この記事の要点
- 市販の曲をムービーに入れて式場で上映するには、曲(作詞・作曲)の著作権と、CDや配信の音源にある歌手やレコード会社の権利(著作隣接権)の、両方の手続きが要ります。
- ISUM(音楽特定利用促進機構)は式場などを通して申し込む仕組みで、新郎新婦は直接申請できません。式場が対応していなければ、曲の許諾は個人でJASRACやNexToneに申し込めます。
- ゲストや参列できなかった人に配るディスクは、上映用とは別に考えます。ISUMの料金は作る個数でも変わるので、配る枚数を含めて手続きできるかを式場に確かめます。
- 夫婦や同じ家庭の家族が家で見るために自分で作るのは、私的使用のための複製(著作権法第30条)です。動画サイトやSNSでの公開は、ISUMの手続きでは扱われません。
- 著作権フリーの音源は、規約の範囲で使う音楽です。結婚式の映像に入れて上映・配布してよいか、作者名などの表記が要るかを、サービスの規約で確かめます。
プロフィールムービーやエンドロールのBGMに、二人の思い出の曲を使いたい。市販のCDや配信で買った曲をムービーに入れて式場で上映するなら、作詞者・作曲者の著作権と、その音を録音した歌手やレコード会社の権利(著作隣接権)の、両方の手続きが要ります。
まとめて手続きできるISUM(音楽特定利用促進機構)は式場などのブライダル事業者が使う仕組みなので、新郎新婦は式場を通して頼みます。式場が対応していないときは、曲の許諾をJASRACやNexToneに個人で申し込み、音源の許諾は日本レコード協会などで得ます。
権利者に申し込まずに使える曲を探すなら、「著作権フリー」として配られている音源が候補です。ただ、フリーといっても作者の著作権がなくなったわけではなく、使える範囲は規約で決まります。結婚式の映像に入れて上映してよいか、ディスクにして配ってよいか、作者名などの表記が要るか。この3点を規約で確かめてから選びます。
市販のCDやレコチョクなどで買った曲をCD-Rに焼くことも、ムービーに入れることも、著作権法では複製です。家庭内など限られた範囲で、仕事以外で使うために、使う本人が複製するなら、著作権法第30条の「私的使用のための複製」として、許諾なしにできます。会場で流すために曲を集めてCD-Rに焼くのは、手続きの要る複製です(ISUM)。
市販の曲には3つの権利がある|曲の著作権と、音源の著作隣接権
CDや音楽配信で売られている曲には、3つの権利が含まれています。作詞者・作曲者の著作権、歌手や演奏家(実演家)の権利、その音を最初に録音したレコード製作者(レコード会社など)の権利です(JASRAC・NexTone)。あとの2つのように、作品を人に伝える役割を担う人に与えられる権利を、著作隣接権と呼びます(ISUM)。歌詞も、楽曲とともに音楽の著作物として守られています(文化庁)。
曲の著作権の許諾は、作者から管理を任されたJASRACやNexToneなどが出します。ただし、JASRACの許諾はJASRACが管理する曲だけが対象で、ほかの曲はそれぞれの権利者から許諾を得ます(JASRACのよくあるご質問)。どこが管理しているかは、JASRACの作品検索データベース「J-WID」や、NexToneの作品データベースで調べられます。
音源の権利は、曲の著作権とは別の人のものです。JASRACやNexToneで曲の手続きをしても、CDの音をそのまま使うなら、音源の手続きが別に要ります。ブライダルでの音源の許諾は、日本レコード協会が窓口です(JASRAC)。レコード会社は音源ごとに使ってよいかを決めていて、ブライダルでの複製を認めていない音源もあります(ISUM)。
曲の手続きを済ませても、CDの音を使うなら音源の手続きが別に要る
