この記事の要点
DVD1枚の収録時間は固定ではなく、総ビットレート で決まり、片面1層4.7GBなら5Mbpsで約2時間、4Mbpsで約2時間37分が計算値です。
計算式は容量(GB)×8,000÷総ビットレート(Mbps)=収録できる秒数 の1本だけで、逆に尺から必要ビットレートも求められます。
DVD-Videoの規格上限は総10.08Mbps・映像9.8Mbps で、これを超える設定はディスクに書けず、上げても元素材以上の画質にはなりません。
音声はリニアPCMだと90分で約1.04GB を占め、ドルビーデジタル256kbpsの約0.17GBと比べて4.7GBの2割以上を消費します。
3時間を超える映像や動きの激しい映像は、2層ディスク・Blu-ray・2枚組 のいずれかに逃がすほうが画質を守れます。
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発表会の記録が2時間20分ある。講演会が3時間ある。結婚式の全編を1枚にまとめたい。こういうとき最初にぶつかるのが「DVD1枚に何分入るのか」という疑問です。検索すると「約2時間」と書かれていることが多いのですが、これは条件付きの数字で、設定次第で1時間にも5時間にもなります。
DVDの収録時間は、ディスクの容量を1秒あたりのデータ量で割ったものです。つまり「何分入るか」ではなく「何Mbpsで書くか」を先に決める話で、そこが決まれば時間は電卓1回で出ます。逆に、尺が先に決まっているなら必要なビットレートを逆算できます。
この記事では、片面1層4.7GBと片面2層8.5GBそれぞれのビットレート別収録時間、音声形式が食う容量、長時間を1枚に押し込むときに何から削るべきか、そしてどこから先は2枚組やBlu-rayに逃がすべきかを、実際に計算できる形で示します。手元の動画ファイルの長さと容量が分かれば、読みながらそのまま自分の素材で判断できます。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
結論|片面1層DVDは5Mbpsで約2時間、2層8.5GBなら約3時間45分が現実的な上限 計算式は1本だけ|容量(GB)×8,000÷ビットレート(Mbps)=収録できる秒数 片面1層と2層の差|4.7GBと8.5GBで、収録時間は約1.8倍になる 画質モードの正体|長時間モードは解像度を720×480から352×480に落としている 音声も容量を使う|リニアPCMは90分で約1.04GB、ドルビーデジタルなら約0.17GB 長時間を1枚に収める妥協点|削る順番は「音声形式→ビットレート→解像度」 Blu-rayに逃がす判断|25GBなら20Mbpsで約2時間47分、50GBなら約5時間33分 2枚組にする判断基準|3時間超え、または動きの多い映像で2層に収まらないとき 制作を頼む前に確認する3項目|尺・音声形式・元データのビットレート よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
結論|片面1層DVDは5Mbpsで約2時間、2層8.5GBなら約3時間45分が現実的な上限
先に答えから書きます。市販の空DVD-Rでよく使われる片面1層は4.7GB(4,700,000,000バイト)で、ここに総ビットレート5Mbpsで書くと計算上は約2時間5分入ります。メニュー画面やファイルシステムの余白を見込むと、実務では約2時間 と考えるのが安全です。片面2層のDVD-R DL(8.5GB)なら同じ5Mbpsで約3時間47分、余白を見て約3時間45分です。
ビットレートを変えたときの計算値を並べると、収録時間が固定ではないことがはっきりします。
総ビットレート
片面1層 4.7GB
片面2層 8.5GB
3.0 Mbps
約3時間29分
約6時間17分
4.0 Mbps
約2時間37分
約4時間43分
5.0 Mbps
約2時間05分
約3時間47分
6.0 Mbps
約1時間44分
約3時間09分
8.0 Mbps
約1時間18分
約2時間22分
10.08 Mbps(規格上限)
約1時間02分
約1時間52分
表の一番下にある10.08Mbpsは、DVD-Video規格が定める映像・音声・字幕を合わせた総データレートの上限です。映像単体では9.8Mbpsまでと決まっています。つまりどれだけ画質を上げても、片面1層のDVDに1時間02分より長い映像を最高設定で入れることはできません 。ここがDVDという規格の天井です。
