この記事の要点
- お遊戯会・生活発表会の記録DVDは、園の公式の記録として撮る人を決めて作るのが基本です。公式の記録があれば、保護者は客席で撮るより、見ることに集中できます。
- 撮る前に、園の撮影と配布の決まり、写る子の扱い、曲の扱いを決めます。当日に歌ったり踊ったりするのは条件がそろえば許諾なしにできても、録画して配るのはその例外の外です。
- 歌やせりふを聞き取れる音で残すには、会場の音響から音をもらうか、舞台の近くに録音機を置いて別に録り、編集で映像と合わせます。
- 編集した動画には演目ごとにチャプターを付け、希望する家庭にDVDを配ります。ブルーレイを作るのは、再生できる機器があり、希望した家庭の分だけです。
- 全部を作る前に1枚目を作り、何軒かの家の機器で最後まで再生してもらってから、残りの枚数をそろえます。
お遊戯会や生活発表会の日が近づくと、園の先生や保護者会の係のもとに「今年も記録のDVDを」という声が届きます。客席にはわが子を撮りたい保護者が並びます。後ろの席から撮った映像では、歌やせりふが聞き取りにくいこともあり、どこから手を付ければよいか、迷うところです。
お遊戯会・生活発表会の記録DVDは、園の公式の記録として撮る人を決めて作るのが基本です。後から取り返せないのは、最初の決まりと当日の音です。配り終えたディスクは集め直せず、録れていない声は編集でも足せません。機材をそろえるより先に、園と係で話し合う時間を取ってください。
決まりと音は後から取り返せない。撮る前に園と係で決めておく
お遊戯会の撮影は誰がする?園の公式の記録と、保護者の観覧を分ける
お遊戯会の記録を撮るのは、園の先生や職員、園が頼んだ撮影業者、園の了解を得た保護者会の係のいずれかです。記録のDVDの元になる映像は、園の公式の記録として撮った1本に決めておきます。曲の扱いも、写る子の家庭の了解も、その1本について整えれば済みます。何人もの保護者の動画を集めてつなぐと、撮った人の数だけ、配る映像に使ってよいかを確かめなければなりません。
公式の記録を配ると分かっていれば、保護者はカメラの画面越しではなく、自分の目で舞台を見やすくなります。席の取り合いや、立ち上がって撮る人の後ろで舞台が見えない、といった客席の困りごとが減るのも利点です。
| 撮る人 |
向く場面と注意 |
園の先生・ 職員 |
園の行事として 撮る人を決める。 本番は撮影に 専念できる人を 決めておく。 |
園が頼む 撮影業者 |
台数・編集・納品まで 任せられる。 納品の形と時期を、 見積もりで決める。 |
保護者会の 係 |
園の了解を得て、 撮れる場所と 時間を決める。 機材と編集の 担当も決める。 |
各家庭で わが子を 撮る |
家で見るぶんには 手続きは要らない。 ほかの家庭に配ると、 私的使用の範囲を 超える。 |
撮影業者に頼むなら、納品がディスクか動画ファイルか、本番から何日後に届くか、編集を終えた動画ファイルも受け取れるかを、見積もりの段階で決めます。動画ファイルが園の手元にあれば、あとで枚数を足すときや、ブルーレイで作り直すときの元になります。業者が撮った映像を、園や係が別の店でディスクにするつもりなら、そのことも先に伝えて了解を得ておいてください。
客席の撮影の決まりは、園が決めて先に知らせる
家族が発表会の様子を撮って家で見ることは、家庭内で楽しむための録画として手続きは要らない、とJASRACも説明しています。客席での撮影をどこまで認めるかは、園が決めることです。認める場合も、ほかの家庭の観覧を妨げないための約束を、たとえば次のように決めておきます。
- 撮影は座った席から。立ち上がって撮らない
- 通路や舞台の前に出て撮らない
- 三脚や自撮り棒は使わない。使うなら、最後列など使える場所を決める
- 撮った映像は、SNSや動画サイトに載せない