家庭内など限られた範囲で、使う本人が複製するなら、著作権法第30条の「私的使用のための複製」として、許諾なしにできます。店にディスクの作成を頼むと、複製するのが使う本人ではなくなるため、私的使用の例外にはあたりません。ISUMは、招待客が列席する結婚式はこの範囲を超えるため、権利者への手続きが要ると説明しています。著作権法の「公衆」には、不特定の人だけでなく、特定かつ多数の人も含まれます(第2条5項)。
会場でCDを流すのは式場の契約の中、ムービーやCD-Rに入れると「複製」
同じ曲でも、会場で流すのと、ムービーに入れるのとでは、働く権利が違います。市販のCDをそのまま再生して聞かせることは、著作権法では「演奏」に含まれます(第2条7項)。JASRACは、店で市販の音源を使う例を挙げ、CDをそのまま流すときに働くのは曲の著作権だけだとしています。CD-Rなどにコピーするときや、音源の入った動画を投稿するときは、曲の著作権と音源の著作隣接権の両方が働くと説明しています。
| 使い方 |
働く権利と手続き |
会場でCDを そのまま流す |
曲の著作権だけ。 会場がJASRACと 契約していれば、 その中で扱われる |
ムービーや CD-Rに入れる |
曲の著作権と、 音源の著作隣接権 |
動画サイトや SNSに上げる |
曲の著作権と、 音源の著作隣接権 |
披露宴の入場や乾杯で市販のCDを流すのは、この「演奏」です。ISUMは、友人が市販の曲を生演奏する例で、演奏だけなら会場がJASRACと演奏権の包括契約を結んでいれば問題ないとしています。JASRACも、演奏・上映の手続きを済ませている会場では、その部分の報告は要らないと案内しています。市販のCDを再生するだけで複製しない使い方なら、ISUMへの申請も要りません(ISUM)。
ムービーに曲を入れるのは、音を映像とともに記録する「録音・録画」で、著作権法では「複製」です(第2条)。ISUMは、手続きの要る複製として、次の3つを挙げています。
- 会場で流すBGM用に、いくつかの市販の曲を集めて1枚のCDに入れる
- プロフィールムービーやエンドロールなど、会場で上映する映像に市販の音源を入れる
- 当日の様子を撮った記録映像に、会場で流したBGMや上映したムービーの曲が入る
JASRACのよくあるご質問の答えも同じで、結婚式で動画に音楽を入れる制作は「映像ソフト」、スライドショーや演出用の音源の制作は「録音物」として、それぞれ手続きが要ります。ISUMは、手続きをせずにCDやDVDに録音・録画すると、作った事業者や、場合によっては新郎新婦が著作権侵害に問われると注意しています。
ISUMは式場を通して申し込む仕組み|新郎新婦は直接申請できない
ISUM(アイサム)は、結婚式や披露宴で市販の音源を複製するときの、著作権と著作隣接権の手続きを、ブライダル事業者に代わって行う団体です。ISUMに登録した式場や映像制作会社は、ISUMの仕組みで2つの権利の申請と使用料の支払いをまとめて行えます。
ISUMが扱うのは結婚式(披露宴・2次会)での利用で、それ以外の場は代行の対象外です(ISUM)。学校行事の記録を配るときの考え方は学校行事の録画・DVD配布と著作権に、スポーツ少年団の式で流すムービーは卒団式ムービーの作り方の中の、BGMを扱う節にまとめています。
ISUMは、個人からの申請を直接は受け付けていません。新郎新婦は、利用する式場やホテルなどを通して手続きを頼みます。式場やホテルがISUMに対応していない場合は、曲の著作権と音源の著作隣接権の権利者に、自分で手続きします(ISUMのよくある質問)。NexToneは、ISUMと契約した式場や映像制作会社がISUMを通して申請するなら、個人がNexToneに手続きする必要はないと案内しています。ムービーの制作を映像制作会社に頼むなら、その会社がISUMに登録しているかも確かめます。
式場がISUMに対応していないときの申し込み先
