この記事の要点
上映会の会場には、再生する機器の型番と、ディスクで流すのか動画のファイルで流すのかを先に聞きます。会場の機器がDVDプレーヤーなら、ブルーレイは映りません。
映画祭に出すなら、応募する回の要項で形式を読みます。2026年に確かめた5つの映画祭は、どれも審査用の作品をURLかファイルで受け付けていました。DVDやブルーレイを受け付けない映画祭も、上映が決まった作品にDCPを求める映画祭もあります。
ディスクにする動画は、撮った解像度とフレームレートのまま書き出し、HDRで撮った映像はSDRにします。ブルーレイの映像は1920×1080まで、DVDは720×480です。
長さで、使うディスクを決めます。1層のDVD-Rに無理なく入るのは約2時間で、超えるなら2層か2枚か、ブルーレイにします。25GBのブルーレイは、2時間の作品でもBS放送(24Mbps)を上回るビットレートを使えます。
前日までに会場の機器で最初から最後まで流して試し、当日は同じ内容の予備の盤と、パソコンで再生できる動画のファイルも持っていきます。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
1枚から 作れます。 同じ 内容の 追加は 1枚1,000円 (税抜)です。
1枚1,500円(税抜)から・ 1枚から注文できます
卒業制作の上映会を、公民館のホールや学校の視聴覚室で開く。サークルで撮った作品を映画祭に応募する。編集を終えた動画のファイルがそろったら、次に決めるのは、それをどの形で会場や映画祭に渡し、どの機器で流すかです。
自主制作映画を上映用のブルーレイ・DVDにするなら、順番は4つです。
会場に、再生する機器の型番と、ディスクで流すのか動画のファイルで流すのかを聞く
映画祭に出すなら、応募する回の要項で、受け付ける形式(オンラインのURLやファイル、ディスク、DCP)を読む
会場の機器と要項に合わせて書き出し、作品の長さからDVDかブルーレイか、1層か2層かを決める
前日までに会場の機器で最初から最後まで流して試し、当日は同じ内容の予備の盤を持っていく
会場の機器と要項を先に確かめると、書き出しの形とディスクの種類が決まる
映画祭の応募は、2026年に確かめた5つの映画祭の要項では、どれも審査用の作品をYouTubeやVimeoのURLか、動画のファイルで受け付けていました。ディスクを作るのは、会場のプレーヤーで流すときと、映画祭や会場がディスクを指定したときです。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
自主制作映画の上映用ディスクは、上映日から逆に数えて準備する 上映会の会場に先に聞くこと|プレーヤーの型番と、ディスクかファイルか 映画祭の応募はブルーレイでできる?応募規定の形式の読み方 上映用のディスクは、DVD-VideoかBDMVの形に組み立てる 書き出しの設定|元の解像度とフレームレートのまま、HDRはSDRに DVDかブルーレイか、1層か2層かは、会場の機器と作品の長さで決める 字幕と音の大きさは、会場で読めて聞こえるかで確かめる 作品に使った曲と出演者の了解|上映と、ディスクにして配るのは別 残りの3項目を見る 前日までの試写で見ることと、当日持っていくもの 当社に頼むとき|編集を終えた動画を入稿する よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
自主制作映画の上映用ディスクは、上映日から逆に数えて準備する
段取りは、上映日から後ろ向きに組みます。決める日付は次の5つです。
上映日と会場を決め、会場に再生する機器と流す方法を聞く
映画祭に出すなら、応募する回の締切と、審査用の作品の出し方を要項で確かめる
会場の機器で試写する日を取る。直す点が見つかったときに作り直せるよう、上映日の直前には置かない
ディスクを受け取る日を決める。店に頼むなら、発送までとお届けまでの日数を見込む
書き出しと見直しを終える日を置く
いちばん先に手をつけるのは、1と2です。どちらも編集が終わる前に確かめられ、その答えで書き出しの形とディスクの種類が決まります。
上映会の会場に先に聞くこと|プレーヤーの型番と、ディスクかファイルか
家で映ったディスクが、会場の機器で同じように映るとは限りません。ソニーのレコーダーの説明書にも、記録済みのBD-RやDVD-Rは、傷や汚れのほか、記録状態や記録した機器、記録ソフトの特性などで再生できないことがあると書かれています。会場を予約したら、次のことを聞いておきます。
