この記事の要点
ISUM(アイサム)は、結婚式で市販の音源をムービーやCDに複製するときの、曲の著作権と音源の著作隣接権の手続きを、式場などのブライダル事業者がまとめて行う仕組みです。
新郎新婦はISUMに直接申請できません。ISUMに登録した式場や映像制作会社を通して頼み、通せないときはJASRAC・NexToneと日本レコード協会に自分で申し込みます。
料金はISUMの料金表で決まり、BGMのCD・上映するムービー・記録ビデオのどれか、写真だけ(静止画)か動画を含むか、曲数、作る個数で変わります。消費税は別です。
料金表から試算すると、動画を含むプロフィールムービーにJASRACの曲を3曲入れてDVD1枚なら10,530円、写真だけのスライドショーなら8,478円です(どちらも消費税別)。
使える音源は、市販のCDと、曲やアルバムごとにダウンロードで買った音源です。Apple MusicやSpotifyのような月額制の配信サービスの音源は使えません。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
1枚から 作れます。 同じ 内容の 追加は 1枚1,000円 (税抜)です。
1枚1,500円(税抜)から・ 1枚から注文できます
プロフィールムービーに市販の曲を入れようとして、JASRACの案内やISUMの料金表を開くと、「静止画コンテンツ」と「動画コンテンツ」という分け方が出てきます。静止画コンテンツは写真などの静止画だけで作るスライドショー、動画コンテンツは動画を含むムービーのことです。NexToneの早見表はそれぞれを「全編スライドショーの各種ムービー」「動画を含む各種ムービー」と説明し、申請マニュアルでは、1本の中にスライドショーと動画が混ざるなら「動画」を選ぶよう案内しています。
分け方の違いは、曲の著作権の料金に出ます。JASRACに個人で申し込むときの目安は、動画コンテンツが1曲2,000円、静止画コンテンツが1曲1,000円(歌詞も画面に出すなら1,500円)。ISUMの料金表でも、JASRACの曲は動画が1曲1,900円、静止画が1曲950円で、ちょうど倍の開きがあります。CDや配信の音源の権利(著作隣接権)の料金は、静止画でも動画でも同じです。
ISUMへの申請は、ISUMに登録した式場などの事業者が行います。新郎新婦がするのは、使う曲と手元の音源がISUMで扱えるかを調べ、曲名や音源、作る枚数を式場に伝えることです。
ISUMとは|式場などが、曲と音源の手続きをまとめて行う仕組み
市販のCDや配信で買った曲をムービーに入れると、曲を作った人の著作権と、その音を録音した歌手やレコード会社の権利(著作隣接権)の、両方の手続きが要ります。著作権法でも、作者の複製権(第21条)、歌手や演奏家の録音権・録画権(第91条)、レコード製作者の複製権(第96条)は別々に定められています。ISUMは、招待客が列席する結婚式は、家庭内などで楽しむための私的使用(第30条)の範囲を超えると説明し、手続きをせずにCDやDVDに録音・録画すると、作った事業者や、場合によっては新郎新婦が著作権侵害に問われると注意しています。どの使い方にどの権利が働くかは結婚式ムービーのBGMと著作権|市販の曲・ISUM・著作権フリー音源の使い方 にまとめました。
ISUM(一般社団法人 音楽特定利用促進機構)は、この2つの手続きを、ブライダル事業者に代わってまとめて行う団体です。ISUMに登録した式場や映像制作会社は、ISUMのオンラインの仕組み(Meleteシステム)で、著作権と著作隣接権の申請と使用料の支払いを一度に済ませられます。音源の権利の使用料は、ふつうはレコード会社が曲ごとに決めるものですが、ISUMの楽曲データベースに載っている曲なら、料金表の決まった額で使えます。JASRACも、ブライダルで録音・録画物を作るときの窓口としてISUMを案内しています。
新郎新婦は、式場などを通して申請を頼む
