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iPhoneのスローモーション動画をディスクにする|スロー区間を残す書き出しと確かめ方

2026 11/02
iPhoneのスローモーション動画をディスクにする|スロー区間を残す書き出しと確かめ方

この記事の要点

  • iPhoneのスローモーションは、普通の速さで撮ったものを写真アプリがゆっくり再生する仕組み。遅くする区間は、撮ったあとに縦棒で動かせる
  • DVDは1秒約30コマ(29.97fps)で進む。240fpsのコマを1枚ずつ全部見せると計算上は約8倍、120fpsなら約4倍の長さに伸びる
  • 写真アプリで決めた区間が、書き出したファイルや他のソフトでどう扱われるかはAppleの資料で確かめられない。受け取った側で見え方が変わることがある
  • スローに見える形のまま渡すには、区間の分だけ長さが伸びたファイルにする。iMovieで速度の範囲を決めて書き出すか、Macの写真の「1本のビデオを書き出す」で出して長さを見る
  • 渡す前に見るのは、ファイルの長さ・フレームレート・写真アプリ以外での再生の3点。撮った時間と同じ長さのままなら、スローは乗っていない

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運動会のリレーで、アンカーにバトンが渡る2秒ほどを、iPhoneのスローモーションで撮った。写真アプリで再生すると、手と手が重なる瞬間がゆっくり流れて、家族で何度も見返した。ところが祖父母に渡すDVDにしようとパソコンに移して開いたら、あっという間に終わってしまった。スローで撮った動画をディスクにしようとすると、こうした食い違いが起きることがあります。

原因は、スローモーションの仕組みにあります。Appleのガイドは、スローモーションモードを「ビデオを通常通りに撮影してから、スローモーションで再生します」と説明していて、どこを遅くするかは写真アプリであとから選ぶ設定です。一方、DVDは1秒に約30コマ(29.97fps)で進む規格です。スローで見せたい区間は、遅くした分だけ時間が伸びたファイルにしてから渡すのが確実で、240fpsのコマを全部使うなら、その区間は計算上約8倍の長さになります。

写真アプリで決めた区間が、書き出したファイルや他社のソフトでどう扱われるかは、Appleの資料では確かめられませんでした。受け取った側で見え方が変わることがあるので、書き出したファイルを写真アプリ以外で再生し、長さとフレームレートを見てから渡します。本文は2026年9月時点の情報で、iPhoneの画面の表記はiOS 27の場合です。表記はバージョンで変わるので、項目の意味で読み替えてください。

この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります

  1. スローモーションは「普通に撮って、あとから遅く見せる」
  2. 240fpsは、29.97fpsのディスクで何倍の長さになるか
  3. どの機器で書き出すかを、先に決めておく
  4. 写真アプリでスロー区間を決める(iOS 27の場合)
  5. Macの写真アプリで区間を直して書き出す
  6. iPhoneだけで仕上げるなら、iMovieで速度の範囲を決め直す
  7. Mac版iMovieは、高フレームレートのクリップを自動でゆっくりにする
  8. 共有と書き出しの経路で、届くものが変わる
残りの14項目を見る
  1. パソコンに取り込んでから何とかする、という道の落とし穴
  2. 他社の編集ソフトでは、タイムラインの長さを見る
  3. 書き出したファイルがスローになっているかの確かめ方
  4. 書き出したファイルを、iPhoneの外に出す
  5. 普通の速さで流れる、区間がずれる。症状から原因をたどる
  6. カクつく、粗い、色や音が変わった
  7. スローと通常の速さを、1枚に並べる
  8. 係として、何人もの保護者からスローの動画を集めるとき
  9. 撮る前に決めておくこと
  10. 行事の夜から入稿までの段取り
  11. 自分で仕上げるところと、当社に頼むところ
  12. ディスクにしたあとも、元の動画は残しておく
  13. 送る前の最後の確認と、入稿
  14. よくある質問

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スローモーションは「普通に撮って、あとから遅く見せる」

カメラを「スローモーション」に切り替えて撮っても、撮っている最中の画面はゆっくりになりません。カメラがしているのは、1秒に240コマ(機種と設定によっては120コマ)という細かい刻みで、普通に撮ることまでです。ゆっくり見えるのは撮ったあと、写真アプリで再生したときで、ガイドには「あとでビデオを編集して、どの部分をスローモーションで再生するか選択できます」とあります。

区間をあとから選べる、というのが肝心なところです。撮ったコマはすべて残っていて、どこを遅く見せるかを写真アプリの側で決めている、と読めます。写真アプリの編集画面では、フレームビューア(コマが帯状に並んだ部分)の下の縦棒を動かすだけで、遅くなり始める位置と元の速さに戻る位置を何度でも変えられます。Macの写真アプリにも同じ操作があり、iCloud写真を使っていれば、編集はすべてのデバイスで同期されます。

困るのは、この「どこを遅く見せるか」が、写真アプリの外でも守られるかどうかです。書き出したファイル、他社の編集ソフト、Windowsのパソコンに取り込んだ動画で、区間の設定がどう扱われるのか。Appleのガイドとサポート記事を読んだ範囲では、そこまでは書かれていません。確かめられないことは、確かめてから渡す。ここから先の手順は、全部この考え方で組んでいます。

撮ってから渡すまでを5つに分けると、次の流れになります。3つ目の「伸ばして書き出す」と4つ目の「確かめる」が、普通の動画をディスクにするときには無い工程です。

撮る、写真アプリで区間を決める、区間の分だけ伸ばして書き出す、写真アプリの外で確かめる、渡すの5つの工程を左から右へ矢印でつないだ図。伸ばして書き出すと確かめるの2つが、通常の動画には無い工程
3つ目と4つ目が、普通の動画をディスクにするときには無い工程

「ビデオ」モードの120 FPSは、扱いが少し違う

iPhone 16 Pro・17 Pro・18 Proの各モデルには、もう一つの入口があります。スローモーションモードに切り替えなくても、「ビデオ」モードで画面上部のフォーマットと解像度の値をタップして「120 FPS」を選ぶと、スローモーションビデオになる。ガイドのヒントにそう書かれています。写真アプリの編集には、高いフレームレートで撮ったビデオの再生速度を下げるボタンもあり、選べる速さは撮影したフォーマットで変わります。

Macの写真アプリのガイドには、その速さが具体的に並んでいます。「1/2倍速」は少なくとも毎秒60フレームで撮ったビデオ、「1/4倍速」と「1/5倍速(毎秒24フレーム)」は少なくとも毎秒120フレームで撮ったビデオで使える、という書き方です。120コマを5倍に引き伸ばすと、1秒24コマになる。撮ったコマの数を遅くする倍率で割ったものが、再生のときの1秒あたりのコマ数になるわけで、次の節の計算はこの関係をそのまま使います。

機種ごとに選べるスローの上限

スローモーションで選べる解像度とフレームレートは、機種の仕様ページに書かれています。Pro系とiPhone Duo(10月23日発売予定)は「最大240fpsの1080pと最大120fpsの4Kドルビービジョン(Fusionメイン)」です。Pro系というのは、18 Pro・18 Pro Max、17 Pro・17 Pro Max、16 Pro・16 Pro Maxの6機種です。iPhone 17・Air・17e・16・16eは「1080pスローモーションビデオ(120fpsまたは240fps)」で、前面カメラのスローはどの機種も1080pの120fpsまでです。

設定の場所は「設定」>「カメラ」>「スローモーション撮影」で、背面カメラは1080p HD(240 fps)が初期設定です。4Kのスローが選べるのはPro系とDuoだけですが、ディスクにするときはDVDなら720×480、Blu-rayなら1920×1080に作り直すので、4Kで撮った細かさがそのまま盤に残るわけではありません。機種ごとの違いはiPhone動画の仕様一覧にまとめています。

240fpsは、29.97fpsのディスクで何倍の長さになるか

ディスクの側の決まりを先に確かめておきます。当社で作るDVDは720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、Blu-rayは1920×1080です。DVDの規格では、NTSCの映像は1秒に29.97コマで進みます。Blu-rayの1920×1080の映像は、規格上は(一般に)59.94i(コマに直すと29.97)か24p系とされています。ここから先は、当社のDVDと同じ1秒約30コマ(29.97fps)を基準に数えます。

計算は単純です。240fpsで撮った1秒には、240コマあります。これを1秒29.97コマの速さで1枚ずつ全部見せると、240÷29.97で約8.0秒。計算上は約8倍の長さです。120fpsなら約4.0倍、60fpsで撮った通常のビデオでも約2.0倍までは、撮った絵だけで伸ばせます。場面の長さに当てはめると、次の表のとおりです。

撮影のfps 撮れる条件 1秒の動作 3秒の動作 伸びる倍率(計算上)
240fps 1080pのスローモーション(全機種・背面の初期設定) 約8.0秒 約24.0秒 約8.0倍
120fps 1080pのスローモーション、前面カメラ、Pro系とDuoの4K 約4.0秒 約12.0秒 約4.0倍
100fps 「PALフォーマットを表示」をオンにしたときのPro系とDuoの4K 約3.3秒 約10.0秒 約3.3倍
60fps 通常のビデオ 約2.0秒 約6.0秒 約2.0倍
30fps 通常のビデオ 1.0秒 3.0秒 伸ばせない

表の「1秒の動作」は、かけっこのゴール前の数歩や、跳び箱の踏み切りから着地までくらいの長さを思い浮かべると分かりやすいはずです。その1秒が、240fpsなら8秒の映像になる。3秒をまるごとスローにすると24秒です。テレビの前で見ると、24秒のスローは思った以上に長く感じます。

逆向きの計算もしておきます。スローの区間が乗っていない240fpsのファイルが、撮ったときの時間のまま29.97fpsの映像に直されると、1秒の240コマのうち使われるのは約30コマ、8コマに1コマほどです。残りのコマは使われず、動きは撮ったときと同じ速さで流れます。細かく撮った手間が、盤の上では何も生きない形です。冒頭のリレーの例も、この計算の側に転んだと考えると説明がつきます。

撮影のfpsごとに、1秒の動作が何秒の映像になるかを並べると、差がはっきりします。

撮影のフレームレートが240、120、100、60、30のとき、1秒の動作を29.97fpsのディスクでコマを全部見せると何秒になるかを棒の長さで比べた図。240fpsは約8秒、30fpsは1秒のまま
計算上の値。撮ったコマを1枚ずつ全部見せたときの長さ