逆に下方向は、規格上は352×240といった低い解像度も許されているため、理論上は5時間でも6時間でも入ります。家庭用レコーダーの「LP」「EP」「6時間モード」といった表示は、この低いほうの設定を使っています。入るか入らないかで言えば入る、ただし見え方が変わる、というのが正確な答えです。
実務で使う数字としては、次の3段階を覚えておくと判断が速くなります。90分以内なら片面1層で余裕を持って高めのビットレートが使える。90分から2時間なら片面1層で標準的な画質。2時間を超えたら2層かBlu-ray、あるいは2枚組を検討する、という区切りです。
計算式は1本だけ|容量(GB)×8,000÷ビットレート(Mbps)=収録できる秒数
収録時間の計算に難しいところはありません。使う式は次の1本です。
収録できる秒数 = ディスク容量(GB) × 8,000 ÷ 総ビットレート(Mbps)
8,000という数字は「GB→Mbit」の換算係数です。1GB=1,000MB、1バイト=8ビットなので、1GBは8,000Mbitになります。ビットレートの単位がMbps(メガビット毎秒)なので、ビットに揃えてから割ると秒数が出ます。
実際にやってみます。片面1層4.7GBに5Mbpsで書く場合、4.7×8,000=37,600Mbit。これを5で割ると7,520秒、60で割って125.3分、つまり2時間5分です。表の値と一致します。
尺のほうが先に決まっているなら、式をひっくり返します。
使える総ビットレート(Mbps) = ディスク容量(GB) × 8,000 ÷ 収録秒数
2時間20分(8,400秒)の映像を片面1層に入れたい場合、4.7×8,000÷8,400=約4.48Mbps。ここから音声分を引いた残りが映像に使えるビットレートです。音声にドルビーデジタル256kbpsを使うなら、映像は約4.2Mbpsになります。
実効容量は公称より少し小さく見積もる
4.7GBのディスクに4.7GB分きっちり書けるわけではありません。ファイルシステムの管理領域、メニュー画面、チャプター情報、字幕データが別に必要です。さらに可変ビットレート(VBR)で書く場合、平均値どおりに収まらず数パーセントぶれることがあります。
そのため、計算するときは公称容量の95%程度を使える容量として扱う と失敗が減ります。4.7GBなら4.4GB、8.5GBなら8.0GB、Blu-ray 25GBなら23.5GBです。4.4GBで5Mbpsを計算し直すと約1時間57分となり、「2時間の映像を5Mbpsで1層に」はぎりぎり成立しないことが分かります。この場合は4.8Mbps程度に落とすか、素材を2つに割るかの判断になります。
手元の素材から必要ビットレートを出す手順
自分の動画ファイルで判断するときは、次の順に確認します。
動画の長さを秒に直す(1時間52分なら 112×60=6,720秒)
上の逆算式に入れて、使える総ビットレートを出す
元ファイルの現在のビットレートを調べる(ファイルサイズ(MB)×8÷秒数=Mbps でおおよそ出ます)
元のビットレートより計算結果が低ければ、そのぶん圧縮がかかる
4つめが大事なところで、元ファイルが3Mbpsで撮られた映像に対して6Mbpsを割り当てても、失われた情報が戻るわけではありません。データ量が増えるだけで見た目は変わらない、というのが基本です。この関係は画質を落とさずにコピーする条件 を整理した記事でも同じ話になります。
尺が先に決まっているなら、式をひっくり返して使える帯域を出す
片面1層と2層の差|4.7GBと8.5GBで、収録時間は約1.8倍になる
DVDには層の数と面の数で複数の種類があります。制作でよく使うのは次の2つです。
呼び方
構造
容量
用途
DVD-5(片面1層)
1面1層
4.70GB(約4.38GiB)
一般的な空DVD-R。標準
DVD-9(片面2層)
1面2層
8.54GB(約7.96GiB)
市販映画などプレス品に多い
書き込み用のメディアでは、片面2層はDVD-R DLまたはDVD+R DLと呼ばれ、容量は8.55GB(8,550,000,000バイト)です。プレスのDVD-9とほぼ同じ容量になります。
4.7GBが8.5GBになると、単純計算で1.82倍の時間が入ります。5Mbpsで2時間5分だったものが3時間47分になる、という差です。2時間半や3時間の素材を画質を落とさず1枚にまとめたいときは、2層が現実的な選択肢になります。
2層にすると出てくる注意点
