この記事の要点
撮る前に、宮司・住職や総代と、撮る場面と撮らない場面、撮る人、配る範囲を決め、総代会の議事録や記録票に書いて残します。
カメラは、祭祀や法要を妨げない位置を前もって決めて三脚で固定し、全体を通して撮ります。読経や祝詞の声は、声に近いマイクで別に録ります。
誰か分かる映像は個人情報です。宗教団体が宗教活動のために扱うなら、個人情報保護法の事業者の義務の規定は適用されません(第57条)。ただし、写る人の了解は別に考え、撮っていることを掲示で知らせます。
高齢の氏子・檀家に配る分は、テレビのプレーヤーで見られるDVDにし、1枚目を種類の違う機器で最後まで再生してから枚数をそろえます。
撮ったままの元の動画は2か所以上に置き、次第と時刻の記録票、台帳と一緒に次の代へ渡します。ディスクが読めるかの点検は5年程度が目安です。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
1枚から 作れます。 同じ 内容の 追加は 1枚1,000円 (税抜)です。
1枚1,500円(税抜)から・ 1枚から注文できます
例大祭や秋祭り、年忌の法要、本堂の落慶の法要のように、次にいつ行われるか分からない行事ほど、映像で残しておきたいという話が、総代会や役員会で出ます。ところが動き出すと、誰がカメラを持つのか、本殿や本堂のどこに立ってよいのか、参列する人が写ってよいのか、撮ったものを誰にどう配るのか、と決めることが一度に出てきます。しかも記録は、何十年か先に、いまの様子を知らない宮司・住職や総代が開いて、はじめて役に立つものです。
神社の祭りやお寺の法要を映像で記録するには、次の順に進めます。
撮る前に、宮司・住職や総代と、撮る場面と撮らない場面、撮る人、配る範囲を決めて書き残す
当日は、祭祀や法要を妨げない位置に三脚でカメラを固定して全体を通して撮り、読経や祝詞は声に近いマイクで別に録る
参列する人には、撮っていることを掲示などで知らせる
配る分はテレビで見られるDVDにして、1枚目を試してから枚数をそろえる
撮ったままの元の動画を2か所以上に置き、次第と時刻の記録票や台帳と一緒に、次の代へ渡す
撮る前の決めごとから、保存と次の代への引き継ぎまでを順に並べた
どこから撮ってよいか、どの場面にカメラを向けないかは、その神社やお寺が決めることです。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
神社の祭りやお寺の法要を撮る前に、宮司・住職・総代と決めること 法要・祭礼の撮影はどこに立つか|祭祀を妨げない位置と固定のカメラ 参列者が写る映像と個人情報保護法|宗教団体の適用除外と写る人の了解 読経や祝詞の声は、カメラと別にマイクを近づけて録る 儀式の次第と時刻を、記録票に書き残す 氏子・檀家に配るなら、テレビで見られるDVDにして1枚目を試す 雅楽や囃子、盆踊りの曲が入った映像を配るときの手続き 祭礼の記録を保存する|配布用・保管用・元の動画に分け、開けるかを確かめる 残りの3項目を見る 次の代への引き継ぎは、台帳と申し送りの品目に入れる 次の祭礼・法要から始める手順と、DVDにして配るときの頼み方 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
神社の祭りやお寺の法要を撮る前に、宮司・住職・総代と決めること
記録の映像で後から迷いやすいのは、撮り方より、撮ったあとの扱いです。撮り終えてから「本家にも1枚」「ホームページにも載せよう」と配る先が広がると、そのたびに写っている人の了解を取り直すことになります。撮る前に次のことを決め、総代会や役員会の議事録か、後で書く記録票に残しておきます。口頭の決めごとは、代替わりのあとでは確かめようがありません。
決めること
決め方の例
記録の目的
社寺の記録として残す、氏子・檀家に配る、文化財の記録にする。
撮る場面と撮らない場面
宮司・住職が、次第の紙に印を入れる。
撮る人とカメラの位置
記録係を決め、立つ場所を前もって宮司・住職と歩いて決める。
写る人への知らせ方
受付と入口に掲示を出し、申し出の窓口を決める。
配る範囲
参列した人まで、氏子・檀家まで、インターネットに載せるか。
配る形
DVDの枚数、ブルーレイの有無、短い版を作るか。
元の動画の置き場所
団体名義の保存先と、もう1か所。係と台帳を決める。
配る範囲は狭く決め、広げるときに決め直す
