この記事の要点
- まず、前撮り・当日・家族のメッセージを撮ります。前撮りの写真と動画を使える範囲は写真館の規約で決まり、式典の会場での撮影は主催する市区町村の案内に従います。
- 0歳から20歳の写真と動画を、スマホやクラウド、祖父母の家、古いビデオテープ・DVD・ガラケー・デジカメから集めます。古い媒体は読める機器があるうちに取り出し、写したらすぐ2か所に置きます。
- 何分の1本にするかを先に決め、写真の枚数は「長さ(秒)÷1枚の秒数」で逆に数えます。10分を1枚7秒で並べると約86枚で、20年分なら1年に約4枚です。
- 曲は、家族が家で見るために自分で作るなら私的使用の範囲です(著作権法第30条)。別の家に住む祖父母に渡す分が入るかは一律には言えず、その範囲を超えて配るなら曲と音源の手続きが要ります。
- 祖父母に渡すならテレビで見られるDVDにして、1枚目を試してからそろえます。手元に残すなら、元の動画のファイルもパソコンと外付けのドライブやクラウドなど2か所に置きます。
振袖やスーツの前撮りを終え、式の日が近づいてくると、当日の姿をどう残すか、祖父母に何を渡すかを考え始めます。0歳からの写真と動画で1本のムービーを作ろうとすると、20年分の記録は、押し入れのビデオテープ、機種変更の前のスマホ、祖父母の家のアルバムと、家のあちこちに散らばっています。
考える順番は5つです。前撮り・当日・家族のメッセージを撮り、0歳から20歳の写真と動画を集めて古い媒体から取り出し、何分の1本にするかを決めて写真の枚数を逆に数えます。曲を入れるなら、家族で見る範囲かどうかで手続きが変わるので、使い方を先に決めておきます。渡す形は、祖父母にはテレビで見られるDVD、手元には元のファイルも2か所に、が基本です。
このうち日数がかかるのは、古いビデオテープやディスクからの取り出しと、曲の手続きです。式の日が決まったら、この2つから手をつけます。なお、民法の成年年齢は18歳ですが(第4条)、この記事で扱うのは二十歳の節目の式典です。10歳の節目の記念ムービーは、二分の一成人式・10歳の記念ムービーにまとめています。
前撮り・当日・家族のメッセージで、動画に撮っておきたい場面
前撮りの写真は、写真館が撮ります。家族のスマホで残したいのは、写真には入らない動きと声です。撮る場面を前撮りの日、式の当日、家族のメッセージに分けて書き出しておくと、当日あわてずに済みます。
| 場面 |
撮っておきたいこと |
| 前撮りの日 |
着付けや髪を 整えるところ、 見守る家族の ようす。 写真館が認める 範囲で撮る。 |
| 当日の朝 |
家を出る前の 玄関で、家族と 交わすひとこと。 |
| 会場の前後 |
友だちとの再会。 会場の中は 主催者の案内に 従う。 |
| 式のあと |
祖父母と並んだ 場面と、食事会の ようす。 |
| メッセージ |
家族から本人へ、 本人から家族への ひとこと。 |
式の当日は、朝の支度から会場への移動まで慌ただしくなります。全部を撮ろうとせず、表の中から撮る場面を絞り、撮る人を決めておきます。撮る係を交代すれば、親も写る側に回れます。
家族と本人のメッセージは、落ち着いた日に撮ってもよい
家族からのひとことは、式の当日に限らず、前後の落ち着いた日に撮ってもかまいません。祖父母の家に行く日に祖父母からのひとことを撮っておけば、ムービーの終わりに入れられます。本人から家族へのひとことも同じです。1人ずつ、同じ場所と同じ向きで撮っておくと、つないだときに見やすくなります。外で撮るなら、風の音が入りにくい場所を選びます。
テレビで見るなら、スマホを横に構える
ディスクにしてテレビで見るなら、スマホは横に構えて撮ります。縦に構えて撮った動画(縦横の比が9:16)を、横長(16:9)のテレビの画面に形を崩さずに収めると、映像の幅は画面の約3分の1になり、左右は黒い帯になります(計算上)。
iPhoneは、対応するモデルなら、設定を変えなければドルビービジョンのHDRでビデオを撮ります(Apple)。DVDとふつうのブルーレイにはHDRを収める仕組みがないので、ディスクにすると明るさや色の見え方が変わることがあります。式の日に撮る分は、「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」の「HDRビデオ」(モデルによっては「HDR」)をオフにしておく方法もあります。
