この記事の要点
会社法と会社法施行規則に、株主総会を録画・録音するよう求める定めはありません。求められているのは、議事録を書面か電磁的記録で作ることです(会社法第318条第1項・施行規則第72条)。
議事録は、株主総会の日から10年間本店に備え置き、写しを5年間支店に備え置きます(第318条第2項・第3項)。株主と債権者は、営業時間内いつでも閲覧や謄写を請求できます。
録画は、議事録をまとめるときの確認や、後日の確認に使う控えです。目的・撮る範囲・映る株主への告知・保存期間・見られる人の5つを、撮る前に決めます。
誰か分かるように映った株主の映像は、個人情報にあたります(個人情報保護委員会)。録画することと使う範囲は、会場の掲示と招集通知で知らせます。
ネットで配信するなら、配信の範囲と株主への案内を会社の方針にそろえます。配信サービスは原本の置き場にならないので、元の録画ファイルを2か所以上に置き、1つはネットワークから切り離します。
式や イベントの 映像を、 配れる ディスクに。
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株主総会の会場にカメラを置くかどうか。総務や法務の担当者が迷うのは、撮ることが決まりなのか、撮ったら何年残すのか、映った株主をどう扱うのか、というあたりだと思います。会社法と会社法施行規則を見ても、株主総会を録画・録音するよう求める定めはありません。会社法が求めているのは議事録です。書面か電磁的記録で作り、株主総会の日から10年間は本店に、写しを5年間は支店に備え置きます(会社法第318条・施行規則第72条)。録画は、議事録をまとめるときに発言を聞き直したり、あとで何が話されたかを確かめたりするための控えです。
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株主総会の録画・録音は義務?会社法が求めるのは議事録 株主総会の議事録の保存期間は、本店に10年、支店に写しを5年 録画は議事録の控え|撮る前に決める5つ カメラは議長席と説明する役員に向け、開会から閉会まで止めない 質疑の声は、会場のマイクの音をもらって録る 映る株主への配慮|個人情報と肖像権、会場の掲示と招集通知で知らせる 録画は何年、どこに残すか|MP4にそろえ、2か所以上に置いて台帳で管理 バーチャル株主総会・ライブ配信の録画の残し方 残りの3項目を見る 決算説明会・IRイベントの録画は、公開の範囲と年数を別に決める 準備から保管まで、株主総会の録画を進める順番 よくある質問 撮った動画は、1枚1,500円(税抜)からDVD・ブルーレイにできます。料金を見る
株主総会の録画・録音は義務?会社法が求めるのは議事録
会社法第318条第1項は、「株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない」と定めています。この法務省令にあたるのが会社法施行規則で、第72条は、議事録を書面か電磁的記録で作ること、中身に次の事項を入れることを定めています。
開いた日時と場所(会場にいない役員や株主が出席したときは、その出席の方法も)
議事の経過の要領と、その結果
会社法の決まりに基づいて監査役や会計監査人などが述べた意見や発言があれば、その概要
出席した取締役・監査役・会計監査人などの氏名や名称
議長がいるときは議長の氏名と、議事録の作成を担当した取締役の氏名
録画や録音について定めた条文は、会社法にも施行規則にもありません。撮るかどうかは会社が決めることで、撮る場合も、議事録はこれとは別に作ります。
比べる点
議事録
録画
法令
会社法 第318条
定めなし
形
書面か電磁的記録
動画のファイル
中身
日時と場所、議事の経過の要領と結果など
映像と音
備え置き
本店に10年、支店に写しを5年。
会社が決める。
閲覧
株主と債権者が請求できる。
定めなし
議事の中身について条文が求めているのは、「議事の経過の要領及びその結果」です。発言を一語ずつ書き写すよう定めた条文はなく、要点をまとめる形になります。そのときに発言を聞き直せるのが、録画や録音の役目です。地方議会でも、法律で作ることが決まっているのは会議録で、中継の録画は議会ごとの決まりで扱われています。議会の例は議会中継・委員会の録画の保存と公開|会議録との違い・保存期間・情報公開の実務 に書きました。
株主総会の議事録の保存期間は、本店に10年、支店に写しを5年
議事録を置いておく期間は、第318条第2項と第3項が定めています。会社は、株主総会の日から10年間、議事録を本店に備え置き、5年間、議事録の写しを支店に備え置きます。会社法の条文に「保存期間」という言葉はなく、議事録について定めている期間は、この備え置きの期間です。