曲の許諾は、個人でも申し込めます。JASRACは、新郎新婦など個人のための「ブライダル個人専用フォーム」を用意しています。NexToneの曲なら、クリアランスシステム「PlayN」の「利用許諾申請(ブライダル)」から申し込みます。市販の音源を使うなら、その前に日本レコード協会などで音源の許諾を得ておきます(JASRAC・NexTone)。
JASRACは製作の前に、NexToneは利用の2週間前までに申し込むよう案内しています。JASRACからは許諾書と許諾番号がメールで届くので、式場に見せる必要があるときは、その画面を見せます。手順と使用料の目安は、結婚式ムービーのBGMに要る手続きにまとめました。
使える音源は、市販のCDか、曲単位で買える配信
音源は、市販のCDか、レコチョク、iTunes、Amazonなど曲やアルバムごとに買える正規のダウンロード配信のものを使います。Apple MusicやSpotifyのような月額制の配信サービスの音源は、ISUMでは使えません。中古のCDでも、正規に買ったものなら問題ないとされています。同じ曲でも、収録されたアルバムによってレコード会社が違うことがあるため、ISUMで手続きできるかはアルバムごとに変わります(ISUMのよくある質問)。
使いたい曲がISUMで手続きできるかは、公開されている「ISUM楽曲データベース」で、曲名やアーティスト名、利用シーンから調べられます。見つかったら、手元のアルバムが「申請可能アルバム一覧」に載っているかまで確かめます(ISUM)。
式場の対応、音源の買い方、アルバムの順に確かめる
ISUMの料金の決まり方
ISUMの料金は、日本レコード協会が決める著作隣接権の使用料と、JASRACやNexToneが決める著作権の使用料に、ISUMのシステム利用料(権利料の8%)を合わせた額です。消費税は別にかかります。曲の数、BGMのCD・上映する映像・記録ビデオのどれか、写真と動画のどちらで作るか、作る個数で変わります。料金表の額は「同じ製品3個まで」などの単位で決まっていて、1回の結婚式あたりの使用料は、複製する個数3個ごとに同じ額が加算されます(ISUMの料金表)。式場などに頼む場合の費用は、その事業者に確かめてください。
式場で上映・ゲストに配る・家族で見る・SNS|場面ごとに要る手続き
式場での上映、ゲストへの配布、家での視聴、SNSへの投稿では、要る手続きがそれぞれ違います。
| 場面 |
要る手続き |
式場で 上映する |
曲と音源の両方。 式場を通して ISUMで申請。 対応していなければ 権利者に自分で |
ゲストや、 来られなかった 人に配る |
上映とは別に数える。 ISUMの対象か、 配る枚数を含めて 式場に確かめる |
夫婦や 家族で見る |
家で見るために 自分で作るなら 私的使用(第30条)。 別の家に渡す分は 式場や権利者に 確かめる |
動画サイト・ SNSに上げる |
ISUMでは扱えない。 市販の音源なら、 レコード会社などの 許諾が別に要る |
当日の 記録映像 |
ISUMの対象。 撮影を頼む式場や 業者に確かめる |
フリーの 音源を使う |
規約の範囲で使う。 結婚式・配布・ 表記の条件を 規約で確かめる |
式場で上映する
会場のスクリーンで流すプロフィールムービーやエンドロールに市販の曲を入れるなら、曲と音源の両方の手続きが要ります。まず式場のプランナーに、持ち込むムービーの曲をISUMで手続きできるかを聞きます。曲名とアーティスト名、手元の音源のアルバム、作る枚数を伝えられるようにしておくと、話が早く進みます。自分でJASRACに申し込んだ場合は、式場に許諾を見せられるよう、届いたメールを残しておきます。
ムービーをディスクにするときは、式場が受け付ける形式(DVDかブルーレイか)や、前後に入れる黒い画面の長さも確かめます。焼き方と試写の手順は結婚式ムービーをDVDに焼く方法で説明しています。
ゲストや参列できなかった人に配る