迷ったら狭く決めます。配り終えたディスクは集め直せず、インターネットに載せた映像は、見た人が保存した分まで消すことはできません。まずは参列した人と、来られなかった氏子・檀家に配るところから始めます。あとで広げたくなったら、総代会などで決め直して議事録に残せば、写っている人への説明もその記録に沿ってできます。
どの行事から撮るか
年中行事をすべて毎年撮る必要はありません。まず、その神社やお寺の年中行事を、行事名・日取り・担当の一覧にします。そのうえで、次のような行事から先に撮ります。
手順が込み入っていて、段取りを知る人が限られている行事(神饌の調え方、注連縄や茅の輪の作り方、法要の荘厳の順番など)
担い手が減っている行事(神楽、獅子舞、稚児行列、講の営みなど)
式年祭や遷座、晋山式、落慶法要のように、次にいつ行われるか分からない行事
本番と同じくらい役に立つのが、準備と片付けの記録です。幟の立て方、神輿の出し方、供物の並べ方は、本番の映像には写りません。準備の場面を受け持つ係を決め、話を聞ける古老や先代の宮司・住職に、作法の由来や昔の様子を語ってもらう時間も取ります。数十年に一度の行事で撮り直しがきかないなら、撮影の業者に頼むかどうかも、このときに決めておきます。
文化財に指定・選択された行事なら
祭りや神事が文化財の指定や選択を受けているなら、撮る前に、市区町村や都道府県の文化財の担当に、記録の扱いを確かめてください。
文化財保護法は、信仰や年中行事に関する風俗慣習、民俗芸能などを「民俗文化財」としています(第2条)。国は、無形の民俗文化財のうち特に重要なものを、重要無形民俗文化財に指定しています(第78条)。それ以外で特に必要のあるものは「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選び、必要に応じて自ら記録を作ったり、地方公共団体の記録作成の事業に助成したりしています(文化庁)。都道府県や市区町村も、条例で文化財を指定できます(第182条)。
法要・祭礼の撮影はどこに立つか|祭祀を妨げない位置と固定のカメラ
どこに立ってよいか、どの線を横切ってはいけないか、殿内や内陣に入ってよいかは、宮司・住職が決めます。撮る人の最初の仕事は、祭祀や法要を妨げないことです。前日までに宮司・住職と境内や堂内を歩き、カメラを置く場所と、撮る人が動ける道筋を決めておきます。
三脚で固定した1台で、全体を通して撮る
カメラは、全体が収まる向きで三脚に据えた1台を基本にします。始まる前から終わるまで止めずに回し、参列する人の視線や、斎主・導師、奉仕する人の動線をさえぎらない場所に置きます。寄りの場面がほしいなら、手で持つもう1台を足します。固定の1台が回っていれば、手持ちの側が動けない間も記録は途切れず、あとで選べる場面も増えます。
動いてよい時と、撮らない場面を次第の紙に書いてもらう
前もって次第(式次第)の紙をもらい、宮司・住職に「ここは動いてよい」「ここは動かない」「ここはカメラを向けない」を書き入れてもらいます。祝詞や読経の最中、参列者が頭を下げている間、玉串奉奠や焼香の列が続いている間に動いてよいか。御扉の開閉や、ご神体・ご本尊の方へカメラを向けてよいか。どれも、その神社やお寺に決めてもらうことです。施主のいる年忌の法要なら、撮るかどうかと写す範囲を、住職と施主で決めておきます。
動いてよい時と撮らない場面は、前もって宮司・住職に次第の紙へ書き入れてもらう
当日、撮る人が気をつけること
カメラやスマホの操作音とシャッター音を切り、通知を止めておく
照明やフラッシュを使ってよいかは、前もって宮司・住職に聞く
服装や、撮り始める前の一礼などの作法は、宮司・住職・総代に聞いて合わせる
記録係と分かる名札や腕章を付けるかどうかも、総代と決めておく
電池と記録するカードの残りを前日に確かめ、予備を持つ
撮る人は、総代会の名簿や行事の分担表に「記録係」と書き入れておきます。役として決まっていれば、誰が撮っているのかを参列する人に説明でき、次の年も同じ役として引き継げます。
参列者が写る映像と個人情報保護法|宗教団体の適用除外と写る人の了解
参列する人が写った映像は、個人情報保護法と肖像権の2つの話に分けて考えます。個人情報保護委員会のガイドラインは本人が判別できる映像を個人情報の例に挙げていて、誰か分かる映像は個人情報にあたります。
宗教団体が宗教活動のために扱うときは、事業者の義務の規定が適用されない