撮ったコマで足りる遅さには、上限がある

8倍より遅くしたいときは、事情が変わります。240fpsの動画を10倍に伸ばすと、1秒あたりの本物のコマは24枚になり、29.97fpsの枠に対して足りません。16倍なら1秒15枚で、同じ絵が2回ずつ続く計算です。足りない分は同じ絵の繰り返しや、ソフトが前後のコマから作った絵で埋められるので、動きが小刻みに止まって見えたり、輪郭がにじんだりします。

撮ったコマで足りる遅さは、240fpsなら1/8、120fpsなら1/4が目安です。それより遅く見せたい一瞬は、あとで触れるフリーズ(静止)で止めて見せるほうがきれいに収まります。競技ごとにどの遅さが要るかはスポーツのスロー再生の作り方で扱っています。なお、30fpsと29.97fpsの差は計算上約0.1%で、見た目には分かりません。29.97fpsとインターレースの関係は動画がカクカクする原因|30fps・60fpsの違いとインターレースのちらつきにまとめました。

スローモーションで撮り忘れた動画は、60fpsなら2倍まで

肝心の場面を、スローモーションに切り替えずに撮ってしまった。そういうこともあります。通常のビデオが60fpsで撮れていれば、iMovieや編集ソフトで2分の1の速さにするところまでは、撮ったコマだけで伸ばせます。1秒の動作が2秒。8倍のスローと比べれば控えめですが、ゴールの瞬間を目で追える程度にはなります。30fpsで撮った動画は、遅くしても同じ絵が繰り返されるだけなので、伸ばすより、フリーズで一瞬を止めて見せるほうが見られる映像になります。

撮った動画が何fpsだったかは、パソコンに移してからのファイルの情報で確かめるのが確実です。写真アプリの「情報」にfpsが出ていれば、それも目安になります。「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」で60fpsを選んでいなければ30fpsのことが多く、60fpsを選んでいた人だけが2倍の道を使えます。次に撮るときにスローモーションのモードへ迷わず切り替えられるよう、カメラのモードの並びを一度確かめておくと、同じ悔しさを繰り返さずに済みます。

どの機器で書き出すかを、先に決めておく

スローの区間を「時間として伸びた状態」にする作業は、写真アプリで区間を決めるだけでは終わりません。決めた区間を、1本の動画として書き出す道具が要ります。Appleの資料で手順まで確かめられるのは、次の3つです。iMovieの2つは、遅くした範囲の分だけ長さが伸びた動画を新しいファイルとして作る操作で、Macの写真は区間を見ながら書き出す操作です。

  • Macの写真アプリ: iCloud写真で同期した(またはUSBで読み込んだ)動画の区間を直し、「ファイル」>「書き出す」>「1本のビデオを書き出す」で書き出す
  • iPhoneのiMovie: 動画をムービープロジェクトに入れ、「速度」で遅くする範囲と速さを決めて、「ビデオを共有」から保存する
  • MacのiMovie: 同じことをMacで行う。高フレームレートのクリップを自動で遅くする初期設定があるので、そこを踏まえて使う

Macがあって、写真アプリにスローの動画が並んでいるなら、Macの写真がいちばん手数の少ない道です。iPhoneで見ていた区間を確かめながら、そのまま書き出せます。iPhoneしかない家庭や、パソコンがWindowsだけの家庭は、iPhoneのiMovieで仕上げてからファイルを移すのが手堅いやり方です。Windowsに取り込んでから何とかしようとすると、区間の設定がどう扱われるか分からない状態から始めることになります。

写真アプリの中だけで済ませる方法も考えられます。トリミングのあとに出る「ビデオを新規クリップとして保存」は、元の動画を残したまま別の1本を作る操作です。ただ、新しいクリップにスローの区間がどう乗るかは、ガイドには書かれていません。使うなら、できたクリップを写真アプリの外で再生して確かめる、という一手を省かないでください。迷ったら、手元の機器を上から順に当てはめます。どの道を通っても、最後に「確かめる」を通るのは同じです。

Macがあって写真アプリにスローの動画が並ぶか、iPhoneだけで済ませたいか、Windowsに取り込んで編集ソフトで作るかの3つの問いに、はい・いいえで答えて書き出す道具を決める道すじの図
どの道を通っても、最後に写真アプリの外で確かめる工程は同じ

写真アプリでスロー区間を決める(iOS 27の場合)

どの道で書き出すにしても、最初にやるのは、写真アプリで「どこを遅くするか」を決めることです。iPhoneのガイドにある手順は、次の3つだけです。

  1. 写真アプリを開き、「スロー」モードで撮ったビデオを開く
  2. 「編集」ボタンをタップする
  3. フレームビューアの下にある黒い縦棒をドラッグして、スローモーションで再生する箇所を設定する

縦棒が示しているのは、遅くなり始める位置と、元の速さに戻る位置です。Macのガイドの言い方では「再生速度を遅くするタイミングと再度速くするタイミング」。動かしたら再生ボタンで頭から流し、遅くなるところと戻るところの「つなぎ目」を見ます。つなぎ目が動きの真ん中にあると、急にブレーキがかかったように見えます。動きが始まる少し手前から遅くし、動きが終わって一呼吸おいたところで戻すと、見る側が「ここからゆっくりになる」と構えられます。

撮った直後にこの作業をしておくと、あとが楽です。行事の夜、まだ場面の記憶がはっきりしているうちに、どの2秒を見せたいかを決めておく。数週間たってから何十本ものスロー動画を前にすると、どれが誰の番だったかを探すだけで時間が溶けます。区間を決めた動画には「お気に入り」を付けるなど、あとで拾える目印を残しておくと、書き出しの段階で迷いません。

場面ごとの区間の置き方

行事の場面ごとに、区間をどこからどこまでにするか、240fpsで撮った場合に何秒の映像になるかを並べます。動作の長さは目安の例で、秒数は1枚ずつ全部見せたときの計算上の長さです。

場面 遅くし始める位置 元に戻す位置 動作の長さ(例) 240fpsで伸ばすと(計算上)
運動会・かけっこのゴール テープの2〜3歩手前 テープを切って走り抜けたところ 1.5秒 約12秒
運動会・リレーのバトンパス 受け手が走り出す直前 バトンを握って前を向いたところ 2秒 約16秒
部活・跳躍(幅跳び・跳び箱) 踏み切りの一歩手前 着地して体が起きたところ 1秒 約8秒
部活・水泳の飛び込み スタートの合図の直後 頭から水に入ったところ 1秒 約8秒
部活・バレーのスパイク 助走の最後の一歩 ボールが手を離れたところ 1秒 約8秒
発表会・ダンスのジャンプ 沈み込んだところ 着地して次の振りに入る前 0.5秒 約4秒

運動会の徒競走は、ゴールの瞬間に目が行きがちですが、テープを切ったあとの表情まで遅くすると、見返したときに残るものが増えます。リレーは受け手と渡し手の両方が画面に入っていることが前提なので、区間を決める前に、2人とも写っているかを確かめます。片方が画面の外にいる間を遅くしても、見る人には何が起きているのか伝わりません。

部活の動画は、見る人が本人やコーチになることが多く、フォームを確かめる目的なら、区間を長めに取って動作の最初から最後まで遅くしたほうが役に立ちます。水泳や体育館の競技は、屋外より光が足りないので、240fpsではざらつきがちです。発表会の舞台も同じで、照明の明滅が高いfpsで縞のように写ることもあります。暗い場所で240fpsが粗くなる理由と、120fpsとの選び分けは、スローモーション240fpsの容量と設定の選び方で扱っています。

前後を切ってから、区間を決める

スローで撮った動画は、構えて待っている時間が長くなりがちです。自分の子の番が来るまで回し続けた20秒のうち、見せたいのは最後の2秒、ということもあります。前後の待ち時間は、区間を決める前に切っておきます。トリミングは同じ編集画面で行い、フレームビューアのどちらかの端をドラッグして開始と終了を詰め、「完了」をタップします。

「完了」のあとに出る選択肢が、あとで効いてきます。「ビデオを保存」は元の動画に編集を重ねる保存で、「ビデオを新規クリップとして保存」は元を残したまま別の1本を作る保存です。ガイドには、新規クリップとして保存したビデオはオリジナルに戻せない、と書かれています。区間をいろいろ試すうちは「ビデオを保存」で扱い、見せ方が決まってから新しいクリップを作る、という順番が安全です。

元に戻せる編集と、iCloudでの同期

写真アプリの編集は、保存したあとでも、動画を開いて「その他」ボタンから「オリジナルに戻す」をタップすれば取り消せます。Macの写真でも、スローモーションビデオを編集したあとは「オリジナルに戻す」で元に戻る、とガイドにあります。区間を動かしすぎて最初の位置が分からなくなっても、撮った動画そのものは失われません。

iCloud写真を使っている場合、iPhoneで動かした区間は、同じApple AccountでiCloud写真を使っているMacやiPadにも同期されます。iPhoneで区間を決め、Macで書き出す、という分担がそのまま成り立つのはこのためです。逆に、Macで区間を触ると、iPhoneの写真アプリで見たときの区間も変わります。家族で端末を分けて作業するときは、どの端末で最後に区間を決めたかを、ひとことメモしておくと混乱しません。

Macの写真アプリで区間を直して書き出す

Macがあるなら、いちばん素直な道です。iCloud写真を使っていれば、iPhoneで撮ったスローの動画は、Macの写真アプリにもそのまま並びます。使っていない場合は、iPhoneをUSBケーブルでMacにつなぎ、写真アプリの「読み込み」画面から取り込みます。iPhoneに「このコンピュータを信頼しますか?」と出たら「信頼」をタップし、読み込みたい動画を選んで「選択項目を読み込む」をクリックする、というのがAppleのサポート記事の手順です。

区間を確かめる、あるいは直す手順は、Macのガイドでは次のとおりです。iPhoneで区間を決めてあれば、ここで見て確かめるだけで済みます。

  1. 写真アプリでスローモーションビデオをダブルクリックして開き、ツールバーの「編集」をクリックする
  2. ツールバーの「調整」をクリックする
  3. フレームビューアの下にある縦棒をドラッグして、遅くするタイミングと再び速くするタイミングを変える

Macの画面なら、フレームビューアに並ぶ絵も大きく見えます。踏み切りの足が地面を離れる直前、バトンの先が相手の手のひらに触れる直前、といった位置に縦棒を合わせやすいのは、Macで作業する利点です。区間が決まったら書き出しに進みます。写真アプリのガイドには、書き出しの方法が2つ載っています。

