この記事の要点
DVD-Videoで使える音声はリニアPCM・ドルビーデジタル(AC-3)・DTS・MPEG-1 Audio Layer II の4種類で、MP4のAACはそのままでは載りません。
NTSC方式のディスクではMP2への対応義務がなく 、DTSも機器側のオプション扱いのため、日本向けの実質的な選択肢はLPCMとAC-3の2つ です。
LPCMは48kHz/16bit/2chで1,536kbps 、AC-3はDVDで最大448kbps 。映像・音声・字幕を合わせた多重化の上限が10.08Mbpsなので、音声に使った分だけ映像に回せるビットレートが減ります。
DVDの音声は48kHzまたは96kHzのみ で、CDから取り込んだ44.1kHzの素材はサンプリング周波数の変換が要ります。ここを見落とすと音まわりの不具合につながります。
AC-3にはdialnorm(1〜31、再生ゲイン−30〜0dB) という音量メタデータがあり、「音が小さい」の原因がここにある場合があります。
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動画編集ソフトから書き出したMP4をDVDにしたら、映像は映るのに音が出ない。あるいは音は出るけれど、市販のDVDに比べて明らかに音が小さい。ディスクを自作すると一定の割合で起きるトラブルで、原因の多くは「DVDに載せられる音声の形式」と「形式ごとの決まりごと」から外れていることにあります。
日本で配るディスクに使える音声の形式は、実質的にリニアPCM(LPCM)とAC-3の2つに限られます。どちらにするかは収録時間と音の位置づけでほぼ決まり、60分以内で音楽や演奏が主役ならLPCM、90分以上の長尺や話し声が中心ならAC-3のステレオです。
DVD-Videoは1990年代半ばに固まった規格で、映像と同じように音声にも決まりが設けられています。使える形式は4種類だけで、サンプリング周波数も48kHzか96kHzに限られます。決まりから外れたデータは、無音として扱われたり、ディスクに書き込む段階で受け付けられなかったりします。
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DVD-Videoで使える音声は4種類|日本向けの実質的な選択肢はLPCMとAC-3 AC-3はDVDでは48kHz固定・最大448kbpsで、5.1chも1本にまとめられる LPCMは48kHz/16bit/2chで1,536kbps、圧縮しないので劣化しない 容量への影響|合計の上限は10.08Mbpsで、LPCMは映像に回せる分を1.5Mbps減らす 再生互換の差|NTSC圏で確実性が高いのはLPCMとAC-3、DTSとMP2は当てにしない 5.1chは2chで再生するとダウンミックスされ、セリフの聞こえ方が変わる DVDの音が出ない・小さいときは、サンプリング周波数とdialnormを先に疑う AC-3とLPCMのどちらを選ぶか。配布用は48kHz/16bitのLPCMかAC-3の2.0ch よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
DVD-Videoで使える音声は4種類|日本向けの実質的な選択肢はLPCMとAC-3
DVD-Videoの規格が受け付ける音声は、リニアPCM(LPCM)、ドルビーデジタル(AC-3)、DTS、MPEG-1 Audio Layer II(MP2)の4種類です。MP4に入っているAAC、MKVのFLAC、AVIのMP3は、そのままの形ではDVDに載りません。動画ファイルをディスクにコピーしただけでは再生できない理由の一つが、ここにあります。
そのため、音声を上の4種類のどれかに変換し、映像・字幕と一緒に1本のデータにまとめる工程(多重化)が必要になります。この工程がDVDオーサリング です。
規格が定める各形式の条件は次のとおりです。
形式
サンプリング周波数
チャンネル数
ビットレート上限
リニアPCM
48kHz / 96kHz(16bit・24bit)
2ch〜(多チャンネルも規定あり)
6,144kbps
ドルビーデジタル(AC-3)
48kHz
1ch〜5.1ch
448kbps
DTS
48kHz / 96kHz
2.0 / 2.1 / 5.0 / 5.1 / 6.1
1,509.75kbps
MPEG-1 Audio Layer II
48kHz
1ch〜7.1ch
912kbps
