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  3. ダンス発表会の映像を出演者に配る|撮影から配布までの段取り

ダンス発表会の映像を出演者に配る|撮影から配布までの段取り

2026 9/23
ダンス発表会の映像を出演者に配る|撮影から配布までの段取り

この記事の要点

  • 発表会の記録で最も多い苦情は「写っていない」で、対策は引きの1台を演目中に止めないことと、全員が均等に大写しになるわけではないと事前に文章で伝えておくことです。
  • 会場で音楽を流すだけなら著作権法38条1項で無許諾となる場合がありますが、同条は上演・演奏・上映・口述が対象で、DVDにする複製は対象外です。
  • JASRACの非商用複製は基本使用料が1曲あたり400円/分、複製使用料が51枚以上で2.2円/分×枚数で、20演目120枚なら税抜46,480円と実額で読めます。
  • 市販CD音源を使った演目は原盤権(著作隣接権)がJASRACとは別に必要で、許諾が取れない演目は差し替えるか収録から外す判断が要ります。
  • 枚数は事前申込を締め切ってから確定させ、1枚単位で追加できる前提なら予備は講師分と保管用の数枚で足ります。

発表会が終わって二週間ほど経つと、事務局に問い合わせが入り始めます。「DVDはいつ配られますか」「うちの子はちゃんと写っていますか」。前者は段取りの問題ですが、後者は本番当日にすでに決着がついていて、あとから取り返しがつきません。

出演者全員に同じ映像を配るという作業は、撮影・権利処理・枚数確定・集金・複製・配布という六つの工程が直列につながっています。どこか一つが遅れると全体が止まり、しかも遅れやすいのは撮影や複製ではなく、音楽の権利処理です。市販音源を使った演目の許諾確認は、返事が来るまでの時間を自分でコントロールできません。

この記事では、ダンススクールの運営者や保護者会が発表会の記録映像を出演者全員に配るまでを、実際に手を動かす順番で整理します。カメラの置き方、客席撮影を許可する場合の条件、JASRACの使用料の実額計算、原盤権という別の関門、必要枚数の読み方、集金の設計、そして配布日から逆算したスケジュールまでを扱います。

「写っていない」が最大の苦情|引きの1台を止めずに回し、期待値は事前に文章で伝える

発表会の記録映像に対する不満は、画質でも音でもなく「自分の子が写っている時間が短い」に集中します。これは撮影技術の失敗というより、記録映像が構造的に抱えている性質です。20人が舞台に乗っている演目で、全員を等しく大写しにすることは物理的にできません。

不満が実害になるのは、次の四つのどれかが起きたときです。後列に立った出演者が前列に隠れたまま一度も抜かれない。カメラマンが寄りに切り替えた瞬間にフォーメーションが変わり、全体が画角から外れる。演目の途中で録画が止まっていた。カーテンコールや講師挨拶を撮っていなかった。

本番までに手を打てること

  • 演目ごとのフォーメーション図(立ち位置表)を作り、遅くとも前日までに撮影担当へ渡す。誰がどこに立つかを知っているカメラマンは、寄る先を間違えにくくなります。
  • 舞台全幅と袖の少し外側までが入る「引き」の画を、演目の頭から終わりまで途切れさせない。ここが残っていれば、全員が写っている画は最低限確保できます。
  • 幕間の転換、カーテンコール、終演後の集合写真の時間まで回す。出演者本人よりも、家族が見たいのはこの部分だったりします。

期待値は申込書に書いておく

配布後に説明するのでは遅いので、申込を受け付ける段階で「舞台全体を記録する映像であり、出演者ごとの寄りの尺は演目や立ち位置によって異なります」と一文入れておきます。これがあるかないかで、配布後の問い合わせ件数は変わります。加えて、演目ごとにチャプターを切って目当ての演目にすぐ飛べるようにしておくと、「探しにくい」という別種の不満も減らせます。ディスクにする場合、チャプター分けとメニュー画面の作成は制作側で対応できる範囲なので、演目順の一覧をそのままメニューにしてもらうのが手っ取り早い方法です。