聞くこと
中身
流す方法
ディスクで流すか、パソコンやUSBメモリのファイルで流すか。
再生する機器
メーカーと型番。DVDプレーヤーか、ブルーレイの機器か。
映す画面
プロジェクターか、テレビか。つなぐ端子は何か。
音
会場のスピーカーから流せるか。
試写
本番と同じ機器で、前もって流して試せるか。
流す人
誰が、どの合図で再生を始めるか。
持ち込み
自分のパソコンやプレーヤーをつなげるか。
型番が分かれば、説明書や仕様表の「再生できるディスク」(再生可能メディア)の欄で、BD-RやDVD-Rの行を確かめられます。会場の機器がDVDプレーヤーなら、ブルーレイは映りません(ソニー)。ブルーレイを再生できる機器があるなら、1920×1080で入るブルーレイのほうが、大きなスクリーンでも映像の細かさを残せます。DVDの映像は720×480までです。
パソコンやUSBメモリのファイルで流す会場なら、会場の機器が読める動画の形式を聞き、その形で書き出します。パソコンで流すときは、本番と同じパソコンとつなぎ方で最後まで流し、途中で通知や画面の消灯が出ないように設定も見ておきます。ディスクで流す会場でも、動画のファイルを持っていけば、ディスクがうまく動かなかったときの代わりになります。
映画祭の応募はブルーレイでできる?応募規定の形式の読み方
2026年に確かめた5つの映画祭のうち、審査用にディスクを受け付けていたのは東京国際映画祭だけでした。それもオンラインのスクリーナーを出せない場合のNTSC方式のDVDに限られていました。映画祭の応募規定は、映画祭ごとに、また同じ映画祭でも回ごとに変わります。2026年9月27日に各映画祭の公式サイトで確かめた要項を、例として並べます。応募するときは、その回の要項で必ず確かめてください。
ぴあフィルムフェスティバル(第48回・PFFアワード2026):誰でも応募できる自主映画のコンペティション。本編をYouTubeかVimeoにアップロードし、URLをエントリーフォームに書く。日本語以外の言語の作品は、日本語字幕が必須
SKIPシティ キネテク国際映画祭(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭を引き継ぎ、2027年1月に開く回。締切は2026年8月31日):VimeoかYouTubeの限定公開のURLを出す。ダウンロード形式、DVD、ブルーレイは受け付けない
京都国際学生映画祭(第29回・2026年):作品が完成したときに監督が学生であることが条件。YouTubeかVimeoのURLで応募し、どちらにも上げられない場合だけGoogle ドライブで送れる。応募はデータだけ
TAMA NEW WAVE(第27回・2026年):YouTube、Vimeo、ファイルのアップロードのどれか。ファイルは4GB以下
東京国際映画祭(第39回・2026年):パスワード付きのオンラインスクリーナー(Vimeoなど)のURLを出す。出せない場合だけ、NTSC方式のDVDを2枚送る。PAL方式のDVDとブルーレイは受け付けない
東京国際映画祭は、PAL方式のDVDやブルーレイを受け付けない理由を「こちらの環境では再生できない場合があります」と書いています。ディスクで出すと決める前に、要項の「応募作品の素材」「提出方法」といった欄を読み、ディスクの種類と方式(NTSCかPALか)、枚数の指定まで確かめます。送ったディスクは戻らないものと考えて、元のファイルは手元に残しておきます。東京国際映画祭も、提出された資料は返却しないとしています。
URLで出す場合も、要項に細かな決まりがあります。PFFアワード2026では、エントリーのあとでURLを変えたり消したりすると、選考の対象外になります。TAMA NEW WAVEは、YouTubeの動画を「限定公開」にし、2026年12月末日までURLを変えたり動画を消したりしないよう求めています。
上映が決まったあとで出す上映素材と、DCP
審査用の動画とは別に、上映が決まった作品には上映用の素材を求める映画祭があります。京都国際学生映画祭は、上映が決まった作品の応募者に、上映素材などを速やかに出すよう求めています。TAMA NEW WAVEは、上映用の動画データを用意できることを、応募の条件にしています。