写真館の前撮りの写真と、成人式(二十歳のつどい)の会場での撮影
写真館の写真と動画は、写真館の規約で使える範囲が決まる
写真も、著作権法で守られる著作物です(第10条に「写真の著作物」が挙がっています)。前撮りで写真館が撮った写真や動画は、撮った側や権利を持つ側の了解のうえで使うもので、使える範囲は、写真館の規約やデータを受け取るときの条件で決まります。ムービーに入れる、スキャンして複製する、ディスクにして祖父母に渡す、といった使い方も、その範囲の中で考えます。
データを受け取る前に、写真館に確かめておきたいのは次の点です。
- 写真や動画をデータで受け取れるか。受け取れる画像の大きさと、動画の形式
- 家族で作るムービーに入れる、ディスクにして家族に渡す、といった使い方ができるか
- データを受け取れる期限(ダウンロードできる期間など)があるか
- 撮影の最中に、家族がスマホで撮ってよいか
家庭内など限られた範囲で、仕事以外で使うために、使う本人が複製するのは、著作権法の「私的使用のための複製」にあたります(第30条・文化庁)。別に暮らす祖父母や親戚に配る分まで私的使用に入るかは、一律には言えません。規約に書かれていない使い方は、写真館に聞いてから決めます。店に頼んでディスクにする場合も、その使い方が認められているかを先に確かめます。
式典の会場での撮影は、主催する市区町村の案内に従う
式典の会場の中で撮ってよいか、家族が会場に入れるか、式のようすを配信するかは、式典を主催する市区町村の案内で確かめます。市区町村のホームページや、届いた案内に目を通し、書かれていないことは主催する市区町村の担当の窓口に聞いてください。成人の日は1月の第2月曜日(国民の祝日に関する法律。2027年は1月11日)ですが、式の日取りや会場も、同じ案内で確かめます。
会場の中で撮れないときは、会場の外で友だちと会う場面や、式のあとの家族の時間を中心に組み立てます。式典で流れた曲や、ステージの演奏が入った場面を、ほかの家に配る動画に入れるなら、曲の手続きの話になります(曲の節で書きます)。
友だちが大きく写る動画を人に渡すなら
式の前後は、友だちと一緒に写る場面が増えます。肖像権は、自分の氏名や肖像をみだりに他人に公開されない権利で、法律に定めはなく、判例によって確立されてきた権利です(文化庁)。友だちが大きく写る場面を、同級生に配る動画や、同窓会などの会場で流す動画に入れるなら、写っている本人に先に聞いておきます。家族だけで見る1本と、人に渡す1本を分けて作れば、渡す側の1本からだけ外すこともできます。
0歳から20歳の写真と動画を集める
20年分の記録は、1か所にまとまっていません。探し始める前に、残っていそうな場所を書き出します。
- 今のスマホと、機種変更の前のスマホ。iCloud 写真やGoogle フォトなどのクラウドに残っていることもある
- 家族のパソコン、外付けのドライブ、SDカードやUSBメモリー
- ビデオカメラの内蔵メモリーやSDカードと、ビデオテープ
- 家で焼いたDVD-R・CD-Rと、ビデオカメラやレコーダーで作ったDVD
- 古い携帯電話(ガラケー)やデジカメと、そのメモリーカード
- アルバムに貼ったプリントの写真
- 祖父母や親戚の家。祖父母が撮った写真や動画、前に渡したディスク
- 園や学校で配られたDVDや写真
親が撮る側に回っていた行事は、親が写った場面を祖父母や親戚が撮っているかもしれません。電話で聞くときは、「何歳の、何の行事の写真か」を添えると探してもらいやすくなります。
祖父母や親戚からは、元の画質で送ってもらう
送ってもらう方法は、ひとつに絞って伝えます。受け口を広げると、誰の写真と動画がどこにあるかを追いきれなくなるからです。
LINEのトークで受け取った動画は、元のファイルと同じとは限りません。トークで送った動画の画質がどう変わるかはLINEのヘルプに書かれていないので、確かめるなら、撮った人の手元にあるファイルと大きさを比べます。仕組みと渡し方はLINEで動画の画質が落ちる?オリジナル画質と元の画質で渡す方法に書きました。