ここで関係してくるのが、地域ごとの方式の違いです。PAL方式のディスクには、PCM・MP2・AC-3のどれかの音声トラックを最低1本持つことが求められています。PAL対応のプレーヤーは、この3方式を扱えることになっています。一方、日本や北米が使うNTSC方式では、MP2への対応が義務づけられていません。DTSも規格には入っていますが、再生側の対応はオプション扱いです。結果として、日本国内で配るディスクに安心して使えるのは、リニアPCMとAC-3の2つに絞られます。
なお、音声トラックは1枚に最大8本まで多重化できます。日本語と英語の音声、監督のコメンタリーを別のトラックにして切り替えられるのは、この規定によるものです。
AC-3はDVDでは48kHz固定・最大448kbpsで、5.1chも1本にまとめられる
ドルビーデジタル(AC-3)は、ATSC A/52として標準化されている、元の音から情報が落ちる圧縮(非可逆圧縮)の音声形式です。DVD-Videoで使う場合、サンプリング周波数は48kHzに固定されています。チャンネル構成はモノラルの1chから5.1chまで、ビットレートはDVDの規定で最大448kbpsまでとなっています。
AC-3という規格自体は640kbpsまで扱えますが、DVDに載せる分には、その上限は使えません。劇場用35mmフィルムのサウンドトラックで、320kbps固定で使われてきた形式でもあります。
実務上の利点は二つあります。一つは、5.1chのサラウンドを448kbps以内に収められること。リニアPCMで5.1chを持とうとするとビットレートが大きく上がるので、多チャンネルの音声を入れるならAC-3が現実的な選択になります。もう一つは、DVDプレーヤーがデコードを前提としている形式なので、日本国内向けのディスクで再生面の不確実性が小さいことです。
欠点は非可逆圧縮であること。圧縮率が高いほど元の音から情報が落ちます。音楽が主役の作品でビットレートを絞りすぎると、高域の質感やアンビエンスに影響が出ます。ステレオ音声であれば192〜256kbps前後を選ぶ例が多く、音楽もの・映像作品ともにこのあたりが実用範囲と考えられます。
「音が小さい」の原因になりうる音量メタデータ(dialnorm)
AC-3には、dialnorm(ダイアログノーマライゼーション)というメタデータがあります。番組中の平均的な会話レベルを示す値で、1〜31の整数が再生ゲインの−30dB〜0dB(0dBが等倍)に対応します。デコーダは、この値を見て出力の音量を調整します。そのため、素材の実際のラウドネスと合っていない値が書き込まれていると、波形としては十分な音量があるのに、再生すると小さく聞こえることが起こります。市販ディスクと自作ディスクで音量差を感じるとき、まず疑うべきはここです。
LPCMは48kHz/16bit/2chで1,536kbps、圧縮しないので劣化しない
リニアPCMは、圧縮をかけない生の波形データです。ビットレートは「サンプリング周波数 × 量子化ビット数 × チャンネル数」でそのまま決まります。DVDの標準である48kHz/16bit/ステレオなら、48,000 × 16 × 2 = 1,536,000bps、つまり1,536kbpsです。96kHz/24bit/ステレオにすると4,608kbpsまで上がり、規格上の上限は6,144kbpsです。
音質の面では、エンコードによる情報の欠落がないという明確な長所があります。編集ソフトから書き出した音をそのまま載せられるので、コンプレッサーやリバーブのかかり具合、拍手やホールの残響といった細かい成分が圧縮の影響を受けません。発表会や演奏会のように音そのものが主役になる映像では、この差が意味を持ちます。
短所は、ビットレートが一定で下げようがないこと。48kHz/16bit/2chなら、1,536kbpsが常にかかり続けます。その分は、映像に回せる帯域を直接削ります。
44.1kHzのままではDVDに載らない
見落とされがちなのが、DVD-Videoの音声は48kHzか96kHzに限られる点です。CDから取り込んだ音源や、多くのICレコーダー・スマートフォンの録音は44.1kHzで記録されているため、そのままではDVDに入れられません。オーサリングの前の段階で、サンプリング周波数を48kHzへ変換する必要があります。
手元の素材が何で構成されているか分からない場合は、MOVとMP4の違いと、動画ファイル形式の種類 を押さえたうえで、音声トラックを先に確かめます。映像ファイルのプロパティや無料の解析ツールでコーデックとサンプリング周波数を確認しておくと、原因不明の無音を避けやすくなります。