「ビデオを書き出す」と「未編集のオリジナルを書き出す」

1つ目は「ファイル」>「書き出す」>「1本のビデオを書き出す」です。「ムービーの品質」で書き出す大きさを選べて、標準解像度(480p)、720p、1080p、4Kが並びます。ディスク用なら1080pを選んでおけば、DVDにもBlu-rayにも足ります。480pは、ディスクにするときにもう一度作り直すことを考えると、選ぶ理由がありません。ディスクの大きさへの変換は、一度で済ませるほうが輪郭がにじみにくくなります。

2つ目の「未編集のオリジナルを書き出す」は、写真ライブラリに読み込んだままの、オリジナルのファイルフォーマットで書き出す操作です。区間を動かした編集は、名前のとおり乗らないと考えるのが自然でしょう。スローの区間を生かしたいときに選ぶのは1つ目で、2つ目は、撮ったままの素材を保管したいときの書き出しです。

ただし、1つ目で書き出したファイルにスローの区間がどう乗るかも、ガイドには書かれていません。書き出したら、Finderでファイルを選んでスペースキーを押すか、QuickTime Playerで開き、写真アプリで見たとおりの位置でゆっくりになるかを見ます。長さとフレームレートまで見る確かめ方は、あとの節にまとめました。

書き出しのダイアログには、ファイル名の付け方(タイトル、ファイル名、連番)を選ぶ項目もあります。ディスクに入れる順番が決まっているなら、書き出したあとでファイル名の頭に「01_」「02_」と付けておきます。当社に入稿するときは、この番号がそのまま収録順の指定になります。書き出したファイルはデスクトップに散らばらないよう、行事の名前を付けたフォルダにまとめておくと、あとで確かめるときに取り違えません。

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iPhoneだけで仕上げるなら、iMovieで速度の範囲を決め直す

パソコンがMacでない家庭や、パソコンを使わずに済ませたい場合に頼れるのが、iPhone版のiMovieです。iMovieのよいところは、タイムラインで再生している状態を、そのまま1本のムービーとして書き出せることです。速度を下げた範囲はその分だけ長くなり、書き出した動画もその長さになります。写真アプリの「区間の設定」を、どの再生ソフトでも通じる「長さ」に置き換える道具、と考えると役割がはっきりします。

気をつけたいのは入口です。スローの動画をiMovieに入れたとき、写真アプリで決めた区間がそのまま使われるかどうかは、iMovieのガイドにも書かれていません。そこで、入れたらまず一度再生して、どこがどんな速さで流れるかを見ます。見たとおりなら、そのまま使う。違っていたら、iMovieの「速度」で範囲を決め直す。写真アプリの外でどう扱われるか分からない、という問題を、iMovieの中で片付けてしまう考え方です。範囲を決め直す手順は、ガイドでは次のとおりです。

  1. iMovieでムービープロジェクトを開き、タイムラインでスローの動画のクリップをタップして、画面下部にインスペクタを出す
  2. 「速度」ボタンをタップする。クリップの下部に、両端に範囲ハンドルが付いた黄色のバーが出る
  3. 黄色の範囲ハンドルのどちらかをドラッグして、遅くしたい範囲を決める
  4. インスペクタのスライダを左にドラッグして速度を下げる。ドラッグ中は、クリップの下に「1/2 x」のような相対速度が出る
  5. インスペクタの外側をタップして終える

スライダの倍率は、そのクリップの標準の速さを1とした相対の値です。スローの動画がどういう状態で読み込まれたかによって、同じ「1/2 x」でも見え方が変わりうるので、数字だけで決めずに再生して目で決めます。目安は、前の節で計算した上限です。本物のコマで足りるのは、240fpsで撮った素材なら撮ったときの8分の1、120fpsなら4分の1の速さまで。動きが小刻みに止まって見え始めたら、遅くしすぎのサインです。

遅くしたい場面が2つある、止めて見せたい一瞬がある

iMovieは、1つのクリップを複数の範囲に分けて、範囲ごとに別の速度を付けられます。リレーの動画で、バトンパスの2秒とアンカーがゴールする1秒を両方遅くする、という使い方ができます。範囲を足すには、クリップ内の選択されていない部分をタップするか、インスペクタの「追加」をタップして、再生ヘッドの位置に境界を作ります。作った範囲の境目は、クリップ下部の白い縦の線が目印です。全体を元の速さに戻したいときは「リセット」です。

もっと遅く見せたい瞬間、たとえば跳び箱の上で体がいちばん高くなった一瞬は、「フリーズ」で止めて見せます。再生ヘッドを止めたいコマに合わせ、「速度」ボタンを押してからインスペクタの「フリーズ」をタップすると、そのコマが静止した範囲ができ、黄色の範囲ハンドルで止める長さを決められます。ガイドの注記どおり、フリーズの部分には音が入りません。撮ったコマの数を超えて引き伸ばすより、止めて見せたほうが、ディスクの上でもくっきりした絵になります。

書き出しの「オプション」で選ぶもの

仕上がったら、プロジェクトブラウザでプロジェクトをタップし、画面下部の「共有」ボタンから「ビデオを共有」をタップします。「オプション」では、出力の解像度、フレームレート、HDRのオンとオフを選べます。解像度は1080p、フレームレートは30を選べるならそれにしておくと、1秒約30コマのディスクと素直に合う組み合わせです。1080pか4Kの60fpsの素材がプロジェクトの半分を超えると、60fpsで保存する選択肢も出ますが、ディスク用なら30で足ります。

HDRは、ムービーにHDRのビデオが含まれていると初期設定でオンになります。ガイドは、ほとんどのデバイスとの互換性を確保するにはオフにするよう書いています。DVDにも通常のBlu-rayにも、規格上(一般に)HDRはありません。HDRで撮れる上限は機種によって最高60fpsか120fpsとされていて、240fpsのスローはその外ですが、同じプロジェクトにHDRで撮った通常の動画が混ざればオンになります。ここでオフにしておけば、あとで色が変わる心配が一つ減ります。保存は「“ファイル”に保存」か「ビデオを保存」で、写真ライブラリに戻したいなら後者です。

メールとメッセージで送ると、360pになる

iMovieの「ビデオを共有」には、「メール」や「メッセージ」で送る選択肢も並びます。ガイドには、この2つで共有するときは、元のコンテンツに関係なく30fpsの360pビデオが作成される、と書かれています。360pは、DVDの縦480画素にも届かない大きさです。スローは細部を見るための映像なので、ここで縮めてしまうと取り返せません。ディスク用のファイルは「“ファイル”に保存」か「ビデオを保存」で作り、人に送るのはそのファイルのほうです。iMovieで作った動画をディスクにするまでの流れは、iMovieの動画をDVDにする手順にもまとめています。

Mac版iMovieは、高フレームレートのクリップを自動でゆっくりにする

MacのiMovieには、知らずに使うと戸惑う初期設定があります。ガイドによれば、高フレームレートのクリップをタイムラインに追加すると、再生速度が自動的に下げられ、ムービー内のほかのクリップと同じ速度で再生するように調整されます。高フレームレートの素材を通常の再生速度に下げると、スローモーションのように再生される、という説明です。

ここで言う「ほかのクリップと同じ速度」は、ムービーのフレームレートのことです。ムービーのフレームレートは、ムービーに追加する最初のクリップで決まる、とガイドにあります。30fpsで撮った通常の動画を先に置き、そのあとに240fpsのスローを置くと、スローの素材は30fpsのムービーに合わせて遅くなる、という関係です。クリップの長さが3秒を超えるときは、スローモーションを強調するように、先頭と末尾の速度が調整されるという注記もあります。

ですから、写真アプリで2秒だけ遅くしていた動画が、MacのiMovieでは全体がゆっくりになったり、遅くなる位置が変わったりすることがありえます。写真アプリで決めた区間がこのとき使われるのかどうかは、ガイドには書かれていません。どちらにしても、置いたら再生して確かめ、違っていれば自分で範囲を決め直す、という進め方はiPhone版と同じです。範囲の決め方は次のとおりです。

  1. タイムラインで、Rキーを押したままクリップ上をドラッグして範囲を選ぶ
  2. 「速度」ボタンをクリックして、速度コントロールを出す
  3. 「速度」ポップアップメニューで「遅く」を選ぶ。初期値は50%で、ほかの速度ボタンも選べる。数値で決めるなら「カスタム」
  4. 速度が変わる境目を滑らかにしたいときは、「スムーズ」を選ぶ

自動の調整に頼らず、最初から自分で決めたいときは、「iMovie」>「設定」の「スローモーションを自動的に適用」をオフにします。オフにしたあとで特定のクリップだけ自動で合わせたくなったら、そのクリップを選び、「速度」ポップアップメニューの「遅く」を選んで「自動」ボタンをクリックすれば、ムービーのフレームレートに合わせて遅くなります。ムービーの最初に何を置くかでフレームレートが決まるので、30fpsの通常の動画をいちばん前に置く、という並べ方も覚えておくと安全です。

音の扱いは、iPhone版と初期設定が違います。Mac版はクリップの速度を下げると音のピッチが下がり、元の高さを保つにはビューアの上の「ピッチを保持」を選びます。iPhone版は初期設定でピッチが保持され、速度に合わせて変えたいときはプロジェクト設定の「ピッチを速度にあわせる」をオンにします。書き出しは「ファイル」>「共有」>「ファイル」で、「解像度」「品質」「圧縮」を選んで「次へ」をクリックし、名前と保存先を決めて「保存」です。書き出しが終わるとQuickTime Playerでムービーが開くので、そのまま確かめに入れます。

共有と書き出しの経路で、届くものが変わる

スローの動画をiPhoneから出す道は、ひとつではありません。AirDrop、メッセージ、メール、外付けのストレージ、ケーブルでのパソコンへの取り込み、iCloud写真、共有アルバム。Appleの資料には、経路ごとに「何が届くか」の説明があります。ただ、スローの区間がどう届くかまで書いてある経路は、ほとんどありません。次の表では、資料で確かめられることと、スローについて見ておくことを分けて並べます。