iPhoneの写真アプリの共有アルバムは、iOS 26以前で作ったアルバムだと写真が長辺2048ピクセルに、ビデオが720pまでに縮められ、iOS 27以降で作ったアルバムなら元の形式・フル解像度で保存されます(Apple)。ギガファイル便で送ってもらうなら、保持期限は何も変えなければ5日で、アップロードしたあとで延ばせないので、届いた日のうちにダウンロードします。
集めたら、年ごとのフォルダに分けて名前を付ける
集めた写真と動画は、1つのフォルダの下に年ごと(または年齢ごと)のフォルダを作って入れます。「2009_3歳_七五三」のように、年と出来事をフォルダの名前に入れておくと、あとで探せます。米国国立公文書館(NARA)の手引きも、フォルダの名前に日付と出来事を入れると見つけやすいとしています。Google フォトからダウンロードした写真や動画には、ダウンロードした時刻が新しい日時として付くことがある(Google)ので、ファイルの日付で並べると、撮った順とずれることがあります。
園や学校で配られたDVDや写真も、撮った側や権利を持つ側の了解のうえで使うものです。家で見る1本に入れるのと、ほかの家に配る1本や、店に頼んで作るディスクに入れるのとでは、確かめることが変わります。
古いビデオテープ・DVD・ガラケーから取り出す方法
古い媒体は、読む機器があるうちに取り出します。カナダ保存研究所(CCI)は、再生する機器がなくなれば、状態のよい媒体でも中身を取り出せなくなると書いています。出てきたものごとの取り出し方は、次のとおりです。
| 出てきたもの |
取り出し方 |
| ビデオテープ |
デッキとキャプチャーで パソコンに取り込む。 機器がなければ、 業者に頼む。 |
| ビデオカメラ |
ACアダプターを つなぎ、メーカーの ソフトでパソコンへ。 |
家で焼いた ディスク |
中心から外へ拭き、 別のドライブでも 試して、読める ファイルから写す。 |
ガラケー・ デジカメ |
メモリーカードを カードリーダーで パソコンに写す。 本体の分は 説明書の手順で。 |
アルバムの 写真 |
スキャナーで300dpi。 大きく見せる写真は 600dpiで。 |
ビデオテープは、再生できるデッキやビデオカメラとビデオキャプチャーをパソコンにつないで、再生しながら取り込むか、ダビングサービスに頼みます。取り込みは実時間で進むので、見直しまで入れると手間は映像の長さの約3倍です(CCI)。白い粉のようなカビやベタつきがある、再生中にきしむ音がする、といったテープは再生せず、専門の業者に相談します。磁気テープの寿命は、NARAがアーカイブの条件でもおおむね10〜50年、CCIが平均10〜30年としています。つなぎ方と、業者に確かめる点はビデオテープをデジタル化する方法にまとめました。
ビデオカメラの内蔵メモリーを、パナソニックは説明書で「一時的な保管場所」と書いています。ACアダプターから電源を取り、メーカーの取り込みソフトでパソコンに写すか、本体のコピーの機能でSDカードに移します。ソフトを使わずに写すなら、MTSのファイルだけを抜き出さず、AVCHDのフォルダーごとコピーします。「フォーマットしてから」という表示が出ても、フォーマットはデータがすべて消える操作なので、取り出す前には選びません。機種ごとの手順はビデオカメラの内蔵メモリから動画を取り出す方法にあります。
家で焼いたDVD-RやCD-Rは、記録面を柔らかい布で中心から外へ拭き、読めなければ別のドライブや別のパソコンで試します。読めたら、読めるファイルから先にパソコンへ写してください。研磨や歯磨き粉は試しません。試す順番は古いCD-R・DVD-Rが読めないときのデータ救出に書きました。ビデオカメラやレコーダーで作ったDVDビデオの形のディスクなら、自分で作った保護のないものに限って、DVDをパソコンに取り込む方法の手順で動画のファイルにできます。
古い携帯電話やデジカメは、写真や動画がメモリーカードに入っていれば、カードを抜いてパソコンのカードリーダーで読みます。本体に残っている分は、充電して電源が入るかを見てから、機種の説明書でパソコンへの移し方を確かめます。USBメモリーやSDカードのようなフラッシュメモリーは、長く放置するとデータが消えることがある、とバッファローは説明しています。中身を写せたと確かめるまで、古い端末もカードも処分しません。