ISUMに登録できるのは、結婚式場・ホテルや、ブライダル向けの映像制作・音響の会社など、ブライダルの事業をしている法人と個人事業主です。ISUMは個人からの申請を直接は受け付けていないので、新郎新婦は、利用する式場やホテルを通して手続きを頼みます。JASRACのブライダルのページにも「ISUMでは個人の方の登録を受け付けていません」と書かれています。
登録している式場と映像制作会社は、ISUMのサイトの一覧で探せます。ただ、載っているのは公表に同意した事業者だけなので、見つからないときは式場や会社に直接聞いてください。式場を通せないときは、JASRAC・NexToneと日本レコード協会に自分で申し込みます(手順は後の節)。
対象は、結婚式での3つの複製
ISUMで手続きできるのは、結婚式・披露宴・2次会で、市販の音源をCDや映像に複製する次の3つです。料金表も、この3つの区分に分かれています。
区分
ISUMの呼び方と中身
①BGMのCD
音声演出コンテンツ。会場で流すBGMを選んで録音したCDなど
②ムービー
映像演出コンテンツ。上映するオープニング、プロフィール、エンディング、余興などの映像
③記録ビデオ
当日の様子を、市販の音源が流れている状態で撮った記録映像
会場で買ったCDをそのまま流すだけなら複製にはあたらず、ISUMへの申請も、曲がデータベースに載っている必要もありません。その場でのアカペラや生演奏も同じで、ISUMは、こうした使い方は式場に相談するよう案内しています。反対に、動画サイトやSNSでの公開、インターネット経由でのデータの納品、結婚式(披露宴・2次会)以外での利用は、ISUMの対象外です。卒園式や学校行事のDVDに入れる曲の手続きは、卒園記念DVDの作り方 や学校行事の録画・DVD配布と著作権 で説明しています。
楽曲データベースで、曲と手元のアルバムを確かめる
ISUMで申請できるのは、ISUM楽曲データベースに載っている曲です。権利者から複製の許可が得られた曲が登録されていて、2026年9月24日に見た画面では、許諾楽曲数は36,928曲(9月18日更新)と表示されていました。曲名やアーティスト名のほか、迎賓・入場・ケーキ入刀・プロフィールムービー・花嫁の手紙・エンドロールなど15の利用シーンや、「洋楽」「配信音源」などのタグからも探せます。
曲が見つかっても、それだけでは決まりません。許可はレコード会社が音源ごとに出していて、同じ曲でも、収録されたアルバムによってレコード会社が違うことがあるからです。曲ごとの「申請可能アルバム一覧」に、使うアルバム(規格品番)が載っているかまで確かめます。CDの音源と配信の音源は別の曲として登録され、配信の音源は曲名の横に【配信音源】と書かれています。
JASRACの「静止画コンテンツ」と「動画コンテンツ」の違い
「静止画コンテンツ」と「動画コンテンツ」は、ISUMの料金表とJASRAC・NexToneの案内で使われている、上映するムービーの分け方です。主な違いを表にしました。
比べる点
静止画
動画
中身
全編がスライド
動画を含む
JASRACの扱い
録音物
映像ソフト
J-WIDの 欄
録音
ビデオ
JASRACの個人向け
1曲 1,000円
1曲 2,000円
ISUMのJASRAC欄
1曲 950円
1曲 1,900円
歌詞を出すとき
1.5倍
料金に含む
音源の権利の額
同じ
同じ
JASRACは、結婚式で動画に音楽を入れる制作を「映像ソフト」、スライドショーや演出用の音源の制作を「録音物」として扱っています(JASRACのよくあるご質問)。個人で申し込むときに作品検索データベース「J-WID」で確かめる欄も分かれていて、管理状況の「複製」のうち、動画コンテンツはビデオの欄、静止画コンテンツ(スライド)はBGM用CDと同じ録音の欄を見ます。欄が「○」ならJASRACで手続きでき、「△」なら作品コードを控えてJASRACに問い合わせます。「×」はJASRACの管理ではないので、ほかの管理団体や音楽出版社に問い合わせます。
