この記事の要点
ビデオのデジタルズームは最大24倍。光学品質と書かれるのは0.5倍から8倍までで、8倍を超えた分は画面の一部を切り出して引き伸ばしている
計算上、8倍なら4Kの画面を引き伸ばさずにまかなえる。16倍で使うセンサーの範囲はフルHDと同じくらいの画素、24倍ではその半分ほどになる
倍率を上げると手の揺れも同じ割合で大きく写る。8倍から24倍に上げると揺れは3倍。三脚や手すりで支えられないなら8倍で止める
寄る撮影は4K/30fpsか4K/60fpsが基本。4Kで撮っておけば、あとで2倍に切り出してもフルHDの画素が残る
DVDは720×480なので24倍でも画素は足りる。ブルーレイ(1920×1080)では16倍あたりから引き伸ばしが見え始める
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運動会のトラックの外、ロープの後ろから、ゴールに走り込んでくる子どもの顔を撮りたい。発表会のホールの中ほどの席から、舞台の端に立つわが子だけを画面いっぱいにしたい。iPhone 18 Proを手にして最初の行事を迎える人が気になるのは、ズームをどこまで上げてよいかだと思います。
iPhone 18 Proのビデオで使えるデジタルズームは、最大24倍です。そのうちAppleが「光学品質」と書いているのは8倍までで、8倍から先は、センサーに写った画の一部を切り出して画面いっぱいに引き伸ばしています。計算上の目安では、8倍なら4Kの画面を引き伸ばさずにまかなえ、16倍でフルHDと同じくらいの画素、24倍ではその半分ほどの画素から1コマを作ることになります。
行事の記録なら、8倍までを基本にして、そこから先は支え方と仕上げの形(DVDかブルーレイか)を見て決めるのが無理のない使い方です。以下、倍率の段の選び方、距離から必要な倍率を出す計算、手ぶれと暗い会場の扱い、4Kで撮ってあとで切り出す方法、ディスクにしたときの見え方の順に書きます。機種と仕様は2026年10月時点の情報で、iPhone Duoは10月23日発売予定のため、仕様ページの記載だけで比べています。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
先に答え。ビデオは24倍まで寄れて、光学品質は8倍まで 仕様ページの「光学品質」「光学」「デジタル」を読み分ける カメラアプリで選べる倍率の段と、録画中に倍率を変える方法 8倍を超えると何が起きるか。センサー側で使う画素を計算する 距離から必要な倍率を出す。画面の横幅は「距離×1.4÷倍率」 自分の会場で倍率を計算してみる。三つの例 倍率を3倍にすると、揺れも3倍に写る 暗いホールや体育館で望遠を使うときに起きること 残りの15項目を見る 寄って撮るときの解像度とフレームレート。4K/30fpsか4K/60fps 4Kで引いて撮り、あとで切り出す。撮影中の24倍と何が違うか 編集ソフトで切り出すときは、何倍まで切ってよいか 倍率を決める順番。演目の前に決めて、途中で動かさない 場面別の倍率の目安。運動会・発表会・卒業式・試合 寄って撮ったときの失敗の型と、その場での直し方 シネマティック・アクションモード・スローモーションで寄るとき 撮ったあとに、写り方とファイルを確かめる DVD・ブルーレイにすると、寄った映像はどう見えるか 行事の前日と当日の朝に確かめること 縦か横か、音はどう録れるか。寄る撮影で見落としやすい2点 家族のiPhone Duo・17 Pro・17と撮り分ける 寄って撮った4Kの動画を家族に送るとき 撮った動画をディスクにするまで。当社に頼むときの入稿 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
先に答え。ビデオは24倍まで寄れて、光学品質は8倍まで
iPhone 18 Proの技術仕様ページには、写真の欄に「8倍の光学品質ズームイン、2倍の光学ズームアウト、16倍の光学品質ズームレンジ」、ビデオ撮影の欄に「最大24倍のデジタルズーム」と書かれています。2倍の光学ズームアウトは0.5倍の超広角のことで、0.5倍から8倍までの幅が16倍になる、という読み方です。写真のデジタルズームは最大40倍ですが、ビデオは24倍までです。写真と動画で上限が違います。
背面のカメラは3つで、仕様ページの焦点距離は、Fusion超広角が13mm、可変絞りのFusionメインが24mm、Fusion望遠が100mm(4倍)です。これに「12MPの光学品質2倍望遠での撮影時」の48mmと、「12MPの光学品質8倍望遠での撮影時」の200mmが加わります。24mmを1倍とすると、13mmが0.5倍、48mmが2倍、100mmが4倍、200mmが8倍にあたります。
倍率
仕様ページの焦点距離
Appleの書き方
画の作られ方(記事の整理)
0.5倍
13mm
Fusion超広角(2倍の光学ズームアウト)
超広角のカメラで撮る
1倍
24mm
Fusionメイン(可変絞り)
メインのカメラで撮る
2倍
48mm
12MPの光学品質2倍望遠での撮影時
メインの48MPのセンサーの中央を使う
4倍
100mm
Fusion望遠(4倍)
望遠のカメラで撮る
8倍
200mm
12MPの光学品質8倍望遠での撮影時
望遠の48MPのセンサーの中央を使う
8倍を超えて24倍まで
記載なし
最大24倍のデジタルズーム(ビデオ)
画の一部を切り出して引き伸ばす
表の右の列は、仕様ページの書き方から当社が整理したものです。2倍と8倍の行は、それぞれ48MPのメインと望遠のカメラと同じ焦点距離の系統に「12MP」と書かれていて、高い画素数のセンサーの中央を1,200万画素ぶん使う作りと読めます。Appleはこれを光学品質と呼び、レンズを替える光学ズームとは書き分けています。言葉の違いには意味があります。
行事でどこまで使うかの目安は、次の三段に分けると決めやすくなります。8倍までは、Appleが写真の欄で光学品質とする範囲で、計算上は4Kの画素が足りる。8倍から16倍は、手ぶれを抑えられれば、ブルーレイの画素まではまかなえる。16倍から24倍は、DVDなら画素は足りるものの、揺れが大きく、顔が見分けられるかを画面で確かめてから使う。数字の根拠は、このあとの節で計算して示します。どれも簡単な掛け算です。
迷ったら8倍です。 8倍で小さければ、4Kのまま撮って、あとで切り出します。24倍は、支えがあり、子どもが止まっている場面のためにとっておきます。
解像度とフレームレートの組み合わせも、仕様ページで確かめておきます。4Kは24・25・30・60・100・120fps、1080pは25・30・60・120fps、720pは30fpsで、4Kの100・120fpsと1080pの120fpsには「Fusionメイン」と書き添えられています。寄って撮る行事では4K/30fpsか4K/60fpsが中心になり、その理由は後半の解像度とフレームレートの節で書きます。
18 Proで動画まわりに増えたこと全体(4K/60fpsのシネマティック、4Kのタイムラプス、可変絞りなど)は、iPhone 18 Proの動画新機能 に一覧でまとめています。この記事は、そのうちの「寄って撮る」ことだけを、行事の現場の手順として書きます。
仕様ページの「光学品質」「光学」「デジタル」を読み分ける
iPhoneのズームの説明には、似た言葉が3つ出てきます。光学ズームは、焦点距離の違うレンズ(カメラ)に切り替えて、センサーに写る像そのものを大きくすることです。デジタルズームは、写った画の一部を切り出して引き伸ばすことです。光学品質は、Appleが高い画素数のセンサーの中央を使う倍率(2倍と8倍)に付けている言葉です。Appleは定義を書いていませんが、切り出してはいても、出てくる画の画素数が十分に残る範囲を指していると読めます。
18 Proでいえば、4倍は100mmの望遠のカメラに切り替わる光学の倍率です。8倍は同じ望遠のカメラの48MPのセンサーの中央を使う光学品質の倍率です。8倍を超えると、望遠の画をさらに切り出すデジタルズームになります。ここが境目です。数字の上では連続してズームしていても、画の作られ方は途中で何度か変わっています。見た目では気づきません。
24倍の576mmは24mmの24倍として計算した相当の値で、仕様ページには無い
図は、倍率ごとの焦点距離を並べたものです。24倍の576mmは仕様ページに無い数字で、24mmの24倍として当社が計算した相当の値です。8倍の200mmから24倍の相当576mmまでの伸びは、レンズではなく切り出しで作られています。
写真は40倍、ビデオは24倍
同じ18 Proでも、写真のデジタルズームは最大40倍、ビデオは最大24倍と、仕様ページで別々に書かれています。ビデオの上限が低い理由はAppleの資料に書かれていません。分かるのは、動画では40倍まで寄れず、ピンチしてもダイヤルを回しても24倍で止まる、ということだけです。写真モードで40倍まで寄れた感覚のままビデオに切り替えると、思ったより寄れないと感じるかもしれません。
17 Pro・16 Pro・Duo・17との比べ
倍率の数字は機種で違います。家族が別の機種を持っているときや、買い替えの前後で比べるときのために、仕様ページの表記をそのまま並べます。
機種
ズームの表記(写真の欄)
ビデオのデジタルズーム
iPhone 18 Pro/18 Pro Max
8倍の光学品質ズームイン、2倍の光学ズームアウト、16倍の光学品質ズームレンジ
最大24倍
iPhone 17 Pro/17 Pro Max
8倍光学品質ズームイン、2倍光学ズームアウト、16倍の光学品質ズームレンジ
最大15倍
iPhone 16 Pro/16 Pro Max
5倍の光学ズームイン、2倍の光学ズームアウト、10倍の光学ズームレンジ
最大15倍
iPhone Duo(10月23日発売予定)
2倍の光学品質ズームイン、2倍の光学ズームアウト、4倍の光学品質ズームレンジ
最大6倍
iPhone 17
2倍の光学ズームイン、2倍の光学ズームアウト、4倍の光学ズームレンジ(カメラの欄は「12MPの光学品質2倍望遠での撮影時」)
最大6倍
17 Proと18 Proは、焦点距離の並び(13mm・24mm・48mm・100mm・200mm)も光学品質の範囲も同じです。違うのはビデオのデジタルズームの上限で、15倍から24倍に伸びました。16 Proは望遠が5倍の光学ズームなので、5倍までは光学、その先は15倍までデジタルです。Duoと17は2倍までが光学品質(17はカメラの欄で光学品質と書き、ズームの行では光学と書いています)で、ビデオは6倍までです。Air・17e・16eを含むほかの機種の動画の仕様はiPhone動画の仕様一覧 で1枚の表にしています。
