり、絞り値の比べ方が意味を持つのは、センサーの大きさが同じか、分かっているときだけです。
ところが、iPhone 18 ProもDuoも、メインカメラのセンサーの大きさ(何型か、何ミリか)を公表していません。Duoの発表文には大型のセンサーという言葉がありますが、数字は添えられていません。Duoのセンサーが18 Proより大きいのか小さいのかは、公表された資料からは分からないのです。ƒ/1.48とƒ/1.6の約0.2段は、レンズの数字の差であって、写った写真の明るさの差ではありません。
写真の仕上がりには、センサーとレンズのあとに、画像処理が加わります。画像処理を担うチップはどちらもA20 Proで、写真の処理の名前も同じです。とはいえ、同じチップでもセンサーとレンズの組み合わせが違えば、同じ写りになるとは限りません。どちらがざらつきにくいかは、Duoの発売後に、同じ場面を両機種で撮った作例が出てから確かめるのが確実です。
発表資料の「暗い場所」の言葉をどう受け取るか
18 Proの英語版の製品ページには、暗い場所での性能が約50%向上したという記述があり、脚注を見ると、比べている相手は前の世代のiPhoneです。Duoと比べた数字ではありません。Duoの発表文は、大型センサー、明るい絞り値、センサーシフト光学式手ぶれ補正によって暗い場所でも優れた性能を発揮する、という趣旨で、こちらには数字がありません。どちらも暗い場所に力を入れたことは読み取れます。ただ、二つの言葉を並べてどちらが上かを決める材料にはならないので、比較の根拠には使わないでおくのが無難です。
画素の大きさは、18 Proだけが数字を出している
写りを左右するもう一つの数字が、1つの画素(ピクセル)の大きさです。18 Proの製品ページは、メインカメラの画素を「2.44µmクアッドピクセル」と書き、個々のピクセルは1.22µmだと添えています。µm(マイクロメートル)は1ミリの1,000分の1で、画素の大きさをµmで表すときは、一般に画素の一辺の長さを指します。
クアッドピクセルは、4つの画素を1組として扱う数え方
クアッドピクセルの「クアッド」は4つという意味で、縦2つ・横2つの画素を1組にした数え方です。個々のピクセルが一辺1.22µmなので、2つ並べると計算上は2.44µmになり、これがAppleの書く2.44µmと一致します。面積で見ると、個々のピクセルは約1.49平方µm。4つで1組にすると約5.95平方µmで、ちょうど4倍です。
一般に、1つの画素が受け取る面積が大きいほど、その画素に入る光は多くなり、暗い場所でのざらつき(ノイズ)が目立ちにくくなります。48MPのセンサーを、4つずつまとめて扱えば、画素の数は4分の1の12MPになる代わりに、1画素あたりの面積は4倍になる、という関係です。どの撮影のときにカメラが4つを1組で使うのかまでは、Appleの仕様ページには書かれていません。
同じ18 Proの中でも、メインと望遠・超広角で画素の大きさが違う
英語版の製品ページには、超広角と望遠の画素の大きさも載っています。どちらも1.4µmクアッドピクセルで、個々のピクセルは0.7µmです。メインの2.44µmと比べると、一辺の長さは6割に届かず、面積にすると計算上は約3分の1になります。同じ18 Proでも、暗い場所ではメインカメラで撮るのがいちばん有利で、超広角や望遠に移ると、画素の面積と絞り値の両方で不利な側に回ります。
一辺の長さを2乗した計算値。Duoは画素の大きさを公表していないため載せていない
Duoは画素数が同じ48MPでも、大きさは計算できない
Duoのメインカメラも48MPで、画素の数は18 Proと同じです。センサーの面積が分かれば、48MPで割って1画素の大きさを計算できますが、Duoはセンサーの大きさも画素の大きさも公表していません。製品ページの日本語版・英語版にも、µmの記載は見当たりません。大型のセンサーという言葉から画素の大きさを推し量って、18 Proより大きい、あるいは小さいと書いている記事を見かけたら、それは公表された数字ではないと考えてください。
超広角カメラについては、Duoの発表文が18 Proモデルと同じものだと書いています。ただし1.4µmという画素の大きさが載っているのは18 Proの資料だけで、Duoの資料にこの数字はありません。部品が同じなら画素の大きさも同じはずだ、とも読めますが、公式に確かめられるのは、同じ超広角だという説明までです。
2倍は、メインのセンサーの一部を使って撮る
18 ProもDuoも、2倍の写真は望遠カメラではなく、メインカメラで撮ります。表記は「12MPの光学品質2倍望遠」で、18 Proは48mm、Duoは52mm・ƒ/1.6です。48MPのセンサーで画角を半分にすると、縦横それぞれ半分、面積で4分の1の範囲を使うことになり、画素の数は計算上12MPで、仕様の数字と合います。
この計算から、2倍のときは4つを1組にまとめる余裕がなく、個々の画素を一つずつ使う形になると考えられます。2倍にすると、暗い場所で1倍よりざらつきが増えるのか、Appleはそれを書いていません。それでも、2倍のあいだはメインのレンズのまま、絞り値も変わらないので、暗い会場で寄るなら、まず2倍までを基本にするのが、両機種に共通する組み立て方です。
可変絞りは、暗い場所で何をしているのか
iPhone 18 Proのメインカメラは、絞りの大きさを機械で切り替えられます。Appleの発表文によれば、レーザーカット加工された6枚の羽根を新しいローター機構で動かし、ƒ/1.48、ƒ/1.8、ƒ/2.8、ƒ/4.0の4段階に切り替えます。スマートフォンの画像処理で背景をぼかす仕組みとは違い、レンズの中で光の通り道そのものを広げたり狭めたりする部品です。
可変絞りがあるのは、メインカメラだけです。Appleの表記は「可変絞り対応48MP Fusionメイン」で、超広角のƒ/2.2と望遠のƒ/2.8は固定されています。可変絞りの働きを受けられるのは、メインカメラで撮っているあいだに限られます。倍率でいえば、1倍と2倍がメインカメラの受け持ちです。
自動のときは、場面に合わせて絞りが変わる
Appleの説明では、絞りは場面に合わせて使い分けられます。暗いところではƒ/1.48、ポートレートではƒ/1.8、グループ写真で手前から奥までピントを合わせたいときはƒ/4に絞ります。そして暗いところでは、絞りを自動で調整して光を多く取り込みます。カメラアプリを開いてそのまま撮る人にとっては、暗い会場でカメラが自分で絞りを開けてくれる、というのが可変絞りのいちばん身近な働きです。
一方で、自動の判断がいつも明るさを優先するとは限りません。暗い体育館で、ひな壇に並んだ合唱を撮る場面を考えると、「暗い場面」と「グループ写真」の二つの条件が重なります。こういうときにカメラがどちらを優先するのか、Appleは書いていません。発売後のレビューでも、DXOMARK(2026年9月19日)は可変絞りが集合写真で被写界深度を自動で広げる点を長所に挙げているとされ、自動で絞る場面があることがうかがえます。
手で選ぶときは、4つの絞りから決める
4つの絞りは、カメラアプリで手でも選べます。仕様ページには「レンズ絞り、シャッタースピード、ホワイトバランス、ヒストグラム表示などのプロレベルのコントロール」という行があり、iOS 27のユーザガイドによれば、「写真」「ビデオ」「シネマティック」「スローモーション」「タイムラプス」の各モードで使えます。操作の手順は、ユーザガイドの「iPhoneで高度なカメラツールを使用する」にまとまっています。
このプロレベルのコントロールは、仕様ページでもユーザガイドでもiPhone 18 Proモデルに限った機能として書かれています。iOS 27は古いiPhoneやDuoにも入りますが、OSを新しくすれば同じように絞りを選べるようになる、とは書かれていません。可変絞りという部品と対になった機能だと考えておくのが、資料に沿った読み方です。
絞っても、写真が暗くなるとは限らない
絞ると光が減るのだから写真は暗くなる、と考えがちですが、カメラが明るさを自動で決めているときは、そうなるとは限りません。デジカメWatchのレビュー(2026年9月29日)は、自動露出では絞りに合わせてISO感度が変わるため、絞っても暗くなるとは限らないとしています。カメラは減った光の分だけ感度を上げ、同じくらいの明るさに仕上げようとします。
照明の暗い会場では、ここに見えない引き換えが生じます。感度を上げると、一般に画面のざらつきは増えます。ƒ/4.0まで絞ると光は計算上約2.9段減るので、その分を感度で補えば、写真の明るさは保たれても、ざらつきの多い写真になりやすい、という見込みです。光の少ない場所で絞る代わりに失うのは明るさより、ざらつきの少なさのほうだと覚えておくと、判断を誤りにくくなります。