NexToneの早見表は、静止画を「全編スライドショーの各種ムービー」、動画を「動画を含む各種ムービー」と説明しています。申請マニュアルでは、1本の映像にスライドショーと動画が混ざり、その背景に曲を入れるなら「動画」を選びます。写真のスライドショーの途中に短い動画を1本はさむだけでも、NexToneの曲は動画として申請する 、ということです。JASRACの案内には混ざる場合の書き方が見当たらないため、JASRACの曲で迷うときは、申請する式場かJASRACに確かめてください。
歌詞の扱いも違います。写真だけのスライドショーで歌詞や楽譜を画面に出すと、曲の料金は1.5倍です。ISUMの料金表は静止画の著作権使用料に50%を加算するとし、JASRACとNexToneの個人向けの目安も1曲1,500円です。動画を含むムービーで、曲と一緒に歌詞を出す場合は、使用料に含まれます(ISUM)。
もう一つは、特定の音楽出版社が権利を持つ外国曲です。JASRACに個人で申し込む場合、ショットミュージック、日音、日本アメリカーナ音楽出版、ピアーミュージック、ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング(Walt Disney Music Companyなどの原出版社が管理する曲)の5社がJASRACに管理を任せている外国曲は、動画コンテンツでは音楽出版社が指定する額(指し値)が上乗せされ、静止画コンテンツとBGM用CDでは要りません。ISUMの料金表でも、これらの外国曲には権利者の指定した額が別に要るとされています。
ISUMの料金表の読み方|2026年4月1日からの表
ISUMを通して申請するときの料金は、次の3つを足した額です。表の額には、どれも消費税が別にかかります。
A 著作隣接権使用料:音源の権利の料金。日本レコード協会が決めた額です
B 著作権使用料:曲の権利の料金。曲を管理しているJASRACかNexToneの額を使います
C Meleteシステム利用料:ISUMのシステムの利用料で、(A+B)×8%です
公式の料金表は1枚の画像で、BGMのCD(①)・ムービー(②)・記録ビデオ(③)の列に分かれ、Bのムービーの列はさらに静止画と動画に分かれています。スマホでも読めるよう、A・Bの団体ごとの表に分けて書き写しました。額の後の「3個まで」は、料金表で「同製品3個まで」「同コンテンツの製品3個まで」と書かれている部分で、製品(ディスクなど)を3個まで作るときの額です。
A 音源の権利(日本レコード協会の額)
区分
額
①BGMのCD ②ムービー
1曲2,000円(1個)または5曲まで5,000円(3個まで)
③記録ビデオ
1曲2,000円(1個)または5曲まで5,000円(3個まで) または1催事あたり10,000円(3個まで)
「1曲2,000円(1個)」は、1曲を1個作るごとの額です。2曲を1個なら4,000円、1曲を2個でも4,000円になり、3個までの範囲で「5曲まで5,000円」を超えるときは、5,000円のほうで計算されます。②のムービーは、静止画でも動画でも同じ額です。
B 曲の権利(JASRACの曲)
区分
額(3個まで)
①BGMのCD
1曲950円 または1催事あたり4,750円
②静止画
1曲950円
②動画
1曲1,900円 または3〜5曲4,750円
③記録ビデオ
1曲1,900円 または3〜5曲4,750円 または1催事あたり9,500円
B 曲の権利(NexToneの曲)
区分
額(3個まで)
①BGMのCD
1曲1,000円 または1催事あたり5,000円
②静止画
1曲1,000円
②動画
1曲2,000円 または3〜5曲5,000円
③記録ビデオ
1曲2,000円 または3〜5曲5,000円 または1催事あたり10,000円