約束は、発表会のお知らせと一緒に配ります。記録のDVDを希望する家庭に配ることも同じ紙に書いておくと、撮影を控えてほしい理由と、代わりに手に入るものが一度に伝わります。
【お遊戯会の撮影について】
当日は園で記録用の撮影を行い、編集した映像をDVDにして、ご希望のご家庭にお配りします(お申し込みの方法は後日お知らせします)。
客席からの撮影は、お座りになった席からお願いします。立ち上がっての撮影、通路や舞台の前での撮影、三脚・自撮り棒のご使用はご遠慮ください。
撮影した映像はご家庭でご覧になる範囲でお使いいただき、SNSや動画サイトには載せないでください。
撮る前に園で決めること|配る範囲と、写る子への配慮
撮影の段取りに入る前に、園と係で次のことを決めておきます。どれも、本番のあとで変えると、配る枚数や曲の手続き、編集のやり直しにつながるものです。
- 誰が撮り、誰が編集して、誰が配るか(園か、保護者会か)
- 撮る範囲。全学年・全演目か、リハーサルも撮るか
- 配る相手。在園の家庭だけか、先生や、別の家に住む祖父母の分も含むか
- 写ることを避けたい事情のある子がいないか(園を通して確かめる)
- 演目ごとの曲と、配る映像での扱い(次の節)
- 費用の集め方と、配布の希望の取り方
- 元の映像を誰が持ち、翌年の係にどう引き継ぐか
発表会の映像には、ほかの家の子どもも写ります。個人情報保護委員会のガイドラインは、本人が判別できる映像を個人情報の例に挙げていて、子どもが写っていて誰か分かる映像も、個人情報にあたります。園が撮った映像を保護者会が借りて配るなら、渡してよいかどうかを決めるのは園です。委員会のQ&Aも、PTAが学校から子どもの情報を受け取る場面について、学校が第三者に渡すことは個人情報保護法の決まりに沿って適正に扱うよう求めています。
委員会はまた、会社の行事で撮った写真を社内で展示する例について、プライバシーの権利や肖像権の侵害にあたる場合もあると注意しています。そのうえで、展示の期間を限る、不特定多数に渡すときは本人の同意を得る、といった取り組みを望ましいとしています。発表会の映像も同じ考え方で配る範囲を決め、写っている家庭の了解を得ておくと安心です。
同意をもらう書面の作り方と文例は園の動画・写真を配るときの同意書に、園と係の役割の分け方は卒園記念DVDの作り方にまとめました。
舞台袖や控え室の着替えは撮らない
お遊戯会では、演目の合間に衣装を着替えることがあります。こども家庭庁と文部科学省は、保育所や幼稚園などに向けた2024年5月の事務連絡で、こどもの性的な部位(性器・肛門やその周辺、臀部、胸部)を含む画像を、不特定・多数の人が見られる状態にしないよう求めました。見られる人がその園の保護者に限られる場合も含めて、不適切な使い方をされないようにすること、とも書かれています。舞台袖や控え室の着替えの場面にはカメラを向けず、映り込んだ場面は配る映像から外してください。
お遊戯会の曲と劇の著作権|当日に流すことと、DVDで配ることは別
遊戯やダンスでは市販の曲を流し、合唱や合奏では子どもたちが歌い、演奏します。当日に歌ったり流したりすることと、その様子を録画してDVDにし、配ることは、著作権法の上で別の扱いです。
| 場面 |
手続き |
当日に歌う・ 踊る・ 曲を流す |
営利目的でなく、 入場料を取らず、 出演者に報酬が なければ要らない (第38条)。 |
家族が家で 見るために 撮る |
私的使用の複製 (第30条)。 手続きは要らない。 |
園や係が 録画して 配る |
曲が入っていれば 要る。無料で 配っても頒布に あたる(第2条)。 |
市販のCDの 曲で踊った 演目を配る |
曲の許諾に加え、 音源の許諾を レコード会社などに 申し込む。 |
子どもの 歌・合奏を 配る |
CDの歌手や レコード会社の 権利は関わらない。 曲の作詞・作曲の 権利は残る。 |
市販の脚本・ 絵本の劇 |
配ることまで 含めて、脚本や 原作の権利者に 確かめる。 |
