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フリーBGM素材の利用規約の読み方|商用可でもディスクはNGの罠

2026 9/29
フリーBGM素材の利用規約の読み方|商用可でもディスクはNGの罠

この記事の要点

  • フリーBGMの「フリー」は無料の意味で、著作権は作者に残ります。規約は「使ってよいか」ではなく「どこまでの使い方を許諾しているか」を読む文書です。
  • 規約で見るのは商用利用・素材の再配布・クレジット表記・改変の可否・用途の除外の5項目。ディスクで詰まるのは主に再配布と用途の除外です。
  • 「商用利用可」でも、音源そのものが取り出せる形や音楽が主役の作品は別扱いになる規約があります。ディスク化はこの2点に触れやすい使い方です。
  • クレジットが必要な素材は、映像内・ジャケット・盤面のいずれかに置きます。盤面は文字数が限られるため、映像の末尾かジャケット裏面が現実的です。
  • 規約は改定されます。使用した日の規約ページをPDFで保存し、曲名・配布元・ライセンス・使用日を台帳に残しておくと、後から説明できます。

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無料のBGM素材を映像に入れて、あとはディスクに焼いて配るだけ。そこまで来てから「この曲、DVDに入れて配ってもいいのだろうか」と手が止まる方は少なくありません。素材サイトのトップページには大きく「商用利用可」と書いてある。けれど利用規約を開くと、再配布、二次配布、パッケージ、素材集といった言葉が並んでいて、自分のやろうとしていることがどれに当たるのか判断がつかない。

結論から言うと、「商用利用可」はディスクに焼いて配ってよいという意味とは限りません。商用利用の可否と、複製物を人に渡してよいかは、規約の中では別の条項として書かれていることが多いためです。逆に、正しく読めば大半の素材は問題なくディスクに使えます。詰まるのは、判断の基準を知らないまま規約の文面をながめている段階です。

この記事では、規約のどこを何の順番で見るか、ディスク配布で論点になる条項はどれか、クレジットをディスクのどこに置くか、そして判断がつかないときにどう安全側へ倒すかを、実際に手を動かせる粒度で整理します。主要な素材サイトの規約を並べた比較表も載せます。

「フリー」は「無料で使える」の意味|著作権は作者に残ったまま

フリーBGMの「フリー」は、ほとんどの場合「無料で使える」を指します。「著作権が存在しない」という意味ではありません。曲を作った人には著作権が残っていて、利用者はその人が決めた条件の範囲で使わせてもらっている、という関係です。その条件を書き出した文書が利用規約であり、規約から外れた使い方をすれば、無料の素材であっても権利の侵害になり得ます。「著作権フリー」という表記も同じで、実務上は「著作権使用料が無料」の略として使われている場合がほとんどです。

もうひとつ混同されやすいのが、曲そのものの権利と、録音された音源の権利が別だという点です。市販のCDから曲を取り込んで映像に入れると、作曲者の権利に加えて、その録音を作った側の権利にも触れることになります。フリーBGMサイトは通常、自分たちで制作した音源を配布しているため、この両方をまとめて許諾しています。だからこそ、許諾の範囲を決めているのはそのサイトの規約であり、一般論としての「著作権フリーだからOK」ではありません。

この前提を置くと、規約を読むときの問いが変わります。「使っていいですか」ではなく「どこまでの使い方を許諾していますか」です。無料公開している作者は、無条件に手放しているのではなく、自分の作品が別の素材集として売られたり、作者を偽られたりしない範囲で開放しています。規約の禁止事項は、その線引きを言葉にしたものだと考えると読みやすくなります。

なお、規約に書かれていない使い方に出くわすこともあります。その場合は「書かれていない=自由」ではなく「未許諾」と考えるのが安全です。とくに複製物を不特定多数に渡す使い方は、作者が想定していない可能性があるため、後述の問い合わせで確認したほうが早く片づきます。

規約で見るのは5項目|商用・再配布・クレジット・改変・用途の除外

規約を頭から通読すると時間がかかるうえ、読み落とします。次の5つを順に探しにいくと、たいてい10分ほどで判断できます。ブラウザのページ内検索で「商用」「再配布」「表記」「改変」「禁止」と打つのが手っ取り早い方法です。