容量が増える代わりに、いくつか気をつける点があります。
ひとつはレイヤーブレイク です。2層ディスクは再生中に読み取る層を切り替える瞬間があり、そこで一瞬映像が止まる機種があります。オーサリングの段階で、切り替え位置をシーンの変わり目やチャプターの境界に置いておくと目立ちにくくなります。逆に、動きの続いている場面の途中に切り替え位置が来ると気になりやすい、と考えられます。
もうひとつは再生機器との相性です。片面1層に比べると、2層ディスクは古いプレーヤーで読み込みに時間がかかったり、読めない個体があったりします。配布先の再生環境が幅広い場合(高齢のご家族に配る、企業の会議室にある古いプレーヤーで流す、など)は、2層に頼るより2枚組にしたほうが確実性は上がります。再生環境の考え方は家庭用プレーヤーの互換性 の記事で整理しています。
なお、両面ディスク(DVD-10、DVD-18)も規格としては存在しますが、途中でディスクを裏返す必要があり、レーベル印刷できる面も減るため、一般的な映像制作ではほとんど使われません。
GBとGiBの食い違い
4.7GBのディスクをパソコンに入れると「4.38GB」と表示されて驚くことがあります。これは単位の定義の違いです。ディスクメーカー各社は1GB=1,000,000,000バイトで表記し、Windowsなどは1,024の3乗(1GiB=1,073,741,824バイト)で表示します。4,700,000,000÷1,073,741,824=約4.38。容量が減っているわけではありません。
オーサリングソフトによってどちらの単位で残量を出すかが違うので、計算するときは常にバイト数か、10進のGBに揃える のが安全です。この記事の式も10進のGBで統一しています。
画質モードの正体|長時間モードは解像度を720×480から352×480に落としている
家庭用レコーダーの「XP」「SP」「LP」「EP」といったモード名は、メーカーごとに定義が違うため、名前だけでは何分入るか判断できません。ただし中身でやっていることは共通しています。ビットレートを下げるか、解像度を下げるか、その両方 です。
DVD-Video規格で使える映像解像度は、NTSC(日本の方式)では次のとおり決まっています。
解像度
通称
用途の目安
720×480
フルD1
標準。市販DVDもこれ
704×480
4SIF
フルD1とほぼ同等
352×480
ハーフD1
長時間モードでよく使われる
352×240
SIF
さらに長時間向け。画質低下が大きい
PAL方式では480が576に置き換わります(720×576など)。日本国内向けの制作ならNTSCの720×480が基準です。
ここが「6時間モード」のからくりです。352×240は720×480に比べて画素数が4分の1しかありません。1画素あたりに同じデータを割り当てても総量が4分の1で済むので、同じ容量に4倍近い時間が入ります。ただし当然、テレビの画面いっぱいに引き伸ばして表示することになるため、文字がつぶれ、輪郭がにじみます。
解像度を落とす前にビットレートで調整する
実務上の優先順位は、まず720×480を維持したままビットレートを下げ、それでも収まらない場合にだけ解像度を検討する という順番です。理由は、解像度を半分にした時点で失われる細部は取り戻せないのに対し、ビットレートを4Mbps程度まで下げても、動きの少ない映像であれば劣化が目に付きにくいためです。
目安として、素材の性質で必要なビットレートは変わります。あくまで一般的な傾向ですが、次のように考えられます。
固定カメラの講演、対談、式典のスピーチ:画面の変化が少ないため、4Mbps前後でも実用範囲
発表会、学芸会、屋内イベント:カメラワークと人の動きがあるため、5Mbps前後を確保したい
ダンス、スポーツ、照明が明滅する舞台、紙吹雪や水しぶき:情報量が多く、6Mbps以上あると安心
動きの激しい映像でビットレートが足りないと、動いている部分が四角いブロック状に崩れる「ブロックノイズ」が出ます。特に暗いシーンでの明滅や、細かい模様の衣装は破綻しやすい部分です。
4Kやフルハイビジョンの素材をDVDにすると必ず縮む
スマートフォンやビデオカメラで撮った映像は1920×1080や3840×2160であることがほとんどですが、DVDに入れる時点で720×480まで縮小されます。これは規格上そうなっているためで、設定で回避できるものではありません。もとの解像感を残したいなら、記録先をBlu-rayにするしかありません。両者の差はDVDとブルーレイの違い の記事で数字を並べて説明しています。