個人情報保護法第57条は、宗教団体が、宗教活動(これに付随する活動を含む)の用に供する目的で個人情報を扱うときは、個人情報取扱事業者の義務などを定めた第4章の規定を適用しない、としています。委員会のガイドラインによると、憲法が保障する基本的人権への配慮からの決まりです。同ガイドラインでは、宗教活動は教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成することを指します。宗教団体はこれを主な目的とし、礼拝の施設を備える団体(神社、寺院、教会など)などを指します。
除外にあたらない使い方もある
除外が当てはまるのは、この目的で扱う「限りにおいて」です(委員会のQ&A)。次のような場合は、別に確かめます。
撮って配るのが、自治会や祭りの保存会、実行委員会など、神社・寺院とは別の団体のとき。その団体が宗教団体にあたるかから確かめる
宗教活動とも、それに付随する活動とも言えない目的に使うとき。委員会のガイドラインが付随する活動の例に挙げるのは、霊園や宿坊の経営、他宗派の人の葬儀の運営のように、教義を広めるなどの効果を期待して行われる活動
名簿のような個人情報のデータベースを、不正な利益を図って人に渡したり盗用したりするとき。これを罰する第179条は、除外の対象にも適用される(同ガイドライン)
除外にあたる場合も、安全管理や苦情の処理など、個人情報を適正に扱うための措置を自ら講じ、その内容を公表するよう努めることになっています(第57条第3項)。映像や名簿を置く場所と、見られる人を決めておきます。祭りを自治会が受け持つ場合の決まりは、自治会・町内会の記録の残し方と引き継ぎ|保存年限・写真と動画・祭りの記録 で説明しています。
肖像権は、個人情報保護法の除外とは別に考える
肖像権は、自分の肖像をみだりに他人に公開されない権利で、法律に定めはなく、判例によって確立されてきた権利です(文化庁の著作権テキスト)。個人情報保護法の除外にあたっても、肖像権の話は残ります。
委員会のQ&Aは、会社の行事で撮った写真を社内で展示する例について、プライバシーの権利や肖像権の侵害にあたる場合もある、と注意しています。そのうえで、展示の期間を限る、不特定多数に渡すときは本人の同意を得る、といった取り組みを望ましいとしています。文化庁も学校向けの冊子で、他人の肖像を使うときは、あとでトラブルにならないよう、事前に本人や保護者の承諾を得ておくよう勧めています。
個人情報保護法の除外にあたっても、肖像権の話は別に残る
撮っていることを知らせ、写りたくない人の申し出を受ける
受付と入口に、記録のために撮っていること、映像の使い道(社寺の記録として残す、氏子・檀家に配るなど)、写りたくない人の申し出先を書いて掲示する
次第や案内の紙にも同じ一文を入れる。掲示を見ずに入る人もいる
固定のカメラに写らない席を決めておき、申し出た人を案内する
申し出た人のことは撮る人と編集する人だけに伝え、配る映像から外す。外せない場面は顔をぼかす
芳名帳や名簿、位牌や卒塔婆の名前が読める寄りの場面を配る映像に入れるかは、宮司・住職や施主と決める
稚児行列や子ども神輿のように子どもが中心の場面は、保護者から了解を得ます。委員会のガイドラインは、同意したことで生じる結果を未成年者が判断できないような場合は、親権者などから同意を得る必要があるとしています。了解の取り方の例は、書面を受け取る、確認の欄にチェックしてもらう、などです(同)。配る範囲や使い道ごとに分けて聞く同意書の文例は、園の動画・写真を配るときの同意書|作り方と、使い道ごとに選べる文例 にまとめました。
読経や祝詞の声は、カメラと別にマイクを近づけて録る
声をはっきり録るには、マイクを声に近づけるのがいちばんです。本殿や本堂の後ろに置いたカメラでは、祝詞や読経の声が遠くなります。カメラの内蔵マイクは撮る人の手元にあるので、声が堂内の響きや周りの物音に埋もれやすく、あとから直せる範囲も限られます。オーディオテクニカは、マイクと口元が離れすぎていると、声を拾うために入力を大きくすることになり、周囲の音も大きくなって雑音が目立ちやすくなると説明しています。
レコーダーを声の近くに置く
小さなレコーダーを、斎主や導師の声が届く場所に置かせてもらいます。どこに置いてよいか、装束や法衣に小さなマイクを付けてよいかは、宮司・住職に聞いて決めます。ソニーはリニアPCMレコーダーPCM-A10のヘルプガイドで、会議なら発表者に近い場所で録音し、講演会ならマイクを音源の方向に向けて録るよう案内しています。置くときは、次のことに気をつけます。