Pro Maxと倍率の差は無い
18 Proと18 Pro Maxは、技術仕様ページのカメラとビデオ撮影の欄が同じです。焦点距離、光学品質の範囲、ビデオの24倍まで、差はありません。画面の大きさが違うので、撮影中に顔が見分けられるかの見え方は少し変わりますが、記録される画の条件は同じと考えてかまいません。
カメラアプリで選べる倍率の段と、録画中に倍率を変える方法
iPhoneのユーザガイド(iOS 27版)の「iPhoneのカメラでビデオを撮影する」には、録画中にできる操作として、画面をピンチしてズームイン・アウトすること、「.5x」「1x」「2x」「3x」「4x」「5x」「8x」(お使いのモデルに応じて)をタップすること、「1x」を押さえたままにしてダイヤルをスライドすること、対応モデルではカメラコントロールでズームすることが書かれています。どの機種にどの数字が出るかまでは書かれていません。
18 Proの焦点距離から考えると、画面に並ぶのは0.5・1・2・4・8の段になりそうですが、ユーザガイドが機種ごとに示していない以上、ここは断定できません。届いた日にビデオモードを開き、画面の下に並ぶ数字を一度見ておくのが確実です。1分もかかりません。3倍や5倍のボタンは、ほかの機種の望遠の倍率に合わせた数字と考えられます。
録画中の4つの操作と向き不向き
ボタンをタップすると、倍率は一度に切り替わります。1倍から大きな倍率のボタンへ押すと画面が瞬時に寄るので、録画中にこれをすると、見る人には画が急に変わったように見えます。演目の途中で使うなら、切り替えた直後の1〜2秒は、あとで編集で切る前提にしておくと気が楽です。
ピンチは指の動かし方しだいで速さが変わり、細かな倍率に止めにくい操作です。片手でiPhoneを持ち、もう片方の指でピンチすると、そのぶんだけ本体が揺れます。三脚に載せていても、画面に触れる操作は揺れのもとになります。指一本でも揺れます。
「1x」を押さえたままにすると出るダイヤルは、指をすべらせて倍率をなめらかに変えられます。ダイヤルには数字が出るので、「12倍で止める」のように決めた倍率に合わせやすい方法です。録画を始める前に倍率を決めておくときにも使えます。
カメラコントロールは、18 Proの側面にあるボタンで、技術仕様ページには調整できる項目として「露出、被写界深度、ズーム、カメラ、スタイル、トーン」が挙がっています。ユーザガイドの手順は、カメラコントロールを軽く2回押して設定のオーバーレイを開き、「ズーム」まで指をスライドさせて軽く押し、指をもう一度スライドさせてズームする、というものです。画面に指を触れずにズームできるので、三脚に載せたまま倍率を変えたいときに向いています。
録画中に倍率を動かすなら、ゆっくり一定に
どうしても録画中に寄りたい、たとえば入場してくる子どもを全体から顔へ寄せたい場面では、ダイヤルかカメラコントロールを使い、指を同じ速さで動かします。2〜3秒かけて8倍から12倍へ、くらいの速さなら、見る人も画の変化についていけます。速く動かすと、寄る途中の画が流れて、何を撮っているのか分からない数秒になります。寄り終わったら指を離し、倍率をそのまま保ちます。行ったり来たりを繰り返すと、テレビで見たときに酔いやすい映像になります。
倍率は録画の前に決めておく
どの操作でも、録画中に倍率を大きく動かすと、その数秒は画が流れて見づらくなります。行事の記録では、演目や競技が始まる前に倍率を決め、始まったら倍率を動かさず、構図はiPhoneの向きで追う、という順番が失敗の少ないやり方です。倍率は固定、向きで追う。これだけです。決めた倍率でピントと明るさを固めてから録画を始める手順は、あとの「倍率を決める順番」の節に書きます。
8倍を超えると何が起きるか。センサー側で使う画素を計算する
デジタルズームで画が粗くなるのは、画面の一部だけを使うからです。どれくらい減るかは、倍率から計算できます。ここでは仕様ページの「12MPの光学品質8倍望遠での撮影時」を出発点にして、8倍より先でセンサーのどれだけの範囲の画素から1コマを作るかを数えます。計算の前提は三つで、どれもAppleが公表しているものではなく、計算のために置いた仮定です。
一つめは、1,200万画素の写真を縦横4:3(横4,000×縦3,000ほど)とみなすことです。16:9の動画に使えるのは上下を切った部分で、その4分の3、約900万画素(横4,000×縦2,250ほど)になります。二つめは、4Kの動画を一般的な3840×2160、約830万画素とすることです。iPhoneの4Kの実寸は、Appleの日本語の資料には明記がありません。三つめは、ビデオでも写真の12MPと同じ範囲を使うとすることです。12MPの表記は仕様ページのカメラの欄のもので、ビデオの8倍でセンサーのどこまでを使うかは書かれていません。手ぶれ補正(拡張)がオンなら、使う範囲はこれより少し狭くなります。
記録される動画の大きさは、倍率にかかわらず4Kなら4Kのままです。8倍を超えてセンサー側で使う画素が4Kより少なくなると、その差は引き伸ばして補われます。下の表の数字は、記録される動画の画素ではなく、その元になるセンサーの範囲の画素を計算したものです。
計算上、8倍なら4Kの画面を引き伸ばさずにまかなえる
8倍で使える範囲が約900万画素なら、4Kの約830万画素より多いので、計算上は引き伸ばさずに4Kの1コマを作れます。Appleは8倍を光学品質と呼ぶ理由を書いていませんが、この計算とは食い違いません。横の画素で言えば、使える約4,000画素に対して、4Kの画面は3,840画素です。
8倍を超えると、使える範囲は倍率の比の2乗で狭くなります。8倍から12倍にすると、縦横それぞれ1.5分の1、面積で約2.25分の1です。16倍なら縦横2分の1、面積4分の1。24倍なら縦横3分の1、面積9分の1です。これを画素の数に直したのが下の表です。
倍率
8倍との比(縦横)
センサー側で使う範囲の画素(計算上)
横の画素(計算上)
比べる相手
8倍
1
約900万
約4,000
4K(約830万)を上回る
10倍
0.8
約576万
約3,200
4Kの約7割
12倍
約0.67
約400万
約2,670
4Kの約半分
16倍
0.5
約225万
約2,000
フルHD(約207万)と同じくらい
20倍
0.4
約144万
約1,600
フルHDの約7割
24倍
約0.33
約100万
約1,330
フルHDの約半分、DVD(約35万)の約3倍
8倍の範囲を約900万画素とした計算上の目安。記録される動画の画素ではない
図にすると、8倍から16倍までの間に、センサー側で使う画素が4Kの水準からフルHDの水準まで下がることが分かります。16倍を超えるとフルHDより少なくなり、24倍ではフルHDの約半分です。それでもDVDの720×480(約35万画素)と比べれば、24倍でも約3倍の画素があります。
8倍から先は、顔の細部の量は増えない
勘違いしやすい点が一つあります。8倍から24倍に上げると、子どもの顔は画面の上で3倍の大きさに写ります。ところが、その顔を描いている元の画素の数は、8倍のときと変わりません。8倍の画の顔の部分を、そのまま3倍に引き伸ばしているからです。
たとえば20m先の子どもを撮るとします。顔の幅を15cmとし、8倍で画面の横幅が約3.5mになる(求め方は次の節の計算上の目安)とすると、4Kの画面で顔の幅は約160画素です。24倍にすると画面の横幅は約1.2mになり、顔は画面の上で約490画素の幅に広がりますが、元になっているのは8倍のときの約160画素ぶんの情報です。目の形やまつげのような細部は、8倍で写らなかったものは24倍でも写りません。増えるのは大きさだけです。
それでも24倍に意味があるのは、見る画面の上で顔が大きくなるからです。テレビで見るとき、小さく写った顔は見る人が探さなければなりません。24倍で撮れば、画面の真ん中に大きな顔があり、細部の量は同じでも見やすくなります。デジタルズームは「細かく写す」ものではなく「大きく見せる」もの、と分けて考えると、使いどころを決めやすくなります。
計算どおりにならない部分
この表は、使う画素の数を数えただけの計算です。実際の画質は、光の量、手ぶれ、ピントの合い方、iPhoneの中の画の処理で上下します。Appleは、デジタルズームの画にどんな処理をしているかを公表していません。明るい屋外の16倍と、暗いホールの16倍では、同じ画素の数でも見え方はかなり違います。表は「どの倍率から画素が足りなくなり始めるか」の目安として使い、最後は画面で確かめてください。
また、2倍と4倍の間(たとえば3倍)や、4倍と8倍の間(たとえば6倍)で、iPhoneがどのカメラの画をどう使っているかも公表されていません。仕様ページで分かるのは、0.5・1・2・4・8倍の五つの点の作られ方までです。この間の倍率は、近い点の画を切り出していると考えるのが自然ですが、断定はできません。
撮影中にズームした分は、あとで引けない
デジタルズームで寄った動画は、切り出したあとの画だけが記録されます。24倍で撮った動画は、あとで8倍の広さに戻せません。画面の外にあった部分は、最初から記録されていないからです。あとで「隣の子と手をつないでいたところも見たかった」と思っても、撮影中に寄った分は取り戻せません。
反対に、8倍で撮った動画は、あとで寄ることも、そのまま広く見せることもできます。迷ったら引いた側で撮る、という判断が後悔を減らすのはこのためです。撮影中のズームは、取り消しのきかない切り出しを先に済ませている、と考えておくと、倍率を上げる前に一度立ち止まれます。
距離から必要な倍率を出す。画面の横幅は「距離×1.4÷倍率」
何倍にすればよいかは、被写体までの距離で決まります。仕様ページの焦点距離は、ほかのカメラと比べやすいように35mm判に換算した値として読むのが一般的です(仕様ページに「換算」の語は見当たりません)。その値を写真の4:3の画面に対するものとし、動画はその横幅のまま上下を切って16:9にすると仮定して計算すると、1倍のときの画面の横幅は被写体までの距離の約1.4倍になります。倍率を上げると、横幅はその倍率で割った大きさになります。
