この記事の要点
- 余興ムービーの作りは、式場の決まりに合わせます。DVDかブルーレイか、メニューなしで自動再生にするか、前後の黒画面を何秒にするかを、新郎新婦かプランナーを通して確かめてから作ります。
- 持ち込みの期限と試写の日は、式場が決めます。その日から逆に数えて、素材を集める締め切りと、焼いて確かめる日を置きます。日数の目安より、式場の指定が先です。
- 中身を新郎新婦に内緒にしたいときは、形式と期限だけを聞いてもらうか、どちらか一人に窓口を頼みます。式場に直接相談できるか、どこまで伏せてもらえるかは式場によります。
- 渡すのは本番用と予備の2枚。レーベル面に誰の披露宴の余興かと代表者の連絡先をペンで書き、完成版の動画ファイルも焼き直せるように残します。
- 市販の曲を入れるなら、上映する余興映像にも手続きが要ります。式場がISUMに登録していれば式場を通して、通せないときは列席者が自分でJASRACやNexToneなどに申請します。
友人の結婚式で余興を任され、仲間のメッセージを1本のムービーにまとめて、DVDで式場に持ち込むことになった。編集を始める前に確かめたいのは、式場がどんな作りのディスクを受け付けるかです。DVDかブルーレイか、メニュー画面を出さずに入れるとすぐ始まる作りにするか、動画の前後に何も映らない黒い画面を何秒入れるか。これを新郎新婦かプランナーを通して聞いてから作れば、試写でのやり直しを減らせます。
持ち込みの期限と試写の日も、式場が決めます。「何日前まで」という目安を見かけても、式場の指定が先です。その日から逆に数えて、メンバーから素材を集める締め切りと、焼いたディスクを確かめる日を置きます。渡すときは本番用と予備の2枚をそろえ、完成版の動画ファイルも手元に残しておけば、試写で直すことになっても焼き直せます。
新郎新婦が自分たちのムービーをディスクにする場合の焼き方と試写は、結婚式ムービーをDVDに焼く方法にまとめています。
結婚式場にDVDを持ち込む前に、新郎新婦を通して確かめること
式場と打ち合わせを重ねているのは、新郎新婦です。余興を作る側は、まず二人に聞くのが近道になります。式場に直接問い合わせてよいかどうかも、二人を通して確かめておきます。メンバーが何人もいるなら、式場とのやり取りは代表の1人に決めておくと、聞いた内容が人によって食い違いません。
聞くことは、作り方に関わるものと、持ち込みに関わるものに分かれます。作り方に関わるのは、DVDかブルーレイか、メニューなしの自動再生にするか、前後の黒画面の秒数、画面の比率(16:9か4:3か)の4つ。それぞれの意味と式場への聞き方は、結婚式ムービーをDVDに焼く方法の表にまとめました。余興の側で加えて聞いておきたいのは、次の点です。
- 持ち込みの期限と、渡し方(持って行くか、郵送か、新郎新婦に預けるか)
- 試写の日と、余興の側が立ち会えるか
- 余興の持ち時間と、ムービーを流す順番
- 持ち込みや上映に料金がかかるか。かかるなら、誰が払うか
- 予備のディスクや動画ファイルを預けられるか
- 曲の手続きを、式場を通してできるか
式場によっては、持ち込みの決まりを書いた仕様書やチェック表を新郎新婦に渡しています。あれば写真で送ってもらい、書かれたとおりに作るのが確実です。二人がプランナーに聞けるのは、次の打ち合わせのときになることもあります。形式が分からないまま作り込まずに済むよう、早めに頼んでください。聞き方は、たとえば次のような文面です。
余興でムービーを流したいと考えています。中身は当日まで内緒にしたいので、式場の持ち込みの決まりだけ教えてもらえますか。DVDかブルーレイか、メニューの有無、前後の黒画面の秒数、持ち込みの期限と試写の日、曲の手続きの方法の5つです。仕様書があれば、写真で送ってください。
新郎新婦に内緒にしたいときは、どう確かめるか
伏せたいのが中身だけなら、形式と期限を聞くのに内容を話す必要はありません。上の文面のように「ムービーを流したい」とだけ伝えれば、何を映すかは当日まで伏せておけます。
新郎か新婦の一方へのサプライズなら、もう一方に窓口を頼む方法があります。新婦を驚かせたいなら新郎に、というふうに、知っている側がプランナーとのやり取りを受け持てば、形式も期限もそのまま聞けます。
二人とも知らせずに進めたいときは、式場の問い合わせ窓口に、招待客として余興の相談ができるかを聞きます。相談を受けるか、どこまで伏せてもらえるか、上映の時間を進行にどう入れるかは、式場の判断です。受けてもらえなければ、中身だけを伏せる形に切り替えてください。