アルバムのプリントは、スキャナーで取り込みます。エプソンは自社のスキャナーの説明で、300dpiを写真の複製やスライドショー、共有に、600dpiを引き伸ばしやトリミングに向く解像度としています。ムービーの中で顔を大きく見せたい写真は、600dpiで取り込んでおくと余裕があります。スキャナーがなければ、Googleの「フォトスキャン」のように、スマホのカメラで写真を撮って、写真の端を見つけて切り抜き、光の反射も取り除くアプリもあります。解像度の考え方は写真スキャンの解像度の決め方で説明しています。
どの媒体でも、取り出せたらその日のうちにパソコンへ写し、外付けのドライブかクラウドにも置いておきます。
成人式のムービーは何分にする?写真の枚数は長さから逆に数える
長さに決まりはありません。食事会の合間に流すのか、家でゆっくり見るのか、祖父母の家で見てもらうのか、見せる場で決めます。会場で流すなら、流せる時間を会場や集まりの幹事に先に聞いておきます。
写真の枚数は、手元にある枚数ではなく、長さから逆に数えます。計算は「長さ(秒)÷1枚あたりの秒数=枚数」です。1枚を何秒見せるかにも決まりはなく、iPhoneのiMovieは写真を初めの設定で6〜12秒表示し、PowerPointでスライドを動画にするときは、各スライドの所要時間の既定が5秒です(Apple・Microsoft)。1枚7秒で数えると、次のようになります。
| 長さ |
1枚7秒で並べると |
5分 (300秒) |
約43枚。 20年分なら 1年に約2枚。 |
10分 (600秒) |
約86枚。 1年に約4枚。 |
15分 (900秒) |
約129枚。 1年に約6枚。 |
動画も入れるなら、動画の合計の長さを先に引いてから、残りの秒数で写真の枚数を出します。10分のうち動画を3分入れるなら、写真に使えるのは7分(420秒)で、1枚7秒なら60枚です。年ごとに同じ枚数にそろえる必要はありません。候補の写真は決めた枚数より多めに集め、並べてから減らしていくと、流れの悪いところに気づけます。
曲の長さから決める方法もあります。4分30秒(270秒)の曲1曲に合わせるなら、1枚7秒で約39枚です。Macの写真アプリのスライドショーには、表示の時間を選んだ曲の長さに合わせる「曲に合わせる」という設定があります(Apple)。
構成の一例|時期の順に並べる
構成に決まった型はありませんが、時期の順に並べると、20年の変わりようがそのまま伝わります。一例を挙げます。
- はじめに、今の本人の写真と、名前や日付を入れた題
- 生まれたころ(0〜2歳)
- 園のころ(3〜6歳)
- 小学校のころ
- 中学・高校のころ
- 前撮りと、式の当日
- 家族や祖父母からのメッセージ
- 終わりに、家族の集合写真
写真の少ない時期は、1枚を長めに見せるか、その時期の動画で埋めます。声の入った短い動画をところどころに挟むと、場面の区切りをつけやすくなります。
1080pで書き出し、HDRはオフにする
写真を並べて動画にするのは、iPhoneのiMovieやパソコンの編集アプリなど、手元にあるもので足ります。できあがったら、1080p(1920×1080)の動画に書き出します。DVDにもブルーレイにも使える形で、DVDの720×480に縮めるのはディスクを作る段階の作業です。iPhoneのiMovieでは、HDRのビデオが入っていると書き出しの「HDR」が初めからオンになるので、オフにします。Appleも、ほとんどの機器との互換性を保つにはオフにするよう案内しています。アプリごとの手順は写真のスライドショーをDVDにする方法にまとめました。
書き出したら、編集画面ではなく、書き出したファイルを最初から最後まで再生して確かめます。見るのは、名前や日付の誤字、写真の向き、場面の変わり目の音の大きさです。
曲を入れるなら|家族で見るか、配る・会場で流すかで手続きが変わる
本人の好きな曲や、家族の思い出の曲を入れたいときに知っておきたいのは、会場で曲を流すことと、曲を動画に入れてディスクにすることが、法律では別の行為として扱われる点です。会場の画面に映して流すのは上映、曲を動画に入れて焼くのは複製にあたります(著作権法第2条)。使い方ごとに並べると、次のようになります。