経路 操作(iOS 27の表記) Appleの説明で届くもの スローについて見ること
AirDrop(すべての写真データ) 共有ボタン→「オプション」→「すべての写真データ」をオン→「AirDrop」 元のファイルと編集履歴・メタデータ。受信者は最新のバージョンを表示・修正できる 受け手の写真アプリで、区間が送った側と同じか
AirDrop(オプションが「自動」) 共有ボタン→「AirDrop」 送信先に最適なフォーマット。受け手が対応していなければH.264などで届く可能性 受け手の環境で再生して確かめる
メッセージ・メール 共有ボタン→「メッセージ」「メール」(大きいものはMail Drop) JPEGやH.264などで自動的に共有される可能性。Mail Dropは受信者が30日以内にダウンロード 受け手の環境で再生して確かめる
外付けストレージ 共有ボタン→「未編集のオリジナルを書き出す」→「場所」→「保存」 編集済みでも、未編集のオリジナル 区間を動かした編集は乗らない
USBケーブルでパソコンへ Macは写真アプリの「読み込み」、WindowsはAppleデバイスアプリを入れてつなぐ JPEGやH.264に変換される場合がある(「元のフォーマットのまま」で防ぐ) 取り込んだ先で再生して確かめる
iCloud写真 同じApple AccountのMacやiPadの写真アプリ オリジナルのフォーマット・解像度・フレームレートを維持。編集も同期 Macの写真アプリで区間を確かめられる
iCloud共有アルバム 共有ボタン→「共有アルバムに追加」 iOS 27以降で作ったアルバムはフル解像度。iOS 26以前で作ったアルバムはビデオ最大720p・最長15分 受け手の環境で再生して確かめる
iMovieで保存 「共有」→「ビデオを共有」→「“ファイル”に保存」か「ビデオを保存」 選んだ解像度・フレームレートのムービー(メール・メッセージは360p・30fps) 伸ばした長さで書き出される。念のため再生する

表を縦に眺めると、Appleの説明で「届くもの」がはっきりしているのは、AirDropの「すべての写真データ」、外付けストレージへの書き出し、iCloud写真、iMovieの保存くらいです。ほかの経路は「変換される可能性がある」という書き方で、スローがどうなるかは受け手の側で再生してみるまで分かりません。経路ごとの違いを図にすると、次のようになります。

AirDropのすべての写真データ、外付けストレージ、iCloud写真、共有アルバム、メール・メッセージ、USBでパソコンへ、iMovieで保存の7つの経路について、Appleの説明で届くものと、スローについて見ることを2列で並べた表
届くものがはっきりしている経路でも、スローは受け取った側で再生して確かめる

AirDropの「すべての写真データ」

AirDropで送るとき、共有ボタンの画面上部にある「オプション」を開くと、ファイルフォーマットを「自動」「現在」「互換性優先」から選べ、その下に「すべての写真データ」があります。「自動」は送信先に最適なフォーマットを選び、「現在」は変換しない、「互換性優先」はJPEGかMOVに変換される可能性がある、というのがガイドの説明です。「すべての写真データ」をオンにすると、元のファイルと編集履歴、メタデータが送られ、受信者は最新のバージョンを表示して修正できます。

家族の間で、撮った人のiPhoneから別の人のiPhoneやMacへ移して区間を決め直す、といった受け渡しなら、この方法がいちばん情報を落としません。受け取った側の写真アプリで、区間が送った側と同じ位置になっているかを見てもらえば、渡ったかどうかがその場で分かります。ただし使えるのはAirDropだけで、受け手がWindowsのパソコンやAndroidのスマートフォンなら、この選択肢は取れません。オプションの使い分けはiPhoneの共有オプションの違いで詳しく扱っています。

共有アルバムは、作ったときのiOSで画質が違う

祖父母や親戚が、共有アルバムから保存したスローの動画を集めてディスクにしたい、という場面もあるでしょう。ここで確かめたいのは、アルバムを作ったときのiOSです。iOS 27以降で作った共有アルバムはオリジナルの形式・フル解像度ですが、iOS 26以前に作ったアルバムでは、ビデオは最大720p・最長15分で配信されます。

720pは1280×720なので、DVDの720×480に縮める分には目立ちにくくても、1920×1080のBlu-rayでは細部が足りません。スローは、足元やバトンの先といった細部を見るための映像です。ディスクにするなら、共有アルバムから保存したものより、撮った人の端末から書き出したファイルをもらうほうが確実です。どちらのアルバムか分からないときの見分け方は、iCloud共有アルバムの動画画質にまとめました。

「未編集のオリジナルを書き出す」で落ちるもの

USBメモリやSSDをiPhoneにつなぎ、共有ボタンから「未編集のオリジナルを書き出す」を選ぶと、動画をストレージに直接書き出せます。ガイドの注記には、写真やビデオが編集済みの場合は未編集のオリジナルバージョンが書き出される、とあります。スローの区間を動かしていれば、その変更は乗りません。ロックされた「非表示」アルバムの項目が転送されない点も、ガイドに書かれています。

区間を動かしていない動画についても、書き出したファイルがどこかでゆっくりになるのかどうかは、資料からは分かりません。未編集のオリジナルは、撮ったままの素材を保管したり、編集ソフトで一から作り直したりするための書き出しと割り切るのが扱いやすいでしょう。名前の意味と使い分けは、未編集のオリジナルを書き出すとはで詳しく書いています。

パソコンに取り込んでから何とかする、という道の落とし穴

Windowsのパソコンしかない家庭では、まずiPhoneをケーブルでつないで動画を取り込み、そのあとで何とかしよう、と考えるのが自然です。取り込み自体は難しくありません。ただ、この道で手元に来るのは「撮ったままの素材」だと考えておいたほうが、あとで慌てずに済みます。決めた区間が取り込んだファイルに乗っているかどうかは、Appleの資料では確かめられないからです。

取り込みの前に見ておく設定が2つあります。1つ目は「設定」>「アプリ」>「写真」>「MacまたはPCに転送」で、「自動」だと互換性のある形式に変換されることがあり、「元のフォーマットのまま」にすると撮ったままの形式で転送されます。240fpsのスローは高効率(HEVC)でしか撮れない設定なので、「自動」のままではH.264に変換されて届く可能性がある、というのがサポート記事の説明です。変換されたときに240コマが保たれるかどうかも書かれていないので、ここは「元のフォーマットのまま」にして、変換の余地を消しておきます。

2つ目はiCloud写真です。「ストレージを最適化」がオンだと、iPhoneの中には省スペースのバージョンしか残っていないことがあります。サポート記事には、iCloud写真を有効にしている場合はWindowsに読み込む前にオリジナルのフル解像度をiPhoneにダウンロードしておく必要がある、とあります。iOS 27では「設定」>自分の名前>「iCloud」>「写真」>「iPhoneストレージ」>「オリジナルをダウンロード」です。全部の動画が戻るまで待ってから、ケーブルをつなぎます。

Windows側は、Microsoft Storeから「Appleデバイス」アプリを入れてからiPhoneをつなぎます。iPhoneに「このコンピュータを信頼しますか?」と出たら「信頼」をタップし、「フォト」アプリで読み込む、という手順です。Macは写真アプリの「読み込み」画面で、前の節に書いたとおりです。取り込んだら、ファイルを開いて最初にすることは、長さを見ることです。撮ったときの時間と同じ長さなら、区間は乗っていません。そのファイルに速度を付けるのは、次の節の編集ソフトの仕事になります。

ケーブルを使わず、iCloud.comの写真からダウンロードする道もあります。ブラウザでiCloud.comにサインインして「写真」を開き、動画を選んでダウンロードすると「最も適したフォーマット」で保存され、「その他」から「その他のダウンロードオプション」を開くと形式を選べます。iCloud写真をオンにしていれば、iPhoneの中に省スペースのバージョンしかなくても、iCloud側にはオリジナルがあります。どの形式で落としても、届いたファイルの長さを見るのは同じです。

Windowsで開けない、再生が重い

取り込んだファイルがWindowsで開けない、あるいは音だけ出て絵が止まる、という症状は、高効率(HEVC)の動画をWindowsが読めていないときに出ることがあります。Microsoft Storeの拡張機能を入れると再生できるようになります。拡張機能の種類や、開けないときの見分け方はMOVがWindowsで開けないときの原因と変換の判断にまとめました。

「互換性優先」に切り替えて撮り直せば済む、とはいきません。フォーマットの説明文に「4K/60 fps、1080p/240 fps、およびHDRビデオを使用するには“高効率”が必要です」とあり、互換性優先では240fpsが選べません。120fpsなら互換性優先でも撮れるので、Windowsだけで完結させたい家庭は、最初から120fpsで撮るという選び方もあります。伸びる倍率は約4倍に下がりますが、ファイルはH.264で届き、拡張機能なしで開けます。

サポート記事には、高効率の動画でも解像度が1080p以下でフレームレートが60fps以下なら古いデバイスにも幅広く対応できる、という一文があります。裏を返すと、240fpsや120fpsのスローはその範囲の外です。拡張機能を入れても古いパソコンでは再生が重い、ということが起きうるので、取り込んだ先で再生して確かめる、という手順はここでも省けません。再生が重いだけなら、編集ソフトで30fpsに書き出したあとは軽くなります。

他社の編集ソフトでは、タイムラインの長さを見る

CapCutや、パソコンの動画編集ソフトでスローの動画を仕上げる人も多いはずです。決めた区間がこれらのソフトでどう扱われるかは、確かめられていません。そこで、どのソフトでも同じ見方をします。動画を読み込んでタイムラインに置いたとき、クリップの長さが撮った時間と同じか、伸びているか。同じなら区間は乗っていないので、ソフトの側で速度を付けます。伸びていれば、再生して、遅くなる位置が写真アプリで決めたとおりかを見ます。

速度を変える機能は、名前こそ違え、たいていの編集ソフトにあります。クリップを選んで「速度」のような項目を開き、倍率を下げる、という操作です。倍率の目安は、前に計算した上限のとおりです。240fpsで撮った素材なら8分の1(0.125倍)、120fpsなら4分の1(0.25倍)までが、撮ったコマで足りる遅さです。ソフトによっては「補間」「フレーム補間」「スムーズ」のような、足りないコマを作る設定が付いていますが、本物のコマで足りる倍率なら使わなくて済みます。

読み込んだクリップに240fpsの情報が残っていれば、ソフトは1秒あたり240コマの素材として扱います。ここで書き出しのフレームレートを30fpsにしておけば、8分の1に遅くした区間は、240コマを30コマずつ8秒に並べた映像になる計算です。書き出しのプロジェクト設定やエクスポート画面で、フレームレートが30(または29.97)、解像度が1920×1080になっていることを見てから書き出します。CapCutでの書き出しの設定は、CapCutで編集した動画をディスクにする手順にあります。

気をつけたいのは、速度を変えた範囲の前後です。遅くした区間の直前と直後は、写真アプリと同じで、急にブレーキがかかったように見えます。ソフトに「曲線」や「イーズ」のような、徐々に遅くする機能があれば使う。無ければ、遅くし始める位置を動きの少し手前に置き、戻す位置を動きの終わりから一呼吸あとに置く。写真アプリで区間を決めるときと、考え方は同じです。

