この記事の要点
前日の夜に「設定」>「カメラ」を開き、行き先・フォーマット・解像度・fps・HDR・FPS自動調整・ロック・音・保持・容量の順に決めると後戻りがない
ディスクが行き先なら「高効率」のまま1080p/30fpsが基準。4Kは、ブルーレイ用に一部を切り出して拡大する予定があるときに選ぶ
HDRビデオは配る動画ならオフ、FPS自動調整はディスクにするならオフ。1080p/30fpsの1分は高効率+HDRで約65MB(設定画面の目安)
空き容量は撮る長さ×1分の目安で出す。90分を1本で撮ると、高効率+HDRで1080p/30fpsが約5.85GB、4K/30fpsが約17.1GB(計算値)
当日の朝は設定を変えずに2か所を見るだけ。撮った夜に元のフォーマットのまま取り込み、01_・02_と番号を付けて入稿する
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運動会の前の晩に、iPhoneの「設定」から「カメラ」を開く。「フォーマット」「ビデオ撮影」「設定を保持」と項目が並び、「ビデオ撮影」の中には解像度とフレームレートの組み合わせが何行も続いて、その下に「HDRビデオ」や「FPS自動調整」のスイッチがある。撮った動画はあとでDVDにして祖父母に渡すつもりなのに、どこから手を付ければよいのか分からない。ここで画面を閉じてしまえば、明日もいつもの設定のまま撮ることになります。
決める順番は、動画の行き先、フォーマット、解像度、フレームレート、HDRビデオ、FPS自動調整、撮影中に変わる項目のロック、音、表示と保持、そして空き容量です。前に決めた項目があとの項目の選択肢を消したり増やしたりするので、上から順に埋めると後戻りがありません。ディスクにする行事の基準は「高効率」のまま1080p/30fps。HDRビデオは配る動画ならオフに、FPS自動調整はオフにします。容量の目安は、1080p/30fpsの1分が高効率+HDRオンで約65MB、HDRオフで約60MBです(iOS 18.6の設定画面の目安で、iOS 27の画面では未確認)。
本文は2026年9月時点の情報で、iPhone 18 Pro・18 Pro Max、iPhone Duo(10月23日発売予定)、iPhone 17・Air・17e、iPhone 16の各シリーズを前提にしています。画面の項目名はAppleのユーザガイド(iOS 27版)とiOS 18.6の設定画面の文言で確かめたもので、表記はiOSのバージョンで変わります。手元の画面と少し違っていたら、項目の意味で読み替えてください。各項目の詳しい理由はそれぞれの記事に譲り、ここでは決める順番と基準に絞ります。機種による違いを一枚で見たいときは、iPhone動画の仕様一覧 を横に開いておくと照らし合わせが早く済みます。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
前日の夜、「設定」>「カメラ」を上から順に決める なぜこの順番で決めるのか 設定より先に、動画の行き先を一つに絞る フォーマット|ディスクが行き先なら高効率のまま 4KかフルHDか。分かれ目は切り出す予定の有無 フレームレートは30fpsを基準にする HDRビデオとFPS自動調整は、撮ったあとの行き先で決める 撮影中に勝手に変わるものを止める 残りの15項目を見る 音の設定は、ほとんど初期値のままでよい 画面上部の数字を見て、戻ってほしくないものを保持する 空き容量は、撮る長さ×1分の目安で計算する 行事ごとに変わる設定は、三つか四つ 運動会|遠くて速くて明るい日の設定 暗いホールの発表会・演奏会 卒業式・入学式は、止められない長さで考える 結婚式では、会場の決まりを確かめてから設定に入る 旅行|何日分を撮るかで解像度が決まる 前日の最後に10秒の試し撮り、当日の朝は見るだけ 失敗の型と、順番のどこで防げたか 撮った日の夜に、元のまま取り込む 1週間前から入稿までを逆に数える 撮った動画をディスクにする。当社への入稿の手順 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
前日の夜、「設定」>「カメラ」を上から順に決める
用意するものは、行事で使うiPhoneと、その行事で録画する長さの見当だけです。設定アプリを開いて「カメラ」をタップすると、決める項目はほぼこの画面と、その中の「ビデオ撮影」にそろっています。行き先だけは設定の外にあるので、メモに一行書いておく程度で足ります。順番と、ディスクにする行事での基準値を表にしました。
順番
決めること
場所(iOS 27の場合)
ディスクにする行事の基準
0
動画の行き先
設定の外(メモに一行)
DVDか、ブルーレイか、データも残すか
1
フォーマット
「カメラ」>「フォーマット」
「高効率」のまま
2
解像度
「カメラ」>「ビデオ撮影」
1080p。切り出す予定があれば4K
3
フレームレート
「ビデオ撮影」の同じ一覧
30fps。「PALフォーマットを表示」はオフ
4
HDRビデオ
「ビデオ撮影」>「HDRビデオ」
配る動画ならオフ
5
FPS自動調整
「ビデオ撮影」>「FPS自動調整」
オフ
6
撮影中に変わる項目
「ビデオ撮影」>「カメラをロック」など
ズームする日はカメラをロックをオン
7
音
「カメラ」>「サウンド収録」
初期設定のまま
8
表示と保持
カメラの画面上部、「カメラ」>「設定を保持」
画面上部の数字を見て、カメラモードを保持
9
空き容量
―
撮る長さ×1分の目安より多く空ける
「HDRビデオ」はiPhone 12以降、「FPS自動調整」はiPhone 12以降とiPhone SE(第3世代)にある項目です。iPhone XS・XR・11・SE(第2世代)では、FPS自動調整の代わりに「自動低照度FPS」(オンとオフだけ)が同じ画面にあり、機種によっては「HDRビデオ」が「HDR」という名前で出ます。家族の古いiPhoneも一緒に使う日は、名前の違いだけ頭に入れておけば、同じ順番で進められます。
図は、同じ順番を流れにしたものです。左から一つずつ決めて右へ進みます。途中で前の項目に戻って変えたら、そこより右の項目をもう一度見直す。決まりはそれだけです。一番左の行き先だけは設定の画面に無いので、「DVDで祖父母に2枚」「ブルーレイで自宅用、元のデータも保存」のように、誰に何枚をどの形で、まで書いておくと、あとの項目で迷ったときに戻る場所になります。
前の項目があとの選択肢を変えるので、左から順に決め、戻ったら右を見直す
前日の夜に決めるのには理由があります。会場に着いてから設定アプリを開くと、項目を探しているうちに開演し、結局そのまま撮ることになりがちです。撮影の途中で設定を変えれば、同じ行事の動画の中に設定の違うファイルが混ざり、ディスクにしたときに前半と後半で色の印象が変わったり、容量の見積もりが合わなくなったりします。前日に決め、当日は確かめるだけにする。この分担で、当日の手元が録画の開始と停止だけになります。
なぜこの順番で決めるのか
「カメラ」の設定は、項目どうしが互いに縛り合っています。いちばん強く縛るのがフォーマットです。「フォーマット」の画面の説明文には、4K/60 fps、1080p/240 fps、HDRビデオを使うには「高効率」が必要だと書かれていて(文言は機種で少し違います)、シネマティック対応機ではシネマティックビデオも同じ扱いです。互換性優先を選んだ時点で4K/60 fpsは選べなくなり、HDRも使えません。フォーマットを最初に決めるのは、このためです。
次が解像度、その次がフレームレートです。「ビデオ撮影」の一覧では一つの行として選びますが、考える順は解像度が先になります。1分あたりの容量は、同じ30fpsで比べても4Kか1080pかで約3倍変わり、選べるフレームレートも機種で違うからです。通常のビデオとして4K/120 fpsや1080p/120 fpsが並ぶのは、Pro系(16 Pro以降)とiPhone Duoだけ。行き先から解像度を決め、その中でフレームレートを選ぶ順にすると、一覧の行を一つずつ見比べる手間が省けます。
HDRビデオは高効率を前提にした機能なので、フォーマットのあとに置きます。互換性優先のときは、項目の名前が「HDRビデオ(高効率)」と表示されます。FPS自動調整は、選んだフレームレートを撮影中に動かす機能です。選択肢の「30 fpsを自動調整」と「30 fpsと60 fpsを自動調整」のどちらが効いてくるかは、30fpsと60fpsのどちらで撮るかで変わるので、フレームレートを決めてから考えます。
ロック、音、表示と保持は、何を撮るかが決まったあとで、撮影中にそれを崩さないための項目です。空き容量を最後に回すのは、ここまでの選択で1分あたりの容量が決まり、そこに行事の長さを掛けて初めて要る空きが分かるから。逆の順で決めると、たとえばHDRをオンと決めたあとで互換性優先に切り替えた場合、HDRは使えなくなります。前の項目を変えたら、それより後ろを見直す。覚えておくのはこの一つです。
順番どおりに決めた一例
iPhone 17で、10月の発表会を撮る場面に当てはめてみます。行き先は、祖父母の家2軒と自宅に配るDVDが3枚。フォーマットは高効率のまま。DVDだけなので解像度は1080p、フレームレートは30fpsで、「1080p HD/30 fps」の行を選びます。配るのでHDRビデオはオフ。暗いホールなのでFPS自動調整もオフ。ここまでは、項目を上から見ていくだけで決まります。
続けて、席からズームで寄るつもりなのでカメラをロックをオンに、舞台の照明が変わるのでホワイトバランスをロックもオンにします。音は初期設定の空間オーディオのまま。「設定を保持」で「カメラモード」をオンにし、ビデオモードのままカメラを閉じます。公演は2時間の予定なので、HDRオフの1分約60MBで計算して約7.2GB。空きが12GBあれば足ります。最後に10秒撮って約10MBであることを確かめれば、前日の作業は終わりです。
設定より先に、動画の行き先を一つに絞る
行き先というのは、撮った動画を最後にどの形で見るか、ということです。祖父母の家のプレーヤーで見るDVDか、ブルーレイのプレーヤーで見るディスクか、パソコンやテレビでデータのまま見るのか。これが決まると、解像度もHDRも、ほとんど自動で決まります。行き先を決めないまま設定を開くと、どの項目にも「きれいなほう」を選びたくなり、容量だけが膨らみます。