太鼓や楽器の台など、揺れるものの上には置かない。ソニーは、ピアノの上に置くと弾くときの振動も録音されるとしている
空調の吹き出し口の近くを避ける。エアコンや扇風機の音を拾っていた例を、オーディオテクニカが挙げている
録音中は本体に触れない。手が当たったりこすれたりした音も、雑音として録音されることがある(ソニー)
大きな音でひずむときは、距離を離す(ソニー)
拝殿や本堂のマイクの音をもらう
祝詞や読経、あいさつをマイクで拡声しているなら、その放送設備から録音用の音をもらえないかを聞きます。つないでよいか、どの端子から、どの大きさの音でつなぐかは、設備を管理している人と決めます。ソニーのPCM-A10なら、ほかの機器の音声出力をオーディオコードでマイクのジャックにつなぎ、「外部入力設定」で「Audio IN」を選びます。
放送設備の音に入るのは、設備のマイクで拾った音と設備で流した音なので、拡声していない声や太鼓の音は入りにくくなります。声の近くのレコーダーでも録っておき、編集で使い分けます。
録音レベルは、いちばん大きな音に合わせて決め、本番中は触らない
太鼓や鐘、鈴、柏手のように、声より大きな音が入る場面があります。声に合わせてレベルを上げていると、大きな音でひずみます。ひずんだ音は、あとで音量を下げても元に戻りません(ソニー、日本オーディオ協会)。
本番前の準備の時間に、太鼓や鐘を試しに鳴らしてもらえるなら、それを録ってひずまない高さに決めます。ソニーのPCM-A10のヘルプガイドは、手動で合わせるとき、ピークレベルメーターの−12dBを目安に、音源に合った範囲に調節するとしています。迷ったら低めにし、決めたレベルは本番中は動かしません。
録る形式は、選べるならWAV(リニアPCM)にします。映像と合わせるなら48kHzにしておくと、ビデオの音声とそろいます。Appleは、ビデオフォーマットでは一般に48kHzのレートが使われると説明しています。
行事が始まる前に、カメラとレコーダーの両方に同じ音を1つ入れておくと、編集で位置を合わせやすくなります。境内や堂内でどんな音なら出してよいかは、宮司・住職に聞きます。置き場所の試し方や、映像と音の合わせ方は卒業式の呼びかけ・合唱をきれいに録る方法|体育館の反響と音割れを防ぐ で詳しく書きました。
声はカメラと別に近くで録り、レベルは大きな音に合わせて決める
祭りの囃子や掛け声、神楽の笛や太鼓の打ち方は、紙の申し送りには書けません。数分でよいので、話し声が入らないようにして録っておくと、あとで習う人の手本になります。
儀式の次第と時刻を、記録票に書き残す
何十年か後に映像を開いた人には、映っているのがどの次第の場面か、斎主や導師が誰か、映像だけでは分からないことがあります。撮る人とは別に記録係を1人決め、次第の項目が始まった時刻を紙に書いてもらいます。使う時計は1つに決め、撮り始める前にカメラとレコーダーの時計もその時刻に合わせておくと、あとで映像と紙を突き合わせられます。記録票には、次のことを書きます。
項目
書く内容の例
行事と日付
行事の名前と回次、行われた日、天候。
場所
本殿・拝殿、本堂、境内、巡行の道順。
務めた人
斎主・導師の名前、奉仕や出仕をした人、演じた人の名前。
参列
おおよその人数。
次第と時刻
次第の項目ごとに、始まった時刻。
当日の変更
雨での変更や、順番の入れ替え。
撮影と録音
撮った人と録った人、カメラとマイクの位置、ファイル名。
決めたこと
配る範囲、写りたくない申し出、演じた人の了解。
次第の項目と時刻は、そのままディスクのチャプターの区切りに使えます。「修祓」「祝詞奏上」「読経」「焼香」のように次第の言葉で区切っておけば、見る人が次第の紙と画面を行き来できます。チャプターの付け方と数の目安はチャプター分けとは?DVD・ブルーレイの章の付け方と数の目安 にまとめました。
記録として残す本編は、通しの1本にします。読経の途中を短くしたり、列を早送りしたりすると、儀式の間(ま)が記録から消えるからです。見やすさがほしいなら、本編とは別に短い版を作ります。
氏子・檀家に配るなら、テレビで見られるDVDにして1枚目を試す
