この記事の要点
帰省中にできるのは集める・記録する・選ぶ の三つまでで、取り込みは再生時間そのものがかかるため持ち帰ってから着手するのが現実的です。
ラベルは剥がさず写真に撮り、ケースに通し番号の付箋を貼る ことで、帰宅後にどのテープが何番のファイルなのかを迷わず突き合わせられます。
テープ端の白い粉やカビ臭などカビの兆候があるテープはデッキに入れず ポリ袋に隔離し、ヘッドと他のテープへ被害が広がるのを止めます。
実家のDVDレコーダーで焼いた未ファイナライズのディスク は、そのレコーダーがある帰省中にしか処理できないため、現地作業としての優先度が高いです。
磁気テープ製品の寿命はおおむね30年が上限 とする報告があり、1990年代のテープはすでにその時期に入っているため回収を先延ばししない判断が要ります。
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お盆や年末に実家へ帰ると、テレビ台の引き出しや押し入れの奥から、背表紙に手書きの日付が入ったビデオテープが出てきます。「そのうちデジタル化しないと」と毎回思いながら、荷物になるので置いて帰る。それを何度か繰り返しているうちに、テープを再生できる機械のほうが先に無くなっていきます。
滞在は長くて三日、実際に手を動かせるのは五時間あるかどうかです。その中で全部をデータ化しようとすると、まず途中で止まります。ビデオテープの取り込みは早送りができず、再生時間そのものがかかるからです。現地でやるべきことは、もっと手前にあります。
この記事では、帰省の三日間を「集める」「記録する」「選ぶ」の三工程に割り当てる時間割と、その場でしか判断できないこと(再生できるか、カビが出ていないか、未ファイナライズのディスクがないか)、そして運搬と帰宅後の段取りまでを、手を動かせる粒度で書きます。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
三日間でできるのは「集める・記録する・選ぶ」まで|取り込みは持ち帰ってから まず全部を一箇所に集める|探すのは押し入れ・テレビ台・仏間・物置・カメラバッグの5か所 ラベルは剥がさず写真で記録する|背・正面・窓の3カットと通し番号を付ける 再生機があるうちに冒頭30秒だけ確認する|「入るか・回るか・映るか」は現地でしか分からない テープ以外も同じ箱に入れる|未ファイナライズのDVDは実家のレコーダーがあるうちに処理する 持ち帰る優先順位|「再生機がない順」「劣化が進んでいる順」「撮り直せない順」の三軸で決める 運搬は「立てて・結露させず・分散して」|宅急便は三辺200cm・30kgまで 帰宅後は1本目で設定を固める|取り込みは実時間、24本なら週末12回ぶん 残す形は「クラウド+ディスク」|ファイルのままで終わらせない よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
三日間でできるのは「集める・記録する・選ぶ」まで|取り込みは持ち帰ってから
帰省の実働時間を正直に見積もると、初日は夕方に着いて挨拶と食事、中日が丸一日、最終日は午前中に出発、という形が多いはずです。テープの回収に使えるのは、初日の夜と中日の半日と最終日の朝を足して、五時間前後。この中で全部をデジタル化しようとすると、まず途中で終わります。
理由は単純で、ビデオテープの取り込みは早送りができないからです。VHSのT-120カセットは標準(SP)で120分、2倍(LP)で240分、3倍(EP/SLP)で360分の録画時間があります。取り込みは再生しながら録画するので、3倍で最後まで録られた1本には6時間かかります。10本あれば、平均3時間としても30時間。帰省の滞在時間では物理的に足りません。
取り込みは再生しながら録るので、録画時間がそのままかかる
そこで現地の仕事を三つに絞ります。集める・記録する・選ぶ 。取り込みは自宅に持ち帰ってから、機材を揃えて落ち着いてやる。この切り分けをしておくと、限られた時間でも確実に前へ進みます。逆に、現地で1本だけ取り込んで満足して帰る、というのが一番もったいない使い方です。
三日間の時間割の例
タイミング
所要
やること
初日の夜
90分
家中のテープと関連メディアを一箇所に集める
中日の午前
60分
ケースに通し番号を貼り、ラベルを写真で記録する
中日の午後
120分
再生機で冒頭だけ確認しながら、親に中身を聞く
中日の夕方
