この記事の要点
撮影は片付け前と、家が空になった後の2回 に分けます。物がある状態は暮らしの記録、空の状態は間取りと造りの記録で、同じ部屋でも残せる情報がまったく違います。
玄関から一筆書き で歩く順路を先に決めておくと、撮り忘れが減ります。ドアを開ける動作ごと映しながら進むと、部屋どうしのつながりが後から見た人にも伝わります。
1部屋は全景・振り返り・天井と床・寄りの4カット で1〜2分に収まります。この形を決めておけば、家一軒でも30分から1時間程度で回りきれます。
柱の傷や押し入れの落書き、表札や門扉 は家族しか気づかない記録です。庭木や物置などの外まわりは、伐採や残置物の撤去で家本体より先に消えることがあります。
撮った映像は当日中に3-2-1バックアップ でコピーします。兄弟姉妹に同じ内容を配るなら、ディスクにまとめると受け身のまま最後まで見てもらいやすくなります。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
1枚から 作れます。 同じ 内容の 追加は 1枚1,000円 (税抜)です。
1枚1,500円(税抜)から・ 1枚から注文できます
解体の日程が決まってから実家に通うと、やることが一気に押し寄せます。遺品の仕分け、粗大ごみの手配、業者との打ち合わせ、近所へのあいさつ。そのなかで「家そのものを記録しておく」は、いちばん後回しになりやすい項目です。そして片付けが進むほど、撮れるものは気づかないうちに減っていきます。
限られた時間で実家を映像に残すには、撮影を片付け前と家が空になった後の2回に分け、玄関から一筆書きで歩き、1部屋を4カットで撮ります。撮ったデータはその日のうちに3か所へコピーし、兄弟姉妹に配るなら1枚ずつ形にします。特別な機材は要らず、手元のスマートフォンで今週末にそのまま実行できます。
やっかいなのは、失われたことに気づくのが解体のあとだという点です。柱の傷は柱ごと消え、押し入れの落書きは襖ごと運び出され、庭木は解体の前に伐られます。「あの部屋、どっち向きに窓があったっけ」という会話が出てくるのは、たいてい更地になってからです。
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
撮るタイミングは2回|片付け前と、家が空になった後 玄関から引き返さずに一筆書きで歩くと、撮り忘れが減る 1部屋は4カットで足りる|全景・振り返り・天井と床・寄り 家族しか気づかない記録|柱の傷、押し入れの落書き、建具の建て付け 外まわりは家より先に消えるので、表札・門扉・庭木・境界を先に撮る 光は朝と夕で変わる|逆光は室内に露出を合わせて撮り直す 音は10秒ずつ残す|引き戸、階段、換気扇、庭の音 データは当日中に3か所へコピーし、1枚のSDカードに置いたままにしない 共有フォルダは見に行かれないので、兄弟姉妹に配るなら1枚ずつ形にする よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
撮るタイミングは2回|片付け前と、家が空になった後
まず決めてほしいのが、撮影を1回で済ませようとしないことです。物がある状態の家と、空になった家は、記録として別のものになります。どちらか片方だけでは、後から見返したときにもう片方を惜しむことになります。
片付け前にしか撮れないのは、暮らしの痕跡です。食器棚に並んだ茶碗の位置、冷蔵庫に貼られた病院の予約票やマグネット、仏壇まわりの供え物、玄関の下駄箱の上に置かれた印鑑と鍵、押し入れを開けたときに詰まっている布団と段ボール。これらは「散らかっているから撮るのが恥ずかしい」と思われがちですが、後から価値が出るのはむしろこちらです。片付いた家の映像は不動産の内見動画に似てきますが、物がある家の映像は、そこに人が住んでいた証拠になります。