JASRACの欄がNexToneより5%安いのは、JASRACの使用料の規定から5%割り引いた額が載っているためです(ISUMの注記)。NexToneの欄は、2026年4月1日からの表でJASRACと同じ形になりました。3月までの表では「1曲400円」「1曲1分250円」(どちらも同製品50個まで)で、曲の長さで数える決まりもあったので、古い説明や試算を読むときは表の日付を確かめてください。Cのシステム利用料は、AとBを足した額の8%です。
金額が変わる条件
同じ欄に額が2つ以上あるときは、安いほうで計算されます。3曲の動画なら、1曲1,900円×3曲の5,700円より、3〜5曲の4,750円です
同じ式で使うムービーやBGMのCDを一度に申請すると、Aは①②③の区分ごとに、Bは製品ごとに曲数と個数がまとめられ、安いほうの額で計算されます。区分が違うものは合算されません
①BGMのCDと③記録ビデオには「1催事あたり」の額があり、曲が多くてもそれ以上は上がりません。ISUMの目安では、Aは③で6曲、Bは①で5曲・③で8曲から、この額になります
1催事あたりの額は、複製する個数が3個増えるごとに、同じ額が加算されます
表の額は3個までのものです。4個以上作るときや、②で6曲以上使うときの額は表だけでは出せないので、申請する式場などに見積もってもらいます
写真だけのスライドショー(②静止画)で歌詞や楽譜を出すと、Bに50%が加算されます
保護期間が切れた曲(PD曲)はBがかかりません。自分たちや友人が演奏・歌唱した音源はAがかかりませんが、ISUMで申請できるのはデータベースに載っている曲だけです
前の節で挙げた5社が権利を持つ外国曲は、権利者が指定する額が別に要ります
プロフィールムービーの曲は、ISUMでいくらになるか(試算)
料金表の額から、よくある形で計算しました。曲は、NexToneと書いたもの以外はJASRACの曲で、どれもISUMの楽曲データベースに載り、音源は市販のCDか、曲ごとに買った配信の音源とします。額はISUMの料金表の使用料だけで、消費税が別にかかります。式場などに実際に払う額は、頼む事業者に確かめてください。
条件
試算(消費税別)
動画を含む 3曲・1枚
10,530円
写真だけ 3曲・1枚
8,478円
写真だけで歌詞も出す 3曲・1枚
10,017円
動画を含む 1曲・1枚
4,212円
動画を含む 1曲・2枚
6,372円
動画を含む 1曲・3枚
7,452円
NexToneの曲 動画を含む 3曲・1枚
10,800円
記録ビデオ10曲3枚まで
21,060円
動画を含むプロフィールムービー、3曲・DVD1枚の内訳
A(音源):1曲2,000円×3曲×1個=6,000円と、5曲まで5,000円を比べて、安い5,000円
B(曲・JASRAC):1曲1,900円×3曲=5,700円と、3〜5曲4,750円を比べて、安い4,750円
C(システム利用料):(5,000円+4,750円)×8%=780円
A+B+C:10,530円に、消費税がかかります
同じ3曲を写真だけのスライドショーに入れると、Bは1曲950円×3曲=2,850円に下がります。Aは静止画でも動画でも5,000円のままなので、Cは(5,000円+2,850円)×8%=628円、あわせて8,478円です。このスライドショーで歌詞を画面に出すと、Bに50%が加算されて4,275円、Cは742円になり、10,017円です。
曲が1曲だけのときは、枚数で額が変わる
エンドロールに1曲だけ入れる、というように曲が少ないときは、Aの「1曲2,000円(1個)」が使われます。動画を含むムービーに1曲、DVD1枚なら、A 2,000円、B 1,900円、C 312円で4,212円です。同じものを2枚作るとAが4,000円に増えて6,372円、3枚ならAは5曲まで5,000円のほうが安くなり、7,452円になります。Bの1,900円は、3個まではそのままです。
NexToneの曲と、記録ビデオの場合
NexToneの曲を3曲、動画を含むムービーに入れてDVD1枚にすると、Bは3〜5曲の5,000円で、A 5,000円、C 800円とあわせて10,800円です。JASRACの曲で同じ条件なら10,530円なので、差の270円は、JASRACの欄の5%の割引から来ています。