当社でディスクにする場合の映像の形を、行き先ごとに並べます。DVDは720×480・29.97fps(NTSC)・MPEG-2、ブルーレイは1920×1080で作ります。DVDと通常のブルーレイの規格には、規格上は一般にHDRの枠が無いとされ、どちらもディスクにする段階でSDRの映像になります。
行き先
映像の形
撮るときの設定への効き方
DVD
720×480・29.97fps・MPEG-2
1080p/30fpsで足りる。撮った4Kや60fpsは縮めて収める
ブルーレイ
1920×1080
1080pがそのまま収まる。切り出す予定があれば4K
データのまま
撮った形のまま
4K・60fps・HDRが生きる。置き場所の容量が要る
一つに絞れないときは、三つのことを順に自分に聞きます。配るディスクは何枚で、相手の家にあるのはDVDのプレーヤーか、ブルーレイのプレーヤーか。自分で編集して、一部を拡大したり、ほかの人の動画とつないだりするか。データのまま大きな画面で見返す習慣があるか。三つとも「いいえ」なら行き先はDVDで、表の基準値のまま進めます。
相手の家のプレーヤーがブルーレイを再生できるかは、行き先を決める前に確かめておきたい点です。本体やリモコンにBlu-rayのロゴがあるか、これまでDVDしか入れたことが無いかを、電話で聞いておくだけでも足ります。分からないままなら、DVDにしておけばどちらのプレーヤーでも見られます。ブルーレイのプレーヤーはDVDも再生できますが、DVDのプレーヤーはブルーレイを読めないからです。
ディスクと一緒にデータでも配るつもりなら、受け取る人の機器も行き先に入れておきます。Windowsのパソコンでは、HEVCの動画を再生するのにMicrosoft Storeの拡張機能が要る場合があります。受け取る側がそれを入れられない職場のパソコンなどなら、配る分だけH.264に変換するか、撮る段階で互換性優先にするかを、次のフォーマットの項目で考えます。iPhoneやMacで受け取る人が中心なら、この心配はほとんどありません。
それでも決めきれないなら、DVDで配る、を仮の行き先にします。DVDは三つの中で枠が最も小さく、DVDに合わせた設定はブルーレイにもそのまま使えます。ブルーレイの1920×1080には1080pの素材が作り直しなしで収まり、30fpsの素材とDVDの29.97fpsとの差は計算上約0.1%です。あとで4Kにしておけばよかったと思うのは、ブルーレイで一部を拡大したくなったときと、データのまま4Kのテレビで見たくなったときの二つ。どちらかに心当たりがあるなら、行き先に「ブルーレイ」か「データ」を足しておきます。
データのまま残すことは、ディスクにすることと両立します。元のファイルはそのままパソコンか外部ストレージに置き、配る分だけをディスクにする。この形なら、元の4KやHDRは手元に残り、ディスクの側は規格の形で作られます。何年か先に別の形で見たくなったときに戻れるのは、元のファイルだけです。
フォーマット|ディスクが行き先なら高効率のまま
「フォーマット」の選択肢は「高効率」と「互換性優先」の二つで、高効率は動画をHEVCで、互換性優先はH.264で記録します。容量は、1080p/30fpsの1分が高効率+HDRオンで約65MB、互換性優先で約130MBと、およそ2倍の差です。ディスクが行き先なら、答えは一つ。高効率のまま動かしません。
理由は短く言えます。ディスクにする工程で、映像はDVDならMPEG-2に、ブルーレイならブルーレイの規格の形に作り直されるので、撮る時点でH.264にしておいても手間は一つも減りません。残るのは2倍の容量と、送るのにかかる2倍の時間、それに4K/60 fpsやHDRが選べなくなる不便です。当社が受け付けているのはMP4・MOV・MTSなど一般的な動画ファイルで、iPhoneで撮ったままの動画をそのまま送れます。
互換性優先に切り替える意味があるのは、撮ったその日のうちに、HEVCを開けないWindowsのパソコンや古い機器へ、変換を挟まずに渡す必要があるときです。その場合も行事の分だけ切り替え、終わったら戻します。切り替えてよい場面の見分け方と戻し忘れの防ぎ方は、互換性優先で動画の容量が2倍になる話 にまとめました。前回の行事で互換性優先にしたまま戻していないかを確かめるのも、前日に「フォーマット」を開く目的の一つです。
4KかフルHDか。分かれ目は切り出す予定の有無
解像度は、ディスクの枠の大きさと、あとで画の一部を切り出すかどうかの二つで決まります。基準は1080p(フルHD)。4Kを選ぶのは、理由があるときだけです。判断の道すじを図にしました。上の問いから順に答え、「はい」になったところで決まります。最後まで「いいえ」が続いた人は1080pです。
上から順に答え、「はい」になったところで決まる。最後まで「いいえ」なら1080p
DVDだけなら、1080pで切り出しにも足りる
DVDの画面は720×480画素、約35万画素です。これに対して1080p(1920×1080)は約207万画素あるので、DVDにする時点で6分の1ほどに縮めることになります。一般に3840×2160とされる4K(約829万画素)なら、約24分の1です(いずれも計算値)。どれだけ細かく撮っても、DVDの枠に入るのは約35万画素ぶんだけ、ということになります。
この差は、あとで一部を拡大するときに効いてきます。縦横それぞれ半分の範囲を1080pの画から切り出しても960×540画素で、DVDの720×480より画素が多い。舞台の端に立つ子を2倍に寄せる程度の切り出しなら、1080pで撮っておけばDVDの枠を下回りません。DVDだけが行き先なら、4Kで撮る理由はほとんど残らないということです。
容量が本当に足りないときは、「720p HD/30 fps」(領域節約)という行もあります。1分は高効率+HDRオンで約45MB。1280×720はDVDの枠より大きいので、DVDだけが行き先なら画の大きさで困ることは少ないものの、切り出しの余地はほとんど無くなります。空きを作る時間が無い日の、最後の手と考えておきます。
ブルーレイで拡大して使うなら4K
ブルーレイの枠は1920×1080です。ここで1080pの画から一部を切り出すと、その時点でブルーレイの枠を下回り、拡大した分だけ粗く見えます。3840×2160とした場合の4Kなら、縦横それぞれ半分を切り出してもちょうど1920×1080で、ブルーレイの枠いっぱいの細かさが残ります(計算値)。運動会の遠くの徒競走を後から大きくしたい、舞台全体を引きで撮っておいて自分の子だけを抜き出したい、という編集を考えているなら、4Kにする理由があります。
ただし、切り出すのは自分の編集作業です。編集せずにディスクにするだけなら、4Kで撮っても、ブルーレイの1920×1080に縮めて収めるので、切り出しの余地は使われないまま終わります。選ぶ前に考えたいのは、編集ソフトで拡大して書き出す手間を、行事のあとで本当にかけるかどうか。かけないなら1080pで足ります。
望遠で寄るか、4Kで撮って切り出すか
遠くの被写体を大きく残す方法は二つあります。撮影中に望遠側で寄るか、広く撮っておいてあとで切り出すか。前者は撮った時点で画が決まり、編集の手間がありません。後者はあとから構図を選び直せる代わりに、4Kの容量と編集の手間がかかります。どちらが向くかは、自分で編集するかどうかでほぼ決まります。
寄れる範囲は機種で違います。仕様ページの写真の欄の表記では、iPhone 18 Proと17 Proが「8倍の光学品質ズームイン」、16 Proが「5倍の光学ズームイン」、iPhone 17と16、iPhone Duoは2倍で、iPhone Air・17e・16eにも「2倍望遠」の記載があります。この範囲を超えて寄れば、デジタルズームで拡大した分だけ粗くなります。編集をしないなら、光学の範囲で寄って1080pで撮る。範囲を超えて大きくしたく、しかもブルーレイにするなら、4Kで広く撮って切り出す。この線引きで考えると迷いません。
4Kで撮ると増えるもの
容量で見ると、4K/30fpsの1分は高効率+HDRオンで約190MBで、1080p/30fpsの約65MBの3倍近くになります。計算上のビットレートは約25.3Mbpsと約8.7Mbps。増えるのは空き容量だけではなく、パソコンへ取り込む時間、共有URLを作るためにアップロードする時間、パソコン側の保存場所も同じ割合で増えます。60分撮れば、1080p/30fpsで約3.9GB、4K/30fpsで約11.4GBです(計算値)。
各機種の仕様ページには、4Kビデオの撮影中に8MPの静止画を残せる、とも書かれています。動画と写真を1台でこなしたい運動会なら、これが4Kを選ぶ小さな理由になることもあります。とはいえ、静止画のために動画の容量を3倍にするかどうかは、空き容量との相談です。
見る側の事情も押さえておきます。iPhoneの画面では4Kと1080pの差は分かりにくく、ディスクにすると、DVDでは差が消え、ブルーレイでも4Kのままの形では残りません。細かさが生きるのは、データのまま4Kのテレビやモニターで見るときです。データで見る機会が多く、容量に余裕があるなら4K/30fps。どちらでもなければ、1080p/30fpsが迷ったときの答えになります。
フレームレートは30fpsを基準にする
解像度を決めたら、同じ一覧で30fpsの行を選びます。行の名前は、1080pなら「1080p HD/30 fps」、4Kなら「4K/30 fps」です。30fpsを基準にするのは、DVDが29.97fpsで作られ、30fpsの素材との差が計算上約0.1%しかないからで、フレームの数を大きく作り変えずに収まります。iOS 18.6の画面では、1080p HD/30 fpsの行に「デフォルト」と添えられていて、初期設定のまま使っている人は、ここを動かさずに済みます。
60fpsを選んでよい条件
60fpsは、1秒に60枚の画で動きを記録します。走る、跳ぶ、回るといった速い動きは、iPhoneやパソコンの画面で見ると滑らかです。ただ、DVDは29.97fpsで作るので、60fpsの滑らかさがDVDにそのままの形で残るわけではありません。ブルーレイは作り方と規格の組み合わせで扱いが変わるため、60fpsがそのまま残るとは言い切れない、というのが正確なところです。容量は、1080p/60fpsの1分が高効率+HDRオンで約100MBと、30fpsの約1.5倍になります。
