この記事の要点
- パソコンで再生できてテレビで映らないなら、まずディスクの中身をエクスプローラーで開く。VIDEO_TSフォルダが無ければ、それはデータDVDで、家庭用プレーヤーの再生対象外です。
- レコーダーで焼いたならビデオモードで記録してファイナライズが条件。パソコンのドライブは未ファイナライズでも読めるため、PCで見られることは再生互換の証明になりません。
- テレビで見せる用途なら片面1層のDVD-Rが無難。DVD-RWは反射率が低く古い機器が誤判定することがあり、2層のDVD-R DLは対応機種が限られます。
- 据置プレーヤーはPCドライブよりエラー訂正が弱い。最高速の1〜2段下で焼き直し、書き込み後のベリファイをかけるだけで読めるようになる例があります。
- 作り直すときはMPEG-2・720×480・映像最大約9.8Mbps、音声はリニアPCMかドルビーデジタル。NTSCではMPEGオーディオを使わないのが安全側の設計です。
パソコンでは問題なく再生できたので、そのままテレビのDVDプレーヤーに入れた。ところが「再生できません」と出る、あるいはディスクを認識すらしない。自分でDVDを焼いた人が最も多くぶつかる症状です。
この症状は、ディスクの傷や不良品であることは実はあまり多くありません。パソコンの再生ソフトと家庭用DVDプレーヤーでは、そもそも読もうとしているものが違うからです。パソコンは中身のファイルをソフトが解釈して再生しますが、テレビにつながったプレーヤーはDVD-Videoという規格の並びしか見ません。この差が「PCでは見られるのにテレビでは映らない」の正体であることがほとんどです。
この記事では、10分でできる切り分けから始めて、データDVDとDVD-Videoの見分け方、ファイナライズの確認、ディスクの種類と機器の対応、書き込み速度と品質、焼き直しで直る場合と直らない場合、そして作り直すときに押さえる規格値まで、実際に手を動かせる順番で説明します。
まず10分で切り分ける|「認識しない」か「認識するが再生しない」かで原因が分かれる
症状は二つに分かれます。プレーヤーがディスクそのものを認識しない場合と、認識はするが再生に進まない場合です。テレビ画面とプレーヤー本体の表示窓を見て、どちらなのかを先に決めてください。ここを曖昧にしたまま対処を始めると、関係のない手順を延々と試すことになります。
- 認識しない:「ディスクがありません」「ディスクを確認してください」と出る。読み込み音がしばらく続いてトレイが自動で出てくる。
- 認識するが再生しない:「再生できません」「このディスクは対応していません」と出る。メニューらしき画面まで進んで止まる。
認識しないときは、記録面の読み取りそのものでつまずいています。ディスクの種類、書き込み品質、ファイナライズの有無、プレーヤー側の対応メディアを疑う流れになります。認識するのに再生しないときは、読めてはいるが中身の並びが想定と違うという意味です。データDVDとして焼いた、記録モードが合っていない、著作権保護がかかっている、のいずれかであることが多くなります。
順番のある三つの確認
上から実行してください。順番に意味があります。
- 市販のDVDを同じプレーヤーに入れる。映れば、プレーヤー本体とテレビの接続は生きています。ここで映らないなら、そもそもディスクの作り方の話ではなく、機器側か入力切替の問題です。
- 問題のディスクを別の再生機で試す。家族のレコーダー、ゲーム機、車載プレーヤーなど、世代の違う機器ほど情報が増えます。別の機器で映るなら、ディスクはある程度まともに焼けていて、最初のプレーヤーが対応していないだけ、という筋が濃くなります。
- パソコンにディスクを入れ、再生ソフトではなくエクスプローラー(MacならFinder)で中身を開く。ここが本題です。何が入っているかを目で見ないと、この先の切り分けは進みません。
三つ目で見えたものによって、読むべき節が決まります。
| 中身の見え方 | 判定 | 次に読む節 |
|---|---|---|
| VIDEO_TS フォルダがあり、中に .IFO や .VOB が並んでいる | DVD-Videoとして焼けている | ファイナライズ以降 |
| 動画ファイル名(〜.mp4 など)がそのまま見えている | データDVD | 次の節 |
| 空に見える、または中身が開けない | 未ファイナライズか書き込み失敗の疑い | ファイナライズと書き込み品質 |
データDVDとDVD-Videoは別物|mp4のファイル名が見えているならテレビでは映らない