支店の写しには例外があります。議事録を電磁的記録で作っていて、支店でも閲覧などの請求に応じられる措置をとっていれば、支店に写しを置かなくてかまいません(第318条第3項ただし書)。その措置は、会社のコンピューターのファイルに記録した内容を、通信回線を通じて支店で使うコンピューターのファイルにも記録するもの、と施行規則第227条が定めています。
本店には10年。支店の写しは、電磁的記録と支店で応じる措置があれば要らない
株主と債権者は、会社の営業時間内なら、いつでも議事録の閲覧や謄写を請求できます(第318条第4項)。電磁的記録の議事録なら、記録した事項を紙や画面に表示したものが対象です。親会社の株主など(親会社社員)は、権利を行使するため必要があれば、裁判所の許可を得て同じ請求ができます(同条第5項)。
この閲覧や謄写の決まりが対象にしているのは議事録で、録画について定めた条文はありません。録画を何年残すかも会社法では決まっていないので、文書管理規程など社内の決まりで年数を決めます。議事録と同じ10年にそろえておけば、議事録を見返すときに録画も手元にある、という形にできます。
録画は議事録の控え|撮る前に決める5つ
録画が役に立つ場面は、主に2つです。1つは議事録をまとめるとき。質疑のやり取りや、議長が議案を諮った順番を聞き直して、要領をまとめられます。もう1つは後日の確認で、株主や役員から「あのとき、どう説明したか」と尋ねられたときに、発言をそのまま確かめられます。どちらの場面でも、正式に作って備え置くのは議事録です。
決めること
中身
目的
議事録の確認と、後日の確認の控え。社外に出すかどうかもここで決める。
撮る範囲
議長席と、説明する役員を映す。会場の株主や、質問する株主を映すかを決める。
映る株主への告知
会場の掲示と招集通知で、録画することと使う範囲を知らせる。
保存期間
何年残すか、満了したらどう消すか。
見られる人
見てよい部署と人を決め、置き場所を限る。
決めた内容は、文書管理規程や、株主総会の準備の手順書に書いておきます。毎年同じ形で回せるようにしておけば、担当が替わっても引き継げます。
カメラは議長席と説明する役員に向け、開会から閉会まで止めない
議事録の確認に使うなら、映すのは、議長と、説明や答弁をする役員です。カメラは三脚で固定し、議長席と説明の位置が入る画角にします。説明にスライドを使うなら、画面の文字が録画で読めるとは限らないので、使ったスライドのファイルも録画と一緒に残します。
質疑の場面で質問する株主を映すかどうかは、前の節で決めた撮る範囲に従います。映さないなら、カメラは議長席と答える役員に向けたままにし、質問は音で残します。質問した株主の姿がなくても、何を尋ねられ、どう答えたかは音で確かめられます。
録画は、開会の前から回し、閉会まで止めません。議案ごとに録画ボタンを押し直すと、押し忘れや押し遅れで冒頭が欠けることがあるからです。電源と記録メディアの残りは前日に確かめます。2台目のカメラかレコーダーでも録っておけば、片方がうまく録れなかったときの備えになります。終わったら、その日のうちに録画を別の場所にコピーしてください。
撮影や配信を業者に頼む場合は、録画データを渡してもらう時期と形式(長く残すならMP4など)、業者の手元に残ったデータをどう扱うかを、頼む前に決めておきます。
質疑の声は、会場のマイクの音をもらって録る
議事録の確認に使うなら、映像のきれいさより、発言が聞き取れることが先です。議長や役員の声は、会場のマイクで拾われ、音響設備を通って流れています。質問する株主にもマイクを渡すなら、その声も同じです。この音を録音用にもらえれば、会場の響きの少ない声を録れます。どの機器のどの端子から、どの大きさでつなぐか、そもそもつないでよいかは、会場の音響の担当者と決めます。当日に端子を探すことにならないよう、リハーサルの前に聞いておいてください。
レコーダーの側は、マイクではなく、ほかの機器の音を入れる設定にします。ソニーのリニアPCMレコーダー PCM-A10 なら、ほかの機器の音声出力をオーディオコードでマイクのジャックにつなぎ、「外部入力設定」で「Audio IN」を選びます。
音響設備を通る音は、マイクで拾った音と、設備で流した音です。マイクを通さない声や拍手は入りにくいので、カメラの音や、会場に置いたレコーダーでも録っておき、あとで使い分けます。録音レベルは、リハーサルでいちばん大きな音に合わせて決め、本番中は動かしません。ソニーは PCM-A10 のヘルプガイドで、ピークレベルメーターの−12dBを目安に調節するとしています。置き場所や設定の決め方は、卒業式の呼びかけ・合唱をきれいに録る方法|体育館の反響と音割れを防ぐ で説明しています。