上映の手続きが済んでいても、同じムービーをディスクにして配ることまで済んだとは限りません。ISUMが手続きの対象に挙げるのは、会場で流すBGMのCD、会場で上映する映像、当日の記録映像の3つで、これに当たらない使い方はISUMでは手続きできません。料金も作る個数で変わります。配る予定があるなら、上映用の1枚だけでなく、配る枚数を含めて手続きできるかを、式場に確かめます(ISUM)。
著作権法では、有償か無償かを問わず、複製したものを公衆に譲り渡すことを「頒布」といいます(第2条)。動画に入った曲の作者は、その動画のコピーを頒布する権利も持っています(第26条)。お礼として無料で渡すディスクでも、公衆に配るなら頒布にあたります。
参列できなかった祖父母や親戚に1枚だけ送る場合も、式のために手続きしたムービーをコピーすることに変わりはありません。別の家に住む親族に渡す分が私的使用の範囲に入るかは、個別に式場や権利者に確かめてください。
確かめる時間がない、手続きの範囲に入らない、というときは、配る分だけ曲を差し替える方法があります。上映用は手続きした市販の曲のまま、配る用は規約で配布が認められた音源に替えて、映像は同じまま音だけを変えた版を書き出します。書き出しの設定はDVD・ブルーレイ用の動画書き出し設定にまとめています。
夫婦や家族で見る
家で見るために、夫婦や同じ家庭の家族が自分でムービーを作ったり、コピーしたりするのは、私的使用のための複製(第30条)として許諾なしにできます。文化庁の説明では、家庭内など限られた範囲で、仕事以外で使うために、使う本人が複製することが条件です。コピーガードを外して複製することや、違法にアップロードされたと知りながら音楽をダウンロードすることは、この例外に入りません。
家で見るつもりで作ったムービーを、あとで式場で上映したり、ゲストに配ったりすると、目的外の使用として複製をしたものとみなされます(第49条)。式で流すかもしれないムービーは、はじめから手続きのできる曲か、規約で認められた音源で作っておくと、あとで作り直さずに済みます。
動画サイトやSNSに上げる
ISUMの手続きだけでは、動画サイトやSNSには上げられません。ISUMは、披露宴などで流す音声、上映する映像、記録映像に市販の音源を複製するところまでを代行します。インターネットで公開するには、送信可能化権(著作隣接権)と公衆送信権(著作権)について、権利者の許諾が別に要ります。ISUMは、動画投稿サイトやSNSでの公開と、インターネットを経由したデータの納品を、代行の対象外に挙げています。
YouTubeのように、JASRACやNexToneと利用許諾契約を結んでいるサービスでは、曲の著作権について、投稿者は一定の範囲で手続きなしに動画を上げられます。それでも、市販のCDや配信の音源を使った動画には、レコード会社など音源の権利者の許諾が別に要ります(JASRAC・NexTone)。家族や友人に見せたいときは、規約でSNSでの公開が認められた音源に替えた版を作ります。
著作権フリーの曲は、規約の3点を確かめてから使う
BGMを配るサイトでは、「著作権フリー」「ロイヤリティフリー」といった言葉で音源が紹介されています。ただ、作者の著作権がなくなっているわけではなく、どこまで使えるかは、サービスごとの規約で決まります。甘茶の音楽工房は利用規約で「著作権は放棄しておりません」と書き、魔王魂も、著作権フリーやCC0ではないと断っています。ISUMが扱うのは市販の音源なので、こうした音源は、ISUMの手続きではなく規約に沿って使います。
結婚式のムービーに使う前に、規約で確かめたいのは次の3点です。
- 結婚式での利用や、映像のBGMとしての利用を認めているか
- ムービーをディスクにして配ってよいか。音源そのものを配ることの禁止と、どう書き分けているか
- 作者名やサイト名の表記(クレジット)が要るか。要るなら、どこに入れるか
3つのサービスの規約を2026年9月24日に読むと、次のようになっています。
| サービス |