全演目を通しで押さえる体制|引き固定+寄り1台の2カメと、PAからのライン録音

予算が許すなら3台、現実的な最小構成は2台です。1台だけの体制は、その1台にトラブルが起きた時点で記録がゼロになるという一点だけで避けたほうが安全です。

台数ごとの役割

  • 1台目(引き・固定):客席後方のセンター、三脚に据えて雲台をロック。舞台全幅+袖が少し入る画角で固定し、演目の途中でズームもパンもしません。これが記録の本体です。
  • 2台目(寄り):手持ちか三脚のパン。センターに寄せて、ソロや前列を追います。動いていい役割はこちらだけに集約します。
  • 3台目(あれば):下手または上手からの斜め。フォーメーションの奥行きが出て、編集時の逃げ道になります。

本番前に潰しておく機材の落とし穴

長尺の収録では、機材側の仕様が事故になります。記録メディアのファイルシステムがFAT32だと1ファイル4GBで自動分割されるため、編集時につなぎ直す手間が発生します。exFATでフォーマットしておけば回避できます。機種によっては連続録画時間に上限があり、一定時間で自動停止するものもあるので、手持ちの機材で何分回り続けるかを事前に実測してください。バッテリーは予備を積むより、可能ならAC給電にしたほうが確実です。

音は会場のミキサーから取る

カメラの内蔵マイクは客席の歓声と拍手を至近距離で拾い、PAから出ている音楽は割れて記録されがちです。会場に音響卓があるなら、ライン出力から別のレコーダーに録っておき、編集時に映像と差し替えます。同期の目印は、各演目の頭で音響担当に手を叩いてもらうか、カチンコ代わりに拍を入れてもらえば十分です。

リハーサル日に本番と同じ位置で数分テスト収録し、露出と音のレベルを確認しておきます。客席が埋まると反射が変わって音は変化しますが、明らかな破綻はリハーサル段階で見つかります。

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客席からの撮影可否|全面禁止より「指定エリア・三脚なし・公開禁止」の3点で決める

保護者の撮影を全面禁止にすると運用の摩擦が大きく、結局こっそり撮る人が出て統制が効かなくなります。禁止するかどうかではなく、どの条件なら許可できるかを設計するほうが実務的です。

会場運用として決める3点

  • 場所:撮影可のエリアを指定し、通路と最前列の立ち上がりを禁じます。公式カメラの前を横切る動線にはテープでラインを引いておくと、当日の口頭注意が減ります。
  • 機材:三脚と自撮り棒は禁止。フラッシュも禁止。後方に据えた固定カメラの画角を潰す最大の要因が、前方で伸びる棒と立ち上がりです。
  • 公開:撮った映像をSNSや動画サイトに上げないことを条件にします。自分の子だけを撮ったつもりでも、他の出演者の姿と会場の音楽が一緒に入ります。

保護者が撮った映像を教室全体に配るのは私的複製の枠を超える

著作権法30条は、複製が認められる私的使用の範囲を「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」と定めています。自分の家族で観るために撮って手元に置くのはこの範囲内ですが、それを教室の全家庭に配る行為は、この「限られた範囲内」を超えると考えられます。誰か一人の保護者の善意でコピーが出回る形にすると、権利処理をしていない映像が配布物になってしまいます。公式の記録映像を一本作って正規に処理するほうが、結果として安全で、費用も分担できます。

出演者からの同意

撮影と、出演者全員への配布について、書面で同意を取ります。未成年が多い場合は保護者の同意です。あわせて、同意しない出演者が出たときの扱い(該当する演目を収録対象から外すのか、配布対象を限定するのか)を先に決めておきます。当日になってから相談すると、その演目の撮影判断を現場で迫られることになります。

上演は無許諾でもDVD化は別|著作権法38条1項は複製をカバーしていない

音楽の権利まわりで最も誤解が多いのがここです。「発表会で音楽を流すのは許諾がいらないと聞いたから、DVDにするのも大丈夫だろう」という推論が成り立たない、という話です。