1. 商用利用の可否|「営利・非営利を問わず」と書いてあるか

まず商用利用が認められているかを確認します。ここは多くのサイトが明示しています。注意したいのは、商用利用可であっても、その先の条項で用途が絞られている場合があることです。商用の可否だけを見て終わりにしないでください。

2. 素材の再配布|ディスク配布でいちばん効く条項

「二次配布」「再配布」「素材としての配布」を禁じる条項は、ほぼすべてのサイトにあります。ここが、ディスクに焼いて配る行為と接触する可能性がある部分です。何が再配布に当たるのかは次の見出しで詳しく分けます。

3. クレジット表記の要否|必須か、任意か、書式指定があるか

表記不要のサイト、任意のサイト、必須のサイトがあります。必須の場合は表記の文言まで指定されていることがあり、その場合は指定どおりに書きます。ディスクは後から直せないため、焼く前に確定させておく項目です。

4. 改変の可否|尺の編集、フェード、ループ、音量調整

映像に合わせて曲を短くしたり、途中でフェードアウトさせたりするのは改変に当たります。多くのサイトは編集を認めていますが、CC BYのように「改変したらその旨を示す」ことを条件にしているライセンスもあります。曲を切り貼りする予定があるなら確認しておきます。

5. 用途の除外リスト|自分の企画がここに入っていないか

禁止事項の末尾には、個別の用途が列挙されていることがあります。音楽配信サービスへの登録、著作権管理団体への登録、YouTubeのコンテンツID登録、AIの学習データとしての利用、素材配布サイトへの掲載などです。近年はAI学習の禁止条項が追加されているサイトが目立ちます。自分の企画に近い項目がないか、ここは飛ばさずに読んでください。

5項目のうち、ディスク制作で判断が割れるのは2番と5番です。1番と3番と4番は書いてあるとおりに従えば済みます。

商用可でもディスクがNGになる2つの型|音源が取り出せる形と、音楽が主役の作品

再配布の禁止条項は、多くの場合「素材そのものを配ること」を止めるために書かれています。逆に言えば、映像作品の中でBGMとして鳴っているだけなら、素材の配布には当たらないと解釈できる規約が大半です。判断が割れるのは、次の2つの型に近づいたときです。

型1|受け取った人が音源ファイルを取り出せる状態にある

DVDやブルーレイの映像トラックに埋め込まれたBGMは、通常の再生では音声だけを取り出せません。一方、同じディスクのデータ領域にMP3をそのまま入れて渡す、音楽CDとして曲単位で焼く、といった作り方をすると、受け取った人はその音源をファイルとして手に入れられます。これは素材の再配布に近づく形です。データファイルを同梱する予定があるなら、BGM素材はそこに入れない。この一線を引いておくと、大半のケースは安全側に収まります。

型2|その作品の中で音楽が主役になっている

「BGMとしての使用に限る」「楽曲が主となる映像作品への使用は不可」といった条項を置いているサイトがあります。たとえばMusMusの規約には、BGM以外の目的での使用と、楽曲が主となる映像作品への使用が禁止事項として挙げられています。写真をスライドショーにして曲を1曲まるごと流すだけの映像、ダンスや演奏の課題曲として曲そのものを聴かせる映像などは、この条項に触れる可能性があります。効果音ラボの規約にも、効果音が重要な役割を果たすコンテンツ、たとえばサンプラーアプリや素材集の配布を禁じる記載があります。作品の中で音がどんな役回りをしているかで判断が変わる、という考え方は覚えておいてください。

この2つに当てはまらなければ、映像の背景で流れるBGMをディスクに収録して渡すことは、多くの規約の範囲内だと考えられます。DVDオーサリングの仕組みを知っておくと理解しやすいのですが、DVDに書き出した時点で音声は映像と一体の形式に変換されるため、元のMP3やWAVがそのまま盤面に載るわけではありません。この構造そのものが、型1を避ける方向に働きます。

枚数は規約上の論点になることがある

無料素材のサイトでは配布枚数の上限を定めている例はあまり見かけませんが、有料の音楽素材サービスではライセンスの種類ごとに用途と範囲が分かれているのが一般的です。たとえばAudiostockでは、YouTube・SNS・企業VP・放送番組・映画・ゲームといった用途別に利用可能な範囲が定められており、契約者本人のアカウント運用に限定されるプランもあります。数百枚単位で配る企画なら、プレスとコピーの違いを検討する前に、音楽のライセンス側の上限を先に確認しておくと手戻りがありません。

