この記事の要点
新築住宅は引渡しから10年間 、基礎や柱、屋根や外壁など政令で定める部分の瑕疵について請負人が担保責任を負うため、隠れる部分の写真は思い出以上の意味を持ちます。
撮影は工程ごとのフォルダと日付順の命名 を着工前に決めておくと、数千枚になっても後から目的の一枚にたどり着けます。
壁を閉じる前の配管・配線 は、部屋ごとに壁面を正面から撮り、床から1mの墨出し線やメジャーを写し込むと将来のビス位置の手がかりになります。
現場に入る前に工務店へ撮影の意図と立ち入ってよい範囲 を伝えておけば、職人さんの作業を止めずに記録を残せます。
完成後は工程ごとにベストカットを200〜300枚に絞る と、テレビで見返せるスライドショーやディスクの形にまとめやすくなります。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
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基礎の配筋、上棟の日にクレーンで梁が降りてくる瞬間、壁の中を走る配管。現場に通うたびにスマホのシャッターを切っていたら、いつの間にか写真が数百枚、数千枚と溜まっている。けれど整理する時間はなく、カメラロールは日付順に並んだまま。注文住宅を建てている施主の多くが、この状態のまま引き渡しを迎えます。
もったいないのは、撮り逃しに気づくのが後になってからだという点です。基礎の配筋はコンクリートで埋まり、壁の中の配線は石膏ボードで塞がれます。同じ場所をもう一度撮る機会は来ません。逆に言えば、どの工程で何を撮るかを先に決めておくだけで、記録の価値は大きく変わります。地鎮祭から引き渡しまでに施主が撮っておくものを、工程の順に並べると次のとおりです。
着工前の更地と境界
地鎮祭が始まる前の祭壇と、鍬入れの儀
コンクリートを打つ前の配筋とアンカーボルト
上棟の日の定点写真と短い動画
壁を閉じる前の配管と配線
家具が入る前の空室
この記事の目次見出しを押すと、その場所へ移ります
家づくりの写真は思い出と記録の二役|隠れる部分は引渡しから10年の担保責任の範囲 撮る前に決める三つのこと 着工前と地鎮祭|更地と境界は今しか撮れず、儀式は始まる前の一枚が役に立つ 基礎工事の配筋とアンカーボルトは、コンクリートに埋まる前の一発勝負 上棟は一日で家の形が変わるので、定点三枚と動画30秒を決めておく 壁を閉じる前の一〜二週間に撮る配管と配線は、将来のリフォームで役に立つ 現場での撮影は工務店に一言|安全ルールを守れば通うほど歓迎される 引き渡しの前後に残す書類と、家具が入る前の空室写真 数千枚をどう残すか|クラウドは検索用、家族で見返すのはテレビに映る形 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
家づくりの写真は思い出と記録の二役|隠れる部分は引渡しから10年の担保責任の範囲
家づくりの記録写真には、性格の違う二つの用途が同居しています。ひとつは家族のアルバムとしての思い出。もうひとつは、完成後には見えなくなる部分がどう作られていたかを示す記録です。思い出の写真は好きなときに好きなだけ撮ればよいのですが、隠れる部分の記録には「撮れるのは一度きり」という制約がついてまわります。
隠れる部分の記録が意味を持つ理由は、新築住宅に長期の担保責任が定められているからです。住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条は、住宅を新築する建設工事の請負契約について定めています。請負人は、注文者に引き渡した時から十年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、担保の責任を負うと定められています。同条第2項では、これに反する特約で注文者に不利なものは無効とされています。対象となる部分は、同法施行令第5条で具体的に列挙されています。
区分