60fpsを選んでよいのは、データのまま見返す機会が多く、速い動きを滑らかに残したい場面です。徒競走やダンスを自宅のパソコンやテレビで何度も見返す家庭なら、1080p/60fpsは理にかなっています。ディスクが主な行き先で、データで見返す習慣が無いなら30fps。迷ったら30fpsです。どちらにしても、同じ行事の中で30fpsと60fpsを行き来するのは避け、決めた一つで撮りきります。混ざると、あとで一本につなぐときに扱いがそろいません。
24・25・120fpsを選ばない理由
一覧には4K/24 fpsも並びます。映画に近い動きの質感を狙う設定で、行事の記録では、30fpsより動きがわずかにぎこちなく見える場面が出ます。DVDの29.97fpsへ収めるときにもフレームの数を合わせる変換が要るので、ディスクが行き先なら選ぶ理由がありません。
25fpsと100fpsは、「ビデオ撮影」の中の「PALフォーマットを表示」をオンにしたときだけ一覧に出ます。説明文にあるとおり、ヨーロッパなど多くの国のテレビの方式に合わせた値で、日本のテレビやDVDは29.97fpsの系統です。国内で見るディスクにするなら選ぶ理由は無いので、前日に「PALフォーマットを表示」がオフになっていることも見ておきます。
120fps(Pro系とiPhone Duo)は、4K/120 fpsなら高効率+HDRオンで1分約800MBと、1080p/30fpsの12倍ほど。16 Pro・17 Pro・18 Proでは、ビデオモードで「120 FPS」を選ぶとスローモーションになる動作もあり、行事の記録に使う設定ではありません。
ビデオ以外のモードは、別の画面で決まる
「ビデオ撮影」で決めた解像度とフレームレートが使われるのは、カメラの「ビデオ」モードです。シネマティック、スローモーション、タイムラプスは、それぞれ「シネマティック撮影」「スローモーション撮影」「タイムラプス撮影」(18 Proで追加)という別の項目で決まります。行事の日にこれらのモードも使うなら、前日に同じ順番で見ておきます。
シネマティック撮影の初期設定は1080 HD(30fps)で、4K(24 fps)・4K(30 fps)に変えられ、18 Proでは4K(60 fps)と1080 HD(60 fps)も選べます。スローモーション撮影は、背面カメラの初期設定が1080 HD(240 fps)で、1分は高効率で約480MBと、通常の1080p/30fpsの7倍を超えます。ゴールの瞬間を数秒だけスローで撮る使い方なら、容量は気になりません。
スローで再生する区間やシネマティックのぼけは写真アプリで後から変えられますが、写真アプリの外や書き出したファイルでその設定がどう扱われるかは、確かめられていません。ディスクに必ず入れたい場面は、通常のビデオで撮っておくと安心です。撮り直しのきかない行事なら、なおさらです。
HDRビデオとFPS自動調整は、撮ったあとの行き先で決める
残る大きなスイッチは、HDRビデオとFPS自動調整の二つです。どちらも「ビデオ撮影」の画面にあり、オンで撮ると、ディスクにしたときや編集したときにずれの元になりうる項目です。決める基準は、HDRビデオが「配るかどうか」、FPS自動調整が「ディスクにするか、編集するか」。行き先が決まっていれば、どちらも数秒で決まります。
HDRビデオは、配るならオフ、手元で見るならオン
HDRビデオは、ドルビービジョンを含む10ビットのHDRで撮る設定で、対応機では初期設定がオンです。明るい空と日陰の顔を同時に残せる一方、DVDと通常のブルーレイの規格にはHDRの枠が無いとされるので、ディスクにする段階でSDRの映像になります。このとき、iPhoneの画面で見ていた明るさや色と、テレビで見るディスクの印象がずれることがあります。
判断は行き先で分けます。ディスクにして祖父母や他の家庭に配る動画、Windowsのパソコンで編集する動画、ビデオカメラなど別の機器の映像と一本につなぐ動画はオフ。自分と家族のiPhoneやMacで見返すのが主な動画はオンのまま。オフにしても容量はほとんど減らず、1080p/30fpsで1分約65MBが約60MBになる程度なので、容量で決める項目ではありません。行き先ごとの見え方の違いと、オンで撮った動画をあとからSDRにする方法は、HDRビデオをオフにするかの判断 で詳しく扱っています。
もう一つ、判断を楽にする事実があります。オフで撮った動画は、あとからHDRには戻せません。配るかどうかがまだ決まっていない旅行や日常の記録は、情報の多いオンのまま撮っておき、ディスクにするときにSDRになる、という順でも困りません。迷うのは、配ることが決まっている行事だけです。データで渡す分についても、HDRビデオはiOS 13.4以降、iPadOS 13.4以降、macOS 10.15.4以降の機器にはHDRのまま共有され、それ以外の機器には同じビデオのSDR版が渡る、とAppleのガイドにあります。
FPS自動調整は、ディスクや編集の予定があるならオフ
FPS自動調整は、暗い場面を見やすくするためにフレームレートを24fpsに落とし、60fpsのビデオでは動きに合わせてフレームレートを最適化する機能です。選択肢は「オフ」「30 fpsを自動調整」「30 fpsと60 fpsを自動調整」の三つで、iPhone 18 Proモデルでは4Kで録画するときにも働く、とAppleのガイドにあります。オンのまま撮ると、1本の動画の中でフレームレートが変わることがあります。
ディスクにする前提なら、オフにして30fpsに固定します。暗転の多いホールの発表会、照明を落とす披露宴、夕方の体育館は、24fpsに落ちる場面が出やすい会場です。自分で編集する予定があるときも、明るさに関係なくオフが単純です。撮影中にフレームレートが変わった動画は、固定のフレームレートを前提にしたソフトで扱うと、映像と音のタイミングが合わなくなる症状につながることがあるとされます。見分け方と直し方は可変フレームレートが音ズレを生む仕組みに、オフにしたときの暗い場面の写り方はFPS自動調整の記事 に書きました。明るい屋外を30fpsで撮る日は落ちる場面が少ないはずですが、会場の明るさで分けるより、ディスクにする日はオフと決めておくほうが迷いません。
iPhone XS・XR・11・SE(第2世代)にある「自動低照度FPS」は、説明文によれば「低照度のビデオを見やすくするために、フレームレートを自動的に30 fpsから24 fpsに落とします。」という機能で、選べるのはオンとオフだけです。家族の古いiPhoneで発表会を撮るなら、こちらをオフにしておきます。
撮影中に勝手に変わるものを止める
ここまでで、何で撮るかは決まりました。次は、撮っている最中にiPhoneが自分の判断で変えてしまうものを止める番です。「ビデオ撮影」の画面の下のほうに、「カメラをロック」「ホワイトバランスをロック」「手ぶれ補正(拡張)」が並んでいます。三つとも、行事の種類で答えが変わります。
カメラをロック
説明文は「ビデオ録画中は自動的にカメラを切り替えません。」で、初期設定はオフです。レンズが複数ある機種では、録画中にiPhoneが使うカメラを自動で切り替えることがあり、この項目はそれを止めます。切り替わった瞬間に画の質感が変わると、テレビの大きな画面ではつなぎ目のように目に付きます。ズームを動かす予定がある日はオンにしておきます。
オンにすると、撮り始めたときのカメラのまま最後まで撮ります。望遠側に寄りたい日は、録画を始める前に倍率を決めておくのが確実です。どの倍率がどのレンズに当たるかは機種で違い、ビデオのデジタルズームの上限も、iPhone 18 Proで最大24倍、17 Pro・16 Proで最大15倍、iPhone Duo・17・Air・17e・16・16eで最大6倍と開きがあります(各機種の仕様ページ)。デジタルズームは拡大した分だけ粗くなるので、上限いっぱいまで使う前提で段取りを組まないようにします。
ホワイトバランスをロック
「ビデオの録画中にホワイトバランスをロックします。」という項目です。ホワイトバランスは、白いものを白く写すための色の補正で、iPhoneは場面に合わせてこれを合わせ続けます。窓の光と蛍光灯が混ざる教室、色の付いた照明が次々に変わる舞台、キャンドルの灯りがともる披露宴では、この補正が照明の変化を追いかけて、画面全体の色味が揺れ動くことがあります。
こうした会場ではオンにします。録画中は色の補正が動かなくなるので、撮り始める瞬間の照明が、その動画の色の基準になると考えておきます。開演前の客席の明かりで録画を始めて、そのまま舞台の照明に移ると、舞台の色が不自然に見えることもありえます。舞台の照明がついてから録画を始める、演目ごとに録画を止める、の二つを組み合わせれば、色の基準が演目ごとに取り直されます。
手ぶれ補正(拡張)
説明文は「ビデオとシネマティックモードでは、わずかにズームインすることにより、ビデオの手ぶれを補正します。」で、初期設定はオン、iPhone 14以降はオフにもできます。手持ちで撮るならオンのまま。三脚に固定する日も、オンのままで困ることはまずありません。画角をわずかでも広く取りたいとき、たとえば舞台の端から端まで入れたい発表会では、オフを試す価値があります。オフにしたときの画角の違いは、前日の試し撮りで確かめます。なお、通常の手ぶれ補正そのものを切る項目は、Appleのガイドには見当たりません。
同じ画面の「アクションモード(低照度)」は、説明文が「やや暗いシーンを最適化するために、アクションモードで手ぶれ補正を減らします。」で、アクションモードを使うときだけ関係します。夕方の旅先で歩きながら撮るような場面で効く項目なので、行事の日は触らずに置いておきます。
音の設定は、ほとんど初期値のままでよい
「カメラ」の画面には音の項目もあります。iPhone 16以降は「サウンド収録」で「空間オーディオ」「ステレオ」「モノ」から選べて、初期設定は空間オーディオ。それより前の機種は「ステレオ音声を録音」のオンとオフです。ここは、ディスクにする前提でも初期設定のままで構いません。声や演奏の中身は、どれを選んでも同じように残ります。
ディスクの音声は、当社ではAC-3かLPCMで作ります。空間オーディオとして記録された立体の情報はそのままの形では入らず、テレビのスピーカーで聞く普通の音になります。ディスクのためにわざわざステレオへ切り替える必要はない、ということです。屋外の行事では、iPhone 16以降で空間オーディオかステレオで録画するときに自動で働く「風切り音の低減」を、オンのままにしておきます。