式にすると「画面の横幅(m)=距離(m)×1.4÷倍率」です。画面の高さは横幅の16分の9、つまり横幅の約0.56倍です。この式はAppleが公表しているものではありません。手ぶれ補正(拡張)がオンのときは少しズームインされるので、実際の画面はこれより少し狭くなります。計算上の目安として使ってください。暗算でも出せます。
距離
4倍
8倍
16倍
24倍
10m
約3.5m
約1.8m
約0.9m
約0.6m
20m
約7.0m
約3.5m
約1.8m
約1.2m
30m
約11m
約5.3m
約2.6m
約1.8m
50m
約18m
約8.8m
約4.4m
約2.9m
表の数字は画面の横幅です。身長120cmくらいの子どもの全身を、画面の高さの半分ほどの大きさで撮りたいなら、画面の高さは2.4m前後、横幅にして4.3m前後が目安になります。20mなら8倍(横幅約3.5m)では画面の高さの6割ほどと少し大きめで、6〜7倍が合います。30mなら8倍(約5.3m)では少し小さく、10倍前後が合います。50mなら8倍(約8.8m)では全身が画面の高さの4分の1ほどになり、16倍(約4.4m)でようやく同じくらいです。
顔を大きく撮るか、全身を入れるか
顔を画面いっぱいに近い大きさで撮るなら、画面の横幅は1m前後まで狭めることになります。20mなら24倍で約1.2m、10mなら16倍で約0.9mです。この大きさになると、子どもが少し動くだけで画面から外れます。発表会の合唱のように立ち位置が決まっている場面なら使えますが、運動会の徒競走やダンスのように動く場面では、全身が入る倍率にしておくほうが、使える映像が多く残ります。
動く場面では、画面の横幅を被写体の動く範囲の1.5倍くらいにしておくと、多少追いかけが遅れても画面に収まります。ダンスで子どもが左右に2mほど動くなら、横幅は3m前後です。20mの席なら9倍前後になります。
席に着いてから距離を見積もる方法
距離は、会場の座席表や体育館の広さからも見当がつきます。当日その場で確かめる方法もあります。1倍で舞台やトラックを写し、画面の横幅にどれだけ入っているかを見ます。舞台の幅が10mで、1倍の画面にちょうど収まっているなら、式から距離は約7mと逆算できます(10÷1.4)。画面の横幅に舞台が半分しか入っていなければ、距離は約14mです。
もっと簡単なのは、倍率を変えながら、子どもの身長が画面の高さの何割に写るかを見ることです。8倍で画面の高さの3割なら、16倍で6割になります。倍率と写る大きさは比例するので、試し撮りを1回すれば、ほかの倍率でどう写るかは計算で分かります。後方の席から舞台までの距離と、顔が何画素で写るかの計算は、後方席からスマホで舞台を撮るで、ほかの機種も含めて詳しく書いています。
倍率の数字と実際の写り方が少しずれる理由
式は目安です。実際の画面とは少しずれます。一つは、4倍の望遠が100mmで、24mmの4倍(96mm)よりわずかに長いことです。4倍のボタンで撮ると、式の4倍より少しだけ狭く写ります。もう一つは、手ぶれ補正(拡張)がオンのときに少しズームインされることです。どちらも数パーセントの違いなので、倍率を決める目安としては気にしなくてかまいません。ずれが気になる場面は、試し撮りの画で確かめれば十分です。
自分の会場で倍率を計算してみる。三つの例
式だけでは使い方がつかみにくいので、よくある三つの場面で計算してみます。距離や身長は例として置いた数字です。自分の会場の数字に置き換えれば、同じ順番で倍率が出ます。
例1、ホールの中ほどの席から、発表会の劇を撮る
舞台の前の端から席までが約18m、子どもが立つのは舞台の中ほどで、さらに3mほど奥とします。距離は約21mです。子どもの身長は110cmで、全身を画面の高さの半分くらいに写したいとします。画面の高さは2.2m、横幅にするとその16分の9で割って約3.9mです。式を倍率について解くと「倍率=距離×1.4÷横幅」なので、21×1.4÷3.9で約7.5倍になります。
計算上は8倍の手前で足りるので、光学品質の8倍までの範囲に収まります。8倍で撮れば、全身は画面の高さの半分より少し大きく写ります。劇は舞台の上を歩き回るので、横幅3.9mは動きに対して少し狭いくらいです。動きの大きい場面が多いなら、6倍くらいまで下げて横幅を5m近くにしておくと外しにくくなります。
例2、運動会のスタンドから、ゴール前の子どもを撮る
保護者席からゴールラインまでが約40m、子どもの身長は120cmです。ゴールに走り込むところを、全身が画面の高さの4割くらいで撮りたいとします。画面の高さは3m、横幅は約5.3mです。40×1.4÷5.3で、倍率は約11倍になります。
11倍は8倍を超えているので、デジタルズームの範囲です。計算上、センサー側で使う範囲の画素は約480万で、4Kの約6割、フルHDの約2.3倍です。ブルーレイにするなら画素は足ります。ただし、走ってくる子を11倍の手持ちで追うのは難しく、画面から外れたり揺れたりしやすい倍率です。ここは8倍の4K/60fpsで撮り、あとで約1.4倍に切り出すほうが、確実に使える映像が残ります。切り出したあとの横の画素は計算上約2,700で、フルHDより多く残ります。
例3、体育館の後方から、卒業式の証書授与を撮る
保護者席の後ろから壇上までが約25m、証書を受け取るときの上半身と表情を撮りたいとします。上半身なら画面の高さは80cmくらいで、横幅は約1.4mです。25×1.4÷1.4で、倍率は約25倍になり、18 Proのビデオの上限の24倍を超えます。
24倍で撮れば、横幅は約1.5m、画面の高さは約0.82mで、胸から上がほぼ収まります。子どもは壇上の決まった位置で止まるので、24倍でも外れにくい場面です。ただ、24倍は揺れが大きく、体育館の照明では暗さも重なります。三脚が使えるなら24倍、手持ちなら12〜16倍で撮って、あとで切り出すか、表情はそのまま小さめに残すか、のどちらかになります。DVDにして配るなら、24倍の画素(計算上約100万)でもDVDの画素は足りるので、画素よりも揺れを優先して判断します。
倍率を3倍にすると、揺れも3倍に写る
ズームで画が粗くなる前に、多くの人が先に困るのが手ぶれです。揺れは倍率に比例します。iPhoneを手で持つと、どれだけ気をつけても向きがわずかに揺れます。その揺れの角度は倍率に関係なく同じでも、画面に写る範囲が狭いほど、揺れは画面の上で大きく見えます。8倍から24倍に上げると、画面の横幅は3分の1になり、同じ揺れが画面の上では3倍の動きになります。
1倍で見ても気にならない程度の揺れが、24倍では画面の端から端へ子どもが行ったり来たりするような動きになることがあります。テレビの大きな画面で見ると、揺れはさらに目立ち、見ているうちに気分が悪くなる人もいます。粗さはある程度までなら見る人が許してくれますが、揺れの大きい映像は最後まで見てもらえません。
18 Proの手ぶれ補正は、望遠のカメラにもある
仕様ページのビデオ撮影の欄には、Fusionメインに「ビデオの第2世代センサーシフト光学式手ぶれ補正」、Fusion望遠に「ビデオの3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正とオートフォーカス」、それに「映画レベルのビデオ手ぶれ補正(4K、1080p、720p)」が書かれています。センサーそのものを動かして揺れを打ち消す仕組みが望遠のカメラにも入っていて、そのうえで画の処理による補正も重ねる作りです。
補正にも限りはあります。8倍を超えたデジタルズームの部分は、望遠のカメラの画をさらに切り出しているので、補正しきれなかった揺れも一緒に拡大されます。補正があるから24倍を手持ちで撮れる、とは考えないほうが安全です。
「手ぶれ補正(拡張)」はオンのままでよい
「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」にある「手ぶれ補正(拡張)」は、ユーザガイドによると、ビデオモードやシネマティックモードでの撮影中に少しズームインして手ぶれ補正を強める設定で、デフォルトはオンです。画面の周りを少し使わずに、そのぶんを揺れの補正に回す仕組みです。
寄って撮るときにこれをオフにする理由はあまりありません。少しズームインされるのは、倍率を少し上げたのと同じことで、8倍の範囲ならほとんど問題になりません。オフにすると揺れがそのまま写るので、高い倍率ではかえって見づらくなります。iOS 27の場合の表記で、項目名はバージョンで変わることがあります。
支え方は、倍率に合わせて選ぶ
8倍までなら、両手でiPhoneを持ち、脇を締めて肘を体につけるだけでも、揺れはかなり減ります。前の座席の背もたれや手すりに手首を載せられる席なら、さらに安定します。8倍を超えるなら、手すりや壁に本体を押し当てる、膝の上に肘を載せる、一脚や三脚を使う、のどれかが欲しくなります。16倍を超えて手持ちだけで撮るのは、明るい屋外で被写体があまり動かない場面に限ったほうがよいでしょう。
三脚は、会場によっては使えません。客席での三脚を禁じているホールがあり、使える場合も最後列や決められた場所に限られることがあります。置き場所と高さの決め方は発表会の三脚はどこに置くかにまとめています。三脚が使えない席で高い倍率を使うなら、録画中は画面に触れない、倍率はカメラコントロールで変える、息を吐いたところで録画ボタンを押す、といった小さな工夫を重ねます。
画面に触れずに録画を始める
高い倍率では、録画ボタンをタップする指の力だけでも画面が揺れます。ユーザガイドには、録画ボタンのほかに、いずれかの音量ボタンを押す、カメラコントロールをクリックする、という始め方が書かれています。三脚に載せているなら、Apple Watchの「カメラリモート」でビデオを撮ることもでき、対応するAirPodsではステムを押して撮影できるとも書かれています。本体に触れない始め方を一つ決めておくと、録画の頭の数秒が揺れずに残ります。
止めるときも同じです。演目が終わってすぐに録画ボタンを押すと、最後の拍手や礼の場面が揺れます。終わってから一呼吸おいて止めれば、揺れた部分は編集で切れます。
暗いホールや体育館で望遠を使うときに起きること
発表会の舞台や冬の体育館は、屋外よりずっと暗い場所です。暗い場所で寄って撮ると、粗さと揺れに加えて、画のざらつきや、動きのカクつきが出やすくなります。18 Proで暗い会場の望遠を使う前に知っておきたいことを、仕様とユーザガイドの範囲で書きます。
望遠のカメラは、メインより取り込める光が少ない