長尺や話し声中心ならAC-3、音が主役ならLPCM。LPCMは映像の枠を削る
容量への影響|合計の上限は10.08Mbpsで、LPCMは映像に回せる分を1.5Mbps減らす
DVD-Videoでは、映像・音声・字幕を合計した多重化レートの上限が10.08Mbpsと決まっています。映像単体で使えるのは最大9.80Mbps、字幕(サブピクチャ)には最大3.36Mbpsが割り当てられます。合計に上限がある以上、音声で使った分だけ映像の取り分が減ります。
音声の選択
音声のビットレート
映像に残せる目安
AC-3 2.0ch(192kbps)
192kbps
約9.8Mbps(映像側の上限に到達)
AC-3 5.1ch(448kbps)
448kbps
約9.6Mbps
LPCM 48kHz/16bit/2ch
1,536kbps
約8.5Mbps
LPCM 96kHz/24bit/2ch
4,608kbps
約5.4Mbps
収録時間の面では、片面1層のDVD-R(4.7GB)に収まる総データ量はおよそ37.6ギガビットです。総ビットレート10.08Mbpsで詰め込めば約62分、8Mbpsなら約78分、6Mbpsなら約104分という概算になります。実際にはメニューやオーバーヘッドの分があるため、この値より少し短くなります。
90分の映像をLPCMで作るなら、総レートを約6Mbpsに抑える必要があり、そこから音声の1,536kbpsを引いた4.5Mbps前後が映像の持ち分です。同じ条件でAC-3の192kbpsを選べば、映像に5.8Mbps前後を回せます。
片面1層での概算。長く入れるほど総レートを下げ、音声の分が効いてくる
差を容量で見ると、分かりやすくなります。60分の映像でLPCM(1,536kbps)とAC-3ステレオ(192kbps)を比べると、音声だけで約600MBの差が出ます。AC-3の448kbpsと比べても約490MBです。短い作品なら誤差ですが、2時間近い舞台やライブの収録では、この差が画質の余裕に直結します。
再生互換の差|NTSC圏で確実性が高いのはLPCMとAC-3、DTSとMP2は当てにしない
日本国内向けであれば、リニアPCMとAC-3以外を単独の音声トラックにするのは避けるのが無難です。音が出ないトラブルの多くは、再生機が対応していない形式で作ってしまったことに起因します。
DTSは規格の一部ではあるものの、対応は機器のオプションです。非対応のプレーヤーにDTSだけのディスクを入れると、映像は再生されるのに音だけ出ない、という典型的な症状になります。DTSを入れたい場合は、AC-3かLPCMのトラックを別に用意して、既定の音声トラックをそちらにしておく構成が安全です。オーサリングソフトによっては音声トラックの並び順がそのまま既定のトラックになるため、順番も確認しておきます。
パソコンでの再生は、また事情が違います。ソフトウェア側にデコーダが入っているかどうかで結果が変わるので、同じディスクでも「テレビのプレーヤーでは鳴るがパソコンでは無音」「その逆」が起こり得ます。配る先の再生環境が分からないときは、家庭用プレーヤーの互換性 の考え方と合わせて整理しておくと、判断しやすくなります。
カーナビや古い据え置きのプレーヤーが配る先に含まれる場合も、選択の幅を広げないほうが結果的に安定します。音質を追い込むより先に、音が出ない機器をなくす構成を優先する、という順序です。
5.1chは2chで再生するとダウンミックスされ、セリフの聞こえ方が変わる
チャンネル数は、音質よりも「再生環境で何が起こるか」で決めます。AC-3で5.1chを収録したディスクをステレオ環境で再生すると、デコーダが5.1chを2chへまとめ直して(ダウンミックスして)出力します。このとき、センターチャンネルに置いたセリフやナレーションは左右へ振り分けられ、サラウンドチャンネルの成分も混ざるため、5.1chのモニター環境で確かめたときとバランスが変わります。会場の歓声をサラウンドに大きく入れていると、2chの再生でセリフが埋もれる、という結果になりがちです。
ダウンミックスの方式には、サラウンド成分を残す形(Dolby Surround互換、いわゆるLtRt)と、単純に折りたたむ形(LoRo)があります。AC-3のエンコードのときに、どちらを想定するかを指定できます。配る先の大半がテレビの内蔵スピーカーやサウンドバーであれば、最初から2.0chで作り、そのバランスで仕上げるほうが結果を読み違えません。