38条1項が認めているのは上演・演奏・上映・口述だけ

著作権法38条1項は「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる」と定め、ただし書きで「当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない」としています。

つまり、非営利・入場無料・出演者への報酬なしという三つを満たす発表会であれば、会場で音楽を再生する行為そのものは許諾なしに行える可能性があります。ただしこの条文に「複製」という言葉は出てきません。映像を記録してディスクに焼き、出演者に配る行為は複製にあたり、38条1項の対象外です。

スクール主催の発表会は非営利にあたらないことがある

チケットを販売している、出演料や参加費が営利事業の売上として扱われている、といった場合は、そもそも会場での再生についても38条1項の条件を満たしません。上演の段階と複製の段階を分けて、それぞれ自分の発表会がどちらに該当するかを確認してください。判断に迷う場合は自己流で結論を出さず、JASRACに事実関係を伝えて確認するのが早道です。

振付にも著作権が生じうる

著作権法10条1項3号は、著作物の例示として「舞踊又は無言劇の著作物」を挙げています。外部の振付師に依頼した作品を収録して配布する場合、振付そのものの扱いを依頼時の取り決めで確認しておく必要があります。発表会当日の上演までは想定していても、映像化して配ることまでは合意していなかった、という食い違いは起こり得ます。契約書や依頼メールに「記録映像を出演者へ配布する」と一行入っているかどうかを、選曲の段階で確かめておいてください。

JASRACの使用料は実額で計算できる|非商用複製は1曲あたり基本400円/分+2.2円/分×枚数

JASRACの手続きは、金額がわからないまま身構えている人が多い領域ですが、計算式は公開されていて、事前に実額を出せます。

手続きの流れ

JASRACの案内では、作品検索データベース「J-WID」で権利関係を確認し、オンライン窓口「J-RAPP」から申し込み、通知された許諾番号とJASRACロゴマークを複製物に表示し、許諾番号の通知後2〜3か月で届く請求書で支払う、という4段階です。手続きは製作前に行う必要があります。卒業記念用やコンクール用の録音・録画物も対象に含まれると明記されています。

非商用複製に該当する条件

教育機関・非営利団体・個人が複製の主体者かつ申込者であり、非営利目的で製作すること。そして無償か、製作費の実費以外の対価を得ないこと。この両方を満たす場合に、非商用複製の料率が適用されます。

区分 計算方法(1曲あたり)
基本使用料(内国作品) 1分単価400円 × 収録時間(秒単位切り上げ)
基本使用料(多くの外国作品) 指し値(国内の音楽出版者等が指定した額)
複製使用料(50個まで) 1分単価110円 × 収録時間
複製使用料(51個以上) 1分単価2.2円 × 収録時間 × 製造数

基本使用料と複製使用料を合算し、消費税相当額を加えた額が申込1件あたりの著作物使用料になります。

20演目・平均3分30秒・120枚で計算してみる

  • 基本使用料:400円 × 3.5分 × 20曲 = 28,000円
  • 複製使用料:2.2円 × 3.5分 × 120枚 × 20曲 = 18,480円
  • 合計 46,480円(別途消費税)。1枚あたり約387円です。

50枚以下なら複製使用料が枚数に比例せず定額になるため、同じ20演目で40枚なら複製使用料は7,700円、合計35,700円です。少部数ほど、1枚あたりの負担は基本使用料に支配されます。

営利のスクールが自ら製作する場合は料率が上がる

非商用複製の条件から外れる場合、映像ソフトは商用複製の区分になります。「その他のビデオグラム」では基本使用料が1分単価800円、市販目的以外の複製使用料は50個まで1分単価220円、51個以上は1分単価4.4円×製造数です。先ほどと同じ条件で計算すると、基本56,000円+複製36,960円=92,960円と、およそ2倍になります。どちらの区分に該当するかは自己判断せず、申込時にJASRACへ事実関係を伝えて確認してください。