複数のソフトを渡り歩かないことも、失敗を減らします。写真アプリで区間を決め、iMovieで書き出し、さらにCapCutで飾り付けて、と工程を重ねるほど、どこでスローが落ちたのか分からなくなります。速度を決める工程は、1つのソフトの中で1回だけ。そのソフトから書き出したファイルを、次の節の方法で確かめて、それを渡す。この形にしておけば、うまくいかなかったときに戻る場所がはっきりします。

書き出したファイルがスローになっているかの確かめ方

ここまで何度も「確かめる」と書いてきました。見るものは3つで、ファイルの長さ、フレームレート、写真アプリ以外での再生です。この3つが揃えば、写真アプリの中でどう見えていたかに関係なく、ファイルそのものにスローが乗っています。当社が受け取るのもファイルだけなので、確かめる相手はファイルです。

長さを見る。撮った時間より伸びていなければ、乗っていない

いちばん確かなのは、長さです。撮った時間は、写真アプリで動画を開いたときの表示で分かります。書き出したファイルの長さが、それより区間の分だけ伸びていれば、スローが乗っています。同じ長さなら、乗っていません。区間が写真アプリで見えていても、ファイルの長さが撮った時間と同じなら、スローは長さとして入っていないので、再生するソフトや機器によっては撮ったときの速さで流れます。

伸びる分の計算をしておくと、数字で照らし合わせられます。撮った長さが12秒、そのうち2秒を240fpsのコマ全部で伸ばすと、2秒が計算上約16秒になり、ファイルは10+16で約26秒。120fpsの素材で2秒を4分の1にしたなら、2秒が8秒になって約18秒です。書き出したファイルが26秒や18秒に近ければ、狙いどおり。12秒のままなら、区間の設定はどこかで落ちています。1秒や2秒の端数は、書き出しの丸めや、前後のトリミングで動くので、大まかに合っていれば十分です。

区間の長さと倍率ごとに、伸びる秒数を並べておきます。書き出したファイルの長さは、撮った長さから区間の秒数を引き、この表の値を足したものに近くなるはずです。

スローにする区間 1/2倍(60fpsの素材) 1/4倍(120fpsの素材) 1/8倍(240fpsの素材)
0.5秒 1秒 2秒 4秒
1秒 2秒 4秒 8秒
2秒 4秒 8秒 16秒
3秒 6秒 12秒 24秒
5秒 10秒 20秒 40秒

5秒を8分の1にすると、40秒です。テレビの前で40秒のスローを見るのは、思いのほか長い時間です。長いと感じたら、区間を短くするか、倍率を下げるかのどちらかで調整します。区間を短くすれば見せたい瞬間だけが残り、倍率を下げれば動きは速めに見えても全体が残ります。見せたいのが一瞬なら区間を短く、フォームを確かめたいなら倍率を下げて全体を残す、という分け方が収まりがよいです。

長さの見方はいくつかあります。Macなら、Finderでファイルを選んで「ファイル」>「情報を見る」を開くと、「詳細情報」に継続時間が出ます。QuickTime Playerで開いた場合は、再生バーの右端が全体の長さです。Windowsは、エクスプローラーでファイルを右クリックして「プロパティ」>「詳細」タブに「長さ」があります。iPhoneの「ファイル」アプリに保存した場合は、そこで再生すれば再生バーに長さが出ます。項目名はバージョンで変わるので、「長さ」「継続時間」「再生時間」のいずれかを探してください。

フレームレートを見る

2つ目はフレームレートです。ディスク用に書き出したファイルは、iMovieや編集ソフトで30(または29.97)を選んでいれば、その値になっているはずです。240や120のまま、しかも長さが撮った時間のまま、という組み合わせなら、それは撮ったままの素材です。30fpsで長さが伸びていれば、スローは長さとして焼き込まれています。

MacではQuickTime Playerで動画を開き、「ウインドウ」>「ムービーインスペクタを表示」を選ぶと、圧縮フォーマットやサイズと一緒にフレームレート(fps)が表示されます。Windowsは「プロパティ」>「詳細」タブの「フレーム率」で、表示されないファイルもあります。iPhoneだけで確かめるなら、写真アプリで動画を上にスワイプして「情報」を開くと、撮影デバイスやファイルサイズなどが表示されます。そこにfpsも並んでいれば目安になります。表記はバージョンで変わるので、fpsやフレーム率という言葉を目印にしてください。

写真アプリ以外で、できれば別の端末で再生する

3つ目は再生です。iPhoneの写真アプリの中で再生してスローに見えても、それは写真アプリが区間の設定を読んで遅くしているだけかもしれません。確かめるのは、その外です。Macならファイルを選んでスペースキーを押すか、QuickTime Playerで開く。Windowsなら標準の再生ソフトで開く。iPhoneだけなら、「ファイル」アプリに保存したファイルを、「ファイル」アプリの中で再生します。写真ライブラリに戻す前に、ここで一度見ておくと、写真アプリの区間の設定と混ざりません。

できれば、書き出した端末とは別の端末でも再生します。家族のAndroidのスマートフォン、職場のWindows、どれでも構いません。別の端末で同じ位置がゆっくりになれば、ファイルにスローが乗っていることは、ほぼ確かです。受け取った側で見え方が変わることがある、というのがこの記事の前提なので、渡す相手に近い環境で再生しておくのが、いちばん確かな確認になります。

見る項目を確認表にしておきます。長さ、フレームレート、再生の3つに、遅くなる位置、前後の切れ目、解像度、HDR、ファイル名を足したものです。書き出すたびに上から順に見て、ひとつでも引っかかれば、書き出しからやり直します。

書き出したスローの動画を渡す前に見る9つの項目を、長さ、フレームレート、写真アプリ以外での再生、別の端末での再生、遅くなる位置、前後の切れ目、解像度、HDR、ファイル名の順に並べた確認表
書き出すたびに上から順に見て、ひとつでも引っかかれば書き出しからやり直す
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iPhoneの共有オプションの違い|自動・現在・互換性優先・すべての写真データの使い分け

書き出したファイルを、iPhoneの外に出す

iPhoneのiMovieで「“ファイル”に保存」を選んだファイルは、「ファイル」アプリの中にあります。ここから当社に送るまでの道は3つで、iPhoneから直接アップロードする、USBメモリやSSDに写す、AirDropでMacに送る。どれを通っても、送る前に「ファイル」アプリの中で一度再生して、長さを見ておくのは同じです。

いちばん手数が少ないのは、iPhoneから直接アップロードする道です。ギガファイル便のアプリやサイトで、「ファイル」アプリに保存した動画を選んでアップロードし、できた共有URLを注文フォームに貼ります。写真ライブラリに戻さずに「ファイル」から選ぶのが、写真アプリの区間の設定と混ざらない道です。「ビデオを保存」で写真ライブラリに戻したものを共有するなら、共有ボタンの「オプション」で「現在」を選ぶとファイルフォーマットが変換されない、というのがガイドの説明なので、そこを見ておきます。

USBメモリやSSDに写す道は、Windowsのパソコンに渡すときに使えます。iPhoneにストレージをつなぐと、「ファイル」アプリの「ブラウズ」の「場所」にそのストレージが出るので、書き出したファイルを長押しして「コピー」し、ストレージの中で「ペースト」します。ストレージの条件はガイドに書かれていて、データパーティションが1つで、APFS、APFS(暗号化)、macOS拡張、exFAT、FAT32、FATのいずれかで初期化されていること。外付けのハードディスクは多くの場合、外部電源が要ります。Windowsでも読むなら、exFATにしておくと両方で開けます。

転送の速さは機種で違います。USB-CがUSB 3(最大10Gb/s)なのはPro系とiPhone Duoで、iPhone 17・Air・17e・16・16eはUSB 2(最大480Mb/s)です。10Gb/sの速さを出すにはUSB 3対応のケーブルが要ります。スローを伸ばして書き出したファイルは、1本が数十秒から数分の1080p・30fpsの動画で、通常のビデオと同じ程度の大きさです。USB 2の計算上の上限は毎秒60MBなので、1本あたり数秒から数十秒で写せる計算で、実際にはこれより遅くなります。それでも、ケーブルをつないでいる間に終わる量です。

AirDropでMacに送る道は、「ファイル」アプリでファイルを選び、共有ボタンから「AirDrop」です。Macに届いたファイルは多くの場合「ダウンロード」フォルダに入るので、そこで再生して長さを見ます。AirDropは、送る側と受け取る側の両方でWi-FiとBluetoothがオンで、インターネット共有がオフになっている必要があります。同じApple AccountのiPhoneとMacなら、自動で受け入れられます。連絡先に入っていない人のMacに送るときは、Mac側で受信相手を「すべての人」にします。iOS 26.2・macOS 26.2以降どうしでは、Macに出るAirDropコードを送る側で入力します。

普通の速さで流れる、区間がずれる。症状から原因をたどる

確かめてみて引っかかったとき、どこで落ちたのかを症状から絞ります。スローの動画で起きる食い違いは、だいたい3つの型に分かれます。全部が普通の速さで流れる、全部がゆっくりになる、遅くなる位置がずれている。それぞれ原因の候補と、確かめ方、直し方を並べます。

全部が普通の速さで流れる

原因の候補がいちばん多い型で、3つあります。「未編集のオリジナルを書き出す」で出したファイルを使った。メッセージやメール、共有アルバム経由で届いたファイルを使った。写真アプリで区間を決めただけで、伸ばして書き出す工程を通っていない。どれも、ファイルの長さが撮った時間と同じになっているはずなので、まず長さを見れば当たりが付きます。

直し方は共通で、伸ばして書き出す工程をやり直すことです。Macの写真アプリの「1本のビデオを書き出す」か、iMovieの「速度」で範囲を決めてから「ビデオを共有」。撮った人の手元にある動画から書き出すのが早道です。届いたファイルを別のソフトで遅くする道も残っていますが、そのファイルに240コマが残っているかどうかで、遅くできる倍率が変わります。フレームレートが30になっていたら、そのファイルは1秒30コマしか持っていないので、遅くしても本物のコマでは伸びません。撮った人にもう一度出してもらうほうが確実です。

全部がゆっくりになる

MacのiMovieで起きやすい型です。高フレームレートのクリップをタイムラインに追加すると、ムービーのフレームレートに合わせて再生速度が自動的に下げられる、という初期設定のためです。2秒だけ遅くしたかったのに、20秒の動画のほとんどがゆっくり流れ、タイムラインのクリップが何倍にも伸びていた、という形で現れます。確かめ方は、タイムラインでクリップの長さを見ることです。直すには、そのクリップの速度調整をリセット(キーボードではOption+Shift+R)してから、Rキーで範囲を選んで遅くし直すか、設定の「スローモーションを自動的に適用」をオフにしてから置き直します。