クレジット表記は指定どおりに|ディスクでは映像内・ジャケット・盤面の3か所から選ぶ

クレジット表記が必要な素材を使うなら、書き方と置き場所を焼く前に決めます。ディスクは完成後に修正できないため、ここを詰めておく価値があります。

書式は規約の指定に従う

サイトによって求める粒度が違います。MusMusは「BGM:MusMus」のように、その楽曲であることが分かる表記であればよいとしたうえで、フル表示の例として「フリーBGM・音楽素材MusMus」とURLを挙げています。魔王魂は「音楽:魔王魂」「BGM:MaouDamashii」といった作曲者名を明記する形を示しています。甘茶の音楽工房は表記を必須とせず、サイト名・作曲者名・URLのいずれかを任意で入れてもらえれば、という立て付けです。DOVA-SYNDROMEは著作権や提供の表示は不要としています。

共通するのは、書式が例示されている場合はその形に寄せるのが早い、という点です。オリジナルの言い回しを考える必要はありません。

置き場所は3つ。現実的なのは映像の末尾かジャケット裏面

  • 映像の末尾:エンドロールや最終カットに数秒入れる方法。複数の曲を使ったときも並べて書けるため、いちばん扱いやすい置き場所です。
  • ジャケットの裏面や背表紙:紙で残るため、映像を止めなくても読めます。曲名と提供元を小さく組むだけで足ります。
  • 盤面のレーベル印刷:中央の穴まわりを避けると入る文字数が限られるため、曲数が多いと現実的ではありません。

複数の素材サイトから曲を集めた場合は、映像末尾に一覧でまとめるのが管理しやすい形です。印刷面に入れるなら、DVD・CDのレーベルとジャケットの入稿データの作り方で解像度や塗り足しの条件を確認したうえで、文字が切れない位置に配置してください。ディスクメーカーでは盤面へのレーベル印刷と、ケース+背表紙の印刷に対応しています。

表記できない事情があるときは規約に代替策が書かれていることがある

MusMusのように、表示できない場合の有償利用という選択肢を用意しているサイトもあります。魔王魂は、テレビCMや演劇のように技術的に著作表記が難しい場面については表記義務を課していません。表記スペースが取れないという理由で無断で省くのではなく、規約に代替の道が書かれていないかを先に探すと、正規の解決策が見つかることがあります。

素材サイトごとに条件は違う|主要サイトの規約を並べて比べる

「フリーBGMの規約」という共通のルールは存在しません。サイトごとに、クレジットの要否も禁止事項もばらばらです。以下は2026年8月時点で各サイトが公開している規約の記載を要約したものです。運用する際は、使う日に必ず原文へ当たってください(表の内容だけを根拠にしないでください)。

サイト 商用利用 クレジット 主な禁止事項・注意点
DOVA-SYNDROME 用途・営利/非営利を問わず無料 不要 コンテンツの複製・公開、権利者以外による音源の二次的な公開・配布は禁止。音源ファイルURLへの直接リンク、サイトから直接再生する形での店舗・イベント利用も禁止
魔王魂 個人・商用を問わず無料 動画や配信、教本、販売パッケージなどでは表記が必要 作曲者を偽る行為、ストリーミング配信サービスへの無断配信・販売、NFTへの出展、他の素材配布サイトへの登録が禁止
甘茶の音楽工房 商用・個人を問わず利用可 必須ではない(任意) 音楽だけを販売する行為と二次配布は禁止。直リンク禁止、YouTubeのコンテンツID登録も不可
MusMus 商用・非商用を問わず可 必要(表示できない場合は有償利用の選択肢あり) BGM以外の目的での使用、楽曲が主となる映像作品への使用、素材としての再配布、著作権管理団体への登録、生成AIの学習利用が禁止
効果音ラボ 個人・法人・公的機関を問わず無料 不要(任意) 素材の再配布は禁止(企業向けに許可できる場合あり)。効果音が重要な役割を果たすコンテンツ(素材集・サンプラーアプリ等)の配布、AI学習用データとしての利用が禁止