持ち込みの期限から逆に数えて、締め切りを置く
段取りの起点は、式場が決めた持ち込みの期限と試写の日です。そこから逆に、次の順で締め切りを置いていきます。かかる日数は式場の指定や作り方で変わるため、ここでは順番だけを挙げました。
- 式場の持ち込みの期限と試写の日を聞く。この2つは後ろに動かせない
- 焼いたディスクを、DVDプレーヤーで最初から最後まで確かめる日を決める。自分で焼くなら焼き直す時間も、書き込み代行に頼むなら発送と配送の日数も見込む
- 完成版を書き出す日(編集の締め切り)を決める。使う曲は、手続きに間に合うよう、それより前に決めておく
- メンバーから動画や写真を集める締め切りを決める
- 余興の中身と持ち時間を決めて、メンバーに撮影を頼む
完成版を書き出したら、ディスクにする前に動画ファイルを最後まで見て、字幕の誤字や新郎新婦の名前の漢字、音の途切れがないかを確かめます。焼いてから気づけば、焼き直す分だけ日数が余計にかかるからです。使う曲の手続きも、ディスクを作る前に済ませておきます。
メンバーから動画を集めるとき
撮影を頼むときは、スマホを横向きにして撮ってもらいます。縦長の動画を横長のスクリーンに収めると、左右に黒い帯を付けるか、上下を切り取ることになるからです。縦の動画が混ざったときに黒い帯と切り取りのどちらにするかは、動画のアスペクト比(16:9・4:3)の解説で比べています。
集め方にも気を配ります。元の画質のまま集めるなら、LINEのトークで送ってもらうより、ギガファイル便などに預けてURLを送ってもらうのが確実です。LINEで受け取った動画が元と同じかどうかは、ファイルの大きさを比べると分かります(LINEで送った動画の画質)。ファイル名の頭に名前や「01_」のような番号を付けてもらうと、並べる順を取り違えにくくなります。まとめて受け取る方法はギガファイル便で複数ファイルをまとめて送る方法に書きました。
焼く前に知っておきたい2つのこと|データのDVDとメニュー
焼き方の手順、DVDとブルーレイの選び方、試写で見る点は結婚式ムービーをDVDに焼く方法にあります。そのうえで、余興を作る側がつまずきやすい点が2つあります。
1つは、書き出したMP4をDVD-Rにそのままコピーしてしまうことです。ファイルをコピーしただけの「データのDVD」を再生できるのは、Microsoftの案内でも、入れたファイルの種類に対応した一部のDVDプレーヤーだけ。式場で流すディスクは、DVDプレーヤーで映るDVD-Videoの形に組み立ててから焼きます。2つの見分け方はデータDVDと映像DVDの違いにまとめました。
もう1つは、式場の指定との食い違いです。メニュー画面から始まるディスクは、流すときにリモコンで「再生」などを選ぶ操作が要ります。式場が「入れたらすぐ始まる作り」を求めているなら、メニューなしで作ってください。メニューと自動再生の関係はメニュー画面の出し方と作り方で説明しています。
DVDかブルーレイかの指定も、同じように守ります。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できないので(ソニーの説明)、会場の機器がDVDプレーヤーなら、ブルーレイで作ったムービーは映りません。
式場への渡し方|盤面とケースに書くこと
披露宴では、新郎新婦のムービーやほかのグループの余興など、何枚ものディスクが式場に集まることがあります。取り違えを防ぐため、ディスクとケースの両方に、誰の披露宴で流す何かを書いておきます。
- 新郎新婦の名前(両家の名字)と、披露宴の日付
- 「余興ムービー」と、グループの名前(「新婦友人一同」など)
- 「本番用」か「予備」か
- 代表者の名前と連絡先
ディスクに直接書くときは、レーベル面に、ペン先の柔らかい油性のフェルトペンを使います。マクセルは、ディスクにラベルやシールを貼ると反りや重心に影響して、機器が認識しない、再生できないといった不具合が起きるおそれがあると案内しています。読み取る側の記録面には何も書かず、指も触れないように扱ってください。
ケースには、上映の担当の方に向けたメモを1枚入れておくと親切です。再生時間、ディスクを入れるとすぐ始まるかどうか、流し始めの合図(司会の紹介のあと、など)を書きます。
渡し方は、式場の決まりに合わせます。持って行くか、郵送するか、新郎新婦にまとめて預けるかは、式場ごとの決まりです。郵送するなら宛先と担当の方の名前を式場に聞き、期限に間に合うよう、届いたかを追える方法で送ります。