30分
未ファイナライズのDVDがあれば実家のレコーダーで処理
最終日の朝
40分
梱包して宅急便に出す、または手荷物へ分割する
合計で五時間強です。この配分なら、墓参りや親戚の集まりといった本来の帰省の用事とも両立します。中日の午後だけは親が同席できる時間に置いてください。理由は後述します。
まず全部を一箇所に集める|探すのは押し入れ・テレビ台・仏間・物置・カメラバッグの5か所
テープは一か所にまとまっていません。それでも出てくる場所はおおむね決まっていて、次の五か所を順に見ると取りこぼしが減ります。
テレビ台の引き出しと、その裏側 |一番よく再生されたテープが残っています
押し入れの上段、季節物の奥 |紙袋や菓子箱にまとめて入っていることが多い場所です
仏間・床の間の地袋、本棚の下段 |法事や結婚式の記録が置かれがちです
物置・納戸・ガレージ |温度と湿度の振れ幅が大きいので、状態確認の優先度が高い場所です
ビデオカメラのバッグの中 |撮ったまま本体に入りっぱなしのテープが見つかります
集めるときに一緒に確保したいのが、再生できる機械です。ビデオデッキ、8mmビデオカメラ、miniDVカメラ、DVDレコーダー。とくにカメラ系は、そのカメラが唯一の再生機であることが珍しくありません。VHSデッキは、今は新品を店頭で見かけることがほとんどありません。新品はもう手に入らない、という前提で今ある一台を扱ってください。
形式もこの段階で分けます。VHS(大きいカセット)、VHS-C(小型カセット。専用アダプタに入れてデッキで再生する)、8mm・Hi8・Digital8、miniDV、まれにBetamaxやMICROMV。外形が違うので、机の上で形ごとに山を作れば自然に分かれます。VHS-Cのアダプタが見つかったら、それも回収対象です。アダプタがないとVHS-Cは通常のデッキで再生できません。
最後に、集めた山を段ボール1箱にまとめ、上から1枚写真を撮ります。「何本あったか」という事実が残り、次回の帰省で持ち帰り漏れを確認する基準になります。
ラベルは剥がさず写真で記録する|背・正面・窓の3カットと通し番号を付ける
テープのラベルは糊が劣化していて、剥がすと破れます。剥がさずに写真で残してください。撮るのは三カット。ケースの背(棚に立てたときに見える面)、ケースの正面、テープ本体の窓側の面です。手書きが薄くて読めないときは、斜めから光を当てると陰影が出て読めるようになります。
撮る前に、ケースに付箋で通し番号を貼ります。001から順に番号を振り、番号順に撮影する。こうすると写真の並び順と番号が一致し、帰宅後の照合作業が消えます。番号はテープ本体ではなくケースに貼ってください。本体に貼ったシールが走行部に触れる位置だと、巻き込みの原因になります。
そして、この作業は親と一緒にやってください。「H2.4」とだけ書かれたラベルの中身は、撮った本人にしか分かりません。誰の何なのか、場所はどこか、写っているのは誰か。その場で聞いて、スマホのメモか音声録音で残します。テープは持ち帰れば後から何度でも見られますが、聞ける相手は今しかいないことがあります。この記事で一番実利が大きいのは、実はこの十数分です。
台帳に残す項目
番号
形式
ラベル表記(そのまま)
聞き取った内容
状態メモ
優先度
001
VHS
H2.4 入学式
長男の小学校入学式。祖父も写っている
ラベル良好・再生確認OK
A
007
Hi8
(無記名)
母によると新婚旅行
テープ端に白い粉
A(カビ疑い・隔離)
012
VHS
市販ソフト
—
—
C(持ち帰らない)
台帳はスマホの表計算アプリに直接打つのが早いです。手書きだと帰宅後に打ち直す手間が増えます。項目をすべて埋めようとしなくてよく、番号・ラベル表記・聞き取り内容の三つが入っていれば十分に機能します。空欄は帰宅後に取り込みながら埋まっていきます。
写真の並びと番号がそろい、帰宅後にどのテープか迷わない
再生機があるうちに冒頭30秒だけ確認する|「入るか・回るか・映るか」は現地でしか分からない
全部を通しで見る時間はありません。1本につき、頭出しして30秒。それから早送りで中盤に飛ばして30秒。この1分で四つのことが分かります。
デッキに入るか、ローディングが正常に終わるか
走行音に異常がないか(キュルキュル・キシキシという擦れ音、途中で引っかかる感触)
映像が出るか、砂嵐やノイズ帯がどれくらい出るか
音声が出るか、左右のバランスが極端に崩れていないか