当日の例外(第38条1項)は、営利を目的とせず、観客から料金を取らず、出演者に報酬を払わない場合の上演・演奏・上映・口述を認めるものです。文化庁の著作権テキストは、この例外の例に学校の学芸会や市民グループの発表会を挙げたうえで、「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれないと書いています。録画すれば複製、配れば頒布です。頒布は有償か無償かを問わず、公衆には特定かつ多数の人も含まれる(第2条)ため、在園の家庭に無料で配る場合も例外の外になります。
JASRACも、合唱祭などの歌や演奏を録音・録画したCD・DVDを配るときは、歌うことや演奏することに手続きが要らない場合でも、録音・録画の手続きが要ると案内しています。学校の授業の例外(第35条)も使えません。文化庁は学校向けの冊子で、記念品として配る目的で行事の映像を保存する場合は授業に当たらず、著作者などの許諾が必要だと書いています。
市販のCDや配信の音源には、作詞者・作曲者の著作権のほかに、歌手や演奏家(実演家)と、レコード製作者の権利が含まれています(JASRAC)。JASRACやNexToneが許諾するのは曲の著作権だけなので、市販の音源で踊った演目を配るには、レコード会社などの許諾も別に得ます。
子どもたちや先生が歌い、演奏した音なら、市販の音源の権利は関わりません。それでも曲に作詞者・作曲者がいれば、曲の著作権の手続きは要ります(NexTone)。作者の死後70年を過ぎた曲は、原則として手続きなく使えます(第51条・JASRAC)。
劇の上演を録画すると、法律の上では脚本の複製にあたります(第2条1項15号イ)。市販の脚本集の台本で演じた劇は、配ることまで含めて脚本の権利者に確かめます。絵本や物語をもとに園で台本を作った劇も、元の作品の作者の権利が関わることがあるので(第2条1項11号・第28条)、出版社などに問い合わせてください。
配る映像での曲の扱いは、3つの道から選ぶ
- 曲はJASRACやNexToneに、市販の音源はレコード会社などに、両方の許諾を申し込む
- その部分の音を外すか、動画に入れて配ることが利用規約で認められた音源に替える(振付は曲に合わせてあるので、音を替えると動きと合わなくなる)
- その演目は、配る映像から外す
曲を選ぶ段階で、記録のDVDに入れて配るかどうかを園と係で話しておくと、あとで音や演目を外さずに済みます。管理団体の調べ方(J-WID・NexTone作品データベース)と、J-RAPP・PlayNからの申し込み、使用料の区分は、学校行事の録画・DVD配布と著作権で詳しく説明しています。
歌やせりふを聞き取れる音で残す3つの録り方
発表会の映像で、あとから直しにくいのは音です。客席の後ろに置いたカメラの内蔵マイクは、舞台の声と一緒に、近くの拍手や話し声も拾います。録り方は大きく3つあり、会場の設備と係の人数に合わせて選びます。
1つめは、会場の音響から録音用の音をもらう方法です。司会のマイクや流す曲が通る音響の機器(ミキサー)から音を分けてもらうと、客席の音が混ざりにくくなります。音響を外部に頼んでいる園や、ホールを借りる場合は、録音用の音をもらえるか、どの機器にどうつなぐかを、音響の担当と先に決めておきます。舞台のマイクから離れた子の声は入りにくいことがあるので、合唱のように全員の声を残したい演目は、2つめの方法と組み合わせると安心です。
2つめは、舞台の近くに録音機(ICレコーダーやスマホ)を置いて、別に録る方法。舞台の前の端や袖など、子どもたちに近い場所に置き、あとで編集して映像と合わせます。置き場所を決めるのは、リハーサルで試し録りをして、歌とせりふと曲の聞こえ方を確かめてからです。スマホで録るなら、通知や着信の音が入らない設定にしておきます。