開けるとピントの合う幅が狭くなる
絞りのもう一つの働きは、ピントの合って見える前後の幅(被写界深度)を変えることです。絞りを開けるほどこの幅は狭くなり、絞るほど広くなります。GIGAZINEの作例記事(2026年9月26日)は、ƒ/1.48で背景が大きくぼけ、ƒ/4.0では手前と奥の両方がくっきり写るとしています。
開けたままにすると、ピントを合わせた子どもの前後がぼけやすくなります。一般に、被写体までの距離が遠いほどピントの合う幅は広がるので、客席の後ろから舞台全体を撮るなら、ƒ/1.48でも前後のぼけはあまり目立たないはずです。気をつけたいのは、前の方の席から、何列にも並んだ人を撮る場面です。
18 Proの絞りは、暗い会場では自動を基本にして例外を決めておく
可変絞りは選べる幅が広いぶん、どれを選ぶか迷いやすい部品です。暗い会場に限れば、答えはおおむね決まっています。基本は自動のままにし、カメラにƒ/1.48まで開けてもらう。そのうえで、次の三つの場面だけ、手で決めるかどうかを考えます。
自動のままでよい場面
客席の中ほどから後ろの席で、舞台の上の子どもを1倍か2倍で撮るなら、自動のままで困ることはまずありません。舞台まで十数メートル離れていれば、ピントの合う幅は前後に十分広がり、開けた絞りで前列と後列がぼけて見える心配は小さくなります。暗い場面でカメラが光を多く取り込もうとする働きを、そのまま受け取れば済みます。手間もかかりません。
夜の室内で、子ども一人をアップで撮るときも、自動のままで構いません。背景がぼけて顔が浮き上がる写りは、開けた絞りの持ち味でもあります。ろうそくの光だけでケーキを囲む場面のように光が極端に少ないときは、開けた絞りの明るさがそのまま役に立ちます。
ƒ/1.48に固定したい場面
自動に任せると絞る可能性がある場面で、それでも明るさを優先したいときは、手でƒ/1.48に固定します。暗い舞台のダンスのように動きが速い演目は、その代表です。光が足りないとシャッタースピードが長くなり、手足の動きが流れて写ります。絞りを開けておけば、その分シャッタースピードを短く保ちやすくなります。
体育館で、ひな壇の合唱を客席の後ろから撮る場面も、ƒ/1.48に固定する候補です。グループ写真として自動で絞る可能性がある一方、距離が遠いのでピントの合う幅には余裕があります。絞る理由が薄いのに絞られてしまうと、光が減った分だけ感度が上がり、ざらつきが増えます。距離があるときほど、開けたまま固定する意味が大きくなります。
絞ることを考える場面
反対に、絞ることを考えるのは、近い距離で何列にも並んだ人を撮るときです。発表会の終わりに、前の方の席から出演者全員の記念撮影をする場面や、夜の食卓を囲んだ家族の集合写真がそうです。前列にピントが合って後列がぼけた写真は、あとから直せません。ƒ/1.8かƒ/2.8に絞ると、ピントの合う幅が広がります。
ただ、絞れば光は減ります。ƒ/1.48からƒ/2.8では計算上約1.8段、ƒ/4.0では約2.9段です。暗い室内でƒ/4.0まで絞ると、感度が大きく上がってざらつくか、シャッタースピードが長くなってぶれるか、どちらかの不利を受けやすくなります。全員にピントが合う範囲でいちばん開けた絞りを選ぶ、というのが暗い場所での考え方で、まずはƒ/2.8を試し、足りなければ並び方を変えるほうが、ƒ/4.0に頼るより失敗は少なくなります。
もう一つ、舞台の照明やイルミネーションの光を、星のような光の筋(光芒)として写したいときも絞る理由になります。GIGAZINEの作例記事は、ƒ/1.8から光源に光芒が出始め、ƒ/4.0で長くなるとしています。光芒は好みが分かれる写りで、子どもの顔を明るく写したい発表会の本番では、明るさのほうを優先する人が多いはずです。
ここまでの判断を、はい・いいえで進む図にまとめました。上から順に答えていけば、暗い会場での絞りの決め方が一つに絞られます。
基本は自動のまま。例外の場面だけ手で決める。Duoは絞りを選べない
昼に変えた絞りが、夜まで残ることがある
18 Proの「設定」アプリには、カメラの「設定を保持」という項目があり、その中に「レンズ絞り」があります。これをオンにしておくと、手で選んだ絞りが次にカメラを開いたときにも残ります。運動会の集合写真でƒ/4.0にしたまま、夕方からの音楽会でも同じ絞りで撮ってしまう、ということが起こりえます。
夜の行事で撮り始める前に、画面の絞りの表示を一度確かめる習慣をつけておくと、このずれは防げます。設定を保持の項目ごとの働きは、iPhoneカメラの設定を保持の記事で、行事の朝に設定が戻ってしまう場合とあわせて扱っています。
Duoは絞りを選べない。暗い会場で調整できるのは何か
iPhone Duoのメインカメラは、ƒ/1.6の固定です。仕様ページには、プロレベルのコントロールの記載もありません。日本語版と英語版の両方の仕様ページで確かめても、レンズ絞りやシャッタースピードを手で決める項目は見当たりません。Duoで暗い会場を撮るときは、カメラが決める絞りとシャッタースピードを前提にして、それ以外のところで工夫することになります。
見方を変えれば、Duoの絞りは、18 Proの初期値のƒ/1.8より数字の上では明るい位置に、最初から固定されています。夜の会場で絞りが勝手に絞られることも、昼の設定が残ることもありません。設定を触らずに撮る人にとっては、迷う項目が一つ少ない、という言い方もできます。
露出は、カメラコントロールとピントの固定で決める
Duoにも18 Proにも、カメラコントロールがあります。仕様ページに書かれている機能は、露出、被写界深度、ズーム、カメラ、スタイル、トーンの6つで、両機種で同じ並びです。舞台で顔が白くなったり、全体が暗すぎたりするときは、カメラコントロールの露出で明るさを動かせます。
スポットライトの当たる舞台のように、明るい部分と暗い部分の差が大きい場面では、露出とピントを狙った位置に固定してから撮るほうが、画面の明るさが安定します。その手順と、舞台照明に合わせる考え方は、暗いホールで白飛び・真っ暗になるときの記事に、iPhoneとAndroidに分けてまとめています。この操作はDuoと18 Proで共通なので、どちらを使う場合も同じ手順で構いません。
ピントの合う幅は、距離と並び方で広げる
Duoでは絞りでピントの合う幅を広げられないので、集合写真では撮る距離と並び方で調整します。一般に、被写体から離れるほどピントの合う幅は広がり、並んだ人の前後の差が小さいほど全員にピントが合いやすくなります。前の席から全員を撮るなら、一歩下がって2倍で撮る、並びを横に広げて列の数を減らす、といった方法が使えます。
ぼけの具合は、撮ったあとに扱える部分もあります。仕様ページには、両機種とも「フォーカス機能と被写界深度コントロールが使える次世代のポートレート」があり、ぼけの具合をソフトウェアで扱う機能は共通です。レンズの絞りで決まるぼけとは仕組みが違いますが、夜の室内で一人を撮る場面なら、これで足りることも多いはずです。
スマート撮影は、暗い室内の集合写真で役に立つか
Duoだけにある写真の機能に、スマート撮影があります。Appleの説明では、A20 Pro上のAIのモデルが場面をリアルタイムで分析し、全員の準備ができたら撮影します。暗い室内では、シャッターを押すタイミングを人が計るのが難しくなりがちなので、この働きが役に立つ場面はありそうです。
ただし、暗い場所でどう動くかはAppleの資料に書かれておらず、発売前の今は確かめられません。スマート撮影は撮るタイミングの機能で、写真の明るさやざらつきを変える機能として説明されてはいません。写りのよさを期待して選ぶ理由にはならないと考えておくのが無難です。
手ぶれ補正の差と、暗い会場での持ち方
光が少ないと、カメラが1枚の写真に光を集める時間は長くなりがちです。そのあいだに手が動けば、輪郭がにじんだり二重に写ったりします。明るい屋外では気にならない小さな揺れも、暗い会場では写りに表れやすくなり、手ぶれ補正の働きが写真の出来に直結します。
仕様の書き方は「第2世代」の有無だけ
メインカメラの手ぶれ補正は、18 Proが「第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正」、Duoが「センサーシフト光学式手ぶれ補正」です。どちらもセンサーを動かして揺れを打ち消す仕組みで、違いは「第2世代」という言葉の有無です。どれだけ補正の幅が広いのか、何段分の効果があるのかといった数字は、どちらの資料にもありません。