仕様ページの絞り値は、Fusionメインがƒ/1.48・ƒ/1.8・ƒ/2.8・ƒ/4.0の可変、Fusion望遠と8倍がƒ/2.8です。ƒの数字は小さいほど明るく、センサーの同じ面積に届く光の量は数字の2乗に反比例します。メインを開放のƒ/1.48で使う場合と望遠のƒ/2.8を比べると、計算上、同じ面積に届く光は望遠が約3.6分の1です(2.8÷1.48の2乗)。センサー全体で集める光の量はセンサーの大きさでも変わり、8倍はセンサーの中央だけを使います。Appleは各センサーの大きさを仕様ページに数字で書いていないので、画の明るさやざらつきの差がそのまま3.6倍になるとは言えません。暗い場所で望遠が不利になりやすい、という向きまでの目安です。
光が足りないと、iPhoneは感度を上げて明るさを補います。感度を上げるとざらつきが増え、そこにデジタルズームの引き伸ばしが重なると、顔の輪郭がぼやけて見えます。暗いホールでは、明るい屋外と同じ倍率でも、見える細部は少なくなると考えておくほうが安全です。光の量で画質が変わります。照明の当たっている舞台の上は明るくても、客席から見て背景が暗いと、iPhoneが画面全体の明るさに合わせて感度を上げることもあります。
18 Proでは4KでもFPS自動調整が働く
「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」の「FPS自動調整」は、暗い状況でフレームレートを自動的に24fpsにする設定です。iOS 27のユーザガイドには「iPhone 18 Proモデルでは、4Kで録画するときにもFPS自動調整が動作します」と書かれています。選択肢は「30 fpsを自動調整」「30 fpsと60 fpsを自動調整」「オフ」です。
望遠で暗い舞台を撮ると、光が足りずに24fpsに下がる場面が増えます。24fpsになると、動きがわずかにカクついて見えるうえ、撮影の途中でフレームレートが変わる動画になり、編集やディスクにする作業で扱いに注意が要ります。発表会や暗い体育館で寄って撮る予定なら、前日に「オフ」にしておくのが無難です。設定は一か所です。オフにすると暗い場面ではざらつきが増えますが、動きの滑らかさは保てます。判断の基準と症状の見分け方はiPhoneのFPS自動調整とは に書いています。
録画中にカメラが切り替わるのを止める「カメラをロック」
同じ「ビデオ撮影」の画面に「カメラをロック」があります。ユーザガイドによると、ビデオの撮影中にカメラが切り替わるのを防ぐ設定で、デフォルトはオフです。オフのままだと、録画の途中で、使うカメラがiPhoneの判断で切り替わることがあります。
どんな条件で切り替わるかは、Appleの資料に詳しくは書かれていません。寄って撮るときに気をつけたいのは、4倍や8倍で撮っている途中に、使うカメラが変わる場合です。切り替わると、同じ倍率のままでも画の写り方が変わることがあり、あとで見返して「ここで急に画が変わった」と気づくことになります。演目の間ずっと同じ倍率で撮るつもりなら、「カメラをロック」をオンにして、使うカメラを固定しておくと、1本の映像の中で写り方がそろいます。
ただし、ロックすると、暗い場面でも望遠のカメラのまま撮り続けることになります。暗さで画がざらつくのを、iPhoneの判断に任せて避ける道はなくなります。明るさの見込みが立たない会場では、本番の前に同じ倍率で数十秒の試し撮りをして、ロックしたときの画を確かめてから決めてください。
18 Proの「焦点」で、使うカメラを選ぶ
iOS 27のユーザガイドの「iPhone 18 Proモデルでフォーカスを手動で調整する」には、カメラツールの「焦点」から、「超広角」「メイン」「望遠」のどれを使うかを選べると書かれています。選んだカメラは次の撮影まで選択されたままで、スライダでピントの位置を手動で決め、Aをタップすると自動フォーカスに戻ります。ガイドには、焦点ツールは一部のカメラモードでは利用できないとも書かれているので、ビデオモードで使えるかは、届いた日に画面で確かめてください。
舞台を撮るとき、手前の観客の頭や、舞台の手前の照明にピントが行ってしまう失敗はよく起きます。ピントの位置を舞台の上に手で合わせておけば、こうした迷いは減ります。焦点ツールが使えない場面でも、画面の舞台の部分を押し続けて「AE/AFロック」を出せば、ピントと明るさをその位置で固定できます。ロックは画面をタップすると外れるので、録画中は画面に触れないようにします。
動き回る子どもを追うなら、18 Proのフォーカストラッキングも使えます。ユーザガイドの手順は、被写体をタップして黄色のフレームを出し、フレームをダブルタップするとトラッキングが始まる、というものです。仕様ページのビデオ撮影の欄にも「スマートフォーカストラッキング」があります。ただし、ほかの子と重なったときにどこまで追い続けるかは、条件しだいで変わります。
寄って撮るときの解像度とフレームレート。4K/30fpsか4K/60fps
ズームと一緒に決めたいのが、解像度とフレームレートです。18 Proのビデオは、4Kが24・25・30・60・100・120fps、1080pが25・30・60・120fps、720pが30fpsで、どれもドルビービジョン対応と書かれています。ビデオモードでは、画面の上に出る解像度とフレームレートの値をタップして切り替えます。
4K 100・120fpsと1080p 120fpsは、仕様ではFusionメインの表記
仕様ページでは、4Kの100fpsと120fps、1080pの120fpsに「(Fusionメイン)」と書き添えられています。メインのカメラでの撮影、という意味の表記です。この設定で4倍や8倍に寄ったとき、望遠のカメラに切り替わるのか、メインの画を切り出すのかは、Appleの資料では確かめられませんでした。行事で望遠を使う場面は、4K/60fps以下にしておくと迷いません。ユーザガイドは、速いフレームレートで撮ったビデオを写真アプリで遅い速度で再生できる、と説明しています。運動会のかけっこを寄って撮るだけなら、60fpsで足ります。
30fpsにするか60fpsにするか
動きの速い運動会の競技やダンスは60fps、合唱や劇のように動きの小さい場面は30fps、と分けるのが基本です。高い倍率では手の揺れが画面の上で大きくなるので、60fpsのほうが揺れの見え方がなめらかになります。一方で、暗いホールでは60fpsにすると1コマあたりに使える光が減り、ざらつきが増えます。暗い会場の高い倍率は30fps、明るい屋外の高い倍率は60fps、と組み合わせると無理がありません。
容量も変わります。iPhoneの設定画面の目安(iOS 18.6の画面の数値。iOS 27の画面では未確認)で、高効率でHDRビデオがオンのとき、1分あたり4K/30fpsは約190MB、4K/60fpsは約440MB、1080p/60fpsは約100MBです。4K/60fpsで運動会を30分撮ると、計算上は約13GBになります。設定ごとの1分あたりの容量はiPhone動画の1分あたり容量 で一覧にしています。
HDRビデオはディスクにするなら考える
18 Proは初期設定でHDRビデオ(10ビット・ドルビービジョン)で撮ります。iPhoneやテレビでそのまま見るならHDRのままでかまいません。DVDや通常のブルーレイの規格にはHDRが無いので、ディスクにするときはどこかでSDRにすることになり、明るい部分や色の見え方が撮ったときと変わることがあります。行事の映像をディスクにして配ると決まっているなら、撮る前にHDRビデオをオフにするか、編集の段階でSDRに直して色を確かめてから渡します。どちらにするかの判断はiPhoneのHDRビデオはオフにすべきか に書いています。
1080pで撮るのが向く場面
仕様ページには18 Proの記載として「改良された低照度ビデオ(1080p)」があります。どの程度改良されたのかは書かれていませんが、暗い会場の1080pについてAppleが手を入れていることは読み取れます。容量を抑えたい、あとで切り出す予定は無い、暗い会場で長く撮る、という条件がそろうなら、1080pで撮る選択もあります。ただし1080pで撮ると、あとで切り出す余地はほとんど残りません。次の節の「引いて撮って切り出す」方法を使うなら4Kです。1080pの容量は、高効率でHDRビデオがオンのとき1分あたり30fpsで約65MB、60fpsで約100MB(iOS 18.6の設定画面の数値)で、4K/30fpsの約190MBの3分の1から半分ほどです。ブルーレイの1920×1080にはそのまま合いますが、寄りが足りなかった場面は、あとから補えません。
4Kで引いて撮り、あとで切り出す。撮影中の24倍と何が違うか
撮影中にズームで寄るほかに、少し引いた倍率で4Kで撮っておき、あとで編集で切り出して寄る方法があります。4Kの画面はフルHDの縦横2倍の画素を持っているので、計算上、2倍に切り出してもフルHDの画素がそのまま残ります。8倍で撮って2倍に切り出せば、16倍で撮ったのと同じ画面の範囲を、フルHDの画素で得られる計算です。
前の節の表で見たとおり、撮影中の16倍で使う画素は約225万で、フルHDの約207万と同じくらいでした。8倍で4Kで撮って2倍に切り出した場合も、残る画素はフルHDと同じくらいです。細部の量は、どちらでもほぼ同じになります。違うのは、画の作られ方の順番と、撮った映像の扱いやすさです。
細部の量はほぼ同じ。違いは撮影中の画面の広さと編集の手間
あとで切り出すほうがよい場面
あとで切り出す方法のいちばんの利点は、撮影中の画面が広いことです。8倍で撮っていれば、子どもが急に動いても画面から外れにくく、どこを切り出すかは家に帰ってから落ち着いて選べます。リレーで走ってくる子を追う、ダンスで隊形が変わる、といった場面では、24倍で追いかけて画面から外すより、8倍で全体を撮っておくほうが使える映像が残ります。
揺れの面でも有利です。8倍で撮っていれば、画面の上の揺れは24倍のときの3分の1です。切り出すと揺れも一緒に拡大されますが、編集ソフトの手ぶれ補正をかける余地が残ります。また、一つの映像から、全体を写した版と子どもに寄った版の二通りを作ることもできます。
あとで切り出す前提の構図
あとで切り出すつもりで撮るなら、子どもを画面の真ん中あたりに置き、周りに余白を残します。画面の端に子どもがいると、切り出す範囲が画面の外にはみ出して、思った大きさに寄れません。子どもが画面の中央の3分の1ほどに収まるように向きで追えば、2倍の切り出しでも余裕があります。カメラの設定の「グリッド」をオンにしておくと、中央の位置が分かりやすくなります。
撮影中にズームするほうがよい場面