撮った映像はDVDで720×480に縮み、長時間モードはさらに画素を減らす
音声も容量を使う|リニアPCMは90分で約1.04GB、ドルビーデジタルなら約0.17GB
収録時間の計算で見落とされがちなのが音声です。DVD-Videoの総ビットレート10.08Mbpsは映像だけの枠ではなく、音声も字幕も含めた合計です。音声形式の選び方ひとつで、映像に回せるビットレートが1Mbps以上変わることがあります。
DVD-Videoで使える主な音声形式と、そのデータ量は次のとおりです。
音声形式
ビットレート
90分あたりの容量
4.7GBに占める割合
ドルビーデジタル(AC-3) 2ch
192 kbps
約130MB
約2.8%
ドルビーデジタル(AC-3) 2ch
256 kbps
約173MB
約3.7%
ドルビーデジタル(AC-3)
448 kbps(規格上限)
約302MB
約6.4%
DTS
754.5 kbps
約509MB
約10.8%
リニアPCM 48kHz/16bit/2ch
1,536 kbps
約1,037MB(約1.04GB)
約22.1%
リニアPCMは無圧縮なので、48,000Hz×16bit×2chをそのまま掛け算した1,536kbpsが常に流れ続けます。90分で1GBを超え、4.7GBのディスクの2割以上を音声が持っていく計算です。映像に使える容量はその分減ります。
DVD-Video規格ではリニアPCMは最大6,144kbpsまで許されていますが、これは多チャンネル・高ビット深度の場合の上限で、通常のステレオ音声なら1,536kbpsです。
どちらを選ぶか
判断は素材の性質で決まります。
音楽が主役の場合 (コンサート、ピアノ発表会、合唱、バンドのライブ):音の情報量が価値そのものなので、リニアPCMを選ぶ意味があります。ただし収録時間は短くなるので、90分を超えるならディスクを分けるか2層を使う判断が必要です。
話し声が中心の場合 (講演、セミナー、インタビュー、式典):ドルビーデジタル192〜256kbpsで十分に聞き取れます。ここで節約した1.3Mbps前後を映像に回したほうが、全体の仕上がりは良くなります。
発表会や運動会など混合 :ドルビーデジタル256〜384kbpsが落としどころになりやすい範囲です。
なお、DVD-Videoは最大8本の音声トラックと最大32本の字幕トラックを持てますが、多言語音声や解説音声を複数入れるとその本数分だけ容量を消費します。音声を2本入れれば、上の表の容量が単純に2倍かかると考えてください。
音ズレは容量とは別の問題
ここまでは容量の話ですが、実務でよく起きるトラブルに「変換したら音がずれた」があります。これは可変フレームレートで撮影されたスマートフォン映像を固定フレームレートに変換する過程で起きやすく、ビットレートを上げても直りません。元データの形式によって扱いが変わるため、MOVとMP4の違い|動画ファイル形式の種類(AVI・MKVほか)と使い分け で自分の素材がどの種類か確認しておくと、原因の切り分けが早くなります。
長時間を1枚に収める妥協点|削る順番は「音声形式→ビットレート→解像度」
「どうしても1枚にまとめたい」という場面はよくあります。配布枚数が多い、記念品として1枚にしたい、といった理由です。このとき、何から削るかには順番があります。
1. 音声形式を見直す(見た目に影響しない)
リニアPCMを使っているなら、ドルビーデジタル256kbpsに変えるだけで1.28Mbps分が浮きます。話し声中心の素材なら、聞き取りやすさへの影響はほとんどありません。90分の素材で約860MB、4.7GBの18%が空きます。ここが最も費用対効果の高い削りどころです。
2. 不要な部分を切る(時間そのものを短くする)
収録時間そのものを削れるなら、それが一番効きます。開演前の客席の映像、休憩時間、機材の準備中、終演後の片付け。実際に見返されない部分が10分あれば、その10分ぶんのビットレート予算が本編に回ります。2時間30分を2時間10分にできれば、片面1層でも4.8Mbpsを確保できる計算です。
3. ビットレートを下げる(720×480は維持する)
ここまでで足りなければビットレートを下げます。ただし下限の感覚は持っておいたほうがよく、720×480を維持したまま3Mbpsを下回るあたりから、動きのある場面で崩れが目に見えてくると考えられます。動きの少ない素材なら3.5Mbps程度でも実用範囲ですが、ダンスや舞台照明のある映像で3Mbps台まで落とすのは勧められません。