18 Proの望遠カメラには「3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正とオートフォーカス」があります。望遠は少しの揺れでも大きく写るので、寄った写真のぶれを抑えるための仕組みです。ビデオについては、両機種とも4K・1080p・720pで「映画レベルのビデオ手ぶれ補正」が使えます。動画の揺れの抑え方は、後半の動画の節で触れる記事に譲ります。
重さと形が、持ち方を変える
手ぶれ補正の次に写りを左右するのが、本体をどう支えるかです。18 Proは211g、Duoは254gで、計算上はDuoが43g重く、18 Pro Max(249g)よりも5g重くなります。43gという差は、数字では小さく見えます。それでも、発表会の1演目を通して構えていると、この差は腕の疲れとして表れ、後半の揺れにつながります。
形も違います。18 Proは高さ150.0mm・幅71.9mmの板状で、横向きに構えると長い辺を両手で持つ形になります。Duoを閉じたときは高さ117.8mm・幅84.1mm・厚さ11.3mmで、横に構えたときに両手で持つ長さは計算上32.2mm短くなります。開くと幅164.6mm・厚さ5.2mmになり、内側の7.6インチの画面を大きなファインダーとして使えます。どの持ち方が安定するかは手の大きさで変わるので、Duoの発売後に店頭で構えて確かめてください。重さと大きさの比べ方は254gのiPhone Duoは重いかを比べた記事で詳しく扱っています。
暗い会場で開いたDuoは、画面の明るさに気をつける
Duoを開いて撮ると、内側の大きな画面が客席の暗がりで光ります。両機種とも画面の最小輝度は1ニトまで下げられますが、7.6インチの画面は18 Proの6.3インチより大きく、後ろの席の人の目に入りやすくなります。客席では、画面の明るさを下げる、閉じて外側の5.4インチの画面で撮る、といった配慮をしておくと、周りの席の邪魔になりにくいはずです。
三脚や台に置けるなら、機種の差は小さくなる
手ぶれの問題は、本体を固定できれば大部分がなくなります。三脚や一脚を使える席なら、18 ProでもDuoでも、手持ちよりずっと安定した写りになります。会場によっては客席での三脚を禁止しているので、使えるかどうかは学校や園、ホールの案内で確かめておきます。置き場所の決め方は発表会の三脚をどこに置くかの記事にまとめています。
Duoのヒンジは、週刊アスキーのハンズオン記事(2026年9月11日)で途中の角度で止められるとされています。Appleの資料には書かれていないので、机の上に半分開いて置き、夜の室内の写真やタイムラプスを撮る使い方ができるかは、発売後の情報で確かめてからにしてください。録画の開始と停止は、どちらの機種も音量ボタンでできるので、画面に触れて本体を揺らすことも避けられます。
暗い場所のピント合わせは、仕様の言葉が違うだけで数字は無い
暗い舞台で、画面の中の子どもの顔にピントがなかなか合わず、ぼやけたり合ったりを繰り返す。光が少ないと、カメラはピントを合わせる手がかりも少なくなります。ピント合わせについても、18 ProとDuoの仕様ページの書き方は違います。
Focus PixelsとHybrid Focus Pixels
18 Proのメインカメラは、Focus Pixelsの前に、すべての画素を意味する数字が付いた表記です。メインで撮る2倍も同じ書き方です。Duoのメインと2倍は「Hybrid Focus Pixels」。超広角は両機種とも「Hybrid Focus Pixels」で、18 Proの望遠も「Hybrid Focus Pixels」に、3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正とオートフォーカスが組み合わされています。
名前の違いは確かめられます。けれども、この二つが暗い場所でどう違うのかを、Appleは説明していません。ピントが合うまでの速さや、どのくらいの暗さまで合わせられるかといった数字も、どちらの資料にもありません。18 Proのセンサーの欄にはLiDARスキャナがあり、Duoの仕様ページには記載が無い、という違いもあります。ただ、LiDARスキャナが写真のピント合わせにどう使われるかは、ここで参照した仕様の欄には書かれていないので、暗い場所のピントの差として数えるのは控えます。
ピントが迷うときに、両機種でできること
写真でも動画でも、両機種とも「スマートフォーカストラッキング」があります。名前からは被写体を追ってピントを合わせる機能と読め、仕様ページの書き方は同じです。暗い場所でどこまで追いかけられるかは書かれていません。
舞台でピントが迷うときは、照明の当たった明るい部分、たとえば子どもの顔や衣装の縁を画面で指定すると、手がかりが増えます。露出と一緒にピントを固定する方法は、前の節で触れた白飛びの記事と同じ手順です。ピントの速さは機種の差が数字で示されていないので、手元に両方あるなら、本番と同じくらい暗い部屋で、同じ被写体にピントが合うまでの様子を並べて見るのが確かな比べ方です。
客席から寄ると、暗さの差が広がる
両機種の違いがいちばん大きく表れるのは、客席の後ろから子どもを大きく撮ろうとして、倍率を上げたときです。1倍と2倍はどちらもメインカメラで撮るので、ここまでは絞りの数字の差(計算上約0.2段)と、画素の大きさの公表の有無が違うだけです。2倍を超えたところから、二つの機種は別の道を進みます。
倍率ごとに、どのカメラで撮るか
倍率と、そのとき使うカメラ・絞りを並べると次の表のようになります。焦点距離はAppleの表記の値です。18 Proの4倍と8倍は望遠カメラの倍率で、Duoは2倍を超えるとデジタルズームになります。
倍率
iPhone 18 Pro
iPhone Duo
0.5倍
超広角 13mm・ƒ/2.2
超広角 13mm・ƒ/2.2
1倍
メイン 24mm・可変絞り ƒ/1.48〜ƒ/4.0
メイン 26mm・ƒ/1.6
2倍
メイン 48mm(12MPの光学品質2倍)
メイン 52mm・ƒ/1.6(12MPの光学品質2倍)
4倍
望遠 100mm・ƒ/2.8(48MP)
デジタルズーム(メインの一部を拡大)
8倍
望遠 200mm・ƒ/2.8(12MPの光学品質8倍)
デジタルズーム
最大(写真)
デジタルズーム 40倍
デジタルズーム 10倍
最大(ビデオ)
デジタルズーム 24倍
デジタルズーム 6倍
18 Proの4倍は、ƒ/2.8の望遠カメラに移る
18 Proで4倍にすると、撮影はメインから望遠カメラに移ります。望遠の絞りはƒ/2.8の固定で、メインのƒ/1.48と絞り値の数字だけで比べると計算上約1.8段、光は3割弱になります。画素の大きさも、メインの2.44µmに対して望遠は1.4µmで、面積は約3分の1です。同じ18 Proの中で比べられる数字は、どちらも望遠のほうが暗い場所に向かない方向を指しています。
それでも、望遠カメラには光学で寄れる強みがあります。望遠は48MPのセンサー全体で4倍の画角を写すので、メインの画を4倍に切り出すより、使える画素の数がずっと多くなります。細かいところまで写せる余地が大きい、というのが望遠を持つ意味です。舞台の上は照明が当たっていて客席より明るいので、ピンスポットを浴びた独唱のように被写体が明るい場面なら、ƒ/2.8でも十分な光が届くことがあります。
Duoの4倍は、メインの一部を拡大する
Duoには望遠カメラが無いので、2倍を超えるとメインカメラの画をデジタルで拡大します。レンズはƒ/1.6のメインのままなので、絞り値は変わりません。その代わり、使うセンサーの範囲は倍率が上がるほど狭くなります。1倍を基準にすると、4倍では縦横それぞれ4分の1、面積では16分の1の範囲を拡大することになり、48MPのうち使う画素は計算上約300万です。
ここで、18 ProとDuoの4倍のどちらが暗い会場で明るく、細かく写るかを考えると、仕様の数字だけでは答えが出ません。18 Proは、暗めのレンズと小さな画素で光学的に寄ります。Duoは、明るいレンズのまま小さな範囲を引き伸ばします。両者の引き換えの釣り合いは、場面の明るさと画像処理しだいで、Duoの発売後に同じ条件で撮った作例を見るまでは決められないのです。
どちらが暗い会場で明るく細かく写るかは、仕様の数字だけでは決められない
暗い会場で寄るときの組み立て
どちらの機種でも、暗い会場では2倍までを基本にすると、メインカメラの明るいレンズのまま撮れます。後ろの席から2倍では小さすぎるときに、18 Proなら4倍の望遠に移る、Duoならデジタルズームで少しだけ寄る、と段を分けて考えると、写りの落ち方を自分で選べます。寄るほど手の揺れも大きく写るので、倍率を上げるときは本体の支え方もあわせて見直します。
客席からの距離ごとに、どの倍率でどう撮れるかは、望遠が無いiPhone Duoで舞台は撮れるかを距離別に比べた記事で詳しく扱っています。暗さの問題とは別に、そもそも何メートル離れると顔が小さくなりすぎるか、という見方で選びたいときは、そちらが役に立ちます。