ノイズが多いとき、テープの劣化ではなく録画モードが原因のこともあります。3倍(EP)で録られたテープは標準の3分の1のテープ速度で記録されており、もともとノイズに弱い。VHSの水平解像度は240TVL程度で、標準モードでもデジタル換算で概ね333×480ピクセル相当とされています。3倍録画ならさらに落ちます。これは取り込み側でどうにかなる話ではないので、期待値を現地で調整しておくと後でがっかりしません。
デッキに入れてはいけないテープの見分け方
次のどれかに当てはまるテープは、その場で再生せず、別のポリ袋に隔離してください。
カセットの窓から見えるテープの端に、白い粉や白い輪がある
ケースを開けたときにカビ臭や土のようなにおいがする
再生を始めた直後にキュルキュルと鳴り、映像が乱れて停止する
カビの生えたテープを再生すると、ヘッドとテープの通り道にカビが付き、その後に入れた健康なテープへ移ります。1本のために残り全部を傷めることになるので、確認は「1本ずつ入れて、異常が出たらそこで止める」順序で進めます。走行時にテープがガイドへ張り付く粘着系の劣化も同じで、無理に回すと磁性層が剥がれます。剥がれた層は戻りません。こうしたテープは自分で処置せず、テープ復旧を扱う専門業者へ相談する対象として台帳に印を付けておきます。
磁気テープの寿命については、米国のNational Media Laboratoryに在籍したJohn Van Bogart氏が図書館・アーカイブ向けにまとめた報告(1995年)で、「30年が磁気テープ製品の上限と見られる」とされています。1990年代前半に撮られたテープは、すでにその時期に入っています。今回の確認で問題がなかったテープも、次の帰省まで同じ状態でいるとは限らないと考えたほうが現実的です。
テープ以外も同じ箱に入れる|未ファイナライズのDVDは実家のレコーダーがあるうちに処理する
実家の映像はテープだけではありません。2000年代半ば以降はDVDレコーダーで録っているはずで、この世代のディスクには帰省中にしか解決できない問題があります。ファイナライズです。
DVDレコーダーで録画したDVD-RやDVD-RWは、ファイナライズという終端処理をしていないと、録画に使ったレコーダー以外では再生できません。パソコンに入れても中身が見えない、他社のプレーヤーで「ディスクを確認してください」と表示される、といった症状になります。そしてこの処理は、原則としてそれを録画したレコーダーでしか行えません。つまり、実家にそのレコーダーがある今のうちにやっておく作業です。判別方法と手順はファイナライズとは|忘れたディスクの見分け方と対処 にまとめています。処理には数分から十数分かかるので、中日の夕方に仕込んでおくとちょうどよく終わります。
あわせて回収するものは次のとおりです。
8cmのミニDVD(DVDカメラで撮ったもの。これもファイナライズの対象です)
SDカード・miniSD・メモリースティック(デジカメの動画が残っています)
親が機種変更で置いている旧スマホ・旧デジカメ本体
HDDレコーダー本体(内蔵HDDの録画は外へ取り出せないことが多く、持ち帰るかどうかの判断が要ります)
一方で、持ち帰らないものも決めます。市販のビデオソフト、レンタル落ちのディスク、テレビ番組を録画しただけのテープです。著作権法30条は複製が認められる範囲を「個人的に、又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」と定めており、配布したり事業に使ったりする用途はこの範囲から外れます。また、市販ソフトにはコピー防止の仕組みが入っていて、一般の取り込み機器では映像を記録できない仕様です。制作を外部へ依頼する場合も、対象は家族が自分で撮影した映像に限る、と考えてください。
持ち帰る優先順位|「再生機がない順」「劣化が進んでいる順」「撮り直せない順」の三軸で決める
段ボール2箱以上になったら、全部を一度に運ぶのは現実的ではありません。三つの軸で優先順位を付けます。
軸1|再生機の入手しやすさ
再生機が手に入りにくい形式ほど先に運びます。おおよその順序は、MICROMVやDigital8などの少数派が最も厳しく、次に8mm・Hi8、次にminiDV、VHSが比較的ましという並びです。VHSは中古のデッキがまだ流通していますが、新品の生産は2016年で終わっており、動作品の数は年々減っています。カメラでしか再生できない形式は、そのカメラの動作を確認できているうちに片付けるのが合理的です。