政令で定められている部分
構造耐力上主要な部分
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい・方づえ・火打材など)、床版、屋根版、横架材(はり・けたなど)で、自重や積載荷重、積雪、風圧、土圧、水圧、地震などの震動・衝撃を支えるもの
雨水の浸入を防止する部分
屋根、外壁、これらの開口部に設ける戸・わくその他の建具/雨水を排除するために設ける排水管のうち、屋根もしくは外壁の内部または屋内にある部分
並べてみると分かるとおり、10年の対象になるのはどれも仕上げ材の裏に隠れる部分ばかりです。基礎の配筋、土台と柱の接合、屋根の下葺き材、外壁の透湿防水シートと防水テープ。完成した家を外から眺めても、これらは一切見えません。施主が現場で撮れる写真の実用的な価値は、ほぼこの領域に集中していると言っていいでしょう。
どれも次の工程に進むと二度と撮れない。撮りどきを先に知っておく
ただし、施主が撮った写真がそのまま法的な証拠になるわけではありません。施工の一次記録は工務店が残す施工写真や、第三者機関の検査報告書です。施主の写真はそれを補うもので、打ち合わせの記憶を裏づけたり、「この部分はどう納まっていましたか」と尋ねる出発点になる、という位置づけで考えるのが実際的だと思われます。それでも、手元に写真があるかないかで、工務店との会話の具体性はまったく変わります。
撮る前に決める三つのこと
整理できない一番の原因は、撮ってから整理しようとすることです。工程は前に進み続けるので、後追いの整理はまず終わりません。着工前の時間があるうちに、置き場所と名前の付け方だけ決めておきます。作業としては30分ほどで済みます。
フォルダは工程順に番号を振る
クラウドストレージでもパソコンのフォルダでも構いませんが、名前の先頭に番号を振っておくと並び順が工程順のまま固定されます。次の12個を用意しておけば、たいていの現場は収まります。
00_契約・図面(平面図・立面図・電気図面のPDFやスキャン)
01_着工前(更地・地縄・境界・近隣の状況)
02_地鎮祭
03_地盤改良・基礎
04_上棟
05_屋根・防水・サッシ
06_電気配線・給排水
07_断熱・気密・下地
08_内装・造作・設備
09_外構
10_検査・引き渡し
11_入居後(1年点検・2年点検を含む)
フォルダ名は日付を先頭に置く
スマホの自動命名のままだと後から絞り込めません。パソコンに移す段階で、フォルダ名を「20260412_基礎_配筋検査」のように日付から始まる形に揃えます。年月日を4桁2桁2桁で書いておけば、フォルダ名でも撮影日順に並びます。個々のファイル名まで手を入れる必要はなく、フォルダ単位で十分です。
もうひとつ、現場で有効なのが「スレート撮影」です。その日の日付と工程名をメモアプリや紙に書き、現場に着いたら最初にそれを1枚撮る。映画の撮影で使うカチンコと同じ発想で、後から見返したときに「ここから4月12日の配筋」という区切りが一目で付きます。撮影中に位置がわからなくなりそうな場所では、図面のコピーに撮影位置と番号を書き込んで、それも1枚撮っておくと1年後の自分が助かります。
バックアップは月に一度、機械的に
スマホ1台に数千枚を溜めたまま水没させると、記録は一度に消えます。データの持ち方は、原本・別媒体のコピー・別の場所の保管の三層に分ける3-2-1バックアップの考え方 が使いやすく、家づくりの記録なら「スマホ→クラウド自動同期→月末に外付けSSDへコピー」で実質的に足ります。月末という日付を決めてしまうのがコツで、思い出したときにやる方式は続きません。
着工前と地鎮祭|更地と境界は今しか撮れず、儀式は始まる前の一枚が役に立つ
着工前の更地は、多くの施主が撮り忘れる場面です。基礎が立ち上がってしまうと、その土地がどんな地面だったかは二度と撮れません。次の順で回ると10分ほどで終わります。
敷地の四隅から中心に向けて4枚。道路がどちら側かがわかる画角にする