撮影中のズームが向くのは、編集をしない、撮ったままを渡したいときです。切り出しの作業が要らず、iPhoneで撮った動画をそのまま家族に送れます。合唱のように立ち位置が決まっていて、子どもがほとんど動かない場面なら、撮影中に寄っても困ることは少ないでしょう。
もう一つ、撮影中のズームは、動画が圧縮される前に画を切り出しています。4Kで撮ってあとで切り出すと、iPhoneが圧縮した画の一部を使うことになるので、細かな部分の圧縮のにじみも一緒に拡大されます。どちらが有利かは場面で変わり、Appleも比べた資料を出していないので、ここはどちらとも言い切れません。
写真アプリでビデオを切り出す手順
iPhoneの写真アプリでも、ビデオの画面を切り出せます。ユーザガイド(iOS 27版)の「iPhoneで写真やビデオの切り取り/回転/反転/傾き補正をする」の手順は次のとおりです。
写真アプリでビデオをタップして開き、編集のボタンをタップする
切り取りのボタンをタップする
四角形のコーナーをドラッグして残したい範囲を囲むか、画面をピンチして範囲を決める
縦横の比率を保ちたいときは、そのままドラッグする(比率を変えたいときは右上のロックを外す)
「完了」をタップして保存する
コーナーをドラッグすると元の縦横比が保たれるので、16:9のまま切り出せます。iCloud写真を使っていれば、編集はほかのデバイスにも同期されます。編集はあとから「元に戻す」で取り消せます。切り出したあとの動画が何画素で保存されるかは、ユーザガイドに書かれていないので、写真アプリの「情報」に出る項目で確かめてください。
切り出した動画を誰かに渡すときは、渡し方に気をつけます。写真アプリの共有メニューにある「未編集のオリジナルを書き出す」を使うと、名前のとおり編集前の動画が書き出され、切り出しは反映されません。切り出した版を渡したいなら、通常の共有で送ります。違いはiPhoneの未編集のオリジナルを書き出すとはで説明しています。
編集ソフトで切り出すときは、何倍まで切ってよいか
パソコンの編集ソフトで切り出すときは、作る動画の画面の大きさと、元の4Kの画素から、切り出してよい倍率が計算できます。考え方は、切り出した範囲の画素が、作る動画の画素を下回らないところまで、です。
作る動画
画面の画素
4Kから切り出せる倍率(計算上)
8倍で撮った場合の相当の倍率
4Kのまま
3840×2160
1倍(切り出すと引き伸ばし)
8倍
フルHD・ブルーレイ
1920×1080
2倍
16倍
DVD
720×480
横で約5.3倍、縦で4.5倍
約36倍
表の右の列は、8倍で4Kで撮った映像を切り出したとき、撮影中のズームでいえば何倍にあたるかを示しています。フルHDやブルーレイに仕上げるなら2倍、つまり16倍相当まで切り出しても、画素は足ります。DVDに仕上げるなら、縦の画素で決まる4.5倍、36倍相当まで切り出せる計算です。DVDの画面は横720画素ですが、16:9の映像を横に縮めて記録する作りなので、ここでは縦の480画素を目安にしています。
編集ソフトでの切り出しは、多くのソフトで、クリップを画面より大きく拡大して、見せたい部分に位置を合わせる操作になります。フルHDの作品の中に4Kのクリップを置くと、そのままでは画面に合わせて縮めて表示されるので、ソフトによって拡大の数字の意味が変わります。どの数字で何倍の切り出しになるかは、使うソフトの説明で確かめてください。切り出したあとは、一時停止したコマを原寸で見て、輪郭がぼやけていないかを確かめます。
切り出しと編集の手ぶれ補正を重ねるとき
多くの編集ソフトの手ぶれ補正は、画面の周りを少し使わずに、その余白で揺れを打ち消す作りです。切り出したうえで手ぶれ補正をかけると、その分さらに寄った画になり、使う画素も減ります。たとえば2倍に切り出してから、補正で1.1倍ほど寄ると、合わせて2.2倍の切り出しになり、フルHDの画素をわずかに下回ります。補正をかけるなら、切り出しの倍率をそのぶん控えめにしておくと、仕上がりの画素を保てます。
切り出した版と、元の4Kの両方を残す
切り出した動画は、配る相手に合わせた一つの形です。数年後に別の形で作り直したくなったとき、元の4Kの映像が残っていれば、切り出し方を変えて作り直せます。切り出した版だけを残して元を消すと、寄りの構図しか残りません。元の4Kは、パソコンや外部のストレージに、撮った日付と行事の名前で保存しておきます。
iPhoneの写真アプリで切り出した場合は、元に戻す操作で切り出す前に戻せます。編集の履歴を持ったまま、元の映像も残る作りです。ただ、iPhoneの空き容量を作るために動画を移すときは、移す方法によって編集が反映された版と未編集の版のどちらが移るかが変わるので、移したあとで中身を確かめてください。
倍率を決める順番。演目の前に決めて、途中で動かさない
当日の手順に並べ直します。行事の撮影でズームの失敗が起きるのは、多くが「始まってから倍率を探した」ときです。子どもが舞台に出てきてから倍率を合わせ、ピントを合わせ、明るさが落ち着くまでの数秒は、使えない映像になります。その数秒に、いちばん撮りたかった登場の場面が入っていることもあります。
倍率は演目が始まる前に決め、録画中は動かさない
席に着いたら、まず1倍で会場全体を写し、子どもが立つ位置(舞台の上手か下手か、何列目か、トラックのどのコースか)を確かめます。次に、前の節の式か試し撮りで倍率を決めます。倍率はダイヤルかカメラコントロールで合わせ、画面に出る数字を見て止めます。そのうえで、子どもが立つ位置の辺りを押し続けてAE/AFロックをかけるか、18 Proの焦点ツールでピントの位置を決めます。
本番の前に、10秒ほどの試し撮りをしておくと安心です。再生して見るまでが試し撮りです。撮った動画を再生して、顔が見分けられる大きさか、揺れが許せる範囲か、暗さでざらついていないかを見ます。ここで倍率を下げる判断をしても、まだ間に合います。前の演目の間に、同じ立ち位置の別の子で試すこともできます。
何倍まで使うかは、次の道すじで決めます。8倍で十分な大きさに写るなら、それ以上は上げません。8倍では小さく、しかも支えるものが無いなら、8倍のまま4Kで撮って、あとで切り出します。支えがあって16倍までで収まるなら、16倍まで寄って撮ります。それでも足りない距離なら24倍を使いますが、顔が見分けられるかを画面で確かめてからにします。
8倍が基本。支えと仕上げの形で、その先を決める
演目の途中で倍率を変えたくなったら
本番が始まってから、思ったより子どもが小さい、あるいは画面から外れそうだと気づくことがあります。そのときは、子どもが止まっている瞬間や、場面が切り替わる瞬間を待って倍率を変えます。歌の間奏、劇の場面転換、競技のスタート前などです。変えるときは一度に大きく動かさず、ダイヤルで少しずつ。変えたあとはピントと明るさが落ち着くまで数秒かかるので、AE/AFロックをかけ直します。
設定を毎回やり直さないために
カメラアプリを閉じると、いくつかの設定は元に戻ります。「設定」>「カメラ」>「設定を保持」で、カメラモードや露出調整などを次回も保持できます。iOS 27版のユーザガイドで保持の対象に挙がっているのは、カメラモード、フォトグラフスタイル、露出調整、レンズ絞り(18 Pro)、Apple ProRes、Live Photosなどです。ズームで挙がっているのはポートレートモードの「ポートレートズーム」だけで、ビデオの倍率を保持する項目は見当たりません。行事の朝に確かめる項目は、iPhoneカメラの設定を保持とはに一覧にしています。倍率は毎回、撮る直前に合わせ直すものと考えてください。
場面別の倍率の目安。運動会・発表会・卒業式・試合
距離と明るさと動きの大きさで、使える倍率は変わります。場面ごとに、よくある条件での目安を並べます。距離は会場ごとに違うので、例として置いた数字です。自分の席の距離に当てはめて、前の節の式で計算し直してください。
場面
距離の例
倍率の目安
解像度とfps
支え方
運動会の徒競走・リレー
20〜50m
4〜8倍で全身。あとで切り出す
4K/60fps
両手で持ち、肘を体につける
運動会のダンス・団体演技
20〜40m
8倍前後で隊形ごと
4K/60fps
一脚か手すり
発表会の劇・ダンス
15〜30m
8〜12倍
4K/30fps(暗いとき)
前の座席の背や手すり
合唱・合奏・卒業式の証書授与
15〜30m
8〜16倍。立ち位置が決まっていれば寄る
4K/30fps
三脚が使える席なら三脚
サッカー・野球などの試合
30〜60m
4〜8倍で引き、あとで切り出す
4K/60fps
一脚かフェンス
運動会は「引いて撮る」が基本
屋外の運動会は明るい場面です。望遠のカメラが光で不利になることは、あまりありません。そのかわり、子どもが大きく速く動きます。徒競走で子どもを24倍で追うと、スタートの合図で走り出した瞬間に画面から外れ、探しているうちにゴールしてしまう、ということが起きます。徒競走は十数秒で終わります。4倍から8倍で、走る範囲の一部と一緒に全身を写し、4K/60fpsで撮っておけば、あとで切り出しても動きは滑らかです。
ゴールの瞬間や表彰の場面のように、子どもが止まっている時間があれば、そこだけ倍率を上げる手もあります。止まっている間に倍率を上げ、動き出す前に戻す。録画中に倍率を変えるなら、カメラコントロールかダイヤルでゆっくり変えます。撮影場所の選び方や競技ごとの撮り方は運動会の撮影のコツ にまとめています。
発表会は暗さと三脚の決まりを先に確かめる
発表会は手ごわい場面です。暗さと距離が重なります。ホールの中ほどの席から舞台の子どもを撮ると、8倍から12倍が必要になり、望遠のƒ/2.8で暗い舞台を撮ることになります。FPS自動調整をオフにし、4K/30fpsにして、倍率は12倍くらいまでに抑えるのが無理のない組み合わせです。舞台の照明が明るい演目なら、もう少し上げられます。
スマホで撮った発表会の映像がなぜ粗くなるのか、席の選び方や機材の現実的な選び方は、発表会をスマホで撮ると画質が荒いで、iPhone以外の機種も含めて書いています。18 Proの24倍は、その記事の「電子ズームで足すなら望遠の2倍まで」という考え方で言えば、8倍の望遠の3倍にあたります。数字が大きくなっても、引き伸ばしで細部が増えないことは同じです。
卒業式・式典は寄ってよい場面