反対に、空になってから初めて撮れるものもあります。家具に隠れていた壁と床、押し入れの内部の造り、窓から入る光の入り方、部屋の実際の広さ、そして家具の裏に残った日焼けの線。畳を上げる予定があるなら、畳の状態も空の日にしか撮れません。間取りを正しく伝えたいなら、空の状態のほうが圧倒的に分かりやすくなります。
2回の撮影で残せるものの違い
撮る時期
そのときにしか撮れないもの
片付け前
棚や引き出しの中身、貼り紙・カレンダー、仏壇まわり、押し入れの詰まり具合、家具の配置、生活動線
空になった後
部屋の広さ、間取りのつながり、床・壁・天井の状態、押し入れ内部の造り、窓からの見え方、家具跡の日焼け
スケジュールは解体の着工日から逆算します。着工日は業者との契約時に決まるので、契約したその場で日付を控え、そこから足場や養生が組まれる日、鍵を引き渡す日をたずねておきます。足場と養生シートが入ると外観は撮れなくなり、鍵を返した後は中に入れません。この2つの締切のほうが、着工日そのものより先に来ます。
着工日より先に、足場と鍵の返却という2つの締切が来る
時間が取れず1回しか行けない場合は、片付け前を優先します。空の状態は、最悪でも解体直前の立ち会いや鍵の返却日にまとめて撮れる可能性が残りますが、物がある状態は一度なくなると二度と再現できません。
玄関から引き返さずに一筆書きで歩くと、撮り忘れが減る
撮り忘れの原因は、思い出した部屋に行ったり戻ったりすることです。「そういえば納戸を撮っていない」と気づいて戻り、戻ったついでに別の部屋を撮り、順番が分からなくなる。その結果、後から見返すと同じ部屋が3回出てきて、洗面所だけが一度も映っていない、ということが起こります。
これを防ぐいちばん簡単な方法が、玄関から一筆書きで歩くことです。外から玄関を入り、廊下を進み、突き当たりまで行って、そこから各部屋に入っては廊下に戻り、階段を上がって同じことを繰り返し、最後に玄関に戻る。この道順を先に頭のなかで一度歩いてから、録画を始めます。紙に間取りを雑に描いて矢印を引いておくと、当日は迷いません。
引き返さない道を先に決めておくと、撮り忘れと重複が減る
歩き方にはいくつかコツがあります。カメラは胸のあたりの高さに構えます。目線の高さより少し低いほうが、床と壁の関係が入り、部屋の広さが伝わります。スマートフォンは横向きに持ちます。テレビやパソコンで見るときに黒帯が出ず、後からディスクにまとめるときも扱いやすくなります。
歩く速度は、普段の半分。自分では遅すぎると感じるくらいでちょうどいい
ドアや襖は、開ける動作ごと映す。閉まった状態から開く映像があると、部屋どうしのつながりが分かる
部屋に入ったら、いったん3秒止まる。歩きながら撮り続けると、後から静止画を切り出せない
階段は上りと下りの両方を撮る。見える景色がまったく違う
撮りながら「ここが父の部屋」と一言だけ声を入れる。後から編集する人の手間が激減する
録画は部屋ごとに切らず、フロアごとに一本の長回しにしておくと順路が保たれます。ただしファイルが巨大になりすぎると扱いづらいので、1階・2階・外まわりのように3〜5本に分ける程度が現実的です。撮り直したいカットが出ても、その場で消さずに撮り直しを重ねていきます。消す判断は家に戻ってからで十分です。
もし家族が複数人で行けるなら、一人がカメラ、一人が案内役に回ります。案内役が先に部屋に入って電気をつけ、襖を開け、「この押し入れの上に兄の教科書が入ってた」と話す。この役割分担があるだけで、映像の情報量が変わります。
1部屋は4カットで足りる|全景・振り返り・天井と床・寄り
部屋ごとに何をどう撮るかを毎回考えていると、時間も気力も持ちません。型を1つ決めて、全部屋で同じことを繰り返します。おすすめは次の4カットです。
カット
撮り方
目安
1. 全景
入口に立ち、部屋全体を左から右へゆっくり一周させる
20〜30秒
2. 振り返り
部屋の奥まで進み、入ってきた入口を振り返って撮る
10秒