リニアPCMについては、規格上は多チャンネルも定義されていますが、6,144kbpsという上限と再生機側の実情から、実務ではステレオが基本と考えておくのが安全です。48kHz/16bit/6chは4,608kbpsを占め、映像に残せるのが5Mbps台まで下がります。
モノラル素材を扱うときは、片チャンネルだけに音が入っていないかを確認します。カメラの外部マイク入力が片側だけで録れていた、というケースは珍しくなく、これをそのまま2chとして書き出すと「片方のスピーカーからしか音が出ない」ディスクができあがります。オーサリングの前に、左右両方に同じ音を配置するか、モノラル1chとして扱うかを決めておきます。
DVDの音が出ない・小さいときは、サンプリング周波数とdialnormを先に疑う
症状から原因にたどり着く順序を決めておくと、無駄なやり直しが減ります。ディスクを作り直す前に、表の上から順に確認します。
症状
疑うところ
確認方法
全編で無音
元素材の音声トラック、または対応外の形式
入稿前の動画をPCで再生。解析ツールで音声コーデックと周波数を見る
プレーヤーによって鳴ったり鳴らなかったり
DTSやMP2を既定トラックにしている
音声トラックの構成と並び順を確認し、LPCMかAC-3を既定にする
音は出るが小さい
AC-3のdialnorm設定、または素材のレベル
編集ソフトでラウドネスを確認し、エンコード時のdialnormを見直す
片方のスピーカーからしか出ない
収録時のマイク入力が片チャンネル
波形を左右別に確認。モノラル化するか両チャンネルに配置
セリフだけ聞き取りにくい
5.1ch音声が2chへダウンミックスされている
2ch環境で試聴し、必要なら2.0chで作り直す
途中から音が途切れる、映像も乱れる
ディスクの記録品質・読み取り不良
別のプレーヤーで再生。改善しなければ盤の問題を疑う
最後の行のように、音声形式ではなくディスク側に原因がある場合もあります。特定の場所で毎回止まる、他の機器でも同じ位置で乱れる、といった症状は形式の問題ではないので、読み込めないDVDの原因の見分け方 の方向で切り分けたほうが早く終わります。
切り分けの途中では、書き出しの設定を一つずつ変えて焼き直すのではなく、まず元の動画ファイル単体で音を確認するのが近道です。元の段階で無音なら、オーサリング側をいくら触っても結果は変わりません。
AC-3とLPCMのどちらを選ぶか。配布用は48kHz/16bitのLPCMかAC-3の2.0ch
判断の基準は、収録時間と音の位置づけの二つでほぼ決まります。
60分以内で、音楽・演奏・歌が主役ならリニアPCM(48kHz/16bit/2ch)。1,536kbpsを使っても映像に8.5Mbps前後を回せるため、画質を犠牲にせずに非圧縮の音を残せます。
90分以上の長尺、または講演・研修など話し声が中心ならAC-3のステレオ(192〜256kbps)。音声を1Mbps以上節約でき、その分を映像のビットレートに充てられます。
サラウンドで収録した舞台・イベントなら、AC-3の5.1ch(384〜448kbps)を、2ch環境での聞こえ方を確認したうえで採用します。
配る先の再生環境がまったく読めないなら、2.0chのLPCMかAC-3。チャンネル数を増やさない構成が、結果的にトラブルの少ない仕上がりになります。
どちらを選ぶにせよ、作り直しを防ぐ実務上の要点は次の3つです。
元素材のサンプリング周波数を48kHzに揃える
音声トラックを一つに絞る
書き出したあとに、実際のプレーヤーで冒頭・中盤・終盤を再生して確認する
焼き直す前に、元の動画と書き出しの設定を順に確かめる
ディスクの作成を当社に頼む場合
当社では、この音声形式の選定を含めたオーサリング(再生できる形式への組み立て)を料金に含めて対応しています。基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)から、1枚単位で注文でき、盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも対応します。
入稿は、ギガファイル便のURLで受け付けています。大容量の動画をそのまま送る手順は、ギガファイル便での入稿ガイド にまとめてあります。編集ソフトから書き出したままのMP4を送っていただければ、音声の形式変換とサンプリング周波数の調整は当社で行います。
納期は通常便のほか、次のオプションがあります。