東京国際映画祭(第39回)の規約は、選ばれた作品に、上映用素材として英語字幕付きの原語版のDCPを納めるよう定めています。それとは別に、英語字幕入りの本編DVD 2枚か動画データを求めています。DCPは、映画祭がこうして上映用に求める素材の形で、DVDやブルーレイとは別に用意するものです。細かな仕様は、同じ規約でも選出後に映画祭が示すとされています。上映素材の形を指定されたら、その案内に沿って用意します。ブルーレイやDVDを指定されたときは、この記事の後半の作り方がそのまま使えます。
上映用のディスクは、DVD-VideoかBDMVの形に組み立てる
MP4などの動画ファイルを、そのままDVD-RやBD-Rにコピーしたディスクは「データディスク」です。パソコンでは開けても、プレーヤーに映像のディスクとして読まれないことがあります。パナソニックも、パソコン内の動画をそのままDVDに書き込んでも、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生できないと説明しています。
プレーヤーで流すディスクは、動画を市販の映画と同じ形に組み立ててから書き込みます。DVDならDVD-Video、ブルーレイならBDMVという形です。映像を再生機で読める形に組み立てるこの作業を、オーサリングと呼びます。
パソコンで開くと、DVD-VideoにはVIDEO_TSというフォルダが、BDMVのブルーレイにはBDMVとCERTIFICATEの2つのフォルダがあります。動画のファイル名がそのまま見えたら、データディスクです。パソコンで再生できたことは、プレーヤーで映る証明になりません。
動画のファイル名がそのまま見えたらデータディスク。プレーヤーでは映らないことがある
DVDは、日本のテレビ方式のNTSCで作り、書き込んだあとにファイナライズまで済ませます。ソニーのレコーダーの説明書は、NTSC以外の方式で記録したディスクは再生できないとしています。パナソニックは、ファイナライズしていないDVDは、作ったパソコンやレコーダー以外の機器では再生できないと説明しています。ブルーレイは、ファイナライズが要りません(マクセル)。自分で作る手順と、無料のソフトでできる範囲は動画をブルーレイに焼く方法|テレビで見る盤とデータ保存の手順、無料でできる範囲 にまとめました。
書き出しの設定|元の解像度とフレームレートのまま、HDRはSDRに
ディスクにする動画は、撮った解像度とフレームレートのまま、十分な画質のMP4(H.264)かMOVで書き出せば足ります。DVDの720×480やブルーレイの形への変換は、そのあとディスクを作る段階で行うからです。DVDにするからといって、先に720×480へ縮めておく必要はありません。縮めたファイルは、ディスクにするときにもう一度変換されます。
Premiere Proのプリセット「ソースの一致 – アダプティブ高ビットレート」は、ほとんどの設定をソースに合わせ、ソースのフレームサイズに基づいてビットレートを調整します(Adobe)。ソフトごとの手順はDVD・ブルーレイ用の書き出し設定|Premiere Pro・Final Cut Pro にあります。
24コマ(23.976)で仕上げた作品も、そのままの値で書き出します。Adobeは、元と違うフレームレートを選ぶと、不要な動きの乱れが出る場合があるとしています。オーサリングソフトの仕様では、ブルーレイは1920×1080のまま23.976・24・29.97コマを選べます。DVDは1秒29.97コマの形なので、コマ数の変換はディスクを作る段階で行われます。
ふつうのブルーレイは1920×1080までなので、4Kで仕上げた作品も、ディスクではフルHDになります。4Kの元のファイルは別に残しておきます。
HDRで撮った映像は、SDRにして書き出す
iPhoneなどでHDRで撮った映像は、SDRにして書き出します。HDRは4K用のUltra HD ブルーレイで加わった機能で(Blu-ray Disc Association)、DVDとふつうのブルーレイにはHDRを収める仕組みがありません。HDRのままディスクにすると、明るさや色の見え方が変わることがあります。