3. 天井と床
カメラを上に向けて天井、下に向けて床。照明器具・柱・畳の目が入る
15秒
4. 寄り
その部屋で残したいもの1〜3点に近づいて撮る
各10秒
この4カットで1部屋あたり1〜2分です。6部屋の家なら10分前後、押し入れや水まわりを足しても30分から1時間程度で回りきれます。「全部を丁寧に」と考えると1日では終わりませんが、この型なら片付けの合間にも入ります。
2番目の「振り返り」は忘れられがちですが、いちばん記憶に近い画になります。部屋から廊下を見る角度は、住んでいた人が毎日見ていた景色だからです。全景だけ撮って次の部屋へ行くと、この角度が一枚も残りません。
撮影設定は、迷ったら手を加えないほうが安全です。ふだんスマートフォンで動画を撮っている設定のままで問題ありません。もし設定を触るなら、解像度を上げるより、フレームレートを標準(30fps程度)に戻すほうが実用的です。60fpsや4Kはファイルが大きくなり、共有もディスク化も扱いづらくなります。撮れたファイルがどんな形式か気になる場合は、動画ファイル形式の基礎(MP4/MOV/AVI) を先に読んでおくと、後の作業がスムーズです。
もうひとつ、動画と並行して静止画も撮っておきます。動画から切り出した静止画は解像度が動画の設定に縛られますが、写真として撮ればカメラの持つ画素数がそのまま使えます。遺影に近い用途や、後から引き伸ばして印刷したい可能性があるもの(表札、家族写真が飾ってあった壁、庭の全景)は、動画とは別に写真でも押さえます。
家族しか気づかない記録|柱の傷、押し入れの落書き、建具の建て付け
不動産会社が撮る家の写真と、家族が撮る家の映像の違いはここに出ます。市場価値がゼロのものほど、家族にとっては替えが利きません。そして解体すれば、まとめて同じ廃材になります。
撮り漏らしやすい代表的なものを挙げます。歩きながら思い出す必要がないよう、当日はこの一覧を開いたまま回るのが確実です。
柱や壁の身長の傷。日付や名前が書かれていることが多いので、寄りで文字が読める距離まで近づく
押し入れや襖の裏の落書き。襖は開けた状態と閉めた状態の両方
建具そのもの。引き手の形、擦りガラスの模様、欄間、雨戸、ガラス戸のゆがみ
スイッチとコンセントのプレート。古い家ほど今は作られていない形をしている
造作。作り付けの本棚、床の間、仏間、階段下の物入れ
床の軋む場所。踏んで音が鳴るところを、足元を映しながら踏む
天井のシミ、壁の補修跡、地震のときに入ったひび
電話台、郵便受けの内側、ブレーカーの箱、水道メーターの蓋
時計やカレンダー、額を外した跡の日焼け。壁の色が抜けた輪郭は「そこに何があったか」の証拠になる
撮り方の原則は、寄りと引きをセットにすることです。柱の傷を寄りだけで撮ると、後から見た人には「どの柱か」が分かりません。傷に寄ったら、いったん引いて柱全体と部屋の位置関係を映してから次に行きます。引き1カット、寄り1カット。この2つで完結させます。
家族が同行しているなら、この場面で話してもらいます。「この傷は小学校の入学のとき」「この落書きは弟」と本人が言う声が入っているだけで、映像は資料から記録に変わります。長い話は要りません。10秒で十分です。むしろ長く語らせようとすると、話す側も撮る側も疲れて、途中で撮影が止まります。
なお、書類や賞状、家族写真のアルバムなど「持ち帰る予定のもの」は、この撮影の対象から外して構いません。ここで撮るのは、持ち帰れないものです。持ち帰れるものを撮り始めると際限がなくなり、本当に消えるものに時間を割けなくなります。
外まわりは家より先に消えるので、表札・門扉・庭木・境界を先に撮る
意外に思われますが、外まわりは建物本体より先になくなることがあります。庭木の伐採、物置や残置物の撤去、ブロック塀の撤去は、建物の解体に先立って行われる場合があるためです。「解体の前日に撮りに行こう」と考えていると、庭がすでに更地になっていることがあります。