なお、外国曲は多くが指し値になるため、金額も回答までの時間も読めません。選曲に洋楽が多い発表会では、ここが日程を圧迫する要因になります。

市販CD音源の演目は原盤権が第二の壁|JASRACの許諾では音源そのものは使えない

JASRACの手続きが済めば映像を配れる、と考えていると、ここで止まります。JASRACが管理しているのは作詞者・作曲者の著作権であって、CDや配信で流通している音源そのものの権利ではありません。

JASRAC自身の案内にも、市販CDから音源を利用する場合は著作隣接権の別途許諾が必要であり、音源製作者(レコード会社等)に直接問い合わせる必要があると書かれています。窓口の一覧は日本レコード協会が案内しています。

なぜこれが日程上いちばん危ないのか

JASRACの手続きは、条件がそろえば申込から先が事務的に進みます。一方で原盤の許諾は、レコード会社側の判断です。数十枚の記録映像という小さな利用に対して許諾を出すかどうか、出すとしていくらか、返事がいつ来るかは、こちらでは決められません。発表会の1か月前に問い合わせを始めて間に合わなかった、という順序で詰むことになります。

許諾が取れない場合に取り得る手

  • 権利処理済みの音源や、商用利用が許諾されている音源に差し替えて編集する。
  • カバー音源を使う。この場合も作詞作曲の著作権はJASRAC側の手続きが必要ですが、原盤の壁は回避できます。
  • 許諾が取れなかった演目だけを収録対象から外す。この可能性がある旨を、申込書の段階で保護者に伝えておきます。

会場のPAから出ている音をライン録りすれば別、と考えたくなりますが、流している音源が市販CDであれば、それを記録する行為も原盤の複製です。録り方を変えても回避にはなりません。

いちばん効くのは選曲の段階での一言

「この発表会は記録映像を出演者に配ります」と、選曲を始める前に講師全員へ伝えておく。これだけで、後から外さざるを得ない演目の数は大きく減ります。権利処理は編集より前、選曲より後には動かせない工程です。

何枚必要かは事前申込で確定させる|1枚単位で追加できる前提なら予備は数枚で足りる

枚数の見積もりは、出演者数からは決まりません。1家庭1枚で足りる家庭と、祖父母の分まで含めて3枚欲しい家庭が混在し、実数は出演者数の0.8倍から1.5倍くらいまで振れます。推測で発注するのではなく、事前申込で実数を確定させるほうが確実です。

申込の締切をどこに置くか

本番の2週間前に締め切ります。理由は枚数だけでなく、この数字がJASRACの申込に必要な製造数になるからです。締切を本番後に置くと、権利処理の申込がすべて後ろにずれます。

締切後の追加希望は必ず出ますが、1枚単位で追加注文できるなら、それを見越して大量の予備を積む必要はありません。ディスクメーカーは1枚1,500円から、1枚から注文できます。同じ内容で1枚だけ足すことも、後日まとめて数枚足すこともできます。予備として最初から確保するのは、講師分、事務局の保管用、破損交換用の数枚で十分です。

DVDかBlu-rayか

再生できる環境の広さで選ぶならDVDです。実家のプレーヤーで観たい、という需要が一定数ある以上、標準はDVDにしておくのが無難です。画質を重視する層のためにBlu-rayを選択肢として併記し、申込書でどちらか選ばせる形にすると、両方を全員分作る無駄が出ません。

ただし、二種類を並行して管理すると受渡の突合が煩雑になります。原則DVD、希望者のみBlu-ray、という運用にしておくのが現実的です。

2時間を超える発表会は1枚に詰め込まない

DVD-Video規格の映像解像度は720×480、片面1層ディスクの容量は4.7GBです。ここに長尺を詰め込むとビットレートが下がり、動きの速いダンスではブロックノイズが出やすくなります。全体で2時間を大きく超える場合は、前半と後半の2枚組にするか、Blu-ray(1920×1080)を選ぶかのどちらかです。2枚組にする場合は、盤面に「1/2」「2/2」の表記を入れ、ケースの背表紙でも判別できるようにしておきます。盤面へのレーベル印刷と、ケース・背表紙の印刷は制作時に指定できます。