iPhoneのiMovieなら書き出しの「オプション」で「HDR」をオフに、Final Cut Proならプロジェクトの色空間を「標準 – Rec. 709」にします。これから撮る分は、iPhoneの「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」で「HDRビデオ」(モデルによっては「HDR」)をオフにできます。仕組みと直し方はHDR動画をディスクにすると色が変わる?|明るさ・色の違和感の正体と対策 で説明しています。
横長の比で仕上げた作品は、上下の黒い帯ごと書き出す
ブルーレイの映像は、1920×1080の16:9です。それより横長の比で仕上げた作品は、上下に黒い帯を入れた1920×1080で書き出すと、形を崩さずに収まります。Adobeのヘルプに「アナモルフィック(2.40:1)」として載っている比なら、映像は1920×800で、上下に140ずつの帯が入る計算です。
DVDの720×480は4:3にも16:9にもなる形で、どちらにするかはディスクを作るときに指定します。合わせ方は動画のアスペクト比とは|16:9・4:3のサイズ(ピクセル数)一覧と合わせ方 にまとめました。
書き出したら、編集画面ではなく、書き出したファイルそのものを最初から最後まで再生し、映像と音と長さを確かめます。映画祭に出すURLの動画にも、同じファイルが使えます。YouTubeも、アップロードする動画は記録したときと同じフレームレートで書き出すよう案内しています。
書き出しは元の解像度とコマ数のまま。HDRはSDRに、横長の比は黒い帯ごと書き出す
DVDかブルーレイか、1層か2層かは、会場の機器と作品の長さで決める
先に決めるのは、会場の機器です。DVDプレーヤーしかない会場ならDVD、ブルーレイを再生できる機器があるなら、細かさを残せるブルーレイを選べます。そのうえで、作品の長さから1枚に入るかを確かめます。短編を何本か続けて流すなら、合計の長さで数えます。
先に会場の機器、次に作品の長さで決める。2層は機器の対応も確かめる
DVD-R(4.7GB)に無理なく入るのは、レコーダーのSPモード相当の画質(約5Mbps)で約2時間です。1時間ほどの作品なら、オーサリングソフトの仕様にあるDVDの上限(映像と音声を合わせて9,848kbps)の近くまで使えます。110分あたりを超えるなら、2層のDVD-R DL(8.5GB。同じ画質で約3時間45分)にするか、2枚に分けるか、ブルーレイにします。
ブルーレイは、長さから平均で使えるビットレートを出すと、画質の見当がつきます。容量(GB)×8,000÷秒数で出した、映像と音声を合わせた平均の上限は次のとおりです。
長さ
25GB(1層)
50GB(2層)
1時間
上限まで
上限まで
2時間
約27.8Mbps
上限まで
3時間
約18.5Mbps
約37.0Mbps
「上限まで」は、計算上の値がオーサリングソフトの仕様にある上限(映像40Mbps、映像・音声・字幕の合計45Mbps)を超えるので、上限いっぱいまで使えるという意味です。2時間の作品でも、1層の25GBでBS放送(24Mbps)を上回る量を使える計算で、90分ならそれより多く使えます。
実際に書き出すときは1割の余裕を見て、音声の分を引きます。25GBに2時間なら、映像の平均は約23.5Mbps(音声がリニアPCMの場合)が目安です。会場がブルーレイに対応していれば、DVDで2層が要る長さの作品も、ブルーレイの1層に収まります。計算の考え方はビットレートとは|意味・目安と、ブルーレイの画質との関係 に、DVDとブルーレイの早見表はDVDに何分入る?ブルーレイに何時間入る?|容量・画質別の早見表と計算式 にまとめました。
2層は、会場の機器の対応と、層の切り換わりを確かめる
2層のディスクは、2層に対応した機器でしか使えません。マクセルも、ブルーレイの2層(DL)は同じ規格に対応した機器でのみ使えると案内しています。ソニーの説明書には、2層など複数の層のBD・DVDを再生すると、層が切り換わるときに映像・音声が一瞬途切れることがあるとも書かれています。
2層で作るなら、会場の機器の説明書で2層の行を確かめ、試写で層の切り換わりのあとも続くかを見ます。途切れを避けたいときは、区切りのよいところで1層のディスク2枚に分ける方法もあります。詳しくは2層式DVD・ブルーレイとは|容量・収録時間と、再生できない機器の確かめ方 で説明しています。
字幕と音の大きさは、会場で読めて聞こえるかで確かめる