境界標(コンクリート杭や金属プレート)のクローズアップと、少し引いた位置関係の2枚組
前面道路と、工事車両が入ってくる方向
隣家の外壁やブロック塀に既にあるひび・欠け。工事後に「工事の振動で割れた」と話が出たときの比較材料になると考えられます
地縄が張られた日の全景。図面の間取りが実寸で地面に出る唯一の日です
日当たりの記録も、この時期に撮っておくと後から役に立ちます。朝・昼・夕の3回、同じ場所から敷地を撮っておくと、住み始めてから「思ったより午後の光が入らない」と感じたときに、着工前の状態と比べられます。季節によって太陽高度は変わるので、あくまで参考として。
地鎮祭は日時が決まっている数少ない場面
地鎮祭は工事の安全を祈願する神事で、日取りは工務店と神職の都合で先に決まります。つまり、家づくりのなかで「この日のこの時間に必ず起きること」がわかっている珍しい場面です。撮る対象を先に決めておけば取りこぼしません。
式が始まる前の祭壇の全景。始まってしまうと人が前に立って撮れなくなります
四隅に立てた斎竹(いみだけ)と注連縄で囲われた敷地の引き画
鍬入れの儀。設計者が鎌、施主が鍬、施工者が鋤を入れる形が一般的で、施主の出番はここです。家族に頼んで正面から撮ってもらいます
玉串を捧げる場面
集合写真。神職が退出する前に声をかけると、祭壇を背にした一枚が残せます
作法や玉串料の金額、施主が用意するもの(お供え物や初穂料の表書きなど)は、神社や地域によって異なります。工務店が段取りをすべて引き受けてくれる場合と、施主が神社に直接手配する場合があるので、日程が決まった時点で「こちらで用意するものはありますか」と確認しておくと当日慌てません。
撮影についても、神事の最中にシャッターを切ってよいかを神職に一言尋ねておくと安心です。動画は全編ではなく、鍬入れの30秒だけに絞ると後から見返しやすくなります。
基礎工事の配筋とアンカーボルトは、コンクリートに埋まる前の一発勝負
基礎工事は、隠れる部分の記録という観点で最初の山場です。鉄筋が組み上がってからコンクリートを打つまでの数日間しか撮影のチャンスがなく、打設が終われば中は永久に見えません。
工務店に「配筋検査はいつですか」と尋ねておくのが確実です。検査当日は現場に人が入るので立ち会いやすく、鉄筋がきれいに組まれた状態を見られます。撮る対象は次のとおりです。
地盤改良を行った場合は、柱状改良の杭頭が並んだ状態
掘削後の砕石・転圧、防湿シートを敷いた状態
配筋の全景と、鉄筋の間隔がわかる寄り。スケール(コンベックス)を鉄筋に当てて写し込むと、後から間隔を読み取れます
基礎の立ち上がりと底盤が交わる部分、開口部(人通口)まわりの補強筋
アンカーボルトとホールダウン金物の位置。土台と柱を基礎につなぐ金物で、位置が図面と対応しているかを見る手がかりになります
給排水のスリーブ(配管を通すために基礎を貫通させた穴)の位置。将来、外構や水まわりを触るときに役に立ちます
コンクリート打設の様子と、脱型後の基礎の全景
撮り方の基本は「1か所につき引き1枚・寄り1枚」の2枚組です。寄りだけだと、後から見て家のどこなのか分からなくなります。引きの写真には、道路や隣家、置いてある図面など、位置の手がかりになるものを入れておきます。
なお、工事の途中で行政や指定確認検査機関の検査が入ることがあります。建築基準法第7条の3が定める中間検査です。対象は、階数が三以上の共同住宅の床・はりに鉄筋を配置する工程のうち政令で定めるもの、および特定行政庁が区域や期間、建築物の構造・用途・規模を限って指定する工程です。
木造戸建てが対象になるかは自治体の指定次第なので、「この地域で中間検査はありますか」と工務店に確認しておくと、立ち会える日が一日増えるかもしれません。
上棟は一日で家の形が変わるので、定点三枚と動画30秒を決めておく
上棟(建方)は、土台の上に柱と梁を組み、棟木を上げるまでを短期間で一気に進める工程です。朝は土台だけだった敷地が、夕方には家の骨格になっています。変化が大きいぶん、行き当たりばったりで撮ると同じような写真ばかりが増えます。先に3種類だけ決めておきます。