共有のURLを開いてパスワードを入れる、といった操作に慣れていない氏子・檀家の方もいます。テレビとプレーヤーだけで見られる形にすれば、受け取った人が自分で再生できることが多いです。配る先の家の機器が分からないなら、DVDにします。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できませんが(ソニー)、ブルーレイのプレーヤーはDVDも再生できるものが多いからです。ブルーレイは、再生できる機器があると分かっている家にだけ渡します。
DVDは、動画を映像のDVD(DVD-Video)の形に組み立ててから書き込みます。MP4などのファイルをそのままDVDに書き込んだものは、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生できません(パナソニック)。
ディスクはDVD-Rの1層を選びます。カナダ保存研究所(CCI)は、とくに古い機器ではDVD-RのほうがDVD+Rより互換性がよく、1層は2層より互換性がよいとしています。1層のDVD-R(4.7GB)に入るのは、レコーダーのSPモードと同じくらいの画質で約2時間です。それより長い祭礼や法要は、次第の区切りのよいところで2枚に分けます。
1枚目を試してから、枚数をそろえる
条件どおりに作っても、1台で映らないことはあります。ソニーの説明書にも、記録済みのDVD-Rなどは、記録状態や記録した機器・ソフトの特性などで再生できないことがあると書かれています。
先に1枚を作り、DVDだけのプレーヤー、ブルーレイのレコーダー、ゲーム機など、種類の違う機器で最初から最後まで再生します。見るのは、始まるか、止まらずに流れるか、音が出るか、画面の端の文字が欠けていないかです。大勢に配るなら、1枚目を何軒かの家で見てもらってから残りを作ります。確かめ方の順番は配るDVDを、どの家のプレーヤーでも見られるように作るには|形式・ディスク・確認 にまとめました。
盤面に行事名と日付を入れ、見方の紙を添える
盤面には、行事名、行われた日、神社やお寺の名前を入れておくと、何十年か後に棚から出てきたときも中身が分かります。紙のラベルやシールは貼りません。PlayStationの公式の案内は、シールや紙のラベルが貼られたディスクを、本体の故障の原因になる場合があるとして使わないよう書いています。
高齢の方がひとりで見るなら、テレビの入力の切り換え方と、プレーヤーの電源・再生・取り出しのボタンを紙に書いて、ディスクと一緒に渡しておきます。施設で暮らす人に届けるなら、部屋や談話室にDVDを再生できる機器があるかを、職員の方に先に聞いておきます。
受け取る人には、ほかの参列者も写っていること、家で見る範囲で使い、SNSや動画サイトには載せないでほしいことを、ケースに入れる紙に書いて添えます。法要で映像を流すときの段取りや、添える文の例は、追悼ムービー・メモリアルDVDの作り方|葬儀・お別れ会・法要の段取りと配り方 にあります。
1枚目で再生を確かめ、盤面と添える紙までそろえてから配る
雅楽や囃子、盆踊りの曲が入った映像を配るときの手続き
境内で雅楽を奏で、囃子を打ち、盆踊りでCDを流すことと、その様子を録った映像をディスクにして配ることは、著作権法の上で別の扱いです。営利を目的とせず、料金を取らず、演じる人に報酬を払わない催しなら、公表された曲をその場で演奏したり流したりすることに許諾は要りません(第38条)。ただ、文化庁の著作権テキストは、この例外に「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれないと書いています。録画してディスクにすれば複製、氏子・檀家に配れば頒布で、無料で配っても公衆に渡せば頒布です(第2条)。
雅楽や神楽、囃子を自分たちで演じた音:曲の著作権の保護期間(原則として作者の死後70年。第51条)が過ぎていなければ、曲の手続きが要る。市販のCDの歌手やレコード会社の権利は関わらない
雅楽や神楽、囃子を演じた人:実演家には、その実演を録音・録画する権利がある(第91条)。記録して配ることを先に伝え、了解を得ておく
盆踊りなどで流した市販のCDの音:曲の手続きに加えて、レコード会社などの許諾も要る(NexTone)。得られないときは、その音か場面を配る映像から外す
読経や祝詞を上げる方にも、記録して配ることを先に伝えておくと、後の代が扱いに迷わずに済みます。