パソコンの再生ソフトは、mp4でもmovでもmtsでも、対応するコーデックさえ入っていれば再生します。一方、テレビにつないだ据置のDVDプレーヤーは、DVD-Videoという規格で並べられたデータしか再生対象にしていません。機種によってはMP3やJPEGの再生に対応しているものもありますが、それは拡張機能であって、動画ファイルをそのまま入れたディスクが映る保証にはなりません。
見分け方は、ルートに VIDEO_TS があるかどうか
DVD-Videoのディスクは、ルート直下に VIDEO_TS フォルダ(および慣例として空の AUDIO_TS フォルダ)があり、映像データはすべて VIDEO_TS の中に入っています。中身は次のような並びです。
- VIDEO_TS.IFO / VIDEO_TS.BUP / VIDEO_TS.VOB … ディスク全体の管理情報とそのバックアップ
- VTS_01_0.IFO / VTS_01_0.BUP … タイトルごとの管理情報
- VTS_01_1.VOB、VTS_01_2.VOB … … 映像・音声の実体。おおむね1GBごとに分割されます
この並びが見えていれば、少なくとも形式としてはDVD-Videoです。逆に「結婚式ムービー.mp4」のようなファイル名がそのまま見えているなら、それはデータDVDです。パソコンで再生できたのは当然で、テレビのプレーヤーで映らないのも当然、ということになります。焼き方を変えない限り、同じディスクを何度入れ直しても結果は変わりません。
Windowsの「ディスクに書き込む」ではDVD-Videoにならない
ここが誤解の最大の発生源です。WindowsでDVDを入れて「ディスクに書き込む」を選ぶと、二つの形式を聞かれます。
- USBフラッシュドライブと同じように使用する(ライブファイルシステム形式):後からファイルの追加や削除ができる形式
- CD/DVDプレーヤーで使用する(マスター形式):書き込み後に個別削除ができない代わりに、古いパソコンや一部のプレーヤーでも読み取りやすい形式
「CD/DVDプレーヤーで使用する」という表現から、これを選べばテレビのDVDプレーヤーで再生できると受け取ってしまう人が多いのですが、どちらもファイルをそのまま記録するデータDVDです。DVD-Videoの構造は作られません。
さらに、DVD-Videoを作る標準機能はいまのWindowsにはありません。Windows DVDメーカーはWindows 8以降に搭載されておらず、マイクロソフトからの提供も2017年1月10日で終了しています。つまりDVD-Videoを作るには、オーサリング(動画データをDVD-Videoの構造に組み立てる工程)に対応したソフトを別途用意する必要があります。データDVDだと判明した時点で、やるべきことは「焼き直し」ではなく「オーサリングし直し」です。
ファイナライズ|ビデオモードで記録して閉じるまで、記録した機器でしか映らない
DVDレコーダーで焼いた場合は、ファイナライズを疑います。ファイナライズとは、記録したディスクを他の機器でも読める状態に確定させる処理のことです。これを行っていないディスクは、記録に使った機器では再生できても、別のプレーヤーでは認識されないことがあります。
パソコンで読めても、ファイナライズ済みとは限らない
ここは強調しておきます。パソコンの光学ドライブは記録途中のディスクに対して寛容で、未ファイナライズでも中身を読めてしまうことがあります。「PCで見られたからファイナライズはできているはず」という推論は成り立ちません。この症状で相談が多いのは、まさにこのパターンです。
記録モードによって、再生できる機器の範囲が変わる
レコーダーの記録モードは大きくビデオモードとVRモードに分かれ、他機での再生互換が違います。
| 記録の仕方 | 再生できる機器の範囲 |
|---|---|
| ビデオモードで記録+ファイナライズ | 一般的なDVDプレーヤーで再生できる。パイオニアは、2001年以降に発売されたほとんどのDVDプレーヤーでビデオモード記録のDVD-R/DVD-RWが再生可能で、2000年以前のモデルには一部再生しないものがあると案内しています |
| DVD-RWにVRモードで記録 | 「RW Compatible」表示のあるVRモード対応プレーヤーで再生できる |
| DVD-RにVRモードで記録 | DVD-R VRフォーマットに対応した機器でのみ再生できる。パイオニアは、他のDVDプレーヤーやこの機能を持たないレコーダーとの再生互換はないと明記しています |
つまり、他人に渡す・別のテレビで見せる目的なら、選ぶべきはビデオモード+ファイナライズです。VRモードは編集の自由度と引き換えに、再生できる機器を狭めます。
実際の操作