縦棒が両端まで開いていて、動画全体がスローの区間になっている場合も、同じ見え方になります。撮ったあとに区間を触っていない動画は、初期の位置に縦棒があり、それが自分の見せたい位置とは限りません。書き出す前に、写真アプリで頭から再生して、遅くなる範囲が思ったとおりかを確かめます。

遅くなる位置がずれている

iPhoneで決めた位置とMacで書き出した位置が違う、という型は、端末の間の同期が原因のことがあります。iPhoneで区間を動かした直後にMacで書き出すと、同期が終わる前の古い位置で書き出されることがありえます。確かめ方は、iPhoneとMacの両方で同じ動画を開いて、縦棒の位置を見比べることです。違っていれば、少し待ってからMacの写真アプリを開き直します。iOS 27には、写真アプリの「コレクション」からiCloudアカウントのプロフィールを開いて「すぐに同期」を選ぶ機能もあります。表記はバージョンで変わるので、画面で確かめてください。

前後をトリミングしたあとに区間を見直していない、というずれもあります。先頭を5秒切ると、動画の頭からの時間はすべて5秒ずれます。トリミングと区間の設定を同じ編集画面で何度も動かしていると、どこで確定したのか分からなくなります。トリミングを先に済ませ、「ビデオを保存」で一度確定してから、区間を決める。順番を固定しておけば、ずれたときに戻る場所がはっきりします。

家族の別の端末で誰かが区間を動かした、というのも、iCloud写真では起こります。同じApple Accountで写真を共有していると、子どものiPadで触った編集がそのままMacに同期されます。最後に区間を決める人と端末を決めておき、その人の手で書き出すところまで通す、という取り決めが、いちばん単純な防ぎ方です。

カクつく、粗い、色や音が変わった

スローにはなっているけれど、見え方がおかしい、という型もあります。動きが小刻みに止まる、ざらつく、色が薄い、音が変。原因はそれぞれ別のところにあり、書き出しの設定で直るものと、撮る段階まで戻らないと直らないものがあります。

動きが小刻みに止まる

遅くしすぎたときの症状です。240fpsの素材を10倍や16倍に伸ばすと、1秒に本物のコマが24枚や15枚しかなく、30枚の枠に対して足りない分が同じ絵の繰り返しで埋められます。動きがコマ送りのように見えたら、まず倍率を確かめます。8分の1(240fps)、4分の1(120fps)まで戻せば、本物のコマで足ります。それより遅く見せたい一瞬は、フリーズで止めて見せる。前にも書いたとおりです。

もう一つ、iPhoneで見ていたときは滑らかだったのに、ディスクにするとカクつくように感じる、という話もあります。DVDは1秒約30コマ(29.97fps)の枠で進むので、iPhoneで60fpsの動画を見慣れた目には、スローに限らず物足りなく見えることがあります。テレビで見たときの印象は、テレビの側の映像処理の設定にも左右されます。

ざらつく、輪郭がにじむ

ざらつきは、撮る段階の光の量で決まります。240fpsは1コマの露光が短く、体育館や夕方では感度が上がってざらつきます。書き出しの設定では直りません。撮る前に120fpsを選ぶか、明るい側に被写体を置くか、という話で、詳しくは前に紹介した容量と設定の記事に譲ります。

輪郭のにじみは、解像度の落ち方で決まります。iMovieの「メール」や「メッセージ」で360pになっていた、iOS 26以前の共有アルバムから保存して720pだった、書き出しで480pを選んでいた。こうした経路を通ると、DVDの720×480に縮める前の段階で、すでに細部が失われています。書き出しは1080pで、ディスクの大きさへの変換は当社の側で一度だけ、という形にしておくと、縮める回数が1回で済み、にじみにくくなります。DVDにすると細部がどう変わるかは、DVDにすると画質が落ちる理由で説明しています。

色が薄い、白っぽい

HDRで撮った動画を、HDRに対応していない経路で書き出したときの症状です。240fpsのスローそのものは、HDRの上限の外です。ただ、同じプロジェクトにHDRで撮った通常のビデオが混ざると、iMovieの書き出しがHDRになります。DVDやBlu-rayに向けてSDRに直す段階で色が変わることがあるのは、このときです。iMovieのオプションでHDRをオフにして書き出す。それでも色が気になるなら、撮る段階で「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」>「HDRビデオ」をオフにするのが根本の対処です。オフにするかどうかの判断はiPhoneのHDRビデオをオフにすべきかにまとめました。

音が間延びする、途切れる

スローの区間では、音も一緒に伸びます。運動会の歓声やピストルの音が、低くゆっくり響く。それを味として残すか、消すかは好みの範囲ですが、書き出す前に一度は音を聞いておきます。MacのiMovieは、速度を下げると音のピッチも下がるのが初期設定で、元の高さを保つには「ピッチを保持」を選びます。iPhone版の初期設定は、ピッチを保つほうです。フリーズの範囲には音が入らないので、静止の前後で音が途切れて聞こえるなら、その区間の音量を下げるか、別の音を当てます。

別の音を当てるときは、権利の確かめが要る音源を使わないことです。市販の曲を当てた動画は、家族で見る分には問題にならなくても、配る段になると話が変わります。当社は、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画だけをお引き受けしています。音の入れ替えは、ディスクにする前の編集の段階の作業です。

スローと通常の速さを、1枚に並べる

スローの動画だけを集めたディスクより、通しの動画のあとにスローが続く形のほうが、見る人には分かりやすいものです。徒競走なら、スタートからゴールまでを通常の速さで見せて、そのあとにゴール前の2秒を8倍にした映像を続ける。何が起きたかを知ってから、ゆっくり見返す、という順番になります。

並べ方は2通りあります。1つは、通しの動画とスローの動画を別のファイルにして、ファイル名の頭に「01_」「02_」と番号を付けて収録順を指定する方法です。当社の入稿はこの番号で順番を決めるので、編集ソフトで1本につなぐ手間がかかりません。もう1つは、iMovieで1本のムービーにまとめる方法で、通しのクリップのあとにスローのクリップを置き、境目にタイトルや黒みを入れられます。速度を付ける作業と並べる作業を、同じプロジェクトの中で済ませられるのが利点です。

1本につなぐときは、ムービーのフレームレートに気をつけます。MacのiMovieは最初に置いたクリップでムービーのfpsが決まるので、30fpsの通しの動画を先頭に置きます。そのあとに240fpsのスローを置けば、自動の調整で遅くなるか、自分で範囲を決めるかのどちらかです。いずれにしても、書き出したら通しの部分は普通の速さで、スローの部分だけがゆっくりになっているか、頭から見て確かめます。

何本もの競技を1枚に入れるなら、競技ごとに頭出しできると、祖父母が自分の孫の場面へすぐに行けます。当社ではチャプター分け(1枚あたり)+1,500円(税抜)のオプションで、最大50チャプターまで付けられます。ファイルを分けて入稿している場合、どこで区切りたいかは注文フォームの備考欄に書いておきます。

同じ動作を、通常の速さとスローで2回見せる

テレビのスポーツ中継のリプレイと同じ形で、ゴールの瞬間を通常の速さで見せたあと、同じ瞬間をもう一度スローで見せる、という並べ方もできます。iMovieなら、同じ動画をタイムラインに2回置き、2つ目のクリップだけに「速度」で遅くする範囲を付けます。1つ目は動作の前後を含めて通常の速さのまま、2つ目は動作の直前から直後までに詰めて、その全体を8分の1にする。見る人は一度目で何が起きたかを知り、二度目でゆっくり確かめます。

スローで撮った動画を通常の速さで見せる部分は、240コマのうち8コマに1コマだけを使う映像になります。動きはなめらかで、通常のビデオと見分けがつきません。iPhone版なら1つ目のクリップの速度が「1x」になっているか、Mac版なら自動の調整で遅くなっていないかを見ておきます。2回見せる分だけ長さが増えるので、リプレイの形にするのは、本当に見せたい場面だけに絞ります。徒競走なら、ゴールの一瞬だけで十分です。

フリーズで止めて見せる長さ

フリーズ(静止)は、8分の1より遅く見せたい一瞬の代わりになります。跳び箱の上で体が伸びきった一瞬、バトンが2人の手の間にある一瞬、ボールが指先を離れた一瞬。止める長さは、1秒から2秒が目安です。3秒を超えると、見る側は「止まった」と感じ、再生が止まったのかと手元のリモコンに目が行きます。静止のあとは、スローの続きに戻すか、通常の速さに戻すかのどちらかで、静止で終わらせるより流れがつながります。

止めるコマの選び方は、フレームビューアで前後のコマを1枚ずつ見比べて、体がいちばん高い、手がいちばん近い、というコマを探します。240fpsの素材なら1秒に240枚の候補があるので、写真のシャッターチャンスのようなコマが見つけやすくなります。ここでも、フリーズの範囲には音が入らない点を忘れずに、静止の前後で音が途切れて聞こえないかを、書き出す前に聞いておきます。

DVDにするか、Blu-rayにするか

スローは、バトンの先や足の裏といった細部を見る映像です。細部が残るのは1920×1080で作るBlu-rayで、720×480に縮めるDVDでは、伸ばした時間の分だけ「ぼんやりした絵をゆっくり見る」時間が長くなります。渡す相手の再生機がBlu-rayに対応しているなら、スローの入ったディスクはBlu-rayのほうが向いています。祖父母の家のプレーヤーがDVDしか読めないなら、DVDで作るしかなく、その場合は区間を短めに、伸ばす倍率も控えめにしたほうが、見ていて間延びしません。

両方作るときは、料金の数え方が変わります。当社ではDVDとBlu-rayの組み合わせは、内容が同じでもそれぞれ1枚目から数えます。基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円と基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円が、それぞれの1枚目にかかります。同じ内容の2枚目からは、追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。伸ばした分の長さは、ディスクの収録時間としても数えます。3秒の動作を24秒にした場面が20本あれば、それだけで8分。DVDの1層に画質を保って入るのは60〜90分、標準的な設定で120分前後が目安なので、通しの動画が1時間程度なら、合わせても1層の1枚に収まります。

再生機のスロー再生ボタンは、代わりにならない

DVDやBlu-rayのプレーヤーには、スロー再生やコマ送りのボタンが付いているものがあります。それがあるなら、動画は普通の速さで入れておいて、見る人がボタンで遅くすればよいのでは、という考え方も成り立ちます。ただ、再生機のスロー再生は、ディスクに入っている1秒約30コマを、同じ絵を繰り返して引き伸ばす動きです。240fpsで撮ったコマは、普通の速さで入れた時点で8コマに1コマしか残っていないので、再生機で遅くしても、残った30コマをゆっくりめくるだけになります。