カメラの内蔵マイクで録るのが、3つめの方法です。いちばん手軽で、カメラを舞台に近い中央に置けるほど、声は聞き取りやすくなります。舞台に近い場所にカメラを据えられるのは、園の公式の記録係だからこそ。据える場所は、後ろの席の視界をふさがないよう園と決めます。
ソニーのハンディカム(FDR-AX45など)のヘルプガイドは、録音レベルを手動で合わせるときは、ヘッドホンで確かめながら操作するよう勧めています。大きな音が続く場合は、あらかじめレベルを低めにしておくと臨場感のある音声が記録できる、としています。合奏のように大きな音が続く演目は、リハーサルで録って聞き直し、レベルを決めておきましょう。
会場の設備と係の人数で選ぶ。合唱は音響と録音機を組み合わせると安心
別に録った音を、映像に合わせる
録音機で録った音は、編集で映像の音と差し替えます。そのとき手がかりになるのが、カメラの側で同時に録った音です。カメラの音は消さずに録っておき、開演前に一度、両方の機器に入る大きさで手をたたいておくと、2つの波形の山を見比べて位置を合わせやすくなります。長い録音で後ろほどずれていくときの直し方は、動画の音ズレの直し方にまとめました。
音の録り方と機材のつなぎ方が決まったら、置き場所と設定を控えにして、翌年の係に引き継ぎます。会場と音響が同じなら、次の年も同じ手順から始められます。
会場の種類とリハーサルで、カメラの位置と明るさを決めておく
どの会場でも、カメラの位置と音の取り方は、下見かリハーサルの日に決めておきます。当日の朝に探し始めると、据えたい場所に保護者の席がもう並んでいる、ということもあるからです。発表会の会場は、園のホールや遊戯室、借りた体育館、市民ホールなどさまざまで、気をつける点が少しずつ違います。
園のホール・遊戯室
舞台と客席が近く、声も拾いやすい会場です。その分、座った保護者の頭が画面に入りやすいので、カメラは台に載せるなどして、座った人の頭より高い位置に据えます。部屋の照明だけで行う場合は画面が暗く感じることもあるため、リハーサルで試し撮りをして明るさを確かめておきます。
借りた体育館
舞台までの距離が長くなるので、三脚とズームが前提になります。広い体育館は声が響きやすく、客席の音も混ざりがちです。舞台の近くに録音機を置いて別に録る方法を使いたい会場です。電源の位置と、使ってよいかは、下見のときに施設に確かめてください。
市民ホールなどの会場
照明の設備がそろったホールでは、スポットライトの当たった子どもと暗い背景の明るさの差が大きくなりがちです。ソニーのハンディカム(FDR-AX45など)のヘルプガイドも、舞台上の人物の撮影を、被写体と背景のコントラストが強いときの例に挙げています。
同じガイドには、スポットライトを浴びた人物の顔などが白く飛ぶのを防ぐ、シーンセレクションの「スポットライト」が載っています。タッチした被写体に明るさを合わせる「スポット測光」と、明るさを手動で固定する「カメラ明るさ」も載っています。機能の名前やあるなしは機種で違うので、手元のカメラの説明書で確かめてください。
ホールの撮影の決まりと、カメラの位置・三脚・電源・会場の音響から音をもらえるかは、ホールとの打ち合わせで確かめます。決まりの例と打ち合わせで話すことは発表会・舞台の映像をDVD・ブルーレイにする方法にまとめました。暗い舞台の撮り方は、ダンス・バレエ発表会の映像をDVD・ブルーレイに|ビデオ撮影の頼み方から配布までに書きました。
どの会場も、カメラの位置と音の取り方は下見かリハーサルの日に決める
リハーサルで、本番と同じ設定を決める
本番と同じ照明と音で撮れるリハーサルは、設定を決める日です。次のことを試しておけば、本番は決めた設定で回すだけになります。
- カメラの位置と画角。いちばん端に立つ子と、ジャンプや上に伸ばした手まで入るか
- 明るさ。試し撮りをテレビやパソコンの大きな画面で見て、顔が白く飛んでいないか
- 録音レベル。いちばん大きな音が出る演目を録って聞き直す
- 録音機の置き場所。歌・せりふ・曲の聞こえ方