外の撮り方も順路を決めます。まず道路の反対側に立ち、家の全景を引きで撮ります。ここが後から見返したときの「表紙」になります。次に道路から門へ、門からアプローチへ、アプローチから玄関へと、来客が歩く順に進みます。そのうえで、家の周りを時計回りに一周し、四方向すべての外観を撮ります。裏側と側面は生活のなかでほとんど見ていない面なので、意識しないと一枚も残りません。
全景を表紙にして、来客の順に進み、裏と側面まで一周する
個別に押さえておきたいものを挙げます。
表札。文字が読める距離で。手書きや彫りのものは質感が分かるよう斜めからも
門扉、門柱、郵便受け、インターホン、呼び鈴
庭木。木の全体と、幹の太さが分かる寄り。実がなる木は季節も添えて話す
庭石、灯籠、池、井戸、立水栓、物干し台
物置、勝手口、外階段、車庫、自転車置き場
外壁の素材、屋根(下から見上げる形で)、雨樋、換気口
境界標や塀。売却が絡む場合、境界の位置は後から確認したくなることがある
玄関からの見え方。玄関に立ち、外を向いて撮る。住んでいた人が毎日見ていた景色
家の外側だけでなく、周辺も少し撮っておくと後から役に立ちます。家の前の道、角にある店、通学路だった坂道、最寄りのバス停。家がなくなった後、記憶の手がかりになるのは家そのものより周囲の風景だった、ということが起こります。ただし周辺は、近所の方や他人の家が映り込みやすい範囲でもあるので、人が映らない時間帯を選び、他人の敷地内には入らないようにします。
外の撮影は天気に左右されます。曇りの日は影が出にくく全体が均一に写るので、記録目的にはむしろ向いています。雨の日は無理をせず、雨樋を流れる水音など雨の日ならではの記録に切り替えると、その日も無駄になりません。
光は朝と夕で変わる|逆光は室内に露出を合わせて撮り直す
同じ部屋でも、時間帯で見え方が変わります。西向きの部屋に差し込む夕方の光、朝の廊下に伸びる縁側の影、南の窓から入る昼の明るさ。「あの部屋は夕方になると赤かった」という記憶は、昼にだけ行って撮ると一枚も残りません。
とはいえ、同じ家に何度も通えるとは限りません。現実的な落としどころは、家族が「あの部屋といえばこの時間」と言える部屋を1〜2室だけ選び、その時間帯に合わせて訪問を組むことです。全部屋を朝夕2回撮ろうとすると破綻します。
撮影で最も失敗しやすいのは逆光です。窓を背にした人や、窓を含む構図で撮ると、カメラは明るい窓に露出を合わせ、室内が真っ黒になります。スマートフォンなら、画面上で室内の暗い部分を指でタップして、そこに明るさを合わせてから撮り直します。長押しでAE/AFがロックされる機種が多いので、ロックしてから構図を戻すと安定します。窓が白く飛ぶのは構いません。残したいのは窓の外ではなく、部屋の中です。
逆に、窓の外の景色を残したいカットは別撮りにします。窓に近づいて外に露出を合わせ、「この窓から何が見えていたか」だけを10秒撮る。1つの画で室内と屋外を両立させようとせず、2カットに分けたほうが結果は良くなります。
1つの画で室内と屋外を両立させず、部屋の中と窓の外の2カットに分ける
電気が止まっている家では、日中の自然光だけが頼りになります。この場合、撮影は晴れた日の午前中から昼過ぎに集中させ、雨戸とカーテンを全部開けてから回ります。窓のない納戸や廊下は、スマートフォンのライトを他の人に持ってもらい、カメラとは別の角度から当てると立体感が出ます。カメラのライトを正面から当てると平坦な画になり、影が全部飛びます。
夜まで滞在できるなら、外から見た夜の家も1カット残しておきます。窓に灯りがついている家の外観は、住んでいた記憶に最も近い画のひとつです。電気が止まっていて撮れない場合は、無理をせず昼の外観に絞ります。
音は10秒ずつ残す|引き戸、階段、換気扇、庭の音