規約に書かれていること |
| OpenTracks |
旧DOVA-SYNDROME。 結婚式での利用、 DVDなどの作品への 利用を例に挙げる。 表示は必須ではない。 音源だけの配布は禁止 |
甘茶の 音楽工房 |
映像などのBGMに 使える。表示は 必須ではない。 音楽だけの販売と 2次配布は禁止。 使用許諾書は 発行していない |
| 魔王魂 |
個人・商用を 問わず使える。 表記が必要で、 例は「音楽:魔王魂」。 冠婚葬祭などで 表記が難しいときは 問い合わせる |
OpenTracksは、2026年9月15日にDOVA-SYNDROMEから名前を変えたサービスで、旧URLは新しいURLへ転送されます。作曲者が別に利用条件を決めている曲は、その条件が優先されます。ただし、使用料が要らないこと、表示が要らないこと、禁止事項については、サイトのライセンスが優先されます。OpenTracksは、音源のファイルを、そのまま取り出せる形で使うことも禁じているので、配るディスクには曲のファイルを入れず、ムービーの中に入れた形で収めます。
規約は改定されることがあり、同じサービスでも曲や作者で条件が変わることがあります。使う曲を決めたら、その日に曲のページと規約を読み、ダウンロードしたページのURL、曲名、作者名を控えておきます。甘茶の音楽工房のように使用許諾書を出していないサービスもあるので、式場に曲の出どころを聞かれたときは、この控えを見せて説明します。
動画サイトにも上げるなら、YouTubeのContent IDの扱いも規約で見ておきます。甘茶の音楽工房は、フリー素材を使っていても「第三者のコンテンツと一致しました」という警告を受ける場合があると案内し、異議申し立ては利用者の判断に任せています。OpenTracksと甘茶の音楽工房は、どちらも、音源を使った作品をContent IDに登録することを禁じています。
著作権フリーでも使える範囲は規約で決まる。使う日に規約を読み、控えを残す
編集アプリに入っている音楽
編集アプリに付いている音楽も、使える範囲はアプリの規約で決まります。Mac版iMovieの使用許諾契約は、付属のオーディオの用途を「個人的、非営利的な用途のみ」に限っています。CapCutの素材利用規約でも、音楽ライブラリの曲(Sounds)を入れてよいのは、個人で楽しむための非商用の動画です。式場での上映や、ディスクにして配る使い方がこれに当たるか分からないときは、提供元に確かめるか、別の音源を選びます。
市販の音源を入れずに、好きな曲を流す方法
使いたい曲がISUMで扱えない、手続きが間に合わない、というときでも、ムービーに市販の音源を入れない形なら、手続きが要らなくなったり、減ったりします。
ムービーは曲なしで作り、会場でCDを流してもらう
ムービーには曲を入れずに作り、上映に合わせて、会場で市販のCDを流してもらう方法です。CDをそのまま再生するのは演奏で、複製ではありません。ISUMも、市販CDの再生のみなど複製しない使い方なら、ISUMへの申請は要らないとしています。音響の担当の方にCDを渡し、どの場面で、どの曲を、どこから流すかを伝えて、試写で合わせておきます。式場がこの流し方に応じるかは、先に確かめてください。
気をつけたいのは2点です。流すために曲を集めてCD-Rに焼くと、それ自体が複製になるので、買ったCDそのものを使います(ISUM)。また、当日の記録映像には、会場で流した曲も入ります。ISUMは、記録映像に会場のBGMが入ることも手続きの要る複製に挙げているので、記録映像を撮る式場や業者に、曲の手続きを確かめます。記録映像をどの形で残すかは、披露宴の記録映像の残し方で比べています。
自分たちや友人が演奏・歌った音を使う