当日の記録ビデオにJASRACの曲が10曲入り、DVDを3枚まで作る場合は、曲数が目安を超えるので、Aは1催事あたり10,000円、Bは1催事あたり9,500円になります。Cは1,560円で、あわせて21,060円です。記録ビデオの曲の手続きは、撮影を頼む式場や業者に確かめます。記録映像をどんな形で残すかは披露宴の記録映像の残し方 で比べています。
ISUM(アイサム)申請の流れ|式場に伝えることと締め切り
式場を通してISUMで申請するときは、次の順に進めます。式場ごとに違う決まりは、そのつど式場に確かめてください。
式場(ムービーを頼むなら映像制作会社)に、ISUMに登録しているか、持ち込みのムービーの曲も申請してくれるかを聞きます。あわせて、曲を決める期限、ムービーを出す期限、料金の払い方も聞きます
ISUM楽曲データベースで曲を探し、曲ごとの「申請可能アルバム一覧」に、使うアルバムが載っているかを確かめます。載っていなければ、次の節の方法を考えます
音源を用意します。一覧に載っているアルバムの市販のCDか、曲やアルバムごとにダウンロードで買った【配信音源】を使います。中古のCDも、正規に買ったものなら使えます
曲と音源、作るもの、枚数などを式場に伝えます(伝えることは下の表)
式場がISUMに申請します。登録している事業者は専用のシステムで申請し、データベースの曲なら、申請すればすぐに使えます
ムービーを書き出してディスクにし、式場の機器で試写します
式場に伝えること
伝えること
中身
曲
曲名とアーティスト名
音源
CDなら、アルバム名と商品番号(規格品番)。配信なら、ダウンロードで買った【配信音源】
作るもの
オープニング、プロフィール、エンドロール、余興、BGMのCD、記録ビデオのどれか
映像の中身
写真だけか、動画を含むか。歌詞を画面に出すかどうか
枚数
上映用と予備で何枚作るか。残す分や配る分もあれば、その数
使う日
挙式・披露宴の日
何をどの形で出すかは、式場の案内に従います。日本レコード協会の案内では、CDの音源は商品番号で、配信の音源は【配信音源】の登録で、手元の音源と同じものを選びます。商品番号は、CDのパッケージに書かれているアルファベット4桁と数字1〜5桁の番号で、配信の音源にはありません。
ゲストや参列できなかった親族に配る分は、上映用とは別に考えます。ISUMが手続きの対象に挙げるのは、会場で流すBGMのCD、会場で上映する映像、当日の記録映像の3つで、料金も作る個数で変わります。手元に残す分や配る分を同じ申請に含められるかは、式場に確かめてください。配るときの考え方は、最初の節で挙げた結婚式ムービーのBGM著作権の記事に書いています。
締め切りは、式場が決める期限から逆に数える
ISUMの側には、何日前までという申請の期限はありません。登録している事業者が専用のシステムで申請すれば、データベースの曲はすぐに使えます(ISUMのよくある質問)。期限になるのは、曲を確定する期限やムービーを出す期限など、式場が決める期限です。
それでも早めに動いたほうがよい理由が2つあります。1つは、データベースにない曲をリクエストすると、権利者の確認に1か月以上かかることがあり、式場の期限までに結果が出なければ、データベースの別の曲に替えることになる点です。もう1つは、データベースの曲も、権利の状況が変わると削除されることがある点。削除の前に申請が済んでいれば、削除のあとも使えるので、ISUMは早めに曲を決めて申請するよう呼びかけています。
式場を通せず、自分で権利者に申し込む場合は、それぞれ少なくとも2週間ほどかかることがあります(ISUM)。JASRACは製作の前に、NexToneは利用の2週間前までに申し込むよう案内しています。
月額制の配信サービスの音源が使えないのはなぜか