- メモリーカードとバッテリー。開演から終演まで撮り続けられるか
リハーサルの映像は、本番で撮り損ねた場面の予備にもなります。配る映像に使うなら、写る子や曲の扱いは本番と同じです。
学年・演目ごとの撮りどころ
同じ発表会でも、演目の種類で外したくない瞬間が変わります。公式の記録係が、当日の朝に見返すためのメモです。
- 乳児クラスのお遊戯:舞台に立っていること自体が、その年齢の記録です。泣いても固まっても、全体を映し続けます。無理に寄らないほうが、どの子も画面に残ります
- 幼児クラスの劇:せりふを聞き取れるかどうかは、音の録り方で決まります。配役表を手元に置き、せりふの順番を追いながら撮ります
- 合唱・合奏:全員の顔が入る引きの画面が基本です。楽器の持ち替えや、指揮の先生を見る目線など、練習の跡が見える場面は、2台目のカメラがあれば寄って残せます
- 遊戯・ダンス:動きが速く、寄ると画面から外れやすい演目です。全体を映す1台は動かさず、2台目があれば前の列を追います
- 幕間・場面転換:幕の前のあいさつや、終わった直後のほっとした顔が残る時間です。ただし、舞台袖と控え室にはカメラを向けません
撮りながら、演目が始まったおおよその時刻をプログラムに書き込んでおくと、あとでチャプターの位置を決めるときの目安になります。正確な時刻は、編集を終えた動画で測り直します。
当日のチェックリスト|公式の記録係が持つ1枚
開演の前に、上から順に確かめてください。
- 引きのカメラを三脚に据え、舞台全体が入る画角にする。明るさは、リハーサルで決めた設定に合わせる
- 録画は開演前から始め、演目の合間も止めない(止めて撮り損ねるより、長い分をあとで編集で詰めるほうが確か)
- 録音機は、録音が始まっているかを表示で確かめる。カメラの側の音も消さずに録る
- メモリーカードの空きとバッテリーの残りを確かめ、予備も持つ。撮れる時間は録画モードや映像の動きで変わる(ソニーのヘルプガイド)ので、目安ぎりぎりにしない
- 予備のカメラ(スマホでよい)を、別の角度に1台置く
- 最終のプログラムと配役表を手元に置く。演目の順番や出演の変更も書き込む
- 開演前に、客席の撮影の決まりを園からアナウンスしてもらう
- 舞台袖と控え室には、カメラを向けない
終わったら、その日のうちに撮影データと録音を2か所にコピーします。カメラの位置、音のつなぎ方、明るさの設定、うまくいかなかった点も同じ日に控えにしておけば、翌年の係への引き継ぎになります。
編集して1本の動画にし、演目ごとにチャプターを付ける
ディスクにする前に、編集で次の作業を済ませ、1本の完成した動画にします。
- 別に録った音への差し替え
- 演目ごとの音の大きさの差をそろえる作業
- 暗転や待ち時間の長い間を詰める作業
- 演目名の文字入れ
ここまで済ませて書き出したMP4やMOVの動画が、ディスクの元になります。
園の公式の記録なら、全学年・全演目をプログラムの順に入れる形が基本です。どのクラスも同じように入っていて、見たい演目はチャプターで選べます。見どころを短くまとめたダイジェストを別に付けるなら、学年やクラスで写る長さに偏りが出ないよう、選んだ場面の長さを書き留めて見比べます。年長組の発表会の場面は卒園記念DVDの素材にもなるので、元の動画は消さずに残しておきましょう。
書き出しは、撮ったときの解像度のままで構いません。DVDにするからといって、先に720×480へ縮める必要はありません。HDRで撮った動画は、書き出しの段階でSDRにして、色を確かめてから渡します。
チャプターは、演目が始まる少し前に
チャプターは、ディスクの動画に付ける区切りの印です。リモコンの「次」を押すと次の区切りへ進むので、演目ごとに付けておけば、家族はわが子の出る演目からすぐに見られます。区切る位置は、演目が始まる瞬間より少し前、幕が開くところや司会の紹介のところが目安。時刻は、編集を終えた最後の動画を再生して、「時:分:秒」で書き出します。