家庭内など限られた範囲で、使う本人が複製するのは私的使用(第30条)ですが、氏子・檀家の家々に配るのは家庭内の使い方ではありません。店にディスクの作成を頼むと、複製するのが使う本人ではなくなるため、私的使用の例外にはあたりません。JASRACやNexToneの管理曲かの調べ方と申し込み方は、学校行事の録画・DVD配布と著作権|運動会・合唱・卒業式でよくある質問 にまとめました。
祭礼の記録を保存する|配布用・保管用・元の動画に分け、開けるかを確かめる
撮ったあとの映像は、配る分と残す分を1つで済ませず、役目の違う3つに分けて置きます。
分け方
中身と置き場所
配布用
氏子・檀家に渡すDVD。渡した先の分は、残す数に入れない。
保管用
社務所・寺務所に置くディスク。同じものを2枚作り、1枚は別の建物に。
元の動画
撮ったままの動画と録音。団体の保存先と、別の控えの2か所以上に置く。
配る映像のDVDは、動画をプレーヤーで再生できる形に作り直した、見るための複製です。DVDは720×480、ブルーレイは1920×1080で記録するので、スマホやビデオカメラで撮った4Kの動画は元より粗くなります。元の動画ファイルの代わりにはならないので、撮ったままの動画と録音を別に残します。
長く残すファイルはMP4にそろえておきます。内閣府の通知は、長く保存する行政文書を「標準的フォーマット」で作ることが望ましいとし、動画ではMPEG2とMPEG4を挙げています。
元の動画は、団体名義の保存先と、ネットにつながない控えに
元の動画は、宮司・住職や係の個人のスマホ、個人名義のアカウントではなく、神社・寺院の名義の保存先に置きます。もう1つは、外付けのHDDや、書き換えのできないBD-R・DVD-Rに写した控えにして、別の建物に置きます。
国立公文書館のガイドブックは、データを3つ持ち、記録媒体を2種類に分け、1つを離れた場所に置く「3-2-1」を、広く知られた実践例として紹介しています。守らなければならない決まりではない、とも断っています。組み合わせ方は写真・動画の長期保存はクラウドとDVDのどっち?|3-2-1バックアップの組み方 で詳しく書きました。
ディスクの寿命と置き方、点検の目安
書き換えのできないディスクのデータは、誤って消されることがなく、元のファイルがあとでおかしくなっても影響を受けません(US-CERT向けの手引き)。ただ、ディスクにも寿命があります。カナダ保存研究所が示す平均の目安は、一般的なDVD-R(銀合金の反射層)で10〜20年、BD-Rで5〜10年です。これは、温度と湿度の影響だけで比べた値です。
国立国会図書館の報告書によると、JIS Z 6017などが長期保存に向く環境として示すのは、温度10〜25℃・湿度40〜60%です。読めるかを確かめる点検は、5年程度が目安です(同)。同じ報告書は、光ディスクの素材の多くは高温多湿に弱く、色素を使うDVD-Rなどは強い光で色素が分解することがあるとしています。1枚ずつケースに入れて立て(カナダ保存研究所)、湿気のこもらない、日の当たらない場所に置きます。
確かめるのを個人の記憶に任せず、年に一度、決まった行事のあとや役員会の日に、元の動画と控えを別のパソコンやプレーヤーで開いて、戻せるかを確かめます。読めなくなる兆しがあれば、読めるうちに新しい媒体へ移します。移す前後でファイルの数と大きさを照らし合わせる方法など、長く残すための決め方は公文書・自治体の電子記録の長期保存|保存期間・形式・媒体と光ディスクの使い方 にまとめました。
社務所や寺務所に残る古いビデオテープ
昔の祭りや法要を録ったビデオテープが残っているなら、再生できる機器が身近にあるうちに取り込んで、ファイルにします。取り込んだファイルも、新しく撮った記録と同じように団体の保存先と控えに置き、台帳に書き足します。取り込み方と、業者に頼むときの確かめ方はビデオテープをデジタル化する方法|自分でやる手順と、業者に頼むときの確かめ方 にあります。
次の代への引き継ぎは、台帳と申し送りの品目に入れる
撮って保存しても、どこに何があるかが次の代に伝わらなければ、記録は探せません。記録を1件ずつ書き足す台帳を作り、記録票やディスクと同じ棚に置きます。国立公文書館のガイドブックは、保存しているすべての電子の記録について、どの媒体のどこに置いたかを台帳などで組織として共有し、特定の個人だけが開ける状態にしないことを基本にしています。
台帳に書くこと
行事名と行われた日、記録票の置き場所
元の動画の置き場所(保存先の名前とフォルダ、控えの媒体と保管場所)
ディスクの管理番号(盤面とケースにも同じ番号を入れる)