1. 定点写真(朝・昼・夕の3枚)
敷地の外の同じ場所に立ち、同じ画角で3回撮ります。足元にテープを貼るか、電柱や隣家の角など動かないものを目印にすると再現できます。この3枚を並べるだけで、一日の変化が伝わる組写真になります。翌日以降も同じ位置から撮り続ければ、屋根が架かり、外壁が張られていく過程がそのまま並びます。
2. 動画(20〜30秒を数本)
クレーンで梁が吊り上げられ、職人さんが受けて納める場面は、写真より動画が向いています。長回しは後で見返さないので、1カット20〜30秒で切ります。棟木が上がる瞬間、レッカーが旋回する場面、屋根に野地板が張られていく場面あたりが定番です。
3. 部材のディテール
柱や梁に押された樹種や寸法の刻印、金物(羽子板ボルト、火打金物など)、仕口の納まりは、内装が仕上がれば見えなくなります。特に、通し柱と梁が交わる部分や、耐力壁になる筋かいの位置は撮っておくと将来の参考になります。
上棟式を行うかどうか、ご祝儀や昼食・飲み物の用意が必要かどうかは、地域と工務店の方針で大きく異なります。最近は式を省略して簡単な挨拶だけという現場も珍しくありません。日程が決まった段階で「当日こちらで用意するものはありますか」と聞いておけば、当日の撮影に集中できます。
安全面では、足場や梯子には登らないこと、クレーンの旋回範囲に入らないことの二つが絶対条件です。吊り荷の真下は言うまでもありません。撮影は地面から、職人さんの動線を外れた場所で行います。作業している人の顔が写った写真をSNSに載せる場合は、本人と工務店に確認してからにします。
定点写真・短い動画・部材の細部の3種類を先に決めておき、撮影は地面から
壁を閉じる前の一〜二週間に撮る配管と配線は、将来のリフォームで役に立つ
実用面でもっとも価値が高いのが、この工程です。電気配線と給排水配管が終わり、断熱材と石膏ボードで壁が塞がれる直前。期間にして1〜2週間しかありません。ここで撮った写真は、住み始めてから10年、20年と使い続けることになります。
撮り方は「部屋ごとに壁面を正面から」
雰囲気で撮ると、後から見て場所がわかりません。部屋を1室ずつ回り、機械的に次のとおり撮ります。
各壁面を正面から1枚ずつ(4面)。ドア枠や窓を画角の端に入れて、どの壁かがわかるようにする
天井を見上げて1枚、床を見下ろして1枚
コンセントボックスやスイッチボックスの位置は寄りでもう1枚
このとき、寸法の手がかりを一緒に写し込むのが肝心です。この時期の現場には、床から1mの高さに基準線(陸墨・ろくずみ)が引かれていることが多いので、それが写る画角にします。線が見当たらなければ、5mのメジャーを床に置いて伸ばしておくか、A4のコピー用紙を壁に貼っておくだけでも、後から比率でおおよその位置を読み取れます。
雰囲気ではなく機械的に。寸法の手がかりがあれば後から位置を読み取れる
何が写っていれば後で助かるか
間柱と下地合板の位置。テレビの壁掛け、棚、手すり、タオル掛けをビスで留めるときに、下地のある場所が分かります
電気配線のルート。天井から壁を下りてくる線がどこを通っているか。ボードにビスを打つとき、配線を貫かないための情報です
給水・給湯のさや管とヘッダーの位置、排水管の勾配と経路
換気ダクトの経路と、24時間換気の給気口・排気口
LANケーブルや同軸ケーブルの配線、分電盤から各部屋への回路
断熱材の充填状況と防湿シート、サッシまわりの防水テープと透湿防水シートの重ね方
「壁の中の写真が、10年後にビス1本を打つときの答えになる」という感覚が伝われば十分です。エアコンを増設したい、子ども部屋を仕切りたい、洗面台を交換したい。どの場面でも、リフォーム業者に見せられる写真が手元にあるかどうかで、調査の手間と費用が変わってきます。