動画では、録画の途中でカメラが切り替わることがある
写真は1枚ずつ撮るので、どのカメラで撮ったかが写りの差になるだけです。動画は1本の中で倍率を変えることがあり、ここに別の問題が生じます。iPhoneの「設定」アプリのビデオ撮影には「カメラをロック」という項目があり、説明は「ビデオ録画中は自動的にカメラを切り替えません。」です。初期設定はオフなので、オンにしなければ、録画中にカメラが切り替わる場合があるということです。
18 Proで録画中に倍率を上げてメインから望遠に移ると、絞りと画素の大きさが変わり、明るさやざらつき、色の写り方が途中で変わって見えることがあります。1本の映像の質をそろえたいなら、録画中は倍率を大きく動かさない、カメラをロックをオンにする、のどちらかを決めておきます。Duoは望遠が無いので、この切り替わりは超広角とメインのあいだだけの話になります。
超広角は両機種で同じ。暗い会場では出番を選ぶ
超広角カメラは、18 ProもDuoも48MPの13mm・ƒ/2.2・120°で、Duoの発表文は18 Proモデルと同じものだと書いています。この部分では機種による差がありません。体育館の全体や、舞台と客席をまとめて入れたいときに使うカメラです。
照明の落ちた会場で使うときは、絞り値に気をつけます。ƒ/2.2は、18 Proのメインのƒ/1.48と数字で比べると計算上約1.1段、Duoのメインのƒ/1.6とは約0.9段暗い値です。18 Proの資料では、超広角の画素は1.4µmで、メインの約3分の1の面積でもあります。舞台の全景を残したいときも、超広角に切り替えるより、メインの1倍で少し下がって撮るほうが、暗い場面では明るさに余裕が出ます。
もう一つ、18 Proで近くのものを撮るときの注意があります。デジカメWatchのレビューは、マクロの撮影で超広角に自動で切り替わると、可変絞りが使えなくなるとしています。夜の室内で、ケーキの飾りや花束を近くから撮るような場面では、カメラが超広角に移ってƒ/2.2になる場合がある、と知っておくと、急に暗く写ったときに原因を見分けやすくなります。マクロ写真の撮影は両機種とも48MPで、仕様ページの書き方も同じです。
ナイトモードは共通。差がつくのはその手前
夜の写真で頼りにされるナイトモードは、18 ProにもDuoにもあります。仕様ページの書き方は「ナイトモード」の一語で、両機種とも同じです。ナイトモードがどのくらいの時間をかけて光を集めるか、どの明るさから働き始めるかといった細かい数字は、どちらの仕様ページにも載っていません。仕様の上では、ナイトモードそのものに機種の差は見当たらないということです。
差がつくとすれば、ナイトモードがはたらく前の段階、つまりレンズとセンサーが受け取る光の量と、そのあいだの手ぶれをどれだけ抑えられるかです。絞り、画素、手ぶれ補正という、これまで見てきた部品の差が、ナイトモードの写真にもそのまま表れると考えられます。とはいえ、その差がどの程度の写りの違いになるかは、ここでも数字では示されていません。
前面のカメラでは、ナイトモードの有無が分かれる
前面のカメラは、事情が違います。18 Proの前面は18MPのセンターフレームカメラ(ƒ/1.9)で、ナイトモードがあります。Duoの外側の前面カメラは12MPのセンターフレームカメラ(ƒ/2.2)で、こちらにもナイトモードがあります。一方、Duoを開いたときに内側の画面の下にあるアンダーディスプレイFaceTimeカメラ(ƒ/1.8)は、仕様ページのナイトモードの欄に記載がありません。
夜の室内で、Duoを開いたまま内側のカメラで自撮りをすると、ナイトモードの記載が無いカメラで撮ることになります。明かりの少ない部屋で自分たちを撮るなら、Duoは閉じて外側のカメラで撮るか、後で触れるように背面のカメラを使うほうが、仕様に書かれた機能を使えます。自撮りとビデオ通話の比べ方はiPhone Duoと18 Proの自撮り・ビデオ通話の記事にまとめています。
動画には、ナイトモードは無い
ナイトモードは写真の機能で、ビデオの欄にあるのは「ナイトモードのタイムラプス」です。舞台の演目を動画で撮るときに、ナイトモードが働いて明るくしてくれるわけではありません。動画で暗い場所に関わるのは、FPS自動調整と、18 ProとDuoの仕様にある「改良された低照度ビデオ(1080p)」で、これは後半の動画の節で触れます。
舞台照明とスポットライトの場面
ホールの発表会で起きる問題の多くは、暗さそのものより、明るさの差から生まれます。舞台の上は照明で明るく、客席と舞台の袖は真っ暗。画面の中に、とても明るい部分ととても暗い部分が同時にあるので、カメラはどこに明るさを合わせればよいか迷います。差が出るのは、手で決められる項目の多さです。
スポットライトで顔が白くなるとき
独唱やピアノのソロで、暗い舞台に一人だけピンスポットが当たる場面を考えます。カメラが画面全体の暗さに引っ張られて明るく写そうとすると、光を浴びた顔や白い衣装が真っ白になり、表情が消えてしまいます。この白くなった部分は、あとで暗くしても戻りません。会場は暗いのに、ここでは光を減らす方向の調整が要ります。
両機種に共通の手は、カメラコントロールの露出で明るさを下げることです。顔の明るさを見ながら、白い部分に頬の陰影が戻るところまで下げます。18 Proはそれに加えて、プロレベルのコントロールでシャッタースピードを決め、ヒストグラムで明るい側の端に山が張りついていないかを確かめられます。ヒストグラムは、画面の中のどの明るさがどれだけあるかを山の形で示すグラフで、右の端に張りついていれば、明るい部分が白くなりかけているしるしです。
色の付いた照明で、肌の色が変わるとき
青や赤の照明が当たる演目では、肌や衣装の色が照明の色に染まって写ります。自動のホワイトバランスは、照明の色を打ち消そうとして、場面ごとに色合いを動かすことがあります。演出として色を付けている照明を、カメラが勝手に打ち消してしまうと、会場で見た雰囲気と違う写真に仕上がってしまいます。
18 Proは、プロレベルのコントロールでホワイトバランスを手で決められるので、演目の始めに色合いを決めて、そのまま撮り続けられます。Duoの仕様ページに、この項目はありません。動画であれば、「設定」アプリのビデオ撮影にある「ホワイトバランスをロック」で、録画中の色合いを固定できます。体育館の照明の色を後から直す方法は、体育館の緑かぶりを直す記事で扱っています。
暗転と明転のあいだは、写真を撮らない
演目の切り替わりで舞台が暗転し、また明るくなるまでのあいだは、写真には向かない時間です。照明が切り替わっている最中は画面の明るさが大きく動くので、明るさの合わない写真になりやすいのです。照明が落ち着いてから露出を合わせ直して撮るほうが、両機種とも失敗が少なくなります。
黒いピアノと、暗い背景のソロ
ピアノの発表会は、暗い場所の撮影でもとくに難しい場面です。黒く大きなピアノと暗い舞台の奥が画面の大部分を占め、明るいのは演奏する子どもの顔と手、楽譜の白さだけ。カメラは画面の黒い部分に引っ張られて全体を明るく写そうとし、顔と楽譜が白くなりやすくなります。
この場面では、最初に顔で露出を合わせ、そのまま固定してから撮り始めます。18 Proなら、ヒストグラムの右端に山が張りついていないかを確かめ、シャッタースピードを手で決めておくと、曲の途中で明るさが動きません。Duoは、カメラコントロールで露出を少し下げた状態で固定します。演奏中は手の動きが速いので、写真は曲の始めと終わりのお辞儀の場面で撮るほうが、手元のぶれを気にせずに済みます。
白い衣装のバレエやダンス
バレエのチュチュや、白い衣装のダンスは、照明を浴びると画面の中でいちばん明るい部分になります。衣装に合わせて露出を下げると顔が暗くなり、顔に合わせると衣装のひだが白くつぶれてしまいます。どちらを残したいかを先に決めておくと、迷わずに済みます。
多くの場合は顔を優先し、衣装の白さは少し明るめになるのを受け入れます。動きの速い演目なので、18 Proは前の節のとおり絞りをƒ/1.48に固定してシャッタースピードを短めに保ち、Duoは何枚か撮って手足が流れていないものを選びます。発表会の記録として残すなら、こうした演目は写真より動画で撮っておき、写真は演目の始まりと終わりの静止したポーズで狙うほうが失敗は少なくなります。
舞台の照明が画面に入るとき
客席の後ろから舞台全体を撮ると、舞台の上の照明器具が画面に入ることがあります。強い光源が画面にあると、光の筋や、レンズの中で反射した光のにじみ(フレア)が写ることがあります。DXOMARKのレビューは、18 Proの短所の一つにフレアを挙げているとされます。Duoについては、発売前で同じ評価が出ていません。