議事録の確認に使うなら、映像のきれいさより発言が聞き取れることが先
映る株主への配慮|個人情報と肖像権、会場の掲示と招集通知で知らせる
会場の株主が誰か分かるように映っていれば、その映像は個人情報にあたります。個人情報保護委員会のガイドラインは、本人が判別できる映像を個人情報の例に挙げ、映像や音声による情報も個人に関する情報に含めています。
株主名簿や顧客の名簿などを事業に使っている会社は、個人情報保護法の「個人情報取扱事業者」にあたります(第16条第2項)。個人情報取扱事業者は、個人情報を何に使うかをできる限り特定し(第17条)、本人に知らせるか公表します(第21条)。その目的の外で使うには、原則として、あらかじめ本人の同意が要ります(第18条)。録画するなら、議事録の確認に使う、社内で見返す、といった使い道を先に決めて知らせます。
映像を外に渡すときの決まりと、肖像権
外に渡す場面は、少し事情が違います。名簿のように特定の人を検索できる形に整理した「個人データ」を外に渡すには、原則として、あらかじめ本人の同意が要ります(第27条)。委員会のQ&Aによると、ビデオカメラなどで記録した映像は、特定の人の映像を検索できるように整理していない限り、この名簿のような集まり(個人情報データベース等)にはあたらないと解されます。写真の画像も、一般に個人情報にはあたるものの、個人データにはあたらないと解される、というのが委員会の説明です。
ただ、会社の行事で撮った写真を社内で展示する例について、委員会は、利用目的を知らせるか公表することは必要とし、プライバシーの権利や肖像権の侵害にあたる場合もあると注意しています。そのうえで、展示の期間を限る、不特定多数に渡すときは本人の同意を得る、といった取り組みを望ましいとしています。株主の名前で映像を探せるように整理している場合などは、扱いが変わることがあります。
肖像権は、個人情報とは別の話です。自分の肖像をみだりに他人に公開されない権利で、法律に定めはなく、判例によって確立されてきた権利です(文化庁)。
会場の掲示と招集通知で知らせる
株主総会で撮るときは、録画することと、その使い道・見られる人の範囲を、会場の入口の掲示と招集通知で知らせます。カメラを議長席と役員に向けて株主席を映さない構図にし、質問した株主の姿を社外に出す映像に入れるかどうかも、先に決めておきます。掲示の文例は次のとおりです。形の見本なので、使い道に合わせて書き換えてください。
【株主総会の録画について】
本総会は、議事録の作成と記録のため、議長席と役員席を録画・録音します。会場の株主さまが映らないよう撮影します。録画は社内の規程に従って保管し、社外には公開しません。
使い道ごとに分けて了解を取る書き方は、園向けの記事ですが園の動画・写真を配るときの同意書|作り方と、使い道ごとに選べる文例 が参考になります。社外に出す映像に株主が映るなら、出す前に法務の担当や弁護士に確かめてください。
録画は何年、どこに残すか|MP4にそろえ、2か所以上に置いて台帳で管理
年数は社内の決まりで決めます。決めた年数のあいだ開ける状態で残すための手立ては、形式、置き場所、台帳と点検の3つです。
長く残す動画は、MP4などの標準的な形式にそろえる
ビデオカメラの録画は、AVCHDのように機種ごとの形式で保存されていることがあります。国の行政文書について、内閣府の通知は、長く保存する電子の記録を「標準的フォーマット」で残すよう求めており、動画で挙がっているのはMPEG2とMPEG4です。国立公文書館のガイドブックは、カメラからパソコンへ書き出すときにファイルの種類をmp4にすれば、MPEG4に変えられると案内しています。会社の録画も、原本はMP4にそろえておくと、開くソフトに困りにくくなります。国の決まりの中身は公文書・自治体の電子記録の長期保存|保存期間・形式・媒体と光ディスクの使い方 にまとめました。
2か所以上に置き、1つはネットワークから切り離す
IPA(情報処理推進機構)の解説書は、元のデータを含めて3つ持ち、2種類の媒体に分け、1つは別の拠点などに置く「3-2-1」の考え方を紹介しています。バックアップは外部の記憶装置に置き、取るときと戻すとき以外はネットワークから切り離しておく、というのも同じ解説書の説明です。警察庁も、ランサムウェアの対策として、バックアップをネットワークから切り離してオフラインで保存するなど、暗号化されないよう備えておくことを勧めています。