軸2|劣化の進み方
前章で隔離したカビ疑い・粘着疑いのテープは、優先度としては最上位ですが扱いは別です。他のテープと同じ箱に入れず、ポリ袋で個別に密封して分けて運びます。物置やガレージのように温度と湿度が大きく振れる場所に置かれていたテープは、押し入れのものより先に運ぶ判断でよいと考えられます。
軸3|撮り直せなさ
もう会えない人が写っているもの、一度きりの行事(結婚式、法事、入学・卒業、七五三、家の建て替え前の映像)を最優先にします。運動会や発表会は似た映像が複数年ぶん残っていることが多く、後回しにしても失うものが相対的に小さい。
三軸をかけ合わせて、A(今回持ち帰る)・B(次回)・C(持ち帰らない)の三段階を台帳に書き込みます。ここで大事なのは、全部を持ち帰れなくても、台帳と写真は今回のうちに仕上げておくことです。台帳さえあれば、次の帰省は「B印のものを箱に詰めるだけ」になり、作業時間が一気に短くなります。台帳がないと、次回また探すところからやり直しになります。
カビや粘着の疑いがあるテープは最優先。ただし密封して別に運ぶ
運搬は「立てて・結露させず・分散して」|宅急便は三辺200cm・30kgまで
詰め方で結果が変わります。テープは輸送中の衝撃と温度と水濡れに弱い、という前提で梱包します。
立てて詰める |テープはリールに巻かれた状態です。平置きにして上から荷重をかけるとテープの端に負担がかかります。本棚のように背を上にして立て、隙間を新聞紙やタオルで埋めて、箱の中で動かないようにします。
内側にポリ袋を敷く |段ボールの内側に大きめのポリ袋を入れ、口を折り返してから封をします。外装が雨で濡れても中身まで届きません。
結露を作らない |冬に暖房の効いた部屋から出して車のトランクへ積み、着いた先で暖かい室内に持ち込むと、箱の中で結露します。到着後は開封せず、室温に数時間なじませてから開けてください。夏も同様で、車内に長時間置くのは避けます。
重さを分ける |宅急便は三辺の合計200cm以内かつ30kgまで、1辺は170cmまでという規格です。ただし規格上限に近い箱は底が抜けます。持ち上げて重いと感じたら、ためらわず箱を分けてください。
2箱に分けて別便で出す |宅急便の責任限度額は荷物1個につき30万円(税込)ですが、家族の映像は金額では戻りません。全損の確率を下げるために、分けて出すほうが安全です。
磁気の影響を心配する声がありますが、荷物の中に強い磁石(マグネット式のスマホホルダー、スピーカー、磁気治療器など)を同梱しなければ、通常の宅配でテープの記録が失われる状況は考えにくいと言えます。それより現実的なリスクは、衝撃・高温・水濡れです。伝票に「精密機器」「天地無用」を指定しておくと扱いが変わります。
カビ疑いのテープは、健康なテープと同じ箱に入れないでください。密封したまま別の箱に入れ、到着後も袋を開けずに保管します。開けるのは、復旧を扱う業者に相談してからで構いません。
手荷物で持つ場合は、飛行機や新幹線の荷物棚に上げないで済む重量に分けます。テープ10本ぶんのトートバッグは、思っているより重くなります。
帰宅後は1本目で設定を固める|取り込みは実時間、24本なら週末12回ぶん
持ち帰ったら、いきなり全部を流さないことです。まず優先度の低い1本を選び、通しで取り込んで、その結果を見てから設定を決めます。ここで手を抜くと、20本取り込んでから音ズレに気づく、という事故が起きます。
必要なものは三つです。再生機(実家から持ち帰ったデッキ、または中古のVHSデッキ)、USB接続のビデオキャプチャ機器(コンポジット端子またはS端子の入力があるもの)、そして保存先のドライブ。miniDVはIEEE1394(DV端子)で取り込むか、カメラのアナログ出力からキャプチャ機器へ入れます。
1本目で確認するのは、映像の縦横比が正しいか(4:3が横に伸びていないか)、音ズレが最後まで出ないか、コマ落ちがないか、音声レベルが小さすぎないか。VHSの元の情報量は限られているので、解像度を上げても情報は増えません。720×480前後で素直に取り込み、補正は後から考えるほうが結果的に早く終わります。保存するファイル形式の選び方は動画ファイル形式の基礎|MP4・MOV・AVIの違い を参考にしてください。
ファイル名は台帳の通し番号と一致させます。「0007_1988_shinkon.mp4」のように番号を先頭に置くと、並び順が崩れません。1本のテープは1ファイルにしておき、分割は後で行います。取り込みながら細かく切ると、後で順番が分からなくなります。