ISUMが扱う「市販音源」は、市販のCDと、レコチョク、iTunes、Amazonなど、曲やアルバムごとに買える正規のダウンロード配信の音源です。Apple Music、Spotify、Amazon Music Unlimited、LINE MUSIC、TOWER RECORDS MUSIC、AWA、YouTube Music Premiumのような月額制の配信サービスの音源は、この中に入っていません(ISUMのよくある質問)。日本レコード協会も、市販のCDを買うか正規の配信サイトでダウンロード購入するよう案内し、サブスクリプションサービス内の音源は使えないとしています。
許可はレコード会社が音源ごとに出していて、申請のときも、CDの商品番号や【配信音源】の登録で、使う音源を1つに決めます。ふだん月額制のサービスで聞いている曲を使うなら、その曲が入ったCDを買うか、曲単位でダウンロード購入し、その音源が申請可能アルバム一覧に載っているかを確かめます。
使いたい曲が楽曲データベースにないとき
曲やアルバムが見つからないときの道は、3つあります。
ISUMに楽曲リクエストを出す
ISUM楽曲データベースのページから、曲やアルバムの追加を頼めます。費用はかからず、個人でも送れます。ISUMが日本レコード協会を通してレコード会社などに確かめ、使えると分かった曲を、著作権の状態も確かめたうえで順にデータベースに加えます。送ると受付のメールが届き、確認の結果もメールで知らされます。表記ゆれでデータベースの情報と一致しないとメールは届かないので、1か月たっても知らせがなければISUMに問い合わせます。
権利者に直接手続きする
洋楽や外国の映画・アニメの曲がデータベースに少ないのは、動画で使うと曲の使用料が権利者の指定した額(指し値)になることがあり、定額の仕組みでは扱えないからだ、とISUMは説明しています。それでも、著作権と著作隣接権の権利者に直接手続きすれば使える曲もあり、ISUMは問い合わせるよう案内しています。式場がISUMに対応していないときも、楽曲名・アーティスト名・利用予定日を書いてISUMのお問い合わせフォームから連絡すると、権利者への手続き先が案内されます(データベースにない曲は案内が難しい場合もあります)。
音源や曲を替える
同じ曲でも、別のアルバムなら申請可能アルバム一覧に載っていることがあります。市販のインストゥルメンタル版やカラオケ音源も、ふつうの曲と同じくISUMで申請できます。カラオケ店の機器で録音した音源はISUMでは扱えず、カラオケ業者に問い合わせることになります(ISUM)。市販の音源を使わない選び方、たとえば規約で使えるフリーの音源や自分たちの演奏は、結婚式ムービーのBGMの権利とフリー音源の選び方 にまとめました。
式場を通せないときは、JASRAC・NexToneと日本レコード協会に自分で申し込む
式場がISUMに登録していない、持ち込みのムービーの申請は受けない、というときは、新郎新婦が自分で、曲の著作権と音源の著作隣接権をそれぞれの窓口に申し込みます。友人が作る余興ムービーなら、作る人が申し込むこともできます。JASRACもNexToneも、音源の許諾を先に得てから、曲の申請をする順にしています。
曲を管理している団体を調べます。JASRACの作品検索データベース「J-WID」や、NexToneの作品データベースで、「複製」の欄(動画はビデオ、スライドショーとBGMのCDは録音・オーディオ)を見ます
日本レコード協会の楽曲リストで音源が使えるかを確かめ、個人向け申請ページから申し込みます。使用料を払うと、支払いの確認後2〜3営業日で許諾証が出ます
JASRACの曲は「ブライダル個人専用フォーム」から、NexToneの曲は初回に利用者登録をしたうえで、クリアランスシステム「PlayN」の「利用許諾申請(ブライダル)」から申し込みます
届いた許諾番号や許諾マークを、各団体の表示のしかたに従ってディスクなどに入れます