予備のディスクと、元の動画ファイルも用意する
本番用と同じ内容の予備を、もう1枚作っておきます。ソニーのレコーダーの説明書にも、記録済みのDVD-Rは、傷や汚れ、記録状態や記録した機器・ソフトの特性によって再生できないことがあると書かれています。2枚とも、パソコンではなくDVDプレーヤーに入れて、最初から最後まで映るかを確かめてください。パソコンで映ったことは、プレーヤーで映る証明になりません。
予備を式場に預けるか、代表者が当日持って行くかは、式場に確かめます。どちらにしても、2枚は別々のケースに入れ、「本番用」「予備」と書き分けておきます。
完成版の動画ファイル(書き出したMP4など)と、編集アプリのプロジェクトも消さずに残します。置き場所は、パソコンのほかにもう1か所、クラウドや外付けのドライブに。試写で直すことになったときや、ディスクに傷が付いたときに、元の動画からすぐ焼き直せます。試写のあとに差し替えできる最後の日も、式場に聞いておくと慌てずに済みます。
余興ムービーに市販の曲を入れるときの手続き
市販のCDや配信で買った曲をムービーに入れて会場で流すなら、曲の著作権と、音源(レコード会社やアーティスト)の著作隣接権の両方に手続きが要ります。ISUM(一般社団法人音楽特定利用促進機構)は手続きの対象になる映像の例に「余興映像」を挙げ、NexToneも余興ビデオを手続きの要る例に入れています。招待客が列席する結婚式は「私的使用」の範囲を超える、というのがISUMの説明です。
手続きの道は2つあります。1つは、式場がISUMに登録している場合で、式場を通して申請できます。ISUMは個人からの申請を直接受け付けていないため、余興の側は、使う曲と音源を式場に伝えて頼む形です。何を出せばよいかと締め切りは、式場に確かめてください。ISUMを通す場合、月額制の配信サービスの音源は使えません。登録している式場はISUMのサイトの一覧で探せますが、載るのは公表に同意した事業者だけなので、見つからなければ式場に聞きます。
もう1つは、式場を通せないときに、列席者が自分で手続きする方法です。JASRACは、新郎新婦や列席者が自分で録音・録画物を作る場合の個人の手続きを受け付けていて、市販音源を使うなら日本レコード協会の許諾も得るよう案内しています。申請先は曲を管理している団体(JASRACかNexToneかなど)で変わるので、使う曲ごとに調べてください。申請の時期は、JASRACが「製作前」、NexToneが「利用の2週間前まで」としています。
自分たちで歌ったり演奏したりした音源なら、音源の権利の手続きは要らず、曲の著作権の手続きだけで済みます(NexTone)。ただ、伴奏に市販のカラオケ音源を使えば、その音源の手続きも要ります(ISUM)。カラオケ店の機器の音源はISUMでは扱えず、カラオケ業者に問い合わせるよう案内されています。歌詞を替える替え歌や編曲には、作詞者・作曲者の側の許諾が別に要ります(NexTone・JASRAC)。
サビから流す、終わりをフェードアウトさせるといった再生範囲の編集なら可能、というのがISUMの説明です。権利の考え方とフリー音源の選び方は結婚式ムービーのBGMと著作権|市販の曲・ISUM・著作権フリー音源の使い方に、ISUMの申請の流れと費用の目安は結婚式ムービーのBGMに要る手続きにまとめました。
焼く時間がないときは、書き込み代行に頼む
当社(ディスクメーカー)は、大阪・梅田にあるDVD・ブルーレイの書き込み代行の店で、注文は1枚からです。完成した動画の共有URL(ギガファイル便やGoogle ドライブなど)を注文フォームに貼れば、スマホからでも入稿できます。プレーヤーで再生できる形に組み立てて書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、発送するか店舗でお渡しします。通常便は受付から5営業日で発送し(15時以降の注文は翌営業日の受付)、お届けは発送から2〜3日。急ぐときは、平日15時までの注文・入稿で翌日発送の特急お届けなどもあります。式場の指定は備考欄に書いてください。お引き受けできるのは、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画だけです。
よくある質問
Q1. 結婚式場にDVDを持ち込むとき、何を確かめればいいですか?