この工程の写真だけは、フォルダを分けたうえでバックアップを二重にしておくことをおすすめします。他の工程は撮り逃しても代わりが利きますが、ここは代わりがありません。
現場での撮影は工務店に一言|安全ルールを守れば通うほど歓迎される
施主が現場に通うこと自体は、多くの工務店が歓迎します。問題になるのは、事前の連絡なしに入ることと、作業の邪魔になる立ち回りです。最初に現場監督へ「記録を残したいので写真を撮らせてください」と伝え、次の3点を決めておけば、あとは気持ちよく通えます。
立ち入ってよい日と時間帯(打設日や搬入日は避けるよう指示されることがあります)
単独で入ってよいか、誰か立ち会いが要るか
ヘルメットの貸与があるか、自分で用意するか
現場でのふるまいは、次を守っておけば概ね問題ありません。
ヘルメットと動きやすい靴。サンダルとヒールは避ける。釘を踏む可能性があるので底の厚い靴が安心です
足場、梯子、脚立には登らない。高い位置から撮りたい場合は監督に相談する
資材や工具に触れない、置き場所を動かさない。養生シートやブルーシートを踏まない
作業中の職人さんの正面や動線に立たない。撮りたい場所があれば、一声かけてタイミングを見る
子どもを連れて行く場合は手をつないだまま。現場は釘も段差も刃物もある場所です
差し入れについては、必要な現場と不要な現場があります。近年は各自で持参するのが普通という現場も多いので、監督に「差し入れは要りますか」と一度聞いておくのが早道です。過剰な気遣いは、かえって手を止めさせることになりかねません。
気になる箇所を見つけたとき、その場で職人さんに直接言うのは避けます。写真を撮っておき、監督か営業担当に「この部分はどういう納まりですか」と聞く。指摘ではなく質問の形にすると、施工者側も答えやすく、結果として早く解決します。
引き渡しの前後に残す書類と、家具が入る前の空室写真
終盤は、写真と書類の両方が一度に集まる時期です。書類は写真と同じフォルダにスキャンして入れておくと、後から家の履歴として一体で扱えます。
完了検査と検査済証
建築基準法第7条は、建築主が工事を完了したときに建築主事等の検査を申請しなければならないと定めています。その申請は、工事が完了した日から四日以内に到達するようにしなければならないとされています。申請を受理した検査実施者は、受理した日から七日以内に、建築物と敷地が建築基準関係規定に適合しているかを検査します。適合が認められると、建築主に対して検査済証が交付されます。
実務上の手続きは工務店が代行することが多いのですが、交付される相手は建築主、つまり施主です。受け取ったらスキャンして保存しておきます。
瑕疵担保責任の資力確保
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)第3条は、建設業者に対して、引き渡した新築住宅について保証金の供託をしていなければならないと定めています。同条第2項では、住宅瑕疵担保責任保険法人と保険契約を締結し、発注者に保険証券またはこれに代わるべき書面を交付した場合の扱いが定められており、実務では保険を利用するケースが多く見られます。保険の書面を受け取った場合は、10年間保管する前提でファイルにまとめておきます。
登記の期限
不動産登記法第47条第1項により、新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に表題登記を申請しなければならないとされています。土地家屋調査士に依頼するのが通常ですが、期限があることは知っておいて損はありません。
手続きは代行されても、受け取るのも期限を負うのも施主。書類も写真と同じフォルダへ
家具が入る前の空室を撮る
施主検査から引き渡しまでの間に、家具のない各部屋を撮っておきます。四隅から対角に向けて4枚ずつ。この状態の写真は二度と撮れず、後からインテリアを検討するとき、あるいは万一の被害があったときに、元の状態を示す材料になります。