「ステレオ音声を録音」の項目がある古い機種では、オンにしておきます。オフのままではステレオで録音されないので、ディスクにしても左右の広がりの無い音のまま残ります。家族の古いiPhoneも使う日は、音の項目はこの一つを見ておけば足ります。
もう一つ見ておきたいのが「オーディオ再生を許可」です。オンにしてiPhoneのスピーカーで音楽を流しながら撮ると、音はモノラルで録音される、と説明文にあります。音楽を流しながら行事を撮ることはまず無いものの、練習の撮影でオンにしたまま忘れていないかは、前日にこの画面を通るついでに確かめておきます。
画面上部の数字を見て、戻ってほしくないものを保持する
前日に決めた値には、設定アプリに書き込まれて残るものと、カメラアプリを閉じると元に戻るものがあります。「ビデオ撮影」で選んだ解像度とフレームレート、HDRビデオ、FPS自動調整は前者で、カメラを閉じても再起動しても変わりません。一方、カメラを開いたときのモードや、カメラの画面で切り替えた一部のボタンは、閉じると初期の状態に戻ります。その戻り方を項目ごとに選ぶ一覧が「設定を保持」です。
行事の日に保持しておくと助かるのは「カメラモード」です。オンにして前日にビデオモードのままカメラを閉じておけば、翌朝カメラを開いたときにビデオモードで立ち上がり、写真モードで録画ボタンを探す数秒が要りません。逆に「アクションモード」は、保持すると次に開いたときもアクションモード(最大2.8K・60fps)のままになるので、行事の日はオフにしておくほうが安全です。何が戻って何が戻らないかは、設定を保持の記事 に項目ごとにまとめています。
カメラのビデオモードでは、画面の上部に解像度とフレームレートの値が出ていて、タップで切り替えられる、とAppleのガイドにあります。iOS 16版のガイドでは、この切り替えがそのまま使えるのはiPhone XS・XR以降で、iPhone X以前は「ビデオ撮影」の「ビデオフォーマットコントロール」をオンにすると表示される、と分けて書かれています。この記事で扱う機種なら、設定を触らなくても数字は出ています。前日に決めた値が画面に出ていれば、当日の朝は設定アプリを開き直さなくても、その数字を見るだけで確かめられます。裏を返せば、タップ一つで変わる数字でもあるので、ポケットの中や子どもの手で変わっていないかを、撮り始める前に一目見る習慣にします。
Pro系で見る項目
Pro系には、ほかの機種に無い項目があります。「フォーマット」の中の「Apple ProRes」はオフにしておきます。ProResの1分は、10ビットHDR ProResで1080p/30fpsが約1.7GB、4K/30fpsが約6GBと、ファイルはHEVCの最大30倍の大きさになり、行事の録画をディスクにする用途には向きません。17 Pro・18 Proの「ProRes Logビデオエンコーディング」など、Pro系でLogを選んで撮った映像は、画面の説明文のとおり「調整処理を行う前のLogは平坦でグレイに見えます」。色を戻す作業を挟まずにディスクにすれば、色の薄い映像のまま残ります。
iPhone 18 Proで初めてProResをオンにするときは、「プロビデオストレージを構成」で確保する容量を決める手順が加わりました。試しにオンにしたことがある人は、確保した分が本体の空きを減らしていないかを、同じ画面で見ておきます。18 Proにはレンズ絞り、シャッタースピード、ホワイトバランスを手で決めてヒストグラムを表示する「プロレベルのコントロール」もあり、ビデオモードでも使えます。使うなら前日に決めて試し撮りまで済ませ、当日は触りません。iPhone Duo(10月23日発売予定)はProResに対応しておらず、プロレベルのコントロールも仕様ページに記載がありません。
空き容量は、撮る長さ×1分の目安で計算する
設定が決まれば、1分あたりの容量が決まります。そこに録画する長さを掛けたものが、要る空き容量です。「ビデオ撮影」の画面の下には「1分間のビデオのサイズは、およそ以下の通りです:」として目安が並んでいて、iOS 18.6の画面の数値を条件別に拾うと、表の左の二列のとおりです(iOS 27の画面では未確認)。右の四つの列は、それに長さを掛けた計算値です。
条件
解像度とfps(1分の目安)
30分
60分
90分
120分
HDRオン(高効率)
1080p/30fps(約65MB)
約1.95GB
約3.9GB
約5.85GB
約7.8GB
HDRなし(高効率)
1080p/30fps(約60MB)
約1.8GB
約3.6GB
約5.4GB
約7.2GB
互換性優先
1080p/30fps(約130MB)
約3.9GB
約7.8GB
約11.7GB
約15.6GB
HDRオン(高効率)
1080p/60fps(約100MB)
約3.0GB
約6.0GB
約9.0GB
約12.0GB
HDRオン(高効率)
4K/30fps(約190MB)
約5.7GB
約11.4GB
約17.1GB
約22.8GB
HDRオン(高効率)
4K/60fps(約440MB)
約13.2GB
約26.4GB
約39.6GB
約52.8GB
1MB=100万バイト、1GB=1,000MBとして掛け算したもので、実際のファイルは場面の動きや明るさで上下します。同じ1080p/30fpsでも、HDRのオンとオフ、互換性優先かどうかで数字が違うので、家族と容量の話をするときは条件まで添えます。三つの条件を全部並べた一覧はiPhone動画の1分あたり容量 にあります。
図は、90分を1本で撮り続けたときの容量を、設定ごとに棒にしたものです。同じ90分でも、1080p/30fpsのHDRなしと4K/60fpsでは7倍以上の開きがあります。「念のため4K/60fpsで」と前日の夜に決めることが、容量の上でどれだけ大きな決定かが、棒の長さで分かります。
設定画面の1分の目安に90を掛けた計算値。実際のファイルは場面で上下する
撮る長さの見積もり方
掛ける「長さ」は、行事の長さそのものより、録画ボタンが押されている時間の合計です。運動会なら、撮りたい種目の数に1種目あたりの録画時間を掛けます。発表会や式典は、止めずに撮るなら開演から終演まで、演目ごとに止めるなら撮りたい演目の合計です。プログラムに時刻が書いてあれば、それを足すのが一番確かで、延長や開演の遅れを考えて多めに見ておきます。
空きは、計算した容量ちょうどでは足りません。写真も撮る、終わったあとに友だちの動画を受け取る、といった分があるからです。たとえば1080p/30fps・高効率+HDRオンで90分なら計算上約5.85GBなので、10GBほど空いていれば落ち着いて撮れます。同じ90分を4K/30fpsで撮れば約17.1GBで、20GBを超える空きが欲しくなります。本体の容量の表示と実際に使える空きも一致せず、iPhone 18 Proの仕様ページの注記には、iOS 27と削除できるApple製アプリで約12GBから24GBがすでに使われている、とあります。
空きが足りないと分かったら、前日の夜では間に合わないことがあります。古い動画をパソコンに移す作業は、USB-Cの速度がUSB 2(最大480Mb/s)のiPhone 17・Air・17e・16・16eでは時間がかかり、計算上の上限の毎秒60MBで見ても、30GBの移動に8分以上かかります。実際の速度はそれより遅くなります。空きは行事の1週間前に見て、足りなければその週末に移しておく、という順にします。
5GBと25GBの境目
もう一つ、ディスクにする前提で見ておきたい境目があります。当社では、1つの内容のデータがDVDで5GB以上、ブルーレイで25GB以上のとき、エンコード手数料(大容量データ・内容1種類につき)の3,000円(税抜)がかかります。同じ内容の焼き増し分にはかかりません。計算上は、1080p/30fps・高効率+HDRオンなら約77分で5GBに届き、HDRをオフにした約60MBの設定なら約83分、互換性優先なら約38分、4K/30fps・HDRオンなら約26分です。
ブルーレイの25GBは、同じ高効率+HDRオンの計算で、1080p/30fpsなら約6.4時間ぶんで、行事の録画で届くことはまずありません。ところが4K/30fpsなら約2.2時間、4K/60fpsなら約57分で届きます。越えても作れないわけではなく、手数料が一つ加わるだけです。境目の手前に収めたいなら、設定で1分あたりの容量を小さくするか、録画しない時間を作るかのどちらかで、どちらが向くかは行事の性格で決まります。止められない式典なら前者、演目の切れ目がある発表会なら後者が取りやすい手です。
行事ごとに変わる設定は、三つか四つ
ここまでの基準値は、どの行事にも共通の出発点です。行事ごとに変わるのは、解像度を4Kにするか、HDRビデオをオンに残すか、カメラをロックするか、ホワイトバランスをロックするか、の三つか四つ。フォーマットの高効率、30fps、「PALフォーマットを表示」のオフは、どの行事でも動かしません。変わる部分と、行事ごとに見方が変わる容量を、運動会、発表会・式典、旅行の三つの列で表にしました。表の「色のロック」は、ホワイトバランスをロックのことです。
高効率・30fps・PAL表示オフはどの行事でも共通。変わるのは表の行だけ
表の列に無い行事でも、見るところは同じです。会場は暗いか。被写体は遠いか。録画を途中で止められるか。撮った動画を配るか。この四つに答えれば、どの列に近いかが分かります。夜の屋外の祭りなら、暗さでは発表会の列、止められる点では運動会の列、と組み合わせて決めます。以下、行事ごとに、前日の夜に表のどこをどう決めるかを書いていきます。
家族や係の何台かで撮るなら、項目名で伝える
同じ行事を何台かのiPhoneで撮って一本にまとめるなら、設定を前日にそろえます。伝えるときは「きれいに撮ってね」と頼むより、項目名と値で伝えるほうが確実です。「カメラ>フォーマットは高効率」「ビデオ撮影は1080p HD/30 fps」「HDRビデオはオフ」「FPS自動調整はオフ」「PALフォーマットを表示はオフ」。この五行をメッセージで送れば、機種が違っても同じ画面にたどり着けます。