作り方に関わる形式と、持ち込みの決まりの両方です。形式は、DVDかブルーレイか、メニューなしで自動再生にするか、前後の黒画面の秒数、画面の比率。決まりは、持ち込みの期限と渡し方、試写の日、予備や動画ファイルを預けられるか、曲の手続きです。余興を作る側は、新郎新婦かプランナーを通して聞きます。
Q2. 余興ムービーのDVDは、何日前までに式場へ渡せばいいですか?
式場が決めた持ち込みの期限までです。期限や試写の日は式場ごとに違うので、「何日前」という目安より式場の指定に合わせてください。試写で直すことになれば、焼き直して渡し直す日も要ります。差し替えできる最後の日も一緒に聞いておくと、段取りを組みやすくなります。
Q3. 新郎新婦に内緒で、式場の決まりを聞く方法はありますか?
伏せたいのが中身だけなら、二人に「余興でムービーを流したい」とだけ伝え、形式と期限を聞いてもらえば足ります。どちらか一人へのサプライズなら、もう一人に窓口を頼む方法もあります。二人とも知らせずに式場へ直接相談できるか、どこまで伏せてもらえるかは、式場の判断です。
Q4. 余興ムービーは、DVDとブルーレイのどちらで作ればいいですか?
式場が受け付ける形式で作ります。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できないので(ソニーの説明)、会場の機器がDVDプレーヤーならDVDです。ブルーレイを受け付ける式場でも、ディスクの種類やメニューの有無に指定があれば、それに合わせます。分からないまま作り始めず、新郎新婦かプランナーを通して先に確かめてください。
Q5. 当日、DVDを持って行って流してもらうことはできますか?
式場の決まりによります。当日の持ち込みを受け付けるか、事前の試写が要るかは、式場ごとに違います。試写をしないまま本番を迎えると、式場の機器で最後まで映るかを確かめられません。当日に持って行くつもりでも先に式場に聞き、期限までに渡せるなら試写を済ませておきます。
Q6. 予備のディスクは用意したほうがいいですか?
はい。本番用が読めないときに差し替えられます。ソニーのレコーダーの説明書にも、記録済みのDVD-Rは、傷や汚れ、記録状態などによって再生できないことがあると書かれています。予備は本番用と同じ内容で作り、2枚ともDVDプレーヤーで最後まで確かめてから、「予備」と書いて渡してください。預けられるかどうかは、式場の決まりです。
Q7. DVDと一緒に、USBメモリーで動画ファイルも持って行ったほうがいいですか?
動画ファイルでの上映を受け付けるかは式場によって違うので、持って行く前に確かめます。受け付けない式場でも、完成版の動画ファイルは手元に残しておいてください。ディスクに傷が付いたときや、試写で直すことになったときに、元の動画から焼き直せます。
Q8. 余興ムービーに入れた市販の曲の手続きは、誰がしますか?
式場がISUMに登録していれば、式場を通して手続きできます。ISUMは個人からの申請を直接受け付けていないので、余興の側は使う曲を式場に伝えて頼む形です。式場を通せないときは、列席者が自分でJASRACやNexToneに申請し、市販音源を使うなら音源の権利者の許諾も別に得ます。どちらの道でも、手続きはディスクを作る前に。
Q9. 自分たちで歌った曲や替え歌を入れるときも、手続きは要りますか?
要ります。自分たちで歌ったり演奏したりした音源なら、音源の権利の手続きは要らず、曲の著作権の手続きだけで済みます(NexTone)。伴奏に市販のカラオケ音源を使うなら、その音源の手続きも要ります(ISUM)。歌詞を替える替え歌や編曲には、作詞者・作曲者の側の許諾が別に要る、とNexToneとJASRACが案内しています。
Q10. ディスクに名前を書くとき、シールを貼ってもいいですか?
貼らずに、ペンで書きます。マクセルは、ディスクにラベルやシールを貼ると反りや重心に影響して、機器が認識しない、再生できないといった不具合が起きるおそれがあると案内しています。書くのはレーベル面に、ペン先の柔らかい油性のフェルトペンで。読み取る側の記録面には、何も書きません。
参考にした公式の情報
手続きの窓口や機器の仕様は、変わることがあります。この記事は、2026年9月24日時点の各団体・各社の公式ページの記載をもとにしたものです。
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