設定は1本目で固める。20本取り込んでから音ズレに気づく事故を防ぐ
作業量の見積もり
本数
録画モードの想定
取り込みの実時間
週末に4時間ずつ進めた場合
6本
標準中心(約2時間/本)
約12時間
3週末
12本
標準と3倍が半々(約3時間/本)
約36時間
9週末
24本
3倍が多い(約4時間/本)
約96時間
24週末
数字を見ると気が遠くなりますが、取り込み中ずっとパソコンの前にいる必要はありません。手作業なのはテープの入れ替えだけです。土日に2本ずつ、と決めて回すのが続きます。時間をかけたくない場合は、この工程ごと代行に出すという選択もあります。
残す形は「クラウド+ディスク」|ファイルのままで終わらせない
取り込みが終わったファイルをパソコンの中に置いたままにすると、次はパソコンの故障で失います。テープを助けた意味がなくなるので、保存先を分けます。原本を手元のドライブ、複製を外付けドライブ、もう一つをクラウドに置く三重化が基本です。考え方と具体的な運用はクラウドとディスクの併用|3-2-1バックアップの実践 にまとめています。前述の1995年の報告でも、磁気テープの長期保存対策として複数のコピーを持つことが推奨されています。
この三重化のうち一つをディスクにしておく理由は二つあります。一つは、ディスクがネットワークにもアカウントにも依存しないことです。サービスの終了、課金の失効、パスワードの喪失で中身が見られなくなる、ということが起きません。ディスク自体の耐用年数と保管条件はCD・DVD・ブルーレイの寿命 にまとめました。
もう一つは、渡す相手のことです。実家の親、叔父叔母、法事に集まる親戚。この人たちに共有リンクを送っても、たいてい開かれません。テレビとプレーヤーがあれば見られるDVDやブルーレイは、いまも確実な渡し方です。
ディスクメーカーでは、動画データからDVD・Blu-rayを基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で制作しています。動画ファイルをそのまま再生できる形に組み立てるオーサリングは料金に含まれます。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、行事ごとのチャプター分けにも対応しているので、台帳の内容をそのまま「1990年 入学式」「1998年 結婚式」といった見出しにして渡せます。
入稿はダウンロードできる共有URLを送るだけです。ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなどが使えます。ギガファイル便は会員登録なしで利用でき、1ファイル300GBまで、保存期間を選んでアップロードできます。手順はギガファイル便での入稿ガイド をご覧ください。
法事や新盆のように日付が決まっている場合は、通常便のほかに、お急ぎ(+1,500円/平日15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)、特急(+3,000円/平日15時までのご注文・ご入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までのご注文・ご入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)から選べます。
よくある質問
Q. 実家のビデオデッキも一緒に持ち帰るべきですか A. 持ち帰りをおすすめします。VHSデッキは新品の生産が2016年で終わっており、動作する個体は年々減っています。実家のデッキは長年使われていない代わりに、その家のテープとの相性は確認済みです。持ち帰りが難しい場合でも、8mmやminiDVのビデオカメラだけは優先して回収してください。これらの形式は再生機がカメラ本体しかないことが多く、そのカメラが動かなくなると再生手段がなくなります。バッテリーが死んでいても、ACアダプタが一緒にあれば再生できることがあります。
Q. カビが生えたビデオテープは自分で再生してもいいですか A. 再生しないでください。カビの付いたテープをデッキに通すと、ヘッドとテープの通り道にカビが移り、その後に入れた健康なテープにも広がります。1本のために残り全部を傷めることになります。窓から見えるテープの端に白い粉や白い輪がある、ケースを開けるとカビ臭がする、といった場合は、その1本をポリ袋で密封して他と分けて保管し、テープ復旧を扱う専門業者に相談してください。乾いた布で拭く、アルコールで拭くといった自己処置は、磁性層を削って記録そのものを失う可能性があります。