市販のCDの音を使わず、自分たちや友人が演奏したり歌ったりした音を録音して使えば、市販の音源にある歌手やレコード会社の権利の手続きは要りません。要るのは曲の著作権の手続きだけです(NexTone)。ISUMの料金表でも、演奏・歌唱の音源には著作隣接権の使用料がかからないとされています。ISUM楽曲データベースに登録された曲なら、演奏・歌唱の音源の手続きもISUMで代行できます。
保護期間の切れたクラシックなどの曲
作曲者が亡くなった年の翌年から数えて70年を過ぎた曲は、曲の著作権の保護期間が終わっています(第51条・第57条)。外国の作品には、戦時加算で保護期間が延びているものもあります(文化庁)。ISUMの料金表も、保護期間が切れた曲には著作権の使用料がかからないとしています。
ただ、市販のCDの音には、歌手や演奏家の権利と、録音したレコード会社などの権利が別にあり、演奏や発売の翌年から70年守られます(第101条・文化庁)。クラシックの名曲でも、市販のCDの音をそのまま使うなら、音源の手続きは残ります。
曲と音源のどちらの手続きが残るかは方法で違う。CDを流すならCD-Rに焼かない
曲を決める前に確かめる5つのこと
結婚式のムービーに使う曲は、次の順に決めていくと、手続きの漏れに早く気づけます。
- ムービーをどう使うかを決める。式場で上映するか、ゲストに配るか、家族で見るだけか、SNSにも上げるか
- 式場に、持ち込むムービーの曲をISUMで手続きできるか、配る分も含められるかを聞く
- 市販の曲なら、ISUM楽曲データベースで曲と手元のアルバムを調べ、市販のCDか、曲単位で買った正規のダウンロードの音源を用意する
- 手続きできない曲や、配る版・SNS用の版には、規約で使い方が認められた音源を選び、規約のページと曲名・作者名を控える
- 上映用、配る分、手元に残す分の枚数を決め、曲の手続きとディスクの準備を同じ枚数で進める
当社(ディスクメーカー・大阪市北区梅田)は、動画データからDVD・ブルーレイを1枚から作る小さな店です。完成したムービーは、ギガファイル便の共有URLを注文フォームに貼って入稿でき、スマホからも入稿できます。お引き受けできるのは、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画だけです。
許諾番号や許諾マークを盤面に入れるなら、盤面レーベル印刷を選んで、それらを入れた画像を入稿します。表示のしかたはJASRACやNexToneの案内に従い、注文の手順は盤面印刷の方式の違いと、データの作り方・頼み方で確かめてください。
よくある質問
Q1. 結婚式のムービーに市販の曲を使うと、必ず手続きが要りますか?
式場で上映する、ゲストに配る、動画サイトやSNSに上げる、といった使い方なら要ります。ISUMは、招待客が列席する結婚式は私的使用の範囲を超えると説明しています。夫婦や同じ家庭の家族が家で見るためだけに自分で作るなら、私的使用のための複製(第30条)として許諾なしにできますが、そのムービーをあとで上映したり配ったりすると、複製をしたものとみなされます(第49条)。
Q2. ISUMの申請は、新郎新婦が自分でできますか?
できません。ISUMはブライダル事業者の手続きを代行する団体で、個人からの申請は直接受け付けていないため、利用する式場やホテルを通して頼みます。式場が対応していない場合は、曲の許諾をJASRACのブライダル個人専用フォームやNexToneのPlayNに個人で申し込み、音源の許諾は日本レコード協会などで得ます。
Q3. 会場で市販のCDを流すだけなら、手続きは要りませんか?
CDをそのまま再生するのは演奏で、会場がJASRACと演奏・上映の手続きを済ませていれば、その中で扱われます。ISUMも、市販CDの再生のみなど複製しない使い方なら、ISUMへの申請は要らないとしています。ただし、流すために曲を集めてCD-Rに焼くのは複製です。当日の記録映像に曲が入る場合も、記録ビデオとして手続きが要ります。
Q4. 式場で上映したムービーを、DVDにしてゲストに配ってもいいですか?