卒業式の証書授与や合唱は、子どもが決まった位置に立ち、ほとんど動かない場面です。三脚や一脚が使え、明るさも足りているなら、16倍まで寄っても困ることは少ないでしょう。証書を受け取る瞬間の表情を撮りたいなら、受け取る位置に倍率とピントを合わせておき、名前が呼ばれる少し前から録画を始めます。体育館の照明が暗めなら、倍率を8倍から12倍に下げます。
試合は撮る人の場所が決まりにくい
サッカーや野球などの試合は、子どもが広い範囲を動き、撮る人の場所も観客席やフェンスの外に限られます。ボールを持った子を24倍で追い続けるのは、手持ちではまず無理です。4倍から8倍で試合の流れが分かる画を撮り、あとで子どもの出番を切り出すほうが、見返したときに状況も分かります。フェンスや手すりに本体を当てて支えると、揺れはかなり減ります。
寄って撮ったときの失敗の型と、その場での直し方
ズームを使った撮影で起きやすい失敗を、症状から原因、確かめ方、直し方の順に並べます。多くは、本番の前の試し撮りで気づけるものです。順に見ます。
症状
考えられる原因
確かめ方
直し方
顔がのっぺりして、目鼻がぼやける
8倍を大きく超えた引き伸ばし、暗さによるざらつき
画面に出る倍率の数字を見る
倍率を8〜12倍に下げ、あとで切り出す
録画の途中で画の写り方が急に変わる
録画中のカメラの切り替え、ボタンでの倍率の切り替え
再生して、変わった瞬間の倍率と明るさを見る
「カメラをロック」をオンにし、倍率はダイヤルで変える
ピントが手前の人や背景に合う
オートフォーカスが別の物を選んだ
試し撮りを拡大して見る
AE/AFロック、18 Proの焦点ツールでピントの位置を決める
画面が揺れて見ていられない
倍率に対して支えが足りない
試し撮りをテレビで見る
倍率を下げる、手すりや一脚で支える
動きがカクカクする
暗さでFPS自動調整が24fpsに下げた
再生して、暗い場面だけカクつくかを見る
FPS自動調整を「オフ」にする
子どもが画面から外れる
動く範囲に対して倍率が高すぎる
画面の横幅と動く範囲を比べる
動く範囲の1.5倍の横幅になる倍率にする
途中で録画が止まる
本体の空き容量が足りない
「設定」の「一般」の「iPhoneストレージ」を見る
前日に空きを作る、4K/30fpsにする
屋外で顔が暗く写るとき
明るい運動会でも、子どもが太陽を背にしていると、顔が暗く写ることがあります。望遠で寄ると、画面に入る空や背景の明るさにiPhoneが合わせ、顔が影のように写ってしまうのです。直すには、画面の顔の辺りを押し続けてAE/AFロックをかけ、オートフォーカス領域の横に出る明るさのマークを上にドラッグします。ユーザガイドの「フォーカスと露出を手動で調整する」の手順で、カメラコントロールの「露出」でも調整できます。
明るさを上げすぎると、今度は背景の空が真っ白になります。顔が見分けられる明るさまで上げたら、そこで止めます。走っている子どもを追うと、顔に当たる光が刻々と変わるので、明るさを固定したままだと暗い場所と明るい場所の差が出ます。徒競走のような短い場面なら、固定のまま撮ってあとで編集で明るさを整えるほうが、撮影中に触り続けるより揺れずに済みます。
粗さと揺れは、どちらが原因かを分けて見る
撮った映像が見づらいとき、原因が粗さなのか揺れなのかで、次にすることが違います。一時停止したコマが粗いなら、倍率か暗さが原因です。一時停止したコマはそれなりに見えるのに、再生すると見づらいなら、揺れが原因です。揺れが原因なら、倍率を下げるか支えを足すことで直ります。粗さが原因なら、倍率を下げる、あとで切り出す方法に変える、明るい場面だけ寄る、のどれかです。
前の席の人の頭や腕が画面に入る
高い倍率で舞台を撮ると、前の席の人の頭がほんの少し動いただけで、画面の下が大きく隠れます。画面の横幅が1〜2mまで狭まっている24倍では、すぐ前の人が少し身を乗り出すだけで、画面の下の何割かが隠れることがあります。iPhoneを高く掲げれば避けられますが、後ろの席の人の視界をふさぎます。腕も疲れて揺れが増えます。
直し方は、倍率を下げて頭が入らない構図にするか、通路側や段差のある席を選ぶかです。後ろの人の迷惑にならない高さで撮れる席を選ぶことが、寄りの映像を残すいちばんの近道です。席の選び方は、前に挙げた後方席の記事に詳しく書いています。
撮り直せない行事で気づいたとき
行事は撮り直しがききません。迷ったら下げます。途中で倍率が高すぎると気づいたら、その演目の途中でも、ダイヤルで倍率を少しずつ下げてかまいません。数秒の見づらい部分は残りますが、残りの時間を使える映像にするほうが大切です。演目と演目の間に気づいたら、次の演目の前に倍率と設定を見直します。
家族で2台のiPhoneを持っているなら、1台は引いて全体、もう1台は寄って子ども、と分けておくと、どちらかの失敗をもう一方で補えます。分担の決め方と、あとで1本にまとめる手順は運動会を2台で撮るに書いています。
シネマティック・アクションモード・スローモーションで寄るとき
ビデオモードのほかにも、18 Proにはいくつかの撮り方があります。どれも行事で使いたくなる機能ですが、寄って撮る使い方では、それぞれに条件があります。仕様とユーザガイドで確かめられた範囲で書きます。
シネマティックモードは最大4K/60fps
18 Proのシネマティックモードは、仕様ページで最大4Kドルビービジョン・60fpsです。背景をぼかして子どもを浮かび上がらせる撮り方で、ステージの子どもを中くらいの倍率で撮るときに向きます。シネマティックモードで何倍まで寄れるかは、仕様ページにもユーザガイドにも書かれていません。望遠で寄った画にシネマティックの効果がどうかかるかも、資料では確かめられませんでした。
18 Proには、ビデオモードで撮った動画に、あとからシネマティックエフェクトをかける機能もあります(最大60fpsで撮ったもの・仕様ページの表記は「ビデオのシネマティックモードエフェクト(Fusionメイン)」)。Fusionメインと書かれているので、望遠のカメラで寄って撮った動画にかけられるかは分かりません。詳しくは冒頭で挙げた新機能の記事に書いています。
アクションモードは最大2.8K
アクションモードは、撮影中の手ぶれ補正を強める撮り方です。走りながら撮るような場面に向いていますが、解像度は最大2.8Kで、4Kより小さくなります。あとで切り出す余地は4Kより少なくなるので、寄る撮影との組み合わせにはあまり向きません。ユーザガイドには、アクションモードは明るい場所での撮影に最適とあり、暗い場所では「アクションモード(低照度)」をオンにするよう書かれています。
スローモーションの4K/120fpsはFusionメイン
スローモーションは、仕様ページで1080pが最大240fps、4Kが最大120fps(Fusionメイン)です。ゴールの瞬間をゆっくり見せたいとき、4K/120fpsのスローなら、あとで切り出す余地も残ります。ただ、4K/120fpsにFusionメインと書かれている以上、望遠のカメラで寄った画を4K/120fpsのスローで撮れるかは、資料からは分かりません。寄ったスローを撮りたいなら、事前に試し撮りで、倍率を上げたときに画がどうなるかを確かめておいてください。
撮ったあとに、写り方とファイルを確かめる
家に帰ったら、ディスクにしたり家族に送ったりする前に、撮れた動画を一度見直します。寄って撮った動画で確かめたいのは、どのカメラで撮れているか、ピントと明るさ、揺れ、ファイルの大きさの四つです。
写真アプリの「情報」で、レンズとファイルの大きさを見る
写真アプリでビデオを開き、上にスワイプするか情報のボタンをタップすると、撮影に使ったデバイス、撮影日時、レンズ・シャッター速度・ファイルサイズなどのカメラのメタデータが出ます(iOS 27版のユーザガイド「iPhoneで写真やビデオの情報を表示する」)。表示される項目は写真やビデオによって違いますが、レンズの情報が出ていれば、望遠のカメラで撮れたのか、メインで撮れたのかの手がかりになります。
途中でカメラが切り替わった動画で、情報にレンズがどう出るかは、ユーザガイドに書かれていません。録画の途中で画の写り方が変わっていないかは、再生して目で確かめるしかありません。気になる場面があったら、次の行事では「カメラをロック」をオンにして撮り比べると、違いが分かります。
テレビで見て、揺れと粗さを判断する
iPhoneの画面は小さいので、揺れも粗さも実際より目立ちません。ディスクにしてテレビで見る予定なら、一度テレビの大きさで見てから、使う場面と切り出す場面を決めます。18 ProはUSB-CでDisplayPortの出力に対応しているので、対応するケーブルやアダプタがあれば、テレビやモニタにつないで確かめられます。テレビで見て揺れがつらい場面は、編集で手ぶれ補正をかけるか、少し引いた別の映像に差し替えます。
寄りの場面に印を付けておく
1回の行事で撮った動画は、何本にも分かれます。寄って撮れた場面、揺れてしまった場面、引いて全体を撮った場面が混ざっていると、あとで編集するときに探す手間がかかります。写真アプリでは、使いたい動画をお気に入りにしたり、アルバムに分けたりできます。帰宅した日のうちに、寄りがうまく撮れた動画だけをアルバムに集めておけば、ディスクにするときも家族に送るときも、そのアルバムから選べば済みます。
撮影中の静止画も残っている
仕様ページには「4Kビデオの撮影中に8MPの静止画を撮影」とあります。録画中に白いシャッターボタンをタップすると、その瞬間の静止画が写真として残ります。寄って撮っている最中にいい表情が見えたら押しておくと、動画から1コマを切り出すより手間なく写真が手に入ります。8MPは約800万画素で、4Kの動画の1コマとほぼ同じ大きさです。8倍を超えて寄っているときの静止画が何画素で残るかは、資料に書かれていません。
DVD・ブルーレイにすると、寄った映像はどう見えるか
ズームの粗さの見え方は、DVDかブルーレイかで変わります。DVDの画面は720×480(約35万画素)、当社が作るブルーレイは1920×1080(約207万画素)です。前の節の表と並べると、どの倍率までなら画素が足りるかが分かります。
DVDなら、24倍でも画素は足りる
DVDの720×480に対して、24倍でセンサー側で使う画素は計算上約100万、横で約1,330画素です。足ります。DVDの横720画素の2倍近くあるので、DVDにする段階で画素が足りなくなることはありません。言いかえると、DVDの画面では、8倍の画と24倍の画の細部の差は、ほとんど見えなくなります。DVDにする時点で4Kの映像も720×480に縮めるからです。