| 使い方 |
曲の手続き |
家族が家で 見るために 自分で作る |
私的使用の複製 (第30条)。 許諾は要らない。 |
別の家に住む 祖父母に渡す |
私的使用に 入るかは、一律には 言えない。 |
同級生などに 配る |
私的使用の範囲を 超えるなら、 曲と音源の 手続きが要る。 無料で配っても、 公衆なら頒布。 |
食事会や 同窓会の 会場で流す |
営利目的でなく、 料金を取らず、 出演者に報酬が なければ要らない (第38条)。 |
家族で見るための複製(私的使用)の条件
家族が家で見るために、自分でムービーを作ったりディスクにしたりするのは、著作権法第30条の「私的使用のための複製」として、許諾なしにできます。文化庁の説明では、家庭内など限られた範囲で、仕事以外で使うために、使う本人が複製することが条件です。コピーガードを外して複製することは、この例外に入りません。
別の家に住む祖父母や親族にディスクを渡す使い方がこの範囲に入るかは、一律には言えません。家で見るために作った複製を、その目的の外で配ったり公衆に見せたりすると、複製をしたものとみなされます(第49条)。祖父母にも渡す、食事会で流す、と決まっているなら、はじめから手続きのできる曲か、規約で使い方が認められた音源で作っておくと、作り直さずに済みます。
食事会や同窓会で流す、同級生に配るとき
食事会や同窓会の会場で流すのは、上映にあたります。営利を目的とせず、観客から料金を取らず、出演者に報酬を払わない場合は、公表された曲を許諾なしに上映・演奏できます(第38条)。ただし、文化庁の著作権テキストは、この例外に「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれないとしています。会場で流すことが条件に当てはまっても、曲を入れた動画を作ることは、この例外では済みません。JASRACも、市販のCDやダウンロードした音源を使った映像を上映するときは、上映の手続きとは別に、その映像を作ることの手続きが要ると案内しています。
会費を集める集まりでは、その会費が何の対価かで扱いが変わります。文化庁は、名目を問わず著作物を見せる対価の性格があるものを「料金」とし、集めたお金を会場費に充てる場合も含めています。同級生に配るディスクは、無料でも「頒布」にあたりえます。著作権法は、有償か無償かを問わず複製物を公衆に渡すことを頒布とし(第2条)、「公衆」には特定かつ多数の人も含まれます。何人から「多数」になるかに決まった人数はありません(文化庁)。
曲と音源の手続きは、ディスクを作る前に
CDや音楽配信で売られている曲には、作詞者・作曲者の著作権、歌手や演奏家(実演家)の権利、その音を録音したレコード製作者の権利の、3つが含まれています(JASRAC)。JASRACやNexToneが許諾するのは作詞・作曲の著作権なので、CDの音をそのまま使うなら、レコード会社などの許諾が別に要ります。結婚式なら式場を通してISUMでまとめて手続きする仕組みがありますが、ISUMが代行するのは結婚式(披露宴・2次会)での利用だけです。
- 曲を管理している団体を調べる。JASRACは作品検索データベース「J-WID」、NexToneは「NexTone作品データベース」で調べる
- 市販のCDや配信の音をそのまま使うなら、レコード会社や歌手の所属事務所などに連絡して、音源の許諾を得る
- 曲の許諾を、JASRACはオンラインの窓口「J-RAPP」から、NexToneはクリアランスシステム「PlayN」から、ディスクを作る前に申し込む
JASRACはJ-RAPPなら許諾番号の通知まで通常2〜3営業日、書類で申し込むと最低1週間ほど、NexToneは申請から許諾まで通常5営業日ほどと案内しています。JASRACの案内では、写真のスライドショーは「録音物」、DVD・ブルーレイは「映像ソフト」と製作の区分が分かれていて、NexToneも、結婚式以外で写真のスライドショーに曲を入れるときは「オーディオ」の手続きを案内しています。写真と動画が混ざるムービーをどの区分で申し込むかは、先にJASRACやNexToneに確かめてください。申し込みの細かな手順は、写真のスライドショーをDVDにする方法の曲の節にあります。