置き場所
役割と注意
社内の保存先
日々使う原本の置き場。見られる人を限る。
外付けHDD
控えを作るときだけ つなぎ、終わったら外して保管する。
BD-R・DVD-R
書き換えできない控え。平均の寿命はBD-Rで5〜10年、一般的なDVD-Rで10〜20年。
配信 サービス
株主が見るための場所。原本の代わりに しない。
ディスクの寿命は、カナダ保存研究所(CCI)が温度と湿度の影響をもとに示す平均の目安で、一般的なDVD-Rは銀合金の反射層のものです。ディスクを控えに使うなら、1回だけ記録できるBD-RかDVD-Rを選びます。組み合わせ方は写真・動画の長期保存はクラウドとDVDのどっち?|3-2-1バックアップの組み方 、切り離した控えの作り方はランサムウェア対策のオフラインバックアップ|中小企業・学校・家庭のやり方とBCP に書きました。
台帳に記録し、決まった間隔で読めるかを確かめる
国立公文書館のガイドブックは、保存しているすべての電子の記録について、どの媒体のどこに置いたかを台帳などで組織として共有し、特定の個人だけが触れる状態にしないことを基本にしています。株主総会の録画なら、次の項目を1回ごとに残しておくと、担当が替わっても追えます。
総会の名前(第◯回定時株主総会など)と開催日、録画した時間
ファイル名、形式と大きさ、原本にしたときのハッシュ値
原本と控えの置き場所(保存先のフォルダ、保管庫と棚の番号)
保存期間と満了日、満了したときの消し方
見られる人と、見た日・見た人の記録
点検した日と結果、移し替えた日と移し先
置き場所の見回りと台帳との照合は、年に一度。ディスクから数枚を抜き出して再生できるかを確かめる点検は、JIS Z 6017などが5年程度を目安にしています(国立国会図書館の報告書による)。ディスクはケースに入れて立て、温度10〜25℃・湿度40〜60%の暗い場所に置きます(JIS Z 6017などが示す長期保存の環境)。国立公文書館のガイドブックは、今の技術では永久に同じ媒体で保存し続けることはできないとしています。読めるうちに新しい媒体へ移し、移したあとは、ファイルの数と大きさ、ハッシュ値が元と同じかを照らし合わせます。置き方の注意はDVD・CDの正しい保管方法|温度・湿度・置き方と、やってはいけないこと にまとめました。
録画の年数は社内で決める。決めた年数のあいだ開けるよう点検を回す
見られる人を限るには、個人情報保護委員会のガイドラインが安全管理の例に挙げるやり方が使えます。媒体は鍵のかかる所に保管する、持ち運ぶときはパスワードをかける、捨てるときは元に戻せない方法で消す、といったものです。
バーチャル株主総会・ライブ配信の録画の残し方
会場で開く株主総会をインターネットでも見られるようにする形を、経済産業省の「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」(2020年2月)は、会社法上の出席になるかどうかで2つに分けています。会場を用意しない形は、上場会社が一定の要件を満たし、経済産業大臣と法務大臣の確認を受けて開ける「場所の定めのない株主総会」です(産業競争力強化法第66条。2021年6月16日から)。
形
中身
ハイブリッド 参加型
会場にいない株主がネットで傍聴する。会社法上の出席にならず、質問や動議はできない。
ハイブリッド 出席型
会場にいない株主も、ネットで会社法上の出席をする。議事録に、出席の方法も書く。
場所の定めのない株主総会
会場を用意しない。定款で定め、経済産業大臣と法務大臣の確認を受けた上場会社が開ける。
どの形でも議事録は作る
出席型なら、会場にいない株主の出席の方法を議事録に書きます(施行規則第72条第3項第1号)。場所の定めのない株主総会の議事録には、開いた日時、場所の定めのない株主総会とした旨、議事で使った通信の方法などを書きます(産業競争力強化法に基づく場所の定めのない株主総会に関する省令第5条)。どちらの形でも、録画を残すよう求める定めはありません。
配信の範囲と、株主への案内
配信するなら、株主への案内を先に整えます。実施ガイドは、参加の方法を前もって株主に知らせる必要があるとし、招集通知に書く方法や同封する方法を挙げています。参加型の留意事項には「肖像権等への配慮」を挙げ、株主に限って配信すれば肖像権等の問題は生じにくいとしています。誰でも見られる形で配信するのか、IDとパスワードで株主に限るのかは、映る株主への配慮とあわせて、会社の方針として決めておくことです。
配信サービスに残る録画は、原本にしない