レコーダー側は、メニューの「ディスク管理」「ディスク設定」「ディスク操作」あたりにファイナライズの項目があります。処理には数分から十数分かかり、実行中は電源を切らないでください。DVD-Rはファイナライズすると追記や編集ができなくなるため、中身を確定させてから実行します。二層のDVD-R DLでは、1層目から2層目へ切り替わるタイトルの情報が失われる場合があるとメーカーが注意喚起しているので、二層でぎりぎりまで詰めるのは避けたほうが無難です。
パソコンのライティングソフトで焼いた場合は、「ディスクを閉じる」「セッションをクローズする」「マルチセッションにしない」といった設定が相当します。追記可能な状態のまま渡すと、据置プレーヤーが認識しないことがあります。
ディスクの種類|DVD-RWとDVD-R DLは、そもそも対応していない機器がある
形式もファイナライズも問題ないのに認識しない場合、ディスクの種類が機器に合っていない可能性があります。記録型DVDは見た目が同じでも、プレーヤーから見た読みやすさが違います。
DVD-RWは反射率で誤判定されることがある
ソニーの案内によれば、DVD-RWの反射率は18%〜30%程度で、これはDVD-Videoの2層ディスクと同等の水準です。そのため、一部の古いプレーヤーが「ディスクの構造と反射率が矛盾している」と判定し、読み込みに失敗することがあります。何度書き換えても同じ機器で認識されないなら、メディアをDVD-Rに変えて焼き直すのが最短です。
2層のDVD-R DLは対応機種が限られる
片面2層のDVD-R DLは、記録型DVDのなかでも比較的あとから普及した規格です。メーカーが対応機種リストを公開しているほどで、どの機器でも読めるものではありません。層が切り替わる位置で映像が止まる、途中で「再生できません」に変わるといった症状が出たら、まず2層であることを疑ってください。
実務としての結論
相手にテレビで見てもらうことが目的なら、片面1層のDVD-Rを選ぶのが最も無難です。書き換えの必要がないなら、DVD-RWを選ぶ理由はほとんどありません。
収録時間が長くて1層に入らない場合は、2層に逃げる前に次を検討します。
- ビットレートを下げて1層に収める。4.7GBという表記は10進法での値で、パソコン上の表示では約4.38GiBです。標準的な画質設定でおおむね120分が目安になります。
- 2枚に分ける。3時間の発表会なら前半・後半で分けたほうが、再生できない機器にあたるリスクを負うより確実です。
- 高画質のまま渡したいならBlu-rayを検討する。DVDは規格上720×480に落ちるため、画質を保つ選択肢は別規格になります。
プレーヤーの取扱説明書を1分だけ見る
手元のプレーヤーが何に対応しているかは、取扱説明書の「再生できるディスク」欄に書いてあります。DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW、DL、CPRMといった表記の有無を確認してください。紙が見つからなくても、機器の型番と「取扱説明書」で検索すればメーカーがPDFを公開していることが多く、対応メディア一覧はたいてい冒頭付近にあります。ここを見ずに焼き直すと、同じ結果を繰り返すことになります。
書き込み速度と品質|最高速で焼いたディスクは、PCで読めてもプレーヤーで読めないことがある
形式もメディアも正しいのに再生できないとき、残るのは記録品質です。そして、この要因こそが「パソコンでは見られる」という症状を生みます。
パソコンの光学ドライブは、読み取りに失敗しても回転速度を落として何度も読み直し、エラー訂正を効かせながらデータを拾います。一方、据置のDVDプレーヤーは映像をリアルタイムに流し続ける設計で、読み直しに使える余裕が限られます。記録品質が境界線上にあるディスクは、粘り強いパソコンだけが読めて、据置機は読めない、という状態になります。「PCでは見れるのにテレビでは見れない」の物理的な側の説明はこれです。
焼き直すときに変える三つ
- 書き込み速度を落とす。メディアの対応最高速ではなく、1〜2段下げたあたりを選びます。16倍速対応メディアなら8倍速前後が目安です。ただし遅ければ良いというものでもなく、極端に落とすとかえって記録が不安定になるという指摘もあります。まず一段下げて試し、駄目ならもう一段、という進め方が現実的です。
- メディアを変える。同じ症状が複数枚で出るなら、そのスピンドルの品質を疑います。無名の廉価メディアは個体差が大きく、店頭で流通している信頼できるブランドに替えるだけで解決することがあります。
- 書き込み後のベリファイ(照合)をONにする。多くのライティングソフトに、焼いた内容を読み返して元データと突き合わせる機能があります。時間は倍近くかかりますが、渡してから発覚するより安く済みます。