手続きをしないで作るなら
- 人に渡す版は曲を入れずに作り、家族で見る版とは分ける
- 利用規約で、動画に入れて配ることが認められた音源を使う
- 家族の声や、その場の音を生かす
「著作権フリー」とされる音源も、使える範囲は規約しだいです。文化庁もイラストの例で、「著作権フリー」などの表示があっても利用の条件が決められている場合があるとして、条件をよく確かめるよう呼びかけています。編集アプリに付いている音楽も同じで、Google フォトで作る動画に付く音楽は「非営利目的の個人使用のみ」、Mac版iMovieの使用許諾契約は、付属のオーディオの用途を「個人的、非営利的な用途のみ」に限っています。
祖父母にはテレビで見られるDVD、手元には元のファイルも2か所に
祖父母に渡すなら、DVDが基本になる理由
DVDプレーヤーでは、ブルーレイを再生できません(ソニー)。反対に、ブルーレイのプレーヤーはDVDも再生できるものが多いので、祖父母の家の機器が分からないならDVDにします。映像の細かさはDVDが720×480、ブルーレイが1920×1080です。大きなテレビで見る自宅の分はブルーレイ、祖父母の分はDVD、と同じ内容を分けて作ることもできます。
長さの心配はあまり要りません。DVD-R(4.7GB)に無理なく入るのは、レコーダーのSPモード相当の画質(約5Mbps)で約2時間なので、15分や30分のムービーなら1枚に収まります。
1枚目を、見る家と同じ種類の機器で試す
MP4などの動画ファイルをそのままDVDに書き込んだものは、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生できません(パナソニック)。プレーヤーで見るには、DVDビデオの形に組み立てたディスクにします。そう作ったディスクでも、記録状態や記録した機器・ソフトの特性で再生できないことがある、とソニーの説明書は書いています。
何枚か作るなら、先に1枚を作り、祖父母の家と同じ種類の機器で最初から最後まで再生します。見るのは、ディスクを入れて始まるか、止まらずに流れるか、音が出るか、画面の端で名前などの文字が欠けていないかです。配る前の確かめ方は配るDVDを、どの家のプレーヤーでも見られるように作るにはにまとめました。
盤面には、名前と「二十歳の記念」の題、日付を入れておくと、何年かたって棚から出てきたときも、何のディスクかがすぐ分かります。紙のラベルやシールは貼らないでください。PlayStationの公式の案内は、シールや紙のラベルが貼られたディスクを、本体の故障の原因になる場合があるとして使わないよう書いています。
食事会や同窓会の会場で見せるなら
会場で流すなら、会場の担当の方に、映す機器(プロジェクターかテレビか)、再生する機器(DVDプレーヤー、ブルーレイの機器、パソコンのどれか)、音をどこから出すかを先に聞きます。会場の機器がDVDプレーヤーなら、ブルーレイは映りません。本番と同じ機器で前もって最後まで流し、当日はディスクと、パソコンで再生できる動画のファイルの2つを持っていくと、1つがうまく動かなくても流せます。
元のファイルは、2か所以上に残す
ディスクは、テレビで見るための複製です。DVDの映像は720×480、ブルーレイでも1920×1080に作り直されるので、撮ったままの細かさは元のファイルにしか残りません。書き出したムービーと、集めた写真と動画の元のファイルは、パソコンと外付けのドライブ、クラウドなど、2か所以上に置きます。NARAの手引きは、複製を3つ、種類の違う媒体に、できれば別々の場所に持つよう勧め、クラウドだけに頼らないよう書いています。
カナダ保存研究所の資料では、平均の寿命の目安は、一般的なDVD-Rで10〜20年、BD-Rで5〜10年です。本人には、ディスクと一緒に、書き出したムービーと集めた写真のファイルも渡しておくと、何年か先に別の形で使いたくなったときも作り直せます。
いつから準備する?渡す日から逆に数える
準備にかかる日数は、古い媒体の量と、曲の手続きをするかどうかで変わります。決めていく順番は、渡す日から後ろ向きです。
- 渡す日を決める(式の前後の家族の集まり、祖父母の家に行く日など)
- ディスクを受け取る日から、注文の日を決める(店に頼むなら、発送までとお届けまでの日数を見込む)