4. 解像度を落とす(最後の手段)
352×480まで落とせば理論上は5時間以上入りますが、テレビの大画面で見ると横方向のにじみがはっきり分かります。防犯カメラ映像の保存や、内容が確認できればよい記録用途以外では現実的ではありません。
見た目に影響しないところから削り、解像度は最後に回す
やってはいけない削り方
ときどき見かける失敗が、「とりあえず圧縮率の高い形式に変換してからDVDに焼く」という手順です。DVD-Videoで使える映像形式はMPEG-2(一部MPEG-1)に限られているため、H.264やHEVCに一度変換してからDVD用に戻すと、二重に圧縮がかかって画質だけが落ちます。元素材から直接MPEG-2に変換するのが原則です。
また、MP4ファイルをそのままディスクに書き込んでも、家庭用DVDプレーヤーでは再生できません。DVDとして再生するにはVIDEO_TSフォルダの構造を作る工程が必要で、これをオーサリング と呼びます。ここを飛ばすと、パソコンでは開けるのにテレビでは何も映らない、という状態になります。
Blu-rayに逃がす判断|25GBなら20Mbpsで約2時間47分、50GBなら約5時間33分
DVDの規格上限が総10.08Mbpsである以上、「高画質で3時間」という要望はDVDでは物理的に成立しません。ここを解決する選択肢がBlu-rayです。
Blu-rayの容量は、片面1層が25GB(25,025,314,816バイト)、片面2層が50GB(50,050,629,632バイト)です。映像のビットレートは最大40Mbpsまで使えます。DVDの4倍以上の帯域があり、1920×1080のまま記録できます。
総ビットレート
BD 25GB(1層)
BD 50GB(2層)
10 Mbps
約5時間33分
約11時間06分
15 Mbps
約3時間42分
約7時間24分
20 Mbps
約2時間47分
約5時間33分
25 Mbps
約2時間13分
約4時間27分
35 Mbps
約1時間35分
約3時間10分
ここでの15〜25Mbpsという数字は、H.264で1080pを扱うときによく使われる帯域です。同じ20Mbpsという値でも、DVDでは規格上そもそも設定できません。「3時間の舞台をフルハイビジョンのまま1枚に」という要望なら、Blu-ray 50GBに15Mbps前後で入れる、というのが具体的な回答になります。
Blu-rayを選ばないほうがいい場合
ただし容量だけで決めると失敗します。配布先にBlu-rayプレーヤーがなければ再生できません。DVDプレーヤーはBlu-rayを読めませんが、Blu-rayプレーヤーはDVDを読めます。この非対称性があるため、「配る相手の再生環境が分からない」場合はDVDのほうが届く確率が高い という判断になります。
実際の現場では、次のような使い分けが多くなります。
不特定多数に配る、年配の方に渡す、部数が多い:DVD
本人・関係者用の保存版、映像作品としての品質が要る、3時間を超える:Blu-ray
両方必要:DVD版とBlu-ray版を別に作る
3つめは珍しくない選択で、たとえば出演者全員にDVDを配り、主催者と記録用にBlu-rayを数枚作る、という組み合わせです。ディスクメーカーでは基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)からで1枚単位の注文を受けているため、こうした「DVDを20枚とBlu-rayを2枚」といった組み合わせでも対応できます。
保存を目的にするなら容量以外も見る
長期保存を意識するなら、収録時間だけでなく保管方法も併せて考えたほうがよいところです。ディスクは温度・湿度・光の影響を受けるため、収録に成功しても保管が悪ければ数年で読めなくなることがあります。DVD・CDの正しい保管方法 を押さえたうえで、大切な映像は元データもクラウドやハードディスクに残しておく二重化が現実的です。
2枚組にする判断基準|3時間超え、または動きの多い映像で2層に収まらないとき
1枚に押し込むより2枚に分けたほうがよい場面があります。判断の基準を具体的に挙げます。
分けたほうがよいケース
片面2層でも計算上4Mbpsを下回る :8.5GBに4Mbpsで4時間43分。これを超える尺なら、画質を守るには分割が必要です。
内容に自然な区切りがある :第1部・第2部、午前・午後、クラス別、演目別。区切りで分けると視聴時も探しやすくなります。