18 Proでは、絞り値によって光源の写り方も変わります。前の節で触れたように、ƒ/1.8から光芒が出始め、ƒ/4.0で長くなるとされます。発表会の本番では、子どもの顔を明るく写すことを優先して、光源が画面に大きく入らない構図を選ぶのが無難です。照明器具を入れた全景は、休憩時間など、舞台が地明かりだけのときに一枚撮っておく方法もあります。
体育館の場面
学芸会や音楽会を体育館で開くと、暗幕を閉めて舞台の照明だけにすることが多くなります。ホールと比べると舞台の照明は少ないことが多く、客席の椅子は平らな床に並ぶので、前の人の頭越しに撮ることになります。後ろの席から舞台までの距離も長くなりがちで、暗さと距離の二つが同時に問題になるのが体育館の特徴です。
暗幕を閉めた体育館は、2倍までで組み立てる
暗幕を閉めた体育館では、舞台の上の照明も、ホールほど強くないことがあります。その場合は、望遠に移ると光が足りなくなりやすく、18 Proでも4倍の望遠は控えめに使うことになります。両機種とも、メインカメラで撮れる2倍までを基本にし、子どもが小さく写る分は、あとで写真を切り出すことで補う、という組み立てが現実的です。
2倍で撮った写真は12MPで、切り出す余裕はそれほど多くありません。1倍で撮って大きく切り出すか、2倍で撮って少しだけ切り出すかは、写真をどう使うかで決めます。家族のスマートフォンで見る、テレビに映す、写真に印刷するなど、大きく表示する予定があるほど、撮る段階で寄っておく意味は大きくなります。
暗幕の隙間と窓の光
昼間の行事では、暗幕を閉めても、隙間や上の窓から外の光が差し込むことがあります。舞台の照明より外の光のほうが強い場所があると、画面の中にその明るい部分が入るだけで、カメラは全体を暗く写そうとします。舞台の子どもの顔が急に暗くなったら、画面の端に窓や隙間の光が入っていないかを見ます。
この光は、撮る位置を少し変えるだけで画面から外せることが多いものです。外せないときは、顔に露出を合わせて固定し、窓の部分が白くなるのは受け入れます。外の光と舞台の照明は色も違うので、一つの画面に両方が入ると、片方が青っぽく、もう片方が黄色っぽく写ることもあります。
照明を点けた体育館では、ちらつきと色に気をつける
卒業式や表彰の場面のように、天井の照明を点けたまま行う行事もあります。暗さの問題は小さくなる一方で、LED照明の明滅が画面のちらつきや横の帯として写ることがあり、照明の色で肌が緑がかって写ることもあります。どちらも機種の差より照明の性質から来る問題です。
18 Proは、プロレベルのコントロールでシャッタースピードを手で決められます。ちらつきの出方を変えられる余地がある、ということです。Duoの仕様ページにはこの項目の記載が無く、シャッタースピードはカメラに任せることになります。ちらつきの原因と、撮ったあとで直せる範囲は、体育館のLED照明で映像がチラつく原因の記事にまとめています。
動きの速い演目は、絞りとシャッタースピードの両方で考える
体育館の舞台では、ダンスのように動きの大きい演目もあります。暗い中で動きを止めて写すには、シャッタースピードを短くする必要があり、そのためには光が要ります。18 Proなら、絞りをƒ/1.48に固定し、シャッタースピードを短めに決めて、足りない明るさは感度に任せる、という組み立てができます。ざらつきは増えますが、手足が流れて写るよりは見やすい写真になります。
Duoでは、絞りはƒ/1.6のまま、シャッタースピードもカメラが決めます。動きの速い場面で写真を何枚か撮り、手足が流れていないものを選ぶ、という方法が取れます。写真の機能の欄には、両機種とも「バーストモード」があるので、連続で撮った中から選ぶ使い方も考えられます。ただ、暗い場所でバーストモードがどのくらいの速さで撮れるかは、資料に書かれていません。
前の人の頭を避ける高さと、周りへの配慮
平らな床に椅子が並ぶ体育館では、座ったままだと前の人の頭が画面に入ります。本体を高く掲げると頭は避けられますが、腕が伸びた姿勢は揺れやすく、暗い場面では写真のぶれにつながります。後ろの人の視界もふさぐので、撮影の場所が決められている行事では、その場所から撮るのが基本です。
Duoを開いて頭上に掲げると、7.6インチの画面が後ろの人の目の前で光ることになります。体育館の暗い客席では、画面の大きさがそのまま周りの迷惑になりやすいので、Duoは閉じて外側の画面で撮るほうが目立ちません。18 Proも、画面の明るさを下げておけば、周りの人の視界を照らさずに済みます。
夜の室内の場面
家の中の夜は、照明を点けていても、カメラにとっては光が少ない場所です。誕生日のケーキのろうそく、クリスマスのツリーの電飾、食卓を囲んだ家族の集合写真など、残しておきたい場面ほど部屋の明かりを暗くしがちです。ここでは、絞りと手ぶれ補正に加えて、フラッシュと前面カメラの違いが関わってきます。
ろうそくの光だけで撮るとき
部屋の明かりを消して、ろうそくの光だけでケーキを囲む場面は、家の中でもとくに暗い場面です。18 Proは自動のままでもƒ/1.48まで開け、Duoはƒ/1.6で撮ります。ナイトモードは両機種にあるので、本体を机や椅子の背に当てて動かないように支え、子どもの顔に明るさを合わせて撮ります。ろうそくの炎が画面の中でいちばん明るいので、炎に明るさが引っ張られて顔が暗くなるときは、露出を少し上げます。
炎を吹き消す瞬間は動きがあるので、ナイトモードで時間をかけると顔や煙が流れて写ることがあります。この瞬間は動画で撮っておき、あとで1コマを選ぶほうが、写真で狙うより確実です。両機種とも、4Kのビデオの撮影中に8MPの静止画を撮れるので、録画しながらシャッターを押しておく方法もあります。
ツリーの電飾を背景に人を撮るとき
クリスマスのツリーの前に子どもを立たせて撮ると、背景の電飾がどう写るかで写真の雰囲気が変わります。18 Proなら、それを決めるのは絞りです。ƒ/1.48まで開けると、背景はぼけやすく、電飾は丸い光の粒になって写ります。ƒ/2.8やƒ/4.0に絞ると、電飾の一つずつが小さくはっきりし、作例記事のとおりなら光芒も出てきます。
Duoはƒ/1.6の固定なので、絞りで電飾の写り方を変えることはありません。子どもとツリーの距離を離すほど、背景はぼけやすくなります。両機種とも、部屋の照明を少しだけ点けておくと、電飾の明るさと顔の明るさの差が縮まり、顔が暗く写りにくくなるはずです。真っ暗な部屋で電飾だけを光らせると、画面の中でいちばん明るいのが電飾になり、顔の光が足りません。
フラッシュは、雰囲気と明るさの引き換え
フラッシュは、18 Proが「アダプティブTrue Toneフラッシュ」、Duoが「True Toneフラッシュ」です。名前が違うことは仕様ページで確かめられますが、アダプティブの働きが写りにどう表れるかは、資料に書かれていません。どちらの機種でも、フラッシュを使えば顔は明るく写り、ざらつきも少なくなります。
その代わり、ろうそくや電飾の柔らかい光は、フラッシュの強い光に負けて写りにくくなります。部屋の雰囲気を残したいならフラッシュを切ってナイトモードで、顔をはっきり残したいならフラッシュで、と目的で使い分けます。眠っている子どもを撮るときや、発表会の客席では、相手や周りのことを考えてフラッシュを使わないほうがよい場面です。会場によっては、案内でフラッシュを禁止していることもあります。
家族の集合写真は、Duoなら背面のカメラで撮れる
夜の室内で家族全員を撮るとき、撮る人も写りたいなら、前面カメラで自撮りをするか、本体をどこかに置いてタイマーで撮ることになります。ここでDuoには、ほかの機種に無い方法があります。外側の画面に背面カメラのライブプレビューを映す「Duo Preview」です。背面のメインカメラ(ƒ/1.6・センサーシフト光学式手ぶれ補正)で撮りながら、写る人が外側の画面で構図を確かめられます。
18 Proで同じことをするなら、前面の18MPカメラ(ƒ/1.9)で撮ることになります。前面カメラにもナイトモードとオートフォーカスがあり、暗い室内でも撮れますが、絞り値の数字ではDuoの背面メインのƒ/1.6のほうが明るい値です。両者のセンサーの大きさは公表されていないので、写りの比べ方は絞り値の数字の範囲にとどめておきます。
Duoには、外側の画面にアニメーションを出して子どもの視線をカメラに向けさせる「キッズキュー」もあります。暗い部屋で小さな子どもを撮るときに、視線を集める工夫として使えそうです。ただし、暗い場所で外側の画面が光ること自体が写りにどう影響するかは、資料からは分かりません。
暗い写真を後で直したいなら、18 ProのProRAW