- 00:00:00 はじめのことば
- 00:03:10 年少組 お遊戯
- 00:12:45 年中組 劇
- 00:27:30 年長組 合奏
- 00:36:05 おわりのことば
演目名は最終のプログラムからコピーした文字で用意し、別の人にも読み合わせてもらいます。区切る数の目安と付け方は、チャプター分けの付け方と数の目安に書きました。
配るのはDVD、ブルーレイは希望する家庭に|1枚目を何軒かで試す
配るディスクは、多くの家で見られるDVDが基本です。DVDプレーヤーでは、ブルーレイを再生できません。ソニーの説明では、DVDプレーヤーの赤色レーザーでは、ブルーレイの細かな記録を読みこめないためです。反対に、ブルーレイのプレーヤーやレコーダーの多くはDVDも再生できます。映像の細かさはDVDが720×480、ブルーレイが1920×1080なので、大きなテレビで見る家庭に向くのはブルーレイです。
大きなテレビで見る家庭に向くのは、細かく残せるブルーレイ
希望する家庭にDVDを配り、ブルーレイは、再生できる機器がある家庭にだけ希望を聞いて作ります。枚数を一度に決めるには、申し込みのときにDVDかブルーレイかも選んでもらうのが早道です。画質や再生機器の違いは、DVDとブルーレイの違いで比べました。
長さも決め手です。1層のDVD(4.7GB)に無理なく入るのは、レコーダーのSPモードと同じくらいの画質で約2時間。パナソニックのディーガの仕様表でも、片面4.7GBのDVDはSPモードで約2時間とされています。全学年の演目を入れて2時間を超えるなら、第1部・第2部や学年で2枚に分けるか、ブルーレイにします。
全部を作る前に、1枚目を何軒かの家で試す
形式を整えて作っても、1台の機器で映らないことはあります。ソニーのレコーダーの説明書にも、記録済みのDVD-Rなどは、記録状態や記録した機器・ソフトの特性などにより再生できないことがある、と書かれています。全部を作る前に1枚を作り、配る家庭のうち何軒かに、種類の違う機器(DVDだけのプレーヤー、ブルーレイのレコーダー、ゲーム機など)で見てもらってください。
- ディスクを入れて、本編かメニューが出るか
- リモコンの「次」で、演目の順にチャプターが進むか
- 最後の演目まで、止まらずに再生されるか
- 音が出るか。音と映像にずれがないか
- 演目名やクラス名の文字に誤りがないか
映らないという返事があったら、その機器の型番を聞き、説明書の「再生できるディスク」の欄を確かめてから残りを作ります。多くの家のプレーヤーで見られるDVDの条件は、配るDVDを多くの家で見られるようにする作り方で説明しています。
配布の希望の取り方と文例
枚数は、家庭ごとに希望を取って決めます。DVDとブルーレイを分けて数え、先生や園で保管する分と、割れた・なくしたときの予備も足してください。別の家に住む祖父母の分もこの申し込みに含めてもらうと、曲の手続きをする枚数とそろいます。
【お遊戯会の記録DVDのお申し込み】
お遊戯会の様子を記録した映像(全学年・約◯分)を、ディスクにしてお配りします。次の中から選び、◯月◯日(◯)までにお知らせください。
① DVD(実費◯◯円)
② ブルーレイ(実費◯◯円。ブルーレイを再生できる機器が必要です)
③ 申し込まない
※ほかのお子さんも写っています。ご家庭でご覧になる範囲でお使いいただき、SNSや動画サイトには載せないでください。
スマホで見たい家庭には、データで渡す方法もあります。LINEやURLで配る方法とディスクの違いは、動画のLINE配布とDVD配布の比べ方にまとめました。
配る日から逆に数える段取りと、当社に頼むとき
配る日を先に決め、そこから逆に数えて、次の順に進めます。曲の扱いと写る子の確認は、撮影より前に始めてください。
- 演目と曲が決まったら、園と係で、撮る人・配る範囲・写る子への配慮・曲の扱いを決める