配った相手と枚数、配った日
撮る前に決めたこと(配る範囲、写りたくない申し出、演じた人の了解)と、決めた会議の日付
点検した日と結果、次に点検する年
ファイル名は「20261017_例大祭_宮出し_固定.mp4」のように日付から始めると、並べたときに時の順にそろい、行事名で中身も分かります。
アカウントとパスワードを、個人のものにしない
保存先のアカウントは神社・寺院の名義で作り、再設定用のメールアドレスも団体の連絡先にします。Googleは、2年使われていない個人のアカウントを無効とみなし、そのデータを削除できるとしています。国立公文書館のガイドブックは、パスワードをかけて保存すると、やがて誰もパスワードが分からなくなりかねないと注意しています。ログインの情報をどう引き継ぐかは、総代会などで安全な方法を決めておきます。
代替わりや役員の交代のときに、現物と突き合わせて渡す
宮司・住職の代替わりや総代の交代のときは、什物や備品の目録と一緒に、台帳、記録票、ディスク一式、元の動画の置き場所の一覧を引き渡します。台帳を見ながら現物を一つずつ確かめ、渡した日と渡した人を書き添えておけば、その次の代も同じように渡せます。
次の祭礼・法要から始める手順と、DVDにして配るときの頼み方
体制が整うのを待っていると、次の行事が過ぎてしまいます。次に控えている祭礼や法要について、次の順に進めます。
宮司・住職と総代で、記録の目的、撮る場面と撮らない場面、撮る人、配る範囲を決め、議事録に残す
前日までに、カメラとレコーダーの置き場所を宮司・住職と歩いて決め、掲示の文を用意する
当日は、固定のカメラとレコーダーを始まる前から回し、記録係が次第の時刻を書く
その週のうちに、元の動画と録音を団体の保存先と控えの2か所に写し、台帳に書く
配るなら、写りたくない申し出と曲の扱いを確かめて編集し、DVDの1枚目を試してから枚数をそろえる
当社(ディスクメーカー・大阪市北区梅田)は、1枚から注文できる、DVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店で、受け付けるのは完成した動画のデータです。撮影と編集は、神社・寺院や係、撮影の業者の側で済ませてください。編集を終えた動画をギガファイル便にアップロードし、その共有URLを注文フォームに貼ってください。スマホからも入稿できます。前編・後編のように動画が複数あるときは、ファイル名の頭に「01_」「02_」と付けて、収める順番を指定します。
受け取った動画は、プレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、店舗でお渡しします。仕上がりはDVDが720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイが1920×1080です。
料金は、基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)です。保管用にブルーレイも作るなら、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円の1枚目から数えます。同じ内容の2枚目からは、追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。
盤面に行事名と日付を印刷するなら、盤面レーベル印刷(1枚あたり)+1,000円を選び、行事名と日付も入れた画像を、開いた欄にアップロードするか、ギガファイル便のURLを入れます。次第の区切りで頭出しできるようにするなら、チャプター分け(1枚あたり)+1,500円を選んでください。開いた「チャプター位置の指定」の欄に、2つ目以降の区切りの位置を時刻で入れてください。1つ目は動画の冒頭に自動で入り、最大50チャプターです。
通常便なら、受付から5営業日で発送し、発送から2〜3日でお届けします。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
よくある質問
Q1. 神社の祭りや神事を、動画で撮影してもいいですか? 撮ってよいか、どこから撮り、どの場面にカメラを向けないかは、その神社が決めることです。撮る前に宮司と総代に、記録の目的、撮る場面と撮らない場面、撮る人、配る範囲を伝えて決め、議事録に残します。当日は決めた位置に三脚でカメラを固定し、操作音と通知を切っておきます。