古いiPhoneが混ざるなら、「FPS自動調整」が無く「自動低照度FPS」になっている機種があることを添えます。Androidのスマホが混ざるときは、Galaxyではフレームレートを自動で最適化する「自動FPS」、Pixelではフレームレートの選択肢が「24」「30」「60」と、画面の名前が違うので、30fpsに固定することだけを共通の約束にします。機種ごとの画面の手順は、iPhoneとAndroidの両方を載せた撮る前の1分チェックにあります。
行事が終わったら、設定を戻すか
行事のために変えた設定を、終わったあとで元に戻すかどうかも決めておきます。戻すなら、HDRビデオをオンに、FPS自動調整を元の選択肢に。戻さずにそのまま使う手もあり、いつか日常の動画もディスクにするつもりなら、行事用の設定のまま撮っておくほうが、あとで素材の設定がそろいます。どちらにしても、変えた項目をメモに残しておけば、次の行事の前日に「前回どうしたか」で迷いません。
運動会|遠くて速くて明るい日の設定
運動会の撮影は、被写体が遠く、動きが速く、日差しが強い、という三つの条件が重なります。一方で、録画は種目ごとの短い区切りになるので、行事全体の長さに比べて録画の合計は短くなりがちです。この「録画の合計が短い」ことが、ほかの行事と違って4Kを選びやすくしています。決める順番は冒頭の表と同じです。
行き先は、祖父母に渡すDVDが1枚と、家族でデータのまま見返す分、という組み合わせを例に考えます。DVDだけなら解像度は1080pで足ります。遠くの子を大きく見せたいとき、1080pで撮っておけば、縦横それぞれ半分の範囲を切り出してもDVDの枠を下回らないことは先に書いたとおりです。ブルーレイにも焼いて、トラックの向こうを走る姿を後から大きくしたいなら、4K/30fpsにする理由がはっきりあります。
容量で見ると、たとえば撮りたい種目が10、1種目の録画が3分なら合計30分で、4K/30fps・高効率+HDRオンでも計算上約5.7GBです。90分の発表会を4Kで通しで撮る場合の約17.1GBに比べれば、ずっと扱いやすい量になります。写真用にもう1台を構えられない家庭には、4Kの撮影中に8MPの静止画も残せる点が効いてきます。ただしDVDの5GBの境目は、4K/30fpsだと約26分で越えます。DVDが主な行き先なら、ここでも1080pのほうが素直です。
フレームレートは、速い動きがあっても30fpsが基準です。60fpsの滑らかさがDVDにそのままの形で残るわけではないので、DVDが行き先なら迷う必要はありません。データのまま大きな画面で見返す家庭だけが、1080p/60fps(高効率+HDRオンで1分約100MB)を選ぶ候補になります。一方、4K/60fpsは同じ条件で1分約440MBで、DVDの5GBの境目を約11分で越えるので、ディスクを前提にする日の設定としては重すぎます。
明るさの面では、日なたと日陰が同じ画面に入る運動会は、HDRの効果が大きく出る場面です。配るディスクにするならオフ、家族で見るのが主ならオンのまま、という原則は変わりません。オフで撮ると、空が白く飛びやすくなります。ディスクで見るときの主役は子どもの顔なので、空はあきらめて顔が写ればよい、と前日に割り切っておくと迷いません。FPS自動調整は、明るい屋外の30fpsなら24fpsに落ちる場面は少ないものの、ディスクにする前提なのでオフにしておきます。60fpsを選んだ日は「30 fpsと60 fpsを自動調整」だと動きに合わせてフレームレートも変わるので、なおさらです。
ズームを使う日は、カメラをロックと風切り音の低減
トラックの反対側を撮るとき、録画しながらズームを動かすことになります。レンズが複数ある機種では、ここで「カメラをロック」がオフだと、録画中にカメラが切り替わる余地が残ります。運動会の日はオンにして、録画を始める前に倍率の見当を付けておきます。望遠側では手ぶれも大きく見えるので、手ぶれ補正(拡張)はオンのままです。ホワイトバランスは、晴れていれば屋外の光でほぼ一定なので、ロックしなくても困りません。
風の強い日の校庭では、マイクに当たる風の音が入りやすくなります。iPhone 16以降なら「風切り音の低減」が空間オーディオかステレオの録画で自動で働くので、オフにしていないことだけ確かめます。応援の歓声や放送の音楽も一緒に入るのが運動会の音で、ディスクにしてもその雰囲気は残ります。
保持するのはカメラモード、アクションモードは種目のときだけ
一緒に走りながら撮るような場面では、アクションモード(最大2.8K・60fps)を使う人もいます。使うなら、その種目のときだけカメラの中でオンにし、「設定を保持」の「アクションモード」はオフのままにします。種目が終わってカメラを閉じれば、次に開いたときは通常のビデオに戻ります。保持しておくのは「カメラモード」で、種目と種目の間にポケットから出したとき、すぐビデオで撮り始められます。
種目ごとに録画を止めると、ファイルが種目ごとに分かれます。入稿のときに「01_」「02_」と番号を付ければそのまま収録順になり、あとで見返すときも探しやすい。スタートの合図の少し前に録画を始め、ゴールのあとも数秒は止めない。設定の話からは外れますが、これも前日に決めておく撮り方の一つです。
雨で体育館に移ったら
雨で会場が体育館に変わると、答えの一部が発表会の側に寄ります。屋外より暗く、窓の光と照明が混ざるので、FPS自動調整はオフのまま、ホワイトバランスをロックはオンにします。解像度とフレームレートは変えません。雨の予報が出ている日は、両方の場合を考えて、ホワイトバランスをロックだけは朝の天気を見て切り替える、と決めておきます。朝に触るのはこの一つだけ。切り替えたあと、画面上部の数字が変わっていないことも見ておきます。
暗いホールの発表会・演奏会
客席の照明を落とし、舞台だけが明るいホールは、設定の差がいちばん出る会場です。暗転、スポットライト、色の付いた照明が短い間隔で入れ替わり、しかも公演は1時間半から2時間続くことがあります。席は決まっていて、舞台までの距離も変えられません。決める項目は多いものの、答えはほぼ一つに決まります。
解像度は1080p/30fpsが基準です。舞台全体を引きで撮っておき、自分の子の立ち位置だけをブルーレイ用に切り出したいときは4Kにしたくなりますが、120分を4K/30fpsで通しで撮ると計算上約22.8GB(高効率+HDRオン)になり、同じ条件の1080p/30fpsの約7.8GBの3倍近い量を、取り込みにもアップロードにも抱えることになります。席が遠くてズームに頼るなら、デジタルズームは拡大した分だけ粗くなることも頭に入れておきます。席とズームと画質の関係は、発表会をスマホで撮ると画質が荒い理由で詳しく書いています。
この会場で最も効くのは、FPS自動調整です。オンのままだと、暗い場面でフレームレートが24fpsに落ち、明るい演目の間だけ30fpsに戻る、という動画になりえます。ここはオフにして30fpsに固定し、暗い時間は暗いまま記録すると割り切ります。HDRビデオは、舞台の明暗差を残せる設定ですが、配るディスクにするならオフです。カメラをロックとホワイトバランスをロックは、両方オンにします。色の付いた照明に合わせてiPhoneが色の補正を動かし、舞台の色が場面ごとに揺れるのを止めるためです。
三脚を立てられる席なら、手ぶれ補正(拡張)をオフにすると、舞台の端から端まで画角に入りやすくなります。どこまで広がるかは前日の試し撮りで見ておきます。録画の開始と停止は音量ボタンでもでき、Apple Watchの「カメラリモート」を使えばiPhoneに触れずに済むので、三脚を揺らしにくくなります。手持ちなら、手ぶれ補正(拡張)はオンのままです。
演目ごとに録画を止めるかどうかも、前日に決めておきます。止めれば、ファイルが演目ごとに分かれ、ホワイトバランスをロックした色の基準も演目ごとに取り直されます。録画の合計も短くなり、DVDの5GBの境目(1080p/30fps・高効率+HDRオンで計算上約77分)の手前に収めやすくなります。止めずに撮るなら、開演前と休憩の時間は録画しない、と決めておくだけでも違います。
係として全員の分を撮るなら
園や教室の係として、出演者全員の家庭に配る動画を撮るなら、判断はさらに単純になります。行き先は配布用のディスクで、HDRビデオはオフ、FPS自動調整もオフ、1080p/30fps。特定の子に寄るズームは使わず、舞台全体が入る画角に固定して、演目ごとに録画を止めます。全員に同じものを配る以上、誰か一人に合わせた構図より、全員が画面に収まっていることが優先です。
演目ごとにファイルを分けておけば、入稿のときに「01_」「02_」と演目の順に番号を付けるだけで収録順が決まり、チャプターを付けたいときも演目の切れ目の時刻を拾いやすくなります。撮る人が二人いるなら、一人は全体の引き、一人は寄りの画、と役割を分け、二台の設定を先に挙げた五行でそろえます。三脚を使えるか、撮影位置がどこかは会場や主催者の決まりに従い、前日までに確かめておきます。
卒業式・入学式は、止められない長さで考える
式典は、演目の切れ目が無い行事です。開式から閉式まで、呼名、証書の授与、式辞、呼びかけや合唱が続き、途中で録画を止める区切りが見つけにくい。体育館なら窓からの光と照明が混ざり、講堂なら壇上だけが明るい。発表会と同じ設定を土台に、長さの扱いだけを変えます。
設定は、1080p/30fps、高効率、FPS自動調整はオフ、カメラをロックはオンで、発表会と同じです。窓の光が入る体育館では、ホワイトバランスをロックもオンにしておくと、雲がかかったときに色が揺れにくくなります。HDRビデオは、配るディスクにするならオフ。ここで効いてくるのが容量の差で、HDRをオフにすると1分が約65MBから約60MBに下がり、DVDの5GBの境目が計算上約77分から約83分へ延びます。80分の式を通しで撮るなら、オンで約5.2GB、オフで約4.8GBと、境目をまたぐかどうかが変わります。
呼名で立ち上がる一瞬を、あとで大きく切り出したい。4Kにしたくなるのは、そういうときです。ブルーレイにする前提で、自分で編集して切り出すなら理由にはなります。120分を4K/30fps・高効率+HDRオンで撮ると計算上約22.8GBで、ブルーレイの25GBの境目の手前には収まりますが、DVDの5GBは約26分で越えます。呼名の場面だけを大きく残したいなら、4Kで撮って切り出すより、録画を止めずにその場面だけズームで寄るほうが、容量の面でも編集の面でも軽く済みます。カメラをロックをオンにしておけば、寄った拍子にカメラが切り替わる心配もありません。