Q. VHSのデジタル化は1本あたりどれくらい時間がかかりますか A. 再生時間と同じだけかかります。取り込みは再生しながら録画する仕組みなので、早送りができません。T-120のカセットなら、標準(SP)録画で約2時間、3倍(EP)録画で約6時間です。実家のテープは長時間録画のために3倍が使われていることが多く、平均すると1本3時間前後を見込んでおくと現実的です。12本あれば合計36時間ほど。週末に4時間ずつ進めるとして、二か月以上かかる計算になります。この時間を確保できないなら、取り込みごと外部に依頼する選択も検討する価値があります。
Q. 実家のDVDレコーダーで焼いたDVDがパソコンで読めません A. ファイナライズという終端処理が済んでいない可能性が高いです。DVDレコーダーで録画したDVD-RやDVD-RWは、この処理をしないと録画に使ったレコーダー以外では再生できません。そして処理は、原則としてそのレコーダーでしか行えません。つまり実家に帰っている今しかできない作業です。レコーダーのメニューから「ディスク管理」「ファイナライズ」といった項目を探して実行してください。数分から十数分かかります。見分け方と詳しい手順はサイト内の「ファイナライズとは」の記事にまとめています。
Q. テレビ番組を録画したテープもデジタル化していいですか A. 著作権法30条は複製が認められる範囲を「個人的に、又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」と定めています。家族の中で見るだけであっても、外部の制作代行に出す場合は扱いが変わりますので、当社では家族が自分で撮影した映像を対象としています。また、市販のビデオソフトやレンタル作品はコピー防止の仕組みが入っており、一般の取り込み機器では映像を記録できない仕様です。回収の段階で「自分たちで撮ったもの」と「番組録画・市販ソフト」を分けておくと、後の判断が楽になります。
Q. テープを宅配便で送っても大丈夫ですか。磁気の影響が心配です A. 荷物の中に強い磁石(マグネット式のホルダー、スピーカー、磁気治療器など)を同梱しなければ、通常の配送で記録が失われる状況は考えにくいと言えます。現実的なリスクは衝撃・高温・水濡れのほうです。テープは背を上にして立てて詰め、隙間を新聞紙で埋めて動かないようにし、段ボールの内側にポリ袋を敷いてください。伝票に「精密機器」「天地無用」を指定し、夏場は車内に長時間置かないこと。宅急便は三辺合計200cm以内・30kgまでですが、上限に近い重さの箱は底が抜けるので分けたほうが安全です。
Q. 全部は持ち帰れません。どれを優先すべきですか A. 三つの軸で決めます。第一に再生機が手に入りにくい形式(MICROMV、Digital8、8mm・Hi8、miniDVの順に厳しい)。第二にカビや粘着の兆候があるもの。第三に撮り直しがきかない内容(結婚式、法事、入学・卒業、故人が写っているもの)です。運動会や発表会は似た映像が複数年ぶん残っていることが多いので後回しにできます。そして、持ち帰らないぶんも台帳と写真だけは今回のうちに作っておいてください。次の帰省が「印を付けた箱を詰めるだけ」になり、作業時間が大きく減ります。
Q. デジタル化したデータをDVDにすると、いくらかかりますか A. ディスクメーカーでは基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位でお受けしています。動画ファイルを再生できる形に組み立てるオーサリングは料金に含まれます。盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、行事ごとのチャプター分けにも対応しているので、親や親戚へ配る形にそのまま仕上げられます。入稿はダウンロードできる共有URLを送るだけで、ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなどが利用できます。納期は通常便のほか、お急ぎ(+1,500円)、特急(+3,000円)、当日店舗お渡し(+3,500円)をご用意しています。