並べてみると、クレジットが必要なサイトと不要なサイトが混在していることが分かります。1本の映像で複数のサイトから曲を集めると、一部だけ表記が必要という状態が起こります。曲を選んだ時点で配布元を控えておかないと、後から「この曲はどこのだったか」を探すことになり、これが実務でいちばん時間を食う場面です。

もうひとつ見落とされやすいのが、コンテンツID登録の禁止です。YouTubeに上げた自分の映像を収益化する過程で、映像に含まれるBGMごと権利を主張する形になってしまうと、規約違反になるサイトがあります。ディスク配布とは別の論点ですが、同じ素材を使い回す前提なら合わせて確認しておくと安全です。

CC BYとCC BY-NC|表示すべき内容と「非営利」の線引きは条文で決まっている

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC)で公開されている音源は、サイト独自の規約と違って条件が世界共通で定義されています。どのサイトの素材でも、CC BYと書いてあれば同じ条件です。ここは一度覚えれば使い回せます。

CC BY 4.0|営利を含めて複製・再配布・改変が可能

CC BY 4.0では、どのようなメディアやフォーマットでも資料を複製し再配布できること、リミックスや改変、別の作品のベースにすることが、いずれも営利目的を含めて認められています。ディスクに焼いて配る行為も、この「どのようなメディアやフォーマットでも複製・再配布できる」の範囲に入ります。

条件は表示(クレジット)です。求められるのは、クリエイターや credit の対象者の名前、著作権表示、ライセンスへのリンク、そして改変した場合はその旨の表示です。「作曲者名だけ書けばよい」ではなく、ライセンスの名称とリンクまで含めて示すのが本来の形です。映像末尾に書くなら、たとえば「曲名 / 作者名 / CC BY 4.0 / ライセンスURL / 尺を編集して使用」といった並びになります。

もうひとつ、CC BYには「このライセンスが他の者に許諾することを法的に制限するような法的規定も技術的手段も適用してはならない」という条件があります。CC BYの曲を使った映像ディスクに、その曲の利用を禁じるような但し書きを付けることはできない、という趣旨です。

CC BY-NC|「非営利」は商業上の利得や金銭的報酬が主目的でないこと

CC BY-NCは、非営利での利用に限定されます。CCの条文では、営利目的とは商業上の利得や金銭的報酬を主な目的とした利用を指します。ここで判断が難しくなるのが、ディスクを実費で配るケースです。制作費だけを頭割りで集める発表会の記録DVDが営利に当たるのかどうかは、ケースによって解釈が分かれ得ます。金銭のやりとりが発生する企画では、BY-NCの素材を避けて無条件のCC BYやサイト独自規約の商用可素材に差し替えるほうが、説明の手間が減ります。

バージョンと表記の確認

CCにはバージョン(3.0、4.0など)と種類(BY、BY-SA、BY-ND、BY-NCなど)があります。NDが付いていれば改変不可なので、尺の編集ができません。SAが付いていれば、改変した成果物に同じライセンスを継承させる必要があります。素材のダウンロードページに書かれた記号を、その場でメモに写しておいてください。

規約は改定される|使用した日のページを保存し、曲ごとに台帳を残す

利用規約は改定されます。素材サイトの規約は運営者の判断で更新でき、生成AIの学習利用禁止のように、近年になって追加された条項もあります。3年前に作った映像のBGMを、今の規約で見ると条件が変わっている、ということが実際に起こります。

ここで押さえておきたいのは、多くのサイトが「規約は予告なく変更される」と書いている一方で、遡って過去の利用を違反にする運用は一般的ではない、という点です。ただしそれを説明するには、自分がいつの規約に基づいて使ったのかを示せる必要があります。だから、使った時点の規約を残しておくことに意味があります。

やることは2つだけ

  • 規約ページをPDFで保存する:ブラウザの印刷からPDFに書き出せば、日付入りのページが1ファイルで残ります。曲をダウンロードしたフォルダに一緒に入れておきます。
  • 曲ごとの台帳を作る:表計算ソフトで、曲名/配布元サイト/URL/ライセンス(クレジット要否)/ダウンロード日/使用した作品名の6列を作ります。曲を選んだその場で1行足すだけで、後から探す時間がなくなります。

納品後にクライアントから「この映像で使っている音楽の権利関係を教えてほしい」と聞かれる場面は、企業の記録映像や学校関係の制作で実際にあります。台帳があれば、その場でコピーして渡せます。ない場合は、映像を聴き直して曲を特定するところから始めることになります。