- 1枚目を試す日を取る
- 曲の手続きが要るなら、1枚目を作る前に許諾を得る日を決める
- 書き出しと見直しを終える日を置く
- 祖父母や親戚に、写真と動画の締め切りを伝える
- 古いテープやディスクの取り出しを始める。業者に頼むなら、仕上がりまでの日数を見積もりで確かめる
いちばん先に手をつけるのは、いちばん後ろに書いた古い媒体の取り出しです。自分でテープを取り込むなら、映像の長さの約3倍の手間がかかります(CCI)。業者に頼むなら、仕上がりと元のテープが戻るまでの日数を、申し込む前に聞いておきます。
成人の日のころに式がある地域なら、準備の終わりは年末年始と重なります。当社の通常便は受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日です。15時以降のご注文は翌営業日の受付で、発送までの日数は、土日祝・休業日を除いた営業日で数えます。間に合わないときは、集まった写真と動画で先に1本を作って渡し、テープの映像はあとで足した版を作る、という分け方もできます。
当社に頼むとき|編集を終えた動画を入稿する
当社(ディスクメーカー・大阪市北区梅田)は、1枚から注文できる、DVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店で、撮影や編集はしていません。編集を終えたムービーの動画をギガファイル便、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive などにアップロードし、その共有URLを注文フォームに貼っていただければ、スマホからも入稿できます。
ムービーと家族のメッセージのように動画が複数あるときは、ファイル名の頭に「01_」「02_」と付けて、収める順番を指定してください。受け取った動画はプレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか、大阪・梅田の店舗でお渡しします。仕上がりはDVDが720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイが1920×1080です。
ギガファイル便にダウンロードパスワードを付けてアップロードしたときは、URLを貼ると開く「ダウンロードパスワード」の欄に入れてください。入れないと注文に進めません。盤面レーベル印刷とケース+背表紙印刷は、選ぶと開く欄に、画像をアップロードするか、ギガファイル便のURLを入れます。祖父母の家の再生機器や渡す日など、ほかの希望は注文フォームの備考欄に書いてください。
料金は、基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円で、同じ内容の2枚目からは追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。盤面レーベル印刷(1枚あたり)+1,000円と、ケース+背表紙印刷(1枚あたり)+1,500円は基本料金に含まれないオプションで、付けた枚数分かかります。祖父母の分はDVD、自宅の分はブルーレイのように同じ内容を両方で作る場合や、本人用と祖父母用で内容を変える場合は、それぞれ1枚目から数えます。1枚目を試してから残りを頼むときのように、後日に追加で注文する分も、新しい注文の1枚目から数えます。ほかの項目の金額は料金表に載せています。
渡す日が近いときは、特急お届け(平日15時までの注文・入稿で翌日発送)などの短納期のオプションも選べます。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
よくある質問
Q1. 成人式のムービーは、何から準備すればいいですか?
渡す日を決めて、そこから逆に数えます。日数がかかるのは、古いビデオテープやディスクからの取り出しと、曲の手続きなので、この2つから手をつけます。前撮りの写真を使うなら、データで受け取れるか、ムービーに入れてよいかを写真館に確かめておきます。そのうえで祖父母や親戚に写真と動画の締め切りを伝え、長さを決めて写真の枚数を割り出します。
Q2. 0歳から20歳の成長記録ムービーは、何分にすればいいですか?