写真の形式も、暗い場所では違いになります。18 ProはHEIFとJPEGに加えてDNG(ProRAW)で撮れ、Duoの仕様ページにはProRAWの記載がありません。一般に、RAWの形式で撮った写真は、あとで明るさや色を直すときの余地が大きいとされます。暗く写ってしまった室内の写真を、パソコンで丁寧に仕上げたい人には、18 Proのこの機能が選ぶ理由になります。
反対に、撮った写真をそのまま家族に送り、スマートフォンで見る使い方なら、RAWの出番はあまりありません。RAWのファイルはHEIFより扱いに手間がかかるので、撮る写真の目的に合わせて選びます。写真の画質全般の違いは、iPhone Duoと18 Proの写真の画質を比べた記事 で、昼の場面も含めて扱っています。
逆光の場面では、絞りを開けても顔は明るくならない
暗さと一緒に考えておきたいのが、逆光です。昼の室内で窓を背にした子ども、舞台の後ろから当たる照明、夕方の屋外の行事。顔の後ろに強い光があると、カメラは背景の明るさに合わせ、顔は暗い影になります。こちらは暗い会場とは逆に、画面の中に明るすぎる部分があることが原因です。
逆光は、光の量より明るさの差の問題
絞りを開けると画面全体に入る光は増えますが、顔と背景の明るさの比は変わりません。背景も同じだけ明るくなるので、顔だけを明るくする手段にはなりません。逆光で必要なのは、どこに明るさを合わせるかを決めることと、明るさの差そのものを小さくすることで、ここでは可変絞りの有無はあまり関係がないのです。
写真の処理のスマートHDR 5は両機種に共通です。HDRは、一般に明るい部分と暗い部分の両方を残すための処理を指します。それでも差が大きすぎる場面では、顔か背景のどちらかを選ぶことになります。DXOMARKのレビューは、18 Proの短所として、逆光で顔が暗くなることを挙げているとされます。Duoについては、まだ同じような評価がありません。
夕方の屋外の行事
秋の運動会や夏祭りのように、夕方に屋外で行う行事もあります。日が傾くと、太陽の方向によっては撮る相手の真後ろに光が来ます。空はまだ明るいのに、顔は影。逆光と暗さが同時に来る時間帯です。
撮る位置を選べるなら、太陽が横か自分の後ろに来る位置に回ります。それだけで顔に光が当たり、設定を触らずに済みます。位置を選べないときは、顔に露出を合わせて空の白さを受け入れるか、空の色を残して人物をシルエットにするかを決めます。日が沈んだあとは一気に暗くなるので、写真は明るいうちに撮っておき、暗くなってからは動画に切り替える、という順番も考えられます。
顔に明るさを合わせ、背景の白さは受け入れる
逆光で子どもの表情を残したいなら、顔に明るさを合わせ、窓や空が白くなるのは受け入れます。カメラコントロールの露出で明るさを上げるか、顔の位置で露出を固定してから撮ります。18 Proなら、ヒストグラムで暗い側の端に顔の明るさが寄りすぎていないかを確かめられます。どちらの機種でも、撮る位置を横にずらして窓を画面から外す、子どもに少し向きを変えてもらう、といった方法のほうが、設定を触るより手早く解決することがあります。
室内の逆光なら、フラッシュで顔を照らす方法もあります。背景の明るさはそのままに、顔だけに光を足せるので、窓際の写真では役に立ちます。舞台の逆光の照明は演出として当てていることもあり、シルエットとして写るのが意図どおりの場面もあります。顔を明るく写すことにこだわりすぎず、会場で見えたとおりの写りを残すという考え方もあります。
場面ごとの確かめ方
ここまでの舞台照明、体育館、夜の室内、逆光の四つの場面で、撮る前に確かめることを一覧にしました。どの項目も、18 ProとDuoのどちらにも当てはまるように書き、18 Proだけに当てはまる項目にはそのことを添えています。
18 Proだけに当てはまる項目には、そのことを添えている
動画で撮るときに、写真と違うところ
ここまで写真を中心に見てきましたが、発表会を撮る人の多くは動画も撮ります。動画でも、絞り・画素・手ぶれ補正・望遠という部品の差はそのまま関わります。それに加えて、動画にしかない設定がいくつかあり、その詳しい扱いはそれぞれの記事に任せます。
18 Proのプロレベルのコントロールは、ビデオのモードでも使えるので、絞りやシャッタースピード、ホワイトバランスを決めて録画できます。Duoは、写真と同じくカメラに任せて撮ります。ビデオのデジタルズームは、18 Proが最大24倍、Duoが最大6倍です。寄って撮る動画では、写真と同じく2倍を超えたところから使うカメラが分かれます。
写真と動画を1台で撮るとき
発表会では、1台で動画を撮りながら写真も残したい、という人が多いはずです。両機種とも、4Kのビデオを撮影しながら8MPの静止画を撮れます。演目の途中で写真のモードに切り替えると、録画が途切れるうえに、露出の固定もやり直しになります。動画を止めずに撮り続け、残したい瞬間だけ録画中にシャッターを押す、という使い方なら、暗い会場でも設定を一度決めたまま進められます。
8MPの静止画は、写真のモードで撮る24MPや48MPの写真より画素の数が少なく、写真としてじっくり残したい場面には向きません。お辞儀や集合写真のように動きの止まった場面は、演目と演目のあいだに写真のモードで撮り、演目の最中は動画に任せる、と分けておくと迷いません。
暗い場所に関わる動画の設定
動画の設定でまず知っておきたいのが「FPS自動調整」です。暗い場面でフレームレートを24fpsに下げて、映像を見やすくする設定で、iOS 27のユーザガイドには「iPhone 18 Proモデルでは、4Kで録画するときにもFPS自動調整が動作します」とあります。発表会でオンにしておくかどうかの判断はiPhoneのFPS自動調整の記事 で扱っています。
もう一つは、18 ProとDuoの仕様にある「改良された低照度ビデオ(1080p)」です。1080pで暗い場所を撮った映像を改良したという一行で、どれだけ明るくなるかの数字は示されていません。この一行の読み方と、暗い体育館での設定の組み方はiPhoneの改良された低照度ビデオの記事 に、Duoの動画の機能全体はiPhone Duoの動画性能の記事 にまとめています。
発売前のDuoを、暗い会場のために選ぶ前に確かめること
iPhone Duoの予約は2026年10月16日(金)21時に始まり、発売は10月23日(金)の予定です。この記事を書いている時点では、Duoを手に取って撮った写真の評価はまだ出ていません。発表会の会場で行われたハンズオンの記事はありますが、MacRumorsも週刊アスキーも、作例の画質までは評価していません。写りについて今言えるのは、ここまでの仕様から見込める違いだけです。
行事の日付と発売日を先に並べる
まず確かめたいのは、撮りたい行事の日付です。10月の中旬に学芸会や音楽会があるなら、その日にDuoはまだ手元にありません。予約してすぐに届くとは限らないので、10月の行事は、今持っている機種か18 Proで撮る前提で準備しておくほうが確実です。11月以降の行事なら、発売後の評価を見てから決める時間があります。
発売後に見るとよい情報
Duoの発売後に、暗い場所の写りを判断する材料として役に立つのは、同じ場所・同じ明るさで18 ProとDuoを撮り比べた作例です。明るい屋外の作例だけでは、ここで見てきた絞りや画素の差はほとんど分かりません。室内の夜景や、照明を暗くした部屋で人を撮った作例、2倍を超えて寄った作例があるかを探すと、この記事で見込みとして書いたことが、実際にどう表れるかを確かめられます。
仕様の面でも、確かめ直したいことがあります。DuoでProRAWやプロレベルのコントロールが使えないことは、仕様ページに記載が無いことまでは確かめましたが、サポートの技術仕様ページやユーザガイドでDuoを対象にした記述は、まだ確かめられていません。発売後にそれらのページが出たら、絞りやシャッタースピードを手で決める項目が本当に無いのか、念のため見ておくと安心です。
去年の写真を見返して、困ったことを分ける
買い替えを決める前に、去年の発表会や学芸会で撮った写真と動画を見返してみます。困った写真を、顔が白くなった、全体がざらついた、ぶれた、小さくしか写らなかった、の四つに分けると、どちらの機種がその困りごとに関係するかが見えてきます。
顔が白くなった写真が多いなら、原因は露出の合わせ方で、機種を替えても同じことが起きます。小さくしか写らず、拡大するとざらつく写真が多いなら、寄り方の問題です。後ろの席から4倍以上で寄りたいなら18 Proの望遠が、2倍で足りるならどちらでも、という目安になります。ぶれた写真が多いなら、手ぶれ補正の世代より、支え方を見直す余地のほうが大きいはずです。絞りやシャッタースピードを自分で決めたかった場面が多いなら、それは18 Proにしか無い機能です。
店頭で確かめられること、確かめられないこと