Q2. お寺の法要を撮影するとき、どこに立てばいいですか? 立つ場所は、前もって住職と本堂を歩いて決めます。全体を撮る固定のカメラは、参列する人の視線や導師の動線をさえぎらない場所に三脚で据え、始まる前から止めずに回します。読経や焼香の間に動いてよいかも、次第の紙に印を入れてもらって確かめます。施主のいる年忌の法要では、撮るかどうかを住職と施主で決めます。
Q3. 参列者の顔が写った映像を、氏子や檀家に配ってもいいですか? 誰か分かる映像は個人情報ですが、宗教団体が宗教活動の目的で扱うなら、個人情報保護法の事業者の義務の規定は適用されません(第57条)。ただ、肖像権は別に考えます。個人情報保護委員会も、写真の展示の例で、不特定多数に渡すときは本人の同意を得るなどの取り組みを望ましいとしています。撮っていることと使い道を掲示で知らせ、写りたくない人は配る映像から外します。
Q4. 読経や祝詞の声を、はっきり録るにはどうすればいいですか? カメラの内蔵マイクに頼らず、声の近くに置いたレコーダーで別に録ります。置き場所は宮司・住職と決め、拡声しているなら放送設備から音をもらえるかも聞きます。録音レベルは、太鼓や鐘などいちばん大きな音でひずまない高さにして、本番中は触りません。ソニーのレコーダーのヘルプガイドは、ピークレベルメーターの−12dBを目安にしています。
Q5. 雅楽やお囃子の入った祭りの映像を配るのに、手続きは要りますか? その場で演奏することは、営利を目的とせず料金を取らず、演じる人に報酬を払わなければ許諾は要りません(第38条)。録画してディスクで配るのは、この例外に入りません。保護期間(原則として作者の死後70年)が過ぎていない曲なら曲の手続きが要り、演じた人には録音・録画の権利があるので(第91条)、配ることの了解を得ておきます。市販のCDの音には、レコード会社などの許諾も要ります。
Q6. 高齢の氏子や檀家には、どんな形で配ればいいですか? テレビとプレーヤーだけで見られる映像のDVD(DVD-Video)にします。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できないので、機器の分からない家にはDVDを渡します。1枚目を種類の違う機器で最後まで再生して確かめてから枚数をそろえ、テレビの入力の切り換え方と、プレーヤーの再生のボタンを書いた紙を添えます。
Q7. 祭りや法要の記録映像は、何年くらい保存できますか? 媒体の寿命には限りがあります。カナダ保存研究所の平均の目安は、一般的なDVD-Rで10〜20年、BD-Rで5〜10年です。撮ったままの元の動画を、団体名義の保存先とネットにつながない控えの2か所以上に置き、年に一度は開けるかを確かめます。ディスクの点検は5年程度を目安にし(国立国会図書館の報告書による)、読めるうちに新しい媒体へ移します。
Q8. 次の宮司・住職や総代に、記録をどう引き継げばいいですか? 記録を1件ずつ書き足す台帳を作り、元の動画の置き場所、ディスクの管理番号、配った相手、撮る前に決めたこと、次に点検する年を書きます。保存先のアカウントは団体の名義にし、ログインの情報の渡し方を決めておきます。代替わりや交代のときは、什物の目録と一緒に、台帳を見ながら現物を突き合わせて渡します。
Q9. ディスクメーカーに、祭りや法要の撮影も頼めますか? 当社は撮影と編集をしていません。撮影と編集は、神社・寺院や係、撮影の業者の側で済ませ、編集を終えた動画を上げたギガファイル便のURLを注文フォームに貼ってください。DVD・ブルーレイに組み立てて書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、大阪・梅田の店舗でお渡しします。注文は1枚からです。
参考にした公式の情報
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法律の運用や機器の仕様、各社の案内は、改正や更新で変わることがあります。この記事は、2026年9月27日時点の法令と各公式ページの記載をもとにしたものです。撮ってよい場所や場面、作法は宮司・住職・総代に、個人情報の扱いは個人情報保護委員会に、曲の手続きはJASRAC・NexToneなどの権利者に確かめてください。
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