映像を見返した家族が最初に反応するのは、意外にも音です。玄関の引き戸を開けたときの独特の重さ、階段の3段目だけが鳴る軋み、柱時計の音、換気扇の唸り。これらは「撮ろう」と思わないと決して残りません。歩きながら撮っていると、自分の話し声と足音でかき消されます。
方法は単純で、無言で10秒撮るだけです。撮りたい音の前でカメラを構え、何も喋らずに録画を始め、音を出し、10秒経ったら止める。喋らないというのが唯一のルールです。
玄関の引き戸・ドアの開閉音(開けて、閉める)
階段を上る足音(自分の足元を映しながら)
各部屋の襖・障子を開ける音
柱時計、鳩時計、ぜんまい
換気扇、給湯器の点火音、風呂の蛇口(水道が止まっていなければ)
雨樋、風で鳴る雨戸、庭の風の音、鳥の声
家の前を通る車や電車の音。生活音の背景として残る
録音で気をつけたいのは、風対策です。屋外では風がマイクに当たるだけでゴーッという音が全部を覆います。手のひらでマイク部分を風上から軽く覆うか、風の弱い場所に移動します。スマートフォンのマイク位置は機種で違うので、事前に1本試し撮りして再生し、風切り音の有無を確認してから本番に入ります。
もうひとつ、家族の声を「別撮り」で残す方法があります。台所や居間の椅子に座ってもらい、カメラを固定して、「この家でいちばん覚えていること」を3分だけ話してもらう。歩きながらの会話とは別に、腰を据えたクリップが1本あると、後から映像をまとめるときの中心になります。話が続かなければ、こちらから「朝ごはんはどこで食べてた」「お風呂は誰から入ってた」と具体的に聞きます。抽象的な質問ほど、答えは出てきません。
音だけのクリップは、映像としては地味です。撮っている最中は「これ意味あるのか」と思います。それでも撮ってください。更地になった後で、この10秒が最も再生される部分になることがあります。
データは当日中に3か所へコピーし、1枚のSDカードに置いたままにしない
撮影が終わった時点では、記録はまだ何も守られていません。スマートフォン1台、SDカード1枚の中にしかないデータは、落とす・水没する・上書きするのいずれかで消えます。実家を撮り直すことはもうできないので、この段階の扱いが最も重要です。
基本は3-2-1です。データを3つ持ち、2種類の異なる媒体に置き、そのうち1つは別の場所に保管する。難しく聞こえますが、実家からの帰り道にやることは2つだけです。スマートフォンからクラウドへ自動アップロードが動いているか確認すること、家に着いたらパソコンか外付けHDDへコピーすること。この2つで、すでにコピーは3つになります。考え方の全体像はクラウドとディスクを併用する3-2-1バックアップの実践 にまとめています。
実家は撮り直せない。その日のうちにコピーを3つにする
クラウドに置く場合、容量には気をつけてください。Google アカウントの無料保存容量は最大15GBで、この容量はGoogle ドライブ・Gmail・Google フォトで共有されます(Google公式ヘルプ )。動画は写真よりはるかに容量を使うため、家一軒分を撮ると無料枠を超えることがあります。アップロードの途中で止まっていたのに気づかない、というのがいちばん危ない失敗なので、帰宅後に「アップロード完了」の表示まで見届けます。
ファイル名を撮影当日に整える
ファイル名は、その日のうちに触っておくと後が楽になります。おすすめは「日付_場所_内容」の順です。
20260809_実家1階_玄関から一筆書き.mp4
20260809_実家2階_兄の部屋と柱の傷.mp4
20260809_外まわり_表札と庭.mp4
20260809_音_引き戸と階段.mp4
撮った直後なら中身を覚えていますが、1か月経つと「IMG_4821.MOV」の山から目的のカットを探すことになります。名前をつける作業は10分ですが、後回しにすると誰もやらなくなります。