施主検査で指摘した箇所は、付箋を貼った状態で撮っておくと是正確認が楽になります。引き渡し当日は、鍵の受け渡し、玄関前での家族写真、子どもが初めて家の中を走る場面。この日は写真を撮る係を一人決めておかないと、全員が自分のスマホで似た写真を撮って終わります。引き渡し後の1年点検・2年点検の記録も、同じフォルダ体系に入れておけば、家の履歴が一本につながります。
数千枚をどう残すか|クラウドは検索用、家族で見返すのはテレビに映る形
着工から引き渡しまで通って撮ると、写真は数千枚の規模になります。クラウドに上がってはいるものの、実際に家族で見返したことは一度もない。これが、多くの施主に起きていることです。原因は枚数と、見るまでの手数にあります。スマホを回して覗き込む形式では、3人以上で見るのに向きません。
まず200〜300枚に絞る
整理の第一歩は削除ではなく選抜です。フォルダを工程順に開き、各工程からベストカットを10〜20枚だけ別フォルダにコピーします。12工程あれば合計200〜300枚。この枚数なら、スライドショーにして15分前後で、家が建つ過程を最初から最後まで通して見られます。元の数千枚は消さずに残しておけば、実用の記録としての価値はそのままです。
テレビで再生できる形にする
選抜した写真と、上棟や地鎮祭で撮った短い動画をつなげてスライドショーにし、テレビで再生できる形にまとめておくと、来客時や両親が訪ねてきたときにそのまま流せます。ここで多いのが「フォルダごとディスクに書き込んだのに、家のプレーヤーで再生できない」というつまずきです。データを書き込んだだけのディスクと、プレーヤーが再生できるディスクは中身の構造が違うためで、この仕組みはDVDオーサリングの解説 で詳しく扱っています。
削除ではなく選抜。元の数千枚は消さずに残しておく
当社では、この組み立て(オーサリング)を料金に含めた形で承っています。受け付けるのは完成した動画のデータなので、写真を入れたいときは、スライドショーなどの動画の形にしてから入稿します。基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚だけの注文にも対応しています。
メニュー画面の作成とチャプター分けにも、オプションで対応しているので、「地鎮祭」「基礎」「上棟」「内装」「引き渡し」のように工程で章立てしておけば、見たい場面から再生できます。章の区切りの時刻は、「チャプター分け」を選ぶと開く「チャプター位置の指定」の欄に入れます。盤面へのレーベル印刷と、ケース・背表紙の印刷にも対応しており、印刷する画像を入稿してもらえば、棚に立てたときに背紙で分かる形にできます。
DVDとブルーレイのどちらにするかは、動画の量と画質で決まります。写真中心のスライドショーならDVDで足りることが多く、4Kや長時間の動画を含めるならブルーレイ(2時間を超えるなら2層)が向きます。判断材料はDVDとブルーレイの違い にまとめています。
入稿と納期
データはギガファイル便のURLでお送りいただく形です。ギガファイル便、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorage などに対応しており、数GBの動画でも郵送の手間がありません。手順はギガファイル便での入稿ガイド に沿って進められます。
納期は通常便のほか、次の三つをご用意しています。
お急ぎお届け(+1,500円、平日15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)
特急お届け(+3,000円、平日15時までのご注文・ご入稿で翌日発送)
当日店舗お渡し(+3,500円、平日12時までのご注文・ご入稿、大阪市北区の店舗にてお受け取り)
できあがったディスクは、クラウドの控えとは別の場所に置いておくと、片方が失われても残ります。長く持つかどうかは置き場所で変わるので、DVD・CDの正しい保管方法 も併せてご覧ください。
よくある質問