- 保護者に、客席の撮影の決まりと、記録のDVDを配る予定を知らせる
- 下見やホールとの打ち合わせで、カメラの位置・電源・音のもらい方を決める
- リハーサルで、本番の照明と音で試し撮りをする
- 本番。その日のうちに、撮影データと録音を2か所にコピーする
- 編集して動画ファイルに書き出し、演目の区切りの時刻を控える
- 配布の希望を集める。曲の手続きが要るなら、予備を含めた枚数が決まってから申し込む
- 1枚目を作って何軒かの家で試し、残りをそろえて配る
曲の手続きにかかる日数は、JASRACはオンラインの窓口「J-RAPP」なら許諾番号の通知まで通常2〜3営業日、書類で申し込むと最低1週間ほどと案内されています。NexToneは、申請から許諾まで通常5営業日ほどと案内しています。どちらもディスクを作る前に済ませる手続きです。当社の通常便は、受付から5営業日で発送し、お届けは発送から2〜3日。15時以降のご注文は翌営業日の受付、土日祝の注文・入稿は翌営業日からの作業になるので、1枚目と残りの2回分を、この日数で見込んでください。
当社(ディスクメーカー・大阪・梅田)は、DVD・ブルーレイの書き込み代行の小さな店で、受け付けるのは完成した動画のデータです。編集を終えた動画は、ギガファイル便の共有URLを注文フォームに貼って入稿でき、スマホからも送れます。
受け取った動画はプレーヤーで再生できる形に組み立て(オーサリング)、DVDは720×480(NTSC 29.97fps・MPEG-2)、ブルーレイは1920×1080で書き込みます。実際のプレーヤーで再生を確かめてから、ケースに入れて発送するか店舗でお渡しします。注文は1枚からで、お引き受けできるのは、撮った本人か権利者の許可がある動画です。
演目の区切りは、注文ページで「チャプター分け」を選ぶと開く「チャプター位置の指定」の欄に、2つ目以降の位置を「00:12:45」のような時刻で入れてください。1つ目は動画の冒頭(00:00:00)に自動で入り、1枚に最大50チャプターまでです。園の名前や行事名を入れた盤面の画像は、盤面レーベル印刷を選ぶと開く欄にアップロードするか、ギガファイル便のURLを入れます。配布日や配る相手の再生機器などは、注文フォームの備考欄に書いてください。
料金は、基本料金(DVD・1枚あたり)1,500円(税抜)、基本料金(Blu-ray・1枚あたり)1,500円です。同じ内容で2枚以上作るときは、2枚目から追加コピー(同一内容の焼き増し・1枚あたり)1,000円です。チャプター分け(1枚あたり)+1,500円と盤面レーベル印刷(1枚あたり)+1,000円は基本料金に含まれないオプションで、付けた枚数分かかります。
DVDとブルーレイの両方を作るときや、第1部・第2部のように内容が違うディスクは、それぞれ1枚目から数えます。試しの1枚のあとで残りを頼む注文も、新しい注文の1枚目からです。
よくある質問
Q1. お遊戯会の記録DVDは、誰が撮ればいいですか?
園の公式の記録として、撮る人を決めて撮るのが基本です。園の先生や職員、園が頼んだ撮影業者、園の了解を得た保護者会の係などが担います。元の映像を1本に決めておけば、曲の扱いも写る子の家庭の了解も、その1本について整えれば済むからです。保護者は、客席で見ることに集中できます。
Q2. 保護者が客席から撮った動画を集めて、DVDにして配ってもいいですか?
家族が見るために撮ったぶんは私的使用(第30条)の範囲ですが、集めてほかの家庭に配ると、その範囲を超えます。配るなら、園の了解、写っている家庭の了解、曲と市販の音源の手続きが要り、撮った保護者にも配る映像に使ってよいかを確かめます。撮った人の数だけ確認が増えるため、元の映像は公式の記録の1本に決めておくのが近道です。
Q3. 入場無料のお遊戯会なら、曲の入った映像をDVDにして配るのに手続きはいりませんか?