申込と集金|実費のみに留めるか利益を乗せるかで、JASRACの区分まで変わる

集金の設計は、単なる事務ではありません。前述のとおり、JASRACの非商用複製の条件には「無償又は製作費の実費以外の対価を得ないこと」が含まれています。1枚いくらで集めるかという価格の決め方が、そのまま適用される料率を左右します。

実費として積み上げる項目

  • 撮影費(外部に依頼した場合)
  • 編集費
  • JASRACの著作物使用料
  • 原盤の許諾料(発生した場合)
  • ディスクの制作費
  • 発送費、または受渡にかかる実費

これらの合計を確定枚数で割り、端数を切り上げた額を頒布価格にします。切り上げで生じた余剰をどう扱うか(返金するのか、次回に繰り越さず備品に充てるのか)は、申込書を配る前に決めて明記しておきます。決めずに始めると、決算のときに保護者会で議題になります。

申込書に入れておきたい項目

  • 撮影・収録・出演者への配布に対する同意(未成年は保護者の署名)
  • 受け取った映像の複製・再配布・SNS等での公開を行わないこと
  • 希望枚数と形式(DVD/Blu-ray)
  • 金額、支払方法、支払期限
  • 申込締切、締切後の追加注文の可否と価格
  • 楽曲の許諾状況によって一部演目が収録されない可能性があること
  • 受取方法(手渡し/郵送)と予定時期

突合表は1枚のシートにまとめる

氏名、クラス、希望枚数、形式、金額、入金日、受渡方法、受渡日を列に持つ表を一つ作り、これ以外の場所に情報を分散させないことです。現金の手渡しは記録が残りにくいので、振込かキャッシュレスに寄せたほうが後の照合が楽になります。領収書の発行を求められることも想定して、様式を先に用意しておきます。

配布までのスケジュール|権利処理を最初に置き、ディスク制作を最後の数日に寄せる

工程のうち、自分でコントロールできないのは権利処理の返答待ちだけです。したがって逆算のコツは単純で、権利処理をできるだけ前に、ディスク制作をできるだけ後ろに置きます。ディスク制作は納期オプションで日数を買い戻せますが、レコード会社からの返事は買い戻せません。

時期 やること
本番8週間前 選曲を確定。記録映像を配布する前提を講師全員に共有。外国曲と市販音源の有無を洗い出す
6週間前 J-WIDで権利関係を確認。原盤の許諾照会を開始(ここが最長の待ち)。外部振付の作品は取り決めを確認
5週間前 撮影者と機材を手配。進行表と立ち位置表の初版を作成。会場の撮影ルールを決定
4週間前 申込書を配布(同意事項・枚数・形式・金額・締切)
2週間前 申込締切。枚数を確定し、その数でJASRACへ申込。集金開始
1週間前 リハーサルでテスト収録。露出、音声ライン、記録メディアの空き、連続録画時間を確認
本番 収録。終演後にその場でデータをコピーし、2か所に保管
本番後3〜10日 編集。演目ごとのチャプター位置とメニュー構成を確定。確認用に通しで再生チェック
編集完了後 共有URLで入稿し、ディスク制作へ

印刷データを作る前に許諾番号を確定させる

JASRACの手続きでは、通知された許諾番号とロゴマークを複製物に表示することになっています。盤面のレーベルかケースの背表紙に入れるのが一般的なので、印刷データの版下を組む前に番号が手元にある状態にしておきます。ここを後回しにすると、刷り直しになります。

入稿と納期

ディスクメーカーへの入稿は、ダウンロードできる共有URLで行います。ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなどが使えます。ギガファイル便は1ファイル300GBまでで、保持期限は選択制(初期値は5日)です。制作期間中にリンクが切れないよう、保持期限は長めに設定しておいてください。再生できる形式への組み立て(オーサリング)は料金に含まれており、メニュー画面の作成とチャプター分けにも対応しています。

納期は通常便のほか、お急ぎ(+1,500円/15時までの注文・入稿で翌々日までに発送)、特急(+3,000円/15時までの注文・入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(+3,500円/平日12時までの注文・入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)が選べます。次回のレッスン日に手渡ししたい、という締切がある場合は、この選択肢で数日を取り戻せます。