字幕は、映像に焼き込んで書き出しておくと、会場の機器の設定に左右されずに出ます。焼き込みは、書き出した時点で文字が映像の一部になる方法です。ディスクの字幕を切り替える方式にすると、見る側でリモコンの「字幕」ボタンを押す操作が要ります。文字の大きさや1行の字数、改行の位置の目安は動画に字幕を入れる方法|聞き取りにくい音声を補う実務とDVDでの扱い にまとめました。
映画祭に出すなら、字幕の要否も要項で確かめます。PFFアワード2026は日本語以外の言語の作品に日本語字幕を、京都国際学生映画祭(第29回)は日本語以外の言語の作品に日本語か英語の字幕を求めています。東京国際映画祭(第39回)は、日本語と英語以外の作品のスクリーナーに英語字幕を付けることと、選ばれた作品の上映素材を英語字幕付きにすることを定めています。
音は、会場のスピーカーで流すと、編集に使ったヘッドホンやパソコンと同じに聞こえるとは限りません。書き出す前に、台詞の場面と音楽の場面で大きさがかけ離れていないかを通しで聞いて、そろえておきます。会場の音量は試写のときに台詞の場面で決め、つまみの位置を控えておくと、本番の途中で上げ下げせずに済みます。
作品に使った曲と出演者の了解|上映と、ディスクにして配るのは別
作品に市販の曲や他人の映像を使っているなら、上映の前に扱いを確かめます。曲や映像の扱いは映画祭の要項にも書かれています。PFFアワード2026は、許諾がない作品は入選しても映画祭で上映できない場合があるとしています。京都国際学生映画祭は、既製の映像や音源の使用許諾などの手続きを、監督の責任で済ませるよう定めています。
会場で作品を流すのは上映、曲を作品に入れて書き出すのは複製にあたります(著作権法第2条)。営利を目的とせず、観客から料金を取らず、出演者に報酬を払わない場合は、公表された著作物を許諾なしに上映できます(第38条)。ただし文化庁の著作権テキストは、この例外に「複製・譲渡」は含まれないとしています。JASRACも、市販のCDやダウンロードした音源を使った映像を上映するときは、上映の手続きとは別に、その映像を作ることの手続きが要ると案内しています。
上映会で入場料を集めるなら、扱いも変わります。文化庁は、名目を問わず見せる対価の性格があるものを「料金」とし、集めたお金を会場費に充てる場合も含めています。
ディスクにして出演者や観客に配る・売るなら、曲の複製の手続きが要ります。著作権法は、有償か無償かを問わず複製物を公衆に渡すことを「頒布」としています(第2条)。JASRACも、無料で配る場合でも利用申請が要り、申請は複製物を作る前にするよう案内しています。家庭内など限られた範囲で使う本人が複製する私的使用(第30条)は、上映会や配布には当てはまりません。家で見る1枚でも、店にディスクの作成を頼むと、複製するのが使う本人ではなくなるため、私的使用の例外にはあたりません。
出演者は実演家で、自分の実演を録音・録画する権利を持っています(第91条)。撮る前に、上映すること、映画祭に出すこと、ディスクにして配ることを伝えて、了解をもらっておきます。曲の手続きの申し込み方と、配る・売るときの決まりはMV・ライブ映像をDVD・ブルーレイにして頒布する方法|権利・特典・作る枚数 にまとめました。迷うときは、JASRACなどの窓口や、映画祭の事務局に尋ねてください。
前日までの試写で見ることと、当日持っていくもの
ディスクができたら、前日までに、本番と同じ会場の機器で最初から最後まで流します。見るのは次の点です。
ディスクを入れてから、最初の場面が出るまでの時間。メニューを付けたなら、メニューから本編が始まるか
最初から最後まで止まらずに流れるか。2層なら、層の切り換わりのあとも続くか
画面の端で、字幕やクレジットの文字が欠けていないか。後ろの席から読めるか
暗い場面が暗くなりすぎて、見えにくくなっていないか
台詞が後ろの席まで聞き取れるか。音楽の大きな場面で音が割れないか
最後まで流れたあと、止まるか、最初に戻るか、メニューが出るか
気になる点が見つかれば、元の動画を直して作り直すことになります。出演者やスタッフに配るディスクも作るなら、先に1枚を作って確かめてから、同じ動画で残りの枚数をそろえます。確かめたあとで動画を直したら、別の版として1枚目から確かめ直します。何台かの機器での試し方は配るDVDを、どの家のプレーヤーでも見られるように作るには|形式・ディスク・確認 に書きました。
当日は、予備の盤と動画のファイルも持っていく