Q. 注文住宅の記録写真は、着工から引き渡しまでで何枚くらいになりますか? A. 撮る頻度によりますが、週に1〜2回通って各工程を押さえていくと、数百枚から数千枚の規模になります。枚数そのものより問題になるのは分類で、着工前に工程ごとのフォルダを用意し、現場に行った日の写真をその日のうちに移す運用にしておくと、後からの整理がほぼ不要になります。見返す用としては、工程ごとに10〜20枚を選抜して合計200〜300枚にまとめると扱いやすくなります。
Q. 地鎮祭で写真を撮ってもいいのでしょうか? A. 多くの場合は問題ありませんが、神事なので事前に神職か工務店へ一言確認しておくと安心です。撮るなら、式が始まる前の祭壇の全景、鍬入れの儀、玉串を捧げる場面、そして神職が退出する前の集合写真の4つを押さえます。式の最中に動き回るのは避け、動画は鍬入れの30秒程度に絞ると、後から見返しやすい記録になります。作法や用意するものは地域・神社によって異なります。
Q. 上棟の日は何時ごろ現場に行けばいいですか? A. 作業は朝早くから始まり、夕方までに骨格が組み上がります。到着時刻は工務店に確認するのが確実ですが、朝の作業開始前に一度行って土台だけの状態を撮り、昼と夕方にも同じ位置から撮ると、一日の変化が3枚で伝わります。撮影は地面から行い、足場や梯子には登らないこと、クレーンの旋回範囲と吊り荷の下に入らないことを守ってください。
Q. 壁の中の配管や配線は、いつ撮ればいいですか? A. 電気配線と給排水配管が終わり、断熱材や石膏ボードで塞がれる直前です。期間は1〜2週間ほどしかないので、工務店に「ボードを張るのはいつ頃ですか」と聞いておき、その前に現場へ行きます。部屋ごとに壁面を正面から1枚ずつ、天井と床も1枚ずつ。床から1mの基準線やメジャーを画角に入れておくと、後から位置を読み取れます。
Q. 現場に勝手に入って写真を撮っても大丈夫ですか? A. 事前に現場監督へ伝えて、立ち入ってよい日と単独で入ってよいかを確認してください。コンクリート打設日や資材搬入日は避けるよう言われることがあります。入るときはヘルメットと底の厚い靴を着用し、足場や脚立には登らず、資材や工具に触れないこと。作業中の職人さんの正面に立たず、撮りたい場所があれば一声かけてタイミングを見るのがマナーです。
Q. 気になる施工箇所を見つけたら、その場で職人さんに言うべきですか? A. その場で直接伝えるのは避け、まず写真を撮っておきます。そのうえで現場監督か営業担当に「この部分はどういう納まりですか」と質問の形で尋ねるのが、結果的に早く解決します。指摘として伝えると現場が身構えてしまうことがあり、また意図した納まりである場合も少なくありません。写真があれば、口頭では伝わりにくい箇所も一目で共有できます。
Q. スマホで撮った写真をDVDにまとめられますか? A. できます。当社が受け付けるのは完成した動画のデータなので、写真はスライドショーなどの動画の形にしてから入稿します。当社では基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚だけのご注文にも対応しています。テレビのプレーヤーで再生できる形への組み立て(オーサリング)は料金に含まれています。メニュー画面の作成や工程ごとのチャプター分けにも、オプションで対応しています。データはギガファイル便やGoogle ドライブなど、ダウンロードできる共有URLでお送りいただく形です。
Q. 家づくりの記録はDVDとブルーレイのどちらが向いていますか? A. 写真のスライドショーが中心で、動画が短いものだけならDVDで収まることが多く、4K撮影の動画や長時間の記録を含めるならブルーレイ(2時間を超えるなら2層)が向きます。容量と画質、それに再生する機器の対応状況で決まるので、手持ちのプレーヤーがブルーレイに対応しているかも確認材料になります。判断に迷う場合は、収録したいデータの合計容量を添えて、注文の前に相談・問い合わせフォームで確かめられます。