止められない行事では、容量より先に電池と空き容量の余裕が効きます。120分を1080p/30fps・高効率+HDRオンで撮り続けると計算上約7.8GB。空きは10GB以上を見て、前夜に充電を満たし、モバイルバッテリーをつないだまま撮れる席なら、つないでおきます。録画の途中で電池が切れると、設定がどれほど正しくても、その先は残りません。
録画を止めるなら、家族で「残さなくてよい」と決めた時間だけにします。式次第が配られていれば、どこで止めてどこで再開するかを前日に丸で囲んでおくと、当日に迷いません。止めたところでファイルが分かれ、あとでチャプターを付けるときの目印にもなります。学校によっては撮影できる場所や三脚の使い方に決まりがあるので、前日に案内を読み直すのも準備のうちです。
結婚式では、会場の決まりを確かめてから設定に入る
結婚式は、設定より先に確かめることがある行事です。式場によって、持ち込みのカメラで撮れる場所、三脚の可否、挙式中の撮影の扱いが決まっていて、プロの撮影が入る会場では立ち位置にも配慮が要ります。招待された側なら、新郎新婦に撮った動画をどう渡すかも、前日までに聞いておきたいところです。式場ルールの確かめ方は結婚式の撮影を持ち込むには にまとめています。
渡し方が決まると、設定が決まります。新郎新婦や、ムービーを作る友人の編集の素材として渡すなら、HDRビデオはオフ、FPS自動調整もオフ、1080p/30fps。編集する人から解像度やフレームレートの指定があれば、それに合わせます。何人かのゲストの動画を集めて一本にする計画なら、「行事ごとに変わる設定」の節で書いた五行を、招待客のグループに前もって送っておくと、集まった動画の設定がそろいます。
親族として撮り、式場のプロの映像と自分の動画を一本につなぎたいなら、プロの側の解像度とフレームレートを前もって聞いておきます。形式が近いほど、つなぎ目で画の印象が変わりにくいからです。聞けなかったときは、基準の1080p/30fpsで撮っておきます。
披露宴の会場は、入場の暗転、スポットライト、キャンドルの灯りと、明るさと色の両方が短い間隔で変わります。ホワイトバランスをロックとカメラをロックはオンに。ロックした色の基準は録画を始めた瞬間の照明で決まると考えて、暗転の最中に録画を始めないようにします。祝辞や余興のように区切りのはっきりした場面ごとに録画を止めれば、容量も色の基準も場面ごとに整います。披露宴を通しで撮り続けると、1080p/30fps・HDRオフでも150分で計算上約9GBです。
挙式と披露宴では、撮り方の前提も違います。挙式は短いうえに途中で止める区切りがほとんど無く、会場も静かです。録画の開始や停止のたびに画面を触る動きは目立つので、挙式が始まる前に録画を始め、終わるまで止めない、と決めておきます。チャペルや神殿の照明が一定なら、挙式ではホワイトバランスのロックのオンとオフで差は出にくく、効いてくるのは披露宴のほうです。
会場で上映されるムービーを客席から撮るより、作った人から元のファイルを受け取るほうが、画も音もずっと確かです。ただ、ムービーに市販の曲や他人の映像が使われていると、それを複製してよいかは別の問題になります。当社でディスクにできるのは、自分で撮影・制作した動画と、権利者の許可がある動画です。判断に迷うものは、作った人や式場に確かめてから進めます。
旅行|何日分を撮るかで解像度が決まる
旅行の動画は、最後にどの形で見るかがまだ決まっていないのが普通です。帰ってから家族で見返すだけかもしれないし、何年か後に1枚のディスクにまとめるかもしれない。この「決まっていない」ことが、ほかの行事と答えを変えます。配る予定の無い記録なので、HDRビデオはオンのままで構いません。オフで撮った動画はあとからHDRに戻せないので、情報の多いほうで残しておき、ディスクにする日が来たらSDRにする、という順で困りません。
解像度を決めるのは、何日分を撮るかと、本体の空きです。1日に20分ずつ3日撮れば合計60分で、4K/30fpsなら計算上約11.4GB、1080p/30fpsなら約3.9GB。写真も撮る旅行では、その分も空きを食います。景色は4Kの細かさがいちばん生きる被写体なので、空きに余裕があり、データのまま4Kのテレビで見返す家庭なら4K/30fps、そうでなければ1080p/30fpsです。途中で空きが心配になったら、宿で外部ストレージに移す手があります。写真アプリで選んで共有ボタンから「未編集のオリジナルを書き出す」を選び、書き出す場所を指定すれば、元の形のまま移せます。
ヨーロッパへ行くからといって、「PALフォーマットを表示」をオンにする必要はありません。説明文にヨーロッパなどのテレビの方式と書かれているので迷う人もいますが、これは25fpsや100fpsを一覧に出すための項目で、旅先で撮る動画の方式とは関係がありません。見るのが日本のテレビやDVDなら、国内と同じ30fpsで撮ります。
FPS自動調整は、夜の街や照明を落としたレストランで24fpsに落ちる場面が出てきます。見て楽しむだけならオンでも困りませんが、あとで編集して1本にまとめる、ディスクにする、という予定が少しでもあるならオフにしておきます。歩きながら撮る場面や乗り物の中では、アクションモード(最大2.8K・60fps。iPhone 14以降で、16eと17eを除く)が手ぶれを抑えます。これも保持はせず、その場面だけオンにします。旅行の間は設定を途中で変えないことが、帰ってから一本につなぐときの手間をいちばん減らします。
旅行の動画は本数が多くなります。短いクリップが数十本になることもあり、ディスクにするときは見せたい順に並べる作業が要ります。写真アプリの「情報」で撮影日時が分かるので、日付の順に並べて「01_」「02_」と番号を付ければ、そのまま収録順になります。本数が多すぎて番号付けが大変なら、日ごとに1本にまとめる編集をしてから入稿する手もあります。どちらにするかは、帰りの電車の中で決めておけば十分です。
前日の最後に10秒の試し撮り、当日の朝は見るだけ
設定を決め終えたら、その設定のまま10秒だけ撮ってみます。見るのは、決めたとおりに撮れているかどうかで、画のきれいさではありません。本番と同じビデオモードで撮り、写真アプリで開いて上にスワイプすると出る「情報」で、ファイルサイズを確かめます。ここで食い違いが見つかれば、直す時間はまだたっぷりあります。
10秒の目安は、1分の目安を6で割った値で、1080p/30fps・高効率+HDRオンなら約11MB、HDRオフなら約10MB、HDRオンの1080p/60fpsなら約17MB、4K/30fpsなら約32MB、互換性優先の1080p/30fpsなら約22MB(いずれも計算値)。試し撮りの場面は本番より動きが少なく、数字は小さめに出ることもあるので、合わせるのは桁と倍率です。約32MBなら1080pのつもりが4Kに、約22MBなら互換性優先になっていると見当が付きます。
部屋の明かりを落として、もう10秒撮っておくのも役に立ちます。FPS自動調整をオフにした設定で、明かりの少ない場面がどのくらい暗く写るかを前もって見ておけば、当日の暗転で画面が暗くなっても慌てずに済みます。最後にカメラを閉じて開き直し、ビデオモードで立ち上がるかを見ます。「設定を保持」の「カメラモード」が効いているかの確認です。試し撮りの動画は、確かめ終えたら消しておきます。
当日の朝に見るのは2か所
当日の朝は、設定を変えません。見るのは二か所だけです。一つは設定アプリの「カメラ」>「ビデオ撮影」で、前日に選んだ行にチェックが付いているか、HDRビデオとFPS自動調整が決めたとおりかを見ます。もう一つはカメラの画面の上部に出る解像度とフレームレートの数字で、前日と同じかを見ます。夜のうちにiOSの更新が入った、家族が触った、といった変化があっても、この二か所で気づけます。
空き容量と電池も、家を出る前に数字で見ます。前日に計算した空きより減っていれば、何が増えたかを探すより、撮らない時間を決めるほうが早い。図は、朝に見る項目を一枚にしたものです。上から順に見て、全部に丸が付いたら、そのあとは録画の開始と停止だけを考えます。
朝は設定を変えず、前日に決めたとおりかを上から順に見るだけにする
会場に着いて席が決まったら、カメラを開き、画面上部の数字をもう一度だけ見ます。三脚を使うならここで固定して構図を決め、録画ボタンの位置を確かめて開演を待つ。手持ちなら、構える向きを横に決めてから録画ボタンを押します。縦に構えたまま撮り始めると、ディスクの横長の画面では左右に帯が付いた形になります。
席で迷いが出たら、前日に決めた値を信じて、そのまま撮り始めます。会場の雰囲気を見て「やっぱり4Kに」と切り替えると、容量の計算も、5GBの境目の見積もりも、前日の分がすべて崩れます。設定を変えるのは、会場が想定と大きく違ったときだけ。変えたら、その日の動画の中で設定が混ざったことを覚えておき、入稿のときに書き添えます。
失敗の型と、順番のどこで防げたか
撮り終えてから気づく失敗は、前日の順番のどこか一つを飛ばしたところから起きます。症状、原因、防げた手順の番号、撮ったあとにできることを表にしました。番号は、最初の節の表の「順番」の列に対応しています。撮ってしまった動画でも、ディスクにできなくなるものはほとんど無く、多くは次の行事で直す種類の失敗です。
症状
原因
防げた手順
撮ったあとにできること
容量が足りず、途中で録画が止まった
前の行事の4Kのまま/空きを計算していない
2・9
止まった部分は戻らない。次は1週間前に空きを見る
ファイルが思っていた2倍の大きさ
互換性優先のまま
1
そのまま入稿できる。送る時間と5GBの境目に響く
暗い場面の動きがぎこちない、編集すると音が合わない
FPS自動調整がオン
5
固定のフレームレートに変換してから編集する
テレビで見ると色の印象が違う
HDRのまま撮り、SDRになったときに見え方が変わった
4
自分でSDRにした版で見比べる。次からは配る動画はオフ
ズームの途中で画の質感が一瞬変わる
カメラをロックがオフ
6
編集でその部分を切る
舞台の色が場面ごとに揺れる
ホワイトバランスをロックがオフ
6
編集ソフトで色をそろえる
25fpsで撮っていた
「PALフォーマットを表示」がオン
3
ディスクにはできる。DVDでは29.97fpsへの変換が入る
1本だけ設定の違う動画がある
写真モードの長押しで撮った
8
そのまま混ぜて入稿できる
前日、一覧に4K/60 fpsが無い