本番の日は、本番用の盤のほかに、同じ内容の予備の盤と、パソコンで再生できる動画のファイルを持っていきます。1つがうまく動かなくても、ほかの手で流せます。予備の盤も試写で一度流しておき、本番用とは別のかばんに入れておけば、どちらかをなくしても残ります。盤面に作品名と上映時間を入れておくと、会場で取り違えにくくなります。紙のラベルやシールは貼らないでください。PlayStationの公式の案内は、シールや紙のラベルが貼られたディスクを、本体の故障の原因になる場合があるとして使わないよう書いています。
1つがうまく動かなくても、ほかの手で流せるように備える
書き出した元の動画のファイルは、上映が終わったあとも手元に残しておきます。追加の上映や次の映画祭への応募、配るディスクを作るときに、同じ内容から作り直せます。
当社に頼むとき|編集を終えた動画を入稿する
当社(ディスクメーカー)は、大阪市北区・梅田にある、DVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店で、注文は1枚から承ります。受け付けるのは、編集を終えた完成した動画のデータです。書き出した動画をギガファイル便にアップロードし、その共有URLを注文フォームに貼っていただければ、スマホからも入稿できます。短編を何本か1枚にまとめるときは、ファイル名の頭に「01_」「02_」と付けて、収める順番を指定してください。
受け取った動画は、プレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、店舗でお渡しします。仕上がりは、DVDが720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイが1920×1080で、音声はAC-3かLPCMです。盤面レーベル印刷を選ぶと開く欄には、盤面の画像をアップロードするか、ギガファイル便のURLを入れます。会場の再生機器や上映日などの希望は、注文フォームの備考欄に書いてください。
料金は、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円(税抜)、基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円です。本番用と予備のように同じ内容で2枚目を作るときは、2枚目から追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。同じ内容のブルーレイを2枚なら、税抜で2,500円 です。ブルーレイとDVDの両方を作る場合や、後日に追加で注文する分は、それぞれ新しい1枚目から数えます。
長い作品を1枚に収める2層ディスク(1枚目)は2,500円で、1層との差額1,000円 は同じ内容の2枚目以降にもかかります。盤面レーベル印刷(1枚あたり)+1,000円は、付けた枚数分かかるオプションです。ほかの項目の金額は料金表 に載せています。
通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。15時以降のご注文は翌営業日の受付で、発送までの日数は、土日祝・休業日を除いた営業日で数えます。上映日が近いときは、特急お届け(平日15時までの注文・入稿で翌日発送)や、当日店舗お渡し(平日12時までの注文・入稿)といった短納期のオプションもあります。注文の前に確かめたいことは、相談・問い合わせフォームに書いてください。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
よくある質問
Q1. 自主制作映画の上映会では、ブルーレイとDVDのどちらで流せばいいですか? 会場の機器で決めます。会場の機器がDVDプレーヤーなら、ブルーレイは映りません(ソニー)。ブルーレイを再生できる機器があるなら、1920×1080で入るブルーレイのほうが、大きなスクリーンでも映像の細かさを残せます。DVDの映像は720×480までです。どちらでも、本番と同じ機器で前もって最後まで流して確かめます。
Q2. 映画祭には、ブルーレイやDVDで応募できますか? 映画祭と回で違うので、応募する回の要項で確かめます。2026年に確かめた例では、PFFアワード2026はYouTubeかVimeoのURLだけで、SKIPシティ キネテク国際映画祭はDVDとブルーレイを受け付けていませんでした。東京国際映画祭(第39回)は、オンラインのスクリーナーを出せない場合に限ってNTSC方式のDVDを2枚受け付け、ブルーレイは受け付けていません。