そのぶん、DVDでは寄って撮ったことが見やすさにつながります。20m先の子どもを8倍で撮ると、DVDの画面で顔の幅は計算上約31画素です。24倍で撮れば約93画素になります。DVDのように画素の少ない画面では、顔が小さく写っていると表情が読み取れないので、寄って大きく写したほうが見る人には伝わります。
ただし、DVDでは別の粗さが出ます。DVDの映像はMPEG-2で圧縮していて、1秒あたりに使えるデータの量に上限があります。揺れの大きい映像や、暗くてざらついた映像は、このデータの量では描ききれず、ブロック状のノイズが出やすくなります。24倍の手持ちで揺れた映像は、DVDではズームの粗さよりも、揺れとノイズのほうが目立ちます。4Kの映像をDVDにしたときの見え方は4K素材をDVDにするとどう見えるか で詳しく書いています。
ブルーレイでは、16倍あたりから引き伸ばしが見え始める
ブルーレイの1920×1080に対して、16倍で使う画素は計算上約225万、横で約2,000画素で、ほぼ同じです。16倍までなら、ブルーレイにしたときに画素が足りなくなることはありません。20倍では横約1,600画素、24倍では約1,330画素なので、ブルーレイの画面にするときに約1.4倍に引き伸ばすことになります。大きなテレビで見ると、16倍で撮った場面と24倍で撮った場面の違いが分かることがあります。
4Kで撮ってブルーレイにする場合も、ブルーレイの画面は1920×1080です。4Kの細部はブルーレイにする段階で縮めるので、8倍の4Kの画も、16倍の画も、ブルーレイの画面では細かさの差が小さくなります。4Kの映像をブルーレイにするときの設定と見え方は4K動画をブルーレイにする方法 にまとめています。
テレビの大きさで、同じディスクの見え方が変わる
同じDVDでも、32型のテレビと65型のテレビでは、1つの画素が画面の上で占める大きさが倍ほど違います。大きなテレビほど、引き伸ばした画の粗さと揺れが目立ちます。祖父母の家のテレビが大きい、集会所のプロジェクターで流す、といった予定があるなら、寄りの倍率を控えめにするか、ブルーレイにすることを考えます。反対に、小さめのテレビやパソコンで見るなら、DVDでも寄った映像の見やすさが先に立ちます。
60fpsで撮った映像のゆくえ
運動会を4K/60fpsで撮っても、ディスクにすると1秒あたりのコマ数はディスクの形に合わせて変わります。当社が作るDVDは29.97fps(NTSC)です。ブルーレイの1920×1080の形は、規格上(一般に)29.97fps相当のインターレースや24pなどで、60fpsの動きの滑らかさがそのまま残るとは限りません。60fpsで撮った意味が無くなるわけではなく、揺れの多い寄りの映像を編集で補正するときや、あとで切り出すときの素材としては、コマが多いほうが扱いやすい場面があります。
HDRの扱いも、寄りの映像では気をつけたいところです。HDRビデオがオンのまま撮った映像は、ディスクにするときにSDRの映像にします。望遠で暗い舞台を撮った映像は、明るさの差が大きい場面(スポットライトの当たった顔と暗い背景)を含みがちで、SDRにしたときに顔が白くなりすぎたり、背景が真っ黒につぶれたように見えたりすることがあります。編集の段階でSDRにして、顔の明るさを確かめてから渡してください。
行事の前日と当日の朝に確かめること
前日の準備で、半分が決まります。図の確認項目を、前日の夜と当日の朝に分けて見ていきます。
項目名はiOS 27の場合。表記はiOSのバージョンで変わる
前日の夜には、設定を決めます。「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」で、解像度とフレームレート、HDRビデオ、FPS自動調整、カメラをロック、手ぶれ補正(拡張)を確かめます。暗い会場ならFPS自動調整は「オフ」、同じ倍率で撮り続けるならカメラをロックは「オン」、手ぶれ補正(拡張)は「オン」のまま、が基本の組み合わせです。iOS 27の場合の表記で、項目名はiOSのバージョンで変わることがあります。
空き容量も前日に確かめます。4K/60fps・HDRオンなら1分約440MB、4K/30fpsなら約190MBが目安です(iOS 18.6の設定画面の数値)。運動会で合計60分撮るなら、4K/60fpsで計算上約26GB、4K/30fpsで約11GBです。足りなければ、前日のうちに撮った動画をパソコンや外部ストレージに移して空きを作ります。
当日の朝には、ビデオモードを開いて、画面の上の解像度とフレームレートが前日に決めたとおりかを見ます。倍率のボタンの並びと、「1x」を押さえたままにするとダイヤルが出ることも、一度触って確かめておきます。カメラコントロールでズームするつもりなら、オーバーレイを開いて「ズーム」を選ぶところまで練習しておくと、本番で迷いません。
持ち物も前日にそろえます。寄って撮る日に役に立つのは、一脚や小さな三脚とiPhoneを固定するホルダー、モバイルバッテリーと充電のケーブル、レンズを拭く柔らかい布です。4K/60fpsで長く撮ると電池の減りも早くなるので、休憩の時間に充電できるようにしておくと安心です。レンズの汚れは、望遠で撮ったときに画全体がぼんやりする原因になります。望遠のレンズは背面のカメラの一つなので、出かける前にすべてのレンズを拭いておきます。
会場に着いたら、撮影や三脚についての決まりを確かめます。保護者席が決まっている、三脚は禁止、撮影は自分の子の出番だけ、などの決まりは会場や学校・園ごとに違います。決まりに合わせて支え方を選び直し、そのうえで倍率を決めます。
縦か横か、音はどう録れるか。寄る撮影で見落としやすい2点
倍率や設定に気を取られていると、iPhoneの向きと音のことは後回しになりがちです。どちらも撮ったあとでは直しにくいので、撮る前に決めておきます。
寄るほど横が向く
スマホの動画は縦で撮る人も多いのですが、ディスクにしてテレビで見るなら横で撮るほうが向いています。テレビもDVDもブルーレイも16:9の横長の画面で、縦の動画を入れると左右に大きな黒い帯が出て、映像は画面の真ん中の細い部分だけになります。
ズームとの関係でも、横のほうが扱いやすくなります。縦で撮ると、画面の横幅は横で撮ったときの高さと同じ、つまり約0.56倍です。前の節の式に当てはめると、縦の画面の横幅は「距離×0.8÷倍率」くらいになります。20m先を8倍で縦に撮ると、横幅は約2.0mで、子どもが左右に少し動くだけで画面から外れます。動く子どもを寄って撮るなら、横のほうが外しにくいのです。
縦で撮った動画をディスクにすると、テレビの画面のうち映像が占めるのは真ん中の3分の1ほどです。計算すると、16:9の画面に9:16の映像を高さいっぱいで入れた場合、横幅は画面の約32%になります。せっかく24倍で寄った顔も、テレビでは小さな縦長の窓の中に収まってしまいます。
18 Proのフロントカメラはセンターフレームカメラで、縦に持ったまま横向きの動画を撮れる作りですが、これはフロントカメラの話です。背面のカメラで寄って撮るときは、iPhoneを横に持ちます。縦の動画をすでに撮ってしまった場合の扱いは、ディスクにする前に左右の黒い帯をどうするか(そのままにするか、ぼかした背景で埋めるか)を決めておくと迷いません。
映像は寄っても、音は席の音のまま
ズームで画面が子どもに寄っても、音を録るマイクはiPhone本体にあります。録れる音は、撮っている席で聞こえている音です。周りの拍手や話し声、すぐ前の席の物音も一緒に入ります。仕様ページのビデオ撮影の欄には「オーディオズーム」という記載がありますが、どの程度働くかは書かれていません。画面の寄り方と同じように音も寄る、とは考えないでおくほうが安全です。
音を重視する発表会なら、映像は自分の席から寄って撮り、音は舞台に近い別の場所で録る、という分け方もあります。会場の決まりで録音の機材を置けないこともあるので、事前に確かめてください。iPhone 16以降は空間オーディオで録るのが初期設定です。ディスクにするとき、当社はAC-3かLPCMの音声で作ります。
家族のiPhone Duo・17 Pro・17と撮り分ける
家族の機種はばらばらです。全員が18 Proとは限りません。ほかの機種で寄れる倍率を知っておくと、誰が寄りを担当するかを決めやすくなります。
17 Proは、焦点距離の並びも光学品質の8倍も18 Proと同じで、ビデオのデジタルズームが最大15倍です。8倍までの撮り方は18 Proとまったく同じに考えてかまいません。16 Proは5倍の光学ズームと最大15倍のデジタルズームで、5倍から先はデジタルです。17 Pro・16 Proで寄りを担当するなら、8倍(16 Proは5倍)を基本にして、足りない分はあとで切り出す方法がよいでしょう。
16 Proを持つ家族がいるなら、その5倍は光学ズームなので、5倍で撮った画は18 Proの4倍と8倍の間くらいの大きさで、レンズを替えて寄った画です。18 Proが8倍、16 Proが5倍、と分ければ、少し引いた画と寄った画の2通りがそろいます。
10月23日発売予定のiPhone Duoは、仕様ページでは「2倍の光学品質ズームイン」とビデオの最大6倍のデジタルズームです。望遠のカメラが無いので、2倍を超えるとデジタルになります。4K/120fps(Fusionメイン)には対応していますが、遠くから寄る撮影は18 Proのほうが向いています。家族の中では、Duoや17で引いた全体を、18 Proで寄りを、と分けるのが自然です。Duoの動画の仕様はiPhone Duoの動画性能 にまとめています。
iPhone Air・17e・16eは背面のカメラが1つで、仕様ページにはそれぞれ「12MPの2倍望遠での撮影時」の記載があります(Airは「光学品質2倍望遠」)。ビデオのデジタルズームはどれも最大6倍です。2倍までは高い画素数のセンサーの中央を使い、その先はデジタルの切り出しと読めます。これらの機種を持つ家族には、1倍か2倍で全体を撮る役を頼むと、18 Proの寄りの映像と組み合わせたときに場面が分かりやすくなります。
2台で撮った映像を1本につなぐときは、解像度とフレームレートをそろえておくと編集が楽です。18 Proで4K/60fps、ほかの機種で1080p/30fps、のようにばらばらだと、編集ソフトでどちらかに合わせ直すことになります。前日に「全員4K/30fps」のように決めておくと、あとの作業が減ります。
寄って撮った4Kの動画を家族に送るとき