もう一つ、ボタンを押すのは見る人です。祖父母が自分でスロー再生のボタンを探して、バトンパスの手前で押す、というのは、現実には起きにくいことです。ディスクの中に伸ばした映像として入っていれば、再生ボタンを押すだけで、誰が見ても同じ場面がゆっくり流れます。再生機の機能は、フォームを確かめたい本人やコーチが、コマ送りで細かく見るときの補助と考えておくと、役割が分かれます。

係として、何人もの保護者からスローの動画を集めるとき

少年団や学年の係が、保護者それぞれのiPhoneで撮ったスローの動画を集めて、1枚のディスクにする場面があります。ここで起きるのは、撮った人ごとに区間の決め方も書き出し方も違い、届いたファイルが揃わない、という問題です。集める前に、送ってもらう形を決めておくと、あとの作業が軽くなります。

お願いするのは3つです。区間を決めて、伸ばして書き出したファイルを送ってほしい。解像度は1080pで、フレームレートは30。ファイル名に、番号と子どもが分かる印を付けてほしい。書き出し方が分からない人には、この記事のiMovieの節を渡すか、AirDropの「すべての写真データ」で係のiPhoneかMacに送ってもらい、係の側で書き出す、という分担もできます。編集履歴ごと届くので、係がMacの写真アプリで区間を確かめてから書き出せます。

届いたファイルは、1本ずつ長さを見ます。撮った時間と同じ長さのファイルは、区間が乗っていません。送ってきた人に、写真アプリで見えているスローが書き出したファイルには乗っていないことを伝えて、出し直してもらいます。メッセージアプリで送られてきたファイルは、経路で変換されている可能性があるので、できればファイルのままもらいます。集めたファイルは、送ってきた人ごとにまとめず、ディスクに入れる順番で「01_」「02_」と番号を振り直します。

名前の付け方は、係が決めて先に伝えます。たとえば「03_kakekko_2nen_tsuushi.mp4」「04_kakekko_2nen_slow.mp4」のような形です。収録順の番号、競技、学年やクラス、通しかスローかを下線でつないでおくと、集めたあとに並べ替えるだけで収録順が決まります。子どもの名前をファイル名に入れるかどうかは、配る範囲で決めます。クラス全員に配るディスクなら、名前より競技と学年で十分です。当社に入稿するとき、ファイル名の頭の番号がそのまま収録順の指定になります。

集める側の時間も見込んでおきます。届いたファイルを1本ずつ再生して長さを見るのに、1本あたり1〜2分。20本なら30分ほどです。区間が乗っていないファイルは出し直しをお願いすることになり、その往復に1〜2日かかります。配る日から逆に数えると、保護者に送ってもらう締め切りは、入稿の予定日より3日ほど前に置くと、出し直しの往復が1回入っても間に合います。締め切りを守ってもらうより、締め切りに余白を持たせるほうが、係の負担は軽くなります。

人が写る動画を配るときは、写っている子どもの保護者の了解と、学校や主催者の方針を先に確かめます。スローは通常の動画より、一人の子が大きく長く映る映像です。他の子が主役になっている場面を、その子の家の了解なしに配るのは避けたほうがよく、迷う点は主催者に確かめてください。当社は、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画だけをお引き受けしています。

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撮る前に決めておくこと

ここまでの手順を一度通ると、撮る前に決めておけば楽になることが見えてきます。仕上げる道具、撮る長さ、区間を決めるタイミング、通しの動画との解像度の揃え方の4つです。

仕上げる道具は、家の機器で決まります。Macがあるなら写真アプリ、無ければiPhoneのiMovie、Windowsに取り込んで編集ソフトを使うならそのソフト。どれで書き出すかを決めておくと、撮ったあとに「どのアプリに入れればいいのか」で止まりません。家族で分担するなら、撮る人と書き出す人が別でも構いませんが、区間を決める人と書き出す人は同じにしておくと、ずれの原因が一つ減ります。

撮る長さは、短いほど楽です。スローは待ち構えて、動きの少し前から撮り始めて、動きが終わったら止める。10秒以内に収まっていれば、区間を決めるときにフレームビューアの絵が大きく見え、縦棒を合わせやすくなります。1本が1分を超えると、見せたい2秒を探すところから始まり、書き出しの前後を切る手間も増えます。

区間は、撮ったその日に決めます。行事の夜、誰の番だったかを覚えているうちに、縦棒を合わせて編集を保存し、「お気に入り」を付ける。翌日以降の書き出しは、お気に入りを開いて順に出すだけになります。通しの動画と一緒に1枚にするなら、通しの解像度も1080pに揃えておくと、iMovieで並べたときに絵の大きさが変わりません。4Kで撮った通しの動画があっても、ディスクでは1920×1080か720×480に作り直すので、揃える先は1080pで足ります。

向きは横です。縦に持って撮ったスローは、テレビの横長の画面に入れると左右に黒い帯が出て、被写体が小さくなります。スローは細部を見る映像なので、縦撮りの小ささは通常の動画より効いてきます。かけっこも跳躍も、動きは横か上下に進むものです。横向きで構えて、被写体が画面を横切る間を追いかけると、区間を決めるときの絵も大きくなります。

行事の夜から入稿までの段取り

撮った日の夜から入稿までを、日で区切って並べます。急がなければ4日で終わり、急ぐなら2日に詰められます。要る日数の大半は、書き出しと確かめの時間より、家族の誰かの手が空くのを待つ時間なので、誰がどの日に何をするかを先に決めておくのがいちばんの近道です。

区間を決める動画を探すときは、写真アプリの「コレクション」>「メディアタイプ」にある「スローモーション」の項目を開くと、スローで撮った動画だけが並びます。通常のビデオと混ざった一覧から探すより早く、撮り忘れにもその場で気づけます。項目の名前と場所はバージョンで変わります。

当日の夜は、区間を決めて確定し、お気に入りを付けます。ここは撮った人の仕事です。翌日、書き出す人がMacの写真アプリかiMovieで1本ずつ書き出し、行事の名前を付けたフォルダに集めます。2日目の夜に、長さ・フレームレート・別の端末での再生を確かめ、ファイル名の頭に「01_」「02_」と収録順の番号を付けます。ここまでで、ファイルは渡せる状態です。

3日目に送ります。ギガファイル便を使うなら、アップロードの前に保持期限を選びます。期限は3・5・7・14・30・60・100日の7種類で、初期値は5日。アップロードしたあとに期限を変えたり延ばしたりはできないので、当社が受け取って作業する日数を見込んで、長めの期限を先に選んでおきます。1ファイル300GBまで、個数に上限は無いので、スローの動画が何本あっても1回で送れます。スマホからの送り方はスマホでギガファイル便に動画を送る手順に画面の順で書きました。

共有URLは、注文フォームに貼ります。スローの動画であること、区間を伸ばして書き出してあること、収録順はファイル名の番号のとおりであること。伝えたいことは注文フォームの備考欄に書きます。何を書けば伝わるかは、iPhone動画のディスク化で業者に伝えることにまとめています。当社の通常便は受付から5営業日で発送、お届けは発送から2〜3日です。15時以降のご注文は翌営業日の受付になり、土日祝の注文・入稿は翌営業日からの作業です。行事の記念に配る日が決まっているなら、この日数を逆に数えて、送る日を決めます。

日数が足りないときは、お急ぎお届け(内容1種類につき)+1,500円で、平日15時までの注文・入稿なら翌々日までに発送になります。ただ、スローの動画で急ぐと、いちばん省きやすいのが「確かめる」の工程です。普通の速さのままのファイルを送ってしまうより、送る日を1日遅らせるほうが、結果として早く仕上がります。当日の夜から入稿までの流れを図にしておきます。

行事の当日の夜に区間を決め、翌日に書き出し、2日目の夜に長さとフレームレートと再生を確かめて番号を付け、3日目に期限を選んで送り、注文フォームに貼るまでを時間の順に並べた図
急ぐなら翌日と2日目を同じ日に詰める。確かめる工程だけは省かない

自分で仕上げるところと、当社に頼むところ

ここまでの工程で、撮った本人にしかできないことがはっきりします。写真アプリの中にある区間の設定を、ファイルの長さに変えることです。区間の設定は撮った人の写真ライブラリにあり、書き出したファイルにどう乗るかは受け取った側では分かりません。だから、伸ばして書き出す工程と、確かめる工程は、撮った人の側で済ませてから渡すのがいちばん確かです。

当社が引き受けるのは、そのファイルを受け取ってからです。プレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめ、ケースに入れて発送、または店舗でお渡し。ディスクの映像は、受け取ったファイルの中身で決まります。写真アプリの中でスローに見えていても、それがファイルの長さになっていなければ、ディスクの上でもスローになるとは限りません。

自分で全部やる道もあります。パソコンにDVDドライブと書き込みソフトがあれば、書き出したファイルからDVD-Videoを作れます。MP4をそのままデータとして焼いたディスクはプレーヤーで再生できないので、DVD-Video形式で書き込むこと。書き込みのあとにディスクを閉じる処理(ファイナライズ)を忘れないこと。この2点が、自分で焼くときに引っかかりやすいところです。

手間で比べると、区間を決めて書き出して確かめるまでは同じで、そのあとのオーサリングと書き込みと再生確認が乗るかどうかの違いです。1枚だけなら自分で。祖父母の家や親戚に何枚も配るなら、同じ内容の2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円で頼めるので、枚数で決めると迷いません。

頼むときに迷いやすいのは、「区間は写真アプリで決めてあるが、書き出していない」状態で送ってよいか、です。この記事の答えは、書き出してから、です。区間の設定が写真アプリの外でどう扱われるかはAppleの資料でも確かめられず、当社に届くのはファイルだけです。書き出して確かめたファイルを送る。遠回りに見えて、それがいちばんの近道になります。

ディスクにしたあとも、元の動画は残しておく

書き出したファイルは、写真アプリの区間の設定を「長さ」に固定した、一つの形です。元の動画とは別物です。240コマ全部を持っているのは撮ったままの動画のほうで、あとで区間を変えたくなったとき、別の場面を遅くしたくなったとき、Blu-rayで作り直したくなったときに要るのは、こちらです。ディスクができたからといって、元の動画を消してしまうと、戻る場所がなくなります。