配布先に古いプレーヤーが多い :片面1層のDVD-R 2枚のほうが、片面2層1枚より再生できる機器の範囲は広くなります。
音楽をリニアPCMで残したい :音質を優先するとどうしても時間が入らないため、分割との相性がよい選択です。
分けないほうがよいケース
結婚式のエンドロールのように、途中で止めたくない一続きの映像
配布枚数が多く、コストと手間が2倍になる影響が大きい場合
2時間30分以内で、片面2層に5Mbps以上で収まる場合
分けるときの実務
分割位置は、映像の切れ目ではなく内容の切れ目 に置きます。時間で機械的に半分にすると、演目の途中で切れて不自然になります。1枚目を1時間20分、2枚目を1時間50分といった不均等な分け方でも問題ありません。
そのうえで、盤面に「Disc 1/Disc 2」と印刷しておくこと、ケースの背表紙にも同じ番号を入れておくことが実用面で効きます。棚に立てたときに順番が分かるかどうかで、後から見返すときの手間がまったく違います。ディスクメーカーでは盤面へのレーベル印刷とケース・背表紙の印刷に対応しており、メニュー画面の作成やチャプター分けも含めて仕上げられます。レーベルやジャケットのデータを自分で用意する場合の作り方はDVD・CDのレーベルとジャケットの入稿データの作り方 にまとめています。
チャプターは、分割の代わりにはなりませんが、長い1枚を見やすくする効果があります。演目ごと、章ごとに区切っておけば、リモコンのスキップで目的の場面に飛べます。2枚組にせず1枚にまとめる判断をしたときほど、チャプター設計は効いてきます。
制作を頼む前に確認する3項目|尺・音声形式・元データのビットレート
ディスク制作を依頼するとき、あるいは自分で焼くときに、先に決めておくと手戻りが減る項目が3つあります。
1. 収録する映像の正確な長さ
「だいたい2時間」ではなく「2時間14分32秒」まで把握しておきます。数分の差で、片面1層に収まるか2層が必要かが変わることがあります。複数ファイルをつなげる場合は、合計時間を出しておきます。
2. 音声をどうするか
音楽主体でリニアPCMを希望するのか、話し声中心で圧縮音声でよいのか。ここが決まらないと使えるビットレートが確定しません。前述のとおり90分で約870MBの差が出るため、収録時間がぎりぎりの案件では判断が変わります。
3. 元データのビットレートと形式
元ファイルのサイズと長さが分かれば、おおよそのビットレートは「サイズ(MB)×8÷秒数」で出せます。元が3Mbpsしかないのに6Mbpsを指定しても意味がないため、この数字は上限の目安として使えます。形式(MP4/MOV/AVIなど)と解像度、フレームレートも併せて伝えておくと変換方針が決まります。
尺と音声形式が決まれば、1層か2層か、DVDかBlu-rayかは計算で決まる
入稿と納期の実際
データの受け渡しは、ダウンロードできる共有URLで受け付けています。ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorage などが使えます。長時間の映像は元データも数十GBになることがあるため、アップロード時間を見込んで早めに準備しておくと安全です。ギガファイル便を使う場合の手順はギガファイル便での入稿ガイド にまとめています。
納期は通常便のほか、お急ぎ(+1,500円、平日15時までの注文・入稿で翌々日までに発送)、特急(+3,000円、平日15時までの注文・入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(+3,500円、平日12時までの注文・入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)を用意しています。長時間の映像は変換そのものに時間がかかるため、尺が長い案件ほど余裕を持ったスケジュールにしておくほうが確実です。
料金は基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)からで、再生できる形にするオーサリングは料金に含まれます。
収録時間の相談は、制作に入る前の段階で片づけておく項目です。尺と音声形式が決まれば、1層か2層か、DVDかBlu-rayか、1枚か2枚組かは計算で決まります。判断に迷う場合は、映像の長さと内容の性質を伝えてもらえれば、こちらで収まりを計算したうえで提案します。
よくある質問