発売後に店頭でDuoを手に取れるようになっても、明るい売り場では暗い会場の写りは確かめられません。店頭で見ておけるのは、閉じたときと開いたときの構えやすさ、カメラコントロールで露出を動かす操作、外側の画面に背面カメラのプレビューを出すDuo Previewの見え方など、持ち方と操作の部分です。暗い場所の写りは、手元に届いてから、本番と同じくらい暗い部屋で試し撮りをして確かめます。
18 ProとDuoの2台で撮るなら、暗さで役割を分ける
家族の一人が18 Proを、もう一人がDuoを持っているなら、2台で撮る分担を考えられます。分担は、機種ごとの得意な倍率で決めるのが分かりやすい方法です。どちらのメインカメラも明るい絞り値なので、引きの画はどちらでも撮れます。差が出るのは寄りの画のほうです。
寄りは18 Pro、引きはDuoが組みやすい
舞台の上の子どもを大きく撮る寄りの画は、望遠カメラのある18 Proに任せます。照明の当たった舞台なら4倍の望遠が使え、暗すぎる場面では2倍に戻す、と倍率を選べます。舞台全体を写す引きの画は、Duoのメインの1倍で撮ります。引きの画は三脚や台に置いて、演目の始めから終わりまで止めずに撮り続けると、寄りの画が暗くて使えなかった部分を差し替えられます。
逆にすると、Duoが寄りの担当です。2倍を超えたところからは、デジタルズームに頼ることになります。寄りの画を2倍に収められる席なら、どちらに任せても構いませんが、後ろの席なら18 Proに寄りを任せるほうが、選べる倍率の幅に余裕があります。
2台の設定と色をそろえる
2台の映像を編集でつなぐなら、撮影の大きさ(1080pか4Kか)、フレームレート、HDRビデオのオンとオフ、FPS自動調整の設定をそろえておきます。片方だけ設定が違うと、つないだところで動きの質や色の濃さが急に変わって見えます。
同じA20 Proのチップを使う2台でも、センサーとレンズが違えば、同じ照明の下で色合いや明るさが少し違って写ることがあります。本番の前に、同じ部屋で同じ被写体を2台で撮って並べておくと、どのくらい違うかが分かります。動画なら「ホワイトバランスをロック」で1本の中の色の揺れは防げるので、2台の差は編集で片方に合わせて直します。
本番までの段取り
照明の落ちた会場での撮影は、当日の設定より前の準備で結果の多くが決まります。とくに18 Proは、絞りや設定の保持のように、前に使ったときの状態が残る項目があります。行事の1週間前から帰宅したあとまでを、次のように並べておけば、当日に迷う場面は減らせます。
Duoは10月23日発売予定。それより前の行事は今の機種か18 Proで準備する
1週間前は、会場の決まりを確かめる
撮影してよい場所、三脚や一脚を使えるか、フラッシュを使えるかは、会場と主催者によって違います。学校や園の配布物、ホールの案内に書かれていることが多いので、1週間前には確かめておきます。撮影を禁止して記録の映像を配る行事もあり、その場合は手元の機種の性能を比べる必要がそもそもありません。
数日前に、本番と同じくらい暗い部屋で試す
夜に部屋の照明を暗くし、スタンドの明かりだけにします。その部屋で、本番で使う倍率と設定のまま試し撮りをします。18 Proなら、自動のままの写真と、ƒ/1.48に固定した写真を撮り比べ、ざらつきとピントの合う幅を見ておきます。Duoなら、1倍と2倍、さらにデジタルズームで寄った写真を並べ、どこまでなら使えるかの線を自分で決めておきます。
前日と当日の朝は、設定の状態を見る
前日には、空き容量と電池の残りを確かめ、18 Proでは画面の絞りの表示が意図したものになっているかを見ます。設定を保持で「レンズ絞り」をオンにしている人は、昼の行事の絞りが残っていないかを確かめます。当日、座席に着いたら、開演前の舞台で露出を試し、画面の明るさを下げておきます。演目の最中は、倍率と設定をなるべく動かさないことが、暗い会場で写りをそろえるいちばんの近道です。
帰宅したら、元のファイルを移してから見返す
帰宅したその日のうちに、撮った写真と動画の元のファイルをパソコンや外付けSSDに移しておきます。iPhoneの本体から消してしまう前に、移した先で開けるかを確かめます。暗い場面の写真や動画は、明るい場所で撮ったものより、あとで明るさを直したくなることが多いので、編集する前の元のファイルを残しておくことに意味があります。
見返すときは、明るさを上げたスマートフォンの画面だけで判断しないようにします。暗い部屋で明るい画面に映すと、暗い場面も実際より明るく見えます。テレビやパソコンの画面でも見ておくと、家族に配ったときの見え方に近くなります。
失敗の型と、見分け方・直し方
発表会の写真で起きる失敗は、いくつかの型に分けられます。症状から原因を見分けられれば、次の演目からその場で直せます。写真アプリで写真を開いて上にスワイプすると、撮影したデバイス、レンズ、シャッター速度などの情報を確かめられるので、原因を見分けるときの手がかりになります。
顔が白くなり、表情が消えている
スポットライトの当たった顔や、白い衣装が真っ白になっている状態です。カメラが暗い客席や背景に合わせて明るく写そうとしたことが原因で、明るい部分に陰影が残っていないことで見分けられます。18 Proならヒストグラムの右端に山が張りついているはずです。直し方は、カメラコントロールで露出を下げるか、顔の位置で露出を固定してから撮ることで、両機種とも同じです。
写真全体がざらついている
光が足りず、カメラが感度を上げたときの症状です。まず写真の情報でレンズを確かめます。18 Proで望遠や超広角で撮っていたなら、倍率を2倍以下に戻してメインカメラで撮り直します。メインで撮っていたのにざらつくなら、絞りがƒ/2.8やƒ/4.0のままになっていなかったかを確かめ、暗い場面ではƒ/1.48に戻します。Duoでデジタルズームを使っていたなら、倍率を下げて、あとで切り出すほうに切り替えます。
顔の輪郭がにじむ、二重に写る
にじみには、手ぶれと、被写体の動きによるぶれの二つがあります。背景の舞台の縁や照明まで同じ向きに流れていれば手ぶれ、子どもの手足だけが流れていれば被写体の動きです。手ぶれなら、肘を体に付ける、台に当てる、三脚を使うといった支え方で直します。被写体の動きなら、18 Proではシャッタースピードを短めに決め、Duoでは動きの止まった瞬間を狙うか、何枚か撮って選びます。
前の列だけピントが合い、後ろの列がぼけている
近い距離から何列にも並んだ人を、開けた絞りで撮ったときの症状です。18 Proなら、ƒ/1.8かƒ/2.8に絞って撮り直します。Duoは絞りを変えられないので、一歩下がって2倍で撮る、並びを横に広げて列を減らす、という方法で直します。撮ったあとでピントの位置は動かせないので、集合写真は撮ったその場で拡大して、後ろの列の顔を確かめておきます。
録画の途中で、明るさや色が急に変わった
倍率を上げたときにカメラが切り替わったか、照明の変化に合わせて自動の調整が動いたことが考えられます。どの時点で変わったかを見て、倍率を動かした直後なら、カメラの切り替わりが原因の候補です。次からは「カメラをロック」をオンにするか、録画中は倍率を大きく動かさないようにします。色の変化なら「ホワイトバランスをロック」を使います。
動画の暗い場面だけ、動きがカクカクする
明るい場面ではなめらかなのに、暗転のあとや照明の落ちた演目だけ動きがぎこちなく見える症状です。FPS自動調整がオンになっていると、暗い場面でフレームレートを24fpsに下げるので、1本の中で動きの細かさが変わります。18 Proでは4Kで撮るときにもこの調整が働きます。iPhoneの多くの機種にある設定なので、発表会の前にオンとオフのどちらにするかを決めておきます。判断の目安は、動画の節で触れたFPS自動調整の記事にまとめています。
撮っているときは明るく見えたのに、あとで見ると暗い
暗い客席でiPhoneの画面を見ていると、目が暗さに慣れているため、画面の中の映像が実際より明るく感じられます。家に帰って明るい部屋で見ると、思っていたより暗い、ということが起こりやすいのです。18 Proなら、撮りながらヒストグラムで暗い側に山が寄りすぎていないかを確かめられます。Duoでは、開演前の舞台で試しに撮った1枚を、画面の明るさを変えずに拡大して、顔の明るさを確かめておくと目安になります。
近くのものを撮ったら、急に暗く写った
夜の室内で、ケーキの飾りや花束に近づいて撮ったときに起こりえます。18 Proでは、マクロの撮影で超広角に自動で切り替わると可変絞りが使えなくなるとされ、超広角のƒ/2.2で撮ることになります。少し離れて2倍で撮るか、明かりの近くに被写体を移して撮り直します。
撮った動画を家族に残す、ディスクにする