よくある質問

Q. 発表会のDVDを出演者に配るのに、JASRACの手続きは必要ですか
A. 必要です。JASRACは録音物や映像ソフトの製作を手続きの対象としており、卒業記念用やコンクール用の録音・録画物も含まれると案内しています。会場で音楽を流すことと、その映像をディスクに複製して配ることは別の行為として扱われます。手続きは製作前に行う必要があり、J-WIDで権利関係を確認してからJ-RAPPで申し込み、通知された許諾番号とロゴマークを複製物に表示します。

Q. 入場無料の発表会なら、音楽の許諾はいらないのではないですか
A. 会場で流すことについては、条件を満たせば許諾なしに行える場合があります。著作権法38条1項は、営利を目的とせず観衆から料金を受けず、実演家に報酬が支払われない場合に、公に上演・演奏・上映・口述できると定めています。ただしこの条文に複製は含まれていません。映像を記録してディスクにする行為は複製にあたるため、入場無料であってもJASRACの手続きは別途必要になります。

Q. JASRACの使用料はいくらくらいになりますか
A. 非商用複製に該当する場合、内国作品は基本使用料が1分単価400円×収録時間、複製使用料が50枚まで1分単価110円×収録時間、51枚以上は1分単価2.2円×収録時間×製造数です。20演目で1曲平均3分30秒、120枚なら、基本28,000円と複製18,480円で合計46,480円(別途消費税)、1枚あたり約387円になります。多くの外国曲は指し値のため、事前の確認が必要です。

Q. 市販CDの音源を使った演目も、JASRACに申し込めば配れますか
A. JASRACの許諾だけでは足りません。JASRACが扱うのは作詞者・作曲者の著作権で、CDや配信の音源そのものには著作隣接権(原盤権)があり、レコード会社等に直接許諾を求める必要があります。窓口は日本レコード協会が案内しています。返答までの時間も可否も相手方の判断になるため、選曲が固まった直後、遅くとも本番の6週間前には照会を始めておくのが安全です。

Q. 保護者が撮影した映像を教室のみんなに配ってもいいですか
A. 配布はおすすめできません。著作権法30条が複製を認める私的使用の範囲は「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」とされており、教室の全家庭に配る行為はこの範囲を超えると考えられます。また、他の出演者の肖像や権利処理をしていない音楽が入った映像が出回ることにもなります。公式の記録映像を1本作り、正規に権利処理をして配布するほうが安全です。

Q. 客席からの撮影は禁止すべきですか
A. 全面禁止よりも、条件つきで許可するほうが運用しやすい場合が多いです。撮影可のエリアを指定して通路と最前列の立ち上がりを禁じる、三脚と自撮り棒とフラッシュを禁止する、撮影した映像をSNSや動画サイトに公開しないことを条件にする、の3点を申込書と当日アナウンスで明示します。公式カメラの画角を潰す動線には、床にテープでラインを引いておくと当日の注意が減ります。

Q. DVDとBlu-rayはどちらで配るのがよいですか
A. 再生できる環境の広さを優先するならDVDです。実家のプレーヤーで観たいという需要が一定数あるため、標準をDVDにしておくと問い合わせが減ります。画質を重視する方のためにBlu-rayを併記し、申込書で選んでもらう形にすると無駄が出ません。全体で2時間を大きく超える場合は、DVDの容量とビットレートの都合から2枚組にするか、Blu-rayを選ぶ判断になります。

Q. 何枚作ればいいか分かりません。多めに作っておくべきですか
A. 多めに刷るより、事前申込で実数を確定させるほうが確実です。1家庭1枚の家庭と祖父母の分まで欲しい家庭が混在するため、出演者数からは枚数が決まりません。締切は本番の2週間前に置くと、確定した製造数でJASRACに申し込めます。1枚単位で追加注文できるサービスを使えば、締切後の追加希望にも後から対応できるので、予備は講師分と保管用の数枚で足ります。

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