Q. DVD1枚に何時間入りますか A. 設定によって変わります。片面1層4.7GBの場合、総ビットレート5Mbpsなら計算上約2時間5分、4Mbpsなら約2時間37分、3Mbpsなら約3時間29分です。片面2層8.5GBならそれぞれ約3時間47分、約4時間43分、約6時間17分になります。メニュー画面やファイルシステムの余白を見込むと、実務では公称容量の95%程度で計算しておくと安全です。市販の映画DVDと同等の画質を保つなら、片面1層で2時間前後が目安になります。
Q. DVDの収録時間はどう計算しますか A. 「ディスク容量(GB)×8,000÷総ビットレート(Mbps)=収録できる秒数」で求められます。8,000は1GBを8,000Mbitに換算する係数です。片面1層4.7GBに5Mbpsなら、4.7×8,000÷5=7,520秒、つまり約2時間5分です。逆に尺が決まっているときは「容量(GB)×8,000÷収録秒数=使える総ビットレート」で逆算できます。総ビットレートには音声も含まれるので、映像に使える分は音声のビットレートを引いた残りになります。
Q. DVDのビットレートの上限はいくつですか A. DVD-Video規格では、映像・音声・字幕を合わせた総データレートが10.08Mbps、映像単体では9.8Mbpsが上限と定められています。これを超える設定はディスクに書き込めません。この上限があるため、片面1層のDVDに最高設定で入れられるのは約1時間02分までとなります。なおビットレートを上げても元素材の情報量以上にはならないため、元が低いビットレートで撮影された映像に高い値を指定しても、データ量が増えるだけで見た目は変わりません。
Q. DVDに3時間の映像を入れられますか A. 入れられますが、画質との引き換えになります。片面1層4.7GBに3時間を入れるには総ビットレートを約3.5Mbps以下に抑える必要があり、動きの多い映像ではブロックノイズが出やすくなります。片面2層8.5GBなら約6.3Mbpsを確保できるため、画質を保ったまま1枚に収まります。動きの激しい映像や、配布先に古いプレーヤーが多い場合は、2枚組に分けるかBlu-rayを選ぶほうが仕上がりは安定します。
Q. 片面2層DVDにすると何時間入りますか A. 片面2層のDVD-R DLは8.55GB(プレスのDVD-9は8.54GB)で、片面1層4.7GBの約1.8倍です。総ビットレート5Mbpsで約3時間47分、6Mbpsで約3時間09分、4Mbpsで約4時間43分入ります。ただし再生中に読み取る層が切り替わる瞬間があり、機種によっては一時的に映像が止まることがあります。また古いプレーヤーでは読み込みに時間がかかる場合があるため、配布先の再生環境が幅広いときは2枚組も検討する価値があります。
Q. 音声形式で収録時間は変わりますか A. 変わります。DVDの総ビットレート10.08Mbpsは音声も含めた枠なので、音声が重いほど映像に回せる分が減ります。リニアPCM(48kHz/16bit/2ch)は1,536kbpsで、90分あたり約1.04GBを消費し、4.7GBの2割以上を占めます。一方ドルビーデジタル256kbpsなら90分で約173MB、約3.7%です。音楽が主役ならリニアPCM、話し声中心ならドルビーデジタルを選ぶと、映像に使えるビットレートを確保できます。
Q. レコーダーの6時間モードは画質がどう落ちますか A. 長時間モードは、ビットレートを下げるだけでなく解像度そのものを落としています。DVD-Video規格ではNTSCの場合720×480が標準ですが、長時間モードでは352×480や352×240が使われます。352×240は720×480の4分の1の画素数しかないため、テレビの画面に引き伸ばすと文字がつぶれ、輪郭がにじみます。収録時間を稼ぐときは、まず720×480を維持したままビットレートを下げ、それでも足りない場合の最後の手段として解像度を検討する順番が安全です。
Q. Blu-rayなら何時間入りますか A. 片面1層25GBの場合、総ビットレート20Mbpsで約2時間47分、15Mbpsで約3時間42分、25Mbpsで約2時間13分です。片面2層50GBならそれぞれ約5時間33分、約7時間24分、約4時間27分になります。Blu-rayは映像で最大40Mbpsまで使え、1920×1080のまま記録できるため、長時間かつ高画質という要望に応えられます。ただしDVDプレーヤーではBlu-rayを再生できないため、配布先の再生環境が分からない場合はDVDのほうが届く確率は高くなります。