発表会で撮った動画は、家族のスマートフォンで見るだけでなく、祖父母に渡したり、何年か先に見返したりすることもあります。撮ったあとは、元のファイルをできるだけ早くパソコンや外付けSSDに移しておくと、本体の容量にも余裕ができます。暗い場面のざらつきは、編集で明るくするとさらに目立つので、明るさを直すなら少しずつにとどめます。
テレビで見られる形にして配るなら、DVDかブルーレイにする方法があります。当社は大阪・梅田にある、動画のデータからDVD・ブルーレイを作る書き込み代行の小さな店で、受け付けるのは完成した動画のデータです。当社で作るDVDは720×480・29.97fpsのMPEG-2、ブルーレイは1920×1080で、4Kで撮った映像もこの大きさにして収めます。暗い場面のざらつきは、映像を小さくして圧縮するDVDのほうが目立ちやすく、暗い演目の多い発表会ならブルーレイのほうが撮ったときの写りに近く残ります。
HDRビデオで撮った映像を自分で編集した場合は、書き出しの段階でSDRにして、色と暗い部分を確かめてから送ってください。入稿は、動画をギガファイル便やGoogleドライブなどに上げ、その共有URLを注文フォームに貼る形で、iPhoneからでもできます。演目ごとに分けたファイルは、名前の頭に「01_」「02_」と付ければ、その番号の順に収録します。配る相手の再生機や配る日など、伝えておきたいことは注文フォームの備考欄に書けます。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
基本料金(DVD・1枚あたり)は1,500円(税抜)で、オーサリングと書き込み、ケースへの入れ込みを含みます。基本料金(Blu-ray・1枚あたり)も1,500円です。
祖父母や親族の分など、同じ内容を何枚も作るときは、2枚目から追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)の1,000円になります。通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。注文はDVDの注文ページ から、ブルーレイは同じサイトのブルーレイの注文ページから進められ、注文の前に確かめたいことは相談・問い合わせフォームで受け付けています。
暗い会場のためにどちらを選ぶか、次に決めること
暗い会場だけを考えて選ぶなら、判断の分かれ目は二つです。一つは、後ろの席から2倍を超えて寄る撮り方をするかどうか。寄るなら、望遠カメラを持ち、絞りやシャッタースピードを手で決められる18 Proのほうが、場面に合わせて選べる幅が広くなります。もう一つは、設定を触らずに撮るかどうか。1倍と2倍で撮り、カメラに任せて撮るなら、ƒ/1.6のメインを持つDuoとの差は、仕様の数字の上では小さくなります。
夜の室内で家族全員を撮る機会が多いなら、背面カメラのまま構図を確かめられるDuo Previewも、選ぶ理由の一つになります。画面の大きさ、重さ、電池、動画の機能まで含めて、撮るものと使い方から決めたいときは、iPhone Duoと18 Proのどちらを選ぶかの判断表を使ってください。動画の仕様をほかのiPhoneと並べて見たいときは、iPhone動画の仕様一覧 が便利です。
どちらを選んでも、暗い会場の写りを決めるのは、最後は撮る前の準備です。行事の日付とDuoの発売日を並べ、数日前に同じくらい暗い部屋で試し、当日は露出を顔に合わせて、倍率を動かさずに撮る。Duoを考えている人は、10月23日の発売後に出る暗い場所の作例を一つ見てから決めても、11月以降の行事には十分間に合います。
よくある質問
Q. iPhone Duoと18 Proは暗い場所でどちらが明るく写るか A. 仕様からは決められません。メインの絞りは18 Proがƒ/1.48まで開く可変絞り、Duoがƒ/1.6の固定で、絞り値だけなら計算上約0.2段の差です。ただし両機種ともセンサーの大きさを公表しておらず、Duoは発売前で作例もまだありません。発売後に同じ条件で撮り比べた作例を見て判断するのが確実です。
Q. ƒ/1.48とƒ/1.6の差は写真で分かるほどか A. 絞り値だけで計算すると、センサーの同じ面積に届く光はƒ/1.48のほうが約17%多く、段に直すと約0.2段です。1段の差の5分の1ほどで、写真を見比べて気づくかどうかの小さな差です。しかもセンサーの大きさが違えば写りの明るさの比較にはならないので、この数字だけで機種を選ぶ理由にはなりません。
Q. iPhone 18 Proの絞りは暗い会場で手で変えるべきか A. 基本は自動のままで構いません。Appleの説明では、暗いところでは絞りを自動で調整して光を多く取り込みます。手で決めるのは、動きの速い演目でƒ/1.48に固定したいとき、近い距離で何列も並んだ人を撮るためにƒ/1.8かƒ/2.8に絞るときなど、例外の場面です。昼に変えた絞りが残っていないかも確かめてください。
Q. iPhone Duoで絞りやシャッタースピードを決められるか A. Duoの仕様ページには、レンズ絞りやシャッタースピードを手で決めるプロレベルのコントロールの記載がありません。メインの絞りはƒ/1.6の固定です。暗い会場では、カメラコントロールの露出で明るさを調整し、露出とピントを固定して撮る方法が使えます。サポートの技術仕様ページやユーザガイドの記述は、発売後に確かめ直すと安心です。
Q. ナイトモードはiPhone Duoと18 Proで違うのか A. 背面カメラのナイトモードは両機種にあり、仕様ページの書き方も同じです。差がつくとすれば、ナイトモードがはたらく前のレンズとセンサーが受け取る光の量と、手ぶれ補正です。前面カメラでは、18 ProとDuoの外側のカメラにナイトモードがあり、Duoの内側のアンダーディスプレイカメラには記載がありません。
Q. 暗い体育館で後ろの席から寄って撮るならどちらがよいか A. 2倍までなら両機種ともメインカメラで撮れ、差は小さくなります。2倍を超えると、18 Proは4倍・8倍でƒ/2.8の望遠カメラに移り、Duoはメインの一部を拡大するデジタルズームになります。暗い場面ではどちらも不利が増えるので、2倍までを基本にし、18 Proなら照明の当たった舞台で望遠を使う、と段を分けて考えます。
Q. iPhone 18 Proの望遠カメラは暗い場所に弱いのか A. 望遠の絞りはƒ/2.8で、メインのƒ/1.48と絞り値で比べると計算上約1.8段、画素の大きさもメインの2.44µmに対して1.4µmです。同じ18 Proの中では、どちらの数字も望遠のほうが暗い場所に向かない方向です。ただ、舞台の上は照明で客席より明るいので、ピンスポットを浴びた場面なら望遠でも撮れることがあります。
Q. 暗い会場でƒ/4.0に絞ると写真は暗くなるか A. カメラが明るさを自動で決めているときは、暗くなるとは限りません。減った光の分を感度で補うので、明るさは保たれても、ざらつきが増えやすくなります。ƒ/1.48からƒ/4.0までの差は計算上約2.9段です。暗い場所で絞るときは、全員にピントが合う範囲でいちばん開けた絞りを選ぶのが基本です。
Q. 逆光で子どもの顔が暗いとき可変絞りで直せるか A. 直せません。絞りを開けると画面全体の光が増えるだけで、顔と背景の明るさの比は変わらないからです。顔に明るさを合わせて露出を上げ、窓や空が白くなるのは受け入れるか、撮る位置をずらして明るい背景を画面から外します。室内ならフラッシュで顔だけに光を足す方法もあります。
Q. 夜の室内の集合写真はiPhone Duoのほうが撮りやすいか A. Duoには、外側の画面に背面カメラのプレビューを映すDuo Previewがあり、撮る人も写る集合写真を、背面のメインカメラ(ƒ/1.6)のまま撮れます。18 Proでは前面の18MPカメラ(ƒ/1.9)で撮ることになります。暗い場所での写りの差は、Duoの発売後の作例で確かめるまでは見込みにとどまります。
Q. 暗い場所の写真を後で明るく直したいならどちらか A. 18 ProはHEIFとJPEGに加えてDNG(ProRAW)で撮れ、Duoの仕様ページにはProRAWの記載がありません。一般に、RAWの形式は後で明るさや色を直すときの余地が大きいとされます。パソコンで暗い写真を丁寧に仕上げたい人には18 Proが向き、撮ってそのまま家族に送る使い方ならRAWの出番は少なくなります。
Q. 10月中旬の学芸会にiPhone Duoは間に合うか A. Duoの予約は2026年10月16日(金)21時から、発売は10月23日(金)の予定です。10月中旬の行事の日には、まだ手元にありません。予約してすぐ届くとは限らないので、10月の行事は今持っている機種か18 Proで撮る前提で準備し、数日前に暗い部屋で試し撮りをしておくのが確実です。