上映の手続きだけで配れるとは限りません。ISUMが手続きの対象に挙げるのは、会場で流すBGMのCD、会場で上映する映像、当日の記録映像で、料金は作る個数で変わります。配る枚数を含めて手続きできるかを式場に確かめ、難しければ、配る版だけ規約で配布が認められた音源に替えます。無料で配るディスクも、公衆に配れば頒布にあたります。
Q5. Apple MusicやSpotifyで聞いている曲を、ムービーに使えますか?
その音源は使えません。ISUMで使えるのは、市販のCDと、レコチョク、iTunes、Amazonなど曲やアルバムごとに買える正規のダウンロード配信の音源で、月額制の配信サービスの音源は対象外です(ISUM)。同じ曲でも、CDを買うか曲単位で買えば、手続きできる場合があります。アルバムによって可否が違うので、申請可能アルバム一覧で確かめます。
Q6. 著作権フリーの曲なら、手続きなしで結婚式のムービーに使えますか?
規約の範囲で使う音源なら、ISUMへの申請は要らず、使い方はその規約で決まります。OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME)は、作曲者が著作権管理団体などと管理の契約をしていないことを公開の条件にし、魔王魂も、JASRACなどから料金を請求されることはないとしています。配るディスクに使ってよいか、表記が要るかを規約で確かめ、ダウンロードしたページを控えておきます。
Q7. 歌詞を字幕で画面に出すのにも、手続きが要りますか?
要ります。歌詞も音楽の著作物なので(文化庁)、映像に入れれば歌詞の複製になります。ISUMの料金表では、曲と同時に歌詞や楽譜を映像に出す場合は使用料に含まれ、写真で作るムービー(静止画)で歌詞を出す場合は、著作権の使用料に50%が加算されます。曲を流さずに歌詞だけを出す場合も、歌詞の複製になることは変わりません。
Q8. 曲をサビから使ったり、短く切ったりしてもいいですか?
ISUMは、サビから流し始める、終わりをフェードアウトさせるといった再生範囲の編集なら可能としています。曲の内容そのものを変えると、作者の同一性保持権(第20条)や、歌手・演奏家の同一性保持権(第90条の3)に触れるおそれがあり、判断が難しいときは権利者に問い合わせるよう案内しています。編曲や替え歌にして使う場合は、別に許諾が要ります(NexTone)。
Q9. 友人が作る余興ムービーに市販の曲を使うときは、誰が手続きしますか?
JASRACは、新郎新婦や列席者が自分で録音・録画物を作る場合は、個人で手続きできると案内しています。作る人が、曲の許諾をJASRACやNexToneに申し込み、音源の許諾を日本レコード協会などで得る方法と、式場がISUMに対応していれば式場に相談する方法があります。ISUMの対象には、会場で上映する余興映像も入っています。上映用のディスクの準備は結婚式の余興ムービーをDVDで持ち込むとき|式場に確かめること・渡し方・予備にまとめています。
Q10. 二次会の会場で上映するムービーにも、手続きは要りますか?
要ります。ムービーに市販の曲を入れるのは複製で、ISUMは結婚式の2次会や結婚パーティーでの利用も対象にしています。二次会の会場や、ムービーを作る映像制作会社がISUMに登録していなければ、自分で権利者に申し込みます。会場で流すこと(演奏・上映)の扱いは会場の契約によるので、会場にも確かめます。
参考にした公式の情報
出典の一覧(22件)を開く
法律の運用や、各団体の手続き・料金、各サービスの規約は、改正や更新で変わります。この記事は、2026年9月24日時点の法令と各公式ページの記載をもとにしたものです。個別の判断は、式場やISUM、JASRAC・NexTone、レコード会社などの権利者に確かめてください。
ディスクメーカーへのご依頼・お見積りは以下からどうぞ。