送り方で画質は変わります。せっかく寄って撮った映像も、送る途中で小さな形に変わってしまうと、細部は戻りません。iPhoneから家族に送るときは、送り方ごとに何が起きるかを知っておきます。
写真アプリの共有メニューの「オプション」には、「自動」と「現在」などの選択肢があります。ユーザガイドの説明では、送信先に最適なファイルフォーマットを選ぶのが「自動」、ファイルフォーマットを変換しないのが「現在」です。AirDropで元のファイルのまま送りたいときは、「オプション」で「すべての写真データ」をオンにします。AirDropやメッセージ、メールなどでは、受け取る側が対応していないと、JPEGやH.264のような互換性の高い形式で送られる場合があります(Appleのサポート記事)。
iCloudの共有アルバムは、作ったときのiOSで扱いが違います。iOS 27以降で作った共有アルバムはオリジナルの形式・フル解像度で共有され、持ち主のiCloudのストレージを使います。iOS 26以前に作った共有アルバムでは、ビデオは最長15分・最大720pで配信されます。以前から使っている家族の共有アルバムに4Kの寄りの映像を入れると、720pで届く場合があるということです。元の画質で渡したいなら、iOS 27で新しく共有アルバムを作り直すか、別の方法で送ります。
パソコンに取り込むときは、「設定」>「アプリ」>「写真」>「MacまたはPCに転送」を「元のフォーマットのまま」にしておくと、取り込むときに形式を変えずに転送されます。「自動」のままだと、互換性のある形式に変換されることがあります。18 ProのUSB-CはUSB 3(最大10Gb/s)で、その速さを出すには10Gb/sに対応したUSB 3のケーブルが要ります。4K/60fpsの長い動画を移すなら、ケーブルを確かめておくと待ち時間が短くなります。
メールで送るなら、Mail Dropを使うと最大5GBまで添付でき、受け取った人は30日以内にダウンロードします(Appleのサポート記事)。4K/60fps・HDRオンの1分約440MBなら、計算上11分ほどで5GBに届くので、長い動画は見どころを切り出してから送ります。
どの方法でも、送ったあとに受け取った側で、写真アプリの「情報」やパソコンのファイルの情報で、解像度とファイルの大きさを見てもらうと確実です。寄りの映像は元の画素が少ない場面を含むので、さらに小さな形に変わると、顔が見分けにくくなるのが早いのです。
撮った動画をディスクにするまで。当社に頼むときの入稿
当社は、動画のデータからDVD・ブルーレイを作る書き込み代行の店です。受け付けるのは完成した動画のデータで、受け取った動画をプレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか店舗でお渡しします。1枚から注文できます。
18 Proで撮った動画は、撮ったファイルのまま入稿できます(MP4・MOV・MTSなど一般的な動画ファイルに対応)。DVDは720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイは1920×1080で作ります。料金(税抜)は、基本料金(DVD・1枚あたり): 1,500円で、オーサリングと書き込みとケース入れ込みを含みます。
ブルーレイの場合は、基本料金(Blu-ray・1枚あたり): 1,500円です。同じ内容の2枚目からは追加コピーの料金になります。
4K/60fpsで長く撮った動画は、ファイルが大きくなります。1つの内容のデータがDVDで5GB以上、Blu-rayで25GB以上のときは、エンコード手数料(大容量データ・内容1種類につき): 3,000円がかかります。4K/60fps・HDRオンの1分約440MBなら、計算上、5GBには約11分、25GBには約57分で届きます。行事の見どころだけに編集して短くしてから入稿すると、DVDの1枚に入る長さにも収まりやすくなります。
運動会の競技ごと、発表会の演目ごとに見たい場面へすぐ移れるようにするなら、チャプターを入れる方法があります。チャプター分け(1枚あたり): +1,500円で、最大50チャプターです。注文ページで「チャプター分け」を選ぶと「チャプター位置の指定」の欄が開くので、2つ目以降のチャプターの位置を時刻で入れます。1つ目は動画の冒頭に自動で入ります。寄りの場面だけを並べた版を作るなら、その版の中で場面の切り替わる時刻をメモしておくと、指定が楽になります。
日程の目安も書いておきます。通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。15時以降の注文は翌営業日の受付で、土日祝の注文・入稿は翌営業日からの作業になります。運動会や発表会のあとで祖父母に渡す日が決まっているなら、編集にかかる日数も足して逆算し、余裕をもって入稿してください。急ぐ場合は、特急お届けやお急ぎお届けなどの短納期のオプションもあります。
入稿は、動画をギガファイル便やGoogle ドライブなどに上げて、共有URLを注文フォームに貼る形です。iPhoneからも入稿できます。複数のファイルを1枚に入れるときは、ファイル名の頭に「01_」「02_」と番号を付けると、その順に収録します。HDRで撮った、60fpsで撮った、ズームで寄った場面が多い、などの撮影の条件や、配る相手の再生機器は、注文フォームの備考欄に書いてください。DVDかブルーレイかで迷うとき、長い連絡や注文前の確認は、相談・問い合わせフォーム からどうぞ。注文は、DVDとブルーレイそれぞれの注文ページから受け付けています。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
よくある質問
Q. iPhone 18 Proの動画は何倍までズームできますか A. ビデオのデジタルズームは最大24倍です(技術仕様ページの表記)。写真は最大40倍ですが、ビデオは24倍で止まります。Appleが光学品質と書くのは0.5倍から8倍までで、8倍を超えた分は、望遠のカメラの画の一部を切り出して引き伸ばしています。
Q. 光学品質の8倍と光学ズームは同じものですか A. 同じではありません。4倍は100mmの望遠のカメラに切り替わる光学ズームです。8倍は仕様ページで「12MPの光学品質8倍望遠での撮影時」と書かれ、同じ望遠のカメラの48MPのセンサーの中央を使う倍率と読めます。ビデオでも同じ範囲を使うとすれば、計算上、8倍でも4Kの画面を引き伸ばさずに作れるだけの画素が残ります。
Q. 24倍で撮ると画質はどのくらい下がりますか A. 8倍の範囲を約900万画素とすると、24倍でセンサー側で使う画素は計算上約100万で、フルHDの約半分です。記録される動画は4Kなら4Kの大きさで、足りない分は引き伸ばされます。16倍でフルHDと同じくらいになります。実際の見え方は明るさと揺れで大きく変わるので、暗い会場の24倍は表の数字より粗く見えると考えてください。
Q. iPhone 18 Proの4Kで寄って撮るときのフレームレートは A. 動きの速い運動会は4K/60fps、暗いホールの発表会は4K/30fpsが無理のない組み合わせです。4Kの100fps・120fpsは仕様ページで「Fusionメイン」と書かれていて、望遠で寄ったときの扱いが資料で確かめられないため、望遠を使う場面は60fps以下にしておくと迷いません。
Q. 録画中にズームの倍率を変えてもいいですか A. 変えられますが、倍率のボタンをタップすると一度に切り替わり、見る人には画が急に変わったように見えます。録画中に変えるなら、「1x」を押さえたままにして出るダイヤルか、カメラコントロールの「ズーム」でゆっくり変えます。行事では演目の前に倍率を決め、録画中は動かさないのが基本です。
Q. 暗い体育館でズームするとカクカクするのはなぜ A. 暗さでFPS自動調整が働き、フレームレートが24fpsに下がった可能性があります。iOS 27のユーザガイドでは、18 Proは4Kで録画するときにもFPS自動調整が動作します。暗い会場で寄って撮るなら、前日に「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」の「FPS自動調整」を「オフ」にしておきます。
Q. 撮影中に24倍で寄るのとあとで切り出すのはどちらがいい A. 細部の量は計算上ほぼ同じです。動く子どもを撮るなら、8倍の4Kで撮ってあとで切り出すほうが、画面から外れにくく揺れも小さく写ります。編集をせずにそのまま渡したい、子どもがほとんど動かない、という場面なら撮影中に寄るほうが手間がかかりません。
Q. iPhoneの写真アプリで動画の一部を拡大して切り出せますか A. できます。写真アプリでビデオを開いて編集のボタンをタップし、切り取りのボタンからコーナーをドラッグするかピンチして範囲を決め、「完了」で保存します。コーナーをドラッグすると縦横比が保たれます。渡すときは「未編集のオリジナルを書き出す」を使うと切り出しが反映されないので、通常の共有で送ります。
Q. ズームした動画をDVDにすると粗さは目立ちますか A. DVDは720×480なので、24倍の画(計算上は横約1,330画素)でも画素は足ります。DVDの画面では8倍と24倍の細部の差はほとんど見えません。DVDで目立つのは揺れと暗さのざらつきで、MPEG-2の圧縮でブロック状のノイズになりやすいので、揺れの少ない映像を選んで入れてください。
Q. ブルーレイにするなら何倍までがきれいですか A. 当社のブルーレイは1920×1080で、16倍で使う画素(計算上約225万)とほぼ同じです。16倍までは計算上引き伸ばしにならず、20倍・24倍では約1.2〜1.4倍に引き伸ばします。大きなテレビで見る予定なら、寄りは16倍までにするか、8倍で撮ってあとで切り出す方法が向いています。
Q. 17 ProとiPhone 18 Proでズームの違いはありますか A. 焦点距離の並び(13mm・24mm・48mm・100mm・200mm)と光学品質の8倍は同じです。違いはビデオのデジタルズームの上限で、17 Proは最大15倍、18 Proは最大24倍です。8倍までの撮り方は2機種で同じに考えてかまいません。
Q. iPhone Duoは何倍までズームできますか A. 10月23日発売予定のiPhone Duoは、仕様ページで「2倍の光学品質ズームイン」、ビデオは最大6倍のデジタルズームです。望遠のカメラが無いので、2倍を超えるとデジタルの切り出しになります。遠くから寄る撮影は18 Proに任せ、Duoで全体を撮る分担が向いています。