制作データそのものの保全も同じ考え方です。ディスクを配った後で原本が消えると、規約が変わったときの差し替えも作り直しもできません。3-2-1バックアップの実践のように、素材フォルダと書き出した映像を別の場所にも置いておくと、数年後の問い合わせに応えられます。

判断がつかないときの安全策|問い合わせる、有料に切り替える、差し替える

読んでも判断がつかない条項は残ります。そのときに取れる手は3つです。上から順に試すのが効率的です。

1. 素材サイトに使い方を書いて問い合わせる

問い合わせフォームがあるサイトなら、これがいちばん確実です。「使ってもいいですか」ではなく、事実を具体的に書きます。用途(何の映像か)、媒体(DVDに焼く)、配布先と枚数(社内の参加者に50枚)、有償か無償か、クレジットを入れる場所。この5点があれば、先方は判断できます。曖昧な質問は曖昧な回答しか返ってきません。もらった返信は、先ほどの台帳と同じフォルダに保存しておきます。

2. 有料ライセンスに切り替える

無料素材で悩む時間が長引くなら、用途が明示された有料ライセンスを買うほうが早い場合があります。有料サービスは用途別に許諾範囲が定義されているため、自分の企画が範囲内かどうかを規約の文面で確認できます。数十枚以上を配る企画や、クライアントに納品する制作物では、この判断が結果的に安く付くことがあります。

3. 条件がはっきりしている素材に差し替える

該当の曲でなければ成立しない作品でないなら、規約が明確な素材へ差し替えるのが最短です。差し替えは編集ソフト上での作業なので、ディスクを焼く前ならコストはほとんどかかりません。焼いた後だと作り直しになります。判断の分かれ目は書き出し前に置いてください。

やってはいけない進め方

「みんな使っているから大丈夫」「YouTubeで問題になっていないからDVDでも平気」という推し方は、根拠になりません。プラットフォーム上での配信と、複製物を人に渡す行為は、規約上まったく別に扱われている可能性があります。同様に、有料の音楽配信サービスで買った曲や、購入したCDの音源を映像に入れて配るのも別の話です。個人で楽しむ範囲を超えて配る場合は、それぞれの権利者の許諾が必要になります。

制作を依頼するときに聞かれること|権利の確認はデータを渡す前に済ませる

ディスクの書き込みを外部に頼む場合、預けるのは完成した映像データです。制作側から見ると、その映像に入っている音楽が何なのかは中身を見ても分かりません。だからこそ、注文の段階で権利関係を確認する運用にしている業者があります。ディスクメーカーでお引き受けできるのも、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画だけです。ここで止まると納期が動くため、入稿前に台帳を整えておくと話が早く進みます。

データの渡し方はダウンロードできる共有URLです。ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなど、リンクを開けば取得できる形であれば形式は問いません。ギガファイル便での入稿ガイドに、保存期間やダウンロードパスワードの扱いをまとめてあります。BGMの差し替えが発生しそうなときは、映像を書き出す前にこの記事の判断基準で一度チェックしておくと、入稿後の作り直しを避けられます。

費用は基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)からで、1枚から注文できます。再生できる形式に組み立てるオーサリングは料金に含まれ、盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも対応しています。納期は通常便のほか、お急ぎ(+1,500円/15時までの注文・入稿で翌々日までに発送)、特急(+3,000円/15時までの注文・入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までの注文・入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)から選べます。

制作を頼む相手を比較している段階なら、DVD・ブルーレイ作成を業者に頼むときの選び方と見積もりも合わせてご覧ください。料金だけでなく、権利確認をどう扱っているか、入稿データにどこまで手を入れてくれるかは、業者ごとに考え方が違います。

BGMの規約確認は、慣れれば1曲あたり数分で終わります。商用利用の可否、素材の再配布、クレジット、改変、用途の除外。この5項目を見て、音源ファイルを同梱しない、音楽が主役の作りにしない。この2つを守れば、ディスク配布で問題になる場面はかなり減らせます。