配信サービスは、株主が見るための場所で、録画の原本の置き場にはなりません。YouTubeを例にとると、12時間未満のライブ配信は自動でアーカイブされますが、ヘルプはローカルの録画をバックアップとして残すよう勧めています。自分がアップロードした動画をダウンロードしても、動画のサイズによって720pか360pのMP4です。原本は、配信に使った機材の手元の録画か、配信を頼んだ業者から受け取った元のファイルにし、配信を見られる期間とは別に、決めた年数だけ残します。配信の残り方と手元に録画する手順は配信のアーカイブを保存する方法|残る期間と、手元に録画して残す手順 にまとめました。
配信のアーカイブは見るための場所。原本は手元の録画か業者の元のファイルにする
決算説明会・IRイベントの録画は、公開の範囲と年数を別に決める
会社法の議事録の決まり(第318条)は株主総会についてのもので、決算説明会や会社説明会には当てはまりません。録画の使い道は、会社が決めることになります。会社のウェブサイトで公開するのか、社内で見返すだけにするのかで、映してよい範囲も、残す年数も変わります。
公開するなら、登壇する役員の説明だけにするのか、質疑も入れるのかを決めます。質問する参加者が誰か分かるように映るなら、株主総会と同じく個人情報として扱い、案内の文面や会場の掲示で、録画することと公開の範囲を知らせます。説明に使ったスライドは録画と一緒に残し、台帳にも並べておくと、あとで、どの資料で何を説明したかをたどれます。
説明会の映像をDVDにして取引先などに渡すなら、相手の再生機器の確かめ方など、会社の動画を渡すときの考え方が当てはまります。会社案内DVDの作り方|営業・展示会・採用で動画を渡すときの構成と選び方 を参考にしてください。
準備から保管まで、株主総会の録画を進める順番
目的、撮る範囲、保存期間、見られる人を決め、文書管理規程や手順書に書く
会場の担当者と、カメラの位置、電源、音響設備からの音のもらい方を決める。撮影や配信を業者に頼むなら、録画データの渡し方も決める
招集通知と会場の掲示に、録画することと使う範囲を載せる。配信するなら、参加の方法と配信の範囲も載せる
リハーサルで録画と録音を試し、録音レベルを決める
当日は開会の前から録画を始め、閉会まで止めない
その日のうちに別の場所へコピーし、ファイル名に開催日と総会の名前を入れる
議事録をまとめるときに、録画で発言を確かめる
原本をMP4などにそろえ、切り離した控えを作って台帳に載せる。見回りは年に一度、ディスクの点検は5年程度ごとに行う
録画を役員や関係する部署がテレビで見返すなら、プレーヤーで再生できる映像のDVDやブルーレイにしておく方法もあります。映像のDVDは、元の動画をプレーヤーで再生できる形に作り直した複製で、元の動画ファイルそのものではありません。長い総会は、議案や質疑の区切りにチャプターを付けておくと、見たい場面から再生できます。付け方はチャプター分けとは?DVD・ブルーレイの章の付け方と数の目安 にまとめました。
当社(ディスクメーカー)は、大阪市北区・梅田にある、DVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店です。当社が受け付けるのは、完成した動画のデータです。動画の共有URL(ギガファイル便、Google ドライブ、OneDrive など)を注文フォームに貼っていただければ、プレーヤーで再生できる形に組み立てて書き込み、実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか店舗でお渡しします。チャプターは、「チャプター分け」を選ぶと開く「チャプター位置の指定」の欄に、2つ目以降の区切りの時刻を入れます(1つ目は動画の冒頭に自動で入ります)。
DVDは720×480、ブルーレイは1920×1080で作る見るための複製なので、保存用の原本は、この記事の手順で別に残してください。注文は1枚からで、料金は基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円です。DVDとブルーレイの両方を作るときや、内容が違うディスクは、それぞれ1枚目から数えます。同じ内容の2枚目からは、追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
よくある質問
Q1. 株主総会の録画や録音は、法律で義務づけられていますか? 会社法と会社法施行規則に、株主総会を録画・録音するよう求める定めはありません。求められているのは議事録で、書面か電磁的記録で作り、開いた日時と場所、議事の経過の要領とその結果、出席した役員の氏名などを入れます(第318条第1項・施行規則第72条)。録画は、議事録をまとめるときや後日の確認に使う控えとして、撮るかどうかを会社が決めます。