互換性優先になっている
1
高効率に戻せば一覧に出る
撮ったあとでは取り返せない型
録画が途中で止まる失敗は、撮ったあとでは取り返せない唯一の型です。原因の候補は二つで、前の行事で4Kにしたまま戻していないか、空き容量を計算していなかったか。どちらだったかは、写真アプリで止まった動画の「情報」を開き、ファイルサイズを録画時間で割ると分かります。1分あたり約190MBなら4K/30fps、約65MBなら1080p/30fpsです(高効率+HDRオンの目安)。電池切れで止まった場合も、残るのは止まるまでの部分だけです。
防ぐ手は、手順の最後にある空き容量の計算と、前日の10秒の試し撮りの二つです。試し撮りのファイルサイズで解像度の取り違えに気づき、計算で空きの不足に気づく。どちらも前日の夜のうちに済む作業で、当日にできることはほとんどありません。止まったことに気づくのも、たいていは演目が終わって画面を見たときです。
ディスクにはできるが、見え方が変わる型
暗い場面で動きがぎこちなく見える、編集ソフトに入れると後半で音が合わない。こうした症状は、FPS自動調整をオンにしたまま撮った動画で起きることがあるとされます。1本の途中で、フレームレートが切り替わっているためです。確かめるには、パソコンで動画の情報を表示するソフトを使い、フレームレートが可変になっているかを見ます。編集するなら、先に固定のフレームレートに変換してから取りかかります。自分で編集せずにディスクにする場合は、FPS自動調整がオンだったことを入稿のときに書き添えておきます。
iPhoneでは鮮やかだったのに、DVDにしてテレビで見ると色の印象が違う、というのはHDRの型です。HDRのまま撮った動画はディスクにする段階でSDRになるので、明るい空や照明の強い舞台で差が出やすい。撮ってしまった動画をHDRで撮らなかったことにはできませんが、配る前に自分でSDRにした版を作り、見比べる手はあります。次に配る行事からは、手順4でオフにします。
25fpsで撮っていた場合も、ディスクは作れます。DVDは29.97fpsで作るので、その変換が入るというだけです。次の行事までに「PALフォーマットを表示」をオフにしておけば、一覧から25fpsの行が消え、選び間違いそのものが起きなくなります。
設定が混ざった型
行事の途中で設定を変えた、家族のiPhoneと設定が違った、という理由で、同じ行事の中に設定の違う動画が混ざることがあります。写真モードのままシャッターボタンを長押しして撮るQuickTakeビデオも、古い機種の設定画面では「QuickTakeビデオは常に1080p HD/30 fpsで撮影します。」と説明されていて、1本だけ設定が違う原因になります。新しい機種の説明は「HDRで最大4K 60 fpsまで現在のビデオ設定で撮影します」です。
形式がそろっていなくても、収録順が分かれば、ディスクは1枚にまとめられます。入稿のときに、どの動画がどの設定だったかを一言書いておけば事情が伝わります。気をつけたいのはHDRのオンとオフが混ざったときで、同じ演目の前半と後半で色の印象が変わることがあります。家族で撮る日は、前日に五行の設定を送り合っておくのが、この型をまとめて防ぐ方法です。
前日のうちに気づける型
表の最後の行は、撮る前に気づける型です。「ビデオ撮影」の一覧に4K/60 fpsが見当たらない、HDRビデオの項目名が「HDRビデオ(高効率)」になっている。どちらも、フォーマットが互換性優先になっている印です。前日の手順1で気づけば、高効率に戻すだけで済みます。気づかないまま撮ると、容量が2倍になるうえ、配る予定の無い日常の記録までH.264で残ることになります。
撮った日の夜に、元のまま取り込む
行事が終わったら、その日の夜のうちに、撮った動画をiPhoneの外へ移します。次の撮影のために空きが要るからでもあり、iCloud写真の「ストレージを最適化」がオンだと、容量が足りなくなったときに本体の写真やビデオが省スペースの版に置き換えられていくからでもあります。オリジナルはiCloud写真に残りますが、Windowsのパソコンに読み込む前には、オリジナルのフル解像度の写真とビデオをiPhoneにダウンロードしておく必要がある、とAppleは案内しています。
パソコンへつなぐ前に、「設定」>「アプリ」>「写真」の「MacまたはPCに転送」を「元のフォーマットのまま」にします。「自動」のままだと、互換性のある形式に変換して転送されることがあり、HEVCで撮ったはずの動画がH.264で届く、という食い違いが起きます。前日にフォーマットを高効率と決めたなら、取り込みでもその形を保ちます。この項目の意味と、変換されたかどうかの見分け方は、元のフォーマットのままの設定 にまとめています。
Macなら写真アプリの「読み込み」で取り込めます。Windowsでは、Microsoft Storeの「Appleデバイス」アプリを入れてからiPhoneをつなぎ、iPhoneの画面に「このコンピュータを信頼しますか?」と出たら「信頼」を選びます。つなぐケーブルでかかる時間も変わり、Pro系とiPhone DuoはUSB 3(最大10Gb/s)ですが、その速度を出すには10Gb/sに対応したUSB 3のケーブルが要ります。iPhone 17・Air・17e・16・16eはUSB 2(最大480Mb/s)で、計算上の上限の毎秒60MBで見ても、4K/30fps・高効率+HDRオンで90分撮った約17.1GBの移動に約5分かかります。
パソコンを使わずに、USBメモリやSSDへ直接移すこともできます。写真アプリで動画を選び、共有ボタンから「未編集のオリジナルを書き出す」を選んで、「場所」で外部ストレージを指定して「保存」。外部ストレージは、データパーティションが1つで、APFS、macOS拡張(HFS+)、exFAT、FAT32などの形式になっている必要があります。名前のとおり、写真アプリで始まりと終わりを切り詰めていても、書き出されるのは切り詰める前の元の動画です。元の長さのままディスクに入ることになるので、不要な部分を落としたいなら、パソコンに移したあとで編集ソフトで切ります。
取り込み先にも、撮った分だけの空きが要ります。外付けのSSDやHDDを置き場所にするなら、WindowsとMacの両方で読み書きしたい場合はexFATにしておくと扱いやすく、外付けHDDは多くの場合、外部電源が必要です。容量に余裕のある置き場所を一つ決めておけば、行事のたびに移し先を探さずに済みます。
取り込んだら、その場で三つを確かめます。本数が撮った数と合っているか。合計の容量が、撮った長さと1分の目安から出した見当と大きく違わないか。何本かを最初と最後まで再生して、途中で止まっていないか。ここまで確かめてから、iPhoneの中の動画を消すかどうかを決めます。ディスクが届くまでは、iPhoneとパソコン(または外部ストレージ)の二か所に置いておくと安心です。
家族のiPhoneから動画を集めるとき
家族が撮った動画を1か所に集めるときも、形を変えずに受け取ります。AirDropで受け取るなら、送る側が共有の画面で「オプション」を開き、「すべての写真データ」をオンにして送ると、元のファイルのまま届きます。iOS 27のガイドでは、この項目はAirDropでだけ使えるとされています。オプションが「自動」のままだと、AirDrop、メッセージ、メールなどで送るときに、相手に合わせてH.264などの形式に変わることがあります。
iCloudの共有アルバムに集める方法もあります。iOS 27以降で作った共有アルバムはオリジナルの形式・フル解像度で共有されますが、iOS 26以前に作ったアルバムでは、ビデオは最大720p・最長15分で配信されます。行事の動画を集めるなら、iOS 27のiPhoneで新しいアルバムを作るのが確実です。iOS 27の共有アルバムは、リンクを知っている人が参加でき、AppleのアカウントやApple製の機器が無い人もWebから参加して写真を追加できます。写真やビデオを共有すると、撮影日時や場所などの情報も一緒に渡る点は、配る範囲を決めるときに思い出しておきます。
1週間前から入稿までを逆に数える
設定の話を、行事の日を真ん中に置いた日程に並べ直すと、仕事は前日の夜だけに集まっていないことが分かります。1週間前と、撮った日の夜にも、それぞれ外せない作業があります。図は、その流れを七つの時点に分けたものです。どの時点の作業も、一つ前の時点が済んでいることを前提にしています。
前日に集中しがちな準備を、1週間前と撮った日の夜に分けて置いた段取り
1週間前にやるのは、空き容量の確認です。要る容量を行事の長さと設定から出し、足りなければ古い動画をパソコンか外部ストレージに移します。iOSの更新を入れるなら、この時期に済ませておきます。画面の項目名や選択肢はiOSのバージョンで変わることがあるので、更新したあとは「カメラ」の画面を一度上から見直しておくと、前日の夜に戸惑いません。
3日前には、ほかの人と決めることを片付けます。家族や係の何台かで撮るなら、設定の五行を送る。会場の撮影の決まりを案内で読み直す。三脚を使うなら、立てられる場所があるかを確かめる。どれも相手のある作業で、前日の夜に気づいても間に合わないことがあります。
行事が続く季節は、段取りが重なります。運動会の動画をiPhoneに残したまま次の発表会の週を迎えると、1週間前の空きの確認で慌てることになります。一つの行事の取り込みと確認を終えてから、次の行事の準備に入る。この順を守るだけで、前日の夜の作業は毎回同じ手間で済みます。
前日の夜は、冒頭の表を上から埋め、10秒の試し撮りをして、充電を満たします。モバイルバッテリーとケーブル、三脚を使う人は雲台とホルダーも、同じ袋に入れておきます。当日の朝は二か所を見るだけ、撮影中は録画の開始と停止だけ。帰宅した夜に元のまま取り込み、翌日以降に、配る分を選んで番号を付け、入稿します。
配る日が決まっているなら、そこから逆に数えます。当社の通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。15時以降のご注文は翌営業日の受付になり、土日祝の注文・入稿は翌営業日からの作業で、発送までの日数は土日祝と休業日を除いた営業日で数えます。行事から配る日までが短いときは、特急お届けやお急ぎお届けといった短納期のオプションもあるので、撮る前の段階で配る日と照らし合わせておきます。
撮った動画をディスクにする。当社への入稿の手順