長期保存では、媒体ごとの性質も知っておくと判断しやすくなります。HDDは可動部があるため衝撃と経年で壊れ、USBメモリやSDカードは長期の据え置きには向きません。光ディスクにも寿命はありますが、保管条件で差が出ます。詳しくはCD・DVD・ブルーレイの寿命 を参照してください。どの媒体も単独では安全ではない、というのがここでの結論です。だからこそ、種類の違うものに分散させます。
共有フォルダは見に行かれないので、兄弟姉妹に配るなら1枚ずつ形にする
撮影の後、多くの家庭で同じことが起こります。クラウドの共有リンクを兄弟姉妹のグループLINEに貼り、全員が「ありがとう、後で見る」と返し、そのまま誰も見ない。悪気があるわけではなく、リンクは「自分から見に行く」必要があるからです。数か月後にリンクの期限が切れ、もう一度貼り直すことになります。
形のあるものにしておくと、この構造が変わります。手元に1枚あれば、正月に集まったときにテレビで再生できます。パソコンに不慣れな親世代にも、リモコンだけで完結します。プレーヤーで再生できるディスクの条件については家庭用プレーヤーの互換性ガイド にまとめてあります。
問題は枚数です。兄弟姉妹3人+親、という配り方だと4〜5枚あれば足りるため、大量生産の仕組みは合いません。少ない枚数で頼める先を探すことになります。この点は1枚から頼める小ロット対応 で詳しく整理しています。
当社に頼む場合
当社は、完成した動画のデータからDVD・ブルーレイを作る書き込み代行の店です。料金は基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)からで、1枚から注文できます。撮った動画をそのままディスクに入れてもプレーヤーでは再生できないため、再生できる形式に組み立てるオーサリングの工程が必要になりますが、この工程は料金に含まれています。
実家の記録という用途では、オプションのうち次のあたりが役に立つはずです。
メニュー画面の作成。ディスクを入れると「1階」「2階」「外まわり」「家族の話」と項目が並び、見たいところから再生できます
チャプター分け。長い一筆書きの映像でも、部屋ごとに頭出しできます
盤面へのレーベル印刷。「〇〇の家 2026年8月 解体前」と入れておくと、10年後に棚から出したときに中身が分かります
ケースと背表紙の印刷。本棚に立てたときに背から探せます
盤面とケースの印刷では、題名や日付も入れた画像を入稿してもらいます。データの渡し方は、ギガファイル便のURLを注文フォームに貼る形です。ギガファイル便、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなどが使えます。動画は容量が大きくなりがちですが、ギガファイル便は1ファイル300GBまで・個数無制限で、保持期限も選択できます(初期値は5日)。実家一軒分の撮影データでも、分割せずに送れることがほとんどです。
納期は通常便のほか、お急ぎお届け(+1,500円/平日15時までの注文・入稿で翌々日までに発送)と特急お届け(+3,000円/平日15時までの注文・入稿で翌日発送)から選べます。当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までの注文・入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)も選べます。法要や親族の集まりに間に合わせたい場合は、この選択肢が役に立ちます。
最後にひとつだけ。ディスクにまとめるのは、撮影が終わってからで構いません。急ぐのは撮ることのほうです。家がなくなってしまえば、どれだけ丁寧な編集技術があっても素材は増えません。今週末に玄関から一筆書きで歩く、それだけ先に済ませてください。
よくある質問