ディスクの扱いで品質を落とさない
レーベル面にボールペンや鉛筆で書くと、記録層を傷めることがあります。書くなら柔らかいペン先の油性マーカーを使ってください。紙のシールラベルは、貼り方の偏りでディスクが反り、高速回転時の読み取りに影響することがあります。盤面に印刷して渡すなら、レーベル印刷に対応した業者に頼むほうが安全です。
プレーヤー側の劣化も候補に残す
長く使ったプレーヤーは、ピックアップの汚れや出力低下で、市販のプレスDVDは読めるのに記録型メディアだけ読めなくなることがあります。第1節で「市販DVDは映るか」を確認したのはこのためですが、市販DVDが映ったからといって記録型メディアも読めるとは限りません。別の機器で問題なく再生できるディスクが、特定の1台でだけ映らないなら、その1台の側の問題と考えられます。
地デジを録画したディスクは、CPRM対応の機器でしか再生できない
ここまでとは性質の違う原因が一つあります。テレビ番組を録画したディスクです。放送番組には著作権保護がかかっており、「1回だけ録画可能」の番組をDVDに残す場合はCPRMという仕組みが使われます。
この場合、再生には条件が重なります。CPRM対応のメディアに記録すること、対応する記録モードで焼くこと、そして再生する側もCPRMに対応していることです。シャープの案内では、CPRM対応DVD-Rにビデオモードで記録した場合はCPRM対応のDVDプレーヤーやレコーダーで再生できる、と説明されています。裏を返せば、CPRMに対応していない古いプレーヤーでは再生できません。
この症状は焼き方を工夫しても解決しません。パソコンでは対応した再生ソフトで見られるのに、居間の古いプレーヤーでは「対応していないディスクです」と出る、という形で現れます。対処は、再生する機器を対応機に替えるか、番組を録画したレコーダー本体で再生することになります。
自分で撮った映像には関係ない
混同しやすいので整理しておきます。ビデオカメラやスマートフォンで自分が撮影した映像、自分で作った動画には、CPRMは関係ありません。この節の話が当てはまるのは、放送を録画したディスクだけです。自作素材で再生できないなら、原因はここまでの節のどれかにあります。
リージョンコードは自作DVDでは通常問題にならない
「リージョンコードが違うのでは」という心配もよく見かけます。日本はリージョン2に割り当てられており、これは市販のDVDソフトに設定されている再生地域の制限です。自分でオーサリングして焼いたDVD-Videoは、通常は地域制限なし(リージョンフリー相当)で作られるため、自作ディスクの切り分けでは優先度の低い項目です。海外で購入したソフトが再生できない、という別の話と切り分けてください。なお海外ソフトの場合は、リージョンだけでなく映像方式(日本のNTSCに対して欧州のPALなど)が合わず再生できないこともあります。
焼き直しで直る場合と直らない場合|原因別の判定表
ここまでの切り分けを、対処の観点で一枚にまとめます。焼き直す前に、自分がどの行にいるかを決めてください。行が決まらないまま焼き直すのは、時間とメディアの消費です。
| 原因 | 焼き直しで直るか | やること |
|---|---|---|
| データDVDとして記録していた | 直る | オーサリングしてDVD-Video形式で焼き直す。ディスクを替える必要はない(DVD-RWなら消去して再利用可) |
| ファイナライズしていない | 直る | 記録に使ったレコーダーでファイナライズする。それができないディスクなら焼き直す |
| VRモードで記録していた | 直る | ビデオモードで記録し直してファイナライズする |
| DVD-RWや2層DVD-R DLに機器が対応していない | 直る | 片面1層のDVD-Rに焼き直す。収まらないならビットレートを下げるか2枚に分ける |
| 書き込み品質が低い(高速焼き、低品質メディア) | 直ることが多い | 別ブランドのDVD-Rに、1〜2段下の速度で、ベリファイをかけて焼き直す |
| 規格外の設定でオーサリングした | 直る | 次節の規格値に合わせて作り直す |
| 放送番組の録画(CPRM) | 直らない | CPRM対応のプレーヤーで再生する |
| プレーヤー側の読み取り劣化 | 直らない | 別の再生機を使う。他機で再生できるディスクなら作り直す意味は薄い |
切り分けのコツは、変数を一つだけ変えること
焼き直すときに、ソフトもメディアも速度も同時に変えてしまうと、直っても何が効いたのか分かりません。次に同じ作業をするとき、また同じ賭けをすることになります。変えるのは一度に一つにしてください。