取り込んだ動画をディスクにするときは、前日にメモした行き先に戻ります。DVDで祖父母に配るのか、ブルーレイで自宅用に残すのか。当社の料金では、基本料金(DVD・1枚あたり)は1,500円、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)も1,500円で、オーサリングと書き込み、ケース入れ込みが含まれます。同じ内容を祖父母の家の数だけ増やすなら、2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)の1,000円です。注文は1枚からできます。
DVDかブルーレイかで迷ったら、次のように分けます。4Kで撮った細かさを少しでも残したいならブルーレイで、1920×1080で作ります。配る相手のプレーヤーが分からないならDVD。両方を作ることもでき、その場合はDVDとブルーレイがそれぞれ1枚目から数えられます。行事の録画が長く、DVD1枚に収めると画質が気になるときは、2層ディスクや2枚に分ける選択肢もあるので、注文の前に相談・問い合わせフォームで確かめておくと確実です。
送るファイルは、取り込んだままのものです。高効率で撮った動画をH.264に変換したり、自分で小さくしたりする必要はありません。複数のファイルは、ファイル名の頭に「01_」「02_」と付けて収録順を指定します。家族のiPhoneで撮った動画が混ざっていても、番号で順番が分かれば足ります。
ファイルは、ギガファイル便で共有URLを作り、注文フォームに貼ります。スマホからも入稿できます。ギガファイル便を使うなら、保持期限はアップロードの前に選びます。初期値は5日で、3日から100日まで7種類あり、アップロードしたあとで延ばせません。スマホからの送り方はスマホでギガファイル便に動画を送る手順 にまとめました。
注文は、DVDならDVD書き込みの注文ページ 、ブルーレイならブルーレイ書き込みの注文ページ からです。演目や種目ごとに頭出ししたいなら、チャプター分け(1枚あたり)+1,500円のオプションを選ぶと「チャプター位置の指定」の欄が開くので、区切りたい位置を時刻で入れます。1つ目は動画の冒頭00:00:00に自動で入り、2つ目以降を00:00:01以降で、最大50まで指定できます。
チャプターの時刻は、1本で通して撮った動画なら、写真アプリで再生しながら、区切りたい場面の始まりを「時:分:秒」でメモしていけば拾えます。演目ごとにファイルを分けて撮った場合の時刻の数え方で迷ったら、注文の前に相談・問い合わせフォームで確かめておきます。
配る相手の再生機器や配る日など、それ以外の希望は注文フォームの備考欄に書きます。撮った機種と設定を「iPhone 16、1080p/30fps、HDRオフ、FPS自動調整オフ」のように一行添えておくと、どんな素材かが伝わります。書く項目の雛形はiPhone動画のディスク化で伝えること にあります。受け取った動画は、当社でプレーヤーで再生できる形に組み立てて書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、店舗でお渡しします。注文の前に確かめたいことは、相談・問い合わせフォームから連絡できます。
自分でディスクにする場合との境目
自分でDVDやブルーレイにする道もあります。要るのは、書き込みのできるドライブ、DVD-VideoやBDMVの形に組み立てるソフト、空のディスク、それに再生を確かめるプレーヤーです。iPhoneの動画ならではのつまずきはHEVCとHDRの扱いで、WindowsではHEVCを再生するためにMicrosoft Storeの拡張機能が要る場合があり、HDRのまま撮った動画はSDRにしないと、色の印象が変わることがあります。
使うソフトがHEVCを読めないときは、先にH.264へ変換します。Macなら、QuickTime Playerで動画を開き、「ファイル」>「書き出す」で形式のポップアップを「ファイルサイズ重視(HEVC)」から「互換性重視(H.264)」に変えて保存する、という手順がAppleの案内にあります。HDRの動画をSDRにする作業や、DVDの29.97fpsに合わせる作業は、使うソフトの機能と手順しだいです。
比べる物差しは、手間と道具と、失敗したときの損失の三つです。道具がそろっていて、配る日まで余裕があり、1〜2枚で済むなら、自分で作って再生を確かめるのは十分に現実的です。配る日が決まっていて失敗できない、枚数が多い、HEVCやHDRの扱いに自信が無い、という条件が重なるなら、頼むことを考える目安になります。どちらを選んでも、元の動画はパソコンか外部ストレージに残しておきます。
今夜できるのは、設定アプリの「カメラ」を開いて、冒頭の表の順に上から見ていくことです。行き先を一行メモに書き、フォーマット、ビデオ撮影、HDRビデオ、FPS自動調整、ロック、音、保持の順に決め、最後に10秒だけ撮ってファイルサイズを確かめる。そこまで済めば、明日の朝は二か所を見るだけです。
よくある質問
Q. iPhoneの動画をDVDにするなら4Kと1080pどちらで撮るか A. DVDだけが行き先なら1080p/30fpsで足ります。DVDの画面は720×480で、1080pの画は縦横それぞれ半分を切り出しても960×540とDVDの枠より大きいからです。4Kは、ブルーレイにして自分で一部を切り出して拡大する予定があるときや、データのまま4Kのテレビで見る機会が多いときに選びます。
Q. 行事の前日にiPhoneのカメラ設定で最低限見るところ A. 「設定」>「カメラ」の「フォーマット」が高効率か、「ビデオ撮影」で1080p HD/30 fpsなど決めた行が選ばれているか、HDRビデオとFPS自動調整が決めたとおりか、の三つです。前の行事で4Kや互換性優先にしたまま戻していないかを、ここで確かめます。時間があれば、10秒の試し撮りでファイルサイズの桁も見ておきます。
Q. 互換性優先にしないとDVDにできないのか A. できます。ディスクにする工程で映像はDVDの形式に作り直されるので、撮る時点でH.264にしておく必要はありません。互換性優先にすると、1080p/30fpsの1分が約65MBから約130MBへ2倍になり(設定画面の目安)、4K/60fpsやHDRビデオも選べなくなります。高効率のまま撮ったファイルをそのまま送れば足ります。
Q. HDRビデオをオンのまま撮った動画もDVDにできるか A. できます。DVDと通常のブルーレイの規格にはHDRの枠が無いとされるので、ディスクにする段階でSDRの映像になります。そのとき、iPhoneの画面で見た明るさや色と、テレビで見るディスクの印象がずれることがあります。配ることが決まっている行事なら、前日にオフにしておくと、撮ったときの見え方とディスクの見え方が近づきます。
Q. 60fpsで撮った運動会の動画はDVDでも滑らかに見えるか A. DVDは29.97fpsで作るので、60fpsの滑らかさがそのままの形で残るわけではありません。ブルーレイでの扱いは作り方と規格の組み合わせで変わるため、60fpsがそのまま残るとは言い切れません。ディスクが主な行き先なら30fpsで十分で、60fpsはデータのまま見返す機会が多い家庭が選ぶ設定です。
Q. FPS自動調整は行事の日にオフにしたほうがよいか A. ディスクにする前提ならオフにします。暗いホールの発表会や披露宴、撮ったあとに編集する予定がある日は、とくにオフが向きます。オンのままだと、暗い場面でフレームレートが24fpsに落ち、1本の動画の中でフレームレートが変わることがあります。明るい屋外の30fpsなら落ちる場面は少ないはずですが、明るさで分けるより、ディスクにする日はオフと決めておくほうが迷いません。
Q. 設定を保持で解像度やフレームレートも残るのか A. 解像度とフレームレートは「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」で選んだ値が残り続けるもので、「設定を保持」の対象ではありません。「設定を保持」は、カメラモードやアクションモード、Apple ProResなど、カメラを閉じると戻る項目を残すための一覧です。行事の日は「カメラモード」をオンにしておくと、ビデオモードで立ち上がります。
Q. 90分の発表会を撮るには空き容量がどれくらい要るか A. 1080p/30fps・高効率+HDRオンなら、1分約65MB(iOS 18.6の設定画面の目安)に90分を掛けて計算上約5.85GBです。写真や延長の分を見込み、10GBほど空けておくと落ち着いて撮れます。同じ条件の4K/30fpsなら約17.1GBになるので、20GBを超える空きが欲しくなります。
Q. 海外旅行ではPALフォーマットで撮るべきか A. その必要はありません。「PALフォーマットを表示」は25fpsや100fpsを一覧に出すための項目で、旅先の国の方式に合わせて撮る決まりはありません。日本のテレビやDVDは29.97fpsの系統なので、日本で見るディスクにするなら、国内と同じ30fpsで撮ります。
Q. 家族のiPhoneと設定が違う動画を1枚のDVDにできるか A. できます。形式がそろっていなくても、ファイル名の頭に「01_」「02_」と番号を付ければ、その順に1枚にまとめられます。入稿のときに、どの動画がどの設定かを注文フォームの備考欄に一言添えると事情が伝わります。HDRのオンとオフが混ざると前後で色の印象が変わることがあるので、次の行事からは前日に設定をそろえます。
Q. 撮った動画をパソコンに取り込むとき画質を落とさない方法 A. つなぐ前に、「設定」>「アプリ」>「写真」の「MacまたはPCに転送」を「元のフォーマットのまま」にします。「自動」だと互換性のある形式に変換されることがあります。iCloud写真で「ストレージを最適化」を使っているなら、Windowsに読み込む前に、オリジナルをiPhoneにダウンロードしておきます。
Q. iPhone Duoでも同じ設定で撮ってよいか A. 基本は同じで、高効率、1080p/30fps、配るならHDRビデオをオフ、FPS自動調整もオフです。iPhone Duoは2026年10月23日発売予定で、仕様ページでは4K 120fpsに対応し、ProResには対応していません。行事の記録では120fpsもProResも使わないので、決める順番はほかの機種と変わりません。