お急ぎお届けは+1,500円です(平日15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)。
特急お届けは+3,000円です(平日15時までのご注文・ご入稿で翌日発送)。
当日店舗お渡しは+3,500円です(平日12時までのご注文・ご入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)。
よくある質問
Q. DVDの音声はAC-3とLPCMのどちらがいいですか? A. 収録時間と用途で決めます。60分以内で音楽や演奏が主役なら、非圧縮のリニアPCM(48kHz/16bit/2ch、1,536kbps)でも映像に十分な帯域が残ります。90分を超える長尺や、講演・研修のように話し声が中心の内容ならAC-3のステレオを選び、節約した1Mbps以上を映像側に回すほうが全体の見え方がよくなります。サラウンドを入れたい場合は、5.1chを448kbps以内に収められるAC-3が現実的な選択肢です。
Q. AC-3とLPCMで音質はどのくらい違いますか? A. リニアPCMは圧縮をかけない生の波形なので、エンコードによる情報の欠落がありません。AC-3は非可逆圧縮で、ビットレートを下げるほど元の音から情報が落ちます。ただしステレオで192〜256kbps程度を確保すれば、話し声や一般的な映像作品の音であれば実用上の差は小さいと考えられます。差が出やすいのは、残響の長いホール録音や、繊細な高域を含む楽器の音です。
Q. DVDに44.1kHzの音声は入れられますか? A. DVD-Videoの音声は48kHzまたは96kHzに限られており、CDと同じ44.1kHzのままでは規格に適合しません。オーサリングの前にサンプリング周波数を48kHzへ変換する必要があります。ICレコーダーやスマートフォンの録音、CDから取り込んだBGMは44.1kHzであることが多いため、映像に重ねる前の段階で確認しておくと、変換のやり直しを避けられます。
Q. DVDの音声トラックは何本まで入れられますか? A. DVD-Videoの規格では、1本の映像に対して最大8本の音声トラックを多重化できます。日本語音声と英語音声、監督コメンタリーを別トラックにしておき、再生時にリモコンで切り替える、といった構成が可能です。ただし本数を増やすほど合計のビットレートを圧迫するため、映像の画質との兼ね合いで決めることになります。
Q. DVDに焼いたのに音だけ出ないのはなぜですか? A. よくある原因は三つあります。元の動画ファイルの時点で音声が入っていない、または片チャンネルしか録れていないケース。DTSやMPEG音声など、再生機が対応していない形式を既定の音声トラックにしているケース。そして音声トラックがオーサリング時に多重化されていないケースです。まず入稿元の動画をPCで再生して音があるかを確認し、そのうえで音声形式とトラック構成を見直すと切り分けが早く進みます。
Q. 自作DVDの音が市販のDVDより小さいのはなぜですか? A. AC-3で作った場合、dialnorm(ダイアログノーマライゼーション)という音量メタデータが影響している可能性があります。1〜31の値が再生ゲインの−30dB〜0dBに対応し、デコーダがこの値に従って出力レベルを調整します。素材の実際のラウドネスと合わない値が書き込まれていると、波形上は十分な音量でも小さく再生されます。編集段階のレベル自体が低い場合もあるため、まず元素材の音量を確認してからエンコード設定を見直します。
Q. DVDにDTS音声を入れても大丈夫ですか? A. DTSはDVD-Videoの規格に含まれていますが、再生機側の対応はオプション扱いです。非対応のプレーヤーにDTSだけのディスクを入れると、映像は再生されるのに音が出ない状態になります。DTSを使いたい場合は、リニアPCMかAC-3の音声トラックを別に用意し、既定の音声トラックをそちらに設定しておく構成が安全です。
Q. 音声形式は映像の画質に影響しますか? A. 影響します。DVD-Videoは映像・音声・字幕を合計した多重化レートの上限が10.08Mbpsと決まっているため、音声で使った分だけ映像に回せる帯域が減ります。リニアPCM(1,536kbps)とAC-3ステレオ(192kbps)では約1.3Mbpsの差があり、60分の映像なら容量にしておよそ600MBの違いになります。長尺の作品ほど、この差が画質の余裕に影響してきます。