判断の目安はこうなります。同じ手順でもう1枚焼いて同じ症状が出るなら、原因は手順の側にあります。2枚目が問題なく再生できるなら、1枚目はメディアの個体差か書き込みの失敗だったと考えられます。同じディスクが別の機器では再生できるなら、原因は再生機の側です。
枚数と手間の損益分岐
失敗した1枚と、焼き直しにかかる時間、追加で買うメディア代を並べると、数枚の制作なら試行錯誤より外注のほうが安く済むことがあります。とくに、渡す期日が決まっている場合は、原因が特定できないまま何度も焼き直すのはリスクの取り方として不利です。
作り直すときの設定|MPEG-2・720×480・映像は最大約9.8Mbps、音声はリニアPCMかドルビーデジタル
オーサリングし直すと決めたら、押さえる数値は限られています。ここから外れた設定で作ったディスクは、パソコンでは再生できても据置プレーヤーが受け付けないことがあります。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 映像の圧縮方式 | MPEG-2 |
| 解像度(NTSC) | 720×480。画面比は4:3か16:9をフラグで指定する |
| フレームレート(NTSC) | 29.97fps |
| 映像ビットレート | 最大約9.8Mbps。音声や字幕を含めた合計で10.08Mbpsを超えない |
| 音声 | リニアPCM またはドルビーデジタル(AC-3)。NTSCのDVD-VideoではMPEGオーディオはサポート対象外のため使わない |
| ファイル構造 | ルートに VIDEO_TS(慣例で空の AUDIO_TS も作る)。VIDEO_TS内に .IFO / .BUP / .VOB |
| 容量 | 片面1層は表記4.7GB、パソコン上の表示で約4.38GiB。標準的な画質でおおむね120分が目安 |
時間から先に決める
ビットレートと収録時間は取り合いの関係です。合計の上限が決まっている以上、長い映像ほど1秒あたりに使えるデータ量が減り、動きの速い場面でブロック状の乱れが出やすくなります。実務としては、先に収録時間を確定し、そこから1層に収まるビットレートを逆算します。90分を超えるあたりから画質の妥協が始まると考えておくと設計しやすくなります。
もう一点、DVDは規格として720×480です。フルHDや4Kで撮った素材でも、DVDにする時点でこの解像度に落ちます。これは設定の問題ではなく規格の制約なので、元の解像感を残したい場合はBlu-ray(1920×1080)を検討することになります。
完成したら、渡す相手と同じ条件で通し再生する
検証をパソコンの再生ソフトで済ませないでください。パソコンで再生できることは、この記事の出発点である症状そのものです。実際にテレビにつないだプレーヤーに入れ、次を確認します。
- ディスクを入れてからメニューが出るまで進むか
- チャプターの送り戻しが効くか
- 終盤まで飛ばさずに再生できるか(読み取りが厳しくなるのは外周側、つまり映像の後半です)
- 複数の機器がある家庭なら、いちばん古い機器でも試す
自分で焼く限界と、外注という選択肢
ここまでの工程は、要するにオーサリングの設計とメディア選定と書き込み品質の管理です。日常的にやる作業ではないため、1回きりの制作のために環境を整えると、ソフト代とメディア代と失敗分の時間が積み上がります。渡す期日が近いなら、その調整を外に出すのも現実的な判断です。
ディスクメーカーでは、動画データからDVD・Blu-rayを作る書き込みを1枚1,500円から、1枚単位で承っています。再生できる形式への組み立て(オーサリング)は料金に含まれ、盤面へのレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも対応しています。入稿はダウンロードできる共有URLで、ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorage などが使えます。納期は通常便のほか、お急ぎ(+1,500円、15時までのご注文・ご入稿で翌々日までに発送)、特急(+3,000円、15時までのご注文・ご入稿で翌日発送)、当日店舗お渡し(+3,500円、平日12時までのご注文・ご入稿、大阪市北区の店舗で受け取り)をご用意しています。
自分で焼くか任せるかの判断材料は、枚数と期日と、失敗したときに作り直す余地があるかどうかです。1枚だけを記念に残すなら手元で試す価値がありますし、決まった日に人へ渡すものなら、切り分けに時間を使うより形にすることを優先したほうが結果は安定します。