よくある質問

Q. フリーBGMは商用利用可なら、DVDに焼いて配ってもいいですか?
A. 商用利用可という記載だけでは判断できません。商用利用の可否と、複製物を人に渡してよいかは規約上の別の条項として書かれていることが多いためです。確認すべきは、素材の再配布を禁じる条項と、用途を限定する条項の2つです。映像の背景でBGMとして鳴っているだけで、音源ファイルを取り出せる形で同梱しないのであれば、多くの規約の範囲内だと考えられます。判断がつかないときは、用途・媒体・配布枚数・有償か無償かを書いて素材サイトに問い合わせてください。

Q. 「著作権フリー」と書いてあれば、著作権は放棄されているのですか?
A. 放棄されていません。「著作権フリー」は実務上、著作権使用料が無料という意味で使われている表現で、著作権そのものは作った人に残っています。したがって、その人が決めた利用規約の条件に従う必要があります。作者を偽ること、素材そのものを再配布すること、音楽配信サービスへ登録することなどを禁じている素材サイトは珍しくありません。無料で配布されていることと、どう使ってもよいことは別だと考えてください。

Q. 素材の再配布とは、具体的にどこからが該当しますか?
A. 多くの規約は、素材そのものを他人が入手できる形で渡す行為を再配布として禁じています。判断の目安は、受け取った人が音源をファイルとして取り出せるかどうかです。映像トラックに埋め込まれたBGMは通常の再生では取り出せませんが、同じディスクのデータ領域にMP3を入れて渡す、音楽CDとして曲単位で焼く、といった作り方は再配布に近づきます。データファイルを同梱する予定があるなら、そこにBGM素材を入れないという線を引いておくと安全です。

Q. クレジット表記はディスクのどこに入れればいいですか?
A. 映像の末尾、ジャケットの裏面や背表紙、盤面のレーベル印刷の3か所が候補です。複数の曲を使った場合は映像末尾にまとめて並べるのが管理しやすく、修正もしやすい方法です。盤面は中央の穴まわりを避けると入る文字数が限られるため、曲数が多いと現実的ではありません。書式は規約に例が示されていればその形に寄せます。表記スペースが取れない場合でも無断で省かず、規約に代替の扱いが書かれていないかを先に確認してください。

Q. CC BYの曲をディスクに入れる場合、何を書けばいいですか?
A. CC BY 4.0では、クリエイターの名前、著作権表示、ライセンスへのリンク、そして改変した場合はその旨を示すことが求められています。作曲者名だけでは足りず、ライセンスの名称とリンクまで含めるのが本来の形です。映像末尾に入れるなら、曲名、作者名、CC BY 4.0、ライセンスのURL、編集の有無、という並びで書けば条件を満たせます。CC BYは営利目的を含めて複製と再配布が認められているため、ディスク化そのものは範囲内です。

Q. CC BY-NC(非営利)の曲を、実費でDVDを配る場合に使えますか?
A. 慎重に判断してください。CCの条文では、営利目的とは商業上の利得や金銭的報酬を主な目的とした利用を指します。制作費だけを頭割りで集めるようなケースが営利に当たるかどうかは解釈が分かれ得るところで、明確な線引きは示されていません。金銭のやりとりが発生する企画では、NCが付かないCC BYの素材や、商用利用を明示的に認めているサイトの素材へ差し替えるほうが、後から説明する手間がなくなります。

Q. 利用規約が後から変更された場合、過去に作ったディスクはどうなりますか?
A. 多くのサイトは予告なく規約を変更できると定めていますが、過去の利用を遡って違反とする運用は一般的ではありません。ただし、それを説明するには、自分がいつの時点の規約に基づいて使ったのかを示せる必要があります。曲を使った日の規約ページをブラウザの印刷機能でPDFに保存し、曲名・配布元・URL・ライセンス・ダウンロード日・使用作品名を表計算ソフトの台帳に1行ずつ残しておいてください。数年後の問い合わせにその場で答えられます。

Q. 市販のCDや音楽配信で購入した曲を、映像に入れて配ることはできますか?
A. できません。購入は個人で聴くための対価であり、複製して人に配る許諾は含まれていません。市販音源には作曲者などの権利に加えて、その録音を制作した側の権利もあるため、配布するにはそれぞれの許諾が必要になります。手続きの手間と費用を考えると、実務上はフリーBGMまたは用途が明示された有料の音楽素材に差し替えるほうが現実的です。差し替えは映像を書き出す前なら短時間で済みます。

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