当日に歌ったり曲を流して踊ったりするのは、営利を目的とせず、入場無料で、出演者に報酬を払わなければ許諾なしにできます(第38条1項)。ただ、この例外に「複製・譲渡」は含まれず(文化庁の著作権テキスト)、録画してディスクにし、配るのは別の話です。頒布は有償か無償かを問わないので、無料で配る場合も手続きが要ります。
Q4. 子どもたちが歌った歌や合奏の映像なら、手続きは要りませんか?
子どもたちや先生が歌い、演奏した音なら、市販のCDの歌手やレコード会社の権利は関わりません。ただ、曲に作詞者・作曲者がいれば、曲の著作権の手続きは要ります(NexTone)。JASRACも、合唱祭などの歌や演奏を録音・録画したCD・DVDを配るときは、歌うことに手続きが要らない場合でも、録音・録画の手続きが要ると案内しています。作者の死後70年を過ぎた曲は、原則として手続きなく使えます。
Q5. 客席の後ろから撮ると、歌やせりふが聞き取りにくくなるのはなぜですか?
カメラの内蔵マイクが舞台から遠く、声と一緒に、近くの拍手や話し声も拾うためです。会場の音響から録音用の音をもらうか、舞台の近くに録音機を置いて別に録り、編集で映像の音と差し替えると聞き取りやすくなります。別に録るときもカメラの音は消さずに録っておくと、合わせるときの手がかりになります。
Q6. 暗い舞台で、子どもの顔が白く飛んだり暗くなったりするときは、どうすればいいですか?
リハーサルで本番と同じ照明を当ててもらい、試し撮りを大きな画面で見て設定を決めます。ソニーのハンディカムのヘルプガイドには、スポットライトを浴びた人物の顔などが白く飛ぶのを防ぐ「スポットライト」や、明るさを手動で固定する「カメラ明るさ」が載っています。機能の名前やあるなしは機種で違うので、手元のカメラの説明書で確かめてください。
Q7. 全学年の演目を入れると2時間を超えます。DVD1枚に入りますか?
1層のDVD(4.7GB)に無理なく入るのは、レコーダーのSPモード相当の画質で約2時間です。それより長い映像を1枚に詰めると画質を下げることになるので、第1部・第2部や学年で2枚に分けるか、ブルーレイにします。2枚に分けるときは、盤面とケースに「第1部」「第2部」を入れて、取り違えを防ぎます。
Q8. DVDとブルーレイ、どちらで配ればいいですか?
希望する家庭にはDVDを配り、ブルーレイは再生できる機器がある家庭にだけ作ります。DVDプレーヤーではブルーレイを再生できず、ブルーレイのプレーヤーやレコーダーの多くはDVDも再生できるからです。ブルーレイ(1920×1080)はDVD(720×480)より細かく残せるので、大きなテレビで見る家庭には向いています。
Q9. 演目ごとのチャプターは、どう指定すればいいですか?
編集を終えた最後の動画を再生して、各演目が始まる少し前の経過時間を「00:12:45」のように書き出します。幕が開くところや司会の紹介から始まると、どの演目かがすぐ分かります。当社の場合は、注文ページでチャプター分けを選ぶと開く「チャプター位置の指定」の欄に、2つ目以降の時刻を入れます(1つ目は冒頭に自動で入り、最大50チャプター)。
Q10. ディスクメーカーにお遊戯会の撮影も頼めますか?
当社は撮影をしていません。撮影と編集は園や撮影業者、保護者会の側で済ませ、完成した動画ファイルをお送りください。ギガファイル便のURLを注文フォームに貼って入稿でき、プレーヤーで見られるDVD・ブルーレイに組み立てて、実際のプレーヤーで再生を確かめてから発送するか、店舗でお渡しします。
参考にした公式の情報
出典の一覧(22件)を開く
法律の運用や各団体の手続き、機器の仕様は、改正や更新で変わります。この記事は、2026年9月26日時点の法令と各公式ページの記載をもとにしたものです。個別の判断は、園や設置者、JASRAC・NexTone、レコード会社などの権利者に確かめてください。
ディスクメーカーへのご依頼・お見積りは以下からどうぞ。