Q2. 株主総会の議事録は何年保存しますか? 会社法が定めているのは備え置きの期間で、株主総会の日から10年間は本店に議事録を、5年間は支店に写しを置きます(第318条第2項・第3項)。電磁的記録で作り、支店でも閲覧などに応じられる措置をとっていれば、支店の写しは要りません。株主と債権者は、営業時間内いつでも閲覧や謄写を請求できます。
Q3. 録画があれば、議事録に発言をすべて書かなくてもよいですか? 議事録に書くのは「議事の経過の要領及びその結果」などで、発言を一語ずつ書き写すよう定めた条文はありません。ただし録画があっても、議事録は施行規則第72条が挙げる事項をそろえて作ります。録画は、要領をまとめるときに発言を聞き直すための控えとして使い、議事録とは別に保管します。
Q4. 株主総会で会場の株主が映るとき、同意は要りますか? 誰か分かるように映れば個人情報にあたり、会社は利用目的を本人に知らせるか公表します(個人情報保護法第21条)。委員会のQ&Aは、会社の行事の写真の展示の例で、不特定多数に渡すときは本人の同意を得る取り組みを望ましいとしています。録画することと使う範囲は会場の掲示と招集通知で知らせ、社外に出す映像に株主が映るなら、法務の担当に確かめます。
Q5. バーチャル株主総会の配信の録画は、どう残せばよいですか? 配信サービスは株主が見るための場所で、録画の原本の置き場にはなりません。YouTubeのヘルプもローカルの録画をバックアップにするよう勧めており、自分の動画をダウンロードしても720pか360pのMP4です。原本は、配信に使った機材の手元の録画か、配信業者から受け取った元のファイルにし、2か所以上に置いて台帳に記録します。
Q6. バーチャル株主総会の議事録には、何を書きますか? ハイブリッド出席型なら、会場にいない株主の出席の方法を議事録に書きます(施行規則第72条第3項第1号)。会場を用意しない場所の定めのない株主総会では、開いた日時、場所の定めのない株主総会とした旨、議事で使った通信の方法などを書きます(産業競争力強化法に基づく場所の定めのない株主総会に関する省令第5条)。どちらの形でも、録画を残すよう求める定めはありません。
Q7. 株主総会の録画は、何年残せばよいですか? 会社法に録画の年数の定めはないので、文書管理規程など社内の決まりで決めます。議事録と同じ10年にそろえると、議事録を見返すときに録画も手元にある形にできます。長く残すなら原本をMP4などにそろえて2か所以上に置き、ディスクの控えは5年程度を目安に再生できるかを確かめ、読めるうちに新しい媒体へ移します。
Q8. 決算説明会の録画も、株主総会と同じように残す必要がありますか? 会社法の議事録の決まり(第318条)は株主総会についてのもので、決算説明会には当てはまりません。録画を会社のウェブサイトで公開するのか、社内で見返すだけにするのかを決め、それに合わせて映す範囲と残す年数を決めます。質問する参加者が誰か分かるように映るなら、個人情報として扱い、録画することを案内で知らせます。
Q9. 株主から、総会の録画を見せてほしいと言われたら、どうすればよいですか? 会社法で株主が閲覧や謄写を請求できるのは議事録で(第318条第4項)、録画について定めた条文はありません。応じるかどうか、どの範囲を見せるかは、社内の決まりによります。録画には、ほかの株主の姿や声が入っていることもあります。個別の扱いは、法務の担当や弁護士に確かめてください。
Q10. 総会の録画をDVDにすれば、長く残せますか? 映像のDVDは、元の動画をプレーヤーで再生できる形に作り直した複製で、元のファイルそのものではありません。見返す用に作り、原本のファイルは別に残します。控えにディスクを使うなら、1回だけ記録できるBD-RかDVD-Rです。平均の寿命はBD-Rで5〜10年、一般的なDVD-Rで10〜20年(カナダ保存研究所)なので、5年程度を目安に読めるかを確かめます。
参考にした公式の情報
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法令や各機関の案内は、改正や更新で変わります。この記事は、2026年9月27日時点の法令と、各機関の公式の情報をもとにしたものです。個別の判断は、法務の担当や弁護士に確かめてください。
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