長さに決まりはなく、食事会の合間に流すのか、家でゆっくり見るのかで決めます。会場で流すなら、流せる時間を先に聞きます。長さが決まれば、写真の枚数は「長さ(秒)÷1枚の秒数」で出せます。10分を1枚7秒で並べると約86枚で、20年分なら1年に約4枚です。DVD-R 1枚に無理なく入るのは約2時間なので、30分のムービーでも1枚に収まります。
Q3. 写真館で撮った前撮りの写真を、ムービーに入れてもいいですか?
写真も著作物で(著作権法第10条)、使える範囲は写真館の規約や、データを受け取るときの条件で決まります。家族で作るムービーに入れる、ディスクにして祖父母に渡す、といった使い方ができるかを、受け取るときに写真館に確かめます。家庭内で見るために自分で複製するのは私的使用の範囲ですが、別に暮らす家族に配る分まで入るかは、一律には言えません。
Q4. 成人式の会場で、家族が動画を撮ってもいいですか?
式典を主催する市区町村の案内に従います。会場の中で撮ってよいか、家族が会場に入れるか、式のようすを配信するかは、市区町村のホームページや届いた案内で確かめ、分からないことは担当の窓口に聞きます。会場の中で撮れないときは、会場の外で友だちと会う場面や、式のあとの家族の時間を中心に撮ります。
Q5. 家族で見るだけなら、好きな曲をBGMにしてもいいですか?
家族が家で見るために自分で作るなら、著作権法第30条の私的使用の複製として、許諾なしにできます。文化庁の説明では、家庭内など限られた範囲で、仕事以外で使うために、使う本人が複製することが条件です。別の家に住む祖父母に渡す分がこの範囲に入るかは、一律には言えません。
Q6. 祖父母に渡すのは、DVDとブルーレイのどちらがいいですか?
祖父母の家の機器が分からないならDVDです。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できませんが、ブルーレイのプレーヤーはDVDも再生できるものが多いからです(ソニー)。ブルーレイを再生できる機器があると分かっているなら、1920×1080で入るブルーレイも選べます。何枚か作るなら、1枚目を祖父母の家と同じ種類の機器で試してからそろえます。
Q7. 押し入れの古いビデオテープの映像も、ムービーに入れられますか?
取り込んでファイルにすれば入れられます。再生できるデッキやビデオカメラとビデオキャプチャーをパソコンにつないで取り込むか、ダビングサービスに頼みます。カビやベタつきのあるテープは再生せず、専門の業者に相談します。磁気テープの寿命は、NARAがアーカイブの条件でもおおむね10〜50年、CCIが平均10〜30年としているので、再生できるうちに取り込みます。
Q8. ガラケーや古いデジカメの写真は、どうやって取り出しますか?
メモリーカードに入っていれば、カードを抜いてパソコンのカードリーダーで読み、パソコンに写します。本体に残っている分は、充電して電源が入るかを見てから、機種の説明書でパソコンへの移し方を確かめます。フラッシュメモリーは長く放置するとデータが消えることがある、とバッファローは説明しています。写せたと確かめるまで、端末もカードも処分しません。
Q9. LINEで送ってもらった動画も、ムービーに使えますか?
使えますが、LINEのトークで受け取った動画は、元のファイルと同じとは限りません。トークで送った動画の画質がどう変わるかはLINEのヘルプに書かれていないので、撮った人の手元のファイルと大きさを比べると分かります。ディスクにするなら、撮った人からギガファイル便などで元のファイルをもらい直します。ギガファイル便の保持期限は、何も変えなければ5日です。
Q10. できたムービーは、どうやって残しておけばいいですか?
ディスクは見るための複製として持ち、書き出したムービーと集めた写真・動画の元のファイルを、パソコンと外付けのドライブ、クラウドなど2か所以上に置きます。NARAは、複製を3つ、種類の違う媒体に持ち、クラウドだけに頼らないよう勧めています。カナダ保存研究所の資料では、平均の寿命の目安は一般的なDVD-Rで10〜20年、BD-Rで5〜10年です。
参考にした公式の情報
法律の運用や各団体の手続き、アプリやサービスの画面は、改正や更新で変わります。この記事は、2026年9月23日から26日にかけて確かめた法令と各公式ページの記載をもとにしたものです。式典での撮影は主催する市区町村に、写真の使い方は写真館に、曲の扱いはJASRAC・NexTone、レコード会社などの権利者に確かめてください。
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