よくある質問
Q. パソコンでは見られるのにテレビで再生できません。最初に何を確認すればいいですか?
A. ディスクをパソコンに入れ、再生ソフトではなくエクスプローラー(MacならFinder)で中身を開いてください。ルートにVIDEO_TSフォルダがあり、その中に.IFOや.VOBが並んでいればDVD-Videoとして焼けています。動画ファイル名がそのまま見えているならデータDVDで、家庭用DVDプレーヤーの再生対象ではありません。あわせて、市販のDVDを同じプレーヤーで再生できるかも確認すると、機器側の問題かどうかを分けられます。
Q. ディスクの中にmp4ファイルが見えます。これはテレビで再生できますか?
A. 据置のDVDプレーヤーは、DVD-Videoという規格の並びを読む設計になっているため、動画ファイルをそのまま記録したデータDVDは基本的に再生対象外です。一部にファイル再生へ対応した機種もありますが、対応の範囲は機種ごとに異なります。テレビで確実に見せたい場合は、オーサリングに対応したソフトでDVD-Video形式に組み立て直してから焼いてください。Windowsの「ディスクに書き込む」ではDVD-Videoにはなりません。
Q. ファイナライズしたかどうか分からないのですが、確認する方法はありますか?
A. 記録に使ったレコーダーのディスク管理画面を開き、ファイナライズの項目が実行可能な状態になっていれば未実施、グレーアウトしていたり「ファイナライズ済み」と表示されていれば実施済みです。注意したいのは、パソコンで中身が読めても未ファイナライズのことがある点です。パソコンの光学ドライブは記録途中のディスクでも読めてしまうため、PCで見られることは他機で再生できる証明にはなりません。
Q. DVD-RWで焼きました。DVD-Rに変えれば直りますか?
A. 直ることがあります。DVD-RWは反射率が18%〜30%程度で、DVD-Videoの2層ディスクと同等の水準にあたるため、一部の古いプレーヤーが構造と反射率の矛盾と判定して読み込みに失敗する場合があるとメーカーが案内しています。書き換えの必要がないなら、片面1層のDVD-Rが最も無難な選択です。ただし形式がデータDVDのままなら、メディアを替えても症状は変わりません。
Q. 書き込み速度は遅いほうがいいのですか?
A. 最高速で焼くよりは落としたほうが安定しやすい傾向はありますが、遅ければ良いというものでもありません。目安は、メディアの対応最高速から1〜2段下げたあたりです。16倍速対応なら8倍速前後から試し、駄目ならもう一段下げます。極端に遅くするとかえって記録が不安定になるという指摘もあるため、段階的に試すのが現実的です。あわせて書き込み後のベリファイ(照合)をONにしておくと、渡す前に失敗に気づけます。
Q. レコーダーで録画したテレビ番組のDVDが、別のプレーヤーで再生できません。
A. 放送番組の録画には著作権保護(CPRM)がかかっており、CPRM対応のメディア・記録モード・再生機がそろって初めて再生できます。CPRMに対応していない古いプレーヤーでは、焼き方を変えても再生できません。対処は、CPRM対応のプレーヤーで再生するか、録画したレコーダー本体で再生することになります。自分で撮影した映像や自作の動画には、この制限は関係ありません。
Q. 2時間を超える映像を1枚のDVDに入れたいときはどうすればいいですか?
A. 片面1層のDVDは表記4.7GB、パソコン上の表示で約4.38GiBで、標準的な画質設定ではおおむね120分が目安です。それ以上を1枚に入れるなら、ビットレートを下げて画質を妥協するか、前半・後半で2枚に分けるかの選択になります。2層のDVD-R DLは容量に余裕がありますが対応していない機器があるため、人に渡す用途では1層2枚に分けるほうが再生できない事態を避けやすくなります。
Q. 自分で焼くのをやめて依頼する場合、何を渡せばよいですか?
A. 元の動画データを、ダウンロードできる共有URLでお渡しいただければ制作できます。ギガファイル便、Google Drive、Dropbox、OneDrive、WeTransfer、firestorageなどが利用できます。ディスクメーカーでは1枚1,500円から1枚単位で承っており、再生できる形式への組み立て(オーサリング)は料金に含まれます。盤面のレーベル印刷、ケースと背表紙の印刷、メニュー画面の作成、チャプター分けにも対応しています。なお、米国のDisc Makers社とは別の事業者です。