JASRACへの申し込みは、作るコンテンツごとです。プロフィール、エンドロール、余興のビデオを作るなら、申請は3つになります。許諾書と許諾番号はメールで届き、ブライダルのページでは1〜5営業日後、申込フォームの注意書きでは5〜10営業日かかるとされているので、日数には余裕をみます。許諾番号が届いた時点で曲を使えるようになり、式場に許諾を見せるときはメールの画面を見せます。請求書は許諾番号の通知から1〜2か月後に届き、支払ったあとは申請の変更も取り下げもできません。
NexToneは、利用の2週間前までの申請を求めています。申請の画面で使用料の見積もりが出て、支払いの案内のメールは申請から5営業日ほどで届きます。入金が確認されると、2〜3営業日ほどで許諾マーク・許諾番号・許諾書がメールで届きます。盤面などに入れるのは許諾マークで、許諾番号の表示は要りません。
個人で申し込むときの使用料の目安は、JASRACが動画コンテンツ1曲2,000円、静止画コンテンツ1曲1,000円(歌詞も出すなら1,500円)、BGM用CD1曲1,000円で、消費税相当額が別にかかります。NexToneの早見表の額は、ISUMの料金表のNexToneの欄と同じです。日本レコード協会の個人向けの額は消費税を含めた額で示されていて、複製物1個あたり1曲3,300円か、3個まで・5曲までで8,250円の、低いほうです。JASRACと日本レコード協会は、3個を超えると3個ごとに額が加わると定めています。
ムービーの制作を会場や映像制作会社に頼んだのに、その会社がISUMを使わず、個人がJASRACに申し込む形になると、個人利用にはあたらないとして額が変わります(動画コンテンツなら1曲4,000円。JASRACの申込フォームの案内)。ムービーを外に頼むときは、頼む会社がISUMに登録しているかを先に確かめてください。
申請が済んだら、許諾の表示を確かめてディスクを作る
許諾番号や許諾マークを受け取ったら、ムービーをディスクにします。JASRACの「許諾番号等の表示方法」では、盤面にはマーク・許諾番号・曲の題名と作者名を、ケースなどの印刷物にはそれに申込者名も加えて、外から見える場所に表示します。NexToneは許諾マークを盤面に入れるよう案内していて、ケースやパッケージ、映像の中への表示でもかまいません。ISUMを通した場合は、正しく手続きした証明として、ISUMが登録事業者に発行する「正規許諾証明シール」を、事業者が複製物に貼ることができます。どう入れるかは、受け取った案内と式場の指示に従ってください。
ディスクの形式(DVDかブルーレイか)、メニューの有無、前後の黒い画面の長さは式場の指定に合わせ、焼いたら式場の機器で試写します。手順は結婚式ムービーをDVDに焼く方法 に、友人が作る余興ムービーを式場に渡すときのことは結婚式の余興ムービーをDVDで持ち込むとき|式場に確かめること・渡し方・予備 にまとめました。
当社(ディスクメーカー・大阪市北区梅田)は、動画データからDVD・ブルーレイを1枚から作る小さな店です。完成したムービーは、ギガファイル便やGoogle ドライブなどの共有URLを注文フォームに貼って入稿できます。お引き受けできるのは、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画だけで、市販の曲を入れたムービーは、曲の手続きが済んでいることが前提です。許諾マークや許諾番号を盤面に入れるなら、盤面レーベル印刷を選んで、それらを入れた画像を入稿します(DVD・CDの盤面印刷|方式の違い・デザインの例・データの作り方と頼み方 )。
よくある質問
Q1. JASRACの「動画コンテンツ」と「静止画コンテンツ」は、何が違いますか?
静止画コンテンツは写真などの静止画だけで作るスライドショー、動画コンテンツは動画を含むムービーです。JASRACは動画を「映像ソフト」、スライドショーを「録音物」として扱い、J-WIDで見る欄も、動画はビデオ、静止画は録音です。個人で申し込むときの目安は、動画が1曲2,000円、静止画が1曲1,000円(歌詞も出すなら1,500円)です。
Q2. 写真と動画が混ざったプロフィールムービーは、静止画と動画のどちらで申請しますか?