残すのは2つです。撮ったままの動画と、書き出したファイル。撮ったままの動画は、iCloud写真をオンにしていればオリジナルの形式のままiCloudに保管されます。iPhoneの中だけにあるなら、USBメモリやSSDをつないで「未編集のオリジナルを書き出す」で外に出しておくか、Macの写真アプリの「未編集のオリジナルを書き出す」でMacの中に置きます。どちらも、区間を動かした編集は乗らない書き出しですが、コマは全部残ります。

書き出したファイルは、撮ったままの動画と同じ場所に、フォルダを分けて置きます。行事の名前と日付のフォルダを作り、その中に「original」と「export」の2つを切る。区間をどこにしたか、誰の場面かをメモに残しておくと、半年後に見返しても迷いません。写真アプリの区間の設定はメモには残らないので、「バトンパスの直前から、握って前を向くまで」のように言葉で書いておきます。フォルダの形を図にしておきます。

行事の名前と日付を付けたフォルダの中に、撮ったままの動画を入れるoriginalフォルダ、区間を伸ばして書き出したファイルを入れるexportフォルダ、区間の位置を言葉で書いたメモの3つを置いた階層の図
撮ったままの動画と書き出したファイルは別物。両方を同じ場所に分けて置く

ディスクは、配るための形です。DVDなら720×480に縮まり、コマは1秒約30枚になります。元の動画の代わりにはなりません。祖父母に渡したDVDが1枚あるから安心、と思って元の動画を消してしまうと、次に作り直すときにDVDから取り出した粗い映像しか残らない、ということになります。元の動画とディスクは、役割が違うものとして両方持っておく。それが、スローの動画を長く持ついちばん簡単な方法です。

送る前の最後の確認と、入稿

最後に、送る直前の確認を3つに絞ります。書き出したファイルの長さが、撮った時間より区間の分だけ伸びているか。写真アプリ以外の再生ソフトで、決めた位置がゆっくりになるか。ファイル名の頭に収録順の番号が付いているか。この3つが揃っていれば、写真アプリの中でどう見えていたかに関係なく、スローはファイルの中に入っています。

入稿は、動画の共有URLをDVDの注文ページかBlu-rayの注文ページの注文フォームに貼るだけで、スマホからでもできます。スローの動画であることと、区間を伸ばして書き出してあることは、注文フォームの備考欄に書いておいてください。MacのiMovieで全体が遅くなってしまったファイルをどうするか、といった注文前の確認は、相談・問い合わせフォームからどうぞ。

備考欄に書くことは、3行で足ります。スローモーションで撮った動画が入っていること。区間は伸ばして書き出してあり、速度はファイルのままでよいこと。収録順はファイル名の番号のとおりであること。長い説明は要りません。ファイルが確かめてあれば、伝えることはこれだけです。

スローの動画は、撮り直しがききません。運動会のバトンパスも、発表会のジャンプも、その日その一瞬だけです。写真アプリの中でゆっくり見えていた2秒を、ディスクの上でも同じようにゆっくり見せるために要るのは、伸ばして書き出す一手と、写真アプリの外で確かめる一手。この2つを通したファイルなら、祖父母の家のテレビでも、手と手が重なる瞬間はゆっくり流れます。

よくある質問

Q. iPhoneのスローモーション動画をパソコンに取り込むとスローは消えますか

A. 写真アプリで決めた区間が、取り込んだファイルにどう乗るかは、Appleの資料では確かめられませんでした。消えると決めつけず、取り込んだファイルの長さを撮った時間と比べてください。同じ長さなら区間は乗っていないので、iMovieや編集ソフトで速度を付けて書き出します。伸びていれば、再生して遅くなる位置を見ます。

Q. スローモーション動画をDVDにすると普通の速さになりますか

A. ディスクの映像は、受け取ったファイルの中身で決まります。区間を伸ばして書き出したファイルなら、伸びた長さの映像がそのままディスクの内容です。撮ったままの240fpsのファイルは、スローの区間がどう扱われるかをAppleの資料で確かめられず、通常の速さで流れることがあります。送る前に、写真アプリ以外の再生ソフトでファイルを開き、決めた位置がゆっくりになるかを確かめてください。

Q. 写真アプリで決めたスロー区間は書き出したファイルに残りますか

A. Macの写真アプリの「1本のビデオを書き出す」や、iMovieの「ビデオを共有」で作ったファイルにどう乗るかは、ガイドに書かれていません。「未編集のオリジナルを書き出す」は、名前のとおり編集が乗らない書き出しです。残っているかどうかは、書き出したファイルの長さが撮った時間より伸びているか、写真アプリ以外で再生してゆっくりになるかで確かめます。

Q. iPhoneだけでスローの範囲を決めて書き出せますか

A. iPhone版のiMovieでできます。ムービープロジェクトにスローの動画を入れ、クリップをタップして「速度」を開き、黄色の範囲ハンドルで遅くする範囲を決め、スライダで速度を下げます。仕上がったら「共有」>「ビデオを共有」で、オプションを1080p・HDRオフ、フレームレートは選べれば30にして保存します。メールやメッセージで送ると360pになるので、ディスク用には使いません。

Q. MacのiMovieに入れたら動画全体がスローになりました

A. Mac版iMovieには、高フレームレートのクリップをタイムラインに追加すると、ムービーのフレームレートに合わせて再生速度を自動的に下げる初期設定があります。クリップの速度調整をリセットしてから、Rキーを押しながら範囲を選び、「速度」で「遅く」を選び直します。最初から自分で決めたいときは、iMovieの設定の「スローモーションを自動的に適用」をオフにします。

Q. 240fpsのスローはディスクで何倍の長さになりますか

A. 当社で作るDVDは29.97fpsで進むので、240fpsのコマを1枚ずつ全部見せると、240÷29.97で計算上約8倍です。120fpsなら約4倍、60fpsの通常ビデオでも約2倍まで伸ばせます。1秒の動作が8秒、3秒なら24秒の映像になります。それより遅くすると本物のコマが足りず、同じ絵の繰り返しで動きが小刻みに止まって見えます。

Q. 8倍より遅いスローにできますか

A. 編集ソフトの倍率としては選べますが、240fpsの素材を10倍にすると1秒あたり本物のコマは24枚、16倍なら15枚で、29.97fpsの枠に足りません。足りない分は同じ絵の繰り返しや、ソフトが作った絵で埋められ、動きが止まって見えたり輪郭がにじんだりします。もっと遅く見せたい一瞬は、iMovieのフリーズで1〜2秒止めて見せるほうがきれいに収まります。

Q. AirDropで送ったスロー動画は相手でもスローになりますか

A. 共有の「オプション」で「すべての写真データ」をオンにしてAirDropで送ると、元のファイルと編集履歴が送られ、受信者は最新のバージョンを表示・修正できる、というのがガイドの説明です。受け手の写真アプリで区間が同じ位置にあるかを見てもらえば、渡ったかどうかがその場で分かります。オプションが「自動」のときは変換される可能性があるので、受け手の環境で再生して確かめます。

Q. 共有アルバムから保存したスロー動画をディスクにできますか

A. できますが、画質の条件があります。iOS 26以前に作った共有アルバムでは、ビデオは最大720p・最長15分で配信されます。iOS 27以降で作ったアルバムはフル解像度です。720pはBlu-rayの1920×1080には足りないので、ディスクにするなら、撮った人の端末から書き出したファイルをもらうほうが確実です。スローが乗っているかは、届いたファイルの長さで見ます。

Q. スローの書き出しは1080pと4Kのどちらがよいですか

A. ディスク用なら1080pで足ります。当社はDVDを720×480、Blu-rayを1920×1080で作るので、4Kで書き出しても盤の上では1920×1080以下に作り直します。4K/120fpsで撮ったスローでも、書き出しは1080p・30fpsにしておくと、ファイルが軽く、iMovieや編集ソフトの処理も速く済みます。480pは選ぶ理由がありません。

Q. スローモーションの音はどうなりますか

A. 区間を伸ばして書き出すと、音もその区間だけ伸びます。MacのiMovieは速度を下げると音のピッチが下がるのが初期設定で、元の高さを保つには「ピッチを保持」を選びます。iPhone版は初期設定でピッチが保たれ、変えたいときはプロジェクト設定の「ピッチを速度にあわせる」をオンにします。フリーズの範囲には音が入りません。書き出す前に一度は音を聞いておきます。

Q. 通しの動画とスローを1枚のディスクに入れられますか

A. 入れられます。通しの動画とスローの動画を別のファイルにして、ファイル名の頭に「01_」「02_」と番号を付ければ、その順番で収録されます。iMovieで1本にまとめる場合は、30fpsの通しの動画を先頭に置いてムービーのフレームレートを決めてから、スローのクリップを続けます。競技ごとに頭出しするなら、チャプター分けのオプションがあります。

Q. Windowsで240fpsのスロー動画が開けません

A. 240fpsのスローは高効率(HEVC)でしか撮れない設定で、Windowsで再生するにはMicrosoft Storeの拡張機能が要ります。「互換性優先」にしても240fpsは選べず、120fpsならH.264で撮れます。開けるようになっても、ファイルの長さが撮った時間と同じなら区間は乗っていないので、編集ソフトで速度を付けて30fpsで書き出します。

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  • プレスリリース1

この記事の目次

  1. スローモーションは「普通に撮って、あとから遅く見せる」
  2. 240fpsは、29.97fpsのディスクで何倍の長さになるか
  3. どの機器で書き出すかを、先に決めておく
  4. 写真アプリでスロー区間を決める(iOS 27の場合)
  5. Macの写真アプリで区間を直して書き出す
  6. iPhoneだけで仕上げるなら、iMovieで速度の範囲を決め直す
  7. Mac版iMovieは、高フレームレートのクリップを自動でゆっくりにする
  8. 共有と書き出しの経路で、届くものが変わる
  9. パソコンに取り込んでから何とかする、という道の落とし穴
  10. 他社の編集ソフトでは、タイムラインの長さを見る
  11. 書き出したファイルがスローになっているかの確かめ方
  12. 書き出したファイルを、iPhoneの外に出す
  13. 普通の速さで流れる、区間がずれる。症状から原因をたどる
  14. カクつく、粗い、色や音が変わった
  15. スローと通常の速さを、1枚に並べる
  16. 係として、何人もの保護者からスローの動画を集めるとき
  17. 撮る前に決めておくこと
  18. 行事の夜から入稿までの段取り
  19. 自分で仕上げるところと、当社に頼むところ
  20. ディスクにしたあとも、元の動画は残しておく
  21. 送る前の最後の確認と、入稿
  22. よくある質問

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