Q. 実家の解体前に、最低限これだけは撮っておくべきというものはありますか? A. 時間が15分しかないなら、道路から見た家の全景、玄関を入って各部屋を回る一筆書きの映像、そして柱の傷や落書きなど家族しか知らない場所の3つに絞ってください。全景は後から見返すときの表紙になり、一筆書きは間取りの記録になり、寄りのカットは記憶の手がかりになります。逆に、持ち帰る予定のアルバムや書類は撮らなくて構いません。ここで残すべきは、持ち帰れないものだけです。
Q. 写真と動画、どちらで残したほうがいいですか? A. 両方撮るのが現実的です。動画は部屋どうしのつながりや歩いた順路、音を丸ごと残せますが、切り出した静止画は解像度が動画の設定に縛られます。写真は一枚あたりの解像度が高く、後から引き伸ばして印刷したいものに向きます。使い分けとしては、家全体を歩いて回るのは動画、表札や柱の傷、庭の全景など後で大きく使う可能性があるものは写真でも押さえる、という形にすると無駄がありません。
Q. スマートフォンだけで撮って大丈夫ですか。三脚やジンバルは必要ですか? A. 実家の記録という目的なら、スマートフォン単体で十分です。近年の機種は手ぶれ補正が入っているため、普段の半分の速度でゆっくり歩けば見づらい映像にはなりにくいと考えられます。あえて足すなら、三脚よりモバイルバッテリーです。長回しと写真撮影を繰り返すと電池の減りが早く、途中で充電のために中断するほうが撮影全体への影響は大きくなります。電気が止まっている家では充電もできません。
Q. 片付けが終わっていません。物が散らかった状態でも撮るべきですか? A. むしろ、その状態こそ撮っておく価値があります。棚に並んだ食器の位置、冷蔵庫の貼り紙、押し入れの詰まり具合といった暮らしの痕跡は、片付けが終わると二度と再現できません。空になった家は間取りや広さを伝えるのに向いていますが、人が住んでいた気配は残りません。理想は片付け前と空になった後の2回ですが、1回しか行けないなら片付け前を優先してください。
Q. 解体の何日前までに撮影を済ませればいいですか? A. 着工日そのものより、足場や養生シートが組まれる日と、鍵を業者や買主に引き渡す日を業者に確認してください。この2つは着工日より先に来ます。養生が入ると外観は撮れなくなり、鍵を返した後は中に入れません。加えて、庭木の伐採や物置・残置物の撤去は建物の解体より先に行われることがあるため、外まわりは早めに押さえておくと安全です。
Q. 撮った動画が長すぎて誰も最後まで見てくれません。どうまとめればいいですか? A. 長さを削るより、頭出しできるようにするほうが効果があります。1階・2階・外まわり・家族の話といった単位でチャプターを分け、見たいところから再生できる形にすると、視聴のハードルが下がります。ディスクにする場合はメニュー画面とチャプター分けで対応できます。編集で短くする場合も、全部を詰め込んだ5分版を作るより、素材はそのまま残したうえで案内をつけるほうが後悔が少なくなります。
Q. 兄弟姉妹それぞれに同じものを渡したいのですが、確実な方法はありますか? A. クラウドの共有リンクは手軽ですが、自分から見に行く必要があるうえ、期限や容量の管理が続きます。手元に残る形にしたいなら、人数分のディスクを作るのが確実です。当社では基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で注文できます。「〇〇の家 2026年8月」のように文字を入れた画像を盤面に印刷しておくと、年月が経ってから棚で見つけたときに中身がすぐ分かります。
Q. 電気も水道も止まっている家でも撮影できますか? A. 日中であれば撮影できます。晴れた日の午前中から昼過ぎに時間を設定し、到着したらまず雨戸とカーテンを全部開けてから回ってください。窓のない納戸や廊下は、スマートフォンのライトを別の人に持ってもらい、カメラとは違う角度から当てると立体感が出ます。カメラと同じ正面から当てると影が飛んで平坦な画になります。夜の室内は現実的に難しいので、夜に残したい記録は外観の1カットに絞るのが無難です。