Q3. MP4をBD-Rにそのまま書き込めば、会場のブルーレイプレーヤーで流せますか? ファイルをそのまま書き込んだデータディスクは、プレーヤーに映像のディスクとして読まれないことがあります。プレーヤーで流すなら、動画を市販の映画と同じBDMVの形に組み立ててから書き込みます。パソコンで開いて、BDMVとCERTIFICATEのフォルダがあればBDMVのディスクです。パソコンで再生できたことは、プレーヤーで映る証明になりません。
Q4. 2時間の作品は、ブルーレイ1枚に入りますか? 1層の25GBに入ります。容量(GB)×8,000÷秒数で出すと、2時間なら映像と音声を合わせて平均約27.8Mbpsを使え、BS放送(24Mbps)を上回る計算です。3〜4時間の作品をフルHDの画質のまま残すなら、2層の50GBが向いています。
Q5. 4Kで仕上げた作品は、4Kのままブルーレイにできますか? ふつうのブルーレイは1920×1080までなので、ディスクではフルHDになります。4Kのまま収めるのは別の規格のUltra HD ブルーレイで、再生には対応する機器が要ります。書き出しは4Kのままでかまいません。縮めるのはディスクを作る段階の作業で、4Kの元のファイルは別に残しておきます。
Q6. 24コマで仕上げた作品は、そのままディスクにできますか? 書き出しは、仕上げた24コマ(23.976)のままにします。オーサリングソフトの仕様では、ブルーレイは1920×1080のまま23.976・24・29.97コマを選べます。DVDは1秒29.97コマの形なので、コマ数の変換はディスクを作る段階で行われます。元と違うコマ数で書き出すと、不要な動きの乱れが出る場合があります(Adobe)。
Q7. 横長(2.40:1など)で仕上げた作品は、どう書き出せばいいですか? ブルーレイの映像は1920×1080の16:9なので、上下に黒い帯を入れた1920×1080で書き出します。2.40:1なら、映像は1920×800で、上下に140ずつの帯が入ります。帯を入れずに縦か横だけを引き伸ばすと、人の顔や丸いものの形がゆがみます。DVDの720×480は4:3にも16:9にもなる形なので、ディスクを作るときに16:9を指定します。
Q8. 市販の曲を使った作品を、上映会で流してもいいですか? 営利を目的とせず、観客から料金を取らず、出演者に報酬を払わない上映なら、公表された曲を許諾なしに上映できます(著作権法第38条)。ただ、この例外に複製は含まれません。JASRACも、市販のCDやダウンロードした音源を使った映像は、上映とは別に、その映像を作ることの手続きが要ると案内しています。入場料を会場費に充てる場合も「料金」にあたります(文化庁)。
Q9. 上映用のディスクは、何枚用意すればいいですか? 本番用の1枚に、同じ内容の予備を1枚足し、パソコンで再生できる動画のファイルも持っていくと、1つがうまく動かなくても流せます。予備も試写で一度流しておきます。映画祭にディスクを送るなら、要項の枚数に合わせます。東京国際映画祭(第39回)はNTSC方式のDVDを2枚とし、提出された資料を返却しないとしているので、元のファイルは手元に残します。
Q10. 映画祭で「DCP」を求められたら、ブルーレイで代わりになりますか? 代わりになるかは、その映画祭に確かめます。DCPは、映画祭が上映用の素材として求めることがある形で、DVDやブルーレイとは別に用意するものです。東京国際映画祭(第39回)の規約は、選ばれた作品に英語字幕付きのDCPを上映用素材として納めるよう定め、それとは別に本編のDVD 2枚か動画データを求めています。細かな仕様は、選出後に映画祭が示すとされています。
参考にした公式の情報
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映画祭の要項、法律の運用、機器やソフトの仕様は、回や改正、版によって変わります。この記事は、2026年9月27日に確かめた各映画祭の公式サイトの要項と、法令・各社の公式の情報をもとにしたものです。応募の形式は応募する回の要項で、曲の扱いはJASRACなどの権利者に、会場で流すときの機器は会場に確かめてください。
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