NexToneの申請マニュアルは、1本の映像にスライドショーと動画が混ざり、その背景に曲を入れる場合は「動画」を選ぶよう案内しています。NexToneの早見表でも、動画は「動画を含む各種ムービー」です。JASRACの案内には混ざる場合の記載が見当たらないため、JASRACの曲で迷うときは、申請する式場かJASRACに確かめてください。
Q3. プロフィールムービーに市販の曲を3曲使うと、ISUMの料金はいくらですか?
ISUMの料金表(2026年4月1日から)で計算すると、JASRACの曲3曲・動画を含むムービー・DVD1枚で、音源の権利5,000円、曲の権利4,750円、システム利用料780円の10,530円に、消費税がかかります。写真だけのスライドショーなら8,478円です。式場などに実際に払う額は、頼む事業者に確かめます。
Q4. ISUMの料金表にある「同製品3個まで」とは、どういう意味ですか?
製品(ディスクなど)を3個まで作るときの額、という意味です。ただし音源の権利(A)の「1曲2,000円」は1個あたりの額なので、作る個数を掛けて「5曲まで5,000円」と比べます。1催事あたりの額は、複製する個数が3個増えるごとに同じ額が加算される、とISUMは説明しています。4個以上作るときは、式場に見積もってもらってください。
Q5. 歌詞を画面に出すと、料金は上がりますか?
写真だけのスライドショーで歌詞や楽譜を出すと、曲の権利の料金に50%が加算されます(ISUMの料金表)。JASRACやNexToneに個人で申し込むときも、静止画で歌詞を出す場合は1曲1,500円です。動画を含むムービーで、曲と一緒に歌詞を出す場合は、使用料に含まれます。
Q6. ISUMの申請は、式の何日前までにすればいいですか?
ISUMの側に期限はなく、登録している事業者が申請すれば、データベースの曲はすぐに使えます。期限になるのは、式場が決める曲の確定やムービー提出の期限です。データベースにない曲のリクエストは1か月以上かかることがあり、登録の曲も削除されることがあるので、曲が決まったら早めに式場に伝えます。
Q7. 配信で買った曲は、ISUMで申請できますか?
レコチョク、iTunes、Amazonなど、曲やアルバムごとに買える正規のダウンロード配信の音源なら申請できます。データベースでは、曲名の横に【配信音源】とある登録を選びます。Apple MusicやSpotifyのような月額制の配信サービスの音源は使えません(ISUMのよくある質問)。
Q8. 式場がISUMに登録していないときは、どうすればいいですか?
曲の著作権と音源の著作隣接権を、自分で申し込みます。日本レコード協会で音源の許諾を得てから、JASRACの曲は「ブライダル個人専用フォーム」、NexToneの曲は「PlayN」で申し込みます。ISUMに楽曲名・アーティスト名・利用予定日を送ると、権利者への手続き先を案内してもらえます。JASRACは製作の前に、NexToneは利用の2週間前までの申し込みを求めています。
Q9. 自分で作ったムービーでも、ISUMで申請できますか?
式場がISUMに登録していて、持ち込みのムービーの曲も申請してくれるなら、式場を通して申請できます。ISUMは個人から直接は受け付けていないので、まず式場に聞きます。受けてもらえないときは、JASRAC・NexToneと日本レコード協会に自分で申し込みます。友人が作る余興ムービーも、同じ考え方です。
Q10. 式場から言われた額が、料金表の試算と違うのはなぜですか?
ISUMは使用料を登録事業者に請求し、新郎新婦が払う額は、その事業者が決めます。料金表の額には消費税が別にかかり、ムービーの数や曲数、作る個数、歌詞を出すかどうかでも変わります。内訳が分からないときは、ISUMへの使用料とそれ以外を分けて見せてもらえるか、式場に聞いてください。
参考にした公式の情報
料金表や各団体の手続き・使用料は、改定されることがあります。この記事は、2026年9月24日時点の各公式ページの記載をもとにしたものです。個別の判断は、式場やISUM、JASRAC・NexTone、日本レコード協会に確かめてください。
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